【文献】
重高浩一・青山憲明・井星雄貴,道路設計のための3次元地形データの作成仕様に関する研究,国土技術政策総合研究所資料,第664号,国土交通省 国土技術政策総合研究所,2012年01月 日,第3-2頁,ISSN 1346−7328
【文献】
小林三昭・堀井裕信,総合鉄道線形計画支援システムの開発,土木学会論文集F3(土木情報学),第67巻第2号,2012年03月26日,第3頁右欄第15行−第4頁左欄第10行,DOI:https://doi.org/10.2208/jscejcei.67.I_1
【文献】
福田知弘・関文夫・伊藤裕二・武井千雅子,道路・橋梁・トンネルを作成する,VRプレゼンテーションと新しい街づくり,株式会社エクスナレッジ,2008年11月26日,81頁−85頁,ISBN978-4-7678-0838-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
道路形状
従来から、道路の設計とは道路線形を構築することであり、道路線形は、中心線形(平面線形(Line)、縦断線形(Profile))と、横断線形(Cross Sect)と、から構成される。
各線形は、それら線形を構成する点(測点)から構成されるが、道路線形は、それら測点だけでなく、道路線形に「関連する点」によって種々規定される。「測点」「関連する点」については、段落「0007」の「用語」にて詳述する。
中心線形とは道路の中心線が立体的に描く形状であり、中心線形の中で、平面的に見た道路中心線の形状を平面線形といい、縦断的に見た道路中心線の形状を縦断線形という。また、道路の進行方向正面から見た線形を横断線形という。
【0003】
(1)平面線形(道路を上から見る場合の線形)
平面線形は、当該道路を、上から眺めた場合に見える中心線形の線形である。平面線形は、直線、円、緩和曲線等によって構成される。この平面線形に関連する点としては、IP(交点)、BC(カーブの始点)、EC(カーブの終点)、BP(道路の始点)、EP(道路の終点)、NOXXX(左記以外の点)、等が挙げられる。
平面線形の模式図が
図10に示されている。
図30は、いわゆる平面図であり、道路の中心線上の測点10を結んで平面線形が形成されている。
図30において、各測点10の間が結ばれ、平面線形が構成されている様子が示されている。なお、
図30は平面図であり、縦軸はY軸、横軸はX軸としている。
【0004】
(2)縦断線形(道路を横から見る場合の線形)
縦断線形は、当該道路を、横から眺めた(縦断的に見た)場合に見える中心線形の線形である。縦断線形は、直線、縦断曲線によって構成される。この縦断線形に関連する点としては、CL(道路の中心点)、RXXX(道路の右側の点)、LXXX(道路の左側の点)、等が挙げられる。
縦断線形の模式図が
図31に示されている。
図31は、道路に沿った道路の縦の断面図であり、道路に沿った道路の中心線上の測点10の高さ(Z軸)を結んで縦断線形が形成されている。
図31は縦方向の断面図であるが、縦軸は上述したように高さすなわちZ軸であり、横軸は道路の中心線(上の位置)であり、その中心線上の測点10が表されている。
【0005】
(3)横断線形(道路を正面から見た場合の線形)
横断線形は、当該道路を、正面から眺めた場合に見える道路表面の線形である。横断線形は、直線、曲線によって構成される。この横断線形に関連する点としては、IPを除いて平面線形と同じ種類の点が挙げられる。
横断線形の模式図が
図32に示されている。
図32は、いわゆる道路の断面図であり、道路の中心線上の中心点CLで道路に垂直に切断した場合の断面図であり、その断面の線が横断線形となる。
図32において、白丸で示された各測点10(CL、L1、R1等)が結ばれて、破線で横断線形が示されている。なお、
図32において、黒丸は、道路を造成する前の実際の測量点であり、それらを結んだものが、道路造成前の実際の土地の断面の表面形状である。この表面形状が造成によって、破線で示される道路の形状(横断線形)となる。
【0006】
これらの「線形」を作成することが、従来の道路の設計である。従来の道路の設計では、道路形状を人間がその都度入力する必要があり繁雑な作業が必要であった。さらに、上述した平面線形等でも、実際には各測点は3次元データであるため、より一層繁雑な作業となっていた。
【0007】
用語
「測点」
道路データを作成することは、道路線形を構成する点((CL:中心点)等)をデータとして作成することであるが、これら道路線形(平面線形、縦断線形、横断線形)を構成する点を「測点」と呼ぶ。
「道路構成に関連する点」「関連する点」
道路構成そのものであるCL等の「測点」だけでなく、道路線形を規定するための他の点(IP:交点等)も道路データの作成のためには適宜利用される。そこで、本特許では、「測点」と、道路線形を規定するための他の点と、を合わせて、「道路構成に関連する点」、「道路線形に関連する点」、又は単に「関連する点」と総称する。
【0008】
先行特許文献
