特許第6967040号(P6967040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6967040電気角算出装置、電気角算出方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967040
(24)【登録日】2021年10月26日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】電気角算出装置、電気角算出方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02P 6/16 20160101AFI20211108BHJP
【FI】
   H02P6/16
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-136828(P2019-136828)
(22)【出願日】2019年7月25日
(65)【公開番号】特開2021-22974(P2021-22974A)
(43)【公開日】2021年2月18日
【審査請求日】2020年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】洪 瑟基
【審査官】 島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−121584(JP,A)
【文献】 特開平07−337076(JP,A)
【文献】 特開2018−201299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの固定子に組み込まれた複数のホールセンサの出力信号値の最大値および最小値を取得する最大/最小値取得部と、
前記最大値と前記最小値との差分である振幅と、前記最小値に等しいオフセット量とを用いて前記出力信号値を正規化する信号正規化部と、
前記正規化された出力信号値から、前記モータの電気角に対して単調増加または単調減少する信号値を抽出する信号値抽出部と、
前記抽出された信号値から電気角を算出する電気角算出部と
正規化前の前記出力信号値に含まれる3つ以上の信号値の大小関係を位相区間ごとに示す予備位相インデックスを決定する予備位相インデックス決定部と
を備え
前記最大/最小値取得部は、前記予備位相インデックスによって前記3つ以上の信号値のうち最大であることが示される信号値の最大値と、前記予備位相インデックスによって前記3つ以上の信号値のうち最小であることが示される信号値の最小値を探索する電気角算出装置。
【請求項2】
前記信号値抽出部は、位相区間ごとに、前記出力信号値に含まれる3つ以上の信号値のうち最大でも最小でもない信号値を抽出する、請求項1に記載の電気角算出装置。
【請求項3】
前記3つ以上の信号値の大小関係を位相区間ごとに示す位相インデックスを特定する位相インデックス特定部をさらに備え、
前記信号値抽出部は、前記位相インデックスを参照して前記信号値を抽出する、請求項2に記載の電気角算出装置。
【請求項4】
モータの固定子に組み込まれた複数のホールセンサの出力信号値の最大値および最小値を取得するステップと、
前記最大値と前記最小値との差分である振幅と、前記最小値に等しいオフセット量とを用いて前記出力信号値を正規化するステップと、
前記正規化された出力信号値から、前記モータの電気角に対して単調増加または単調減少する信号値を抽出するステップと、
前記抽出された信号値から電気角を算出するステップと
正規化前の前記出力信号値に含まれる3つ以上の信号値の大小関係を位相区間ごとに示す予備位相インデックスを決定するステップと
を含み、
前記最大値および最小値を取得するステップでは、前記予備位相インデックスによって前記3つ以上の信号値のうち最大であることが示される信号値の最大値と、前記予備位相インデックスによって前記3つ以上の信号値のうち最小であることが示される信号値の最小値を探索する、電気角算出方法。
【請求項5】
モータの固定子に組み込まれた複数のホールセンサの出力信号値の最大値および最小値を取得する機能と、
前記最大値と前記最小値との差分である振幅と、前記最小値に等しいオフセット量とを用いて前記出力信号値を正規化する機能と、
前記正規化された出力信号値から、前記モータの電気角に対して単調増加または単調減少する信号値を抽出する機能と、
前記抽出された信号値から電気角を算出する機能と
正規化前の前記出力信号値に含まれる3つ以上の信号値の大小関係を位相区間ごとに示す予備位相インデックスを決定する機能と
をコンピュータに実現させ
前記最大値および最小値を取得する機能は、前記予備位相インデックスによって前記3つ以上の信号値のうち最大であることが示される信号値の最大値と、前記予備位相インデックスによって前記3つ以上の信号値のうち最小であることが示される信号値の最小値を探索するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気角算出装置、電気角算出方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ブラシレス直流モータ(BLDC)でベクトル制御を行う場合、ロータのコイルに対する位置(電気角)の情報が必要である。ロータが動いていない状態で電気角を取得するためには、例えば特許文献1に記載されているように外付けの回転エンコーダが用いられることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−117414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術のように外付けの回転エンコーダを用いる方法は、装置の小型化、およびコストの低減の観点からは必ずしも有利とはいえない。
