特許第6966669号(P6966669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6966669拡張ランダムアクセスチャネル(ENHANCEDRANDOMACCESSCHANNEL)においてメッセージの送信を終了するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966669
(24)【登録日】2021年10月26日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】拡張ランダムアクセスチャネル(ENHANCEDRANDOMACCESSCHANNEL)においてメッセージの送信を終了するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20211108BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20211108BHJP
【FI】
   H04W74/08
   H04W72/04
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-71271(P2019-71271)
(22)【出願日】2019年4月3日
(62)【分割の表示】特願2017-117754(P2017-117754)の分割
【原出願日】2008年9月26日
(65)【公開番号】特開2019-135867(P2019-135867A)
(43)【公開日】2019年8月15日
【審査請求日】2019年4月4日
(31)【優先権主張番号】60/975,985
(32)【優先日】2007年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/982,528
(32)【優先日】2007年10月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/018,999
(32)【優先日】2008年1月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/025,441
(32)【優先日】2008年2月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/038,576
(32)【優先日】2008年3月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/074,288
(32)【優先日】2008年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/083,409
(32)【優先日】2008年7月24日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】321004356
【氏名又は名称】アールエヌビー ワイヤレス リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ ペルティエ
(72)【発明者】
【氏名】ロコ デジローラモ
(72)【発明者】
【氏名】エルダド エム.ゼイラ
(72)【発明者】
【氏名】ポール マリニエール
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー アール.ケイブ
(72)【発明者】
【氏名】ビンセント ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ダイアナ パニ
【審査官】 阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/082458(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/023812(WO,A1)
【文献】 特表2007−525036(JP,A)
【文献】 特開2007−124493(JP,A)
【文献】 特開2018−085545(JP,A)
【文献】 特表2012−525083(JP,A)
【文献】 特表2014−526834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機と、
送信機と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記送信機に、ランダムアクセスチャネルを介して、ランダムアクセス手順プリアンブルを基地局へ送信させ、
前記基地局から前記受信機によって受信された1つ以上の信号を処理し、
前記送信機に、割り当てられたリソースを使用して、所定の回数だけランダムアクセスメッセージを前記基地局へ送信させており、
前記1つ以上の信号は、送信された前記ランダムアクセス手順プリアンブルに応答したものであり、
前記1つ以上の信号は、
無線送受信ユニット(WTRU)による前記基地局へのハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスを使用したアップリンク競合ベースのアクセスのために、前記ランダムアクセスメッセージの送信のための前記リソースを識別するためのものであり、かつ
前記WTRUが、ランダムアクセス手順中に、前記HARQプロセスを使用して、前記基地局へ前記ランダムアクセスメッセージを送信する前記所定の回数を示しており
前記ランダムアクセスメッセージは、前記ランダムアクセス手順プリアンブルとは異なる、
無線送受信ユニット(WTRU)。
【請求項2】
前記ランダムアクセスメッセージは、前記HARQプロセスを使用して送信される、請求項1に記載のWTRU。
【請求項3】
前記ランダムアクセスメッセージは、共有チャネルを使用して送信される、請求項1に記載のWTRU。
【請求項4】
無線ネットワークにおいて実行される方法であって、
前記無線ネットワーク内で基地局が、
ランダムアクセスチャネルを介して、無線送受信ユニット(WTRU)から受信されたランダムアクセス手順プリアンブルを処理すること、及び
受信された前記ランダムアクセス手順プリアンブルに応答して、1つ以上の信号を前記WTRUへ送信することを含み、
前記1つ以上の信号は、
前記WTRUによる前記基地局へのハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスを使用したアップリンク競合ベースのアクセスのために、ランダムアクセスメッセージの送信のためのリソースを識別するためのものであり、かつ
前記WTRUが、ランダムアクセス手順中に、前記HARQプロセスを使用して、前記基地局へ前記ランダムアクセスメッセージを送信する所定の回数を示しており
前記ランダムアクセスメッセージは、前記ランダムアクセス手順プリアンブルとは異なる、
方法。
【請求項5】
