(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ノズル部は、前記気体の流れ方向における前記シャボン膜形成部と前記放出口との間に、該放出口に向かって該流れ方向と直交する方向に沿う断面が漸次拡大するスカート部を有している、請求項5に記載のシャボン玉生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のシャボン玉生成装置を、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の一実施形態であるシャボン玉生成装置1を示す。シャボン玉生成装置1は、
図1に示すように、ノズル部3と、シャボン液供給部Aと、気体供給部Bと、制御部2とを備えている。
【0012】
本実施形態におけるシャボン玉生成装置1の概要を説明する。ノズル部3は、シャボン液と気体を使用してシャボン玉10を形成する。具体的には、
図4及び
図5に示すように、シャボン玉10に封入する気体が導入される導入口31、形成したシャボン玉10を放出する放出口32、及び導入口31と放出口32との間にシャボン液からなるシャボン膜を形成するシャボン膜形成部35を有している。ノズル部3は、導入口31と連通しシャボン膜形成部35に向かって気体が流れる気体流路34aと、シャボン膜形成部35に向かってシャボン液が流れる液流路34bとを有している。液流路34bは、気体流路34aと交差するように形成されており、気体流路34aにおいて液流路34bよりも下流側にシャボン膜形成部35が形成されている。導入口31及び放出口32間は、気体流路34a及び後述するスカート部37を介して連通しており、該導入口31から導入された気体が放出口32へ通過可能となっている。即ち、気体流路34a及びスカート部37が放出口32に向かって流れる気体の流路をなしており、シャボン膜形成部35は、該流路に形成されている。ノズル部3では、シャボン膜形成部35にシャボン膜が形成された状態で導入口31から空気等の気体が導入されると、該シャボン膜が放出口32へと移動する。放出口32に到達したシャボン膜は、ノズル部3に導入された気体によって膨らむ。これにより、シャボン玉10が形成される。形成されたシャボン玉10は、放出口32の周縁に付着した状態でノズル部3から露出される。
【0013】
シャボン液供給部Aは、ノズル部3にシャボン液を供給する。本実施形態のシャボン液供給部Aは、
図1に示すように、液体ポンプ11、及びシャボン液を貯留する液貯留部12を備えている。液体ポンプ11と液貯留部12との間、及び液体ポンプ11とノズル部3との間それぞれは、配管41,42を介して接続されている。本実施形態のシャボン液供給部Aは、液貯留部12内のシャボン液を液体ポンプ11を用いて吸い上げ、ノズル部3へ供給する。この際、シャボン液は、配管41,42を通じてノズル部3へ送液される。液体ポンプ11には、公知のポンプを用いることができる。公知のポンプとしては、例えば渦巻ポンプ等の遠心式ポンプや、シリンジポンプ、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピエゾポンプ等の容積式ポンプが挙げられる。
【0014】
気体供給部Bは、ノズル部3に気体を供給する。本実施形態の気体供給部Bは、混合室5と、該混合室5に気体を供給する気体供給ポンプ4と、混合室5にスモークを供給するスモーク供給装置16と、混合室5に香気成分を供給する香り供給装置15と、香料を貯留する香料貯留部14とを備えている。混合室5には、混合室内の気体を排気するための排気管47が設けられており、該排気管47には排気弁18が設けられている。排気弁18の開閉によって、混合室5の排気とその停止が行われる。香り供給装置15と香料貯留部14との間、混合室5と香り供給装置15との間、混合室5と気体供給ポンプ4との間、混合室5とスモーク供給装置16との間、混合室5とノズル部3との間それぞれは、配管43,44,45,46を介して接続されている。混合室5とスモーク供給装置16との間の配管45にはスモーク供給弁17が設けられている。スモーク供給弁17の開閉によって、混合室5へのスモークの供給とその停止が行われる。混合室5とノズル部3との間の配管46には混合気体供給弁13が設けられている。混合気体供給弁13の開閉によって、ノズル部3への混合気体の供給とその停止が行われる。混合気体については後述する。
【0015】
本実施形態の気体供給部Bは、混合室5に供給された気体、スモーク、及び香りを混合して、混合気体を生成し、該混合気体をノズル部3に供給する。混合室5には、気体供給ポンプ4を用いて、空気等の気体が供給される。例えば、気体供給ポンプ4は、吸入孔(不図示)から外気を吸入し、これを混合室5に送る。気体供給ポンプ4によって供給される気体は、空気等の混合ガスに限らず、ヘリウムガス等の単体ガスであってもよい。気体供給ポンプ4には、前述した公知のポンプを用いることができる。
【0016】
混合室5には、スモーク供給装置16によって生成されたスモークが、配管45を介して供給される。スモーク供給装置16には、スモークが供給されるときは、配管45のスモーク供給弁17が開放され、スモークの供給が停止されるときは、該スモーク供給弁17が閉鎖される。スモーク供給装置16には、加熱や超音波振動によってスモーク原料を揮散又は霧化させる装置を用いることできる。当該装置としては、例えば、ANTARI社加熱式スモークマシン、アイススモークマシン、LOOK SOLUTION社スモークマシン等が挙げられる。また、スモーク供給装置16には、ドライアイスを用いたドライアイスランチャーを用いることもできる。
【0017】
混合室5には、香り供給装置15によって香気成分が配管44を介して供給される。香り供給装置15は、香料貯留部14内の香料を吸い上げ、且つ該香料を霧化して混合室5に香気成分を供給する。香り供給装置15には、香料等の液体や固体に超音波振動又は熱を加えて、揮発性の香気成分を生成する装置を用いることができる。当該装置としては、例えば、加熱式アロマディフューザー、ピエゾディフューザ等が挙げられる。ピエゾディフューザには、振動板に開口部を有するものと、有しないものとがある。