【0005】
そこで、本発明は、モータに組み込まれているホールセンサの出力を利用して電気角を算出することが可能な電気角算出装置、電気角算出方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)モータの固定子に組み込まれた複数のホールセンサの出力信号値から、モータの電気角に対して単調増加または単調減少する信号値を抽出する信号値抽出部と、抽出された信号値から電気角を算出する電気角算出部とを備える電気角算出装置。
(2)信号値抽出部は、位相区間ごとに、出力信号値に含まれる3つ以上の信号値のうち最大でも最小でもない信号値を抽出する、上記(1)に記載の電気角算出装置。
(3)3つ以上の信号値の大小関係を位相区間ごとに示す位相インデックスを特定する位相インデックス特定部をさらに備え、信号値抽出部は、位相インデックスを参照して信号値を抽出する、上記(2)に記載の電気角算出装置。
(4)出力信号値を正規化する信号正規化部をさらに備える、上記(1)から上記(3)のいずれか1項に記載の電気角算出装置。
(5)出力信号値の最大値および最小値を取得する最大/最小値取得部をさらに備え、信号正規化部は最大値と最小値との差分である振幅と、最小値に等しいオフセット量とを用いて出力信号値を正規化する、上記(4)に記載の電気角算出装置。
(6)正規化前の出力信号値に含まれる3つ以上の信号値の大小関係を位相区間ごとに示す予備位相インデックスを決定する予備位相インデックス決定部をさらに備え、最大/最小値取得部は、予備位相インデックスによって3つ以上の信号値のうち最大であることが示される信号値の最大値と、予備位相インデックスによって3つ以上の信号値のうち最小であることが示される信号値の最小値を探索する、上記(5)に記載の電気角算出装置。
(7)モータの固定子に組み込まれた複数のホールセンサの出力信号値から、モータの電気角に対して単調増加または単調減少する信号値を抽出するステップと、抽出された信号値から電気角を算出するステップとを含む電気角算出方法。
(8)モータの固定子に組み込まれた複数のホールセンサの出力信号値から、モータの電気角に対して単調増加または単調減少する信号値を抽出する機能と、抽出された信号値から電気角を算出する機能とをコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、モータに組み込まれているホールセンサの出力を利用して電気角を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る電気角の算出が実行される制御装置の概略的な構成を示すブロック図である。
図2図1に示された例におけるアナログホールセンサの出力を模式的に示す図である。
図3図1に示された電気角算出装置の機能構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態における予備位相インデックスの決定について説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態における信号値の最大値および最小値の取得について説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態における信号値の正規化について説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態における位相インデックスの特定について説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態における信号値の抽出および電気角の算出について説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態に係る電気角の算出処理の例を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態における電気角の算出精度について検証した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る電気角の算出が実行される制御装置の概略的な構成を示すブロック図である。制御装置10は、PI制御11、逆Park変換12、逆Clarke変換13、ドライバ14、Clarke変換15、およびPark変換16を含み、三相のブラシレス直流モータ(BLDC)20を制御する。制御装置10は、さらに、電気角算出装置100を含む。電気角算出装置100は、BLDC20の固定子に組み込まれたアナログホールセンサの出力から電気角を算出し、算出された電気角は逆Park変換12およびPark変換16で利用される。
【0011】