前記基地局が前記HARQプロセスを使用して前記ランダムアクセスメッセージを受信することをさらに実行する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基地局が共有チャネルを使用して前記ランダムアクセスメッセージを受信することをさらに実行する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
送信機と、
受信機と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記受信機によって、ランダムアクセスチャネルを介して、前記無線送受信ユニット(WTRU)から受信されたランダムアクセス手順プリアンブルを処理し、
前記送信機に、受信された前記ランダムアクセス手順プリアンブルに応答して、1つ以上の信号をWTRUへ送信させており、
前記1つ以上の信号は、
前記WTRUによる前記基地局へのハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスを使用したアップリンク競合ベースのアクセスのために、ランダムアクセスメッセージの送信のためのリソースを識別するためのものであり、かつ
前記WTRUが、ランダムアクセス手順中に、前記HARQプロセスを使用して、前記基地局へ前記ランダムアクセスメッセージを送信する所定の回数を示しており
前記ランダムアクセスメッセージは、前記ランダムアクセス手順プリアンブルとは異なる、
基地局。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記HARQプロセスを使用して前記ランダムアクセスメッセージを前記受信機にさらに受信させる、請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
前記プロセッサは、共有チャネルを介して前記ランダムアクセスメッセージを前記受信機にさらに受信させる、請求項7に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、無線リソースへのアクセスは、無線ネットワークにより制御される。無線送受信ユニット(WTRU)は、ネットワークに送信するためのデータがあるとき、そのデータペイロードを送信する前に無線リソースへのアクセスを必要とする。3GPP(Third Generation Partnership Project)ネットワークにおいて、WTRUは、RACH(ランダムアクセスチャネル)として知られる、競争的な(contentious)チャネルを使用してアップリンクで送信することができる。RACHへのアクセスは競争的であるため、複数のWTRUがリソースに同時にアクセスすると、衝突が起こる可能性がある。
【0003】
3GPPにおける現在のRACHアクセス手順には、電力の立ち上がりを含むプリアンブルフェーズ、続いてランダムアクセスのためのチャネル取得情報およびメッセージの送信が含まれる。RACHは、共有チャネルであるため、WTRUが長時間共有無線リソースを保持するのを避けるために、RACHで比較的短いメッセージペイロードのみが送信され、これにより比較的低いデータレートとなっている。したがって、RACHは、短い制御メッセージの送信に使用される。一般に、より高いデータレートを必要とするWTRUは、ネットワークによって、専用のリソースを使用するように構成することができる。
【0004】
RACHによって提供されるデータレートは、ほとんどの音声通信に対応する短い制御メッセージの送信には十分であるが、インターネットブラウジング、電子メールなど新しい非リアルタイムのデータサービスに関連するデータメッセージの送信には非効率である可能性がある。こうしたデータサービスでは、トラフィックは本質的に遮断され、次の送信までの間に長時間の非アクティブ状態が存在する場合がある。例えば、キープアライブメッセージの頻繁な送信を必要とするアプリケーションでは、専用のリソースの非効率な使用となる場合がある。こうした場合、ネットワークが、代わりにデータ送信のために共有リソースを使用する方が有効であることがある。しかし、RACHによって提供されるデータレートが低いという点で問題である。
【0005】
これらの問題を克服するために、CELL_FACH状態で拡張専用チャネル(E−DCH)を使用して、共有チャネルのデータレートを向上させることが提案されている。
【0006】
図1は、拡張RACH(E−RACH)アクセスの図である。E−RACH手順は、RACHプリアンブルフェーズおよびE−RACHメッセージフェーズの処理を含むことができる。最初のRACHプリアンブルフェーズ中、WTRUは、RACHプリアンブルを送信し、最初のリソース割り当てを受信するまで、送信の電力を立ち上げながら、プリアンブルを送信し続ける。WTRUは、この期間中に他のWTRUがRACHにアクセスしようと試行している場合、衝突の検出および解決を行うこともできる。WTRUは、RACHへのアクセスの許可をいったん受けると、リソースが解放されるまで、またはWTRUが別の状態に移行するまで、データを送信することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、CELL_FACH状態でE−DCHを使用して、共有チャネルのデータレートを向上させることが提案されている。しかし、現在の標準では、E−RACHメッセージフェーズを終了させるための方法はない。
したがって、E−RACHにおいてE−RACHメッセージフェーズを終了するための方法および装置を提供することが有用となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
E−RACH送信においてE−RACHメッセージを終了するための方法および装置が提供される。E−RACHメッセージを終了するためのトリガも提供される。CELL_FACH状態の間に共有E−DCHリソースを解放するために、E−RACHメッセージの終了またはCELL_DCH状態への移行後のアクションが提供される。
【0009】
バッファが空であることを決定し、TEBS(全E−DCH(拡張専用チャネル)バッファステータス)の値がゼロに等しいSI(スケジューリング情報)の送信をトリガし、最後のHARQ(ハイブリッド自動再送要求)データ送信を決定し、E−DCHリソース割り当てを解放する、E−RACH送信においてE−RACH(拡張ランダムアクセスチャネル)メッセージを終了するための方法が提供される。
【0010】
HARQバッファが空になるまでネットワークが待ち、値がゼロのSIが受信されると、リソースが解放される、E−RACH送信においてE−RACH(拡張ランダムアクセスチャネル)メッセージを終了するための方法。
【0011】
例として示され、添付の図面と併せ読めば理解される以下の説明から、より詳しい理解が得られよう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】E−DCHを含むE−RACHアクセスを示す図である。
