(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966534
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】皮膚修復製品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/55 20060101AFI20211108BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20211108BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20211108BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20211108BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
A61K8/55
A61K8/60
A61K8/365
A61K8/46
A61Q19/08
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-503780(P2019-503780)
(86)(22)【出願日】2017年4月10日
(65)【公表番号】特表2019-510833(P2019-510833A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2017058516
(87)【国際公開番号】WO2017178415
(87)【国際公開日】20171019
【審査請求日】2020年4月7日
(31)【優先権主張番号】16290066.6
(32)【優先日】2016年4月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】オリオル,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】チャーラ,ハナネ
(72)【発明者】
【氏名】レフィブル,ファブリス
【審査官】
山中 隆幸
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−523701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−アセチル−グルコサミン−6−ホスファート、グルクロン酸、および硫酸マグネシウムを、それぞれ50〜75、55〜83および33〜66mmol/kgの割合において含む組成物。
【請求項2】
3つの成分が等モル割合において存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物を含む、皮膚修復製品。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物が0.005〜5重量%の割合において存在する、請求項3に記載の皮膚修復製品。
【請求項5】
請求項3に記載の製品の局所適用を含む、老化した皮膚を修復する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、皮膚引き締め、ならびに、これを達成するための組成物および方法に関する。
【0002】
皮膚は、表面の表皮、ならびにその下の真皮および次いで皮下組織の3つの層で構成される。加齢に伴うしわおよびたるみは、主に真皮における変化の結果である。真皮は、グリコサミノグリカン(硫酸化された、および、硫酸化されていない)、例えばコンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸およびヒアルロン酸、タンパク質(例として、コラーゲンおよびエラスチン)、ハイブリッドタンパク質−糖分子ならびにプロテオグリカンで構成される細胞外マトリクス中に保持される細胞からなる。若い皮膚において、細胞外マトリクスは高密度かつ密集しているが、ヒトが老化するにつれて、真皮構成のいくつか、特にグリコサミノグリカンおよびプロテオグリカンは減少し、表皮の顕著なしわおよびたるみ、堅さおよび弾性の喪失につながる。