本実施形態の香り供給装置15は、香料を霧化することで香気成分を生成するものであったが、香気成分を生成せず、芳香物品や芳香具から発する香気成分を混合室5に供給する装置であってもよい。当該装置には、後述する送風装置を用いることができる。芳香物品は、インセンス、線香、花卉、ハーブ等の草木等の芳香を有する物品である。芳香具は、アロマランプ、リードディフューザ等の香気成分を自然に発する物品である。
【0018】
前述の気体、スモークを混合室5に円滑に供給する観点から、混合室5内の気圧上昇を低減して、気体、スモークを混合室5に供給するため排気弁18を開放状態で供給することが好ましい。スモークを混合室5に供給しない場合、排気弁18は閉鎖状態にされる。
【0019】
本実施形態の気体供給部Bは、混合室5に供給された気体、スモーク、及び香気成分を該混合室5で混合し、混合気体を得る。斯かる混合気体は、スモークを含有することによって、有色を呈し、香気成分を含有することによって、香りを呈する。また、気体供給部Bは、気体供給ポンプ4によって混合室5に供給された気体のみをノズル部3に供給してもよい。この場合、スモーク及び香気成分を混合室5に供給しないで、気体供給ポンプ4によって供給された気体のみをノズル部3に供給する。混合室5内の混合気体又は気体は、気体供給ポンプ4によって送られる気体に押し出されて、配管46を通じてノズル部3に供給される。この際、混合気体供給弁13は開放状態にする。
【0020】
制御部2は、シャボン液供給部Aから供給されるシャボン液量又は気体供給部Bから供給される気体量を制御する。本実施形態において制御部2は、シャボン液供給部Aの各部、及び気体供給部Bの各部と電気的に接続されており、該シャボン液供給部A及び気体供給部Bの駆動(動作)を制御する。具体的には、制御部2は、
図1に示すように、シャボン液供給部Aにおける液体ポンプ11の駆動を制御して、ノズル部3に供給されるシャボン液量を制御する。制御部2は、気体供給部Bにおける気体供給ポンプ4の駆動を制御して混合室5に供給する気体量、及びノズル部3に供給する気体量を制御する。ノズル部3に供給する気体量は、混合室5内の混合気体又は気体を押し出てノズル部3に供給するための気体量である。
【0021】
本実施形態の制御部2は、スモーク供給装置16及び香り供給装置15と電気的に接続されており、スモーク供給装置16及び香り供給装置15の駆動(動作)を制御する。さらに、制御部2は、混合気体供給弁13、スモーク供給弁17、及び排気弁18の開閉を制御する。即ち、制御部2によって、混合室5へのスモークの供給及び香気成分の供給の可否を制御することができる。これにより、制御部2におけるスモーク供給装置16及び香り供給装置15の制御設定や、混合気体供給弁13、スモーク供給弁17、及び排気弁18の開閉の制御設定を変更することで、気体供給部Bは、気体にスモーク及び香りが混合された混合気体、気体にスモークのみが混合された混合気体、気体に香りのみが混合された混合気体、並びにスモーク及び香りが混合されていない気体の何れかを選択してノズル部3に供給することができる。
【0022】
制御部2は、前記シャボン液量又は前記気体量をシャボン玉毎に制御する。即ち、制御部2は、シャボン玉1個当りに使用されるシャボン液量又は気体量を制御する。本実施形態のシャボン玉生成装置1は、前述したシャボン液供給部A、気体供給部B、及び制御部2を具備することにより、ノズル部3においてシャボン玉10が順次形成されるになされている。即ち、シャボン液供給部A及び気体供給部Bは、制御部2の制御によって駆動する。これに加え、本実施形態のシャボン玉生成装置1は、前記制御部2を具備することにより、シャボン玉の生成に使用されるシャボン液量又はシャボン玉の生成に使用される気体量を単数又は複数のシャボン玉毎に変更可能になされている。換言すれば、前記シャボン玉生成装置1は、ノズル部3で順次形成されるシャボン玉10の大きさを、シャボン玉1個当たり又は所望の数当たりで制御することができる。このように、シャボン玉の大きさを制御することを、単に「大きさの制御」ともいう。大きさの制御は、後で詳述するように、制御部2によって、シャボン液供給部A及び気体供給部Bそれぞれの駆動時間を制御して行われる。また、大きさの制御は、液体ポンプや気体供給ポンプにかける電圧変化、又は電圧のかけ方(PWM制御、その他一般的な制御)によっても可能である。
【0023】
本実施形態のシャボン玉生成装置1は、前記大きさの制御によって、大きさや形状が多様なシャボン玉を生成することができる。例えば、個々のシャボン玉10を独立した状態で生成する場合、シャボン玉毎にその大きさを制御して、多様な大きさのシャボン玉を生成することができる。
また、本実施形態のシャボン玉生成装置1は、
図2(a)〜(d)に示すように、連結シャボン玉10Sを生成することができる。連結シャボン玉10Sは、2個以上の複数のシャボン玉10が連結したものであり、
図2(a)及び(b)に示すように、該連結シャボン玉10Sを構成する個々のシャボン玉10a,10bの大きさが互いに異なっていてもよく、
図2(c)に示すように、個々のシャボン玉10の大きさが同じであってもよい。
図2(a)に示す連結シャボン玉aは、大きさの異なる2個のシャボン玉10a,10bが連結しており、鉛直方向に沿って上方から、小さい方のシャボン玉10a、及び大きい方のシャボン玉10bがこの順で並んでおり、この状態でノズル部3から遊離する。
図2(b)に示す連結シャボン玉bは、
図2(a)に示す連結シャボン玉aが2組連結しており、鉛直方向に沿って上方から、小さい方のシャボン玉10a及び大きい方のシャボン玉10bがこの順で2回繰り返して並んでいる。
図2(b)に示す連結シャボン玉bも、この状態でノズル部から遊離される。
図2(c)に示す連結シャボン玉cは、同じ大きさの4個のシャボン玉10が鉛直方向に沿って連結しており、この状態でノズル部3から遊離される。これらの他に、
図2(d)に示すように、鉛直方向に沿って上方から、大きい方のシャボン玉10b及び小さい方のシャボン玉10aの順で連結した連結シャボン玉dや、
図2(e)に示すように、小さい方のシャボン玉10a及び大きい方のシャボン玉10bが連続して連結した連結シャボン玉eがあり、それぞれがこの状態でノズル部3から遊離される。
【0024】
連結シャボン玉10Sは、前述したように、ノズル部3から鉛直方向に沿って連結した状態で遊離されるが、遊離後、自重によって落下する。連結シャボン玉10Sは、落下や浮遊の際、その形状が変化する。この点について、