図2】無線通信システムを示す図である。
図3図2に示す無線通信システムのWTRUおよび基地局を示す機能ブロック図である。
図4】E−DCHリソース割り当ておよび割り当て解除を示すフロー図である。
図5】WTRUがタイマについて開始することができるタイマを開始するためのトリガを示す図である。
図6】WTRUのキューまたはバッファの状況に基づいてE−DCHリソースを解放するための方法を示すフロー図である。
図7】E−RACHメッセージ送信の終了を決定するように構成されたネットワークを示すフロー図である。
図8】WTRUがCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行するときのE−DCHリソース解放を示すフロー図である。
図9】CELL_FACH状態の間にE−DCHリソースを解放するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下で言及するとき、「WTRU(無線送受信ユニット)」という用語は、それだけには限定されないが、UE(ユーザ機器)、移動局、固定式または携帯式の加入者ユニット、ページャ、セルラー電話、PDA(個人用デジタル補助装置)、コンピュータ、または無線環境で動作することができる他の任意のタイプのユーザ装置を含む。以下で言及するとき、「基地局」という用語は、それだけに限定されないが、Node−B、サイトコントローラ、AP(アクセスポイント)、または無線環境で動作することができる他の任意のタイプのインターフェイス装置を含む。
【0014】
本明細書で言及するとき、RACHおよびE−RACHという用語は、アップリンク競合ベースのアクセスのためにWTRUによって選択されるリソースを説明するために使用することができる。E−RACHリソースという用語は、将来のシステムアーキテクチャにおけるE−RACHチャネルに関連付けられるスクランブリングコード、チャネライゼーションコード、タイムスロット、アクセスの機会、または署名シーケンスの任意の組み合わせを示すこともある。E−RACHという用語は、CELL_FACH、CELL_PCH、URA_PCHの状態またはアイドルモードにおけるE−DCHの使用を示すこともある。
【0015】
以下で言及するとき、拡張MAC(媒体アクセス制御)−e/esエンティティという用語は、CELL_FACH状態でE−DCH送信を実行するために使用されるMACエンティティを指すことができ、これは、リリース8ではMAC−i/isと呼ばれる。MAC−e/esおよびMAC−i/isは、拡張専用伝送チャネル(E−DCH)などの伝送チャネルを処理するMACエンティティである。
【0016】
図2は、複数のWTRU210、基地局220、CRNC230、SRNC240、およびコアネットワーク250を含む無線通信システム200を示す図である。図2に示すように、WTRU210は、基地局220と通信し、基地局220は、CRNC230およびSRNC240と通信する。図3に3つのWTRU210、1つの基地局220、1つのCRNC230、および1つのSRNC240が示されているが、無線の装置および有線の装置の任意の組み合わせを無線通信システム200が備えることができることに留意されたい。
【0017】
図3は、図2の無線通信システム200のWTRU210および基地局220の機能ブロック図300である。図3に示すように、WTRU210は、基地局220と通信し、いずれも、E−RACHにおいてメッセージの送信を終了するための方法を実行するように構成される。
【0018】
一般のWTRUに備えられている構成要素に加えて、WTRU210は、プロセッサ215、受信機216、送信機217、およびアンテナ218を含む。プロセッサ215は、E−RACHにおいてメッセージの送信を終了するための方法を実行するように構成される。受信機216および送信機217は、プロセッサ215と通信する。アンテナ218により、受信機216および送信機217の両方と通信して、無線データの送信および受信が可能となる。
【0019】
一般の基地局に備えられている構成要素に加えて、基地局220は、プロセッサ225、受信機226、送信機227、およびアンテナ228を含む。プロセッサ225は、E−RACHにおいてメッセージの送信を終了するための方法を実行するように構成される。受信機226および送信機227は、プロセッサ225と通信する。アンテナ228により、受信機226および送信機227の両方と通信して、無線データの送信および受信が可能になる。
【0020】
図4は、WTRUのトリガを使用するE−DCHリソース割り当ておよび割り当て解除400のフロー図である。第1の状態は、405でE−DCHリソースがそれに割り当てられていない状態で動作するWTRU210に対応する。UL(アップリンク)データの送信が必要になると、WTRU210は、受信確認表示チャネル(AICH)においてプリアンブルを送信して応答を待つことにより、ネットワークにE−DCHリソースを要求する。言い換えると、WTRU210は、AICHにおいてACK(肯定応答)、またはAICHにおいてNACK(否定応答)を受信し、次いで、E−AICHを介してリソース割り当てインデックスを受信(あるいは、WTRU210がE−DCHインデックスを受信)するまで、この状態のままでいることもできる。E−DCHリソース割り当てを受信した後、WTRUは、410で、E−DCHリソースが拡張アップリンク送信のために割り当てられた次の状態に移行することができる。WTRU210は、トリガを受信するまで、UL送信のためにこれらのE−DCHリソースを使用することができ、その時点で、WTRU210は、415でリソースを解放する。WTRU210は、リソースを解放した後、初期状態に戻る。以下でさらに詳しく説明するように、トリガは、タイマに基づくことができ、これは、WTRUバッファの状態に基づいていてもよく、またはRNCまたはNode−B220からの信号制御(signaling)に基づいていてもよい。
【0021】
一実施形態において、WTRU210は、タイマモジュールを備えるよう構成することができる。タイマモジュールは、複数のタイマを含むことができ、タイマは、各論理チャネルまたは各MAC−dフローに関連付けることができる。タイマモジュールは、論理チャネル(すなわち、DCCH(専用制御チャネル)、DTCH(専用トラフィックチャネル)、CCCH(共通制御チャネル)など)の最大許容送信時間を示すように構成することができる。タイマモジュールの値は、予め構成されていてもよく、またはWTRU210にシグナリングされてもよい。タイマは、E−DCHリソースインデックスを受信すると、WTRU210の最初の送信後に稼働することができる。WTRUは、その関連のタイマの期限切れ後、E−DCHリソースを解放するように構成することができる。例えば、WTRU210は、CCCHの最大共通E−DCHリソース割り当て時間に達したとき、共通E−DCHリソースを解放するように構成することができる。この実施形態によって、CCCHなどの論理チャネルの送信期間を柔軟により短く構成することができる。