問題の普遍性は、形成外科からボツリヌス毒素の注入までの範囲に及ぶ、利用可能な、いわゆる治療法の数によって証拠だてられている。
【発明の概要】
【0003】
現在、老化した皮膚が特定の組成物の適用によって少なくとも部分的に修復され得ることが見出されている。したがって、N−アセチル−グルコサミン−6−ホスファート、グルクロン酸、および硫酸マグネシウムを、それぞれ50〜75、55〜83および33〜66mmol/kgの割合において含む組成物が提供される。
さらに、本明細書中上記に定義されるとおりの組成物を含む皮膚修復製品が提供される。
さらに、本明細書中上記に定義されるとおりの製品の局所適用を含む、老化した皮膚を修復する方法が提供される。
【0004】
3つの成分はすべて市販されている。N−アセチル−グルコサミン−6−ホスファートおよびグルクロン酸は、それらのアルカリ金属(通常はナトリウム)塩の形態において使用されてもよい。
硫酸マグネシウムは、その市販されている形態、無水または7H
2O水和形態(エプソム塩)のいずれにおいて使用されてもよい。
特定の態様において、3つの成分はおおよそ等モル割合である。
本明細書中上記に記載される組成物は、充填および引き上げ効果を提供し、それゆえにたるみおよびしわを減少させ、時として完全に除去しさえする。それはまた、皮膚の機械的特性をも改善する。本開示を決して限定しないが、組成物は真皮成分、例えばコラーゲンおよび弾性線維を再構成すること、ならびに、老化した皮膚から失われているグリコサミノグリカンおよびプロテオグリカンの再生を促進するように作用すると考えられる。
【0005】
組成物は、皮膚修復製品中に、典型的には0.005〜5重量%の割合において組込まれてもよい。皮膚修復製品は、かかる組成物の処方物において使用されるそれらの一般的な材料を付加的に含有するであろう。これらは組成物の性質に依存するであろうし、それは水性もしくは非水性のいずれかの流動体ペースト、またはエマルション(W/OもしくはO/W)であってもよい。典型的な材料は、グリコール、油、トリグリセリド、ろう、着色物質および色素、乳化剤、フレグランス、保存剤などを包含する。製品は、かかる製品の標準の仕様において皮膚に適用されてもよい。
本開示は、以下の非限定的な例を参照してさらに記載される。
【実施例】
【0006】
例1
皮膚処理組成物の調製
皮膚処理組成物の調製のため、原料は下記のものであった:
N−アセチル−グルコサミン6−ホスファートの濃縮水溶液(濃度 440mmol/kg;pH2未満);US特許公報2013/00122475において記載される方法に従って調製された
硫酸マグネシウム七水和物(246.47Da):調製物 M1880(Sigma-Aldrich Chemie S.a.r.l.;L'Isle d'Abeau Chesnes;38297 Saint-Quentin Fallavier、France)
D−グルクロン酸ナトリウム、一水和物(234.14Da):調製物 G8645(Sigma-Aldrich)
グリセリン:調製物 G7893(Sigma-Aldrich)
水酸化ナトリウム
【0007】
103Kgの組成物の調製は次のとおりであった:
6.695molの各化合物を使用した。これは1.65kgの硫酸マグネシウム七水和物(分子量246.47)および1.57kgのD−グルクロン酸ナトリウム一水和物(分子量234.14)を意味した。
15.22kgの濃縮した、酸性のN−アセチル−グルコサミン6−ホスファートを反応器中へ導入した。撹拌を開始し、最終的な質量の35%の反応器中の質量を得るために必要な水の量を加えた(20.83kg)。硫酸マグネシウムを反応器中へ導入し、撹拌を完全な溶解まで維持し、続いて同じ手順をD−グルクロン酸ナトリウムについて行った。
【0008】
溶液のpHを2.0N水酸化ナトリウム溶液を使用して、5.7〜5.9の範囲の値へ調整し、次いで水を加えて、最終的な質量の51.5%に対応する反応器中の質量を得た(103kgに対し、水溶液の最終的な質量は53kgである)。
グリセリンを反応器中へ導入して、最終的に期待される質量の溶液を得た(50kgを53kgの水溶液に加えた)。最終的な溶液を無菌条件下で濾過し(安全キャビネット、無菌フィルタおよびボトル)、30℃を超えない温度にて保管した。
【0009】
例2