図3に示す連結シャボン玉10Sを例に説明する。
図3に示す連結シャボン玉10Sは、同じ大きさの5個のシャボン玉10が数珠繋ぎで連結している。数珠繋ぎの連結シャボン玉10Sが落下又は浮遊すると、該連結シャボン玉10Sが受ける気流の向きや強さによって、連結したシャボン玉10どうしが一体化したり、連結状態のシャボン玉の位置が変化して、元の連結シャボン玉10Sの形状が多様に変化する。このように形状が変化した連結シャボン玉を、変形シャボン玉ともいう。例えば、
図3に示す変形シャボン玉11Sは、連結シャボン玉10を構成するシャボン玉10のうち、3個の連結したシャボン玉が一体化して大きくなったシャボン玉10cに元の大きさのシャボン玉10が2個連結している。斯かる変形シャボン玉11Sの形状は、例えば熊のような動物の頭を想起させる。また、
図3に示す変形シャボン玉12Sは、連結シャボン玉10を構成するシャボン玉10のうち、2個の連結したシャボン玉が一体化して大きくなったシャボン玉10cに元の大きさのシャボン玉10が3個連結している。また、
図3に示す変形シャボン玉13Sは、連結シャボン玉10を構成するシャボン玉10のうち、4個の連結したシャボン玉が一体化して大きくなったシャボン玉10eと、元の大きさのシャボン玉10とが連結している。斯かる変形シャボン玉13Sの形状は、例えば雪だるまのような形状を想起させる。以上のように、連結シャボン玉10Sは、ノズル部3から遊離させると、該連結シャボン玉10Sを構成するシャボン玉数を減少させながら変形する。連結シャボン玉10Sを落下又は浮遊させると、多様な形状に変化するので、大きさや形状のバリエーションが豊富なシャボン玉を供給することができる。
【0025】
さらにシャボン玉生成装置1は、スモーク供給装置16及び香り供給装置15を制御して、有色及び香りの何れか又は双方を呈するシャボン玉も生成することができる。具体的には、スモークを含む混合気体を封入したシャボン玉は、該スモークの色を呈し、香気成分を含む混合気体を封入したシャボン玉は香りを呈する。したがって、シャボン玉生成装置1は、有色又は無色のシャボン玉10や連結シャボン玉10Sを生成することができる。また、香りを呈するシャボン玉は、それがはじけたときに、混合気体中の香気成分が揮散するので、該香りを強く知覚することができる。
【0026】
本実施形態のシャボン玉生成装置1は、さらにノズル部3において所望の数のシャボン玉10が形成された時点で該シャボン玉10を該ノズル部3から遊離させる機構Cを備えている。斯かる機構Cを、以下、遊離機構Cともいう。ノズル部3で形成されるシャボン玉10又は連結シャボン玉10Sを円滑に遊離させる観点から、シャボン玉生成装置1は遊離機構Cを備えていることが好ましい。前記「所望の数」は、例えば連結シャボン玉を構成するシャボン玉の数に対応する。
本実施形態の遊離機構Cは,ノズル部3に形成されたシャボン玉10に空気を吹きつける送風装置6である。送風装置6は、所望の数のシャボン玉10をノズル部3の先端、即ち放出口32から遊離させる。送風装置6は、ノズル部3の先端に向けて送風する風の強さが調整可能であり、該風の噴射角度も調整可能となっている。送風装置6は、風の強さ及び風の噴射角度の一方又は双方を調節不可能なものであってもよいが、これらの何れか一方又は双方を調節可能であってもよい。
また、遊離機構Cは、気体供給ポンプ4であってもよく、ノズル部3の位置を鉛直方向の上方又は下方に移動させる移動機構であってもよい。遊離機構Cとして気体供給ポンプ4を用いる場合、該気体供給ポンプは、シャボン玉の形成時に供給される気体の流速よりも速い流速で、例えば気体を噴射するような速度でノズル部に気体を供給し、気体の勢いを利用してノズル部3からシャボン玉を離間させる。遊離機構Cとして前記移動機構を用いる場合、該移動機構は、例えばノズル部3の位置を移動させる勢いを利用してノズル部3からシャボン玉を離間させる。このような移動機構には、モーターの駆動によって鉛直方向にノズル部3を移動させるアームを用いることができる。このアームは、ノズル部3を支持するものであり、モーターによって該アーム自体が鉛直方向の上方に移動可能である。
【0027】
本実施形態の制御部2は、遊離機構Cと電気的に接続されており、遊離機構Cの駆動(動作)を制御する。即ち、本実施形態の制御部2は、送風装置6の駆動(動作)を制御して、送風装置6による空気の吹き付けの可否を制御する。
【0028】
本実施形態のノズル部3の構造について詳述する。ノズル部3は、
図4及び
図5に示すように、シャボン膜形成部35と連通し、且つ鉛直方向の下方に向かって開口した放出口32を有している。斯かる構成により、数珠繋ぎの連結シャボン玉10Sをより安定して形成することができる。
ノズル部3は、
図4及び
図5に示すように、その高さ方向Xが、シャボン玉の形成に使用される気体の流れ方向と一致している。以下、ノズル部3の高さ方向Xに直交する方向を直交方向Yともいう。本実施形態のノズル部3は、
図5に示すように、シャボン膜形成部35における直交方向Yに沿う断面の面積が、ノズル部3の内部において最も小さい。このように、シャボン膜形成部35は、放出口32に向かって流れる気体の流れ方向と直交する断面の面積が、該気体の流路においてシャボン膜形成部35の上流側及び下流側に位置する部位に比して小さいことが好ましい。換言すれば、ノズル部3を高さ方向Xに沿って断面視したとき、シャボン膜形成部35が直交方向Yの内方に向かって窄まっていることが好ましい。本実施形態において、前記流路におけるシャボン膜形成部35の上流側の部位は、気体流路34aであり、前記流路における該シャボン膜形成部35の下流側の部位は、スカート部37である。斯かる構成により、シャボン膜形成部35にシャボン液を一時的に滞留させられるので、シャボン膜をより容易に且つ安定して形成することができ、シャボン玉を連続的に形成することがより容易となる。
【0029】
シャボン膜をより安定して形成する観点から、シャボン膜形成部35の内径d1(
図5参照)は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であり、また好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上3mm以下、より好ましくは1mm以上2mm以下である。上記と同様の観点から、導入口31の内径d2(
