特許第6967007号(P6967007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6967007システム、プロセスおよびそれに関係する焼結品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967007
(24)【登録日】2021年10月26日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】システム、プロセスおよびそれに関係する焼結品
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/64 20060101AFI20211108BHJP
   C04B 35/486 20060101ALI20211108BHJP
   C04B 35/10 20060101ALI20211108BHJP
   C04B 35/16 20060101ALI20211108BHJP
   B22F 3/10 20060101ALI20211108BHJP
   F27B 9/28 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   C04B35/64
   C04B35/486
   C04B35/10
   C04B35/16
   B22F3/10 C
   B22F3/10 K
   B22F3/10 A
   F27B9/28
【請求項の数】4
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-538652(P2018-538652)
(86)(22)【出願日】2017年1月25日
(65)【公表番号】特表2019-509960(P2019-509960A)
(43)【公表日】2019年4月11日
(86)【国際出願番号】US2017014862
(87)【国際公開番号】WO2017132216
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2020年1月24日
(31)【優先権主張番号】62/287,070
(32)【優先日】2016年1月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バディング,マイケル エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ボートン,ウィリアム ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ブラックリー,ダグラス エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ケスター,ランリック ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ケッチャム,トーマス デイル
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,エリック リー
(72)【発明者】
【氏名】タナー,キャメロン ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ジマーマン,ジェイムズ ウィリアム
【審査官】 今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−122162(JP,U)
【文献】 特開平06−198629(JP,A)
【文献】 特開2002−173361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/64
C04B 35/486
C04B 35/10
C04B 35/16
B22F 3/10
F27B 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結品を形成するプロセスにおいて、
一枚の無機材料を加圧ガスで支持する工程と、
前記一枚の無機材料が前記加圧ガスによって支持されている間に、前記無機材料が少なくとも部分的に焼結されて前記焼結品を形成するように、前記一枚の無機材料を該無機材料の焼結温度以上の温度まで加熱することによって、前記一枚の無機材料を焼結する工程であって、焼結されている前記無機材料の少なくとも一部分が、焼結中に固体の支持体と接触しない、工程と
を含み、
前記加圧ガスが、向かい合った第1および第2のベアリング面を含むガスベアリングによって供給され、前記第1のベアリング面と前記第2のベアリング面との間にチャネルが画成され、前記ガスベアリングが、前記第1および第2のベアリング面を通る前記チャネルにガスを送出し、
焼結中に、前記チャネルの第1の端部から前記チャネルの第2の端部まで前記チャネルを通して前記一枚の無機材料を移動させる工程であって、前記一枚の無機材料が長さおよび幅を有し、前記一枚の無機材料の前記長さが、前記チャネルの前記第1の端部と前記第2の端部との間の距離より大きい、工程を更に含み、前記チャネルの前記第2の端部に位置するときの前記一枚の無機材料の密度が、前記チャネルの前記第1の端部に位置するときの前記一枚の無機材料の密度より大きくなるように、前記一枚の無機材料の密度が焼結中に増加し、焼結中に、前記一枚の無機材料が前記チャネルの前記第1の端部から前記チャネルの前記第2の端部まで移動するにつれ、前記一枚の無機材料の前記幅が減少することを特徴とするプロセス。
【請求項2】
記一枚の無機材料を支持する前記工程が、前記一枚の無機材料の互いに反対側にある第1および第2の主要な表面が両方とも前記加圧ガスによって支持されるように、前記一枚の無機材料を前記チャネル内に配置する工程を含み、焼結中に、前記ガスベアリングが、焼結中の前記第1および第2の表面の変形に対して抵抗するように、前記一枚の無機材料の前記第1および第2の主要な表面の両方に圧力を加える、請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
前記一枚の無機材料が、該無機材料を支持する有機バインダを含み、前記プロセスが、前記有機バインダを含む前記一枚の無機材料を前記有機バインダを熱分解するのに十分な温度まで加熱することによって前記有機バインダ材料を除去する工程を更に含み、焼結する前記工程が、前記有機バインダを除去する前記工程の後に行われ、前記有機バインダを除去する前記工程が、前記一枚の無機材料が前記加圧ガスによって支持されている間に行われ、焼結する前記工程が焼結ゾーン内において行われ、前記有機バインダを除去する前記工程が除去ゾーン内において行われ、前記プロセスが、前記有機バインダを除去する前記工程に続いて、前記除去ゾーンと前記焼結ゾーンとの間に位置する加熱ゾーン内において、前記一枚の無機材料が前記焼結ゾーンに入る前に前記一枚の無機材料の温度が前記焼結温度の30%以内まで上昇するように、前記一枚の無機材料を加熱する工程を更に含み、前記焼結ゾーン内における温度の変化が30%未満となるように、前記焼結ゾーン内において前記一枚の無機材料が略一定の温度に保たれる、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記焼結品を150℃より低い温度まで冷却する工程と、
冷却する前記工程に続き、前記焼結品を巻取リールの周囲に巻きつける工程と
を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、合衆国法典第35巻第119条に基づき、2016年1月26日に出願された米国仮特許出願第62/287,070号による優先権を主張するものであり、その内容に依拠すると共に、その全体を参照して本明細書に組み込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般的に、焼結された無機材料またはセラミック材料の形成に関し、具体的には、非接触環境で無機材料を焼結するシステムおよびプロセス、並びに、そのようなシステムおよびプロセスで形成された焼結品(例えば、等セラミックシートまたはテープ)に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、セラミックの薄いシート、テープ、またはリボン等の物品は、例えば、セラミックが光透過性である場合には導波路としての役割、コーティングまたは積層されて電池および他の構成要素に統合され得る基体としての役割、または他の用途等の、多くの潜在的な用途を有する。そのような物品は、典型的には、焼結材料の大きいインゴットを形成することによって、材料のウェハ、スラブ、またはプレートを切断することによって、および対応する物品を所望の形状および表面品質に合わせて研磨することによって製造される。研磨は、物品の表面上の傷または欠陥を除去する一助となるが、時間およびリソースが集中的にかかる。そのような物品は、テープキャスティング、ゲルキャスティング、または、未焼成テープ(例えば、有機バインダ中に固定された無機粒子のストリップ等)を焼結することを含む他のプロセスによっても製造され得る。そのような従来のプロセスでは、未焼成テープは、典型的には、セッターボードと称される表面上に配置され、有機バインダを焼失させると共に無機粒子を焼結する炉内に配置される。セッターボードは、典型的には、焼結プロセスに耐えることができる耐火性材料、即ち、焼成中の物品と反応または結合しない材料から形成される。バインダが除去された際には、セッターボードがテープを支持しており、残りの無機材料の少なくとも1つの表面が、焼結中にセッターボードと接触する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一実施形態は、焼結品を形成するプロセスに関する。本プロセスは、一枚の無機材料を加圧ガスで支持する工程を含む。本プロセスは、一枚の無機材料が加圧ガスによって支持されている間に、無機材料が少なくとも部分的に焼結されて焼結品を形成するように、一枚の無機材料を該無機材料の焼結温度以上の温度まで加熱することによって、一枚の無機材料を焼結する工程を含み、焼結されている無機材料の少なくとも一部分は、焼結中に固体の支持体と接触しない。
【0005】
本開示の一実施形態は、焼結品に関する。焼結品は、第1の主要な表面と、第1の主要な表面とは反対側の第2の主要な表面と、第1の主要な表面、第2の主要な表面、および第1の主要な表面と第2の主要な表面との間に延在する本体を画成する少なくとも部分的に焼結された無機材料とを含む。焼結品は、第1の主要な表面と第2の主要な表面との間の1mm以下の平均厚さを含む。焼結品は、厚さに対して直交方向の、第1の主要な表面または第2の主要な表面のうちの一方の第1の寸法として定められる幅を含む。焼結品は、焼結品の厚さおよび幅の両方に対して直交方向の、第1の主要な表面または第2の主要な表面のうちの一方の第2の寸法として定められる焼結品の長さを含む。焼結品は薄く、幅および長さのうちの少なくとも一方が、平均厚さの5倍より大きい。第1の主要な表面は第1の表面品質測定指標によって定められ、第2の主要な表面は第2の表面品質測定指標によって定められる。第1の表面品質測定指標は第2の表面品質測定指標と略同じである。無機材料は、多結晶セラミックおよび合成鉱物から成る群から選択される。
【0006】
本開示の更なる実施形態は、焼結品を形成するシステムに関する。本システムは、有機バインダによって固定された無機材料の粒子を含むテープ材料のテープ供給部を含む。本システムは、テープ供給部に続くバインダ除去ステーションを含む。本システムは、バインダ除去ステーションに続く焼結ステーションを含む。本システムは、バインダ除去ステーションおよび焼結ステーションを加熱する加熱システムを含む。加熱システムは、テープ材料がバインダ除去ステーションを通って移動する際に有機バインダが熱分解されるように、バインダ除去ステーションを100〜400℃の温度まで加熱する。加熱システムは、テープ材料が焼結ステーションを通って移動する際に無機材料が少なくとも部分的に焼結するように、焼結ステーションを800℃より高い温度まで加熱する。本システムは、バインダ除去ステーション内および焼結ステーション内においてテープ材料を支持するガスベアリングを含む。
