【文献】
“超”分析の教科書,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,2014年12月31日,表紙,第35頁,奥付,ISBN 978-4-8222-7900-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の情報分析システムの好ましい一実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
<情報分析システム1の全体構成>
本発明の好ましい一実施形態に係る情報分析システム1について説明する。
図1に、情報分析システム1の全体構成を示す。
【0020】
図1に示すように、情報分析システム1は、車載ナビゲーション装置10と、携帯端末20と、情報分析装置30と、分析情報参照装置40と、を含んで構成される。これら各装置及び各端末は、通信網50を介して相互に通信可能に接続される。なお、図中では、これら各装置及び各端末にて送受信される情報についても図示しているが、これらの情報はあくまで一例である。本実施形態にて、図示をしている以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0021】
車載ナビゲーション装置10は、車両60aに乗車したユーザに対して、ナビゲーション(経路案内)を行う装置である。車載ナビゲーション装置10は、ユーザの要求に基づき、現在位置から目的地までの経路案内を行う。また、車載ナビゲーション装置10は、車載ナビゲーション装置10の位置情報(すなわち、車両60aの位置情報)を測位する機能も有する。車載ナビゲーション装置10が測位した位置情報は、情報分析装置30に対して適宜送信される。
車載ナビゲーション装置10は、移動体である車両60aに据え付けられたカーナビゲーション装置や、移動体である車両60aに簡易的に設置され可搬可能なPND(Portable Navigation Device)によりにより実現することができる。
【0022】
携帯端末20は、車両60bに乗車したユーザが利用する携帯端末である。携帯端末20は、上述した車載ナビゲーション装置10と同様に、携帯端末20の位置情報(すなわち、車両60bの位置情報)を測位する機能を有する。携帯端末20が測位した位置情報は、車載ナビゲーション装置10が測位した位置情報と同様に、情報分析装置30に対して適宜送信される。
携帯端末20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、ノートパソコン、その他の携帯可能な電子機器により実現することができる。
【0023】
なお、図中では、車載ナビゲーション装置10と車両60aの組と、携帯端末20と車両60bの組をそれぞれ一組ずつ図示しているが、これらの組数に特に制限はない。また、以下の説明において、車載ナビゲーション装置10が搭載された車両60aや、携帯端末20を利用するユーザが乗車する車両60bを区別することなく説明する場合には、末尾のアルファベットを省略して、単に「車両60」と呼ぶ。
【0024】
情報分析装置30は、本実施形態特有の処理として、移動体である各車両60の位置情報等の様々な情報に基づいて分析を行う装置である。具体的に、情報分析装置30は、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20から、各車両60の位置情報を取得することにより、各車両60の位置情報についてのデータベースである位置情報データベースを作成する。また、情報分析装置30は、各車両60が通行可能な道路の位置を含む地図情報を記憶する。
【0025】
そして、情報分析装置30は、各車両60の位置情報と前記地図情報とに基づいて、道路における全体交通量を予測する。また、情報分析装置30は、店舗等の施設への顧客訪問に関するデータを記憶する。更に、情報分析装置30は、予測した全体交通量と、記憶している施設への顧客訪問に関するデータとに基づいて、施設への顧客訪問と全体交通量の相関を算出する。
このようにして情報分析装置30は、移動体である車両60から取得した位置情報等の情報に基づいた分析を行うことができる。また、情報分析装置30は、このようにして算出した相関等の情報を、分析情報としてユーザに対して提供する。
【0026】
ユーザは、この分析情報を様々な用途に利用することができる。例えば、ユーザは、店舗の売上金額や来店人数、店舗への移動体の訪問台数と、交通量との相関に基づいた分析を行うことができる。また、分析情報を用いれば、売上金額や来店人数さらに店舗への移動体の訪問台数の予測を行うこともできる。
この場合、ユーザは、出店を検討している店舗を運営する事業者であってもよいし、この事業者に対してコンサルティングを行うコンサルタントであってもよい。つまり、本実施形態における分析情報は、様々なユーザが利用することができる。
なお、分析情報の具体的な利用方法については、<分析情報に対応する表示のユーザによる利用例>との項目名で後述する。
【0027】
分析情報参照装置40は、分析情報を利用するユーザにより操作される端末である。分析情報を利用するユーザは、所望の条件に沿った分析情報を得るために、分析情報参照装置40に対して所望に分析条件を入力する。分析情報参照装置40は、入力された分析条件を、情報分析装置30に対して送信する。情報分析装置30は、受信した分析条件に対応した分析情報を生成して、分析情報参照装置40に対して返信する。
【0028】
そして、分析情報参照装置40は、返信された分析情報を、分析情報を利用するユーザに対して出力する。ユーザは、このようにして所望の分析条件に沿った分析情報を得ることができる。ここで、分析条件は、分析情報を生成するために分析の対象とする店舗の指定等を含む条件である。分析条件の詳細については後述する。
【0029】
上述した情報分析装置30や分析情報参照装置40は、例えばサーバ装置やパーソナルコンピュータに、本実施形態を実現するためのソフトウェアを組み込むことにより実現することができる。
【0030】
通信網50は、インターネットや携帯電話網といったネットワークや、これらを組み合わせたネットワークにより実現される。また、ネットワークの一部(例えば、情報分析装置30と分析情報参照装置40の間)に、LAN(Local Area Network)が含まれていてもよい。
【0031】
車両60は、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20のユーザが乗車する移動体である。車両60は、例えば、四輪自動車や自動二輪車や自転車等により実現される。
【0032】
<車載ナビゲーション装置10が備える機能ブロック>
次に、車載ナビゲーション装置10が備える機能ブロックについて