図5参照)は、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは6mm以下であり、また好ましくは2mm以上10mm以下、より好ましくは4mm以上6mm以下である。シャボン膜形成部35の内径は、前記高さ方向Xにおいて変化していてもよく、一定であってもよい。シャボン膜形成部35の内径が前記高さ方向Xにおいて変化している場合、該内径d1は、シャボン膜形成部35の最小内径とする。
【0030】
シャボン膜をより安定して形成する観点から、ノズル部3の高さ方向Xにおけるシャボン膜形成部35の長さL1(
図5参照)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下であり、また好ましくは0.1mm以上10mm以下、より好ましくは0.5mm以上5mm以下である。
【0031】
本実施形態のノズル部3は、気体の流れ方向(ノズル部3の高さ方向X)におけるシャボン膜形成部35と放出口32との間に、該放出口32に向かって直交方向Yに沿う断面が漸次拡大するスカート部37を有している。シャボン膜形成部35で形成されたシャボン膜は、供給されたスカート部37の内壁を伝って放出口32に移動する。この移動の過程で、シャボン膜はその面積が円滑に拡大されるので、シャボン玉を容易に形成することができる。また、スカート部37は、直交方向Yに沿う断面積が漸次拡大しているので、該スカート部37において気体の気流速度が低下し、シャボン膜を維持し易くなる。以上の一又は二の効果をより確実に奏させる観点から、スカート部37における最大径は、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは40mm以下、より好ましくは20mm以下であり、また好ましくは2mm以上40mm以下、より好ましくは5mm以上20mm以下である。シャボン膜の面積をより円滑に拡大する観点から、ノズル部3の内部を流れる気体の流路の内径は、導入口31からシャボン膜形成部35を介して放出口32に向かって、連続的に拡大していることが好ましい。
【0032】
本実施形態のノズル部3は、内部に放出口32の周方向に沿って間欠的に配置され、且つ気体の流れ方向、即ち高さ方向Xに延びる複数の蓄液用リブ38(
図5参照)を有している。斯かる構成により、シャボン膜を形成するシャボン液が蓄液用リブ38を伝って効率的に放出口32に集められるので、シャボン膜の移動を円滑にすることができる。その結果、放出口32からのシャボン玉の遊離が安定する。同観点から、蓄液用リブ38の寸法は以下の範囲内であることが好ましい。蓄液用リブ38の幅は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また好ましくは5mm以下、より好ましくは2mm以下であり、また好ましくは0.1mm以上5mm以下、より好ましくは0.5mm以上2mm以下である。蓄液用リブ38の幅は、該リブ38が延びる方向と直交する方向の最大長さである。蓄液用リブ38の長さは、好ましくは1mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下であり、また好ましくは1mm以上20mm以下、より好ましくは5mm以上10mm以下である。蓄液用リブ38の長さは、該リブ38が延びる方向、即ち該リブ38の前記高さ方向Xの最大長さである。放出口32の周方向における蓄液用リブ38どうしの間隔は、円周に等間隔に設置することが望ましい。本数は、複数本あることが好ましく、スカート部円周長とリブ幅、リブ間隔によって決定される。
【0033】
本実施形態において蓄液用リブ38は、スカート部37の放出口32近傍に形成されている。シャボン玉の遊離が安定化する観点から、蓄液用リブ38は、スカート部37の放出口32近傍に形成されていることが好ましい。
【0034】
本実施形態におけるノズル部3は、その先端、即ち放出口32側の端部が放出口32の輪郭に沿った形状を有しているが、ノズル部の先端の形状はこれに限られない。
図6(a)及び(b)にノズル部3の先端のバリエーションを示す。
図6(a)に示すノズル部3aは、その先端に、放出口32の周縁の外方側に延出したリップ部33aを有している。
図6(b)に示すノズル部3bは、その先端に、高さ方向Xの断面形状が円形であるリップ部33bを有している。このように、ノズル部の先端に厚みの大きいリップ部を設けることにより、シャボン液が該リップ部又は溝を伝ってノズル部の先端に効率的に集められるので、シャボン玉をより安定して形成することができる。
上記の効果をより確実に奏させる観点から、ノズル部を放出口32側から視た平面図において、リップ部33は、
図7(a)に示すように、放出口32の周縁に沿った溝39aを有していることが好ましい。上記と同様の観点から、リップ部33は、
図7(b)に示すように、放出口32の中心に対して放射状に形成された溝39bを有していることが好ましい。
【0035】
制御部2による前記大きさの制御は、CPUがROMやディスクなどに格納されたプログラムをRAMに展開して実行することにより実現される。制御部2による制御は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)により実現されてもよい。さらに、前記制御は、ASICとFPGAの組み合わせにより実現されてもよい。
本実施形態の制御部2は、所定の連結シャボン玉又はシャボン玉を生成するための各プログラム(サブルーチン)に対応するスイッチ(不図示)を4個有している。この制御部2によって、複数種類のシャボン玉又は連結シャボン玉を形成することができる。連結シャボン玉の生成フローは、後に詳述する。
【0036】
本実施形態のシャボン玉生成装置1の各部を接続する配管41〜46や排気管47としては、例えば、ゴムや合成樹脂製のチューブ、金属製の配管等が用いられる。これら配管は、可撓性を有することが好ましい。
【0037】
次に、本発明のシャボン玉の供給方法を、前述したシャボン玉生成装置1を用いた実施態様に沿って説明する。本実施態様のシャボン玉の供給方法は、ノズル部3にシャボン液及び気体を供給して生じさせたシャボン玉を空間に供給する。