【0007】
更なる特徴および長所は、以下の詳細な説明で述べられると共に、部分的にはその説明から当業者に自明であり、または、明細書、特許請求の範囲、および添付の図面に記載されるように実施形態を実施することによって認識される。
【0008】
上記の概要説明および以下の詳細説明は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲の性質および特徴を理解するための概観または枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。
【0009】
添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部をなすものである。図面は1以上の実施形態を示しており、明細書と共に、様々な実施形態の原理および作用を説明する役割をするものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的な実施形態による焼結システムを示す
図2】例示的な実施形態による、図1の焼結システム内における位置と対比させた温度のプロット
図3】例示的な実施形態による焼結ステーションを示す
図4】例示的な実施形態による、図3の焼結ステーションの断面図
図5】例示的な実施形態による、上部ガスベアリング構造を取り除いた、図3の焼結ステーションを示す
図6】例示的な実施形態による、図3の焼結ステーション内における位置と対比させた温度のプロット
図7】例示的な実施形態による焼結品を示す
図8】例示的な実施形態による、図7の焼結品の断面図
図9】例示的な実施形態による、ベントガスベアリングを示す
図10】例示的な実施形態による、ガスベアリングのプレナムを示す
図11】例示的な実施形態による、バインダのバーンオフ処理中にテープ材料を支持する空気ベアリングを示す
図12】例示的な実施形態による、バインダのバーンオフ処理中にテープ材料を支持する空気ベアリングを示す
図13】別の例示的な実施形態によるガスベアリング構成を示す
図14】例示的な実施形態による空気ベアリングの空気ベアリング面を示す
図15】例示的な実施形態による空気ベアリングの側面図を示す
図16】例示的な実施形態による、それぞれ異なる空気ベアリング間隙サイズを用いて焼結された焼結ジルコニアテープの写真を示す
図17】例示的な実施形態による、それぞれ異なる空気ベアリング間隙サイズを用いて焼結された焼結ジルコニアテープの写真を示す
図18】例示的な実施形態による、それぞれ異なる空気ベアリング間隙サイズを用いて焼結された焼結アルミナテープの写真を示す
図19】例示的な実施形態による、それぞれ異なる空気ベアリング間隙サイズを用いて焼結された焼結アルミナテープの写真を示す
図20】例示的な実施形態による、焼結の前後のパイレックス(登録商標)テープ材料の写真を示す
図21】例示的な実施形態による、焼結の前後のパイレックス(登録商標)テープ材料の写真を示す
図22】例示的な実施形態による、焼結中に材料に張力を加えることの効果を示す、焼結ジルコニアテープ材料の写真を示す
図23】例示的な実施形態による、焼結中に材料に張力を加えることの効果を示す、焼結ジルコニアテープ材料の写真を示す
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を全体的に参照すると、焼結品(例えば、セラミック品、テープ、またはシート等)、並びに、焼結品を形成するシステムおよび方法の様々な実施形態が示されている。本明細書において述べられる様々な実施形態では、焼結品は、少なくとも部分的に、非接触焼結プロセスで形成される。様々な実施形態では、この非接触焼結は、焼結を行うために無機材料に熱が送られている間、一枚の無機材料、無機材料のストリップ、または無機材料のテープをガスベアリングで支持するシステムによって提供される。この構成では、焼結中に、一枚の無機材料のどちらの主要な表面も、固体の支持体(例えば、セッターボード等)によって支持されず、または固体の支持体と接触しない。
【0012】
本出願人は、この非接触焼結プロセスは、接触に基づくプロセスよりも高品質の焼結品(例えば、セラミック品等)の形成を可能にすると考える。ガスベアリング支持に起因して、無機材料の両方の主要な表面が本質的に同じ条件を経るので、本明細書において述べられる焼結品は、非常に高い表面品質、および第1の主要な表面と第2の主要な表面との間における非常に一貫した表面品質を有して形成され得る。例えば、両方の表面は、ガスベアリングからのガス(例えば、空気)のみと接触するので、主要な表面のどちらも、化学的または粒子状汚染物質によって変化することがない(これは、セッターボード上で焼結されたセラミック品の表面において典型的である)。別の例として、無機材料は焼結中に縮む、または収縮するので、本明細書において述べられる非接触焼結プロセスは、焼結プロセスの全ての段階において、摩擦の無い、拘束されない収縮または成長を可能にし、それにより、応力の発達を防止すると共に、セッターボード上で焼結品に存在する擦り傷または摩耗の形成を解消する。このように焼結中に固体接触が生じないことは、物品の主要な表面の研磨を要することなく、形成されたままの物品において高レベルの表面平坦度、低い表面欠陥レベル、および低い表面粗さレベルを有する焼結品を提供する。
【0013】
更に、本出願人は、本明細書において述べられる非接触焼結システムは、セッターボードに基づく焼結システムではよくある応力、摩擦、および摩耗の低減または解消に起因して、従来の焼結技術では得ることができないと思われる大面積の焼結品の形成を可能にすると考える。特に、本明細書において述べられるシステムは、研磨を要することなく、上述の高い品質表面を有する大面積の焼結品の形成を可能にする。それに加えて、本出願人は、本明細書において述べられるシステムは、非常に薄く、主要な表面の表面積が大きい焼結品の形成を可能にすると考える。
【0014】
更に、本明細書において述べられる特定の実施形態では、無機材料は、両方の主要な表面をガスベアリングによって支持されている間に焼結される。本出願人は、焼結中に、一枚の無機材料の両方の主要な表面に、ガスベアリングを介して非固体接触圧力を加えることにより、更に高品質のおよび/または大きい焼結品を製造できると考える。例えば、本出願人は、焼結中に、両方の主要な表面をガスベアリングで押圧することにより、たとえ大面積の焼結品においても、上述のように固体表面支持によって生じる問題(例えば、表面欠陥、汚染物質等)を生じることなく、焼結中によくあるクラック、カール、および反り等の問題が低減または解消され得ると考える。更に、ガスベアリングによって両方の主要な表面に対して与えられる圧力は、バインダ材料の熱分解の後、無機材料が焼結ステーション内へと移動されている間、および焼結中に、無機材料を一体に支持、圧縮、または一般的に保持するよう機能し得る。
【0015】
図1を参照すると、一枚の無機材料を焼結するためのシステム10、およびそれに関係する方法が示されている。一般的に、システム10は、テープ14として示されている無機材料の供給部12を含む。一般的に、テープ14は、有機バインダ材料を用いて一体に固定された1以上の無機材料を含む細長い一枚の材料であり、一般的に、テープ14がシステム10の様々な部分を通って移動する際に、テープ14のバインダ材料の大半または全てが(例えば、焼失および/またはチャーリングによって)除去され、無機材料は少なくとも部分的に焼結されて、システム10の出力において、焼結材料16として示されている焼結品または焼結材料を形成する。様々な実施形態では、供給部12は、テープ14の任意の供給源である。様々な実施形態では、供給部12は、テープ14がシステム10を通って移動するにつれて巻き出される細長いテープ14のリールまたはスプールであり得る。他の実施形態では、供給部12は、システム10内において(例えば、後述する下流の構成要素の流れに合わせて)テープ14を形成するシステムであり得る。様々な実施形態では、テープ14は、有機バインダによって一体に保持されたセラミック、ガラス、および/または金属を含む多種多様な材料の粒子を含み、特定の実施形態では、テープ14は、例えば、テープキャスティング、カレンダー処理、押出成形、およびそれらの組合せ等のプロセスで作られる。
【0016】
一般的に、システム10は、バインダ除去ステーションまたはゾーン18、加熱ステーションまたはゾーン20、焼結ステーションまたはゾーン22、および冷却ステーションまたはゾーン24を含む。システム10は、ガスベアリング26および28として示されている上部および下部ガスベアリングと、向かい合ったベアリング面32および34によって画成されるチャネル30とを含むガスベアリングシステムを含む。ガスベアリング26および/または28は、ガスベアリング26および28を支持すると共に互いから離間させる柱、即ちスタンドオフ35を含む。一般的に、上部および下部ガスベアリング26および28は、向かい合ったベアリング面32および34間に画成されるチャネル30内へとガスを送出する複数の細孔またはノズル36(図4および図5に示されている)を含む。ガスベアリング26および28を介してチャネル30に供給されるガスは、無機テープ14および焼結材料16が、システム10内において処理されている間、ベアリングチャネル30内においてベアリング面32および34と接触しないように支持されるように、十分に大きい流量または圧力で供給される。この構成では、ガスベアリング26および28は、バインダ除去ステーション18、加熱ステーション20、焼結ステーション22、および冷却ステーション24を通って延在し、テープのどちらの主要な表面も、これらのステーションを通って移動する間、接触が生じないようになっている。
【0017】
少なくとも一部の実施形態では、システム10は、ゾーンを互いから隔ててゾーン間の熱伝達を制限するための、ゾーン18、20、22、および24間に位置する断熱セパレータを含み得る。様々な実施形態では、システム10は、ゾーン18、20、22、および24間に位置する(特に、各ゾーンのガスベアリング26および28間に位置する)加熱されていないまたは室温のセパレータゾーンを含み得る。一部のそのような実施形態では、セパレータゾーンは、テープ14またはセラミックシート16がセパレータゾーンにわたって支持およびガイドされるように、テープ14またはセラミックシート16に張力を加える張力装置を含んでもよく、そのような一部の実施形態では、セパレータゾーンは非ガスベアリング支持部である。しかし、他の実施形態では、室温のセパレータゾーンは、テープ14またはセラミックシート16が分離された部分を通って移動する際にテープ14またはセラミックシート16を支持するガスベアリングを含む。
【0018】
図1に示されるように、システム10は、システム10を通って延びるまっすぐなチャネル30を構成するよう位置合わせされた複数の異なるガスベアリング部を含む。特定の実施形態では、ガスベアリング要素の位置合わせは、システム10の様々なゾーン間の遷移において生じ得る望ましくない位置ずれ(例えば、横方向への位置ずれ)をなくすためにガスベアリング26および28によって与えられる力がシステム10の長さに沿って一貫するように、チャネル30がまっすぐであることを確実にするために重要である。一実施形態では、システム10は、ガスベアリング部の互いに対して相対的な垂直方向および水平方向の位置をモニタリングして、運動学的制御および安定性を提供するためにガスベアリング部の手動のまたは自動的な位置合わせを可能にするサポートシステムを含む。
【0019】