【0022】
タイマモジュールは、論理チャネル識別、およびE−RNTI(E−DCH無線ネットワーク一時識別子)がないことを前提に構成することもできる。より詳細には、最大E−DCH割り当て時間は、E−RNTIが存在しないとき、CCCH送信に割り当てることができる。タイマが期限切れになり、CCCH送信を実行しているWTRU210がE−RNTIを有していない場合、E−RACHアクセスが終了し、リソースが解放される。CCCH送信が行われ、E−RNTIが存在する場合(周期セル更新手順中に起こり得る)、WTRU210は、最大E−DCH割り当て時間を有するように構成されず、タイマは、WTRU210に影響を与えない。
【0023】
あるいは、ネットワークは、E−RNTIの有無に基づいて送信期間タイマを構成することができる。WTRU210は、送信すべきデータ(ユーザプレーンまたは制御プレーン)を有し、E−RNTIが存在しない場合、最大E−DCH割り当て時間を有するように構成することができる。そうではなく、E−RNTIが存在する場合、WTRU210は、最大E−DCH割り当て時間を含むように構成されない。
【0024】
図5は、500でWTRU210がタイマT1およびT2について開始することができるタイマを開始するためのトリガの図を示す。衝突解決T1およびCCCHタイマT2などのタイマは、トリガ501から505のうちの1つに従って開始する。この実施形態は、506でタイマを開始するための図示されたトリガ501〜505のうちの少なくとも1つの任意の組み合わせを含むことができる。501で、送信されたプリアンブル署名に関連するACKをAICHまたはE−AICHで受信した場合、タイマを開始することができる。タイマは、502で、RRC(無線リソース制御)がMACにタイマ値を提供するとすぐ、またE−DCHリソースインデックスを受信した後、開始することができる。タイマは、503で、WTRU210が第1のDPCCH(専用物理制御チャネル)プリアンブル送信を開始する場合、開始することができる。タイマは、504で、E−DCH送信バックオフTTI(送信時間間隔)(E−DCH transmission backoff transmission time interval)後、または第1のMAC PDU(プロトコルデータユニット)が物理層に渡された後、最初のDPCCH送信が完了すると開始することができる。または、タイマは、505で、WTRU210がE−DCH送信を開始すると開始することができる。さらに、WTRU210のE−RNTIを運ぶ衝突解決E−AGCH(E−DCH絶対許可チャネル)が受信されると、WTRU210は、タイマを開始することができる。他のトリガも、設計されたように使用することができる。
【0025】
あるいは、WTRU210のタイマモジュールは、WTRU210が使用可能な時間の長さが送信する必要のあるデータビット数に基づくように構成することができる。WTRU210への時間変数の長さは、RLC(無線リンクコントローラ)またはMAC PDUの数に基づいていてもよい。さらに、それは、RLC SDU(サービスデータユニット)の数に基づいていてもよい。
【0026】
あるいは、E−RACHメッセージ期間は、(現在の3GPP標準に指定されているように)10msecまたは20msecのいずれかに固定することができる。結果として、E−RACHメッセージフェーズは、最大数のフレームまたはサブフレームの間、アクティブとすることができる。E−RACHメッセージ期間IE(情報要素)は、SIB(システム情報ブロードキャスト)の一部としてブロードキャストすることができ、またはL1シグナリングの一部として含めることもできる。例えば、E−RACHメッセージ期間IEは、最初のリソース割り当てにより、または衝突解決フェーズ中に送信することができる。さらに、E−RACHメッセージ期間は、アクセスサービスクラスに関連付けることもできる。
【0027】
あるいは、WTRU210は、送信および再送の数をカウントし、カウントをE−RACHメッセージフェーズの送信を停止するためのトリガとして使用することができる。例えば、WTRU210が、連続したTTIにおいて反復ARQ(自動再送要求)タイプの操作および送信に対応するように構成される場合、WTRUは、K回の再送後、E−RACHメッセージの送信フェーズを終了するように構成することができる。Kの値は、WTRUにおいて予め構成する、SIBの一部としてブロードキャストする、またはE−RACH割り当てフェーズ中にシグナリングすることができることに留意されたい。
【0028】
図6は、WTRU210のキューまたはバッファの状況に基づいてE−DCHリソースを解放するための方法のフロー図である。WTRU210は、送信バッファにデータがあるとき、605でデータを送信することができる。送信後、WTRU210は、610で、送信バッファが空であるかどうかをチェックすることができる。送信バッファが空ではない場合、WTRU210は、605で、バッファ内にあるデータを送信する。610で送信バッファが空である(すなわち、TEBS(全E−DCHバッファステータス)がゼロに等しい)場合、任意選択で、615で非アクティブタイマが期限切れになったかどうかがチェックされる。非アクティブタイマが期限切れになった場合、WTRU210は、620で、TEBSがゼロに設定されたSIの特別なまたは予備の値を送信するように構成することができる。615で非アクティブタイマが期限切れになった後、WTRU210は、630で、E−DCHリソースを解放するように構成することができ、この場合、TEBSがゼロに等しくなると、非アクティブタイマが開始する。ULトラフィックまたはDL(ダウンリンク)トラフィックを受信しない場合、WTRU210は、非アクティブであると考えられる。あるいは、WTRU210がHS−SCCH(高速共有制御チャネル)上でそのH−RNTIを復号すると、絶対的な(implicit)解放タイマ(すなわち、非アクティブタイマ)を、トリガ機構に基づいて再開することができる。非アクティブタイマがいったん期限切れになると、WTRU210は、620で、SIの特別なまたは予備の値を送信するように構成することができる。例えば、SIの特別なまたは予備の値は、620で値がゼロに設定されたTEBSを含むことができる。TEBSがゼロに設定されたSIは、リソースを解放するために、ネットワークにシグナリングするために使用することができる。625で、SIを正常に送信し、HARQバッファを空にした後、WTRU210は、630で、E−DCHリソースを解放する。
【0029】