図2のブロック図を参照して説明をする。
ここで、車載ナビゲーション装置10は、車両60aから電源の供給を受けており、車両60aに乗車したユーザにより車両60aのイグニッションスイッチがオン(エンジンを起動)にされることによって自動起動する。そして、車載ナビゲーション装置10は、車両60aに乗車したユーザにより車両60aのイグニッションスイッチがオフ(エンジンを停止)にされるまで稼働する。
【0033】
図2に示すように、車載ナビゲーション装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、センサ部14と、表示部15と、入力部16とを含んで構成される。
【0034】
制御部11は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、車載ナビゲーション装置10を構成する各部の制御を行う。制御部11の詳細については、後述する。
【0035】
記憶部12は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、経路案内処理を行うためのプログラムや、情報分析装置30に対する位置情報の送信処理を行うためのプログラムといった各プログラム、更にその他、地図情報等の種々の情報が記憶される。図中には、記憶部12が記憶する情報として、位置情報の送信処理に特に関する情報である、位置情報121及び識別情報122を図示する。
【0036】
位置情報121は、後述のセンサ部14により測位された車載ナビゲーション装置10の位置情報(すなわち、車両60aの位置情報)である。位置情報121には、測位された位置を示す情報のみならず、測位を行った時刻も含まれるようにする。
また、識別情報122は、車載ナビゲーション装置10を識別するための情報である。識別情報122としては、例えば車載ナビゲーション装置10に一意に割り当てられた製造番号等を利用することができる。また、他にも、通信部13が携帯電話網等のネットワークである通信網50に接続するために、通信部13に挿入されたSIM(Subscriber Identity Module)に付与された電話番号を識別情報122として利用することができる。また、他にも、車両60aに固有に付与されたVIN(車両識別番号)やナンバープレートの番号を識別情報122として利用することができる。
【0037】
これらの記憶部12に格納される各情報については、記憶部12に予め記憶しておく構成としてもよいし、通信網50に接続されたサーバ装置(図示を省略する。)等から必要に応じて適宜ダウンロードされる構成としてもよい。更に、ユーザの入力等に応じて適宜修正されてもよい。
【0038】
通信部13は、DSP(Digital Signal Processor)等を有し、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)或いはWi−Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網50を介して通信網50を介した他の装置(例えば、情報分析装置30)との間の無線通信を実現する。通信部13は、例えば、後述の位置情報送信部112が、記憶部12に格納されている位置情報121及び識別情報122を、情報分析装置30に対して送信するために利用される。ただし、通信部13と他の装置との間で送受信されるデータに特に制限はなく、位置情報121及び識別情報122以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0039】
センサ部14は、例えばGPS(Global Positioning System)センサ、ジャイロセンサ、加速度センサ等により構成される。センサ部14は、位置情報を検出する位置検出手段としての機能を備え、GPSセンサによりGPS衛星信号を受信し、車載ナビゲーション装置10の位置情報(緯度及び経度)を測位する。センサ部14による測位は、上述したように所定の時間間隔(例えば3秒間隔)で行われる。測位した位置情報は、位置情報121として記憶部12に格納される。
【0040】
なお、センサ部14は、ジャイロセンサ、加速度センサにより測定される角速度や、加速度に基づいて車載ナビゲーション装置10の位置情報の測位精度を更に高めることも可能である。
また、センサ部14は、GPS通信が困難又は不可能となった場合に、AGPS(Assisted Global Positioning System)通信を利用し、通信部13から取得される基地局情報によって車載ナビゲーション装置10の位置情報を算出することも可能である。
【0041】
表示部15は、液晶ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示デバイスにより構成される。表示部15は、制御部11からの指示を受けて画像を表示する。表示部15が表示する情報としては、例えば、車載ナビゲーション装置10の現在位置、地図情報から読み出された車載ナビゲーション装置10の現在位置周辺の地図情報、ユーザに設定された目的地、他の車載ナビゲーション装置10から通知された待ち合わせ情報、ルート情報、各種のユーザインタフェース等が挙げられる。
【0042】
入力部16は、テンキーと呼ばれる物理スイッチや表示部15の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置(図示を省略する。)等で構成される。入力部16からの操作入力、例えばユーザによるテンキーの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御部11に出力することで、ユーザによる選択操作や、地図の拡大縮小等の操作を実現することができる。
【0043】
なお、この他、図示しないが、スピーカやマイク等を備えることもできる。スピーカは、運転者に対して音声出力を行い、マイクは、運転者によって発せられた音声等を集音する。
そうすることで、情報をスピーカから音声で出力したり、マイクを介して音声入力された運転者による各種の選択、指示を音声認識技術により、制御部11に入力したりすることもできる。
【0044】
次に、制御部11の詳細について説明をする。制御部11はCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)、及びI/O(Input / output)等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部12から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部12から情報を読み出し、RAM及び記憶部12に対して情報の書き込みを行い、通信部13、センサ部14、表示部15、及び入力部16と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