更に別の実施形態では、システム10は、更なるゾーンまたはステーションを含み得る。そのような一実施形態では、システム10は、焼結後の熱処理(例えば、アニール等)のためのゾーンを含む。
【0020】
ガスベアリング26および28は、任意の適切なガスまたは空気支持システムであり得る。様々な実施形態では、ガスベアリング体は中実または多孔質の構成であり得る。ガスベアリング体に適した材料としては、アルミニウム、青銅、カーボンまたはグラファイト、ステンレス鋼、UNSN06333およびUNSN06025のような高温合金、白金およびその合金、炭化ケイ素のようなセラミック等が挙げられるが、それらに限定されない。ガスベアリング体の寸法は、テープ14および焼結材料16の形状またはサイズに基づいて、ベアリングチャネル30内においてテープ14および焼結材料16を効率的且つ効果的に支持するよう設計され得る。ベアリング体が多孔質である場合には、ベアリング体は、ガスを流すための更なるアパーチャもしくは孔を含んでもよく、および/または、この多孔質構造を用いて流れを設けてもよい。
【0021】
様々な実施形態では、ガスの流量、ガスの組成および/または温度は、ゾーン18、20、22、および24についてそれぞれ独立して制御され得る。一部の実施形態では、ガスベアリング26および28は、テープ14および焼結材料16の両面に酸化ガス(例えば、大気または酸素)を送出するよう構成される。しかし、ガスベアリング26および28は、異なる用途のために所望される任意のガスを送出するよう構成されてよい。一部の実施形態では、ガスベアリング26および28を介して、窒素、ヘリウム、ネオン、および/またはアルゴンが送出され得る。一部の実施形態では、処理中(例えば、焼結中等)に材料を添加するために、またはテープ14の材料と反応させるために、ガスベアリング26および28を介して、反応性ガス、または添加剤、ドーパント、反応物質等を担持したガスが送出され得る。一部の実施形態では、ガスベアリング26および28は、還元性ガス、不活性ガス、またはフォーミングガスをチャネル30に送出するよう構成される。様々な実施形態では、ガスベアリング26および28によって供給されるガスは、濾過、加湿、または乾燥されたものである。一部の実施形態では、第1のガスがガスベアリング26を介して送出され、第2の異なるガスがガスベアリング28を介して送出されてもよく、そのような実施形態では、互いに反対側にある第1および第2の主要な表面においてそれぞれ異なる特性を有する焼結材料16の形成が可能になり得る。
【0022】
システム10は加熱システムを含み、加熱システムは、図示されている実施形態では、ガスベアリング26および28内に配置された複数の加熱要素38を含む。加熱要素38は、システム10の各ステーションに、後でより詳細に述べるようにテープ14を処理して焼結材料16にするための熱を送る。加熱要素38は、ゾーン18、20、22内のベアリング26および28のベアリング体の固体部分と、および/または、ベアリングチャネル30の加熱される部分に送出される空気と連絡している。特定の実施形態では、加熱要素38は、ステーションまたはゾーン18、20、および22内のベアリングチャネル30に送出されているガスが所望の温度に加熱されるように、ベアリング26および28の加熱される部分内に配置されたまたは埋め込まれた抵抗加熱素子であり得る。加熱要素38は、本明細書において述べられるように温度を制御するための任意のタイプの適切な加熱システムの一部であり得る。様々な実施形態では、加熱要素38は、ガスベアリング26および28に熱(例えば、熱風等)を送るオーブンまたは炉の一部であり得る。一部の実施形態では、非常に高い焼結温度(例えば、1800℃以上)が必要な場合には、少なくとも焼結ゾーン22内の加熱要素38は、1以上のプラズマトーチであり得る。熱は、例えば、誘導加熱、または可燃性ガス混合物を用いる等の他の方法で供給されてもよい。また、制御された冷却のために、加圧ガスの流量も調節され得る。
【0023】
例示的な一実施形態では、加熱要素38は、白金−ロジウム材料で形成された抵抗加熱ワイヤであり得、特定の実施形態では、加熱要素38は80%の白金および20%のロジウムのワイヤである。一部のそのような実施形態では、加熱要素38は、空気ベアリング26および28内に配置されたアルミナ配管内に存在する。特定の実施形態では、白金−ロジウム加熱要素は、0.040インチ(1.016ミリメートル)の直径を有する。本出願人は、2.5kWで1000℃超まで加熱するために、そのような加熱要素を用いて空気ベアリングを構築して試験した。特定の実施形態では、加熱要素38は、100VDCの100アンペアの電源を用いて電力供給される。
【0024】
図1および図2を参照すると、テープ14を処理して焼結材料16にすることが示されている。テープ14は、テープ供給部12からバインダ除去ステーション18へと供給され、テープ14がバインダ除去ステーション18を通って移動する際に、有機バインダテープ14の大半または全てが例えば熱分解等のプロセスによって除去されて、テープ14の無機材料の自己支持しているテープまたはシートが残るように、バインダ除去ステーション18の加熱要素38がテープ14を十分な温度まで加熱する。様々な実施形態では、加熱要素38はバインダ除去ステーション18を、有機バインダ材料を熱分解するのに十分な100〜400℃の温度まで加熱する。様々な実施形態では、テープ14がバインダ除去ステーション18を通って移動する際に、テープ14の有機バインダの大きいパーセンテージ(例えば、50%超、70%超、90%超、99%超)が除去される。
【0025】
様々な実施形態では、バインダ除去ステーション18に入るテープ14は、有機バインダを用いて一体に固定された無機材料を含む未焼成テープ材料である。例示的な実施形態によれば、テープ14は、有機バインダ(例えば、ポリビニルブチラール、ジブチルフタレート、ポリアルキルカーボネート、アクリルポリマー、ポリエステル、シリコーン等)によって固定された無機材料(例えば、多結晶セラミックおよび/または鉱物(例えば、アルミナ、ジルコニア、リチウムガーネット、スピネル)等)を含む。考えられる実施形態では、テープ14は、有機バインダ中に固定された例えば金属粒子等の無機材料を含む。他の考えられる実施形態では、テープ14は、有機バインダによって固定されたガラス粒子(例えば、高純度のシリカ粒子、ボロシリケート、アルミノシリケート、ソーダライム)または他の無機粒子等の無機材料を含む。考えられる実施形態では、テープ14は、有機バインダ中に固定されたガラス−セラミック粒子(例えばコージライト、LASリチウムアルミノシリケート、Nasicon構造のリチウム金属リン酸塩、セルシアン)等の無機材料を含む。例示的な実施形態によれな、テープ14は、約0.01〜約25体積%の気孔率を有する、および/または、無機粒子は、50〜1000ナノメートルのメジアン粒径と、2〜30m/gのブルナウアー‐エメット‐テラー(BET)表面積とを有する。他の考えられる実施形態では、上記材料は無機バインダまたは他のバインダによって固定されてもよく、および/または、上記材料は他のサイズまたは他の気孔率を有してもよい。
【0026】
バインダ除去に続いて、テープ14は加熱ステーション20内へと移動する。加熱ステーション20内の加熱要素38は、加熱ゾーン20内における温度が加熱ステーション20の長さに沿って徐々に上昇するように熱を生じる。このようにして、加熱ステーション20は、テープ14の温度を焼結に必要な温度に近い温度まで徐々に上昇させる予備加熱ゾーンの役割をし、一部の実施形態では、焼結プロセスを開始する。一部の実施形態では、加熱ステーション20にわたって温度を徐々に高めることは、テープ14を高温の焼結ステーション内へと直接移動させることによって生じ得る欠陥、クラック等の形成を制限する。様々な実施形態では、加熱ゾーン20は、テープ14の温度を、焼結ゾーン22内における温度の少なくとも70%、特定的には少なくとも90%、より特定的には少なくとも95%の温度まで上昇させる。それに加えて、加熱ゾーン20によって提供される熱は、ゾーン20に入るテープ14中に残っているバインダ材料の一部または全てを除去する。
【0027】
バインダ除去ステーション18の後、テープ14の無機材料はもはや有機バインダ材料によって固定されていないが、焼結ステーション22を通って処理される前は実質的に未焼結であることが理解されよう。バインダ除去の後のテープ14は、もはや顕著なレベルのバインダ材料を含んでいないので、当業者は、バインダ除去の後のテープ14は自重によって単純に崩壊するまたはばらばらになると予期し得る。しかし、本出願人は、テープ14が適切に取り扱われる場合には、バインダ除去の後のテープ14は、バインダが焼失および/または炭化しているにもかかわらず、完全なままであることを見出した。本出願人は、一部の実施形態では、ガスベアリング26および28によってテープ14の両面に加えられる圧力が、バインダ材料の除去後もテープ14の無機材料を一体に保持することにより、バインダ除去に続いてシステム10を通した取り扱いおよび処理を容易にすると考える。特定の実施形態では、ガスベアリング26および28によって与えられるガス圧力は、圧密および細孔除去を補助し、焼結速度を高めるように、一軸圧または等方圧で加えられる。様々な実施形態では、ガスベアリング26および28は、0.5〜200psig(約3.4kPa〜約1379kPa)の圧力でガスを供給するよう構成される。
【0028】
加熱ゾーン20に続き、テープ14は焼結ゾーン22内へと移動する。一般的に、焼結ゾーン22内では、加熱要素38は、テープ14が、焼結品(例えば、焼結材料16等)を形成するためにテープ14の無機材料を焼結するのに十分な温度まで加熱されるように、熱を生じる。テープ14の無機材料を加熱すると、無機材料の気孔率が圧縮または低減されることが理解されよう。焼結材料16において達成される焼結の程度または量は、温度、およびテープ14が焼結ゾーン22内に留まる時間の関数である。更に、焼結ゾーン22によって提供される焼結温度は焼結されている無機材料に応じて異なり、一般的に、加熱要素38は、焼結ゾーン22を800℃より高い温度まで上昇させ、この温度を焼結ゾーン22の長さにわたって略一定に保つ。特定の実施形態では、焼結ゾーン22の温度のばらつきは、焼結ゾーン22の長さにわたって30%未満、特定的には10%未満、より特定的には5%未満である。
【0029】
特定の実施形態では、焼結ゾーン22は、テープ14の無機材料(例えば、多結晶セラミックまたはテープ14の他の無機材料等)を少なくとも部分的に焼結するよう構成される。例えば、特定の実施形態では、多結晶セラミック粒子は、焼結ゾーン22内において、粒子が互いに結合または融着して、大きい(例えば、少なくとも10体積%、少なくとも30体積%の)気孔率(ここで、「気孔率」とは、テープの体積のうち、無機材料(例えば、多結晶セラミック等)によって占められていない部分を指す)を有する焼結材料16を形成するように、焼結され得る。
【0030】
ゾーン22内での焼結に続き、焼結材料16は冷却ゾーン24に入り、冷却ゾーン24は、焼結材料16を、材料を損傷することなく焼結材料16の移動、接触、格納等が可能になる十分に低い温度まで冷却する。一実施形態では、冷却ゾーン24は、テープを150℃より低い温度まで冷却する。図示されている特定の実施形態では、焼結材料16は冷却ステーション24から出て、格納位置(例えば、巻取リール40等)に格納される。従って、そのような実施形態では、非接触ガスベアリングを用いることによって、システム10は、長い一枚の高品質の焼結材料16の略連続的な形成を可能にする。図1からわかるように、システム10は、システム10のどの1つの部分よりも長い、システム10のステーション18、20、22、および24よりも長い長さを有する焼結材料16の形成を可能にする。これは、固体の支持体(例えば、セッターボード等)上で焼結される(そのようなプロセスにおいて典型的なセッターボードおよび加熱炉の両方によってサイズが制限される)従来のバッチ処理セラミックとは対照的である。
