【文献】
Robert Stacey et al.,IEEE802.11-15/0132r15,Specification Framework for TGax,2016年05月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の様々な実施形態を、ここで添付の図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、既知の機能および構成の詳細な説明は、明瞭かつ簡潔にするために省略されている。
【0013】
図1は、IEEE 802.11ax仕様フレームワーク文書に準拠する高効率(HE:High Efficiency)パケット100のフォーマットを示す。HEパケット100は、レガシーショートトレーニングフィールド(L−STF)102、レガシーロングトレーニングフィールド(L−LTF)104およびレガシー信号フィールド(L−SIG)106を含むレガシープリアンブルと、レペティション(repetition)L−SIGフィールド(RL−SIG)108、第1のHE信号フィールド(HE−SIG−A)110、第2のHE信号フィールド(HE−SIG−B)112、HEショートトレーニングフィールド(HE−STF)114、およびHEロングトレーニングフィールド(HE−LTF)116を含むHEプリアンブルと、HEデータフィールド120とを含む。
【0014】
レガシープリアンブル(102、104、106)は、従来の802.11a/g/n/ac規格との後方互換性を促進するために使用される。L−STF 102およびL−LTF 104は、主に、パケット検出、自動利得制御(AGC)設定、周波数オフセット推定、時間同期およびチャネル推定に使用される。HEプリアンブル内のRL−SIG 108と共に、L−SIG 106は、HEパケット100をレガシー802.11a/g/n/acパケットから区別するのを助けるために使用される。
【0015】
HEプリアンブル内のHE−SIG−A 110は、HEパケット100の残りのフィールド、例えばCBW(チャネル帯域幅(Channel Bandwidth))、HE−SIG−Bシンボルの数およびHE−SIG−B 112に用いられるMCS(変調符号化方式(Modulation and Coding Scheme))を解釈するために必要とされる共通制御情報を搬送する。
【0016】
HEプリアンブル内のHE−SIG−B 112は、特に、下りリンク(DL:downlink)マルチユーザ(MU:multiuser)送信のために、指定された受信STAに対するリソース割当情報およびユーザ別割当情報を含む。HE−SIG−B 112は、単一ユーザ(SU:single user)送信または上りリンク(UL:uplink)MU送信に使用されることを意図する場合には、HEパケット100には存在しない。UL MU送信については、指定された送信STAのためのリソース割当情報およびユーザ別割当情報がAPにおいて予め設定され、指定された送信STAにAPによってトリガフレーム内で送信される。
【0017】
HEプリアンブル内のHE−STF 114は、AGCをリセットするために使用され、ADC(アナログ−デジタル変換器)に対するダイナミックレンジ要件を低減する。HEプリアンブル内のHE−LTF 116は、HEデータフィールド120を受信して等化するためのMIMO(多入力多出力(Multiple Input Multiple Output))チャネル推定のために提供される。
【0018】
HEデータフィールド120は、1つまたは複数のSTAに対するペイロードを搬送する。SU送信に関する特定のSTAまたはMU−MIMO送信に関するSTAの特定のグループに関して、ペイロードは、複数のOFDMシンボルにわたるRUの単位で、指定されたリソース上で搬送される。RUは、RU当たりの構成サブキャリアの数に応じて異なるタイプを有することができる。HEデータフィールド120内のOFDMシンボルは、12.8μsのDFT(離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform))期間および78.125kHzのサブキャリア間隔を使用すべきである。OFDMシンボル当たりのサブキャリアの数は、CBWの値に依存する。例えば、CBW=40MHzの場合、OFDMシンボルあたりのサブキャリア数は512である。したがって、特定のタイプのRUについて、OFDMシンボルあたりのRUの最大数はCBWのサイズにも依存する。
【0019】
図2は、CBW=40MHzの場合のHEパケット100のHEデータフィールド120のOFDMA構造の一例を示す。タイプI RUは、26の連続するトーンを含み、約2MHzの帯域幅を有する。タイプII RUは、52の連続するトーンを含み、約4.1MHzの帯域幅を有する。タイプIII RUは、106の連続するトーンを含み、約8.3MHzの帯域幅を有する。タイプIV RUは、242の連続トーンを含み、約18.9MHzの帯域幅を有する。タイプV RUは、484の連続トーンを含み、約37.8MHzの帯域幅を有する。40MHzのOFDMAがサポートすることができるタイプI RU、タイプII RU、タイプIII RU、タイプIV RUおよびタイプV RUの最大数は、それぞれ18,8,4,2、および1である。異なるタイプのRUの混合も、40MHz OFDMAに収容することができる。
【0020】
L−STF 102、L−LTF 104、L−SIG 106、RL−SIG 108、HE−SIG−A 110、HE−SIG−B 112、HE−STF 114、HE−LTF 116、およびHEデータフィールド120の送信処理の詳細は、IEEE 802.11ax仕様フレームワーク文書に見出すことができる。
【0021】
特に、HE−SIG−B 112は、20MHzサブバンド毎に符号化される。CBW=40MHz、80MHz、160MHzまたは80+80MHzの場合、異なる内容を搬送する20MHzサブバンドの数は2である。HE−SIG−Bシンボルは、3.2μsのDFT期間および312.5kHzのサブキャリア間隔を使用すべきである。HE−SIG−Bシンボル当たりのデータサブキャリアの数は52である。
【0022】
図3は、CBW=40MHzの場合のHEパケット100のHE−SIG−B 112の構造の一例を示す。HE−SIG−B 112は、異なる周波数サブバンドチャネルを使用する2つのチャネルフィールド、すなわち、HE−SIG−B1 302およびHE−SIG−B2 304を含む。HE−SIG−B1 302は第1の20MHzサブバンドチャネル322を介して送信され、一方で、HE−SIG−B2 304は第2の20MHzサブバンドチャネル324を介して送信される。
【0023】
20MHzのサブバンドチャネル内に完全に位置する1つの割り当てに関するリソース割当情報およびユーザ別割当情報は、2つのHE−SIG−Bチャネルフィールドのうちの1つにおいて搬送され、同じ20MHzのサブバンドチャネルを介して送信される。より詳細には、HE−SIG−B1 302は、第1の20MHzサブバンドチャネル322内に完全に配置された割当(例えば、312)のためのリソース割当情報およびユーザ別割当情報を搬送し、一方で、HE−SIG−B2 304は、第2の20MHzサブバンドチャネル324内に完全に配置された割当(例えば、314)のためのリソース割当情報およびユーザ別割当情報を搬送する。このようにして、たとえ20MHzのサブバンドチャネル(例えば322)における制御シグナリングが干渉に起因して損なわれたとしても、もう一方の20MHzサブバンドチャネル(例えば、324)における制御シグナリングは適切に復号することができる。
【0024】
図4は、CBW=40MHzの場合のHEパケット100のHE−SIG−B 112のフォーマットの一例を示す。2つのHE−SIG−Bチャネルフィールドの各々は、共通フィールド410とユーザ固有フィールド450とを含む。各共通フィールド410は、各々が所定の長さを有するリソース割当サブフィールド412、CRC(周期的冗長検査(Cyclic Redundancy Check))サブフィールドおよびテイル(tail)ビットサブフィールドを含む。
【0025】
図3におけるHE−SIG−B1 302に関連して、
図4のリソース割当サブフィールド412−1は、第1の20MHzサブバンドチャネル322についての周波数領域(MU−MIMO関連情報を含む)における特定のRU配置パターンを示すRU配置パターンインデックスを含む。RU配置パターンインデックスと対応するRU配置パターンとのマッピングは予め定められている。RU配置パターンインデックスと対応するRU配置パターンとのマッピングの一例が表1に示されている。RUは、20MHzのサブバンドチャネル内で周波数領域においてより低い周波数から高い周波数へと配置され、タイプI RUおよびタイプII RUは、SU−MIMO送信にのみ使用することができることに留意されたい。
【0027】
表1を参照すると、例えば、
図3のHE−SIG−B1 302に含まれる
図4のリソース割当サブフィールド412−1は、第1の20MHzサブバンドチャネルの特定のRU配置パターンを示すために25のRU配置パターンインデックスを含むことができ、ここで、周波数領域において5つのタイプI RUに1つのタイプIII RUが後続し、5つのタイプI RUの各々はSU−MIMO送信に使用され、一方で、タイプIII RUは、2ユーザが多重化されているMU−MIMO送信に使用される。同様に、
図3のHE−SIG−B2 304に関連して、
図4のリソース割当サブフィールド412−2は、第2の20MHzサブバンドチャネル324についての周波数領域における特定のRU配置パターンを示す別のRU配置パターンインデックスおよびMU−MIMO関連情報を含むことができる。
【0028】
図4の各ユーザ固有フィールド450は、複数のBCC(2値畳み込み符号化(Binary Convolutional Coding))ブロックを含む。最後のBCCブロックを除く各BCCブロックは、各々が所定の長さを有する第1のユーザ固有サブフィールドと、第2のユーザ固有サブフィールドと、CRCサブフィールドと、テイルビットサブフィールドとを含む。最後のBCCブロックは、単一のユーザ固有サブフィールドを含むことができる。ユーザ固有フィールド450内のユーザ固有サブフィールドの各々は、ユーザ別割当情報(例えば、アドレス指定のためのSTA識別子、および空間ストリームの数およびMCSのようなユーザ固有の送信パラメータなど)を搬送する。SU−MIMO送信のために割り当てられた各RUについて、対応するユーザ固有サブフィールドは1つしかない。Kユーザが多重化されたMU−MIMO送信に割り当てられた各RUに対して、K個の対応するユーザ固有サブフィールドが存在する。1つのHE−SIG−Bチャネルフィールドのユーザ固有フィールド450におけるユーザ固有サブフィールドの順序は、同じHE−SIG−Bチャネルのリソース割当サブフィールド412によってシグナリングされるRU配置パターンに準拠する。1つのHE−SIG−Bチャネルのユーザ固有フィールド450におけるユーザ固有サブフィールドの数は、同じHE−SIG−Bチャネルのリソース割当サブフィールド412から導き出すことができる。