【0045】
制御部11は、機能ブロックとして、経路案内部111及び位置情報送信部112を備える。
【0046】
経路案内部111は、ユーザによって入力又は選択された施設等の目的地までの経路案内処理を行う部分である。
目的地までの経路案内処理は、一般的なカーナビゲーションシステムにおける経路案内処理と同等である。すなわち、経路案内部111は、記憶部12に記憶されている地図情報(図示を省略する。)に基づいて目的地までの地図を生成し、この地図上にセンサ部14により測位された車載ナビゲーション装置10の現在位置と目的地の位置と目的地までのルート情報とを重ね、これを表示部15に表示することにより経路案内を行うことができる。この場合に、更に、図示を省略したスピーカから経路案内用の音声を出力するようにしてもよい。また、道路の混雑状況の情報や天気の情報等を通信部13による通信により取得して、この取得した情報を経路案内処理に利用するようにしてもよい。
なお、目的地までの経路案内処理については、当業者によく知られているので、これ以上の詳細な説明は省略する。また、経路案内処理を行うための地図情報についても、当業者によく知られているので、これ以上の詳細な説明及び図示は省略する。
【0047】
位置情報送信部112は、通信部13を利用した無線通信により、記憶部12に格納されている位置情報121及び識別情報122を、情報分析装置30に対して送信する部分である。
位置情報送信部112による、情報分析装置30に対する位置情報121及び識別情報122の送信は、車両60aに乗車したユーザにより車両60aのイグニッションスイッチがオン(エンジンを起動)にされ、車載ナビゲーション装置10が自動起動してから、車両60aのイグニッションスイッチがオフ(エンジンを停止)にされるまでの間、周期的に行われる。例えば、所定の時間間隔(例えば3秒間隔)でセンサ部14が測位を行う都度、リアルタイムに送信が行われる。また、リアルタイムに情報分析装置30に送信するのではなく、複数個まとめて(例えば3分間分の間に3秒間隔で更新された位置情報121と、識別情報122とをまとめて)、一度に送信するようにしてもよい。すなわち、いわゆるバースト送信をするようにしてもよい。かかる、所定の時間間隔の長さや、リアルタイムに送信するか、それともバースト送信するかは、本実施形態を適用する環境等に応じて、任意に設定することができる。
【0048】
このようにして、リアルタイム送信やバースト送信を行うことにより、位置情報送信部112は、センサ部14が測位した車両60aの移動経路を特定するための位置情報121と、識別情報122とを、情報分析装置30に対して送信する。
【0049】
この場合に、イグニッションスイッチがオン(エンジンを起動)にされ、車載ナビゲーション装置10が自動起動した直後に測位された位置情報121により特定される位置を最初の車両位置、すなわち出発位置として情報分析装置30に送信することができる。更に、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)される直前に測位された位置情報121により特定される位置を最終の車両位置、すなわち駐車位置として情報分析装置30に送信することができる。
【0050】
この場合、出発位置を表す位置情報121であることを示す起動情報や、駐車位置を表す位置情報121であることを示す停止情報を、位置情報121に追加してから、情報分析装置30に送信するようにしてもよい。例えば、起動情報であることを示すフラグを1にして送信したり、停止情報であることを示すフラグを1にして送信したりするとよい。なお、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)される直前に測位された位置情報121(すなわち、駐車位置)については、イグニッションスイッチがオン(エンジンを起動)にされ、車載ナビゲーション装置10が再度起動した際に送信されてもよい。
【0051】
また、バースト送信を行う場合であっても、経路案内部111により車両60aが目的地(例えば、或る施設)に到着したと判断された場合には、位置情報送信部112は、リアルタイムに送信を行うように切り替えるとよい。このようにすれば、或る施設に到着後、駐車位置の位置情報121が送信される前に、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)されてしまい、施設等の目的地の位置情報121が情報分析装置30に対して送信されない、という事態を防止することができる。
【0052】
<携帯端末20が備える機能ブロック>
次に、携帯端末20が備える機能ブロックについて
図3のブロック図を参照して説明をする。
ここで、上述した車載ナビゲーション装置10は、車両60aから電源の供給を受けていたが、携帯端末20は自身が備えるバッテリ(図示を省略する。)から電源の供給を受ける。ただし、バッテリを充電するために携帯端末20が車両60bのシガーソケット等から電源の供給を受けるようにしてもよい。
【0053】
図2に示すように、携帯端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、センサ部24と、表示部25と、入力部26と、近距離通信部27とを含んで構成される。
ここで、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、センサ部24と、表示部25と、入力部26は、上述した車載ナビゲーション装置10が含む同名の機能ブロックと同等の機能を有している。つまり、上述した車載ナビゲーション装置10の説明における「車載ナビゲーション装置10」の文言と「携帯端末20」の文言を置き換えることにより、携帯端末20の各機能ブロックの説明となるので、重複する再度の説明は省略する。
【0054】
一方で、携帯端末20は、近距離通信部27を含んでいる点等で、車載ナビゲーション装置10と相違するので、この相違点について、以下説明をする。
近距離通信部27は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)といった規格に準拠した非接触の近距離通信、又はUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介した有線による近距離通信を行うための部分である。
一方で、車両60bは、近距離通信部27と通信を行うための近距離通信部を備える。例えば車両60bのECU(Electronic Control Unit)が近距離通信部を備える。