下記特許文献1には、車両に搭載して用いられる道路形状情報入力・蓄積装置が開示されている。同文献1に記載されている発明によれば、道路モデルを構成する各道路エレメントに対して道路線形情報等の道路構造情報を入力して道路形状情報を生成し、この道路形状情報を記憶し、表示する。したがって、道路形状情報のデータベースを構築できるので、車両が道路形状の測量をする必要がなくなり、車両の負担が減少するとされている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態に係る道路データの作成処理の流れを図面に基づき説明する。
原理
本実施形態における道路データの作成の流れとしては、平面線形のIP点(交点)を決めて、それを元にカーブの半径(R値)とカーブの始点(BC)と終点(EC)の位置をユーザーのマウス操作により確定していくという手法を特徴の一つとする。このような位置の確定を実行すると、予め設定したテンプレート設定に基づいて平面線形と縦断線形と横断線形とを自動計算するように構成している。
【0027】
A.構成
本実施形態は、このような原理の道路データ作成方法を、道路データ作成装置100を用いて実行するものである。道路データ作成装置100は、具体的には、所定の道路の設計プログラムを
図1に示すようなコンピュータ102上で実行することによって実現されており、以下説明するような道路データの作成方法を実行する。
図1のコンピュータ102は、道路データ作成プログラムを稼働させることによってどうとデータ作成装置100として機能するコンピュータ102である。
コンピュータ102は、ディスプレイ104と、本体106と、キーボード108と、マウス110と、等を備えている。
ディスプレイ104は、後述するように3次元地形モデルやIP点等を表示する手段であり、請求の範囲の表示部の好適な一例に相当する。
【0028】
本体106は、ビデオインターフェース112と、CPU114と、メモリ116と、入出力インターフェース118と、ハードディスク120と、を備えている。本体106内のこれらの構成はバス122で互いに接続されている(
図1)。
ビデオインターフェース112は、本体106とディスプレイ104とを結ぶインターフェースである。HDMI(登録商標)等種々の規格を採用してよい。
CPU114は、道路データ作成プログラム等を実行して、道路データ作成装置100を実現し、以下説明する道路データ作成方法を実現するプロセッサである。後述する道路データ作成方法の各動作は、このCPU114が道路データ作成プログラムを実行することによって実現される。
【0029】
メモリ116は、各種の処理をするためのデータや、実行するためのプログラムを格納するために用いられる。
入出力インターフェース118は、キーボード108や、マウス110を接続するためのインターフェースである。例えばUSB等でよい。
ハードディスク120は、データやプログラムを格納するための記憶部である。後述する3次元地形モデル等もこのハードディスク120に格納しておき、処理の差異に読み出して用いることが好適である。
キーボード108やマウス110は、利用者が操作して所望の指示等を行うために用いられる。マウス110は、請求の範囲のポインティングデバイスの好適な一例に相当する。本実施形態では、マウス110を利用したが、トラックボール、タッチパネル等のポインティングデバイスでもよく、これらも請求の範囲のポインティングデバイスの好適な一例に相当する。
【0030】
道路データフォーマットその他
本実施形態では、作成する道路データは、いわゆるLandXML1.2に準拠するものとする。その中のAlignmentを、平面線形、縦断線形、横断線形として記述する例を説明する。また、利用する「サーフェス」のファイルフォーマットもLandXML1.2に準拠するものとする。例えば3次元地形モデルは、このフォーマットの「サーフェス」でディスプレイ104に表示している。但し、道路データとして他のフォーマットを使用してもよいし、また3次元地形モデルのフォーマットとして他のフォーマットを使用してもよい。
【0031】
B.動作(平面線形を中心として説明)
本実施形態に係る道路データ作成方法のフローチャートが
図2に示されている。以下、この
図2のフローチャートに沿って動作を説明する。
【0032】
従来は、マウスやタッチパネルによる手書きで、IP点等を入力しており、この作業は上述したように非常に労力が必要であった。そこで、本実施形態では、3次元地形モデル上でマウスのクリックによって、IP点などを入力する手法を採用する。このような手法でIP点などを入力する新しい入力モードを、本実施形態では「点入力モード」と呼ぶ。なお、これに対して、従来のマウスやタッチパネルによる手書きでIP点等を入力するモードを「手書きモード」と呼ぶ。
【0033】
(1)3次元地形モデルの表示
まず、
図2のステップS2−1において、3次元地形モデルを入力して、ディスプレイに表示する。3次元地形モデルは、サーフェスとして上述したようにLandXML1.2のサーフェスのフォーマットを用いている。このサーフェスデータは、予め撮影等しており、例えば、ハードディスク120に格納している。CPU114が、同じくハードディスク120に格納されている道路データ作成プログラムを実行しており、その動作によって、ディスプレイ104上に3次元地形モデル300が表示される。この様子が
図3に示されている。このステップS2−1における動作は、請求の範囲の表示ステップの好適な一例に相当する。
【0034】
(2)IP点等302の入力