図2は、図1に示された例におけるアナログホールセンサの出力を模式的に示す図である。図示された例では、BLDC20のU相、V相、およびW相のそれぞれのコイルに対応する位置にアナログホールセンサ21(21U,21V,21W)が配置される。図示されているように、アナログホールセンサ21U,21V,21Wのそれぞれが出力する信号値U,V,Wはロータ極の磁気強度に応じて変動し、正弦波状になる。本実施形態では、3つの信号値のそれぞれが最大値および最小値にならない部分で位相に対してほぼ線形で推移することに着目し、1回転ごとに6つの線形部分を内挿することによって電気角を算出する。
【0012】
図3は、図1に示された電気角算出装置100の機能構成を示す図である。電気角算出装置100は、例えば通信インターフェース、プロセッサ、およびメモリを有するコンピュータによって実装される。プロセッサがメモリに格納された、または通信インターフェースを介して受信されたプログラムに従って動作することによって、予備位相インデックス決定部110、最大/最小値取得部120、信号正規化部130、位相インデックス特定部140、および信号値抽出部150の機能がソフトウェア的に実現される。以下、各部の機能について説明する。
【0013】
予備位相インデックス決定部110は、アナログホールセンサ21の信号値U,V,W(正規化前のraw data)の大小関係を位相区間ごとに示す予備位相インデックスを決定する。図4に示された例では、ある期間にわたって取得された信号値U,V,Wについて、Index0〜Index5が以下のように定義される。ただし、この時点では、信号値U,V,Wの振幅およびオフセットがそれぞれ異なるため、決定されるインデックスに対応する位相区間の長さは均等ではない。
Index0:V≧U,U>W
Index1:V>W,W≧U
Index2:W≧V,V>U
Index3:W>U,U≧V
Index4:U≧W,W>V
Index5:U>V,V≧W
【0014】
最大/最小値取得部120は、アナログホールセンサ21の信号値を正規化するために必要な各信号値の最大値および最小値を取得する。具体的には、最大/最小値取得部120は、予備位相インデックス決定部110が決定した予備位相インデックスによって信号値U,V,Wのうち最大であることが示される信号値の最大値と、最小であることが示される信号値の最小値を探索する。図5に示される例において、最大/最小値取得部120は、Index5およびIndex0で信号値Wの最小値Wminを探索し、Index0およびIndex1で信号値Vの最大値Vmaxを探索し、Index1およびIndex2で信号値Uの最小値Uminを探索し、以降同様にして信号値Wの最大値Wmax、信号値Vの最小値Vmin、および信号値Uの最大値Umaxを探索する。
【0015】
信号正規化部130は、最大/最小値取得部120が取得した最大値および最小値に基づいてアナログホールセンサ21の信号値を正規化する。具体的には、信号正規化部130は、最大/最小値取得部120が取得した最大値Umax,Vmax,Wmaxおよび最小値Umin,Vmin,Wminの差分である振幅(peak to peak)Upp,Vpp,Wppと、最小値Umin,Vmin,Wminに等しいオフセット量Uoffset,Voffset,Woffsetとを用いて、信号値U,V,Wを正規化して図6に示されるような正規化された信号値U,V,Wを得る。なお、P2P_NORMは振幅(peak to peak)に対応するサンプル数であり、以下では一例としてP2P_NORM=1024とする。
pp=Umax−Umin,Vpp=Vmax−Vmin,Wpp=Wmax−Wmin
offset=Umin,Voffset=Vmin,Woffset=Wmin
=(U−Uoffset)*P2P_NORM/Upp
=(V−Voffset)*P2P_NORM/Vpp
=(W−Woffset)*P2P_NORM/Wpp
【0016】
位相インデックス特定部140は、信号正規化部130によって正規化された信号値U,V,Wの大小関係を位相区間ごとに示す位相インデックスを特定する。予備位相インデックス決定部110が正規化のためにある期間にわたって取得された信号値について位相インデックスを決定するのに対して、位相インデックス特定部140は電気角算出の対象になる現時点での位相インデックスを特定する。図7に示された例において、Index0〜Index5は以下のように定義される。図7に矢印で示す時点では、V>W,W≧UであるためIndex1が特定される。位相のインデックスを特定することによって、続く信号値抽出部150で抽出する信号を決定することが容易になる。
Index0:V≧U,U>W
Index1:V>W,W≧U
Index2:W≧V,V>U
Index3:W>U,U≧V
Index4:U≧W,W>V
Index5:U>V,V≧W
【0017】
信号値抽出部150は、信号値U,V,Wから、電気角に対して単調増加または単調減少する信号値を抽出する。具体的には、図8(a)に示された例において、信号値抽出部150は、位相インデックス特定部140によって決定された位相インデックスを参照して、位相区間ごとに信号値U,V,Wのうち最大でも最小でもない信号値を抽出する。図示された例では、インデックス0およびインデックス3では信号値Uが、インデックス1およびインデックス4では信号値Wが、インデックス2およびインデックス5では信号値Vが、それぞれ抽出される。上述のように、これらの区間では抽出された信号値が電気角に対してほぼ線形で単調減少、または単調増加する。