【0038】
図8は、本実施態様のシャボン玉の供給方法の流れを示すフローチャートである。本実施態様における供給方法では、シャボン玉生成装置1の電源がオンにされることで
図8に示す処理を開始する。斯かる処理に関し、各ステップの実行主体は制御部2のCPUである。
図8に示すように、CPUは最初にステップS301を実行する。ステップS301では、CPUは制御部2のスイッチの値、即ちスイッチのオン又はオフを読み込む。前述したように、制御部2は4個のスイッチを有している。以下、説明の便宜上、制御部2の各スイッチを、スイッチ1〜4と表す。ステップS301の処理により、例えば「スイッチ1:オン、スイッチ2:オフ、スイッチ3:オン、スイッチ4:オン」という情報が読み込まれる。
続くステップS302では、CPUは、ステップS301で読み込んだスイッチの値を用いて実行するスイッチの番号を選択する。具体的には、「オン」に設定されているスイッチから、ランダムに何れか1つのスイッチが選択される。例えばステップS301において読み込んだスイッチの値が前述のものであった場合に、「オン」に設定されているスイッチ1,3,4の何れかがランダムに選択される。
ステップS303では、CPUは、ステップS302の処理によりスイッチ1が選択されたか否かを判断する。CPUはスイッチ1が選択されたと判断する場合には、ステップS308に進み、スイッチ1が選択されていないと判断する場合にはステップS304に進む。ステップS308ではCPUは、スイッチ1に対応するサブルーチンを実行してステップS304に進む。
ステップS304では、CPUは、ステップS302の処理によりスイッチ2が選択されたか否かを判断する。CPUはスイッチ2が選択されたと判断する場合にはステップS309に進み、スイッチ2が選択されていないと判断する場合にはステップS305に進む。ステップS309ではCPUは、スイッチ2に対応するサブルーチンを実行してステップS305に進む。
ステップS305では、CPUは、ステップS302の処理によりスイッチ3が選択されたか否かを判断する。CPUはスイッチ3が選択されたと判断する場合にはステップS310に進み、スイッチ3が選択されていないと判断する場合にはステップS306に進む。ステップS310ではCPUは、スイッチ3に対応するサブルーチンを実行してステップS306に進む。
ステップS306では、CPUは、ステップS302の処理によりスイッチ4が選択されたか否かを判断する。CPUはスイッチ4が選択されたと判断する場合にはステップS311に進み、スイッチ4が選択されていないと判断する場合にはステップS307に進む。ステップS311ではCPUは、スイッチ4に対応するサブルーチンを実行してステップS307に進む。
【0039】
ステップS307ではCPUは、ユーザにより電源スイッチがオフに設定されたか否かを判断する。CPUは、電源スイッチがオフにされたと判断する場合、
図8に示す処理を終了し、電源スイッチがオフにされていないと判断する場合はステップS301に戻り、ステップS301〜S307がループする。斯かるループを実行する毎に、ステップS302にて選択されたスイッチに対応するサブルーチンが実行される。シャボン玉生成装置1の電源がオフにされない限りは、ステップS307において否定判定(No)されてステップS301に戻り、処理が繰り返される。即ち、オンにされているスイッチに対応するサブルーチンが、次々に且つランダムに実行される。
【0040】
次に、ステップS302の処理の詳細を
図9を参照して説明する。CPUは最初にステップS321を実行する。ステップS321ではCPUは、「オン」に設定された制御部2のスイッチの数をカウントし、変数nに代入する。例えば読み込んだスイッチの値が前述のように「スイッチ1:オン、スイッチ2:オフ、スイッチ3:オン、スイッチ4:オン」であった場合、即ち「オン」になったスイッチの数が3である場合、変数nには「3」が代入される。続くステップS322ではCPUは、ランダム数RNDを算出する。ランダム数RNDは、例えばランダム関数の実行により取得できる。本実施態様では、ランダム数RNDは整数とする。ランダム数として1未満の小数しか得られないランダム関数しか実装されていない場合、所定の係数(例えば1000)を掛けて小数点以下を切り捨てることにより、ランダムな整数を得てもよい。
次いで、ステップS323では、CPUは、ステップS322で得られたランダム数RNDを、ステップS321において得られた変数nによって剰余演算し、その剰余であるXを算出する。換言すると、RNDをNで割った余りを算出し、これをXとする。例えばNが「3」、RNDが「332」の場合はXは「2」である。
次いでステップS324では、CPUは、「オン」に設定されたスイッチのうち、先頭から「X+1」個目を選択する。前述の例では、Xが「2」であるので、「2+1」個目のスイッチとなり、さらにオンに設定されているスイッチが「スイッチ1,3,4」なので、先頭から3番目の「スイッチ4」が選択される。なおステップS324において選択されたスイッチの情報は、前述の
図8におけるステップS303〜S306において利用される。このようにして、ステップS302では、オンに設定されたスイッチから、複数個又は単数のスイッチをランダムに選択する。
【0041】
次に、ステップS308、ステップS309及びステップS310、即ちスイッチ1〜3に対応するサブルーチンを
図10、
図12及び
図13を用いて説明する。
図10に、ステップS308のスイッチ1に対応するサブルーチン(以下、SW1用サブルーチンともいう)を示す。SW1用サブルーチンは、大きさの等しいシャボン玉10が複数連結した連結シャボン玉を生成するためのプログラムである。先ず、ステップS1では、ノズル部3に形成されるシャボン玉の数と対応する変数iを初期化する。シャボン玉の数は、例えば連結シャボン玉10Sを構成するシャボン玉の数である。換言すれば変数iは、後述するステップS2〜ステップS4のサイクルの繰り返し回数である。
次に、ステップS2では、シャボン液供給部Aによって、ノズル部3にシャボン液が所定量(a
1mL)供給される。ノズル部3に供給されたシャボン液は、シャボン膜形成部35にてシャボン膜を形成する。
【0042】
次に、ステップS3では、混合気体生成処理が行われる。混合気体生成処理は、気体供給部Bによって混合気体を生成する処理である。例えば、混合気体生成処理では、