【0031】
図1は、概ね水平なリニア処理システムとして構成されたシステム10を示す。他の実施形態では、システム10は垂直に構成されるか、または、水平な平面に対して相対的に傾斜した角度で構成される。
【0032】
図3図5を参照すると、焼結ゾーン22およびテープ14の焼結が示されており、それらをより詳細に説明する。テープ14が焼結ゾーン22を通って移動する際、テープ14の無機材料が焼結され、焼結ゾーン22の出力側から、焼結材料16が出る。焼結ゾーン22内において、テープ14は、チャネル30の第1の端部、即ち入力端42に入り、テープ14がチャネル30の出力端44に向かって移動する際に、焼結ゾーン22内の熱によって、テープ14の無機材料が焼結する(例えば、圧縮する、気孔率を低減する)。この構成では、チャネル30の出力端から出る焼結材料16内に存在する無機材料の密度は、焼結ゾーン22の開始において入力端42に入るテープ14の無機材料の密度より大きい。更に、図3に示されるように、システム10およびそれに関係するプロセスの連続性によって、矢印46として示されている処理方向におけるテープ14および焼結材料16の両方の長さが、チャネル30の入力端42と出力端44との間の処理方向における焼結ゾーン22の長さより大きいような、比較的長い長さを有する材料の焼結が可能である。
【0033】
図5に最もよく示されているように、焼結ゾーン22内における焼結は、テープ14の縮みまたは収縮も生じ、焼結ステーション22から出た焼結材料16の幅W1は、焼結ステーション22に入るテープ14の幅W2より小さくなる。様々な実施形態では、焼結中の収縮は、W1がW2の90%未満、特定的にはW2の80%未満、およびより特定的にはW2の75%未満になるような、かなり大きいものである。焼結中の収縮は、厚さ方向および長さ方向にも生じることが理解されよう。様々な実施形態では、長さの収縮は、テープの出力の線形速度が、テープがシステムに供給される速度よりも遅いことによって対処される。この収縮は、テープ14がガスベアリング26および28によって支持されている間に生じるので、焼結材料16の主要な表面は、低いレベルの欠陥を有する高品質面である。焼結中に収縮する無機材料が固体のセッターボードの表面上を引きずられることによって生じる摩耗、引きずられた痕跡、窪み、裂け等の様々な欠陥を生じる典型的なセッターボードに基づく焼結プロセスとは対照的に、焼結材料16には、焼結中の収縮によって生じる欠陥が非常に少ないか、または存在しない。
【0034】
図4を参照すると、焼結ゾーン22内のガスベアリング26および28の構成がより詳細に示されている。具体的には、ガスベアリング26および28は、向かい合ったベアリング面32および34間の間隙のサイズが焼結中にテープ14を支持するのに十分であるように、互いから分離されている。この構成では、ガスベアリング26および28は、テープ14の両側にあるチャネル30にガスを供給する。この構成では、ガスベアリング26および28は、焼結中にテープ14を非接触環境で支持するだけでなく、ガスベアリング26および28は、バインダ除去中および/または焼結中のテープ14の変形(例えば、カール、クラック等)が制限または解消されるように、テープ14の主要な表面の両方(例えば、図4の向きでは上面および下面)にガス圧を加える。
【0035】
更に、ガスベアリング26および28は、焼結中にテープ14を形成、圧密、または平坦にするために、テープ14の両方の主要な表面に圧力を加えるよう構成され得る。一部の実施形態では、ベアリング面32および34は、それに対応する形状を焼結材料16に与えるように、形状(例えば、湾曲、波形等)を有してもよい。それに加えて、システム10を通る移動方向に対して垂直な、焼結材料16の横断方向への焼結材料16の反りまたは曲がりを制限または防止するために、湾曲したベアリング面32および34が用いられ得る。成形された断面形状を有する高温ガスベアリングを用い、入力として平坦なテープまたはシートを用いて開始する連続プロセスによって、弧状、波形、または他の一次元形状の断面形状を有する焼結材料16を製造できる。シートの幅にわたる波形の断面形状を設ける場合には、高温ガスベアリングの波形の波長は、焼結による収縮と共に減少し得る。様々な実施形態では、焼結中の成形の代わりに、またはそれに加えて、焼結ゾーン22と冷却ゾーン24との間に成形または形成ステーションが配置され得る。
【0036】
一部の実施形態では、ベアリング面32および34とテープ14の主要な表面との間の間隙サイズは、ベアリング26および28からテープ14内への(例えば、高レベルの伝導性熱伝達による)効果的な熱伝達を容易にするよう設定され得る。そのような実施形態では、ベアリング26および28によって高レベルの熱伝達が提供されるので、システム10は、炉または窯に基づく焼結システムと比較して比較的低い量のエネルギーを用いて、加熱および焼結することを可能にする。
【0037】
様々な実施形態では、チャネル30の高さ(例えば、向かい合ったベアリング面32および34間の距離)は、テープ14支持するために、および/または、本明細書において述べられる様々な支持機能を提供するために選択される。様々な実施形態では、チャネル30の高さは、テープ14の厚さに基づいて、ベアリング面32または34と、それに向かい合ったテープ14の主要な表面との間の間隙サイズG1が、所望のベアリング機能を可能にするように選択される。従って、図4に示されるように、チャネル30の高さ=G1×2+テープ14の厚さである。様々な実施形態では、G1は0.1μm〜10mmである。
【0038】
一実施形態では、チャネル30の高さ、およびそれに従ってG1は、処理方向におけるガスベアリング26および28の長さに沿って減少する。本出願人は、チャネル30の入力端42においてより広い間隙サイズを設けることにより、焼結ゾーンのガスベアリングへのテープ14の挿入がより容易になり、ガスベアリングの長さに沿って間隙のサイズを減少させることにより、焼結中にテープを圧縮して平坦にする圧力が高まると考える。一部の実施形態では、図13を参照すると、ベアリング面32および34の形状は、チャネル30の中心部に対して相対的に入力端42が拡張される(例えば、より大きいチャネル高さを有する)と共に、出力端44が拡張される(例えば、より大きいチャネル高さを有する)ようになっている。様々な実施形態では、この形状は、ガスベアリングに入るもしくはそこから出るテープ14および/もしくは焼結材料16の安定性を高め、並びに/または、空気ベアリングチャネルを隣接する処理ゾーンから隔てるのを補助する。
【0039】
図6を参照すると、例示的な実施形態による、焼結ステーション22にわたる温度プロファイルが示されている。図6に示されるように、焼結ステーション22内の温度は概ね上昇し、焼結ステーション22の中心に向かって最大に達する。図6図2との比較から理解されるように、図6の縮尺は、焼結ステーション22にわたる温度分布をハイライトするために、図2の縮尺よりもかなり小さいが、焼結ステーション22にわたる温度の変化は、図2に示されているようなシステム10にわたる温度の変化と比較して、比較的小さい。
【0040】
図7および図8を参照すると、図1図6に関して上述したプロセスおよびシステムによって形成された焼結材料16が示されており、それについて説明する。一般的に、焼結材料16は、焼結されたセラミック材料の比較的薄いシートである。上述のように、上述の非接触のガスベアリングで支持された焼結プロセスの長所を理由として、本明細書において述べられるシステムおよびプロセスによって形成された焼結材料16は、形成されたままの状態で(例えば、研磨なしで)、高品質の主要な表面を両面に有する。更に、本明細書において述べられるシステムおよびプロセスによる支持の性質を理由として、これらの高い表面品質のうちの1以上を有する焼結材料を、従来のセッターボードに基づく焼結プロセスを用いた場合には得られないと考えられる、大きいサイズで製造できる。以下により詳細に説明するように、本開示のシステムおよびプロセスによって形成された焼結材料16は、第1および第2の主要な表面を有し、各主要な表面は、他方の主要な表面の表面品質測定指標と略同じである少なくとも1つの表面品質測定指標を有し、特定の実施形態では、各主要な表面は、他方の主要な表面の表面品質測定指標と略同じである複数の表面品質測定指標を有する。システム10は、テープ14の互いに反対側にある表面の両方が、焼結中に本質的に同じ非接触条件(例えば、ガスの含有量、圧力、温度等)を経ることを可能にするので、本出願人は、この表面品質の高レベルの一貫性は、少なくとも部分的に、本明細書において述べられる非接触システムによって可能になると考える。なお、焼結材料16の互いに反対側にある主要な表面間における少なくとも一部の表面品質特徴は、テープ14を形成するプロセスの結果、互いに異なり得る。
【0041】
図7および図8を参照すると、焼結材料16のシート(例えば、シート、箔、テープ等)は、上面50として示されている第1の主要な表面と、上面50とは反対側の下面52として示されている第2の主要な表面とを含む。焼結品は、第1の表面50と第2の表面52との間に延在する材料の本体54を更に含む。
【0042】
焼結材料16のシートは、第1の表面50と第2の表面52との間の距離として定められる厚さT1を有する。焼結材料16のシートは、幅W1および長さL1を有する。幅W1は、厚さT1に対して直交方向の、第1の表面50および/または第2の表面52のうちの一方の第1の寸法として定められ得る。長さL1は、厚さT1および幅W1の両方に対して直交方向の、第1の表面50および/または第2の表面52のうちの一方の第2の寸法として定められ得る。例示的な実施形態によれば、焼結材料16のシートは、焼結材料の細長い薄いテープである。少なくとも部分的に幾何形状に起因して、そのような一部の実施形態は柔軟であり、焼結材料16のシートが、1メートル以下、0.7メートル以下等の直径を有するマンドレルまたはスプール(例えば、巻取リール40等)の周囲において曲がることを可能にし、これは、製造、格納等のために有益であり得る。他の実施形態では、焼結材料16のシートは、例えば、丸い、環状、スリーブまたは管状、厚さが一定でない等の、別の形状を有し得る。
【0043】
例示的な実施形態によれば、長さL1は、幅W1より2倍大きい(例えば、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも100倍大きい等)。一部の実施形態では、幅W1は、厚さT1より2倍大きい(例えば、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも100倍大きい等)。一部の実施形態では、幅W1は、少なくとも5ミリメートル(例えば、少なくとも10mm、少なくとも50mm等)である。一部の実施形態では、厚さT1は1cm以下(例えば、2センチメートル以下、5ミリメートル以下、2ミリメートル以下、1ミリメートル以下、500マイクロメートル以下、200マイクロメートル以下等)である。特定の実施形態では、T1は2マイクロメートルもの薄さであり、W1は30mmより大きい。例示的な実施形態によれば、テープ14がシステム10を通過して焼結される際、焼結はほぼ均一に生じ、シートの長さ、幅、および厚さは高々約30%減少し得る。従って、本明細書において開示されるテープ14の寸法は、本明細書において述べられる焼結材料16について記載される寸法より高々30%大きい。薄いテープでは、システム10の様々な段階からの熱が、そのようなテープに迅速に浸透して焼結できるので、製造ラインの迅速な運転を可能にし得る。更に、薄いテープは柔軟であり得、システム10に沿った方向における曲げおよび変更を容易にし得る。
【0044】