【0018】
電気角算出部160は、信号値抽出部150によって抽出された信号値U,V,Wから電気角を算出する。図8(b)に示された例では、抽出された信号値U,V,Wが1/6周期に対応する区間ごとに単調減少および単調増加を繰り返すので、信号値を256(振幅の1/4)だけマイナス方向にシフトして、さらに偶数インデックス(Index0,Index2,Index4)の区間で符号を反転させることによって、1/6周期(インデックス1つ分)ごとに0から512(振幅の1/2)まで単調増加する信号値Sに変換している。この場合、電気角θは、信号値Sおよびインデックス数nを用いてθ=n*512+Sとして算出することができる。なお、信号値抽出部150によって抽出された区間の信号値は電気角に対して単調減少または単調増加するため、上記の例に限らず様々な方法で電気角を算出することができる。
【0019】
図9は、本発明の一実施形態に係る電気角の算出処理の例を示すフローチャートである。図示された例において、電気角の算出処理は、上記で説明した予備位相インデックス決定部110、最大/最小値取得部120、信号正規化部130、位相インデックス特定部140、信号値抽出部150、および電気角算出部160の処理にそれぞれ対応する、予備位相インデックス決定ステップ(S110)、最大/最小値取得ステップ(S120)、信号正規化ステップ(S130)、位相インデックス特定ステップ(S140)、信号値抽出ステップ(S150)、および電気角算出ステップ(S160)を含む。
【0020】
ここで、BLDC20の運転中にも温度変化などによってアナログホールセンサ21の出力信号値の振幅およびオフセットが変動するため、所定の時間が経過した場合、予備位相インデックス決定ステップ(S110)、最大/最小値取得ステップ(S120)を繰り返して実行してもよい(S170)。所定の時間が経過するまでは、信号正規化ステップ(S130)、位相インデックス決定ステップ(S140)、区間抽出ステップ(S150)、および電気角算出ステップ(S160)を繰り返す(S180)。これによって、信号値を正規化する振幅およびオフセットを適切な値に維持しながら電気角の算出を継続することができる。
【0021】
図10は、本発明の一実施形態における電気角の算出精度について検証した結果を示すグラフである。BLDC20の駆動軸にTMR(Tunnel Magneto Resistance)角度センサを取り付け、図10のグラフは、BLDC20を回転駆動させて電気角算出装置100が算出した電気角θと角度センサの測定値とを比較した結果を示す。アナログホールセンサ21が出力する信号値は正弦波状ではあるが必ずしも完全な正弦波ではないため、電気角θの算出値に最大で5°程度の誤差が生じるが、両者の間には線形の相関関係がみられた。この結果に示されるように、本実施形態では実用的な精度で電気角を算出することができる。
【0022】
上記で説明した本発明の実施形態では、モータに組み込まれているアナログホールセンサの出力に対して必要に応じて適切な手順で正規化を実施し、信号値と位相とが線形に推移する部分を抽出することによって、例えば外付けの回転エンコーダを用いることなく実用的な精度で電気角を算出することができ、装置の小型化、およびコストの低減の観点で有利である。
【0023】
なお、上記の実施形態の例ではBLDC20の固定子に組み込まれた3つのアナログホールセンサから出力される三相の信号値を用いて電気角を算出したが、他の例では4つ以上、例えば6つのアナログホールセンサから出力される信号値を用いて電気角を算出してもよい。より多くのアナログホールセンサの出力を利用する場合、例えば信号値と位相との関係がより直線に近い部分を抽出することによって、電気角の算出精度を向上させることができる。
【0024】
また、上記の実施形態の例では予備位相インデックス決定部110、最大/最小値取得部120、および信号正規化部130によってアナログホールセンサ21の信号値U,V,Wが正規化されたが、例えば別途の手段によって正規化された信号値が提供される場合、電気角算出装置は必ずしもこれらの構成要素を含まなくてもよい。また、位相インデックス特定部140は、信号値抽出部150が抽出する信号を決定することを容易にするために設けられるが、例えば信号値抽出部150が直接的に信号値の大小関係を判定して信号値を抽出する場合、位相インデックス特定部140は必ずしも設けられなくてもよい。
【0025】
以上、添付図面を参照しながら本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0026】
10…制御装置、20…ブラシレス直流モータ(BLDC)、21,21U,21V,21W…アナログホールセンサ、100…電気角算出装置、110…予備位相インデックス決定部、120…最大/最小値取得部、130…信号正規化部、140…位相インデックス特定部、150…信号値抽出部、160…電気角算出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10