図11に示すように、気体供給ポンプ4によって混合室5に気体が供給され(ステップS11)、スモーク供給装置16によって混合室5にスモークが供給され(ステップS12)、さらに香り供給装置15によって混合室5に香気成分が供給される(ステップS13)。混合気体生成処理は、ステップS12〜S13を順不同で行ってもよく、同時に行ってもよい。また、シャボン玉に封入する気体の種類に応じて、ステップS11、ステップS12及びステップS13のうちの一又は二を行わなくともよい。なお、本実施態様の混合気体生成は、スモーク供給装置と香り供給装置で行われる。気体供給ポンプ4による気体の供給は、前述したように、混合気体の押し出しにも寄与するが、気体供給ポンプ4は、ノズル部3に供給される気体、即ちシャボン玉の生成に用いられる気体自体を供給してもよい。
【0043】
次に、ステップS4では、混合気体生成処理によって生成した混合気体をノズル部3に所定量(a
2mL)供給する。本実施態様においては、気体供給ポンプ4によって混合室5に気体が供給されることにより、混合室5内の混合気体が押し出されノズル部3に供給される。即ち、ステップS2〜S4によって、シャボン液a
1mLと混合気体a
2mLとを用いたシャボン玉が形成される。
【0044】
次に、ステップS5では、CPUがステップS2〜ステップS4のサイクルの繰り返し回数である変数iが、所定の数と等しいか否かを判断する。「所定の数」は、ノズル部3にて形成されるシャボン玉の所望の数であり、任意の数を設定することができる。
図10に示すフローチャートでは、変数iを4としているので、ノズル部3にて形成されるシャボン玉の数は4個である。変数iが所定の数と等しくない場合(ステップS5:No)は、ステップS6に進んで、該変数iに1を足す。即ち、変数iをインクリメントする。その後、ステップS2〜S4を繰り返す。変数iが所定の数と等しい場合(ステップS6:Yes)は、ステップS7に進んで、遊離機構Cによって、ノズル部3からシャボン玉を遊離させる。そして、
図8に示すS304に進む。
以上のSW1用サブルーチンによって、大きさの等しいシャボン玉10が4個連結した連結シャボン玉が生成され、該連結シャボン玉が供給される。このような連結シャボン玉としては、例えば
図2(c)に示すものが挙げられる。
【0045】
次に、ステップS309のスイッチ2対応するサブルーチン(以下、SW2用サブルーチンともいう)を説明する。
図12に、SW2用サブルーチンを示す。SW2用及びSW3用サブルーチンにおいて、上述したSW1用サブルーチンと同様のステップに関しては、矛盾しない限り上述した説明が適宜適用される。SW2用サブルーチンは、大きさの異なるシャボン玉10が複数連結した連結シャボン玉を生成するためのプログラムである。先ず、ステップS21では、ノズル部3に形成されるシャボン玉の数と対応する変数iを初期化する。本サブルーチンにおいて変数iは、後述するステップS22〜ステップS27のサイクルの繰り返し回数である。
ステップS22では、シャボン液供給部Aによって、ノズル部3にシャボン液が所定量b
1mL供給される。続くステップS23では、上述したステップS3と同じ混合気体生成処理が行われ、さらに続くステップS24では、ステップS23で生成した混合気体をノズル部3に所定量b
2mL供給する。即ち、ステップS22〜S24によって、シャボン液b
1mLと混合気体b
2mLとを用いたシャボン玉が形成される。このシャボン玉を、以下、第1シャボン玉ともいう。
ステップS25では、シャボン液供給部Aによって、ノズル部3にシャボン液が所定量c
1mL供給される。続くステップS26では、上述したステップS3と同じ混合気体生成処理が行われ、さらに続くステップS27では、ステップS23で生成した混合気体をノズル部3に所定量c
2mL供給する。即ち、ステップS25〜S27によって、シャボン液c
1mLと混合気体c
2mLとを用いたシャボン玉が形成される。このシャボン玉を、以下、第2シャボン玉ともいう。
【0046】
次に、ステップS22〜ステップS27のサイクルの繰り返し回数である変数iが、所定の数と等しいか否かを判断する(ステップS28)。この変数iも、SW1用サブルーチンと同様に任意の数を設定することができる。
図12に示すフローチャートでは、変数iを2としているので、ノズル部3にて形成される第1シャボン玉及び第2シャボン玉の数はそれぞれ2個である。変数iが所定の数と等しくない場合(ステップS28:No)は、該変数iに1を足す(ステップS29)。その後、ステップS22〜S27を繰り返す。変数iが所定の数と等しい場合(ステップS28:Yes)は、遊離機構Cによって、ノズル部3からシャボン玉を遊離させる(ステップS30)。そして、
図8に示すS305に進む。
【0047】
第1シャボン玉に使用されたシャボン液量b
1と第2シャボン玉に使用されたシャボン液量c
1とは互いに異なっている。即ち、b
1≠c
1である。また、第1シャボン玉に使用された混合気体量b
2と第2シャボン玉に使用された混合気体量c
2とは互いに異なっている。即ち、b
2≠c
2である。したがって、以上のSW2用サブルーチンによって、大きさが互いに異なる第1シャボン玉及び第2シャボン玉が交互に連結した連結シャボン玉が生成され、該連結シャボン玉が供給される。例えば、第1シャボン玉及び第2シャボン玉それぞれに用いられるシャボン液量がb
1<c
1であり、第1シャボン玉及び第2シャボン玉それぞれに用いられる混合気体量がb
2<c
2である場合は、
図2(b)に示すような連結シャボン玉が供給される。また、第1シャボン玉及び第2シャボン玉それぞれに用いられるシャボン液量がb
1>c
1であり、第1シャボン玉及び第2シャボン玉それぞれに用いられる混合気体量がb
2>c
2である場合は、
図2(c)に示すような連結シャボン玉が供給される。
【0048】
次に、ステップS310のスイッチ3に対応するサブルーチン(以下、SW3用サブルーチンともいう)を説明する。
図13に、SW3用サブルーチンを示す。SW3用サブルーチンは、大きさの異なるシャボン玉10を生成するためのプログラムである。先ず、ステップS31では、シャボン液供給部Aによって、ノズル部3にシャボン液が所定量d