そして、携帯端末20がECUと近距離通信により通信することができる場合とは、すなわち、携帯端末20が車両60bの車内に存在する場合である。この場合、携帯端末20のセンサ部24が測位する位置情報は、車両60bの位置情報に相当することになる。
【0055】
そこで、携帯端末20は、近距離通信部27を介してECUと近距離通信できる間は、位置情報送信部212を起動させる。そして、起動した位置情報送信部212が、車載ナビゲーション装置10の位置情報送信部112と同様にして、センサ部24が測位した車両60bの移動経路を特定するための位置情報221と、識別情報222とを、情報分析装置30に対して送信する。
【0056】
例えば、ユーザが携帯端末20を所持して車両60bに乗車し、イグニッションスイッチ等の車両60bの起動スイッチをオンにすると、車両60bと携帯端末20とが接続(ペアリング)され、携帯端末20で測位した位置情報221及び識別情報222が携帯端末20から情報分析装置30に送信される。この場合、車両60bと携帯端末20とのペアリング直後に測位された位置情報121により特定される位置を最初の車両位置、すなわち出発位置として情報分析装置30に送信することができる。
【0057】
更に、イグニッションスイッチ等の車両60bの起動スイッチがオフにされると、車両60bと携帯端末20とのペアリングが解除される。この場合、解除された直前に測位された位置情報121により特定される位置を最終の車両位置、すなわち駐車位置として情報分析装置30に送信することができる。
この場合に、リアルタイムで送信してもよく、バースト送信してもよい点や、駐車位置に到着したと判断された場合には、バースト送信をリアルタイムの送信に切り替えても良い点や、出発位置又は駐車位置であることを示す起動情報や停止情報を追加しても良い点や、再起動時に駐車位置を送信しても良い点も位置情報送信部112と同様である。
【0058】
なお、車両60bが位置情報を測位する機能を有している場合には、センサ部24が測位する位置情報ではなく、車両60bが測位する位置情報を位置情報121として情報分析装置30に送信するようにしてもよい。この場合、携帯端末20から、センサ部24を省略するようにしてもよい。
【0059】
<情報分析装置30が備える機能ブロック>
次に、情報分析装置30が備える機能ブロックについて
図4のブロック図を参照して説明をする。
【0060】
図4に示すように、情報分析装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33とを含んで構成される。
【0061】
制御部31は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、情報分析装置30を構成する各部の制御を行う。制御部31の詳細については、後述する。
【0062】
記憶部32は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、情報分析処理を行うためのプログラムといった各プログラム、更にその他、地図情報等の種々の情報が記憶される。図中には、記憶部32が記憶する情報として、位置情報の分析処理に特に関する情報である、地図情報321、位置情報データベース322、顧客訪問データ323、及び施設費用データ324を図示する。
【0063】
地図情報321には、道路や施設等の地物に関する情報、道路情報、施設位置情報、駐車場情報等の情報が含まれる。また、地図情報321には他にも、道路及び道路地図等の背景を表示するための表示用地図データ、ノード(例えば道路の交差点、屈曲点、端点等)の位置情報及びその種別情報、各ノード間を結ぶ経路であるリンクの位置情報及びその種別情報、全てのリンクのコスト情報(例えば距離、所要時間等)に関するリンクコストデータ等を含む道路ネットワークデータ等が含まれる。
【0064】
道路情報としては道路の位置及び形状や、道路の種別や信号機の位置等のいわゆる道路地図の情報が保存されている。
施設位置情報としては、各施設の位置情報が緯度経度の情報として保存されている。また、施設位置情報として、施設の識別情報(施設ID)、名称、施設種別(及び/又はジャンル)、電話番号、住所、営業時間、施設が飲食店であれば提供するメニュー、商品役務等に関する施設情報、等の付帯的な情報が含まれていてもよい。
駐車場情報としては、駐車場の位置情報が緯度経度の情報として保存されている。駐車場が各施設の駐車場である場合には、施設と駐車場を紐付けて保存される。
【0065】
地図情報321は、記憶部32に予め記憶しておく構成としてもよいし、通信網50に接続されたサーバ装置(図示を省略する。)等から必要に応じて適宜ダウンロードされる構成としてもよい。更に、ユーザの入力等に応じて適宜修正されてもよい。
【0066】
位置情報データベース322は、車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20のそれぞれから受信した位置情報121及び位置情報221と識別情報122及び識別情報222とに基づいて構築されたデータベースである。位置情報データベース322は、後述の位置情報データベース更新部311により構築される。位置情報データベース322の詳細については、位置情報データベース更新部311の説明の際に後述する。なお、以下の説明では、位置情報121及び位置情報221を区別することなく説明する際は、符号を省略して「位置情報」と呼ぶ。また、同様に識別情報122及び識別情報222を区別することなく説明する際は、符号を省略して「識別情報」と呼ぶ。
【0067】
顧客訪問データ323は、店舗等の施設への顧客訪問に関するデータである。具体的には、例えば或る施設の売上金額や訪問人数(すなわち、来店人数)といったデータである。これらのデータは、1年毎、1日毎、1時間毎というような所定の期間単位で記憶されている。また、これらのデータは分析の対象とする各店舗について記憶されている。例えば、A店の或る日の売上金額、B店の或る時間の訪問人数というように記憶されている。また、訪問人数の代わりに、店舗への移動体の訪問台数のデータを用いても良い。
【0068】
施設費用データ324は、施設の運用費用に関するデータである。具体的には、例えば或る施設の賃料や、光熱費や、人件費といったデータである。これらのデータは、顧客訪問データ323と同様に、1年毎、1日毎、1時間毎というような所定の期間単位で記憶されている。また、これらのデータは、これも顧客訪問データ323と同様分析の対象とする各店舗について記憶されている。例えば、A店の1月の賃料、B店の或る月の光熱費というように記憶されている。
【0069】
これら顧客訪問データ323及び施設費用データ324は、ユーザにより適宜更新される。また、これら顧客訪問データ323及び施設費用データ324が分析条件に含まれていてもよい。つまり、ユーザが分析情報を要求する際に、分析条件に顧客訪問データ323及び施設費用データ324を含ませるようにしてもよい。