あるいは、WTRU210は、リソースを解放することを指示する信号をネットワークに送信することができる。この信号は、SIとハッピービットの特別な組み合わせ、すなわち新しいMACシグナリングを含むことができ、そこにおいてMACヘッダーフィールドの特別な組み合わせを再度解釈することができる。あるいは、E−RACHメッセージの送信フェーズを終了する旨の要求を示すフィールドを、拡張MAC−eヘッダーまたはMAC−eトレーラに追加してもよい。例えば、WTRU210は、予備のDDI(データ記述インジケータ)の組み合わせを介してネットワークにこの信号を送信することができる。別の代替において、この信号は、新しいRRCメッセージ、E−DPCCHにおけるE−TFCI(拡張伝送フォーマット組み合わせインデックス(enhanced transport format combination index))フィールドの特別な値またはE−DPCCHフィールドの特別な組み合わせ、または新しいL1メッセージとすることができる。リソースを解放するための最後の決定は、ネットワークによってすることができ、これにより、リソースを解放してWTRU210に戻したことを示すことができる。あるいは、WTRU210は、E−RACHメッセージフェーズの終了を示すための手段としてE−DCHの送信を単に停止することができ、その時点で、ネットワークは、無線リソースを解放することができる。
【0030】
あるいは、タイマモジュールは、WTRU210が、E−RACHを開始したときに存在したすべてのPDUを送信したとき、またはバッファが所定の閾値レベルを超えたときに開始するように構成することができる。閾値レベルは、絶対値でもよく、または初期キューサイズを使用した相対的な基準に基づいていてもよい。
【0031】
予め定められた閾値レベルを超えるバッファ内のすべてのPDUの送信後にリソースを解放することによって、他のWTRU210のE−RACHリソースを解放することができる。例えば、閾値レベルは、ネットワークがWTRU210と送信遅延との間の公平性をトレードオフすることができるように設定することができる。これらのレベルは、システム情報を介して構成し、またはWTRU210において予め構成することができる。
【0032】
さらに、E−RACHメッセージ送信の終了をトリガすることができる物理層のための手順を用いることができる。これは、FACH測定の機会によって制御されるセル再選択および測定またはRL(無線リンク)の故障の検出を含む。
【0033】
あるいは、WTRU210は、測定期間中のすべての送信を一時停止することができる。また、Node−B220におけるスケジューラは、測定期間を認識し、および任意の許可、ACK、またはNACKのダウンリンク送信を一時停止することもできる。通常の操作を再開すると、ネットワークは、任意選択で、電力制御ループが再度確立されるように、最初の許可を送信することができる。または、ネットワークは、プリアンブル電力の立ち上がりまたは類似の手順を使用して、WTRU210からの指示を待つことができる。任意選択で、WTRU210は、終了信号または終了メッセージで、終了の理由を示すことができる。E−RACH終了の理由は、RLの故障およびE−RACH送信の完了を含むことができる。
【0034】
図7は、700でE−RACHメッセージ送信の終了を決定するように構成されたネットワークのフロー図を示す。E−RACHメッセージフェーズの終了は、705で、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)UTRAN(Terrestrial Radio Access Network)によって最初のSIに示されるデータの量の受信に基づいて、ネットワークによって確立することができる。あるいは、それは、その後のSIに示される、または異なる機構を使用して示されるデータ量を受信するUTRANに基づいて確立することができる。UTRANは、SIの値を使用して、メッセージ送信を終了するときを決定することができる。より詳細には、710でTEBSがゼロに設定されたSIは、HARQバッファにおけるデータの送信がいったん完了すると、WTRU210がリソースを解放している旨の信号をネットワークに送る。UTRANは、715でTEBSがゼロに設定されたSIを受信し、それ以上のHARQ送信がなくなった後、720でE−DCHリソースを解放する。
【0035】
あるいは、UTRANは、関連のF−DPCHの送信を単にオフにすることができ、明白な追加のシグナリングは使用されない。この手法は、WTRU210およびネットワークの両方が、送信を終了すべきであることを認識している場合に使用することができる。
【0036】
あるいは、SIは、バッファの占有が変わるたびに送信することができる。あるいは、SIは、新しいデータが優先度がより高い論理チャネルからのものではない場合でさえ、予め定義された、またはシグナリングされた量だけバッファの占有が変化する(すなわち、追加データをバッファで受信する)たびに送信することができる。TEBSがゼロに等しい場合、SIトリガ機構は、SIを送信することができるように変更することができる。TEBSがゼロに設定されたSIは、HARQバッファにおけるデータの送信がいったん完了すると、WTRUがリソースを解放している旨をネットワークにシグナリングし、UTRANもE−DCHリソースを解放する。あるいは、SIは、WTRU210がCELL_FACH状態にあるとき、またはE−RACHリソースを占有しているとき、すべてのHARQ送信で送信することができる。
【0037】
別の終了方法を選択する場合、UTRANは、E−RACHの送信の終わりを明示的にシグナリングすることができる。UTRANは、E−RACHメッセージの送信の終わりをいったん決定すると、(例えば0の許可など)E−AGCHを介して特別な値を送信することによって、WTRU210にシグナリングする。または、UTRANは、FACHを介して、またはWTRU210がCELL_FACH状態のHS−DSCH(高速ダウンリンク共有チャネル)のために構成されている場合、HS−DSCHを介してRRCメッセージを送信することによって、WTRU210にシグナリングする。あるいは、ネットワークは、L1シグナリングを使用することによってWTRU210にシグナリングする。これは、F−DPCH(fractional dedicated physical channel)を停止すること、フラグを送信すること、またはWTRU210が例えばHS−SCCH順を使用してCELL−FACH状態のHS−DSCHのために構成されている場合、HS−SCCHにおいて予め定められたフィールドの組み合わせを送信することを含むことができる。
【0038】
あるいは、E−RACHメッセージの終了は、拡張専用物理データチャネル(E−DPDCH)または拡張DPCCH(E−DPCCH)送信でのアクティビティがないことに基づいて確立することができる。
【0039】
