特許第6966503号(P6966503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966503
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】冷却構成を有するカメラ組立体
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/55 20210101AFI20211108BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20211108BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   G03B17/55
   G03B15/00 S
   H04N5/225 430
   H04N5/225 100
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-66458(P2019-66458)
(22)【出願日】2019年3月29日
(65)【公開番号】特開2019-215523(P2019-215523A)
(43)【公開日】2019年12月19日
【審査請求日】2020年9月11日
(31)【優先権主張番号】18166589.4
(32)【優先日】2018年4月10日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コルリード, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツマン, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ボクヴィスト, マルテ
【審査官】 藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−224450(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102098426(CN,A)
【文献】 特開2012−204983(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/063890(WO,A3)
【文献】 特開2013−148634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/55
G03B 15/00
H04N 5/222− 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(102)と透明なドーム(106)とを有し、前記透明なドーム(106)の内側で前記筐体(102)に配置される少なくとも1つのカメラヘッド(104)を受け入れるように構成されるカメラ組立体(100)であって、
前記筐体(102)は、前記筐体(102)内に配置された熱消散部分(110)を有する冷却構成を備え、前記熱消散部分(110)は、前記透明なドーム(106)内の入口(126)を通じて延在する冷却気流のための管状の通路(112)を形成し、
前記熱消散部分(110)は、熱を効率的に伝達するように構成される材料から作られ、
前記熱消散部分(110)は、前記通路(112)と、前記少なくとも1つのカメラヘッド(104)が配置される区画室との間に、物理的障壁を構成する、カメラ組立体。
【請求項2】
前記熱消散部分(110)は、前記筐体(102)のシャーシ(116)へと延在する、請求項1に記載のカメラ組立体。
【請求項3】
前記通路(112)は、前記シャーシ(116)へと、または、前記シャーシを通じて延在し、前記筐体(102)の周辺に向けて外向きに延在する多岐通路(118)として続く、請求項2に記載のカメラ組立体。
【請求項4】
前記シャーシ(116)も、熱を効率的に伝達するように構成される材料から作られる、請求項2または3に記載のカメラ組立体。
【請求項5】
前記熱消散部分(110)は、前記カメラ組立体(100)の処理ユニットのための接続具を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のカメラ組立体。
【請求項6】
ファン(134)が、前記気流を増進させるために前記熱消散部分(110)に配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載のカメラ組立体。
【請求項7】
前記通路(112)の入口(126)が前記カメラ組立体(100)の中心に配置され、前記通路(112)の出口(122)が前記カメラ組立体(100)の周辺に配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のカメラ組立体。
【請求項8】
交換可能フィルタユニット(132)が前記通路(112)の入口(126)の近くに配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載のカメラ組立体。