【0029】
HE−SIG−B1 302および/またはHE−SIG−B2 304の最後には、HE−SIG−B1 302とHE−SIG−B2 304との間で最後のシンボルを位置合わせし、同じ継続時間を維持するために、パディングビットを付加することができることに留意されたい。
【0030】
しかしながら、2つのHE−SIG−Bチャネルフィールド302と304との間に重大な負荷不均衡が存在する場合がある(すなわち、パディングビットを付加する前の長さにおいて、1つのHE−SIG−Bチャネルフィールドが、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドよりもはるかに長くなる場合がある)。
図5の例では、それぞれ6ユーザが多重化されたMU−MIMO送信、SU−MIMO送信および7ユーザが多重化されたMU−MIMO送信に使用される、第1の20MHzサブバンドチャネル322にわたる3つの割当がある。ここで、各BCCブロックは、2つのユーザ固有サブフィールドを含む。したがって、HE−SIG−B1 302のユーザ固有サブフィールド数N
uss,1およびBCCブロック数N
blk,1は、それぞれ14および7である。他方、第2の20MHzサブバンドチャネル324にわたっては6つの割当があり、それらの各々がSU−MIMO送信に使用される。したがって、HE−SIG−B2 304のユーザ固有サブフィールド数N
uss,2およびBCCブロック数N
blk,2は、それぞれ6および3である。
− 各共通フィールド510は、L
cf=22ビットの長さを有する、
− 各ユーザ固有サブフィールドは、L
uss=22ビットの長さを有し、2つのユーザ固有サブフィールドを含む各BCCブロックは、L
blk=54ビットの長さを有する、かつ
− HE−SIG−B 112に使用されるMCSは、HE−SIG−Bシンボル当たりデータビット数N
DBPSが52であるVHT−MCS1(IEEE802.11ac規格参照)である、と仮定する。
【0031】
したがって、この例のHE−SIG−Bシンボルの数N
symは8であり、これは以下の式(1)によって計算することができる。
【0033】
式中、
【数2】
はx以上の最小の整数を表し、以下が成り立つ。
【0035】
この例では、HE−SIG−B1 302とHE−SIG−B2 304との間で同じ継続時間を維持するために、HE−SIG−B2 304の最後にいくつかのパディングシンボルを付加する必要がある。一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドが他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドよりもはるかに長い場合には、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドにかなりの数のパディングシンボルが必要であり、結果として制御シグナリングを通知するための相当のオーバーヘッドをもたらしチャネル効率を損なうと結論づけることができる。
【0036】
次に、HE−SIG−B 112のフォーマットの様々な実施形態をさらに詳細に説明する。これは、制御シグナリングを通知するためのオーバーヘッドを低減し、チャネル効率を大幅に改善することができる。
【0037】
本開示の第1の態様によれば、HE−SIG−Bシンボルの数が最小になるように、パディングビットが付加される前に他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドよりも長い一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドのユーザ固有フィールドの一部が、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドに移転される。したがって、制御シグナリングを通知するためのオーバーヘッドが低減され、チャネル効率が改善される。ユーザ固有フィールドの移転部分は、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの所定の位置に配置される。ユーザ固有フィールドの移転部分は、ユーザ固有フィールドの他の部分を送信するために使用されるものよりもロバストな送信方式を使用して送信することができる。その結果、STAは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドが干渉に起因してチャネル品質が悪い場合でも、適切にユーザ固有フィールドの移転部分を復号することができる。
【0038】
<第1の実施形態>
本開示の第1の態様によれば、パディングビットを付加する前に他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドよりも長い一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドのユーザ固有フィールドの1つまたは複数の最後のBCCブロックが、他方のHE−SIG−Bチャネルに移転される。この移転によって、HE−SIG−Bシンボルの数が最小限に抑えられる。したがって、制御シグナリングを通知するためのオーバーヘッドが低減され、チャネル効率が改善される。
【0039】
他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドが干渉に起因して劣悪なチャネル品質を有する場合、対応するBCCブロックが他方のHE−SIG−Bチャネルに移転されるSTAは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドにおけるリソース割当シグナリングを適切に復号することができない場合があり、したがって、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの元のBCCブロックの数を決定することはできない。この場合、移転BCCブロックが、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの元のBCCブロックの直後に位置する場合、STAは、移転BCCブロックの開始を判断して適切に復号することができない。
【0040】
本開示の第1の実施形態によれば、移転BCCブロックは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの所定の位置(例えば、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの終端部)に配置される。移転BCCブロックは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドで1回以上複製されてもよい。その結果、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドが干渉に起因してチャネル品質が悪い場合でも、STAは依然として、移転BCCブロックを適切に復号することができる。
【0041】
本開示の第1の実施形態によれば、移転BCCブロックの数N
rblkは、以下の式(3)によって計算することができる。
【0043】
ここでRはレペティション係数であり、
【数5】
は、x以下の最大の整数を表す。
【0044】
図6は、本開示の第1の実施形態に係るCBW=40MHzの場合のHEパケット100のHE−SIG−B 112のフォーマットの一例を示す。2つのHE−SIG−Bチャネルフィールドの各々は、共通フィールド610とユーザ固有フィールド650とを含む。各共通フィールド610は、リソース割当サブフィールド、再配置BCCブロック数サブフィールド614、レペティションサブフィールド616、CRCサブフィールドおよびテイルビットサブフィールドを含む。一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの再配置BCCブロック数サブフィールド614は、所定の長さを有し、その一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドから他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドへと再配置されているBCCブロックの数を示す。一方のHE−SIG−Bチャネルのレペティションサブフィールド616は、所定の長さを有し、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドにおいて再配置BCCブロックが何回複製されたかを示す(すなわち、レペティション係数Rの値を示す)。一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの再配置BCCブロック数サブフィールド614とレペティションサブフィールド616の両方に基づいて、STAは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドにおける再配置BCCブロックの開始を決定し、レペティション係数Rが1より大きい場合、再配置BCCブロック上でMRC(最大比合成(Maximum Ratio Combining))を行い、それらを適切に復号することができる。
【0045】
図6が
図5と同じリソース割り当てに基づいているとすると、HE−SIG−B1 302のユーザ固有サブフィールド数N
uss,1およびBCCブロックの数N
blk,1は、それぞれ14および7である。したがって、HE−SIG−B2 304のユーザ固有サブフィールド数N
uss,2およびBCCブロック数N
blk,2は、それぞれ6および3である。
− 各共通フィールド610は、L
cf=22ビットの長さを有する、
− 各ユーザ固有サブフィールドは、L
uss=22ビットの長さを有し、2つのユーザ固有サブフィールドを含む各BCCブロックは、L