1mL供給される。続くステップS32では、上述したステップS3と同じ混合気体生成処理が行われ、さらに続くステップS33では、ステップS32で生成した混合気体をノズル部3に所定量d
2mL供給する。続いて、ステップS34では、遊離機構Cによって、ノズル部3からシャボン玉を遊離させる。即ち、ステップS31〜S34によって、シャボン液d
1mLと混合気体d
2mLとを用いたシャボン玉が生成され、該シャボン玉が供給される。
次に、ステップS35では、シャボン液供給部Aによって、ノズル部3にシャボン液が所定量e
1mL供給される。続くステップS36では、上述したステップS3と同じ混合気体生成処理が行われ、さらに続くステップS37では、ステップS36で生成した混合気体をノズル部3に所定量e
2mL供給する。続いて、ステップS38では、遊離機構Cによって、ノズル部3からシャボン玉を遊離させる。即ち、ステップS35〜S38によって、シャボン液e
1mLと混合気体e
2mLとを用いたシャボン玉が生成され、該シャボン玉が供給される。
【0049】
本サブルーチンにおいて、ステップS31〜34で生成されるシャボン玉に使用されたシャボン液量d
1と、ステップS35〜38で生成されるシャボン玉に使用されたシャボン液量e
1とは互いに異なっている。即ち、d
1≠e
1である。また、ステップS31〜34で生成されるシャボン玉に使用された混合気体量d
2と、ステップS35〜38で生成されるシャボン玉に使用された混合気体量e
2とは互いに異なっている。即ち、d
2≠e
2である。したがって、以上のSW3用サブルーチンによって、大きさが異なるシャボン玉が1個ずつ生成され且つ供給される。即ち、個々独立し、且つ大きさの異なる複数のシャボン玉が供給される。
【0050】
本実施態様においては、ステップS311のスイッチ4に対応するサブルーチン(以下、SW4用サブルーチンともいう)が実行される。本サブルーチンの詳細は省略するが、当該サブルーチンとしては、上述したSW1〜3用サブルーチンの何れかと同様のルーチンを実行してもよく、該同様のルーチンをシャボン液量及び混合気体量の何れかを異ならせて実行してもよく、あるいは該同様のルーチンとは異なるルーチンを実行してもよい。前記「異なるルーチン」としては、連結シャボン玉を構成するシャボン玉の数が異なるもの、例えばシャボン玉が5個連結した連結シャボン玉を生成するためのサブルーチンが挙げられる。
【0051】
本実施態様のシャボン玉の供給方法は、以上のフローによって、複数のシャボン玉を順次生成させ、個々独立したシャボン玉又は複数が連結したシャボン玉を空間に供給する。
【0052】
本実施態様におけるシャボン玉の供給方法は、シャボン玉の大きさを、個々のシャボン玉又は複数のシャボン玉毎に変化させながら供給する。具体的には、シャボン玉生成装置1の制御部2を用いて、前述した「大きさの制御」を行う。
【0053】
本実施態様におけるシャボン玉の供給方法は、シャボン玉生成装置1の各部A〜Cの駆動時間や駆動のタイミングを制御することにより、前述した「大きさの制御」を行う。
図14に、シャボン玉生成装置1が具備する各部のタイミングチャートを示す。本実施態様のシャボン玉の供給方法は、例えば上述したステップS2において、液体ポンプ11を駆動(ON)するが、該液体ポンプ11の駆動時間t1は、ノズル部3に供給されるシャボン液量に比例する。即ち、液体ポンプ11の駆動時間t1が長い程、ノズル部3に供給されるシャボン液量が多くなる。シャボン液量は、シャボン玉の大きさや連結シャボン玉の形成に影響を与える要因であるので、所望のシャボン玉を形成可能なように、液体ポンプ11の駆動時間t1を調整する。これに代えて、液体ポンプ11の単位時間当たりの送液量を調整してもよい。
【0054】
ステップS3等における混合気体生成処理では、
図14に示すように、香り供給装置15、及びスモーク供給装置16の各駆動開始時間が同じであり、且つ各駆動時間t2,t3が一部重複している。換言すれば、香り供給装置15、及びスモーク供給装置16の各駆動を一部並行させている。また、スモーク供給装置16の駆動開始時間と、スモーク供給弁17の開放開始時間が同じであり、且つスモーク供給装置16の駆動時間t3とスモーク供給弁17の開放時間t4が一部重複している。これにより、混合室5にスモーク及び香気成分が供給され、混合室5へのスモーク及び香気成分の供給が終了したタイミングで、混合気体の生成が完了する(ステップS31〜S33)。混合室5へのスモーク、及び香気成分の供給を容易にする観点から、
図14に示すように、混合室排気弁18の開放時間t5は、スモーク供給装置16の駆動時間t3、スモーク供給弁17の開放時間t4、及び香り供給装置15の駆動時間t2と重複していることが好ましい。斯かる構成により、混合室5内の気圧の上昇を抑制することができる。スモーク供給装置16、及び香り供給装置15は、各駆動の開始時間が同じであってもよく、該開始時間が異なっていてもよい。また、
図14に示す態様では、スモーク供給装置16の停止にかかる時間を考慮して、スモーク供給弁17の開放終了時間が、スモーク供給装置16の駆動終了時間よりも後になっているが、スモーク供給弁17の開放終了時間と、スモーク供給装置16の駆動終了時間とが同じタイミングであってもよい。
本実施態様においてノズル部3へのシャボン液の供給と、混合気体の生成とは同じタイミングで始まり、混合気体を生成している間にノズル部3でシャボン膜が形成される。
【0055】
混合気体の生成が終了したタイミングで、気体供給ポンプ4が駆動し、且つ混合気体供給弁13が開放される。即ち、ノズル部3への混合気体の供給が行われる。気体供給ポンプ4の駆動時間t6は、気体を混合室5にノズル部3に供給される気体量(シャボン玉の形成に使用される気体量)に比例する。即ち、気体供給ポンプ4の駆動時間t6が長い程、ノズル部3に供給される気体量が多くなる。気体量は、シャボン玉の大きさや連結シャボン玉の形成に影響を与える要因であるので、所望のシャボン玉を形成可能なように、気体供給ポンプ4の駆動時間t6を調整する。これに代えて、気体供給ポンプ4の単位時間当たりの流量を調整してもよい。
【0056】
図14に示すように、混合気体供給弁13の開放開始時間、及び気体供給ポンプ4の駆動開始時間は同じタイミングであり、これに続く混合気体供給弁13の開放終了時間、及び気体供給ポンプ4の駆動終了時間も同じタイミングである。前述したように混合室5で生成された混合気体は、気体供給ポンプ4によって供給された気体に押し出されてノズル部3に送られる。即ち、