ステップS2−2において、利用者は、IP点等302を入力する。本実施形態において特徴的なことは、
図3に示すように、3次元地形モデル300を表示した状態で、利用者がマウス110を操作して、IP点等302を入力可能にしたことである。すなわち、利用者が、3次元地形モデル300上の所望の箇所(地点)でマウスをクリックすることによって、その地点の座標を有するIP点等302を入力・設定するように構成したのである。ステップS2−2は、請求の範囲の入力ステップの好適な一例に相当する。
【0035】
詳細に述べれば、3次元地形モデル300上の所望の箇所(地点)にマウスカーソルを移動させ、その状態で、マウスに設けられているボタンを押下(クリック)することによって、3次元地形モデル上の位置をIP点等302の座標として入力を可能にしたものである。この位置(座標)は、平面上の位置であり、緯度・軽度で表されるが、いわゆるX座標、Y座標と呼んでもよい。本実施形態では、簡易的にX座標、Y座標と呼ぶが、その本質は地表の平面上における位置であり、緯度・軽度で表される位置と同様の座標である。
【0036】
このような動作を可能にするためには、3次元地形モデル300上のX座標、Y座標が判明していればよく、マウスカーソルの位置から、X座標・Y座標を読み込めればよい。画像としての地図の上で、X座標・Y座標を読み取ることは地図の分野で広く行われていることであり、当業者であれば、そのようなコンピュータプログラムを構成することは容易である。
本実施形態においては、このようなコンピュータプログラムと、それを実行するCPU114と、マウス110と、マウス110のデータを入力する入出力インターフェース118と、から請求の範囲の入力部が構成される。なお、コンピュータプログラムは、請求の範囲の道路データ作成プログラムの好適な一例に相当し、例えばハードディスク120等に格納されていてよい。
【0037】
本実施形態において特徴的な他の事項は、使用している3次元地形モデル300が、X座標・Y座標だけでなく、高さ方向の座標(Z座標)もデータとして有している点である。したがって、入力したIP点等302のX座標・Y座標だけでなく、その地点のZ座標も入力することができる。すなわち、本実施形態において特徴的なことは、入力した(IP)点の高さとして、このIP点を入力した位置の3次元地形モデルの高さを採用していることである。
【0038】
このようにして、本実施形態によれば、3次元地形モデル300を利用して簡便にIP点等302の入力を行うことができる。
本実施形態では、IP点等302を入力する例を説明したが、道路線形に関連する点であれば、どのような点を入力してもよい。本ステップS2−2における動作は、請求の範囲の道路設定に関連する点の入力ステップの好適な一例に相当する。
【0039】
図4には、IP点等が入力される場合のディスプレイの画面の様子の具体的な説明図が示されている。利用者は、ディスプレイ104の3次元地形モデル300上で、同図に示すように、点を指定していく。各点は指定された順で線で結ばれていく(
図3、
図4参照)。各点は例えばマウス110の左クリックで指定されていく。最初にクリックされた点がBP(Beginning Point 始点)400となり、2回目の点以降はIP(Intersection Point 交点)402として扱われる。一連の入力の終了はEscキーを押下することによって示される。つまり、Escキーが押下された場合、その直前の点がEP(End Point 終点)404となる。このようにして1本の道路線形(平面線形)の初期データが作成される。
【0040】
なお、初期状態では、IP402は、クリックした3次元地形モデル(サーフェス)の位置に設置されるものとする。すなわち、そのIP402の高さと、IP402が設置された位置の3次元地形モデル300の位置とは同じになるように設定される。その後、テンプレート設定等による自動計算(後述する)や、利用者の操作によって、IP402の高さを変更することができる(後述する)。
【0041】
また、利用者が、再びディスプレイ104の3次元地形モデル300上でマウス110のクリックを行えば、それは新たな道路線形の入力の開始となる。すなわち、そのクリックにより指定された点はBP(Beginning Point 始点)400となり、2回目以降はIP(Intersection Point 交点)402として扱われる。なお、BP400、EP404は道路線形(平面線形)であるが、IP402は、道路線形そのものではない。しかし、IP402も、BP400、EP404と同様に道路線形に関連する点である。
このようにして1本又は2本以上の任意の数の道路線形(の初期データ)を作成することができる。
なお、利用者が、メニュー等から点入力モードの終了を選択すれば、従来の手書きモードに戻るように、プログラムを設計することも好適な構成である。
【0042】
(2)Rの調整
次にステップS2−3において、IPのR(曲率半径)の調整が行われる。調整動作の例を示す説明図が
図5に示されている。この例では、IP402AのRの調整の様子が示されている。まず、利用者は調整の対象となるIP402Aをクリックし、選択状態にする。選択状態では、IP402Aに関連するBC(Beginning Curve 単曲線始点)EC(End Curve 単曲線終点)が表示される(