blk=54ビットの長さを有する、
− HE−SIG−B 112に使用されるMCSは、N
DBPS=52であるVHT−MCS1である、かつ
− レペティション係数=2である、と仮定する。
【0046】
式(3)からN
rblk=1を導出することは容易である。したがって、HE−SIG−Bシンボルの数N
symは7になり、これは以下によって計算することができる。
【0049】
言い換えれば、同じリソース割当に基づいて、第1の実施形態は、必要とするHE−SIG−Bシンボルを従来技術よりも少なくすることができる。
【0050】
図6の例では、HE−SIG−B1 302内の再配置BCCブロック数サブフィールド614−1は、単一の再配置BCCブロックを示すべきであり、HE−SIG−B1 302内のレペティションサブフィールド616−1は、再配置BCCブロックが一度複製される(すなわち、レペティション係数R=2)ことを示すべきであり、一方で、HE−SIG−B2 304内の再配置BCCブロック数サブフィールド614−2は、再配置BCCブロックが存在しないことを示すべきであることに留意されたい。
【0051】
本開示の第1の実施形態によれば、それぞれの共通フィールド610においてHE−SIG−B1 302およびHE−SIG−B2 304の再配置BCCブロックの数およびレペティション係数Rの値をシグナリングする代わりに、HE−SIG−A 110において、HE−SIG−B1 302およびHE−SIG−B2 304の再配置BCCブロックの数およびレペティション係数Rがシグナリングされてもよい。
【0052】
<第2の実施形態>
本開示の第2の実施形態によれば、HE−SIG−Bシンボルの数が最小化されるように、パディングビットを付加する前に他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドよりも長い一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドのユーザ固有フィールドの1つまたは複数の最後のBCCブロックが、他方のHE−SIG−Bチャネルに再配置される。したがって、制御シグナリングを通知するためのオーバーヘッドが低減され、チャネル効率が改善される。
【0053】
本開示の第2の実施形態によれば、再配置BCCブロックは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの所定の位置(例えば、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの終端部)に配置される。再配置BCCブロックは、他方のBCCブロックに使用されるMCSよりもロバストなMCSによって送信することができる。その結果、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドが干渉に起因してチャネル品質が悪い場合でも、STAは依然として、再配置BCCブロックを適切に復号することができる。
【0054】
本開示の第2の実施形態によれば、再配置BCCブロックの数N
rblkは、以下の式(6)によって計算することができる。
【0056】
式中、N
DBPS,rblkは、再配置BCCブロックのシンボルあたりのデータビット数であり、N
DBPS,oblkは、他のBCCブロックのシンボルあたりのデータビット数である。
【0057】
図7は、本開示の第2の実施形態に係るCBW=40MHzの場合のHEパケット100のHE−SIG−B 112のフォーマットの一例を示す。2つのHE−SIG−Bチャネルフィールドの各々は、共通フィールド710とユーザ固有フィールド750とを含む。各共通フィールド710は、リソース割当サブフィールド、再配置BCCブロック数サブフィールド714、再配置BCCブロックMCSサブフィールド716、CRCサブフィールドおよびテイルビットサブフィールドを含む。一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの再配置BCCブロック数サブフィールド714は、所定の長さを有し、そのHE−SIG−Bチャネルフィールドから他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドへと再配置されているBCCブロックの数を示す。一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの再配置BCCブロックMCSサブフィールド716は、所定の長さを有し、他方のHE−SIG−Bチャネル内の再配置BCCブロックに使用されるMCSを示す。再配置BCCブロック以外のHE−SIG−B 112内のBCCブロックに使用されるMCSは、HE−SIG−A 110内で示すことができることに留意されたい。一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの再配置BCCブロック数サブフィールド714と再配置BCCブロックMCSサブフィールド716の両方に基づいて、STAは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドにおける再配置BCCブロックの開始を決定し、それらを適切に復号することができる。
【0058】
図7が
図5および
図6と同じリソース割当に基づいているとすると、HE−SIG−B1 302のユーザ固有サブフィールドの数N
uss,1およびBCCブロックの数N
blk,1は、それぞれ14および7であり、一方で、HE−SIG−B2 304のユーザ固有サブフィールドの数N
uss,2およびBCCブロックの数N
blk,2は、それぞれ6および3である。
− 各共通フィールド710は、L
cf=22ビットの長さを有する、
− 各ユーザ固有サブフィールドは、L
uss=22ビットの長さを有し、2つのユーザ固有サブフィールドを含む各BCCブロックは、L
blk=54ビットの長さを有する、
− 再配置BCCブロックに使用されるMCSは、N
DBPS, rblk=26であるVHT−MCS0である、かつ
− 他方のBCCブロックに使用されるMCSは、N
DBPS,
oblk=52であるVHT−MCS1である、と仮定する。
【0059】
式(6)からN
rblk=1を導出することは容易である。したがって、HE−SIG−Bシンボルの数N
symは7になり、これは以下によって計算することができる。
【0062】
言い換えれば、同じリソース割当に基づいて、第2の実施形態は、必要とするHE−SIG−Bシンボルを従来技術よりも少なくすることができる。
【0063】
図7の例では、HE−SIG−B1 302内の再配置BCCブロック数サブフィールド714−1は、単一の再配置BCCブロックを示すべきであり、HE−SIG−B1 302内の再配置BCCブロックMCSサブフィールド716−1は、VHT−MCS0を示すべきであり、一方で、HE−SIG−B2 304内の再配置BCCブロック数サブフィールド714−2は、再配置BCCブロックが存在しないことを示すべきであることに留意されたい。
【0064】
本開示の第2の実施形態によれば、それぞれの共通フィールド710においてHE−SIG−B1 302およびHE−SIG−B2 304の再配置BCCブロックの数および再配置BCCブロックのMCSをシグナリングする代わりに、HE−SIG−A 110において、HE−SIG−B1 302およびHE−SIG−B2 304の再配置BCCブロックの数および再配置BCCブロックのMCSがシグナリングされてもよい。
【0065】
<第3の実施形態>
本開示の第3の実施形態によれば、HE−SIG−Bシンボルの数が最小化されるように、パディングビットを付加する前に他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドよりも長い一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドのユーザ固有フィールドの1つまたは複数の最後のBCCブロックが、他方のHE−SIG−Bチャネルに再配置される。したがって、制御シグナリングを通知するためのオーバーヘッドが低減され、チャネル効率が改善される。
【0066】
本開示の第3の実施形態によれば、再配置BCCブロックは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの所定の位置(例えば、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの終端部)に配置される。再配置BCCブロックは、他のBCCブロックよりも高い電力で送信することができる。その結果、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドが干渉に起因してチャネル品質が悪い場合でも、STAは依然として、再配置BCCブロックを適切に復号することができる。しかし、再配置BCCブロックの電力ブーストは、より高いPAPR(ピーク対平均電力比(Peak−to−Average Power Ratio))をもたらす可能性がある。
【0067】
本開示の第3の実施形態によれば、再配置BCCブロックの数N
rblkは、以下の式(9)によって計算することができる。
【0069】
図8は、本開示の第3の実施形態に係るCBW=40MHzの場合のHEパケット100のHE−SIG−B 112のフォーマットの一例を示す。2つのHE−SIG−Bチャネルの各々は、共通フィールド810とユーザ固有フィールド850とを含む。各共通フィールド810は、リソース割当サブフィールド、再配置BCCブロック数サブフィールド814、CRCサブフィールドおよびテイルビットサブフィールドを含む。一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの再配置BCCブロック数サブフィールド814は、所定の長さを有し、そのHE−SIG−Bチャネルフィールドから他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドへと再配置されているBCCブロックの数を示す。一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドの再配置BCCブロック数サブフィールド814に基づいて、STAは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドにおける再配置BCCブロックの開始を決定し、それらを適切に復号することができる。
【0070】
図8が
図5〜