E−RACH部分の終了は、要求をスケジューリングするWTRU210の状況に基づいて確立することもできる。一例として、UTRANは、受信したSIまたはハッピービットの状況を監視することができる。この情報が低い使用率を示す場合、ネットワークは、他のWTRU210がリソースにアクセスする機会を有することができるように、E−RACHメッセージの現在の送信を終了することを決定することができる。あるいは、ハッピービットがアンハッピーに設定された状態で、この情報の使用率が高く、必要性が連続していることを示す場合、UTRANは、WTRU210からCELL_DCH状態に移行することを決定することができる。別の代替として、UTRANは、トラフィック量測定レポート(アップリンクRRC測定レポートなど)を使用して、WTRU210が任意のこれ以上のデータまたは送信すべき少量のデータを有していないことを決定することができる。
【0040】
あるいは、UTRANは、予め定められた時間量の間、予め定義された物理チャネルまたは信号を送信しないことによって、E−RACHリソースを解放するようにWTRU210に暗にシグナリングすることができる。言い換えれば、WTRU210用のチャネルE−AGCH、WTRU210によって使用されるE−RACHリソースに関連付けられたE−RGCH、WTRU210によって使用されるE−RACHリソースに関連付けられたF−DPCH、および/またはHS−SCCHまたはWTRU210用のHS−PDSCH(高速物理ダウンリンク共有チャネル)でUTRANからどんな送信も受信しない場合、WTRU210は、E−RACHリソースを解放する。
【0041】
任意選択で、UTRANは、終了信号または終了メッセージで、終了の理由を示すことができる。E−RACH終了の理由は、それだけには限定されないが、RLの故障、E−RACH送信の完了、およびネットワークの輻輳を含むことができる。
【0042】
図8は、WTRU210がCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行するときに解放されるE−DCHリソースのフロー図である。WTRU210は、805でE−DCHリソースがまったく割り当てられない状態で動作する。AICHまたはE−AICHにおいてE−DCHリソース割り当てを受信するか、AICHにおいてNACKを受信し、次いで、E−AICHを介してリソース割り当てインデックスを受信(あるいは、WTRU210がE−DCHインデックスを受信)すると、WTRU210は、810でCELL_FACH状態においてWTRUに割り当てられるE−DCHリソースにアクセスすることができる。WTRU210は、CELL_DCH状態への切り替えを行うことができることを示す再構成メッセージを受信するまで(例えばFACHまたはHS−DSCHを介して)、E−DCHリソースの制御を保持する。次いで、815で、E−DCHリソースが解放される。そして、WTRU210は、820でCELL_DCH状態に移行することができる。WTRU210がE−RACHを介して送信している間に、UTRANがWTRU210を、専用E−DCHリソースを含むCELL_DCH状態に再構成する場合、WTRU210は、同期の再構成の場合に、再構成メッセージに指定されている稼働時にE−RACHリソースを解放することができる。あるいは、WTRU210は、稼働時前または稼働時後の固定遅延時に、E−RACHリソースを解放することができる。あるいは、WTRU210は、RRC再構成メッセージの受信直後にE−RACHリソースを解放することができる。
【0043】
さらに、WTRU210は、それ自体を専用E−DCHリソースを介した送信のために構成すると同時に、E−RACHリソースを解放するように構成することができる。あるいは、WTRU210は、それ自体を専用E−DCHリソースを使用した送信のために構成する前または構成した後の固定遅延時に、E−RACHリソースを解放し、またはWTRU210が専用E−DCHリソースを含むUTRANと完全に同期されるとE−RACHリソースを解放することができる。
【0044】
図9は、E−RACH終了トリガが発生したとき、CELL_FACH状態またはアイドルモード中に、E−DCHリソースを解放するための手順のフロー図である。WTRU210は、905で、E−RACH終了プロセスを開始する。WTRU210は、910で、行われている任意のE−AGCH、E−RGCH、およびE−HICH受信手順を停止するように構成することができる。WTRU210は、915で、行われている任意のE−DPCCHおよびE−DPDCH送信手順を停止するように、さらに構成することができる。次いでWTRU210は、920で、MACリセット手順を行い、930で、HARQバッファを解放することができる。拡張MAC−e/esリセット手順は、HARQプロセスをフラッシュし、拡張MAC−e/esのセグメンテーションエンティティにおける任意の残りのセグメントを破棄し、CURRENT_TSN(送信シーケンス番号)値をゼロにリセットする工程を含むことができる。あるいは、残りのセグメントがDTCHまたはDCCH論理チャネルからのものである場合、WTRU210は、残りのプロセスでセグメントの送信を再開することができる。任意の格納されたセグメントを破棄し、TSN並べ替え番号をリセットするために、指示を、Iubシグナリングを介してSRNC240に送信することができる。
【0045】
E−DCHが終了し、DTCHまたはDCCH送信がアクティブである場合、WTRU210は、930で、HARQプロセスをフラッシュし、MAC−i/isのセグメンテーションエンティティにおいて任意の残りのセグメントを破棄することができる。
【0046】
CCCHに対応しないMAC−i/isエンティティの他の論理チャネルまたはキューは、リセットされない。Node−B220は、CCCHのMAC−isエンティティのリセットを行うように構成することができる。言い換えれば、任意のセグメントは、破棄することができ、予想されるTSNは、その初期値に設定される。MAC−isエンティティがCRNC230にある場合、Node−B220は、MAC−isエンティティにリセットを行うよう指示するIubシグナリングを使用する。さらに、E−DCHリソースに関連付けられているMAC−iエンティティは、リセットされる(すなわち、HARQソフトバッファがフラッシュされる)。
【0047】
WTRU210が全MAC−i/isのリセットを行うと、SRNC240におけるMAC−isエンティティは、E−RACHアクセスが終了した旨の新しいIub/Iurシグナリングを介して通知され、したがって、SRNC240におけるMAC−isエンティティもリセットを行うことができる。より詳細には、Node−B220は、WTRU210とのE−DCH接続を終了すると、E−DCHリソースを解放し、HARQバッファをフラッシュし、SRNC240またはCRNC230に、接続が終了したことを通知し、したがって、CRNC230またはSRNC240は、MACのリセットも行う。CRNC230またはSRNC240は、IubまたはIurシグナリングを介して通知される。新しい制御ビットは、IubまたはIurフレームフォーマットで挿入され、または新しいフレームフォーマットは、SRNC240またはCRNC230にリソースの解放をシグナリングするように定義することができる。