図14において、気体供給ポンプ4の駆動時間t6と混合気体供給弁13の開放時間t7とが重複する時間帯が、ノズル部3への混合気体の供給時間となる。ノズル部3への混合気体の供給時間は、シャボン玉の形成に使用される気体量に応じて調整することが好ましい。
【0057】
混合気体供給弁13の開放時間t7において、ノズル部3にシャボン玉が形成される。混合気体の供給流量は、シャボン膜が破裂しない程度の流量であることが好ましい。本実施態様においては、気体供給ポンプ4とノズル部3との間に、混合室5及び配管46が配されているので、ノズル部3に導入される混合気体の流量は、混合室5に導入される気体の流量に比して少ない。これにより、少量の混合気体をゆっくりノズル部3に供給して、シャボン膜の破裂を抑制している。
【0058】
シャボン玉の形成をより安定化させる観点から、混合気体供給弁13の開放開始は、液体ポンプ11の駆動終了時間よりも後であることが好ましい。これにより、シャボン膜形成部35にてシャボン膜をより確実に形成できる。
【0059】
ステップS8等における、ノズル部3からのシャボン玉又は連結シャボン玉の遊離は、
図14に示すように、送風装置6(遊離機構C)が駆動することによって行われる。送風装置6の駆動時間t8は、混合気体供給弁13の開放時間と重複していなければよい。本実施態様における送風装置6は、液体ポンプ11の駆動開始時間と同じ時間で示してあるが、送風装置6は、シャボン玉又は連結シャボン玉の形成が完了した時間以後に駆動する。即ち、連結シャボン玉を遊離させる場合、連結シャボン玉を構成するシャボン玉の個数分、ノズル部3へのシャボン液の供給、混合気体の生成、及びノズル部3への混合気体の供給のサイクルを繰り返した後に、送風装置6を駆動する。1個のシャボン玉を遊離させる場合、ノズル部3へのシャボン液の供給、混合気体の生成、及びノズル部3への混合気体の供給をした後に、送風装置6を駆動する。送風装置6の駆動開始時間は、混合気体供給弁13の開放終了時間と同時かそれよりも後であることが好ましい。
【0060】
本実施態様において使用されるシャボン液としては、シャボン玉10を生成し得るものを特に制限なく用いることができる。例えば、界面活性剤及び水を含むものを用いることができる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、カルボベタイン型界面活性剤、アミンオキシド型界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アルカノールアミド型界面活性剤、アルキルエーテルサルフェート型アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
シャボン液には、界面活性剤及び水に加えて、他の成分を加えたもの等を用いることもできる。他の成分としては、香料、カオチン化セルロース、グリセリン及びグリコールの1種又は2種以上の組み合わせ等が挙げられる。
【0061】
上述した実施形態において用いられる香料は、大気圧下で大気中に香気成分が揮散するものが好ましく、香料は、調合香料、天然香料のいずれであってもよい。
【0062】
スモークの原料としては、例えばプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類、グリセリン等の有機溶媒等が挙げられ、これらの中から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。スモークは、前述したように加熱や超音波振動によって揮散又は霧化させて、空気等の混合ガスやヘリウム等の単体ガスと混合される。混合気体を有色にする場合、前記原料と共に、着色料を加熱や超音波振動によって揮散又は霧化させる。着色料としては、例えば、赤色2号(CI Acid Red 27)、赤色3号(CI Acid Red 51)、赤色225号(CI Solv. Red 23)、赤色102号(CI Acid Red 18)、赤色104号(CI Acid Red 92)、赤色105号(CI Acid Red 94)、赤色106号(CI Acid Red 52)、赤色201号(CI Pig. Red 57−1)、赤色213号(CI Basic Violet 10)、赤色226号(CI Vat Red 1)、赤色227号(CI Acid Red 33)、赤色230号(CI Acid Red 87)、赤色401号(CI Acid Violet 9)、赤色504号(CI Food Red 1)、黄色4号(CI Acid Yellow 23)、黄色5号(CI Food Yellow 3)、黄色202号(CI Acid Yellow 73)、黄色203号(CI Acid Yellow 3)等が挙げられる。
【0063】
本発明のシャボン玉生成装置及びシャボン玉の供給方法で生成させるシャボン玉の大きさに特に制限はないが、例えば直径が5mm以上120mm以下のシャボン玉の生成にも適している。また、連結シャボン玉を構成するシャボン玉の数に特に制限はないが、例えば2個以上10個以下のシャボン玉の生成にも適している。
【0064】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態や実施態様に限定されない。
例えば、上述したシャボン玉生成装置1は、スモーク供給装置16及び香り供給装置15を具備していたが、これら両装置の何れか一方のみを具備していてもよく、両装置を具備していなくともよい。また、香り供給装置により生成される香りは1種であってもよく複数種であってもよい。例えば、香り供給装置を複数設置して、複数の香りを混合室に供給してもよく、複数の香り供給装置の駆動のタイミングを調整することで、複数の香りから混合室に供給する香りを選択してもよい。
また、上述した実施態様のシャボン玉の供給方法は、複数のスイッチに対応して、所定のシャボン玉又は連結シャボン玉を生成する複数のサブルーチンをランダムに実行するものであったが、複数のサブルーチンを順次実行するものであってもよい。
また、連結シャボン玉10Sは、落下や浮遊の際、その形状が変化するものに限られない。