他の例示的な実施形態によれば、厚さT1は500マイクロメートル以下(例えば、250マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、および/または少なくとも20ナノメートル)である。例示的な実施形態によれば、焼結材料16のシートは大面積のシートであり、第1の主要な表面50および/または第2の主要な表面52は、少なくとも10平方センチメートル(例えば、少なくとも30平方センチメートル、少なくとも100平方センチメートル、一部の実施形態では1000平方センチメートル超、5000平方センチメートル超、または10,000平方センチメートル超等)の表面積を有する。一部の実施形態では、幅W1は、長さL1の1/4未満、1/5未満、1/6未満、1/7未満、1/8未満、1/9未満、1/10未満、および/または1/20未満である。そのような幾何形状は、例えば、焼結材料16のシートを直線構造の電池の基体として用いる、および/または、焼結材料16のシートを、オーブン内でカーボンナノチューブを成長させるための表面として用いる(この場合、焼結材料16のシートはオーブンの表面を埋めるが、オーブンの実質的な体積は埋めない)等の特定の用途には特に有用であり得る。
【0045】
様々な実施形態では、焼結材料16のシートは、1mmより薄く、20cmより幅が広く、70cmより長い。様々な実施形態では、焼結材料16のシートは、1mmより薄く、30cmより幅が広く、70cmより長い。様々な実施形態では、焼結材料16のシートは、1mmの厚さで、50cmより幅が広く、70cmより長い物品である。
【0046】
様々な実施形態では、焼結材料16のシートは、20cmより大きい幅W1と、70cmより大きい長さL1と、750マイクロメートル以下、またはより特定的には500マイクロメートル以下の厚さとを有する。様々な実施形態では、焼結材料16のシートは、250マイクロメートルより薄く、20cmより幅が広く、70cmより長い。様々な実施形態では、焼結材料16のシートは、250マイクロメートルより薄く、30cmより幅が広く、70cmより長い。様々な実施形態では、焼結材料16のシートは、250マイクロメートルより薄く、50cmより幅が広く、70cmより長い。
【0047】
様々な実施形態では、焼結材料16のシートは、100マイクロメートルより薄く、20cmより幅が広く、70cmより長い。様々な実施形態では、焼結材料16のシートは、100マイクロメートルより薄く、30cmより幅が広く、70cmより長い。様々な実施形態では、焼結材料16のシートは、100マイクロメートルより薄く、50cmより幅が広く、70cmより長いものが達成可能である。
【0048】
例示的な実施形態によれば、焼結材料16のシートは実質的に研磨されず、第1の表面50および/または第2の表面52は、図8に概念的に示されているような粒状の断面形状を有する。粒状の断面形状は、粒子56間の境界58における表面の凹んだ部分に対して相対的な高さH1(例えば、平均高さ)を有する、本体54から概ね外側に突出した粒子56を含む。特定の実施形態では、高さH1は、少なくとも25ナノメートル且つ/または150マイクロメートル以下であり、特定的には少なくとも50ナノメートル且つ/または80マイクロメートル以下である。
【0049】
この粒状の断面形状は、焼結材料16がブールから切り出されたのではなく、非接触環境において薄いテープとして焼結されたものである点、および、表面50および52が研磨されていないという点において、焼結材料16のシートの製造プロセスを示すものである。それに加えて、粒状の断面形状は、幾つかの用途において、研磨された表面と比較して、例えば、ディスプレイのバックライト装置用に光を散乱させる、コーティングをより多く付着させるためまたは培養増殖のために表面積を増加させる等の利益を焼結材料16に提供し得る。本出願人は、ブールから切り出された焼結されたセラミックまたは他の材料のシートは、本明細書において述べられるように形成された焼結材料16とは対照的に、容易に識別可能な粒子境界が表面上に存在しないものであり得ると考える。本出願人は、更に、ブールから切り出された物品は、典型的には、切断による粗い表面を補正するために研磨され得ると考える。しかし、本出願人は、表面を研磨することは、焼結されたセラミックまたは他の材料の非常に薄い物品については、特に困難または煩雑であり得、困難の度合いは、焼結材料の厚さが減少するにつれ、および、焼結材料の表面の表面積が増加するにつれ、高まると考える。しかし、本技術に従って製造される物品は、研磨を必要としない高品質の表面を有する長い長さのテープとして連続的に製造され得るので、本開示の技術に従って製造された焼結品は、そのような制限によってさほど制約されない。更に、本明細書において開示されるシステム10の寸法は、例えば、少なくとも2センチメートル、少なくとも5センチメートル、少なくとも10センチメートル、少なくとも50センチメートル等の幅を有するより幅が広い物品を収容および焼結する規模にされ得る。
【0050】
考えられる実施形態において、第1および第2の主要な表面50および52の略等しい表面品質測定指標は、両方の主要な表面50および52の高度に一貫したレベルの未研磨の表面粗さである。特定の実施形態では、未研磨の主要な表面50および52は両方とも、物品の長さ(例えば、15nm〜800nm等)に沿った一次元における10mmの距離にわたって、10nm〜1000nmの粗さ(Ra)を有する。特定の実施形態では、未研磨の主要な表面50および52は両方とも、単一の軸に沿った1cmの距離にわたって1nm〜10μmの粗さを有する。
【0051】
考えられる実施形態において、第1および第2の主要な表面50および52の略等しい表面品質測定指標は、両方の主要な表面50および52の高度に一貫した欠陥量の測定値である。一部のそのような実施形態では、欠陥量の測定値は、各表面50および52の欠陥が占める面積の測定値である。例示的な実施形態では、両方の表面50および52の表面一貫性は、第1の主要な表面50の1平方センチメートル当たりの表面欠陥の全体平均面積が、第2の主要な表面52の1平方センチメートル当たりの表面欠陥の全体平均面積の±50%以内となるものである。そのような実施形態において、「表面欠陥」とは、それぞれの表面に沿った少なくとも15、10、および/または5マイクロメートルの寸法を有する摩耗および/または付着である。特定の実施形態では、表面欠陥の面積は、焼結されたシート16の厚さに対して垂直な平面内において測定された凹部または凸部の面積である。特定の実施形態では、欠陥は、表面50および52の平均位置に対して相対的な、平均粒子高さH1の少なくとも2倍の深さまたは高さを有する凹部または凸部のうちの少なくとも一方であり、更に別の実施形態では、欠陥は、表面50および52の平均位置に対して相対的な、少なくとも300μmの深さまたは高さを有する凹部または凸部のうちの少なくとも一方である。
【0052】
他の一部の実施形態では、欠陥量の測定値は、各表面50および52上の単位面積当たりの欠陥の数の測定値である。一部の実施形態では、表面品質は、1平方センチメートル当たりの平均で、主要な表面50および52両方が有する、少なくとも1つの寸法が15、10、および/または5マイクロメートルより大きい表面欠陥の数を、15個未満、10個未満、および/または5個未満とするものである。特定の実施形態では、表面品質は、主要な表面50および52両方が有するそのような表面欠陥の数を、1平方センチメートル当たりの平均で3個未満、より特定的には、そのような表面欠陥の数を1平方センチメートル当たりの平均で1個未満とするものである。従って、本明細書において開示される本発明の技術に従って製造された焼結品は、比較的高い一貫した表面品質を有し得る。本出願人は、焼結材料16のシートの高い一貫した表面品質は、応力が集中する部位および/またはクラックが開始する部位を減らすことによって、強度を高めることを容易にすると考える。本出願人は、焼結材料16の両方の主要な表面50および52におけるこの低い欠陥率は、本明細書において述べられる非接触システムおよびプロセスによって可能になると考える。更に、本出願人は、セッターボードによって支持されている間に焼結された材料は、典型的には、焼結する材料がセッターボードと係合したまま収縮する際に生じる付着および/または摩耗の結果、少なくとも一方の表面の欠陥率が、他方の表面より遥かに高くなると考える。
【0053】
考えられる実施形態において、第1および第2の主要な表面50および52の略等しい表面品質測定指標は、両方の主要な表面50および52の高度に一貫した平坦度の測定値である。特定の実施形態では、再成形、研削、プレス等を必要とせずに、システム10から形成されたままの物品において、高いレベルの平坦度が達成される。特定の実施形態では、表面50および52は両方とも、単一の軸に沿った(例えば、焼結材料16のシートの長さ等に沿った)1cmの距離にわたる約0.1μm〜約50μmの平坦度を有する。そのような平坦度は、本明細書において開示される材料の表面品質、表面の一貫性、大面積、薄い厚さ、および/または材料特性との組み合わせにおいて、シート、基体、焼結されたテープ、物品等が、例えば、ディスプレイ用の丈夫なカバーシート、高温基体、柔軟なセパレータ、および他の用途等の様々な用途のために、特に有用であることを可能とし得る。
【0054】
考えられる実施形態において、第1および第2の主要な表面50および52の略等しい表面品質測定指標は、両方の主要な表面50および52に隣接する焼結材料16の領域の高度に一貫した化学組成である。本出願人は、セッターボードに基づく焼結プロセスでは、セッターボードから焼結品内への材料の拡散、付着等に起因して、焼結品の両面における非常に低いレベルの材料汚染物質を達成できないと考える。特定の実施形態では、第1および第2の主要な表面50および52は、第1の表面50から1μm以内の深さにおける材料16の化学組成の少なくとも99.9重量%がテープ14内に存在する材料(例えば、多結晶セラミック材料、合成材料、バインダ材料)であり、第2の表面52から1μm以内の深さにおける化学組成も少なくとも99.9重量%がテープ14内に存在する材料であるような、高い純度および高度に一貫した組成を有する。特定の実施形態では、第1および第2の主要な表面50および52は、第1の表面50から1μm以内の深さにおける材料16の化学組成の少なくとも99.9重量%がテープ14内に存在する無機材料(例えば、多結晶セラミック材料、合成材料)であり、第2の表面52から1μm以内の深さにおける化学組成も少なくとも99.9重量%がテープ14内に存在する無機材料であるような、高い純度および高度に一貫した組成を有する。
【0055】
そのような実施形態では、第1および第2の表面に隣接する領域の化学組成は、焼結材料16の厚さの中間点における化学組成と略同じである。一部のそのような実施形態では、第1の表面50から1μm以内の深さにおける材料16の化学組成の少なくとも99.9重量%がテープ14の無機材料(例えば、多結晶セラミック材料、合成材料)であり、第2の表面52から1μm以内の深さにおける化学組成も少なくとも99.9重量%がテープ14の材料の無機材料であり、厚さの中間点における化学組成も少なくとも99.9重量%がテープ14の無機材料の材料である。
【0056】
更に別の実施形態では、表面50および52間の化学組成の高レベルの一貫性は、セッターボードに基づくプロセスにおいて典型的に見出される化学的汚染がないことの結果である。そのような実施形態では、表面50および52の第1の表面品質測定指標および第2の表面品質測定指標はそれぞれ、第1および第2の主要な表面から0.5μm以内の深さにおける焼結品の化学組成である。ここで、第1の表面から0.5μm以内の深さにおける化学組成が、第2の表面から0.5μm以内の深さにおける化学組成と少なくとも99.9%同じであるように、第1の表面品質測定指標は第2の表面品質測定指標と略同じである。
【0057】