【0048】
また、任意選択で、MAC−i/isのリセットまたはセグメントの単なる破棄は、E−RACHリソースの終了のためにTr(時間間隔)後に行うことができる。また、タイマは、ネットワーク側で開始する。Trは、RRCメッセージにより、SIB(システム情報ブロック)を介してWTRU210にシグナリングされるシステムで構成されたタイマとすることができ、またはWTRU210において予め構成してもよい。タイマは、E−DCHリソースがWTRU210において終了するとすぐに開始される。
【0049】
WTRU210は、タイマが稼働しており、WTRU210がE−RACHアクセスの実行を試行する場合、そのタイマを停止するように構成することができる。また、WTRU210は、E−RACHアクセスを試行し、割り当てられたE−DCHリソースを取得する場合、または割り当てられたE−DCHリソースを取得し、競合解決フェーズ(contention resolution phase)を解決する場合、タイマを停止することもできる。
【0050】
あるいは、WTRU210、Node−B220および/またはRNCは、TSN_RESET_TIMERを含むように構成することができ、この場合、WTRU210は、タイマが期限切れになると、TSNリセットを行うように構成される。任意選択で、WTRU210は、タイマが期限切れになると、完全な拡張MAC−e/esリセット手順を行うことができる。
【0051】
E−DCHリソースは、CELL_FACHからCELL_DCHへの移行が行われると解放される。
【0052】
WTRU210によって使用されているE−DCHリソースセットの解放後、WTRU210およびRNCは、最後に使用されたTSN番号(すなわちCURRENT_TSN)の値を初期値にリセットすることができる。WTRU210およびRNCは各々、同期されたタイマを備えることができ、タイマの終了によりE−DCHリソースの解放が支持される。タイマが期限切れになり、リソースが解放された後、WTRU210は、TSNをリセットし、任意選択で、完全な拡張MAC−e/esリセット手順を行うことができる。
【0053】
あるいは、UTRANは、リソースの解放を命令することができる。UTRANは、リソースを解放する必要があることを示す信号をWTRUにシグナリングすることができる。この場合、メッセージの受信後、WTRU210およびUTRANは、TSNを初期値にリセットする。
【0054】
あるいは、TSN番号は、非アクティブタイマの期限切れ後、リセットすることができる。この場合、非アクティブタイマは、最後のMAC−e PDUがそれぞれ送信および受信された後、WTRU210およびネットワークの両方で開始することができる。タイマが期限切れになると、WTRU210およびRNCは、TSNをその初期値にリセットする。任意選択で、完全な拡張MAC−e/esリセット手順を行うことができる。
【0055】
別の代替で、TSN番号は、リセットされないこともある。使用されているE−DCHリソースセット、または送信が行われる時間にかかわらず、使用された最後のTSN値は、メモリに格納され、新しい送信ごとに連続的に増分される。
【0056】
あるいは、TSN番号は、その初期値に設定することができ、任意選択で、セルの再選択が行われると、完全な拡張MAC−e/esリセットを行うことができる。TSNまたはMAC−e/esのリセットは、WTRU210がセル再選択を実行した後、常に行ってもよい。あるいは、これは、SRNS(サービング無線ネットワークサブシステム)再配置が行われたときのみ、行ってもよい。RNCは、明示的な拡張MAC−e/esリセットインジケータを介してTSNのリセットを指示し(signal)、またはWTRU210は、新しいU−RNTI(UTRAN RNTI)の存在または変更によりSRNS再配置が行われたことを暗に検出することができる。
【0057】
実施形態
1.E−RACH(拡張ランダムアクセスチャネル)送信においてE−RACHメッセージを終了するための方法であって、
バッファが空であることを決定するステップ
を含む方法。
2.TEBS(全E−DCH(拡張専用チャネル)バッファステータス)がゼロに等しいSI(スケジューリング情報)の送信をトリガするステップと、
最後のHARQデータ送信を決定するステップと、
E−DCHリソースの割り当てを解放するステップと
をさらに含む実施形態1に記載の方法。
3.非アクティブタイマは、バッファが空であるとき開始される実施形態1〜2のうちのいずれか一項に記載の方法。
4.SIの送信は、非アクティブタイマが期限切れになるとトリガされる実施形態3に記載の方法。
5.非アクティブタイマは、データの受信後に再開される実施形態3に記載の方法。
6.E−RACH(拡張ランダムアクセスチャネル)送信においてE−RACHメッセージを終了するための方法であって、
TEBS(全E−DCH(拡張専用チャネル)バッファステータス)を含む初期SI(スケジューリング情報)を受信するステップと、
TEBSがゼロに等しいことを決定するステップと
を含む方法。
7.HARQ(ハイブリッド自動再送要求)バッファが空になるまで待つステップと、
E−DCHリソースの割り当てを解放するステップと
をさらに含む実施形態6に記載の方法。
8.E−RACH(拡張ランダムアクセスチャネル)送信においてE−RACHメッセージを終了するための方法であって、
CELL_FACH(セル順方向アクセスチャネル)状態からCELL_DCH(セル専用チャネル)状態への移行中にE−RACHメッセージを解放するステップ
を含む方法。
9.AICH(アクイジションインジケーションチャネル)およびE−AICH(E−DCH AICH)上でE−DCH(拡張専用チャネル)リソースを受信するように構成された受信機
を含むWTRU(無線送受信ユニット)。
10.CELL_FACH(セル順方向アクセスチャネル)状態中にE−DCHリソースにアクセスし、CELL_DCH(セル専用チャネル)状態への切り替えを示す再構成メッセージを受信し、CELL_DCH状態への切り替えに基づいてE−DCHリソースを解放するように構成されたプロセッサ
をさらに含む実施形態9に記載のWTRU。
11.E−RACH(拡張ランダムアクセスチャネル)送信においてE−RACHメッセージを終了するための方法であって、
明示的なE−DCH終了信号を受信するステップと、
E−DCHリソースを解放するステップと
を含む方法。
12.明示的なE−DCH終了信号は、E−AGCH(E−DCH絶対許可チャネル)上でシグナリングされる特別な値を含む実施形態11に記載の方法。
13.E−RACH(拡張ランダムアクセスチャネル)送信においてE−RACHメッセージを終了するための方法であって、
トリガに応答してタイマを開始するステップ
を含む方法。