【請求項9】
前記ドーム(106)を通じて延在する前記熱消散部分(110)の端における前記熱消散部分(110)の前記通路(112)の入口(126)に対応する部分が、前記熱消散部分(110)の内部へのアクセスのために取り外し可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載のカメラ組立体。
【請求項10】
前記熱消散部分(110)の取り外し可能な前記通路(112)の入口(126)に対応する部分は、交換可能フィルタユニット(132)が配置され得るキャップ(136)を備える、請求項9に記載のカメラ組立体。
【請求項11】
取り外し可能な前記通路(112)の入口(126)に対応する部分は、前記ドーム(106)によって発揮される圧力を用いて、前記熱消散部分(110)の残りの部分に向けて所定位置で保持される、請求項9または10に記載のカメラ組立体。
【請求項12】
1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを超える数のカメラヘッド(104)など、少なくとも1つのカメラヘッド(104)をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のカメラ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ組立体に関し、詳細には、冷却構成を有するカメラ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラの文脈内で、1つまたは複数のカメラヘッドと、関連する電子機器とを備える独立型ユニットの使用が、しばしば行われる。監視カメラは、水、水分、埃などに関してさらされた環境に配置される可能性があり、犯罪による損害(器物損壊)などの物理的な行為による悪影響から、または、より偶発的な自然の影響からカメラヘッドを保護することも、対象であり得る。これらの理由のため、カメラヘッドを保護筐体の内部に配置することが一般的に好ましいとされる。このような保護筐体は、典型的には、電子機器およびカメラヘッドが配置されるシャーシと、ドームまたは窓などの透明部分とを典型的には備える。透明部分の目的は、当然ながら、カメラヘッドのセンサにとって対象の放射の伝達を許容するためであり、このようにして、所望の伝達特性に応じて、(材料または被覆の選択によって)特性が変更されてもよい。さらに、筐体の特性は、意図されている使用、埃保護から様々なIP等級までの範囲、爆発への保護などに応じて変わってもよい。別々に提供される、または、カメラ組立体の指定された部品として提供される、市販されているこのような筐体の数々の例がある。
【0003】
筐体の効果は、カメラヘッドが閉じ込められた空間に位置付けられること、および、動作の間に発生させられる熱も閉じ込められることである。過度の熱は、システムによって発生させられるノイズの増加をもたらすため、例えばCMOSセンサといった撮像センサを動作させるときに回避されるべき特徴である。理論的には、熱ノイズは、撮像システムのすべての周波数およびすべての画素に影響するホワイトノイズであり、そのため、対象の信号を不明瞭にし、これは、撮像の状況では、カメラヘッドの視野におけるより細かい細部に該当し得る。熱ノイズは画像に常に有害な形で影響することになるが、例えば弱い光の状況における撮像の間といった、全体の信号が弱まるときに益々否定的になる。
【0004】
熱の問題を軽減するための知られている明らかな方法は、冷却フィンまたは水冷却などの冷却構成を導入すること、および、熱を発生させる電子機器(処理装置)を画像センサからできるだけ遠くに移動させることで効果を最小限にすることである。提案された行為のうちのいくつかは、設置の間の複雑さの増加、または、一部の状況において嵩張りすぎとして認められ得る設計をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP2887328
【発明の概要】
【0006】
本発明は、特定の集団のカメラ組立体のために仕立てられた向上した冷却構成を提供することを目的としている。
【0007】
そのために、本発明は、本発明の第1の態様によれば、向上した冷却構成を備えるカメラ組立体を提供することを目的とする。カメラ組立体は、筐体と透明なドームとを有し、透明なドームの内側で筐体に配置される少なくとも1つのカメラヘッドを受け入れるように構成される。本発明の目的について、筐体は、筐体内に配置され、ドームを通じて延在する熱消散部分を有する冷却構成を備え、熱消散部分は、熱を効率的に伝達するように構成される材料から作られ、冷却構成は、気流のための通路を備える。カメラ組立体の内側での発生した熱を捕らえ、その熱を、組立体から出て行く気流へと効率的に伝達することは、効率的な冷却と、組立体の設計における柔軟性の増加とを可能にする。熱消散部分が組立体の構造部品となることも可能であり、この方法では、構成要素の数が最小限とされ得る。
【0008】