例示的な実施形態によれば、焼結材料16のシートは、多結晶セラミックを含む。例示的な実施形態によれば、焼結材料16のシートは、(少なくとも50重量%の)ジルコニア、アルミナ、スピネル(例えば、MgAl、ZnAl、FeAl、MnAl、CuFe、MgFe、FeCr)、ガーネット、コージライト、ムライト、サイアロン、ペロブスカイト、パイロクロア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、遷移金属のホウ化物および炭化物、ZrB、HfB、TiB、ZrC、TiC、窒化ケイ素アルミナ、および/または酸窒化アルミニウムを含む(例えば、それらである、それらから本質的になる、それらからなる)。一部の実施形態では、焼結材料16のシートは、酸素イオンのイオン伝導体、Liイオン、Naイオン、プロトン伝導体、低い誘電率を有するセラミック、高い誘電率を有するセラミック、焼結されたガラスセラミック(例えば、コージライト等)、多孔質のセラミック、焼結ガラス、およびガラスセラミック、開放気孔率を有しないセラミック、焼結ガラス、およびガラスセラミック、半透明セラミック、並びに透明セラミックを含む。一部の実施形態では、焼結材料16のシートは金属である。他の実施形態では、焼結材料16のシートは粉末粒子から焼結されたガラスである。一部の実施形態では、焼結材料16のシートはIXガラスおよび/またはガラスセラミックである。本明細書において開示される材料は合成されたものであってもよい。
【0058】
例えば、一部の実施形態では、焼結材料16のシートは、50〜1000ナノメートルのメジアン粒径と2〜30m/gのBET表面積とを有するアルミナ粉末から作られる。特定の実施形態では、焼結材料16のシートは、99.5〜99.995重量%のアルミナおよび約100〜約1000ppmの焼結添加剤(例えば、酸化マグネシウム等)のテープキャスティングされたアルミナ粉末から作られる。一部の実施形態では、焼結材料16のシートは半透明である。焼結材料16のシートは、焼結材料16のシートが500μm以下の厚さを有する場合に、約300nm〜約800nmの波長において少なくとも30%の全透過率を有し得る。一部の実施形態では、焼結材料16のシートを通る全透過率は、焼結材料16のシートが500μm以下の厚さを有する場合に、約300nm〜約800nmの波長において約50%〜約85%である。一部の実施形態では、焼結材料16のシートを通る拡散透過率は、シートが500μm以下の厚さを有する場合に、約300nm〜約800nmの波長において約10%〜約60%である。考えられる実施形態において、焼結材料16のシートは、他の厚さ(例えば、本明細書において開示される他の厚さ等)でも、上記に開示された範囲内の波長で、上記に開示された透過率を有し得る。本明細書において開示されるアルミナ以外の材料も、そのような半透明の焼結品を生じ得る。
【0059】
様々な実施形態では、本願のシステムおよび方法によって可能になる薄い、大きい、および/または高表面品質のベアリングセラミック品は、多種多様な用途を有する。様々な実施形態において、焼結材料16は、例えば、電池、プリント回路基板等の基体としての用途、携帯型デバイスのディスプレイ用のカバーシートとしての用途を有すると考えられ、または、本物品は別様でも有用であり得る。焼結材料16は、高出力の薄いディスクレーザにおいて用いられ得る。焼結セラミックは、傷防止ハードコーティングとして、および装甲として用いられ得る。
【0060】
図9および図10を参照すると、例示的な実施形態によるガスベアリング26および28によって提供されるガス送出が示されており、それについてより詳細に説明する。図9はガスベアリング28を示しており、ガスベアリング26はガスベアリング28と略同じ方法で形成されることを理解されたい。ガスベアリング28は、ベアリングを横断して幅方向に延びる複数のチャネル60を含む。チャネル60は、プレナム64からノズル36へと加圧ガスを送出する。表面62は、プレナム64へのガスベアリング28の取り付けを可能にする。
【0061】
図10に示されるように、プレナム64は、加圧ガス66の流れを受け入れるものであり、加圧ガスの供給源に接続するためのポート68を含む。プレナム64の後面70はガスベアリング28の表面62に取り付けられる。プレナム64はフローチャネル72を含み、フローチャネル72は、ガス66を、プレナム64を通して、ガスベアリング28のチャネル60内に向けられるガス流74に向かわせる。次に、ガスはチャネル60内へと流れてノズル36から出て、そこで、上述のようにテープ14および焼結材料16を支持する。プレナム64には、ガスベアリングに供給される空気の圧力をモニタリングするおよび/または制御するためのポートが設けられ得る。
【0062】
ガスベアリング28は、ベアリング面34内に位置する複数のベント開口部78による供給を受ける複数のベントチャネル76を含む。ノズル36から出たガス80は、ベント開口部78によって受け入れられる。ガス80はベント開口部78内へと流れ、ベントチャネル76を通って、そこから出るガス82は、(例えば、ガス82を真空引きするために)ガスベアリング28の後面84に取り付けられたプレナムによって受け入れられる。
【0063】
図9に示されるように、加圧ガス80は、テープとガスベアリング要素との間の間隙を横方向に流れることによって流れ去る。この設計では、ガスが蓄積し、ガスベアリング要素の中心から縁部まで移動する。横方向におけるガスの流速は、縁部付近が最も高い。ガスの蓄積は、より幅が広いセラミック品を取り扱うためにガスベアリングシステムの幅が増加するほど、大きくなる。ガスベアリング要素の設計によって、流れ去るガスの流れを管理することは有利であり得る。加圧ガスの流れに起因して、セラミックにかかる粘性力は最小化され得るか、または、粘性力はセラミックを移動させるように加えられ得る。流れ出るガス82は、システムの外に向かわせられ得る。このようにしてベントガスを制御することにより、焼結中にテープ14にかかる圧力場をより均質にでき、ガスベアリングによってテープ14を支持するために供給される加圧ガスの量を低減または最小化できる。
【0064】
ガスベアリング26および28は、本明細書に記載される機能性を容易にするよう構築または構成され得る。様々な実施形態では、ノズル36および/またはベント開口部78の空間パターンは、ベントガスを改善または最適化するよう構成され得る。様々な実施形態では、孔36の直径は100μmより大きく、特定的には300μmより大きく、一部の実施形態では500μmより大きい。様々な実施形態では、孔36のピッチは10mm未満、特定的には7mm未満、より特定的には3mm未満である。様々な実施形態では、下部空気ベアリング28の孔36は上部空気ベアリング26の孔36と位置合わせされる。他の実施形態では、空気ベアリング26および28の空気拡散孔36は互いからオフセットされている。
【0065】
様々な実施形態では、ノズル36および/またはベント開口部78の直径および長さは、ベントガスを改善または最適化するために表面34に沿って変化し得る。様々な実施形態では、表面34は、ベントガスを改善または最適化するためにベアリング面にわたって延びる1以上のトレンチを含み得る。一部の実施形態では、ガスベアリング26および28は、テープ14および焼結材料16の移動を生じさせる(例えば、テープ14および焼結材料16を、システム10を通して搬送する等)正味の力を生じるための非対称の設計であり得る。
【0066】
様々な実施形態では、システム10および特にガスベアリング26および28は、熱をリサイクルするよう構成される。一実施形態では、システム10および特にガスベアリング26および28は、ガスベアリングからの少なくとも30%のガスを再使用するよう構成される。別の実施形態では、システム10は、ガスベアリングのガスを熱交換器に通すよう構成される。
【0067】
ガスベアリング26および28並びにプレナム64の材料は、テープ14および焼結材料16の温度および大気の要件に基づいて、並びに、システム10の関連づけられたステーションまたはゾーンの機能に基づいて選択される。一実施形態では、ガスベアリング26および28並びにプレナム64はアルミニウムで作られる。別の実施形態では、ガスベアリング26および28並びにプレナム64は、高々約850℃までの温度で動作可能な青銅700XX合金で作られる。別の実施形態では、ガスベアリング26および28並びにプレナム64は、高々約1200℃までの温度で動作可能な高温ニッケルクロム合金(例えば、RolledAlloy社の602CA、333等)で作られる。別の実施形態では、ガスベアリング26および28並びにプレナム64は、約1700℃の温度で動作可能であり酸化大気中で不活性の白金のような貴金属、およびそのロジウムとの合金(例えば、ヘレウス社から入手可能な合金)で作られる。別の実施形態では、ガスベアリング26および28並びにプレナム64は、セラミック(例えば、アルミナ、炭化ケイ素、酸化ホウ素、およびグラファイト等)で作られる。
【0068】
特定の実施形態では、バインダ除去ゾーン18のガスベアリング26および28並びにプレナム64は、例えば、青銅700XX等の材料で作られる。焼結ゾーン22が、1250℃を超える焼結温度を要するアルミナもしくはジルコニアまたは他のセラミック材料を焼結するよう構成されている実施形態では、焼結ゾーン22内のガスベアリング26および28並びにプレナム64は高温ニッケルクロム合金で作られる。より高い焼結温度を要する実施形態では、焼結ゾーン22のガスベアリング26および28並びにプレナム64は、貴金属合金またはセラミック(例えば、炭化ケイ素等)のような酸化環境および高温に耐えることができる材料で作られる。
【0069】
空気ベアリング例1
図11および図12を参照すると、アルミナテープの連続的な焼結プロセスの一部として高温空気ベアリングを用いる例が示されている。この例では、未焼成テープ14は、バインダ除去前には50.8mmの幅および40μmの厚さを有する。未焼成テープ14は、バインダ除去ゾーン18に関して上述したような有機バインダ材料の熱分解のために、向かい合ったステンレス鋼の高温空気ベアリング内へと下向きの方向に75mm/分の速度で供給されている。向かい合った空気ベアリング面間の間隙は4.38mmであり、温度は500℃である。両方の要素における空気送出圧は10psiである。空気ベアリングを用いることの長所は図面から見てとれる。向かい合った空気ベアリングからの圧力がテープ14を平坦に保持し、有機バインダが熱分解される際の反りまたは変形を制限/防止する。熱分解の後、テープは更に下方に移動して、部分的焼結のために1050℃の炉90に入る。この例では、焼結行程の間、炉90内のテープは空気ベアリングで支持されず、セッターによっても支持されない。その代わりに、テープ14は自重を支持するので、プロセスは無接触で摩擦が生じない状態に維持される。炉90から出た部分的に焼結されたテープは平坦であり、幅が2.6%縮み、重量が8.6%減る。
【0070】
空気ベアリング例2
図14および図15を参照すると、例示的な実施形態による、焼結品を製造するために設計され試験された高温空気ベアリング(例えば、空気ベアリング26および28等)の例が示されている。この試験では、(連続的なプロセスではなく)バッチ焼結試験のために、図14および図15に示されている空気ベアリングを用いた。図14および図15を参照すると、この実施形態では、孔36として示されているガス拡散孔が、規則的に離間されたグリッド状に配置されている。物品14がベアリングによって支持されるように、孔36は、ベアリングの間隙に支持ガスまたは作用ガスを送出する。孔36はガス拡散プレート50に形成され、ガス拡散プレート50は、溶接接合52によってプレナムに結合される。本出願人は、孔36のサイズおよび間隔はガスベアリング内において異なるレベルの物品支持を提供するよう選択されることを決定した。図14および図15に示されている特定の例では、ガス拡散孔36は、0.5mmの直径と2.54mmのピッチとを有する。