図5参照)。
ステップS2−3は、請求の範囲の調整ステップの好適な一例に相当する。
その状態で、マウスを移動させると、IP402AのRを調整することができる。
図5の例では、利用者は、マウス110を、矢印A1、A2方向に移動させている様子が示されている。この動きに合わせて、IP402Aの周囲のBCと、ECとが移動する。
図5では、BCは矢印B1方向に移動し、ECは、矢印B2方向に移動していく。これらの移動に伴って、
図5に示すようにガイドライン500も移動し、Rが調整される。
このステップS2−3における動作は、請求の範囲の道路線形作成ステップの好適な例にも該当する。以下、ステップS2−3〜ステップS2−7は、それぞれ道路線形作成処理の一部に該当し、請求の範囲の道路線形作成ステップに含まれることができる好適な例に相当する。
以下、道路線形作成処理の例として、ステップS2−3〜S2−7を説明するが、道路線形作成の処理として必ずしもすべての処理が含まれる必要はない。例えば、Rの修正は不要の場合は、ステップS2−3は実行しなくてもよい。IPの移動が不要であればステップS2−4は実行しなくてもよい。また、平面線形のみを作成する場合は、後述するステップS2−6、S2−7は実行しなくてもよい。
また、このような道路線形の作成処理(ステップS2−3〜S2−7)は、対応する動作を記述したコンピュータプログラムと、それを実行するCPU114と、から実行され、これらの構成は、請求の範囲の道路線形作成部の好適な一例に相当する。コンピュータプログラムは、例えばハードディスク120に格納されていてよいし、実行時にメモリ116上に適宜読み出されてよい。
【0043】
なお、
図5の例の場合、ECは移動するが、その限界値は、次のIP402Bまでである。IP402Bを越えて、ECが移動ことはない。また、
図5の例の場合、BCも移動するが、その限界値は、前の点であるBP400までである。BP400を越えて、BCが移動することはない。
次に、利用者がマウス110のボタンをクリックすると、EC及びEPの位置が決定され、その結果Rが決定される。以上のようにしてRの調整を行うことができる。また、ここでは、IP402AについてRの調整を説明したが同様の処理を他のIP402(B〜D)に繰り返すことによって、他のIP402のRの調整を行うことができる。
【0044】
(3)IPの移動
次にステップS2−4において、IP402Bの移動が行われる。移動動作の例を示す説明図が
図6に示されている。この例では、IP402Bの移動の様子が示されている。まず、利用者は移動の対象となるIP402Bをマウス110を用いてドラッグして移動させることができる。この状態では、IP402Bに隣り合った曲線のIPとRとを保持したまま(位置や値を維持したまま)、各BCとBEの位置が変化する。換言すれば、隣接するIPの位置と、Rと、を変更しないように、コンピュータ102のプログラムが、BC1、EC1、BC2、EC2、BC3、EC3の位置を変化させる(
図6参照)。すなわち、利用者がIP402Bを移動させるたびに、プログラム(を実行するCPU114)が、それに対応してBC1、EC1、BC2、EC2、BC3、EC3を変化させて、ディスプレイ104にリアルタイムに表示していく。
なお、ステップS2−4の処理は、請求の範囲の移動ステップの好適な一例に相当する。
【0045】
図6においては、利用者がIP402Bを矢印Cに沿って移動させると、それに応じてBC1、EC1、BC2、EC2、BC3、EC3が移動していく様子が黒い矢印で示されている。
【0046】
ドラッグが終了して、利用者がマウス110のボタンを放せば、当該IP402Bの位置が確定する。
図6に示すように、BC1とEC1とは、RとIPを維持したまたま、その位置を変更していく。同様に、BC2とEC2ともRとIPを維持したまたまその位置を変更していき、BC3とEC3ともRとIPを維持したまたまその位置を変更していく。なお、
図6においては、Rの大きさを表す円(この円の半径がR(曲率半径)である)が描かれているが、移動の前後でRの大きさが変化していない(大きさが変化していない)ことが理解されよう。
【0047】
本実施形態において特徴的なことは、IPの移動を、Rを変更させずに行うことができる点である。そのために、本実施形態においては、
・当該IPの周囲のBC、ECを移動させる。
・当該IPに隣接するIPの周囲のBC、ECを移動させる
ことによって、当該IPのRを変更させずに、当該IPの移動を実現している。言い換えれば、Rが変更しないように、上記各BC、ECを小刻みに少しずつ移動させる調整をリアルタイムに実行している。これはCPU114が、そのような調整機能を備えたプログラム(ハードディスク120等に格納)を実行することにより実現している。
【0048】
あるパラメータを変化させるときに、所定のパラメータが変更されないように、さらに他のパラメータを自動的に調整するプログラムを作成することは、通常の当業者であれば容易である。
以上のようにしてIPの移動を行うことができる。また、ここでは、IP402Bについて移動したが、同様の処理を他のIP402(A、C〜D)に繰り返すことによって、当該他のIP402を移動させてもよい。
【0049】
操作の例