図7と同じリソース割り当てに基づいているとすると、HE−SIG−B1 302のユーザ固有サブフィールド数N
uss,1およびBCCブロックの数N
blk,1は、それぞれ14および7である。したがって、HE−SIG−B2 304のユーザ固有サブフィールド数N
uss,2およびBCCブロック数N
blk,2は、それぞれ6および3である。
− 各共通フィールド810は、L
cf=22ビットの長さを有する、
− 各ユーザ固有サブフィールドは、L
uss=22ビットの長さを有し、2つのユーザ固有サブフィールドを含む各BCCブロックは、L
blk=54ビットの長さを有する、かつ
− HE−SIG−B 112に使用されるMCSは、N
DBPS=52であるVHT−MCS1である、と仮定する。
【0071】
式(9)からN
rblk=2を導出することは容易である。したがって、HE−SIG−Bシンボルの数N
symは6になり、これは以下によって計算することができる。
【0074】
言い換えれば、同じリソース割当に基づいて、第3の実施形態は、必要とするHE−SIG−Bシンボルを従来技術,第1の実施形態または第2の実施形態よりも少なくすることができる。
【0075】
図8の例では、HE−SIG−B1 302内の再配置BCCブロック数サブフィールド814−1は、単一の再配置BCCブロックを示すべきであり、一方で、HE−SIG−B2 304内の再配置BCCブロック数サブフィールド814−2は、再配置BCCブロックが存在しないことを示すべきであることに留意されたい。
【0076】
本開示の第3の実施形態によれば、それぞれの共通フィールド810においてHE−SIG−B1 302およびHE−SIG−B2 304の再配置BCCブロックの数をシグナリングする代わりに、HE−SIG−A 110において、HE−SIG−B1 302およびHE−SIG−B2 304の再配置BCCブロックの数がシグナリングされてもよい。
【0077】
本開示の最初の3つの実施形態によれば、2つのHE−SIG−Bチャネルフィールド(第2の実施形態における再配置BCCブロックを除く)は、HE−SIG−A 110においてシグナリングされる同じMCSを利用する。2つのHE−SIG−Bチャネルフィールドのこの共通のMCSは、第1の20MHzサブバンドチャネル322と第2の20MHzサブバンドチャネル324の両方でスケジューリングされるすべてのSTAが、許容可能な確率(例えば、90%)でHE−SIG−B 112の復号に成功するように決定されるべきである。
【0078】
本開示の第2の態様によれば、一方のHE−SIG−BチャネルフィールドのMCSは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドのために使用されるMCSとは異なる場合がある。さらに、HE−SIG−Bシンボルの数が最小化されるように、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドより長い一方のHE−SIG−Bチャネルフィールドに使用されるMCSは、他方のHE−SIG−Bチャネルフィールドに使用されるMCSよりもロバスト性を低くすることができる。したがって、制御シグナリングを通知するためのオーバーヘッドが低減され、チャネル効率が改善される。
【0079】
<第4の実施形態>
本開示の第4の実施形態によれば、第1のMCSおよび第2のMCSが、それぞれHE−SIG−B1 302およびHE−SIG−B2 304に使用される。HE−SIG−B1 302の第1のMCSは、第1の20MHzサブバンドチャネル322内でスケジュールされるSTAがHE−SIG−B1 302の復号に成功する確率が許容可能である(例えば、90%)ように決定されるべきである。同様に、HE−SIG−B2 304の第2のMCSは、第2の20MHzサブバンドチャネル324内でスケジュールされるSTAが、HE−SIG−B2 304の復号に成功する確率が許容可能である(例えば、90%)ように決定されるべきである。HE−SIG−B1 302に使用される第1のMCSまたはHE−SIG−B2 304に使用される第2のMCSは、第1の20MHzサブバンドチャネル322と第2の20MHzサブバンドチャネル324の両方においてスケジューリングされるSTAの一部分のみを考慮に入れるため、HE−SIG−B1 302に使用される第1のMCSおよびHE−SIG−B2 304に使用される第2のMCSのうちの1つは、最初の3つの実施形態で使用される共通のMCSよりもロバスト性を低くすることができる。最初の3つの実施形態と異なり、本開示の第4の実施形態によれば、HE−SIG−B1 302またはHE−SIG−B2 304のいずれのBCCブロックも再配置する必要がないことに留意されたい。
【0080】
本開示の第4の実施形態によれば、HE−SIG−Bシンボルの数を示すシグナリングに加えて、HE−SIG−A 110には、HE−SIG−B1 302に使用される第1のMCSおよびHE−SIG−B2 304に使用される第2のMCSを示すシグナリングが必要である。このようなシグナリングに基づいて、STAは2つのHE−SIG−Bチャネルフィールドを適切に復号することができる。
【0081】
本開示の第4の実施形態によれば、パディングビットを付加する前に、HE−SIG−B1 302がHE−SIG−B2 304よりもはるかに長い(すなわち、HE−SIG−B1 302が、HE−SIG−B2 304よりもはるかに多いユーザ固有サブフィールドを含む)場合、HE−SIG−B1 302に使用される第1のMCSは、HE−SIG−B2 304に使用される第2のMCSよりロバスト性を低く設定することができ、これにより、HE−SIG−Bシンボルの数が最小化される。したがって、制御シグナリングを通知するためのオーバーヘッドが低減され、チャネル効率が改善される。パディングビットを付加する前にHE−SIG−B2 304がHE−SIG−B1 302よりもはるかに長い場合、HE−SIG−B2 304に使用される第2のMCSは、HE−SIG−B1 302に使用される第1のMCSよりもロバスト性を低く設定することができ、これにより、HE−SIG−Bシンボルの数が最小になり、チャネル効率が改善される。HE−SIG−B2 304の長さがHE−SIG−B1 302と同程度である場合、HE−SIG−B1 302に使用される第1のMCSは、HE−SIG−B2 304に使用される第2のMCSと同じであるように設定することができる。
【0082】
図9は、本開示の第4の実施形態に係るCBW=40MHzの場合のHE−SIG−B 112のフォーマットの一例を示す。2つのHE−SIG−Bチャネルの各々は、共通フィールド910とユーザ固有フィールド950とを含む。
【0083】
図9が
図5〜
図8と同じリソース割り当てに基づいているとすると、HE−SIG−B1 302のユーザ固有サブフィールド数N
uss,1およびBCCブロックの数N
blk,1は、それぞれ14および7である。したがって、HE−SIG−B2 304のユーザ固有サブフィールド数N
uss,2およびBCCブロック数N
blk,2は、それぞれ6および3である。この例においてはパディングビットを付加する前にHE−SIG−B1 302がHE−SIG−B2 304よりもはるかに長いため、HE−SIG−B1 302に使用される第1のMCSは、HE−SIG−B2 304に使用される第2のMCSよりもロバスト性が低く設定され、これにより、HE−SIG−Bシンボルの数が最小になる。例えば、HE−SIG−B1 302に使用される第1のMCSは、VHT−MCS2に設定され、ここで、N
DBPS,1=78であり、HE−SIG−B2 304に使用される第2のMCSは、VHT−MCS1に設定され、ここで、N
DBPS,2=52である。
− 各共通フィールド910は、L
cf=22ビットの長さを有する、
− 各ユーザ固有サブフィールドは、L
uss=22ビットの長さを有し、かつ、2つのユーザ固有サブフィールドを含む各BCCブロックは、L
blk=54ビットの長さを有する、と仮定する。
【0084】
したがって、HE−SIG−Bシンボルの数N
symは6になり、これは以下によって計算することができる。
【0087】
言い換えれば、同じリソース割当に基づいて、第4の実施形態は、必要とするHE−SIG−Bシンボルを従来技術,第1の実施形態または第2の実施形態よりも少なくすることができる。
【0088】
本開示の第3の態様によれば、いくつかの特定のリソース割当については、2つのHE−SIG−Bチャネルフィールドの各々の共通フィールド(リソース割当シグナリングを含む)を無視することができ、これにより、HE−SIG−Bシンボルの数が最小化される。したがって、制御シグナリングを通知するためのオーバーヘッドが低減され、チャネル効率が改善される。
【0089】
<第5の実施形態>
本開示の第5の実施形態によれば、特定のタイプの単一のRU(例えばタイプIV RU)が第1の20MHzサブバンドチャネル322および第2の20MHzサブバンドチャネル324の各々にわたって割り当てられ、同じ数のユーザが第1の20MHzサブバンドチャネル322および第2の20MHzサブバンドチャネル324の各々においてスケジューリングされる場合、2つのHE−SIG−Bチャネルフィールドの各々はユーザ固有フィールドのみを含むことができ、これにより、HE−SIG−Bシンボルの数が最小になる。したがって、制御シグナリングを通知するためのオーバーヘッドが低減され、チャネル効率が改善される。
【0090】
図10は、本開示の第5の実施形態に係るCBW=40MHzの場合のHEパケット100のHE−SIG−B 112のフォーマットの一例を示す。この例では、6ユーザが多重化されたMU−MIMO送信に使用される単一のタイプIV RUが、第1の20MHzサブバンドチャネル322および第2の20MHzサブバンドチャネル324の各々にわたって割り当てられる。したがって、HE−SIG−B1 302およびHE−SIG−B2 304の各々は、ユーザ固有フィールド1050のみを含む。ユーザ固有サブフィールドの数N
ussおよびHE−SIG−BチャネルフィールドあたりのBCCブロックの数N
blkは、それぞれ6および3である。
− 各ユーザ固有サブフィールドは、L
uss=22ビットの長さを有し、2つのユーザ固有サブフィールドを含む各BCCブロックは、L
blk=54ビットの長さを有する、かつ
− HE−SIG−B 112に使用されるMCSは、N
DBPS=52であるVHT−MCS1である、と仮定する。
【0091】
したがって、HE−SIG−Bシンボルの数N