1つまたは複数の実施形態では、熱消散部分は、通路と、前記少なくとも1つのカメラヘッドが配置される区画室との間に、物理的障壁も構成する。これは、他の構成要素との間の境界面が適切に封止されるべきであることを意味する。
【0009】
熱消散部分が、本発明の1つまたはいくつかの実施形態において、例えば剛体の構造物、有益な伝熱特性、およびカメラ区画室への適切なシールを可能とするために、筐体のシャーシへと延在することは、好ましいとされる。
【0010】
さらに、通路は、シャーシへと、または、シャーシを通じて延在してもよく、筐体の周辺に向けて外向きに延在する多岐通路として続いてもよい。多岐通路の設計は、熱発生構成要素によって加熱されると予測される表面にわたって空気の流れを方向付けるようになっていてもよい。
【0011】
同じ目的のために、シャーシは、熱を効率的に伝達するように構成される材料から作られ得る。
【0012】
冷却性能をさらに向上させるために、熱消散部分は、カメラ組立体の処理ユニットのための接続具を備えてもよい。この方法では、処理ユニットは、発生した熱を消散させるために使用される構成要素自体と直接接触することができる。
【0013】
1つまたは複数の実施形態では、ファンが、気流を増進させるために熱消散部分に配置されてもよい。ファンは、カメラ組立体の動力ユニットから直接的に動力供給され、なおも別の動力供給源が同じく利用されてもよい。ファンは、加熱された空気によって発生させられる対流を増進させるために用いられてもよいが、なおも気流の方向を反転させるために用いられてもよい。これは、ドームの近傍における気流が望まれない一部の用途において優先的であり得る。
【0014】
1つまたは複数の実施形態では、通路の入口がカメラ組立体の中心に配置され、通路の出口が組立体の周辺に配置されてもよい。「入口」および「出口」は、通常の流れ方向または予測される流れ方向を参照している。流れは、強い通風もしくは通路における予期しない温度分布などの自然の原因によって、または、ファンの使用によってのいずれかで、反転させられる可能性がある。その意味において、「入口」および「出口」は、代わりに通路の第1および第2の開口と称されてもよいが、入口および出口はほとんどの用途を網羅するように検討されている。
【0015】
周囲空気が冷却の通路または構成要素(主にはファン)にとって有害であると考えられる用途では、交換可能フィルタユニットが通路の入口の近くに配置されてもよい。
【0016】
冷却構成の保守を容易にするために、ドームを通じて延在する熱消散部分の端における熱消散部分の上方部が、熱消散部分の内部へのアクセスのために取り外し可能であってもよい。
【0017】
さらに、交換可能なフィルタは周期的な交換を必要とする構成要素であり得るため、フィルタへのアクセスをさらに単純化することが好ましい可能性がある。これは、熱消散部分の取り外し可能な上方部が、取り外し可能なフィルタが下方に配置され得るキャップを備える場合に達成できる。キャップは所定位置に押し込むことができる、または、取り外し可能な上方部における開口のネジ山と嵌まり合う雄ネジの接続具を備えてもよい。
【0018】
取り外し可能な上方部は、ドームによって発揮される圧力を用いて、熱消散部分の残りの部分に向けて所定位置で保持されてもよい。
【0019】
他の発明の概念は、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上など、複数のカメラヘッドを備える開示した種類のカメラ組立体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による本発明の冷却構成を有するカメラ組立体の部分的に切り取られた斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による冷却構成を通る気流の例を示す、90度の区域が除去されている断面図である。
図3】天井に配置されたカメラ組立体の斜視図である。
図4】冷却構成のさらなる詳細を示す詳細な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明が具現化され得るカメラ組立体100が、図1の斜視図において示されている。カメラ組立体100は、筐体102と、1つまたは複数のカメラヘッド104と、透明なドーム106とを備える。このようなカメラ組立体の同様の型式は、本出願人によるEP2887328において開示されている。
【0022】