このように、本実施形態では、Rの変更(ステップS2−3)においては、対象となるIPをクリック(ボタンを押下した後、ボタンを放す)して選択した後、マウスの移動によってRを変更することができる。本実施形態におけるこの操作は、R値の変更操作の好適な一例に相当するが、他の操作方法でもよい。対象となるIPを特定する操作と、Rの変更する操作と、が含まれていれば他の操作を採用してもよい。例えば、プログラムのメニューに「Rの変更」等のメニューを入れて、利用者にそのメニューを選択させてもよい。
【0050】
また、IPの移動(ステップS2−4)においては、マウス110のドラッグによって、対象となるIPを移動させることによってIPの移動を実現している。本実施形態におけるこの操作は、IPの移動操作の好適な一例に相当するが、他の操作方法でもよい。対象となるIPを特定する操作と、移動させる操作と、が含まれていれば他の操作を採用してもよい。例えば、プログラムのメニューに「IPの移動」等のメニューを入れて、利用者にそのメニューを選択させてもよい。
【0051】
(4)平面線形の確定
次に、ステップS2−5において、平面線形の確定が行われる。このステップでは、利用者がEscキーを押下すると、「平面線形を確定しますか?」の確認ダイアログがディスプレイ104に表示され、利用者が「はい(Yes)」を選択すると、予め定められたピッチ設定に従って、線分化が実行される。この結果、平面線形が確定する。確定した平面線形の概念図が
図7に示されている。所定のピッチで測点が適宜設けられ、線分化がなされている。なおピッチ設定は、テンプレート設定の一部である。テンプレート設定は、予め種々の設定が行われている。
ステップS2−5は、請求の範囲の平面線形ステップの好適な一例に相当する。
【0052】
また、各測点の高さは表示されているサーフェス(3次元地形モデル)の高さと同じとする。この様子が
図8に示されている。なお、平面線形の図では高さが表れないため、
図8は便宜上、縦断面図で示されている。
図8において、実線は、道路造成前の地面(地盤)であり、3次元地形モデルの高さである。破線が、計画するべき道路の線形である。
図8において、サーフェス(surface)で示される実際の地盤の高さ(3次元地形モデルの高さ)と、道路線形(
図8の破線で示されている)の各測点の高さが同一であることが示されている(
図8)。
【0053】
このようにして作成した平面線形(道路データ)は、例えばハードディスク120等に格納しておいてよい。また、他の記憶装置に格納してもよい。
本実施形態に係る道路データ作成方法は、その動作を実現する道路データ作成プログラムを、コンピュータ102が実行することによって実現することができる。当該道路データ作成プログラムの実行において、実際の道路データの作成前にテンプレート設定で種々の設定を行っておくことが好適である。
【0054】
C.テンプレート設定
以下、本道路データ作成方法(道路データ作成プログラム)において利用するテンプレート設定の(各パラメータの)詳細を説明する。上述したステップS2−5等において、これらのパラメータを使用してよい。これらのパラメータ(テンプレート設定)は、例えばハードディスク120等に格納しておいてよい。また、他の記憶装置に格納してもよい。利用者毎に別の記憶装置に格納してもよい。適宜、本道路データ作成方法(道路データ作成プログラム)が利用できるような場所に格納されていればよい。
【0055】
(1)ピッチ
道路の中心線上の測点を配置する間隔(m)である。
図7にお平面線形は、かかるピッチを基準に測点が付加され、平面線形が構成されている。
(2)縦断勾配制限
縦断の勾配制限(%)を指定する。勾配は、水平距離に対しての高さの百分率とする。
(3)幅員
いわゆる幅員(m)である。例えば、
図12の横断線形の説明図中にも幅員の記載がある。
【0056】
(4)切土勾配
切土勾配(1:n)を指定する。nは切土の高さを1とした場合の横の大きさを示す。
(5)切土小段
このパラメータは、「基準標高」と「高さ」とを含む。
基準標高は、小段作成の基礎となる標高(m)を指定する。高さは、何mおきに小段を作成するかの高さ(m)を指定する。
(6)切土小段幅
切土小段幅(m)を指定する。
【0057】
(7)盛土勾配
盛土勾配(1:n)を指定する。nは盛土の高さを1とした場合の横の大きさを示す。
(8)盛土小段
このパラメータは、「基準標高」と「高さ」とを含む。
基準標高は、小段作成の基礎となる標高(m)を指定する。高さは、何mおきに小段を作成するかの高さ(m)を指定する。
(9)盛土小段幅
盛土小段幅(m)を指定する。
(10)小段を道路と平行にするか否か
当該フラグが有効な場合は、小段が道路と平行になるように設計がなされる。小段を形成するときは、道路の路面の高さから常に切土小段高さ、盛土小段高さに従って小段が形成される。
【0058】
D.縦断線形
本実施形態では、上述した平面線形の作成に引き続き、縦断線形の作成を行う例を説明する。
図2のステップS2−5に続いて、ステップS2−6において縦断線形の作成が行われる。ステップS2−6は、請求の範囲の縦断線形ステップの好適な一例に相当する。
【0059】
(1)縦断線形の作成の基本動作
ステップS2−6においては、利用者が例えばメニューから「縦断線形の作成」を選択して、コンピュータ102(道路データ作成装置でもある)に対して、縦断線形の作成を指示する。