なお、これら顧客訪問データ323及び施設費用データ324は、あくまで例示であって、他のデータを含んでいてよい。すなわち、情報分析装置30の分析に使用するデータとして任意のデータを含んでいてよい。
【0070】
通信部33は、DSP(Digital Signal Processor)等を有し、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)或いはWi−Fi(登録商標)といった通信規格に準拠して、通信網50を介して通信網50を介した他の装置との間の無線通信を実現する。通信部33は、例えば、車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20のそれぞれから送信される位置情報及び識別情報を受信するために利用される。また、他にも通信部33は、例えば、分析情報参照装置40から送信される分析条件を受信するために利用される。更に、他にも通信部33は、例えば、分析情報参照装置40に対して分析情報を送信するために利用される。
ただし、通信部33と他の装置との間で送受信されるデータに特に制限はなく、これらの情報以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0071】
次に、制御部31の詳細について説明をする。制御部31はCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)、及びI/O(Input / output)等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部32から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部32から情報を読み出し、RAM及び記憶部32に対して情報の書き込みを行い、通信部33、センサ部34、表示部35、及び入力部36と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
【0072】
制御部31は、機能ブロックとして、位置情報データベース更新部311、交通量予測部312及び相関算出部313を含む。
位置情報データベース更新部311は、位置情報データベース322を構築すると共に、位置情報データベース322を適宜更新する部分である。位置情報データベース322のデータ構造の一例について
図5を参照して説明する。
【0073】
図5に示すように、位置情報データベース322は、上述したようにして車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20のそれぞれから受信した「識別情報」を含む。更に、位置情報データベース322は、上述したようにして車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20のそれぞれから受信した「位置情報」に基づいて位置情報データベース更新部311が特定した、「移動日時」、及び「移動経路情報」を属性として含む。そして、位置情報データベース更新部311は、それぞれの属性に対応する情報を、識別情報それぞれ毎に、移動日時と移動経路情報とを組としてフィールドに格納することにより、位置情報データベース322を構築及び更新する。
【0074】
ここで、位置情報データベース322内の「識別情報」は、上述したように位置情報の送信元である車載ナビゲーション装置10や携帯端末20を識別するための情報である。すなわち、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20に対応する車両60を識別する情報である。
【0075】
また、位置情報データベース322内の「移動日時」は、識別情報に対応する車両60が移動した日時を示す情報である。本実施形態では、例えば、何れかの車載ナビゲーション装置10又は携帯端末20から位置情報の送信が一度開始されて終了するまでを1つの移動として扱う。そして、この1つの移動に対応する日時を移動日時として位置情報データベース322内に格納する。
【0076】
また、位置情報データベース322内の「移動経路情報」とは、1つの移動の間に受信した、時間離散的に変化する位置情報の全てに基づいて特定される移動経路を示す情報である。位置情報データベース更新部311は、この時間離散的に変化する位置情報をつなぐことにより、車両60の移動経路を特定することができる。なお、本実施形態を実装した環境において、位置情報の精度が低いような場合には、位置情報データベース更新部311は、マップマッチングを行って移動経路を特定するようにしてもよい。ただし、位置情報の精度が高いような場合には、必ずしもマップマッチングを行う必要はない。
【0077】
位置情報データベース更新部311は、何れかの車載ナビゲーション装置10又は携帯端末20から位置情報及び識別情報の送信が一度開始されてから終了する都度、受信した位置情報及び識別情報に基づいて新たなフィールドに、上述した各情報を格納することにより位置情報データベース322を更新する。
【0078】
交通量予測部312は、地図情報321と、位置情報データベース322に格納されている各情報とに基づいて、道路における全体交通量を予測する部分である。交通量予測部312は、位置情報データベース322に格納されている移動経路情報と地図情報321に含まれる道路の位置とを照らし合わせることにより、道路における全体交通量を予測する。また、位置情報データベース322には、移動日時も含まれていることから、交通量予測部312は、この移動日時に基づいて、所定期間単位(例えば1日毎や1時間毎といった単位)で全体交通量を予測することができる。
【0079】
ここで、道路を走行する全ての車両60において、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20が利用されており、全ての車両60についての位置情報が取得できる場合には、取得した位置情報に基づいて交通量予測部312の予測する全体交通量は、実際の全体交通量と等しい値となる。
しかしながら、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20が利用されていない車両60については、位置情報が取得できないため、取得した位置情報に基づいて交通量予測部312の予測する全体交通量は、実際の全体交通量には差分が生じる。
【0080】