標準的なヒトの真皮線維芽細胞(45歳)でのin vitroで研究した、硫酸化グリコサミノグリカン合成経路に関与する酵素の遺伝子発現における例1の組成物の効果
研究プロトコル:組成物を、18時間、標準的なヒトの真皮線維芽細胞NHDFへ、0.5mMおよび1mMにて(すなわち、N−アセチル−グルコサミン−6−ホスファート、D−グルクロン酸ナトリウム、および硫酸マグネシウムの各々が0.5または1mMにて存在した)適用した(n=3)。TGF−β1を20ng/mLにて陽性対照として使用した。総RNAの抽出をRNeasy
TM Mini Kitを使用して実施した。次いで、RNAの逆転写(RT)を実施した。
結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
RQは処理されていない細胞と比較における相対的な遺伝子発現を意味する(RQ>1:増加した遺伝子発現−RQ<1:減少した遺伝子発現、およびp値は結果の重要性を確認するために言及された)。
*この酵素はまた、0.5mMだが、40時間の細胞処理後には過剰発現をした。
組成物は硫酸化グリコサミノグリカン合成経路に関与する酵素の遺伝子発現を著しく増加させた。
【0012】
例3
標準的なヒトの真皮線維芽細胞(45歳)によるプロテオグリカンの遺伝子発現への組成物の効果
研究プロトコル:組成物を、18時間、標準的なヒトの真皮線維芽細胞NHDFへ0.5mMおよび1mMにて適用した(n=3)。TGF−β1を20ng/mLにて陽性対照として使用した。総RNAの抽出をRNeasy
TM Mini Kitを使用して実施した。次いで、RNAのRTを実施した。結果を表2に示す。
【0013】
【表2】
組成物は、2つのプロテオグリカン、ビグリカンおよびグリピカンの遺伝子発現を著しく増加させた。
【0014】
例4
標準的なヒトの真皮線維芽細胞(41および62歳)によるin vitro硫酸化グリコサミノグリカン合成への組成物の効果
研究プロトコル:
組成物を72時間の期間を超えて標準的なヒトの真皮線維芽細胞(NHF)へ0.5mMおよび1mMにて適用した。標準的なヒトの線維芽細胞(NHF)を41および62歳のコーカサス人の女性ドナーの皮膚真皮から分離した(形成外科)。細胞を24−ウェルプレート中に80000線維芽細胞/ウェルにて播種し、完全なDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle 培地)中に(抗生剤およびFBS、ウシ胎児血清と共に)37℃/5%CO
2で24時間放置して接着させた。
【0015】
次いで、細胞を72時間無添加培地中で(FBSなしに)組成物を用いて処理し、37℃/5% CO
2でインキュベートし、次いで総sGAG(硫酸化グリコサミノグリカン)およびHS(ヘパラン硫酸、またはN−硫酸化GAG)を培養上清および細胞ペレット中に投与した(総タンパク質を細胞ペレット中に投与した)。各製品濃度を複製において試験した。さらに、投与をタンパク質の総量の割合として報告した。処理の終わりに、上清を回収した。細胞を、パパインを含有する緩衝溶液中に溶解させた(Papaya latex Sigma P3125)。細胞抽出物を回収し、遠心分離した。上清および細胞ペレットをsGAG、HSまたは総タンパク質に投与した。
【0016】
sGAGおよび投与原理:総硫酸化GAG(sGAG)をBlyscan
TM sGAG Assay kit(Biocolor B1000またはB3000)を使用して投与した。Blyscan
TMアッセイは、硫酸化プロテオグリカンおよびグリコサミノグリカン(sGAG)の分析のための定量的な色素結合法である。アッセイ中で使用した色素ラベルは、1,9−ジメチルメチレンブルーであり、色素はプロテオグリカンの硫酸化多糖成分または無タンパク質硫酸化グリコサミノグリカン鎖のための特定のラベルを提供する条件下で用いられる。方法は、特定の青色色素試薬を、sGAG沈殿を作る、上清または細胞ペレットのアリコートへ加えることからなる(複合色素sGAGを形成し、溶解性の結合していない色素から凝結する)。
【0017】