symは4であり、これは以下によって計算することができる。
【0094】
本開示の第5の実施形態によれば、HE−SIG−Bシンボルの数およびHE−SIG−B 112に使用されるMCSを示すシグナリングに加えて、特定のタイプの単一のRUが第1の20MHzサブバンドチャネル322および第2の20MHzサブバンドチャネル324の各々にわたって割り当てられ、同じ数のユーザが第1の20MHzサブバンドチャネル322および第2の20MHzサブバンドチャネル324の各々においてスケジューリングされる特定のリソース割当の存在を示すシグナリングが、HE−SIG−A 110内に必要とされる。このようなシグナリングに基づいて、STAはHE−SIG−B 112を適切に復号することができる。
【0095】
本開示の第5の実施形態によれば、2つのHE−SIG−Bチャネル内にリソース割当シグナリングが存在しないため、STAは、HE−SIG−Bチャネルフィールドあたりのユーザ固有サブフィールドの数N
ussを決定できない場合がある。HE−SIG−BシンボルN
symの数、HE−SIG−B 112に使用されるMCS、およびαの値が与えられると、HE−SIG−Bチャネルフィールドあたりのユーザ固有サブフィールドの数は、以下によって決定することができる。
【0098】
言い換えれば、STAがHE−SIG−Bチャネルフィールド当たりのユーザ固有サブフィールドの数N
ussを決定するのを支援する目的で、HE−SIG−A 110において、α
iの値を示すために(すなわち、HE−SIG−Bチャネルフィールド毎に偶数個のユーザ固有サブフィールドが存在するか否か、または等価的に、第1の20MHzサブバンドチャネル322および第2の20MHzサブバンドチャネル324の各々において偶数のユーザがスケジューリングされているか否かを示すために)シグナリングが必要とされ得る。
【0099】
<第6の実施形態>
本開示の第6の実施形態によれば、第1の20MHzサブバンドチャネル322および第2の20MHzサブバンドチャネル324をカバーする40MHz帯域幅全体がMU−MIMO送信に割り当てられる場合、2つのHE−SIG−Bチャネルフィールドの各々は、ユーザ固有フィールドのみを含むことができる。さらに、ユーザ固有サブフィールドは、効率的な負荷平衡のために2つのHE−SIG−Bチャネルフィールド間で公平に分割される。より詳細には、Kユーザが多重化されたMU−MIMO送信の場合、最初の
【数20】
個のユーザ固有サブフィールドがHE−SIG−B1 302内に存在し、残りの
【数21】
個のユーザ固有サブフィールドがHE−SIG−B2 304内に存在する。その結果、HE−SIG−Bシンボルの数が最小限に抑えられ、したがって、制御シグナリングを通知するためのオーバーヘッドが低減され、チャネル効率が改善される。
【0100】
図11は、本開示の第6の実施形態に係るCBW=40MHzの場合のHEパケット100のHE−SIG−B 112のフォーマットの一例を示す。この例では、第1の20MHzサブバンドチャネル322と第2の20MHzサブバンドチャネル324の両方をカバーする40MHz帯域幅全体が、7ユーザが多重化されたMU−MIMO送信に割り当てられる。したがって、HE−SIG−B1 322およびHE−SIG−B2 304の各々は、ユーザ固有フィールド1150のみを含む。HE−SIG−B1 302のユーザ固有サブフィールド数N
uss,1およびBCCブロック数N
blk,1は、それぞれ4および2である。HE−SIG−B2 304のユーザ固有サブフィールド数N
uss,2およびBCCブロック数N
blk,2は、それぞれ3および2である。
− 各ユーザ固有サブフィールドは、L
uss=22ビットの長さを有し、2つのユーザ固有サブフィールドを含む各BCCブロックは、L
blk=54ビットの長さを有する、かつ
− HE−SIG−B 112に使用されるMCSは、N
DBPS=52であるVHT−MCS1である、と仮定する。
【0101】
したがって、HE−SIG−Bシンボルの数N
symは3であり、これは以下によって計算することができる。
【0104】
本開示の第6の実施形態によれば、HE−SIG−Bシンボルの数およびHE−SIG−B 112に使用されるMCSを示すシグナリングに加えて、MU−MIMO送信のためにチャネル帯域幅全体が割り当てられる特定のリソース割当の存在を示すシグナリングが、HE−SIG−A 110において必要とされる。このようなシグナリングに基づいて、STAはHE−SIG−B 112を適切に復号することができる。
【0105】
本開示の第6の実施形態によれば、2つのHE−SIG−Bチャネル内にリソース割当シグナリングが存在しないため、STAは、HE−SIG−B1 302におけるユーザ固有サブフィールド数N
uss,1およびHE−SIG−B2 304内のユーザ固有サブフィールド数N
uss,2の数を決定できない場合がある。HE−SIG−BシンボルN
symの数、HE−SIG−B 112に使用されるMCS、およびαの値が与えられると、HE−SIG−B1 302内のユーザ固有サブフィールドN
uss,1の数は、以下の式(20)によって決定することができる。
【0108】
HE−SIG−B2 304内のユーザ固有サブフィールドの数N
uss,2は、以下の式(22)によって決定することができる。
【0111】
言い換えれば、STAがHE−SIG−B1 302内のユーザ固有サブフィールドの数N
uss,1およびHE−SIG−B2 304内のユーザ固有サブフィールドの数N
uss,2を決定するのを支援する目的で、HE−SIG−A 110において、αの値を示すために(すなわち、HE−SIG−B1 302内に偶数個のユーザ固有サブフィールドが存在するか否かを示すために)、および、βの値を示すために(すなわち、HE−SIG−B1 302とHE−SIG−B2 304の両方の中に等しい数のユーザ固有サブフィールドが存在する否かを示すために)シグナリングが必要とされ得る。代替的に、HE−SIG−A 110において、MU−MIMO送信内で多重化されているユーザの数を4で除算した余りを示すために、シグナリングが必要とされ得る。0に等しい余りは、α=0かつβ=0を意味する。1に等しい余りは、α=1かつβ=1を意味する。2に等しい余りは、α=1かつβ=0を意味する。3に等しい余りは、α=0かつβ=1を意味する。
【0112】
<HE−SIG−AにおけるHE−SIG−B関連シグナリングフィールド>
提案されているIEEE802.11ax暫定仕様書[非特許文献5参照]によれば、表2に示されるHE−SIG−A110内のシグナリングフィールドは、HE−SIG−B112に関する必要な情報を提供する。
【0114】
提案されているIEEE 802.11ax暫定仕様書[非特許文献 5参照]によれば、DCM(デュアルサブキャリア変調(Dual sub−Carrier Modulation))は、MCS0、MCS1、MCS3およびMCS4にのみ適用可能である。
【0115】
提案されているIEEE 802.11ax暫定仕様書[非特許文献5参照]によれば、全帯域MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数は最大8である。
【0116】
提案されているIEEE802.11ax暫定仕様書[非特許文献5参照]によれば、HE−SIG−B112内の各ユーザ固有サブフィールドのビット長は21であり、HE−SIG−B112内の単一のユーザ固有サブフィールドを含む各BCCブロックのビット長は31であり、そして、HE−SIG−B112内の2つのユーザ固有サブフィールドを含むBCCブロックのビット長は52で、これはHE−SIG−Bシンボルあたりのデータサブキャリアの数とまったく同じである。
【0117】
<第7の実施形態>
本開示の第7の実施形態は、全帯域幅MU−MIMO送信の場合に第6の実施形態とまったく同じ圧縮HE−SIG−B構造を採用する。しかしながら、第7の実施形態は、圧縮HE−SIG−B112に対するHE−SIG−A110において、第6の実施形態とは異なるシグナリングサポートを指定する。
【0118】
表3に示すように、圧縮HE−SIG−B112について、HE−SIG−Bシンボルの数は、HE−SIG−B112のために使用されるMCS、および、HE−SIG−B112内のユーザ固有サブフィールドの数N
SSS,1に等しい全帯域幅MU−MIMO送信の空間多重化ユーザの数に依存することに留意されたい。表3から、圧縮HE−SIG−B112のHE−SIG−Bシンボルの最大数は8であることが分かる。結果として、圧縮HE−SIG−B112のHE−SIG−Bシンボルの数を示すには、HE−SIG−A110内の4ビットSIGBシンボル数フィールドのうち3ビットで十分であり、したがって、HE−SIG−A110内の4ビットSIGBシンボル数フィールドの残りの1ビットは、他の目的のために使用することができる。また、表3から、MCS2、MCS4およびMCS5は、圧縮HE−SIG−B112には必要でない場合があることも分かる。これは、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数が同じである場合、DCMが適用されるMCS4は、DCMが適用されるMCS3と同じ数のHE−SIG−Bシンボルを必要とし、DCMが適用されないMCS4またはMCS5は、DCMが適用されないMCS3と同じ数のHE−SIG−Bシンボルの数を必要とし、MCS2はDCMが適用されないMCS1と同じ数のHE−SIG−Bシンボルを必要とするためである。結果として、圧縮HE−SIG−B112に使用されるMCSを示すには、HE−SIG−A110内の3ビットSIGB MCSフィールドのうち2ビットで十分であり、したがって、HE−SIG−A110内の3ビットSIGB MCSフィールドの残りの1ビットは、他の目的のために使用することもできる。
【0120】
本開示の第7の実施形態によれば、HE−SIG−A 110のSIGB圧縮フィールドが1に設定されるときに、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を示すために、3ビットシグナリングがHE−SIG−A110内で搬送される。
【0121】