14.CCCH(共通制御チャネル)の最大許容送信時間に達すると、CCCHのリソース割り当てを解放するステップ
をさらに含む実施形態13に記載の方法。
15.最大E−DCH(拡張専用チャネル)割り当て時間は、E−RNTI(E−DCH無線ネットワーク一時識別子)が存在しないとき、CCCH送信に割り当てられる実施形態14に記載の方法。
16.タイマは、送信されたプリアンブル署名に関連付けられているACK(肯定応答)がAICH(アクイジションインジケーションチャネル)またはE−AICH(E−DCH(拡張専用チャネル)AICH)で受信されると開始する実施形態13〜15のうちの一項に記載の方法。
17.タイマは、RRC(無線リソース制御)がMAC(媒体アクセス制御)にタイマ値を提供し、E−DCH(拡張専用チャネル)のリソースインデックスを受信した後、開始する実施形態13〜16のうちの一項に記載の方法。
18.タイマは、WTRU(無線送受信ユニット)が第1のDPCCH(専用物理制御チャネル)プリアンブル送信を開始すると開始する実施形態13〜17のうちの一項に記載の方法。
19.タイマは、E−DCH(拡張専用チャネル)送信バックオフTTI(送信時間間隔)後、第1のDPCCH送信が完了すると、または第1のMAC(媒体アクセス制御)PDU(プロトコルデータユニット)が物理層に渡されると開始する実施形態13〜18のうちの一項に記載の方法。
20.タイマは、WTRU(無線送受信ユニット)がE−DCH(拡張専用チャネル)送信を開始すると開始する実施形態13〜19のうちの一項に記載の方法。
21.WTRU(無線送受信ユニット)は、WTRU E−RNTI(E−DCH無線ネットワーク一時識別子)を運ぶ衝突解決E−AGCH(E−DCH(拡張専用チャネル)絶対許可チャネル)が受信されると、タイマを開始することができる実施形態13〜20のうちの一項に記載の方法。
22.CCCH(共通制御チャネル)の最大許容送信時間に達すると、E−DCH(拡張専用チャネル)リソースを解放するように構成されたプロセッサ
を含むWTRU(無線送受信ユニット)。
23.E−RACH(拡張ランダムアクセスチャネル)送信においてE−RACHメッセージを終了するための方法であって、
セル再選択または無線リンクの故障の場合にE−RACHメッセージを終了するステップを含む方法。
24.E−RACH(拡張ランダムアクセスチャネル)メッセージ送信の終わりを決定するように構成されたプロセッサを含むNode−B。
25.プロセッサに接続されている送信機であって、送信の終わりを示すE−AGCH(E−DCH(拡張専用チャネル)絶対許可チャネル)を介して特別な値を送信するように構成された、送信機をさらに含む実施形態24に記載のNode−B。
26.CELL_FACH(セル順方向アクセスチャネル)状態の間にE−DCH(拡張専用チャネル)リソースを解放するための方法であって、
E−AGCH(E−DCH(拡張専用チャネル)絶対許可チャネル)、E−RGCH(E−DCH相対許可チャネル)、およびE−HICH(E−DCH HARQ(ハイブリッド自動再送要求)インジケータチャネル)の受信手順を終了するステップ
を含む方法。
27.E−DPCCH(E−DCH専用物理制御チャネル)およびE−DPDCH(拡張専用物理データチャネル)の送信手順を終了するステップと、
MAC(媒体アクセス制御)エンティティをリセットするステップと
をさらに含む実施形態26に記載の方法。
28.チャネルは、E−RACH(拡張ランダムアクセスチャネル)送信信号が受信されると終了する実施形態26〜27のうちの一項に記載の方法。
29.チャネルは、CCCH(共通制御チャネル)タイマが期限切れになると終了する実施形態26〜28のうちの一項に記載の方法。
30.チャネルは、SI(スケジューリング情報)がゼロに等しいとき終了する実施形態26〜29のうちの一項に記載の方法。
31.MACリセット手順は、HARQ(ハイブリッド自動再送要求)プロセスをフラッシュし、MACエンティティのセグメンテーションエンティティにおける残りのセグメントを破棄し、TSN(送信シーケンス番号)値をゼロにリセットするステップを含む実施形態27〜30のうちの一項に記載の方法。
32.リソースは、非アクティブタイマが期限切れになると解放される実施形態26〜31のうちの一項に記載の方法。
【0058】
上記では特徴および要素が特定の組み合わせで記載されているが、各特徴または要素は、他の特徴および要素無しに単独で、または他の特徴および要素の有無にかかわらず様々な組み合わせで使用することができる。本明細書に提供された方法またはフロー図は、汎用コンピュータまたはプロセッサによって実行するために、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に有形で組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにおいて実施することができる。コンピュータ読取り可能な記憶媒体の例には、ROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクおよび取外式ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、並びにCD−ROMディスクやDVD(デジタル多目的ディスク)などの光媒体などがある。
【0059】
適したプロセッサには、一例として、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、DSP(デジタル信号プロセッサ)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)回路、他の任意のタイプのIC(集積回路)および/または状態機械などがある。
【0060】
ソフトウェアと関連するプロセッサは、WTRU(無線送受信ユニット)、UE(ユーザ機器)、端末、基地局、RNC(無線ネットワークコントローラ)、または任意のホストコンピュータで使用するための無線周波数送受信装置を実施するために使用することができる。WTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカフォン、振動装置、スピーカ、マイクロフォン、テレビ送受信機、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、FM(周波数変調)無線ユニット、LCD(液晶ディスプレイ)表示装置、OLED(有機発光ダイオード)表示装置、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意のWLAN(無線ローカルエリアネットワーク)またはUWB(超広帯域)モジュールなど、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに実装されるモジュールと共に使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9