透明なドーム106の一部が切り取られており、そのため一部のカメラヘッド104ははっきりと見ることができる。組立体の中心部分108は、カメラヘッド104によってもたらされる撮像の結果を受信、処理、および転送するためのコネクタ、制御ユニットなど(図示せず)を備え得る。中心部分108は、この実施形態では、冷却構成または冷却構成の少なくとも一部を備え、そのことについては後で戻る。始めに、2つのことが、ここで例示されているカメラ組立体100の理解を深めるために留意され得る。個別に言及される部分の各々が実際には複数の部品を備えてもよく、例えば、「筐体102」は、基部、シャーシ、ブラケット、いくつかのカバーなどを備えてもよい。さらに、これらの部品は、異なる材料(または、同じ材料)から製造されてもよい。これらの個々の部品が本発明を理解または可能にするのに必須であると考えられないため、それらの詳細な記載を提供しないが、なおもさらなる情報は、例えば本出願人からの、商業的に利用可能な製品をよく見ることによって、容易に見出される。もう1つのことは、例示されている図では、カメラ組立体100は通常の設置と比較して基本的に逆さまになっており、カメラ組立体は、指定された領域を監視するために、カメラヘッド104が下方および側方を向いている状態で天井または装着基部に取り付けられていることである。
【0023】
ここで中心部分108に戻ると、中心部分108は、実施形態が図2を参照して最も容易に説明される冷却構成の一部分を含むことになる。最も目立つ部分は、本質的にカメラ組立体100の上部から下部へと延在する熱消散部分110である。熱消散部分は、カメラヘッドを収容するように構成される区画室と、熱消散部分を通じて延在する通路112との間に物理的障壁を提供する。さらに、熱消散部分は、ドーム104と熱消散部分との間の接触領域を封止するように構成されるシールを受け入れるためのフランジまたは表面を有する。さらなる構造上の詳細は、シール構成114に関与してもよい。
【0024】
本発明の目的について、熱消散部分が伝熱に関して優れた特性を伴う材料から作られ、そのため熱を効率的に伝えることが最も重要である。熱消散部分が、カメラ組立体の機能に加えて、カメラ組立体の構造的な一部であることも、留意され得る。
【0025】
熱消散部分が被覆される場合、電着を用いることが、熱伝導性を維持するために、例えば粉体塗装より好ましいとされる。しかしながら、粉体塗装または他の表面処理が用途に応じて考えられ得る。熱を効率的に伝えるという特性はより手の込んだ手法で提供されてもよく、これは、機能的な視点から許容可能であるが、このようなより手の込んだ解決策はより高価なコストを組み込む傾向がある。このようなより手の込んだ解決策は、ヒートパイプを用いることに対応する可能性がある。より技術的に低いレベルの解決策は、銅などのより大きい熱伝導性を有する材料を使用することであり、これは装置のコストに効果があり得る。
【0026】
大まかには、部品は、所望の特性に応じて、異なる材料(または、同じ材料)から製造され得る。増加させられた剛性または伝熱特性を有するべき部品(具体的には、筐体のシャーシおよびブラケットであり得る筐体の一部分についての場合であり得る部品)は、例えばアルミニウムから作られ得る。色をこのような部品に適用するための適切な工程は、すでに言及しているように、粉体塗装または電着塗装であり得る。他の部品は、色付けされたプラスチックから作られてもよく、透明なドームは、例えばアクリルまたはポリカーボネートから作られてもよい。
【0027】
提供される物理的障壁は、カメラヘッド区画室に方向の衝撃を与えることなく、外部空気が通路にアクセスするのを許容する。熱消散部分110は、シャーシ116において筐体に取り付けられ、通路112は、シャーシ116と筐体102のブラケット120との間で多岐通路118へと延在する。図示した実施形態では、多岐通路118は、筐体の周辺の縁へと延在し、筐体に設けられた出口構成122を通じて出て行く。このようにして、出口構成はドームの一部の表面にわたる空気の流れをもたらし、これは、具体的には冷却のために使用される空気が濾過される場合、包囲する空気からの汚染を低減できる。
【0028】
図示した実施形態では、出口は通気構成122として具現化されるが、出口の形、大きさ、および位置は用途で変わってもよい。例として、通気格子の形態で示唆される出口は、対流を増加させるために、筐体の基礎のより近くに、つまり、入口からより離して(後で記載されている)、配置できる。また、多岐通路118の形は変わってもよいが、ある設計の特徴は、カメラ組立体の熱を発生させる構成要素のできるだけ近くを多岐通路118が通るべきであることであり得る。ほとんどの熱が発生させられる領域を通過するように冷却気流を集中させることが、適切に検討される。同じ点まで、熱を発生させる構成要素は、熱消散部分110と直接的な物理的接触で配置されてもよく、これは、符号124で指示される処理装置についての場合である。
【0029】
冷却構成は入口126も備え、ここでの実施形態については、入口はカメラ組立体の中心に配置されるが、より重要なのは、冷却構成が熱を熱消散部分から離すように伝えるというその目的に供し得る熱消散部分110および通路112へと、入口は気流を直接的に案内する。熱消散部分の内部はまた、それ自体知られている手法で、通路壁と空気の流れとの間の接触領域を増加させる目的に供する冷却フランジ128を備えてもよい。
【0030】