一実施形態では、3つのシグナリングビットのうちの1つが、HE−SIG−A110内の4ビットSIGBシンボル数フィールドの所定ビット、例えばMSB(最上位ビット)を再利用する。一実施形態では、3つのシグナリングビットのうちの1つが、HE−SIG−A110内の3ビットSIGB MCSフィールドの所定ビット、例えばMSBを再利用する。いずれの場合も、HE−SIG−A110において2つの追加のシグナリングビットしか必要とされない。これによって、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数をHE−SIG−A110内で直接シグナリングすることと比較して、1つのシグナリングビットが節約される。例えば、表4に示すように、HE−SIG−A110内の4ビットのSIGBシンボル数フィールドのMSBが再利用されて、HE−SIG−B1 302とHE−SIG−B2 304の両方に等しい数のユーザ固有サブフィールドがあるか否かが示される。2つの追加のシグナリングビットが、HE−SIG−B1 302内のユーザ固有サブフィールドの数(すなわち、N
uss,1)を示すために使用される。受信部は、以下の式(24)によって、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を決定することができる。
【0123】
ここで、HE−SIG−B1 302とHE−SIG−B2 304の両方が同じ数のユーザ固有サブフィールドを有する場合、βはゼロに等しい。その他の場合、βは1に等しい。
【0125】
一実施形態では、3つのシグナリングビットのうちの2つが、HE−SIG−A110内の4ビットSIGBシンボル数フィールドの所定のビット、例えばMSBと、HE−SIG−A 110内の3ビットSIGB MCSフィールドの所定のビット、例えばMSBの両方を再使用する。この場合、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を示すために、HE−SIG−A110において、1つのみの追加のシグナリングビットが必要とされる。これによって、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数をHE−SIG−A110内で直接シグナリングすることと比較して、2つのシグナリングビットが節約される。例えば、HE−SIG−A110内の4ビットのSIGBシンボル数フィールドのMSBが再利用されて、HE−SIG−B1 302とHE−SIG−B2 304の両方に等しい数のユーザ固有サブフィールドがあるか否かが示される。HE−SIG−A110内の3ビットSIGB MCSフィールドのMSBは、HE−SIG−B1 302内のBCCブロックの数N
blk,1が1または2であるかを示すために再利用される。HE−SIG−B1 302内の最後のBCCブロックが単一のユーザ固有サブフィールドまたは2つのユーザ固有サブフィールドを含むかを示すために、1つの追加のシグナリングビットが使用される。受信部は、以下の式(24)によって、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を決定することができる。
【0127】
ここで、HE−SIG−B1 302の最後のBCCブロックが2つのユーザ固有サブフィールドを含む場合、αはゼロに等しい。その他の場合、αは1に等しい。HE−SIG−B1 302とHE−SIG−B2 304の両方が同じ数のユーザ固有サブフィールドを有する場合、βはゼロに等しい。その他の場合、βは1に等しい。
【0128】
<第8の実施形態>
本開示の第8の実施形態は、全帯域幅MU−MIMO送信の場合に第6の実施形態とまったく同じ圧縮HE−SIG−B構造を採用する。しかしながら、第8の実施形態は、圧縮HE−SIG−B112に対するHE−SIG−A110において、第6の実施形態とは異なるシグナリングサポートを指定する。
【0129】
本開示の第8の実施形態によれば、HE−SIG−Bモード(すなわち、HE−SIG−B112が圧縮されているか否か)と、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数をともに示すために、HE−SIG−A110内のSIGB圧縮フィールドのビット長が1ビットから3ビットに拡張される。シグナリング符号化の例を表5に示す。結果として、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を示すために、HE−SIG−A110において、2つのみの追加のシグナリングビットが必要とされる。これによって、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数をHE−SIG−A110内で直接シグナリングすることと比較して、1つのシグナリングビットが節約される。
【0131】
<第9の実施形態>
本開示の第9の実施形態は、全帯域幅MU−MIMO送信の場合に第6の実施形態とまったく同じ圧縮HE−SIG−B構造を採用する。しかしながら、第9の実施形態は、圧縮HE−SIG−B112に対するHE−SIG−A110において、第6の実施形態とは異なるシグナリングサポートを指定する。
【0132】
表3から、HE−SIG−Bシンボルの数(すなわち、N
sym)と全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数(すなわち、N
uss)との間のすべての組合せが可能であるとは限らないことが分かる。より詳細には、N
uss=2の場合、HE−SIG−Bシンボルの可能な数は1,2または3である。N
uss=3または4の場合、HE−SIG−Bシンボルの可能な数は1,2または4である。N
uss=5または6の場合、HE−SIG−Bシンボルの可能な数は1,2,4または7である。N
uss=7または8の場合、HE−SIG−Bシンボルの可能な数は1,2,4または8である。まとめると、HE−SIG−Bシンボルの数と全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数との間には、合計で25の可能な組合せが存在する。言い換えれば、HE−SIG−Bシンボルの数と全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数との間の25の可能な組合せをシグナリングするには、5ビットで十分である。
【0133】
本開示の第9の実施形態によれば、HE−SIG−A110内のSIGB圧縮フィールドが1に設定されているとき、HE−SIG−Bシンボルの数と、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を併せてシグナリングするために、HE−SIG−A110内のSIGBシンボル数フィールドのビット長が4ビットから5ビットに拡張される。シグナリング符号化の例を表6に示す。結果として、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を示すために、HE−SIG−A110において、1つのみの追加のシグナリングビットが必要とされる。これによって、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数をHE−SIG−A110内で直接シグナリングすることと比較して、2つのシグナリングビットが節約される。
【0134】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【0135】
<第10の実施形態>
本開示の第10の実施形態は、全帯域幅MU−MIMO送信の場合に第6の実施形態とまったく同じ圧縮HE−SIG−B構造を採用する。しかしながら、第10の実施形態は、圧縮HE−SIG−B112に対するHE−SIG−A110において、第6の実施形態とは異なるシグナリングサポートを指定する。
【0136】
表3から、圧縮HE−SIG−B112には、MCS2、MCS4、MCS5は不要であり得るため、HE−SIG−B112に対するDCMの適用有無、HE−SIG−B112のMCS、HE−SIG−Bシンボルの数および全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数の間の組合わせの総数は42である。換言すれば、圧縮HE−SIG−B112については、HE−SIG−B112に対するDCMの適用有無、HE−SIG−B112のMCS、HE−SIG−Bシンボルの数および全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を示すには、6ビットで十分である。
【0137】
本開示の第10の実施形態によれば、HE−SIG−B112に対するDCMの適用可能性、HE−SIG−B112のMCS、HE−SIG−Bシンボルの数および全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数は、HE−SIG−A110における8ビットシグナリングを使用して併せて示される。HE−SIG−A110のSIGB圧縮フィールドが0に設定されるとき、表2に示すように、8ビットシグナリングの最初の3ビットは、HE−SIG−B12のMCSを示すために使用され、8ビットシグナリングの次の1ビットは、DCMがHE−SIG−B112に適用されるか否かを示すために使用され、8ビットシグナリングの最後の4ビットは、HE−SIG−Bシンボルの数を示すために使用される。HE−SIG−A110のSIGB圧縮フィールドが1に設定されるとき、HE−SIG−B112に対するDCMの適用有無、HE−SIG−B112のMCS、HE−SIG−Bシンボルの数および全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を併せて示すために、8ビットシグナリングが使用される。この場合、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を示すために、HE−SIG−A110において、追加のシグナリングビットは必要とされない。
【0138】
本開示によれば、全帯域幅MU−MIMO圧縮HE−SIG−B112について、全帯域幅MU−MIMO送信において限られた数(すなわち、最大8)の空間多重化ユーザを利用することと、ユーザ固有サブフィールドはHE−SIG−B1 302とHE−SIG−B2 304との間で公平に分散されることを利用して、HE−SIG−Bモード、HE−SIG−B112に対するDCMの適用有無、HE−SIG−B112のMCSおよびHE−SIG−Bシンボルの数のようなHE−SIG−B関連シグナリングのうちの1つまたは複数は、圧縮HE−SIG−B112の全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を示すのに必要とされる追加のシグナリングビットを低減する目的で、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数とともにシグナリングすることができる。