そこで、交通量予測部312は、この差分がなるべく小さくなるように全体交通量の予測を行うようにする。そのためには、例えば、ユーザが全ての車両60に占める、予め車載ナビゲーション装置10や携帯端末20が利用されている車両60の割合を調べておく。例えば、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20の市場占有率や、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20の実際の利用頻度等を調べることにより割合を調べておく。
【0081】
そして、交通量予測部312が、取得した位置情報に基づいて予測した全体交通量の値に、この割合を示す値の逆数を乗じた値を、最終的な全体交通量の予測結果とする。これにより、この割合を考慮した上で全体交通量を予測することができる。
交通量予測部312は、最終的な全体交通量の予測結果を相関算出部313に対して出力する。
【0082】
相関算出部313は、上述の記憶部32に記憶されている各情報と、相関算出部313が出力する全体交通量の予測結果とに基づいて、分析条件に応じた分析情報を作成する部分である。ここで、分析条件は上述したように、分析情報参照装置40のユーザが所望の分析情報を得るために入力する条件である。分析情報参照装置40のユーザが入力した分析条件は、情報分析装置30に送信され、相関算出部313により取得される。
【0083】
ここで、分析条件には、例えば分析対象とする施設の指定が含まれる。例えば、分析情報参照装置40のユーザが「施設Aについての全体交通量と売上金額の相関を知りたい。」という希望を持っている場合に、分析条件として、この施設Aの「識別情報」と、「全体交通量と売上金額の相関」という内容を分析条件として入力する。相関算出部313は、地図情報321と、施設Aの識別情報とに基づいて、施設Aと施設Aに対応する道路とを特定する。施設Aに対応する道路とは、例えば施設Aの入り口や施設Aの駐車場に隣接する道路である。なお、施設Aに複数の入り口や駐車場がある場合には、特定される道路が複数となってもよい。
【0084】
そして、相関算出部313は、相関算出部313が出力する全体交通量の予測結果に基づいて、施設Aに対応する道路として特定した道路における全体交通量を特定する。そして、この施設Aに対応する道路として特定した道路における全体交通量と、顧客訪問データ323として記憶されている施設Aの売上金額とに基づいて相関を求め、求めた相関を分析条件に対応する分析情報として生成する。また、相関算出部313は、生成した分析情報を分析情報参照装置40に対して送信する。
【0085】
分析情報参照装置40は、分析情報を表示部44に表示する。ユーザは、この分析情報を参照することにより、施設Aの売上金額と全体交通量とについての相関を知ることができる。また、ユーザは、上述したように、出店計画等を立てる場合等にこの分析情報を利用することができる。分析情報の表示の具体例については、次に分析情報参照装置40について説明をした後に、
図7〜
図9を参照して後述する。
【0086】
なお、上述した分析条件は、あくまで一例である。分析条件には、例えば分析対象とする日時の指定や、分析対象とする期間の長さ等の条件が更に含まれていてもよい。また、売上金額ではなく、来店人数と全体交通量との相関という内容の分析条件であってもよい。
【0087】
更に、過去に或る施設について算出した相関を用いて、他の施設の売上金額を予測するという内容の分析条件であってもよい。この場合、相関算出部313は、他の施設に対応する道路の全体交通量と、或る店舗との相関に基づいて、他の施設の売上金額を予測することができる。そして、相関算出部313は、予測した他の施設の売上金額を分析情報とすることができる。
【0088】
また、或る店舗における利益額や利益率を予測するという内容の分析条件であってもよい。この場合、相関算出部313は、この或る店舗における売上金額を予測し、予測した売上金額から、施設費用データ324として記憶している賃料や光熱費等の固定費を減算することにより、利益額を算出することができる。また、このように算出した利益額を、予測した売上金額により除算することにより利益率を算出することができる。そして、相関算出部313は、これら利益額や利益率を分析情報とすることができる。
【0089】
また、上述したため繰り返しになるが、顧客訪問データ323及び施設費用データ324が分析条件に含まれていてもよい。つまり、ユーザが分析情報を要求する際に、分析条件に顧客訪問データ323及び施設費用データ324を含ませるようにしてもよい。そして、相関算出部313が、これら分析情報に含まれたデータを利用して分析情報を生成するようにしてもよい。
なお、上述した分析条件を任意に組み合わせるようにしてもよい。
【0090】
<分析情報参照装置40が備える機能ブロック>
図6に示すように、分析情報参照装置40は、少なくとも、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、表示部44と、入力部45とを含んで構成される。各部の構成は、例えば、車載ナビゲーション装置10や、携帯端末20の名称が同一の各部の構成とそれぞれ同様である。
【0091】
制御部41は、分析条件受付部411と分析情報取得部412を含む。分析条件受付部411は、ユーザから分析条件の入力を受け付けるためのユーザインタフェースを生成し、生成したユーザインタフェースを、ディスプレイにより実現される表示部44に対して表示させる。分析情報参照装置40のユーザは、このユーザインタフェースを参照して、キーボードやマウス等の入力インターフェースにより入力される入力部45にて、分析条件を入力する。通信部43は、この分析条件を情報分析装置30に対して送信する。また、送信した分析条件に基づいて生成された分析情報を、情報分析装置30から受信する。
【0092】
受信した分析情報は、分析情報取得部412により取得される。分析情報取得部412は、取得した分析情報を出力する。出力方法としては、例えば表示部44に表示したり、電子的なデータとして外部装置に送信したりする。
これにより、分析情報参照装置40のユーザは、分析情報の内容を参照することができる。
【0093】
<分析情報に対応する表示の具体例>
次に、
図7〜
図9を参照して分析情報に対応する表示の具体例について説明をする。
本具体例は、施設に対応する道路における全体交通量と施設の売上との相関を表示する場合の具体例である。
【0094】
まず、交通量予測部312が予測した施設に対応する道路における全体交通量(図中では、「施設に対応する全体交通量」と記載する。)と、顧客訪問データ323として記憶されている(又は入力条件に含まれている)売上金額のデータの例を
図7に示す。なお、本例では、一日毎の相関を算出する。
【0095】
相関算出部313は、
図7に示すようなデータに基づいて相関を求める。例えば、全体交通量と売上金額の相関を示す相関係数を求める。相関算出部313は、求めた相関係数そのものを分析情報としてもよいが、この相関係数に基づいてグラフ等を作成し、このグラフ等を分析情報としてもよい。グラフ等を分析情報とした場合の表示例を