ここで、カメラ組立体100が、図3に示されているように、天井130に配置されている使用状況を見る。図1および図2に示したようなカメラ組立体と比較したとき、ここではカメラ組立体は逆さまにされており、予測されている使用位置である。ブラケットが天井に取り付けられており、シャーシおよび筐体の残りの部分がブラケットに取り付けられている。入口が、この使用状況においてカメラ組立体の下方の(必然ではないが、可及的には最も下の)点であることは、容易に理解される。カメラヘッドおよび処理装置が加熱するにつれて、熱消散部分も加熱することになる。次に、熱消散部分の通路の内側の空気が加熱し、結果として、対流の結果として空気は上向きに伝わり始める。加熱した空気の流れはカメラ組立体の出口へと続くことになり、周囲からの連続的な空気の流れは、結果として入口を通じて入ることになる。結果として、熱は、熱を発生させる構成要素から、熱消散部分へと伝えられ、空気へと伝えられ、そしてカメラ組立体から排出され、これらが全体で組立体の適切な冷却をもたらす。記載されている流れは図2に示されているが、流れの方向は、組立体が図2において上下逆に返されていることが分かるので、より意味がある。
【0031】
通路112はカメラ区画室と流体連通しておらず、その理由のため、外側空気の品質は、カメラ組立体の機能性にとって重要ではない。しかしながら、例えば周囲空気において多くの埃が含まれる場合の用途では、フィルタ132が、通路を通る気流に配置されてもよい。1つまたは複数の実施形態では、フィルタが、入口のキャップ136を取り外し(ネジ回しによって、または、キャップを手で回すことで)、フィルタ保持体に嵌まるフィルタを配置し、キャップを再び戻すことで配置できる。フィルタは、フィルタが配置される通路の一部分に一致する形を明らかに有するべきであり、これは、ここでの場合、断面が図4において示されている円筒形をフィルタ132が有する結果となる。
【0032】
フィルタを備える実施形態と組み合わされない可能性のある別の実施形態では、ファン134が通路に配置され得る。ファンの目的は、気流を増加させることであり、この方法では、熱伝達をさらに増加させるためである。ファンは図4においてプロペラとして示されているだけであり、実際の実施形態では、ファンは通路に挿入可能であり、カメラの動力ユニットから動力供給されるダクトファンの形態で提供され得る。ファンの選択は、利用可能な動力の大きさおよび所望の冷却効率など、いくつかの要因で変わってもよい。特に、冷却から離れて、ファンは、出口122についての詳述に関連して言及したように、ドームを埃および破片のないように保つのを助けることができ、または、ドームの外面にわたって(ここでは予加熱されている)排出空気を吹かせることで、ドームの外部を防氷または乾燥させるために使用されてもよい。他の設置では、冷却のために使用される空気は、油脂および埃などの堆積を低減させるために、ドームから離れる方に排気を方向付けることが好ましいとされる程度まで汚染されてもよい。
【0033】
例えば保守または検査の目的について、ファンにアクセスするために、熱消散部分の上方(図4)の部品138は取り外し可能であり得る。この取り外し可能な部品は、ネジまたは留め付け具を用いて所定位置で保持され得るが、ドーム104によって発揮される圧力によって所定位置で保持されてもよい。組み立てられた状態において、ドームの内径は熱消散部分の外側のフランジに当接することになり(それらの間にシールが配置される状態で)、これはドームが取り外し可能な部品を所定位置で保持することを可能にする。
【0034】
カメラ組立体は、円形の断面を有するとして示されており、これは、ここでは好ましい実施形態である。しかしながら、冷却構成は、異なる形を有するカメラ組立体においても明らかに使用できる。また、冷却構成はカメラ組立体の中心に置かれ、その場所は本実施形態において有利であるが、他の実施形態については関連していない可能性もある。
【0035】
当業者が前述の実施形態を多くの方法で変更した上で、なお前述の実施形態で示したような本発明の利点を使用可能であることは、理解されるものである。例として、通路の出口または排気は、カメラ組立体の横側に配置されてもよく、または、筐体の中心において出るように戻るように方向付けられてもよい。カメラ組立体が配置されるブラケットの上方に天井がない場合、出口は、入口が位置決めされる場所の反対側において、カメラ組立体の上側に置かれてもよい。したがって、本発明は、図示されている実施形態に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲のみによって定められるべきである。追加で、当業者は理解しているように、示されている実施形態は組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0036】
100 カメラ組立体
102 筐体
104 カメラヘッド
106 透明なドーム
108 中心部分
110 熱消散部分
112 通路
114 シール構成
116 シャーシ
118 多岐通路
120 ブラケット
122 出口構成、通気構成、出口
124 処理装置
126 入口
128 冷却フランジ
130 天井
132 フィルタ
134 ファン
136 キャップ
138 上方部品
図1
図2
図3
図4