【0139】
<第11の実施形態>
本開示の第11の実施形態は、全帯域幅MU−MIMO送信の場合に第6の実施形態とまったく同じ圧縮HE−SIG−B構造を採用する。しかしながら、第11の実施形態は、圧縮HE−SIG−B112に対するHE−SIG−A110において第6の実施形態とは異なるシグナリングサポートを指定する。
【0140】
本開示の第11の実施形態によれば、HE−SIG−A110内のSIGB圧縮フィールドが1に設定されているとき、HE−SIG−Bシンボルの数の代わりに、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数をシグナリングするために、HE−SIG−A110内のSIGBシンボル数フィールドが使用される。シグナリング符号化の例を表7に示す。結果として、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数を示すために、HE−SIG−A110において、追加のシグナリングビットは必要とされない。これによって、全帯域幅MU−MIMO送信における空間多重化ユーザの数をHE−SIG−A110内で直接シグナリングすることと比較して、3つのシグナリングビットが節約される。
【0142】
本開示の第11の実施形態によれば、HE−SIG−A110内のSIGB圧縮フィールドが1に設定されているとき、表3に示すように、HE−SIG−Bシンボルの数は、HE−SIG−A110内のSIGB MCSフィールド、SIGB DCMフィールドおよびSIGBシンボル数フィールドの値に従って計算することができる。
【0143】
<HE−SIG−AシグナリングフィールドおよびHE−SIG−Bシグナリングフィールド>
IEEE802.11ax仕様フレームワーク文書[非特許文献6参照]によれば、表7に示すようなHE−SIG−B関連シグナリングフィールドに加えて、HE−SIG−A110は、HEパケットはDLまたはUL向けに意図されているかを示す、UL/DLフィールドを含む。
【0144】
IEEE802.11ax仕様フレームワーク文書[非特許文献6参照]によれば、表8に示すように、HE−SIG−Bの共通ブロックフィールドは、1つまたは複数の8ビットRU割当シグナリングサブフィールドを含み、その各々が、周波数ドメインにおけるRU構成、MU−MIMOに割り当てられているRUおよびMU−MIMO割当におけるユーザ数のような、20MHzパケット帯域幅あたりのRU割当情報を示す。例えば、RU割当インデックス「00101000」は、SU−MIMO送信用に割り当てられた以下の5つのRUを含む、周波数ドメインにおける特定のRU構成を示す。
− 第1の26トーンRU(すなわち、タイプI RU)。
− 第2の26トーンRU(すなわち、タイプI RU)。
− 第3および第4の26トーンRUをカバーする52トーンRU(すなわち、タイプII RU)。
− 第5の26トーンRU(すなわち、タイプI RU)
− 第6、第7、第8および第9の26トーンRUをカバーする106トーンRU(すなわち、タイプIII RU)。
【0146】
本開示によれば、DL MU送信に加えて、HEパケットは、DLまたはUL SU部分帯域送信にも使用され得る。
図14は、本開示に係るSU部分帯域送信に使用されるHEパケットのフォーマットの一例を示す。SU部分帯域送信に関して、L−STF102、L−LTF104、L−SIG106、RL−SIG108、HE−SIG−A110およびHE−SIG−B112を含むHEパケットのpre−HE−STF部分は、20MHz帯域幅を介して送信され、一方、HE−STF114、HE−LTF116およびHEデータフィールド120は、20MHz未満の帯域幅を有する単一の26トーンRU、52トーンRUまたは106トーンRU内で送信される。
図14のHEパケットを使用するSU部分帯域送信がプライマリ20MHzチャネルにない場合、非プライマリ20MHzチャネルでキャリア検知が実行されない場合があるため、そのようなSU部分帯域送信を保護するために追加の送信規則が必要とされる。例えば、プライマリ20MHzチャネルにないHEパケットを使用するSU部分帯域送信は、先行するRTS/CTSメッセージ交換を伴う。
【0147】
<第12の実施形態>
本開示の第12の実施形態によれば、単一の26トーンRU、52トーンRUまたは106トーンRU内のDLまたはUL SU部分帯域送信について、
図14のHEパケットのHE−SIG−B112内のRU割当インデックスは、RU割当インデックスによって指定されるRU構成に対応するHE−SIG−B112内のユーザ固有サブフィールドの数が可能な限り小さくなるように割り当てられるべきである。その結果、SU部分帯域送信のHE−SIG−Bオーバーヘッドが最小化される。
【0148】
表9は、本開示の第12の実施形態に従って単一の26トーンRU、52トーンRUまたは106トーンRUがSU部分帯域送信に割り当てられるときにRU割当インデックスがどのように割り当てられるかを示す。例えば、第1または第2の26トーンRU内のSU部分帯域送信について、すべての可能なRU構成の間で最小である5つのユーザ固有サブフィールドしか必要とされないため、RU割当インデックスは“00101000”に設定されるべきである。同様に、第5の26トーンRU内のSU部分帯域送信について、すべての可能なRU構成の間で最小である3つのユーザ固有サブフィールドしか必要とされないため、RU割当インデックスは“10000000”に設定されるべきである。
【0150】
図15は、本開示の第12の実施形態による第1の26トーンRU内のSU部分帯域送信に使用される、
図14のHEパケットのHE−SIG−B112のフォーマットの一例を示す。この場合、RU割当インデックスは“00101000”に設定され、第1のユーザ固有サブフィールドのみが意味を持ち、一方、他の4つのユーザ固有サブフィールドはAID(すなわちSTA識別子)=2046でダミーである。表10は、本開示の第12の実施形態による第1の26トーンRU内のSU部分帯域送信に使用される、
図14のHEパケットのHE−SIG−Bシンボルの数を示す。
【0152】
<第13の実施形態>
本開示の第13の実施形態によれば、表8に示されるRU割当シグナリング表内の15個の予備エントリの各々が、SU部分帯域送信に割り当てられた特定の26トーンRU、52トーンRUまたは106トーンRUを示すために使用される。
【0153】
表11は、本開示の第13の実施形態によるHEパケット100のHE−SIG−B112におけるRU割当シグナリングを示す。特に、RU割当インデックス11100000〜11101110は、SU部分帯域送信に割り当てられる特定の26トーンRU、52トーンRUまたは106トーンRUを示すために使用される。例えば、RU割当インデックス「11100000」は、SU部分帯域送信に割り当てられる第1の26トーンRUを示すために使用され、RU割当インデックス「11101001」は、SU部分帯域送信に割り当てられる第1および第2の26トーンRUをカバーする第1の52トーンRUを示すために使用される。
【0154】
本開示の第13の実施形態によれば、表11に示されるように、HE−SIG−B112内の8ビットRU割当シグナリングサブフィールドは、2つ以上の26トーンRU、52トーンRUおよび/または106トーンRUだけでなく、単一の26トーンRU、52トーンRU、または106トーンRUをも指定することができる。
【0156】
図16は、本開示の第13の実施形態による第1の26トーンRU内のSU部分帯域送信に使用される、
図14のHEパケットのHE−SIG−B112のフォーマットの一例を示す。表11に示すHE−SIG−B112の8ビットRU割当シグナリングサブフィールドは、特定の26トーンRU、52トーンRUまたは106トーンRUを示すことができるため、単一のユーザ固有サブフィールドのみがHE−SIG−B112内に必要とされ、HE−SIG−B112にダミーのユーザ固有サブフィールドは存在しない。表12は、本開示の第13の実施形態による第1の26トーンRU内のSU部分帯域送信に使用される、HEパケット100のHE−SIG−Bシンボルの数を示す。第12の実施形態と比較して、第13の実施形態のHE−SIG−Bオーバーヘッドは、特にMCS0、MCS1、MCS2またはMCS3がHE−SIG−B112に適用された場合に顕著に低減される。
【0158】
<第14の実施形態>
本開示の第14の実施形態によれば、SU部分帯域送信について、
図14のHEパケットのHE−SIG−B112におけるRU割当シグナリングは、2つ以上の26トーンRU、52トーンRUおよび/または106トーンRUを含むRU構成の代わりに、単一の26トーンRU、52トーンRU 106トーンRUを示すために使用される。その結果、本開示の第13の実施形態と同様に、HE−SIG−B112には、単一のユーザ固有サブフィールドのみが必要とされる。表12に示すように、第12の実施形態と比較して、第14の実施形態のHE−SIG−Bオーバーヘッドは、特にMCS0、MCS1、MCS2またはMCS3がHE−SIG−B112に適用された場合に顕著に低減される。
【0159】
本開示の第14の実施形態によれば、トリガフレーム(非特許文献6を参照)のPer User Info(ユーザ別情報)フィールド内の既存の8ビットRU割当シグナリングサブフィールドを使用して、単一の26トーンRU、52トーンRU、または106トーンRUを示すことができる。8ビットRU割当シグナリングの最初のビットは、割り当てられたRUがプライマリまたは非プライマリ80MHzチャネルに位置していることを示す。後続の7ビットRU割当インデックスの割り当てられるRUへのマッピングが、表13に示されている。例えば、RU割当インデックス「00000000」は、SU部分帯域送信に対して、プライマリ80MHzチャネルの最初の26トーンRUが割り当てられていることを示す。
【0161】
トリガベースのUL MU送信は、IEEE 802.11ax(非特許文献6参照)の任意選択の機能であることに留意されたい。STAがトリガベースのUL MU送信を実装することを意図する場合、トリガフレームのPer User Infoフィールド内の8ビットRU割当シグナリングを使用することによって、追加の実装が複雑になることはない。しかしながら、STAがトリガベースのUL MU送信を実装しないことを意図する場合、トリガフレームのPer User Infoフィールド内の8ビットRU割当シグナリングを使用することによって、追加の実装が複雑になる。
