【実施例】
【0030】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0031】
本実施例のコーヒーパーコレータは、上部開口型のポット1と、このポット1の上部開口部2を開閉自在に閉塞する蓋体3と、前記ポット1内の上方に支持されペーパーフィルター6を装着可能なペーパードリッパー4と、前記ポット1内に立設されて下端部がポット1内の底部付近に配設され上端部が前記ペーパードリッパー4より上方に配設される揚湯管5とから構成されている。
【0032】
本実施例のポット1は、金属製の有底円筒状体であって、外壁面の対向位置に注ぎ口12と取手13が設けられている。
【0033】
また、このポット1の高さ方向中ほどの内壁面には、その周方向に間隔を置いた数箇所(例えば三箇所)に短い帯状金属板がL字状に折曲形成された金属片8が付設されていて、この数箇所の金属片8が前記ドリッパー4を支持するドリッパー支持部8として構成されている。
【0034】
本実施例の蓋体3は、金属製の円板状体であって、上面の中心部には、前記揚湯管5の上端部から噴き出すコーヒー(液)の色(濃度)を視認し得るように透明合成樹脂製の摘み14が設けられている。
【0035】
本実施例のドリッパー4は、前記上部開口部2を介してポット1内より出し入れ可能な大きさのものであって、漏斗形のフィルター装着部15の下部に円板状の載置台部7が一体成形されて成る例えば合成樹脂製の公知のペーパードリッパー4が採用されている。図中符号16はコーヒー抽出孔、17は把手である。尚、図面はフィルター装着部15が台形を呈する形態のものを示し、ペーパーフィルター6もこれに対応する台形のものを示しているが、逆円錐形のフィルター装着部15を有する(逆円錐形のペーパーフィルター6を装着できる)ペーパードリッパー4が採用されていても良い。
【0036】
このペーパードリッパー4は、その載置台部7を数箇所の前記ドリッパー支持部8に着脱自在に載置することにより、ポット1内の上方に支持されるように構成されている。
【0037】
また、このフィルター装着部15の側部上側と載置台部7の側部とには、前記揚湯管5を逃げる逃げ凹部9が形成されている。
【0038】
本実施例の前記揚湯管5は、例えば金属製であって、前記ポット1内に着脱自在に設けられていると共に、ポット1内の上方に支持された前記ペーパードリッパー4を側方に迂回しつつ立設して上端部がペーパードリッパー4の上方に配置される形状に形成されている。
【0039】
また、この揚湯管5は、ポット1の内径より径小で前記ポット1内の底部に着脱自在に載置可能な円板状の台座10を下部に有していて、この台座10の下面に揚湯管5下端の開口部が開口するように構成されている。
【0040】
また、この台座10は、外周縁の全周に脚片18が垂設されて、この脚片18により台座10下面がポット1内の底部より浮上した状態で載置されるように構成され、更にこの脚片18の数箇所には、半円形の導入部19が切欠形成されていて、台座10をポット1内の底部に載置した際には、ポット1内に入れた水(湯)がこの導入部19から台座10下方に導入されて揚湯管5(の下端開口部)へと導かれるように構成されている。
【0041】
また、揚湯管5は、台座10の偏心位置から立設されており、下部途中が更に台座10の中心から離れた外方へ折曲されて前記ポット1の内壁面に沿いつつ前記逃げ凹部9に配設されて立ち上がった後、上部がポット1の中心方向に折曲されて上端部が前記ペーパードリッパー4の中心部上方位置に配設されると共に、上端開口部が上方を向く形状に形成されている(
図1,
図2参照)。
【0042】
次に、本実施例の使用方法を説明する。
【0043】
ポット1内の底部に台座10を載置することによって揚湯管5を立設すると共に、ペーパーフィルター6を装着したペーパードリッパー4を、前記逃げ凹部6に揚湯管5の途中部を配設することで揚湯管5を逃げつつ、載置台部7をポット1内のドリッパー支持部8に載置することによってポット1内の上方に支持する。尚、ペーパードリッパー4をポット1内の上方に支持した後で、ペーパードリッパー4にペーパーフィルター6を装着するようにしても良い。
【0044】
続いて、ポット1内にペーパードリッパー4より下方位置まで水を入れると共に、ペーパードリッパー4(ペーパーフィルター6上)にコーヒー粉11を入れ、上部開口部2を蓋体3で閉塞してからポット1を火にかけると、水が沸騰し蒸発することでポット1内の圧力が上昇して水面(湯面)が押し下げられ、これに伴いポット1内底部付近の下端部から揚湯管5内に浸入している湯が押し上げられる。
【0045】
そして、ペーパードリッパー4より上方に配設されている揚湯管5の上端部から湯が噴き出してペーパーフィルター6上のコーヒー粉11に降りかかり、ペーパーフィルター6で濾されてペーパードリッパー4の下方にコーヒー(液)が抽出される(
図2参照)。
【0046】
この際、コーヒー粉11はペーパーフィルター6に遮られてペーパードリッパー4下方の湯に落ちることがなく、従って、従来のパーコレータのように、抽出されたコーヒーに泥状化したコーヒー粉が混ざることはない。
【0047】
また、本実施例は、パーコレータ方式だけでなく、ペーパードリップ方式でのコーヒー抽出も可能である。
【0048】
具体的には、
図3に示すように、蓋体2と揚湯管5を使用せず、ペーパーフィルター6を装着したペーパードリッパー4を、その載置台部7を前記ドリッパー支持部8に載置することでポット1内の上方に支持する。
【0049】
そして、ペーパードリッパー4にコーヒー粉11を入れて上部開口部2から熱湯を注ぐことで、ポット1内のペーパードリッパー4の下方にコーヒーが抽出される。
【0050】
また、更に本実施例は、
図4に示すように、ペーパードリッパー4を単体で使用するペーパードリップ方式でコーヒーを抽出することも可能である。
【0051】
具体的には、ポット1内から取り出したペーパードリッパー4を、その載置台部7を介して飲料用カップCに着脱自在に載置し、ペーパーフィルター6が装着されたこのペーパードリッパー4にコーヒー粉11を入れて熱湯を注ぐことで、飲料用カップCに直接コーヒーを抽出することができる。
【0052】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。