図8及び
図9に示す。
【0096】
例えば、相関算出部313は、
図8に示すように、横軸を施設に対応する全体交通量(千台)として、縦軸を施設の売上金額(万円)とした直交座標系を生成する。そして、相関算出部313は、
図7に示すデータに基づいて、各日のデータをプロットする。また、相関算出部313は、算出した相関(図中の相関rに相当)を示す線を直交座標系に示す。そして、相関算出部313は、この
図8のような表示を行うための画像データを分析情報とする。分析情報参照装置40のユーザは、
図8のような表示を参照することにより、全体交通量と売上金額の相関を視覚的に把握することができる。
【0097】
また、例えば、相関算出部313は、
図9に示すように、横軸を日付として、縦軸を各日の施設に対応する全体交通量(千台)とした直交座標系を生成する。そして、相関算出部313は、
図7に示すデータに基づいて、折れ線グラフを示す。例えば、
図9に示すように、施設に対応する全体交通量(千台)に対応する折れ線グラフと、施設の売上金額(万円)に対応する折れ線グラフとを示す。そして、相関算出部313は、この
図9のような表示を行うための画像データを分析情報とする。
【0098】
分析情報参照装置40のユーザは、
図9のような表示を参照することにより、全体交通量と売上金額の相関を視覚的に把握することができる。つまり、ユーザは、2つの折れ線グラフ同じように変動しているのであれば相関が強く、2つの折れ線グラフ異なる変動をしているのであれば相関が弱いことが把握できる。
なお、
図8や
図9に示す表示方法はあくまで一例であり、本実施形態の表示方法は、これらの例には限定されない。
【0099】
<分析情報に対応する表示のユーザによる利用例>
次に、このようにして表示された分析情報の、ユーザによる利用方法の例について説明をする。
ユーザは、この分析情報を様々な用途に利用することができる。例えば、ユーザは、店舗の売上金額や来店人数と、交通量との相関に基づいた分析を行うことができる。また、分析情報を用いれば、売上金額や来店人数の予測を行うこともできる。
【0100】
例えば、或る店舗について算出された相関と、この或る店舗と似たような周辺環境の他店舗についての交通量とを用いることにより、この或る店舗についての売上金額や来店人数を予測することができる。また、分析情報を利用すれば、競合関係にある他の店舗の売上金額予測等を行うようなこともできる。
【0101】
これにより、ユーザは、分析情報を利用して店舗の出店計画等を立てることができる。従来は、コンサルタントの経験等に従って出店計画を立てていたが、本実施形態における分析情報によれば、このような個人の経験等の主観的な情報とは異なる、客観的な基準に基づいて出店計画を立てることができる。
【0102】
この場合、ユーザは、出店を検討している店舗を運営する事業者であってもよいし、この事業者に対してコンサルティングを行うコンサルタントであってもよい。つまり、本実施形態における分析情報は、様々なユーザが利用することができる。
【0103】
また、ユーザは、他にも分析情報を用いた分析を行うことができる。例えば、クルマの交通量に左右される店舗なのか否かという分析を行うことができる。また、例えば全国等の広範囲にチェーン展開している事業者がユーザであれば、各店舗の分析情報に基づいて、国内の各幹線道路の交通量相関を知ることができる。
そして、相関が弱いような場合には、すなわち、全体交通量が多いのに来店に結びついていないような場合には、駐車場の大きさ、駐輪場の充実、広告の打ち方、等について検討することができる。
【0104】
また、ユーザは、相関がとれない変動要素について検討するようなこともできる、例えば近くに学校等の施設や、イベント会場があるからではないか、というような検討ができる。他にも渋滞、天気、気温、曜日等の変動要素について検討ができる。
【0105】
また、他にも例えば時間帯毎に相関を算出することにより、昼の時間帯は相関が強いが、夜の時間帯は相関弱い等の分析ができる。そして、例えば、夜間は看板が見えにくいのではないか等の検討を行うことができる。
【0106】
また、これらは例示であり、他の用途に分析情報を利用することもできる。すなわち、本実施形態における分析情報は、事業者やコンサルタントといった様々なユーザが、様々な用途に有益に利用することができる。
【0107】
<本実施形態の動作>
次に、
図10及び
図11のフローチャートを参照して、本実施形態の動作について説明する。ここで、
図10は、位置情報の収集及び位置情報データベース322の更新時の動作を示すフローチャートである。また、
図11は、情報分析処理時の動作を示すフローチャートである。
【0108】
まず、車載ナビゲーション装置10についての位置情報の収集等を伴う、位置情報データベース322の更新時の動作について
図10を参照して説明する。
位置情報送信部112が位置情報の送信を開始するか否かを判定する(ステップS11)。ここで、上述したように、車両60aのイグニッションスイッチがオンとなった場合に送信が開始される。イグニッションスイッチがオフのままの場合には(ステップS11にてNo)、位置情報送信部112による送信は開始されない。一方で、イグニッションスイッチがオンとなった場合には(ステップS11にてYes)、ステップS12に進む。
【0109】
ステップS12では、センサ部14が、車載ナビゲーション装置10の位置を測位することにより位置情報を取得する(ステップS12)。
位置情報送信部112は、センサ部14から位置情報を取得し、取得した位置情報を情報分析装置30に対して、所定の周期で、リアルタイム送信又はバースト送信をする(ステップS13)。
【0110】
次に、位置情報送信部112が位置情報の送信を終了するか否かを判定する(ステップS14)。上述したように、車両60aのイグニッションスイッチがオフとなった場合に送信が終了となる。車両60aのイグニッションスイッチがオンのままの場合には(ステップS14にてNo)、ステップS12における測位及びステップS13における送信が繰り返される。
【0111】
一方で、車両60aのイグニッションスイッチがオフとなった場合には(ステップS14にてYes)、ステップS15に進む。
【0112】
ステップS15では、情報分析装置30の位置情報データベース更新部311が、ステップS12及びステップS13の繰り返しにより送信された位置情報に基づいて位置情報データベース322を更新する(ステップS15)。
以上説明した動作により、位置情報の収集及び位置情報データベースの更新が実現される。
【0113】