遠心分離によって管底部での沈殿のペレットの回収を可能にした。色素を注意深く排出した後、ペレットを解離試薬(5〜10%ドデシル硫酸ナトリウム)中に可溶化した。吸光度を96−ウェルマイクロプレートにおいて、656nmで2回読んだ。N−硫酸化GAGを、O−硫酸化GAGを投与し、それを総sGAGから取り去ることによって間接的に投与し、その後特定の反応をした。この目的のために、N−sGAG投与を、亜硝酸を用いる反応によって阻害した。この反応後、O−sGAGレベルを、標準としてプロトコルを使用して測定でき、その後N−硫酸化含量を総sGAG値(先に決定した)およびO−sGAG含量の間の差から計算した。
【0018】
総タンパク質投与原理:細胞ペレットにおける総タンパク質の投与をビシンコニン酸(BCA)に基づく比色分析法によって並行して実施した。BCAアッセイの原理は、アルカリ条件下のタンパク質−Cu
2+複合体の形態、続くCu
2+のCu
+への還元に依存する。BCAはCu
+イオンに対して高度に特定的であり、アルカリ環境においてCu
+と共に紫−青複合体を形成し、それゆえにタンパク質によるアルカリCu
2+の還元を監視する基礎を提供する。還元およびBCA−Cu
+複合体の量は、存在するタンパク質濃度に比例し、570nmでの分光光度計によって定量化される。使用した投与キットは、Sigmaからのものであった(Sigma B9643)。基準的な範囲を、BSAを用いて調製した(ウシ血清アルブミン−Sigma A9418)。
【0019】
結果
総sGAG(in vitro試験)
結果を合わせた(細胞ペレット+上清)とき、TGFβ処理による線維芽細胞からの総sGAGの導入を観察した。この結果によりNsGAG実験を立証する。TGFベータを用いる総sGAG合成は41歳および62歳の線維芽細胞のそれぞれについて23%および28%増加し、一方でそれは対応する線維芽細胞について、組成物を用いて28%および16%増加した(表3および表4)。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
NsGAG(in vitro試験)
結果を合わせた(細胞ペレット+上清)とき、TGFβ処理による線維芽細胞からのN−硫酸化GAG(ヘパリン硫酸、HS)の導入を観察した。この結果によりNsGAG実験を立証する。41歳および62歳のドナーのそれぞれについて、TGFβを用いて、N−硫酸化GAG合成が、+43%および+24%、組成物を用いて1mMで+66%および+32%改善した(表5および表6)。
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
例5
標準的なヒトの皮膚組織片を使用して研究した、硫酸化グリコサミノグリカン(ヘパラン硫酸およびコンドロイチン硫酸)、プロテオグリカン合成および真皮組織への組成物の効果(生存状態に維持した(41歳、ex vivo研究)。
研究プロトコル
組成物を0(D0)、1(D1)、2(D2)、5(D5)、6(D6)、7(D7)および8(D8)日目に生存状態に保った標準的なヒトの皮膚外植片へ0.5mMにて局所的に適用した。対照外植片は、培地の更新を除いていかなる処理も受けなかった。各条件を3回研究した。
【0026】
組織学的および免疫組織学的分析のために、試料を凍結状態において、またはパラフィンにおいてのいずれかで包埋した。5〜7μm厚の切片を、ヘパリン硫酸、コンドロイチン硫酸、デコリン、パーレカンおよびバーシカンについての免疫染色分析のために、これらの包埋試料から作製した。ヘパラン硫酸免疫染色を、抗ヘパラン硫酸モノクローナル抗体を用いて凍結切片上で実現し(クローンA7L6、Thermo、Ref:MA1-06821)、水を用いて1:100にて希釈し、FITCによって明らかにした(SA 1001、Invitrogen)。コンドロイチン硫酸免疫染色を、抗コンドロイチン硫酸モノクローナル抗体(クローンCS-56、Abcam、Ref:ab11570)を用いてパラフィン化した切片上で実現し、水を用いて1:400にて希釈し、VIPによって明らかにした(ベクター、Ref:SK-4600)。
【0027】