【0071】
空気ベアリング26のプレナムと同じまたは類似の金属で作られた配管54を通して、予熱されたガス(例えば、窒素または空気等)が供給され、供給されたガスは、拡散孔36から流れ出て、向かい合った空気ベアリング26および28間の間隙に流れ込む。図15に示されている特定の例では、空気ベアリング間隙内においてジルコニアテープ材料14を支持するために空気ベアリング26および28に供給されるガスは窒素とした。
【0072】
図14を参照すると、空気ベアリング26および28の各々は、空気拡散プレート50の外周に隣接して空気拡散プレート50に加工された溝またはトレンチ56を含む。図示されている特定の実施形態では、溝56は4mmの幅および1mmの深さを有する。溝56は、空気ベアリング26および28を互いに対して相対的に支持すると共に向かい合った空気ベアリング面間の間隙間隔を画成して維持するスペーサまたはスタンドオフ35と係合する安定した領域を提供する。間隙間隔を維持することに加えて、スタンドオフ35は、焼結されている物品に対して、焼結されている材料が、向かい合った空気ベアリング面間の間隙から横方向に滑り出るのを遮るよう作用する横方向の制限も与える。様々な実施形態では、スタンドオフ35は、セラミックまたは金属で形成され得るものであり、特定の実施形態ではアルミナ材料で形成される。
【0073】
図14に示されるように、空気ベアリング26または28のうちの少なくとも一方は、配管54を空気ベアリングに結合するための陥凹部または他の結合構成を含む取付部58を含む。それに加えて、空気ベアリング26または28のうちの少なくとも一方は、圧力感知装置の配管を受容する陥凹部または他の結合構成を含む取付部60を含む。図示されている特定の実施形態では、空気ベアリング26および28は100mm〜150mm、特定的には127mmの幅W3を有する。
【0074】
図15は、一対の空気ベアリング26および28の側面図であり、各空気ベアリング26および28は、一般的に、図14に示されるような空気孔パターンを有する。図15に示されるように、この特定の例では、向かい合った空気ベアリング26および28はアルミナのスタンドオフ35によって分離されており、焼結される材料(テープ14)は未焼成ジルコニア(3−YSE)テープである。テープ14は、孔36を通って空気ベアリング間隙に流れ込むガスの圧力からの中心に向かう力によって、ベアリング26および28間に懸架される。この例では、空気ベアリング26および28は、米国ミシガン州テンプランスに所在するRolledAlloys社から販売されているRA−333ニッケルクロム合金で構築された。これは、約1200℃まで動作可能である。この例では、焼結熱を送るために、向かい合った空気ベアリング26および28は電動炉の内部に設置された。
【0075】
高温焼結のために、本出願人は、十分な厚さの拡散プレート50が良好な性能を発揮することを決定した。特定の実施形態では、空気ベアリング26および/または28の拡散プレート50は少なくとも2mm厚、特定的には少なくとも4mm厚、より好ましくは少なくとも6mm厚である。
【0076】
上述のように、向かい合った空気ベアリング26および28の間隔は、図15においてG2として示されている間隙を画成する。本出願人の試験に基づいて、本出願人は、間隙サイズが様々な焼結特性に関係することを決定した。具体的には、後述するように、本出願人は、間隙サイズ、特に、小さい間隙サイズは、焼結中のベアリング内における物品の位置に影響すると共に、焼結品の特性(例えば、平坦度および透明度等)にも影響することを見出した。従って、図15に示されている例では、G2は、G2からテープ14の厚さを減算した値が5mm未満、特定的には2mm未満、より特定的には1mm未満となるよう選択される。
【0077】
様々な実施形態では、スタンドオフ35に用いられる材料は、空気ベアリング材料と適合するよう選択される。特定の実施形態では、スタンドオフ35は、空気ベアリング26および28を形成するために用いられ得る高温ニッケルクロム合金または白金のような貴金属と接触するために、アルミナで形成される。特定の実施形態では、スタンドオフ35は、孔36を通して空気ベアリング間隙内へと注入されたガスの出口用のベントを含む。スタンドオフ35内のベントの間隔は、拡散孔36のピッチと同様であり得る。一部の実施形態では、スタンドオフは、各スタンドオフの横方向の縁部に沿って、ベントを提供するための切欠を含む。
【0078】
一部の実施形態では、空気ベアリング26および28の拡散プレート50の互いに反対側にある外側の表面は、予備焼結後または焼結後に平坦な物品を提供するために、平坦である。一方、他の実施形態では、空気ベアリング26および28の拡散プレート50の互いに反対側にある外側の表面は、予備焼結または焼成された物品にその形状を付与するために、湾曲していてもよいく、または他の形状を有してもよい。動作において、孔36を通って空気ベアリング間隙に入る圧力およびガス流は、焼結中にテープ14に所望の支持を提供するよう制御される。例示的な実施形態では、各空気ベアリング26および28のプレナム内における圧力は40psi(約275.8kPa)未満、特定的には20psi(約137.9kPa)未満、より特定的には5psi(約34.5kPa)未満である。様々な実施形態では、動作中の拡散プレート表面の単位面積当たりのベアリングへのガス流量は、0.1SCFM/cm(2.83L/分/cm)より小さく且つ0.002SCFM/cm(0.0566L/分/cm)より大きい。他の実施形態では、動作中の拡散プレート表面の単位面積当たりのベアリングへのガス流量は、0.04SCFM/cm(1.132L/分/cm)より小さく且つ0.004SCFM/cm(0.1132L/分/cm)より大きい。
【0079】
焼結試験例1
図14および図15に示されている空気ベアリング構成を用いて、それぞれ異なるベアリング間隙間隔G2を用いて、ジルコニアテープを焼結した。この試験に基づいて、本出願人は、間隙間隔が焼結品の様々な特性に影響することを決定した。図16および図17を参照すると、20μmの厚さと80μmの焼結後の幅とを有する焼結されたジルコニア(3−YSE)テープは、それぞれ異なる間隙サイズG2を用いた空気ベアリング26および28を用いて焼結したものである。両方の材料は、空気ベアリング26および28内において4時間にわたって1150℃で加熱された。この試験では、空気ベアリングへのガス流は1SCFM(28.3L/min)の窒素とした。
【0080】
図16に示されている焼結されたジルコニアテープは、0.5mmの間隙G2を有する空気ベアリング内において焼結されたものであり、焼結プロセスを通して懸架された(即ち、スタンドオフまたは空気ベアリングの金属との接触は無かった)。図16に示されるように、この間隙間隔を用いて焼結されたジルコニアテープは、ほとんど平坦であり、焼結されると半透明になり、これは低いレベルの気孔率を示す。
【0081】
図17に示されている焼結されたジルコニアテープは、1.5mmの間隙G2を有する空気ベアリング内において焼結されたものである。図16に示されているテープと比較して、1.5mm間隙の空気ベアリング内で焼結されたテープは、見るからに皺が多くなっている。それに加えて、図17に示されているテープは、空気ベアリング拡散プレートの面に対して平行に移動し、スタンドオフのうちの2つに接触した。本出願人は、この移動が生じたのは、テープがより大きい間隙(1.5mm)で焼結された場合、テープが移動する余地がより大きく、テープにかかる、間隙へと送出されたガスによって与えられる中心に向かう力が、より低いためであると考える。テープとスタンドオフとの間の接触によって生じた力、および、3−YSEテープの薄い柔軟な性質が、接触部位における座屈につながった。空気ベアリング拡散プレートの金属表面に接触した座屈したゾーンの領域は、化学的相互拡散に起因して色が暗くなっている。
【0082】
焼結試験例2
図18および図19に示されるように、図16および図17に関して上述したのと同じ条件下で、同じ空気ベアリング内で、1150℃で6時間にわたる部分的焼結後の70μm厚のアルミナテープでも、類似の結果が得られた。図18は、0.5mmの間隙を有する空気ベアリング内において部分的に焼結されたアルミナテープを示しており、図19は、1.5mmの間隙を有する空気ベアリング内において部分的に焼結されたアルミナテープを示している。図18に示されている、0.5mmの間隙内で部分的焼結後のアルミナテープは、図19に示されているアルミナテープと比較して、より平坦である。それに加えて、図18に示されているスタンドオフと接触したゾーンは、図19に示されている類似の接触ゾーンより小さい。テープの90%超が、ベアリングのどちらの面とも接触せずに予備焼結された。
【0083】
この試験に基づいて、本出願人は、アルミナテープとスタンドオフ付近における空気ベアリング面との接触はこの領域内において作用ガスによってテープを支持するための不十分な圧力に起因するようであるという仮説を立てた。窒素ガス流はスタンドオフから離れる方向に逸れるので、スタンドオフの下方および上方において、空気からの酸素の逆拡散に起因する金属拡散プレートの目に見える酸化が生じている。空気拡散プレートの他の領域は窒素で覆われており、従って、酸化は少ない。従って、この試験に基づいて、本出願人は、少なくとも一部の実施形態では、複数の異なる孔のピッチと類似した間隔で周期的に離間したベントまたは孔を有するスタンドオフは、空気ベアリングから出る窒素の流れを、スタンドオフの周囲においてより均一にすることを決定した。そして、本出願人は、均一性を高めることで、空気ベアリング間隙内におけるテープのより良好な支持が提供され、スタンドオフ付近におけるベアリング面との接触が低減/解消され、および/または、テープの平坦度が改善されると考える。
【0084】
焼結試験例3
図20および図21を参照すると、別の例として、「パイレックス」7761フリット粉末を、約70μmの厚さになるようカレンダー処理した。このリボンを、図14および図15に示されている向かい合った空気ベアリング内において750℃で2時間にわたって加熱し、ベアリングへのガス流(例えば、空気または窒素)は1SCFM(28.3L/min)とした。間隙間隔G2は0.5mmとした。図20は、加熱/焼結前の70μm厚の「パイレックス」テープを示しており、図21は、加熱/焼結後の同じテープを示している。図21に示されるように、平坦な透明の焼結ガラスが得られた。なお、図21に示されているテープの穴は、焼結後の取り扱いによって生じたものであり、焼結プロセスによるものではない。
【0085】
焼結試験例4
図22および図23を参照すると、本出願人は、少なくとも一部の実施形態では、焼結されたテープの平坦度は、外部から小量の応力を加えることによって影響され改善されることを決定した。40mmの幅(未焼成)および約300mmの長さを有する40μm厚のジルコニア(3−YSE)テープのリボンを、リボンの中心部分が図14および図15の向かい合った空気ベアリング間において空気ベアリング面と接触せずに懸架された状態で、1175℃で4時間にわたって焼成した。図22は、焼結中に75kPaの張力を加えられて焼結されたテープを示しており、図23は、張力を加えずに焼結されたテープを示している。図22に示されるように、張力を加えられて焼結されたリボンは、図23に示されている張力を加えずに焼結されたリボンよりも目に見えて平坦である。それに加えて、図22に示されるように、張力を加えられて焼結されたリボンは、図23に示されている張力を加えずに焼結されたリボンよりも透き通っている。
【0086】