すると、コンピュータ102(プログラムを実行するCPU114)は、ステップS2−5で作成した道路データである平面線形から、縦断線形を作成する。平面線形は、上述したように、複数の測点から構成される。各測点は、
図31で説明したように、X座標、Y座標、そして3次元地形モデルから得られた高さ(Z座標)の各値を備えている。このデータの高さ(Z座標)を各測点の順で並べたものが縦断線形である(
図8、
図31等参照)。
【0060】
ステップS2−6では、さらに、テンプレート設定の縦断勾配制限より大きな勾配があるか否か確認される。かかる確認の結果、縦断勾配制限より大きな勾配がある場合は、標高の調整が行われる。縦断勾配制限より大きな勾配がなかった場合は、標高(高さ)の調整が行われる。
標高の調整の様子が
図9に示されている。
図9において、実線(surface)は、3次元地形モデルによる現状の地盤高さを表す。
図9において、破線は、作成しようとしている道路データ、すなわち道路線形(ここでは、縦断線形)である。以下、
図10、
図12〜
図29、
図31に関しても同様の記述方法を採用している。
【0061】
図9の例に示すように、各測点の間の線分の勾配がまず計算される。この値が、
図9の上部に示されており、10%、12%、17%、17%、12%、10%であった。このうち17%は勾配制限より大きいため、第4番目の測点の高度が下げられている。高度が下げられる前の測点が白丸で示されており、下げた後の測点は黒丸で示されている(
図9)。この結果、第4番目の測点(中央の測点)の両側の勾配が15%となり、勾配制限を満足するようになる。
このように、本実施形態においては、縦断線形が、各測点(間の線分)の勾配とともにディスプレイ104に表示されるので、利用者はどの測点の標高を調整するべきか容易に判断することができる。
この結果、すべての測点間の線分の勾配が勾配制限を満足することになる。
【0062】
(2)作成した縦断線形に関して、標高(高さ)を変更する動作
さらに、本実施形態においては、縦断線形に関してその標高の調整に独自の工夫をしている。本実施形態の道路データ作成方法では、1点の標高を変えるのではなく、全体の標高を変更する機能を提供している。
すなわち、標高を変更した点(測点)を勾配変化点として、それ以外の点(測点)の標高を変更する機能を、道路データ作成装置102に導入している。言い換えれば、同機能を道路データ作成プログラムに導入し、より使いやすい道路データ作成方法を実現したものである。
【0063】
まず、
図10には、作成した縦断線形を表示する画面(ディスプレイ104に表示される)の様子が示されている。デフォルトでは、縦断線形の全体を表示するが、ズームインズームアウトが可能である。なお、各測点の表示間隔は、測点間の距離に準じている。
図10において、実線は現況の地盤の高さ、破線は設計道路の高さである。
図10における縦断線形の各測点には、測点名と、勾配が記載されている。勾配は、その測点と次の測点とを結ぶ線分の勾配である。また、本実施形態では、各測点のGH(m)、FH(m)、縦断勾配を表としてディスプレ104に表示して、この表の値そのものを編集することもできる。この表の例が
図11に示されている。ディスプレイ104に表示されているこの表(
図11)の例えばFH(m)の編集が可能である。なお、FH(Formation Height)は、計画している(設計している)道路の高さを表し、GH(Ground Height)は、現況の地盤の高さを表す。
標高の調整
【0064】
また、本実施形態では、。
図10に示すように縦断線形をディスプレイ104に表示し、この表示の上で操作することによって標高(高さ)を調整することも可能である。
まず、
図12は、
図10と同様に縦断線形をディスプレイ104に表示した例であり、中央のNo.4の測点にマウスカーソルを重ねた場合の表示例である。この図に示すように、(マウス)カーソルを測点に重畳させる(マウスオーバー)と、その測点におけるGHと、FHとが表示されるので、利用者は具体的な標高の差を知ることができ、便利である(
図12参照)。
【0065】
次に、
図12の状態からマウス110のボタンをクリックすると、その測点(No.4)が勾配変化点となる。この様子が
図13に示されている。
図13の表示では、必ずしも明瞭には示されていないが、勾配変化点となったことが測点の色彩の変化でディスプレイ104上に表示される。
【0066】
この勾配変化点となった測点(No.4)は、ドラッグ操作によってその標高を変更することができる。その際、GHとFHの表示値も変化し、ライドライン502も表示される。この様子が
図14に示されている。ガイドライン502は、
図14において一点鎖線で示されている。また、BP(始点)とEP(終点)とを固定点として、その他の測点の標高も変更される。
図14の状態からマウスボタンを放し、ドラッグを終了すると、ディスプレイ104上の図と、
図11で示した表の値とが更新される。更新された図の例が
図15に示されている。このように、BP、EPとを固定して(No.4以外の)他の測点も合わせて標高を更新することができる。この更新は、