【0162】
本開示の第14の実施形態によれば、代替的な4ビットRU割当シグナリングを使用して、単一の26トーンRU、52トーンRUまたは106トーンRUを示すことができる。4ビットRU割当インデックスのRU割当へのマッピングが、表14に定義されている。例えば、RU割当インデックス「0000」は、SU部分帯域送信に対して、20MHz内の最初の26トーンRUが割り当てられていることを示す。
【0164】
STAがトリガベースのUL MU送信を実装しないことを意図する場合、表14に示される代替的な4ビットRU割当シグナリングサブフィールドは、表13に示される8ビットRU割当シグナリングよりも実装が複雑でない。これは、前者が必要とするルックアップテーブルが後者よりも小さいためである。
【0165】
本開示の第14の実施形態によれば、送信側STAが、HEパケットを使用した受信側STAとの、単一の26トーンRU、52トーンRUまたは106トーンRU内でのSU部分帯域送信に関与しようとしているとき、送信側STAは、受信側STAの能力に基づいて、HEパケットのHE−SIG−B112において、表13に示すような8ビットRU割当シグナリングが使用されるか、または、表14に示すような代替的な4ビットRU割当シグナリングサブフィールドが使用されるかを判定することができる。受信側STAがトリガベースUL MU送信をサポートする場合、送信側STAは表13に示すような8ビットRU割当シグナリングを使用する。それ以外の場合、送信側STAは、表14に示すように代替的な4ビットRU割当シグナリングサブフィールドを使用する。その結果、実装の複雑さが最小限に抑えられる。
【0166】
本開示の第14の実施形態によれば、送信側STAが、HEパケットを使用した受信側STAとの、単一の26トーンRU、52トーンRUまたは106トーンRU内でのSU部分帯域送信に関与しようとしているとき、表13に示すような8ビットRU割当シグナリングサブフィールドまたは表14に示すような代替的な4ビットRU割当シグナリングサブフィールドがHEパケットのHE−SIG−B112において使用される。それ以外の場合、表8に示すような8ビットRU割当シグナリングサブフィールドが使用され得る。結果として、HEパケットのHE−SIG−B112においていずれのRU割当シグナリングサブフィールドが使用されているかを受信側STAが知るためには、HEパケットのHE−SIG−A110における追加のシグナリングサポートが必要である。
【0167】
表15は、本開示の第14の実施形態によるHEパケットのHE−SIG−A 110内のHE−SIG−B関連シグナリングフィールドを示す。HE−SIG−AのSIGB圧縮フィールドは、HE−SIG−B圧縮が有効化されているか否かを示すために再利用される。HE−SIG−B圧縮が有効化されている場合、HE−SIG−A110のSIGBシンボル数フィールドの最後のビットは、全帯域幅MU−MIMOのHE−SIG−B圧縮が有効化されているか、または、SU部分帯域送信のためのHE−SIG−B圧縮が有効化されているかを示すために使用される。HE−SIG−A110内のSIGB圧縮フィールドとSIGBシンボル数フィールドの両方が、SU部分帯域送信のHE−SIG−B圧縮が有効化されていることを示す場合、表13に示すような8ビットRU割当シグナリングサブフィールドまたは表14に示すような代替的な4ビットRU割当シグナリングサブフィールドがHE−SIG−B112において使用される。HE−SIG−A110のSIGB圧縮フィールドおよびSIGBシンボル数フィールドの両方が、全帯域幅MU−MIMOのためのHE−SIG−B圧縮が有効化されていることを示す場合、本発明の第6〜第11の実施形態に係るHE−SIG−B112内にRU割当シグナリングサブフィールドはない。それ以外の場合、表8に示すような8ビットRU割当シグナリングがHE−SIG−B112において使用され得る。その結果、受信側STAは、HEパケットのHE−SIG−A110のSIGBシンボル数フィールドおよびSIGB圧縮フィールドに基づいて、いずれのRU割当シグナリングがHEパケットのHE−SIG−B112内で使用されているかを知ることができる。さらに、本開示の第11の実施形態に係る表7のHE−SIG−AにおけるHE−SIG−B関連シグナリングフィールドと比較して、追加のHE−SIG−Aシグナリングビットは、本開示の第14の実施形態には必要とされない。
【0169】
表16は、UL SU部分帯域送信のみがサポートされる場合の、本開示の第14の実施形態によるHEパケットのHE−SIG−A110内のHE−SIG−B関連シグナリングフィールドを示す。HE−SIG−A110内のSIGB圧縮フィールドが、HE−SIG−A110内のUL/DLフィールドとともに、全帯域幅MU−MIMOのHE−SIG−B圧縮が有効化されているか、または、SU部分帯域送信のためのHE−SIG−B圧縮が有効化されているかを示すために使用される。HE−SIG−A110内のUL/DLフィールドとSIGB圧縮フィールドの両方が、SU部分帯域送信のHE−SIG−B圧縮が有効化されていることを示す場合、表13に示すような8ビットRU割当シグナリングまたは表14に示すような代替的な4ビットRU割当シグナリングがHE−SIG−B112において使用される。HE−SIG−A110のUL/DLフィールドとSIGB圧縮フィールドの両方が、全帯域幅MU−MIMOのためのHE−SIG−B圧縮が有効化されていることを示す場合、本発明の第6〜第11の実施形態に係るHE−SIG−B112内にRU割当シグナリングはない。それ以外の場合、表8に示すような8ビットRU割当シグナリングがHE−SIG−B112において使用され得る。その結果、受信側STAは、HEパケット100のHE−SIG−A110のUL/DLフィールドおよびSIGB圧縮フィールドに基づいて、いずれのRU割当シグナリングがHEパケット100のHE−SIG−B112内で使用されているかを知ることができる。さらに、本開示の第11の実施形態に係る表7のHE−SIG−AにおけるHE−SIG−B関連シグナリングフィールドと比較して、追加のHE−SIG−Aシグナリングビットは、UL SU部分帯域送信のみがサポートされる場合の本開示の第14の実施形態には必要とされない。
【0171】
<アクセスポイントの構成>
図12は、本開示に係るAPの構成例を示すブロック図である。APは、コントローラ1202と、スケジューラ1204と、メッセージ生成部1208と、メッセージプロセッサ1206と、PHYプロセッサ1210と、アンテナ1212とを備える。アンテナ1212は、1つのアンテナポートまたは複数のアンテナポートの組合せで構成することができる。コントローラ1202は、MACプロトコルコントローラであり、一般的なMACプロトコル動作を制御する。DL送信の場合、スケジューラ1204は、STAからのチャネル品質指標(CQI:channel quality indicator)に基づいてコントローラ1202の制御下で周波数スケジューリングを実行し、STAのデータをRUに割り当てる。また、スケジューラ1204は、リソース割当結果をメッセージ生成部1208に出力する。メッセージ生成部1208は、対応する制御シグナリング(すなわち、共通制御情報、リソース割当情報、およびユーザ別割当情報)およびスケジュールされているSTAのデータを生成し、これらは、PHYプロセッサ1210によってHEパケットに形成され、アンテナ1212を介して送信される。制御シグナリングは、上述の実施形態に従って構成することができる。他方、メッセージプロセッサ1206は、アンテナ1212を通じてSTAから受信したCQIを、コントローラ1202の制御の下で分析し、スケジューラ1204およびコントローラ1202に提供する。これらのCQIは、STAから通知されている受信品質情報である。CQIは、「CSI」(チャネル状態情報(Channel State Information))と呼ばれることもある。
【0172】
<STAの構成>
図13は、本開示に係るSTAの構成例を示すブロック図である。STAは、コントローラ1302と、メッセージ生成部1304と、メッセージプロセッサ1306と、PHYプロセッサ1308と、アンテナ1310とを備える。コントローラ1302は、MACプロトコルコントローラであり、一般的なMACプロトコル動作を制御する。アンテナ1310は、1つのアンテナポートまたは複数のアンテナポートの組合せで構成することができる。DL送信の場合、アンテナ1310は、HEパケットを含む下りリンク信号を受信し、メッセージプロセッサ1306は、受信したHEパケットに含まれる制御シグナリングから、その指定されたRUおよびその特定の割当情報を特定し、その特定の割当情報に従ってその指定されたRUにおいて受信HEパケットからその特定のデータを復号する。HEパケットに含まれる制御シグナリングは、上述の実施形態に従って構成することができる。メッセージプロセッサ1306は、アンテナ1310を介して受信したHEパケットからチャネル品質を推定し、コントローラ1302に提供する。メッセージ生成部1304はCQIメッセージを生成し、CQIメッセージは、PHYプロセッサ1308によって形成され、アンテナ1310を介して送信される。
【0173】
上記実施形態では、本発明を、例としてハードウェアで構成したが、本発明はまた、ハードウェアと協働するソフトウェアによって提供されてもよい。
【0174】
加えて、本実施形態の説明に用いた機能ブロックは、一般的には、集積回路であるLSIデバイスとして実現される。機能ブロックは、個々のチップとして形成されてもよいし、または、機能ブロックの一部もしくは全部が単一チップに集積されてもよい。ここでは「LSI」という用語を用いているが、集積度に応じて、「IC」、「システムLSI」、「スーパーLSI」または「ウルトラLSI」という用語も使用されてもよい。
【0175】
また、回路集積は、LSIに限らず、LSI以外の専用回路または汎用プロセッサによって実現してもよい。LSIの製造後、プログラム可能であるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、またはLSI内の回路セルの接続および設定の再構成を可能にする再構成可能プロセッサを用いてもよい。
【0176】
LSIに置き換わる集積回路技術が、半導体技術またはその技術に由来する他の技術の進歩の結果として現れた場合、そのような技術を用いて機能ブロックが統合されてもよい。別の可能性は、バイオテクノロジーなどの応用である。