特に明記しない限り、本明細書において述べられたいずれの方法も、その工程が特定の順序で行われることを要することは意図しない。従って、方法の請求項が、その工程が辿るべき順序を実際に記載していない場合、または、特許請求の範囲もしくは説明において、その工程が特定の順序に限定されることが具体的に述べられていない場合には、どのような特定の順序も推論されることは意図しない。それに加えて、本明細書において用いられる「a」という冠詞は、1以上の構成要素または要素を含むことを意図したものであり、1つのみを意味すると解釈されることは意図しない。
【0087】
開示された実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変形および変更が行われ得ることが、当業者には自明であろう。当業者は、本開示の実施形態の趣旨および実体を組み込んだ本開示の実施形態の変更、組合せ、部分的な組合せ、および変形を想到し得るものであるから、開示された実施形態は、添付の特許請求の範囲内のあらゆるもの、およびそれらの等価物を含むものと解釈されるべきである。
【0088】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0089】
実施形態1
焼結品を形成するプロセスにおいて、
一枚の無機材料を加圧ガスで支持する工程と、
前記一枚の無機材料が前記加圧ガスによって支持されている間に、前記無機材料が少なくとも部分的に焼結されて前記焼結品を形成するように、前記一枚の無機材料を該無機材料の焼結温度以上の温度まで加熱することによって、前記一枚の無機材料を焼結する工程であって、焼結されている前記無機材料の少なくとも一部分が、焼結中に固体の支持体と接触しない、工程と
を含むことを特徴とするプロセス。
【0090】
実施形態2
前記加圧ガスが、向かい合った第1および第2のベアリング面を含むガスベアリングによって供給され、前記第1のベアリング面と前記第2のベアリング面との間にチャネルが画成され、前記ガスベアリングが、前記第1および第2のベアリング面を通る前記チャネルにガスを送出し、前記一枚の無機材料を支持する前記工程が、前記一枚の無機材料の互いに反対側にある第1および第2の主要な表面が両方とも前記加圧ガスによって支持されるように、前記一枚の無機材料を前記チャネル内に配置する工程を含む、実施形態1記載のプロセス。
【0091】
実施形態3
焼結中に、前記ガスベアリングが、焼結中の前記第1および第2の表面の変形に対して抵抗するように、前記一枚の無機材料の前記第1および第2の主要な表面の両方に圧力を加える、実施形態2記載のプロセス。
【0092】
実施形態4
焼結中に、前記チャネルの第1の端部から前記チャネルの第2の端部まで前記チャネルを通して前記一枚の無機材料を移動させる工程であって、前記一枚の無機材料が長さおよび幅を有し、前記一枚の無機材料の前記長さが、前記チャネルの前記第1の端部と前記第2の端部との間の距離より大きい、工程を更に含む、実施形態3記載のプロセス。
【0093】
実施形態5
前記チャネルの前記第2の端部に位置するときの前記一枚の無機材料の密度が、前記チャネルの前記第1の端部に位置するときの前記一枚の無機材料の密度より大きくなるように、前記一枚の無機材料の密度が焼結中に増加する、実施形態4記載のプロセス。
【0094】
実施形態6
焼結中に、前記一枚の無機材料が前記チャネルの前記第1の端部から前記チャネルの前記第2の端部まで移動するにつれ、前記一枚の無機材料の前記幅が減少する、実施形態4記載のプロセス。
【0095】
実施形態7
前記一枚の無機材料が、該無機材料を支持する有機バインダを含み、前記プロセスが、前記有機バインダを含む前記一枚の無機材料を前記有機バインダを熱分解するのに十分な温度まで加熱することによって前記有機バインダ材料を除去する工程を更に含み、焼結する前記工程が、前記有機バインダを除去する前記工程の後に行われる、実施形態1記載のプロセス。
【0096】
実施形態8
前記有機バインダを除去する前記工程が、前記一枚の無機材料が前記加圧ガスによって支持されている間に行われる、実施形態7記載のプロセス。
【0097】
実施形態9
焼結する前記工程が焼結ゾーン内において行われ、前記有機バインダを除去する前記工程が除去ゾーン内において行われ、前記プロセスが、前記バインダを除去する前記工程に続いて、前記除去ゾーンと前記焼結ゾーンとの間に位置する加熱ゾーン内において、前記一枚の無機材料が前記焼結ゾーンに入る前に前記一枚の無機材料の温度が前記焼結温度の30%以内まで上昇するように、前記一枚の無機材料を加熱する工程を更に含み、前記焼結ゾーン内における温度の変化が30%未満となるように、前記焼結ゾーン内において前記一枚の無機材料が略一定の温度に保たれる、実施形態7記載のプロセス。
【0098】
実施形態10
前記焼結品を150℃より低い温度まで冷却する工程と、
冷却する前記工程に続き、前記焼結品を巻取リールの周囲に巻きつける工程と
を更に含む、実施形態1記載のプロセス。
【0099】
実施形態11
焼結品において、
第1の主要な表面と、
前記第1の主要な表面とは反対側の第2の主要な表面と、
前記第1の主要な表面、前記第2の主要な表面、および前記第1の主要な表面と前記第2の主要な表面との間に延在する本体を画成する少なくとも部分的に焼結された無機材料と、
前記第1の主要な表面と前記第2の主要な表面との間の1mm以下の平均厚さと、
前記厚さに対して直交方向の、前記第1の主要な表面または前記第2の主要な表面のうちの一方の第1の寸法として定められる幅と、
前記焼結品の前記厚さおよび前記幅の両方に対して直交方向の、前記第1の主要な表面または前記第2の主要な表面のうちの一方の第2の寸法として定められる前記焼結品の長さと
を含み、
前記幅および前記長さのうちの少なくとも一方が前記平均厚さの5倍より大きくなるように、前記焼結品が薄く、
前記第1の主要な表面が第1の表面品質測定指標によって定められ、前記第2の主要な表面が第2の表面品質測定指標によって定められ、前記第1の表面品質測定指標が前記第2の表面品質測定指標と略同じであり、
前記無機材料が多結晶セラミックおよび合成鉱物から成る群から選択される
ことを特徴とする焼結品。
【0100】
実施形態12
前記第1の表面品質測定指標および前記第2の表面品質測定指標の各々が、前記第1および第2の主要な表面からそれぞれ1μm以内の深さにおける前記焼結品の化学組成であり、前記第1の表面から1μm以内の深さにおける化学組成の少なくとも99.9重量%が前記無機材料であり、且つ、前記第2の表面から1μm以内の深さにおける化学組成の少なくとも99.9重量%が前記無機材料であるように、前記第1の表面品質測定指標が前記第2の表面品質測定指標と略同じである、実施形態11記載の焼結品。
【0101】
実施形態13
前記第1の主要な表面と前記第2の主要な表面との間の中間点に位置する中間点化学組成を更に含み、該中間点化学組成の少なくとも99.9重量%が前記無機材料である、実施形態12記載の焼結品。
【0102】
実施形態14
前記第1の表面品質測定指標および前記第2の表面品質測定指標の各々が、前記第1および第2の主要な表面からそれぞれ0.5μm以内の深さにおける前記焼結品の化学組成であり、前記第1の表面から0.5μm以内の深さにおける化学組成が前記第2の表面から0.5μm以内の深さにおける化学組成と少なくとも99.9%同じであるように、前記第1の表面品質測定指標が前記第2の表面品質測定指標と略同じである、実施形態11記載の焼結品。
【0103】
実施形態15
前記第1の表面品質測定指標および前記第2の表面品質測定指標の各々が欠陥量の測定値であり、前記第1の主要な表面が5マイクロメートルより大きい寸法を有する付着または摩耗から生じた1cm当たり10個未満の表面欠陥を有し、且つ、前記第2の主要な表面が5マイクロメートルより大きい寸法を有する付着または摩耗から生じた1cm当たり10個未満の表面欠陥を有するように、前記第1の表面品質測定指標が前記第2の表面品質測定指標と略同じである、実施形態11記載の焼結品。
【0104】
実施形態16
前記第1の表面品質測定指標および前記第2の表面品質測定指標の各々が欠陥サイズの測定値であり、前記厚さに対して垂直な平面内において測定された前記第1の主要な表面の面積の1cm当たりの前記第1の主要な表面上にある表面欠陥の合計面積が、前記厚さに対して垂直な平面内において測定された第2の主要な表面の面積の1cm当たりの前記第2の主要な表面上にある表面欠陥の合計面積の±50%以内であるように、前記第1の表面品質測定指標が前記第2の表面品質測定指標と略同じである、実施形態11記載の焼結品。
【0105】
実施形態17
前記第1および第2の主要な表面の前記表面欠陥が、該第1および第2の主要な表面上にある、該第1の主要な表面または前記第2の主要な表面に対して相対的な深さまたは高さであって、前記第1の主要な表面または前記第2の主要な表面の平均表面粗さより大きい深さまたは高さをそれぞれ有する凹部および凸部のうちの少なくとも一方である、実施形態16記載の焼結品。
【0106】
実施形態18
前記第1の表面品質測定指標および前記第2の表面品質測定指標の各々が平坦度の測定値であり、前記第1および第2の主要な表面の両方が、該第1および第2の主要な表面に沿って長さ方向に1cmの距離にわたって100nm〜50μmの範囲内の平坦度を有するように、前記第1の表面品質測定指標が前記第2の表面品質測定指標と略同じである、実施形態11記載の焼結品。
【0107】
実施形態19
前記第1および第2の主要な表面の各々が、該第1および第2の主要な表面の粒子間の境界における凹んだ部分に対して相対的な25nm〜150μmの範囲内の高さを有する粒子を含む粒状の断面形状を有するように、前記第1および第2の主要な表面が未研磨の表面であり、前記第1の表面品質測定指標および前記第2の表面品質測定指標の各々が粗さの測定値であり、前記第1の主要な表面および前記第2の主要な表面の両方の粗さ(Ra)が10nm〜1000nmであるように、前記第1の表面品質測定指標が前記第2の表面品質測定指標と略同じである、実施形態11記載の焼結品。
【0108】
実施形態20
前記本体の前記厚さが1ミリメートルの半分未満であり、前記第1および第2の主要な表面の各々の面積が10cmより大きい、実施形態11記載の焼結品。
【0109】
実施形態21
前記第1および第2の主要な表面のうちの一方の面積が100cmより大きい、実施形態11記載の焼結品。
【0110】
実施形態22
焼結品を形成するシステムにおいて、
有機バインダによって固定された無機材料の粒子を含むテープ材料のテープ供給部と、
前記テープ供給部に続くバインダ除去ステーションと、
前記バインダ除去ステーションに続く焼結ステーションと、
前記バインダ除去ステーションおよび前記焼結ステーションを加熱する加熱システムであって、前記テープ材料が前記バインダ除去ステーションを通って移動する際に前記有機バインダが熱分解されるように、前記バインダ除去ステーションを100〜400℃の温度まで加熱し、前記テープ材料が前記焼結ステーションを通って移動する際に前記無機材料が少なくとも部分的に焼結するように、前記焼結ステーションを800℃より高い温度まで加熱する加熱システムと、
前記バインダ除去ステーション内および前記焼結ステーション内において前記テープ材料を支持するガスベアリングと
を含むことを特徴とするシステム。
【符号の説明】
【0111】
10 システム
12 供給部
14 テープ
16 焼結材料
18 バインダ除去ステーション
20 加熱ステーション
22 焼結ステーション
24 冷却ステーション
26、28 ガスベアリング
30 チャネル
32、34 ベアリング面
35 スタンドオフ
36 ノズル(拡散孔)
38 加熱要素
50 第1の表面
50 拡散プレート
52 第2の表面
64 プレナム
78 ベント開口部
80、82 ガス
90 炉
G1 間隙サイズ
L1 長さ
T1 厚さ
W1 幅
図1
図2
図3
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図5
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