パーレカン免疫染色を、抗パーレカンモノクローナル抗体を用いて凍結切片上で実現し(clone7B5、Invitrogen、Ref:13-4400)、水を用いて1:200にて希釈した。デコリン免疫染色を、抗デコリンモノクローナル抗体を用いて凍結切片上で実現し(クローン9XX、Santa Cruz、Ref:sc-73896)、水を用いて1:200にて希釈した。核を、ヨウ化プロピジウムを用いて後染色した。免疫染色を微視的観察によって査定した。組成物を用いて処理した皮膚外植片の真皮組織を二光子顕微鏡によって査定し、細胞外マトリクス成分の組織を観察した。強い緑色は、エラスチン線維自家蛍光と関係し、一方で青色はコラーゲン線維検知と関係する。また、真皮超微細構造を、コラーゲン線維、弾性線維およびテロサイト(皮膚恒常性および再生プロセスにおいて重要として記載される細胞型)構造に焦点を当てながら、透過電子顕微鏡によって査定した。
【図面の簡単な説明】
【0028】
添付している図において結果を示し、その詳細を下記に与える:
【
図1】
図1−コンドロイチン硫酸への組成物の効果。それは14%増加した(矢印)。
【
図2】
図2−ヘパラン硫酸への組成物の効果。それは14%増加した(白色矢印)。
【
図3】
図3−デコリンへの組成物の効果。18%増加を観察した(白色アスタリスク)。
【
図4】
図4−パーレカンへの組成物の効果。48%増加を観察した(白色矢印)。
【
図5】
図5−バーシカンへの組成物の効果。組成物によってバーシカン発現における増加が誘導された(黒色点を打った輪)。
【
図6】
図6において、組成物(0.5mMにて)によって皮膚線維への可視的な効果が誘導されたことが二光子顕微鏡により示された。弾性線維は修復し、密集したように見え、コラーゲン線維によって均一な直径と適切な組織が示された。
図7において、テロサイトを多く見出し、組成物を用いて処理した皮膚が健全に見えることを確認する。白色の輪により弾性線維に焦点が当てられ、黒色の輪によりテロサイトが示され、矢印によりコラーゲン線維が示される。
【0029】
例6
ヒトの老化した皮膚への組成物の効果(in vivo研究)
研究プロトコル:
クリーム中に2%で配合した組成物の臨床的有効性を、14、28、56および84日の適用(それぞれ、D14、D28、D56およびD84)後、皮膚機械的特性、皮膚等方性、皮膚真皮エコー輝度およびシリコーンの査定によって、皮膚科学的な制御の下、プラセボと対比した二重盲検試験において評価した。47〜65歳の間の年齢の24人の女性のボランティアが研究に参加し、彼らの50%は閉経していた。ボランティアは1日に2回、彼らの顔の片側上にプラセボ、別側上に2%の組成物を含むクリームが適用された。皮膚の機械的特性をCutometer(登録商標)器を使用して、2週間後、彼らの顔の各側を評価した。
【0030】
また、ベンチマークとして、幼児の頬の皮膚を超音波器で分析した。皮膚真皮再組織化への組成物の効果を超音波器によって評価した。皮膚等方性をD84にてPRIMOS 3D器によって決定した。皮膚等方性は皮膚真皮の質と組織と直接的に相関性がある。いくつかのシリコーンレプリカを作製して、皮膚表面を視覚化し、正面向きの顔画像を基準化した条件においてVisia-CRデバイスを用いて取り、ボランティアのために効果を例示した。すべての生データをスチューデントのt試験を使用して統計的に分析した。
【0031】
結果
Cutometer(登録商標)分析
2%での組成物によって、14日のもの(D14)に、研究したすべての機械的パラメータ:皮膚堅さ、皮膚弾力性、皮膚粘弾性および皮膚柔軟性について、プラセボと比較して皮膚機械的特性の著しい改善が与えられた(表8):
【0032】
【表7】
【0033】
皮膚等方性分析
2%での処方物によって、皮膚の等方性は増加した:皮膚マトリクスの回復をシリコーンレプリカ上で明確に実証している(
図8)。
皮膚エコー輝度分析
2%にての処方物によって、皮膚組織につながる皮膚密度が幼児の皮膚とほぼ同等に可視的に改善された。プラセボ側では、皮膚マトリクスの著しい分解を観察し(より黒い、エコーを発する成分の低下)、老化のプロセス進展が確認された。処方物を適用した側では、密集真皮は、よりエコーを発する領域を有して見られた(
図9)。
84日の間処方物により処理した皮膚は、
図10に示すとおり、可視的に平滑化した(矢印を参照)。処方物は、引き上げ剤として作用し、真皮構造がより良好に組織化したことを意味している。