図15に示すように、ディスプレイ104上の画像も更新されるが、元となる表のデータ(
図11に示す表)も更新される。
【0067】
勾配変化点の複数指定
勾配変化点は、複数個設定することができる。
図14の状態から、測点No.4に加えて、測点No.6をクリックすることによって測点No.6も勾配変化点とした例が
図16に示されている。これら勾配変化点、BP、及びEPを固定点となるので、その他の標高が変更される。この場合(
図16)のガイドライン504(一点鎖線)は、
図14のガイドライン502と異なるものとなる(
図14、
図16参照)。
図16の状態からマウスボタンを放し、ドラッグを終了すると、ディスプレイ104上の図と、
図11で示した表の値とが更新される。これは
図14−
図15と同様である。
この更新が行われた後、さらに測点をクリックして勾配変化点を設定することができる。例えば、EPをクリックすれば、このEPを勾配変化点に設定することができる。この勾配変化点に設定されたEPも、これまで説明したのと同様にマウス110のドラッグ操作によってその標高を変更することができる。
【0068】
このように新たに設定した勾配変化点であるEPをドラッグして標高を変更した例が
図17に示されている。この新たな勾配変化点(EP)によって、ガイドライン504(勾配変化点)が描かれている。
図17の状態からマウスボタンを放し、ドラッグを終了すると、ディスプレイ104上の図と、(
図11で示した)表の値とが更新される。更新された図の例が
図18に示されている。このように、BP、EPとを固定して(No.4、No.6以外の)他の測点も合わせて標高を更新することができる。
【0069】
(3)画面の拡大と縮小
また、標高の変更を行う画面では、拡大と縮小を行うことができる。
図19には、拡大縮小前の縦断線形の表示の例が示されている。上で説明したように、実線は、現在の地面(地盤)であり、破線が、計画するべき道路の線形である。ディスプレイ104上には、この縦断線形と、マウス110のカーソル(矢印)が示されている。
この
図19の状態から、マウス110のホイールを前転させると、拡大が実行される。拡大後の画面の例が
図20に示されている。このように拡大は、カーソルを中心に実行される。ホイールの回転とともに連続的に拡大が行われる。また、
図20の状態からホイールを逆に後転させれば、逆の動作、すなわち、縮小が行われ、
図19の状態に戻すことができる。
【0070】
(4)移動
また、標高の変更を行う画面では、表示する箇所を移動させることができる。
図21には、
図19と同様の縦断線形の表示の例が示されている。この状態から、マウス110のホイールボタンをクリックしながら、マウス110をドラッグさせると、表示している箇所を移動させることができる。
【0071】
この
図21の状態から、マウス110のホイールボタンをクリックしながら、利用者がマウス110を左にドラッグさせると、表示している箇所を左に移動させることができる。
その結果、ディスプレイ104には、より右にあった部分が表示されるようになり、左にあった部分は、画面からはみ出て表示されなくなる。この様子が
図22に示されている。なお、このような移動量は、ドラッグする量に比例して連続的に制御することができる。また、
図22の状態から逆にマウスを右にドラッグさせれば、逆の動作、すなわち、表示されている縦断線形を右に移動させることができ、
図21の状態に戻すことができる。
【0072】
D.横断線形
本実施形態では、上述した平面線形、縦断線形の作成に引き続き、横断線形の作成を行う例を説明する。
図2のステップS2−6に続いて、ステップS2−7において横断線形の作成が行われる。ステップS2−7は、請求の範囲の横断線形ステップの好適な一例に相当する。
【0073】
(1)横断線形の作成の基本動作
ステップS2−7においては、利用者が例えばメニューから「横断線形の作成」を選択して、コンピュータ102(道路データ作成装置でもある)に対して、横断線形の作成を指示する。
すると、コンピュータ102(プログラムを実行するCPU114)は、ステップS2−5で作成した道路データである平面線形に基づき、横断線形を作成する。平面線形は、上述したように、複数の測点から構成される。
図23にはこの平面線形の例が示されている。
【0074】
ステップS2−6においては、この平面線形の各測点からでている線分に直交する平面式を求め、この平面式系で横断形状を定義する。
図32の例で示すように、各測点における平面式は、その測点から次の測点に向かう線分に垂直な平面であって、当該(着目している)測点を通る平面の式となる。例えば、BPにおける平面式は、そのBPから測点No.1に向かう線分と垂直な平面であって、当該BPを通過する平面式となる。測点No.1における平面式は、その測点No.1から測点No.2に向かう線分と垂直な平面であって、当該測点No.1を通過する平面式となる。以下、同様であるが、EPにおける平面式は、そのEPからその前の測点No.5に向かう線分と垂直な平面であって、当該EPを通過する平面式となる。このようにして求めた平面式を表す平面が、各測点における破線で表されている。
【0075】
このようにして求めた平面式の上で、横断線形が作成される。