次に、携帯端末20についての位置情報の収集及び位置情報データベースの更新時の動作について説明する。携帯端末20については、上述の説明における、位置情報送信部112を位置情報送信部211に置き換え、センサ部14をセンサ部24に置き換え、ステップS11にてYesとなる基準を「イグニッションスイッチ等の車両60bの起動スイッチがオンとなり、車両60bと携帯端末20がペアリングした場合」に置き換え、ステップS14にてYesとなる基準を「イグニッションスイッチ等の車両60bの起動スイッチがオフとなり、車両60bと携帯端末20のペアリングが解除された場合」に置き換えればよい。従って重複する説明を省略する。
【0114】
次に、
図11のフローチャートを参照して、分析情報に関する処理時の動作について説明をする。
まず、分析情報参照装置40の分析条件受付部411が、入力部45を介して、ユーザから分析条件を受け付ける(ステップS21)。
【0115】
すると、分析条件受付部411は、受け付けた分析条件を情報分析装置30に対して送信する(ステップS22)。
【0116】
交通量予測部312は、位置情報データベース322に格納されている各情報と、地図情報321とに基づいて全体交通量を算出する(ステップS23)。なお、交通量予測部312は、全ての道路についての全体交通量を常時算出してもよいが、ステップS22において送信された分析条件に合致する施設に対応する道路の全体交通量のみを算出してもよい。
【0117】
次に、相関算出部313は、ステップS23にて算出された全体交通量と、ステップS22において送信された分析条件と、記憶部32にて記憶されている各情報とに基づいて分析情報を生成する(ステップS24)。
【0118】
更に、相関算出部313は、生成した分析情報を、情報分析装置30に対して送信する(ステップS25)。
【0119】
分析情報を受信した分析情報参照装置40の分析情報取得部412は、取得した分析情報を表示部44に対して表示させる(ステップS26)。これにより、例えば
図9や
図10を参照して説明したような表示がなされる。
【0120】
以上説明した、本実施形態の動作によれば、移動体である車両60の位置情報等の情報に基づいた分析を行うことが可能となる。
【0121】
<ハードウェア及びソフトウェアについて>
なお、上記のナビゲーションシステムに含まれる各機器のそれぞれは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のナビゲーションシステムに含まれる各機器のそれぞれが協働することにより行なわれるナビゲーション方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0122】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0123】
<変形例>
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0124】
例えば、
図2、
図3、
図4及び
図6の機能的構成は例示に過ぎず、本実施形態の機能的構成を限定するものではない。すなわち、本発明の情報分析機能に関する一連の処理を全体として実行できる機能が各機器に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図2、
図3、
図4及び
図6の例に限定されない。
【0125】
また、他の変形例として、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20を、経路案内機能を有さない他の装置により実現してもよい。すなわち、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20による経路案内機能は、必須の構成ではない。この場合に、情報分析装置30が更に経路案内機能を備えており、情報分析装置30が、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20と通信を行うことにより経路案内を行うようにしてもよい。
【0126】
更に、他の変形例として、上述の実施形態では、情報分析装置30を1つのサーバ装置等により実現すると説明したが、情報分析装置30の各機能を、適宜複数のサーバ装置に分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上で仮想サーバ機能等を利用して、情報分析装置30の各機能を実現してもよい。
【0127】
更に、他の変形例として、情報分析装置30に分析情報参照装置40としての機能を持たせてもよい。つまり、情報分析装置30に入力部及び表示部を設け、情報分析装置30の入力部にて、ユーザから分析条件を受け付けると共に、情報分析装置30の表示部に分析情報を表示するようにしてもよい。また、分析情報参照装置40の機能を分割して、分析条件入力装置と分析条件参照装置に分けることもできる。また、この分けた機能の一方を情報分析装置30に持たせることも可能である。
【0128】
更に、他の変形例として、施設への来店人数を、ユーザから受け付けるのではなく、相関算出部313による判定で特定するようにしてもよい。この場合、相関算出部313は、位置情報データベース322に記憶されている移動経路情報に含まれる位置情報から、ユーザが車両60にて駐車した位置を特定する。例えば、上述したように、位置情報に駐車位置を示す情報が含まれているならば、この情報により駐車した位置を特定する。また、仮に位置情報に駐車位置を示す情報が含まれていない場合には、例えば、位置情報の送信が開始されて終了するまでの間の、最後に受信した位置情報に対応する位置や、一定時間変化しない位置を駐車位置であるとみなすこともできる。
【0129】
そして、相関算出部313は、特定した駐車位置と、地図情報321に含まれる各施設の位置(及び施設に紐付けられている駐車場の位置)を比較し、特定した駐車位置と何れかの施設の位置(及び施設に紐付けられている駐車場の位置)が一致した場合に、一致した施設に車両60が来店したと判定する。そして、この往路における駐車位置に対応する位置情報を受信するよりも前に受信したと判定する。なお、駐車位置と、施設の位置の「一致」の度合いは任意に定めるようにしてよい。例えば、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20が位置情報を精度良く測定できるような場合には、一致と判定する範囲を狭くするようにしてもよい。一方で、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20が位置情報をそれほど精度良く測定できないような場合には、一致と判定する範囲を広くするようにしてもよい。つまり、多少位置がズレている場合にも一致と判定するようにしてもよい。