まず、その平面式で3次元地形モデルを横断した場合の各地点の標高から断面図を作成することができる。これはその平面式と、3次元地形モデルが交わる点をプロットした図であり、例えば
図24にその例が示されている。
図24において、これまでの説明と同様に、実線は実際の地盤の高さを表す(
図24中、surfaceで表されている)。次に、
図24に示すように、中心点(CL、CR)が平面線形(Line)と縦断線形(Profile)に基づき決定される(
図24参照)。
次に、上述したテンプレート設定の幅員に基づき、L1とR1とを求める。このとき、高さはCLと同一とする。また、L1、R1は上述した平面(式)上の点であるので、高さ以外の座標(X座標、Y座標)は、上記平面式から求めることができる。この様子が
図25に示されている。なお、測点の命名法として、この例では便宜上、図に向かって左側の測点をL1、L2、L3・・・と命名していき、右側をR1、R2、R3・・・と命名していく。L1−CL−R1を結ぶ線分は、横断線形の一部となり、
図25においては、破線で示されている。これは
図32等と同様である。
【0076】
切土小段
次に、求めたL1(又はR1)がサーフェスより下の場合、すなわち、3次元地形モデルで示される地盤の高さより低い場合は、テンプレート設定の切土勾配に従って、切土小段の高さになるまで法面を引く。そこが、次の測点、すなわちL2(又はR2)となる。
図25の例では、L1が地盤の高さより低いので、L1から切土勾配に従って線を延ばし、切土小段の高さになるまで延長した点がL2として求められる。このL2が求められた様子が
図26に示されている。
【0077】
次に、テンプレート設定の切土小段の幅に従って、小段を引く。そこが次の測点、すなわちL3(又はR3)となる。L3の高さは直前の測点であるL2(又はR2)と同一とする。平面上の座標(X座標、Y座標)は、上述した通り、求めた平面式から求めることができる。このようにしてL3が求められた様子が
図27に示されている。
以下、同様の処理を、サーフェス(3次元地形モデルによる地盤の高さ)に達するまで切土法面と小段を設けていく処理を繰り返す。
図27において、L3がサーフェスより下であるので、L3から切土勾配に従って線を延ばし、サーフェスと一致した点がL4として求められる。L4でサーフェスに達したので、切土小段に関する処理は終了する。この様子が
図28に示されている。
【0078】
盛土小段
また、求めたR1(又はL1)がサーフェスより上の場合、すなわち、3次元地形モデルで示される地盤の高さより低い場合は、テンプレート設定の盛土勾配に従って、盛土小段の高さになるまで法面を引く。そこが、次の測点、すなわちR2(又はL2)となる。
本実施形態においては、
図24に示すように、R1がサーフェスより上であるので、盛土小段の処理が行われ、R2が設定される。
以下、切土小段の場合と同様の処理が続けられ、R3、R4が求められていく。この結果、最終的な横断線形が求められる。その様子が
図29に示されている。
(2)以上のような処理をすべての側点(の平面式(横断面))に対して求めることによって、道路の設計を行うことができる。すべてのCL、L1、L2・・・、R1、R2・・・を3D座標に変換すれば、道路の形状を(ディスプレイ104の)画面にレンダリングして表示することができる。
【0079】
E.応用例・変形例
(1)上の実施形態の説明では、平面線形、縦断線形、横断線形、を作成する動作について説明したが、一部の道路線形の作成だけでもよい。例えば、平面線形の作成だけでも、本願発明の技術的範囲に含まれる。また、横断線形も必ずしもすべての測点に関して作成しなくてもよい。例えば直線道路では、一部の代表点のみの横断線形を作成してもよい。
(2)上の実施形態の説明では、3次元地形モデルをサーフェスとして表示し、その上で、利用者がIP点を設定していく例を説明したが、IP点に限定されるものではなく、道路線形に関連する他の種類の点を設定していくように構成してもよい。その他の関連する点を設定する方法でも、本願発明の技術的範囲に含まれる。
(3)上の実施形態の説明では、IPの移動と、Rの調整を行う具体的な操作(マウスの動き)を説明しているが、具体的な操作としてはどのような操作でもよい。IPの移動と、Rの調整が独立して行える点が、本実施形態において特徴的な事項である。本実施形態においては、この特徴があるため、Rの値を気にせずにIPを移動させることができ、また、IPの移動を考慮することなく、Rの調整が可能となったものである。したがって、従来の道路データの作成方法に比べて、より望みの道路データを容易に作成することが可能である。
(4)上の実施形態の説明では、道路データを構成する点を測点と呼び、IP等は道路線形に関連する点ではあるが、道路データそのものではないとの説明を行っている。
しかし、道路データとしては様々なデータ形態、データフォーマットを採用してよい。例えば、IP点等の道路線形に関連する点をも含めて道路データとして扱うのも、後日データ修正等を行うのに便利である。したがって、道路データのフォーマットとしては、道路データそのものだけでなく、いわゆる「関連する点」も含めた道路デーデータのフォーマットを採用してもよい。
【0080】
F.まとめ(実施形態全体)
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。