特許第6967069号(P6967069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967069
(24)【登録日】2021年10月26日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】可変間隔ラック
(51)【国際特許分類】
   B01L 9/06 20060101AFI20211108BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20211108BHJP
   F16H 25/12 20060101ALI20211108BHJP
   G01N 35/10 20060101ALI20211108BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   B01L9/06
   C12M1/00 A
   F16H25/12 A
   G01N35/10 J
   G01N35/02 A
【請求項の数】30
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-510645(P2019-510645)
(86)(22)【出願日】2017年8月21日
(65)【公表番号】特表2019-528168(P2019-528168A)
(43)【公表日】2019年10月10日
(86)【国際出願番号】US2017047820
(87)【国際公開番号】WO2018039130
(87)【国際公開日】20180301
【審査請求日】2020年8月6日
(31)【優先権主張番号】62/378,094
(32)【優先日】2016年8月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/419,198
(32)【優先日】2016年11月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501062637
【氏名又は名称】バイオコントロール システムズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ベリー, ジョセフ
【審査官】 塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/110143(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0330254(US,A1)
【文献】 特開2004−340906(JP,A)
【文献】 特開2013−253992(JP,A)
【文献】 特表2011−524244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 1/00−99/00
C12M 1/00
F16H 25/12
G01N 35/10
G01N 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変間隔ラックであって、前記可変間隔ラックは、
フレームであって、前記フレームは、第1の軸第2の軸とを有し、前記第2の軸は、前記第1の軸に垂直である、フレームと、
複数のキャリッジであって、前記複数のキャリッジのうちの各1つのキャリッジは、細長であり、かつ、ある長さと、前記1つのキャリッジの長さに沿って配置されている複数のウェルとを有し、前記1つのキャリッジは、前記フレームの前記第1の軸に平行に位置付けられており、かつ、前記フレームの前記第2の軸に沿って平行移動するように搭載されており、前記複数のキャリッジは、第1のキャリッジと第2のキャリッジとを含む、複数のキャリッジと、
前記フレームの前記第2の軸と平行に前記フレームに回転可能に搭載されている第1のロータであって前記第1のロータは、外面と、前記第1のロータの前記外面における第1の右巻き螺旋溝と、前記第1のロータの前記外面における第1の左巻き螺旋溝とを有する、第1のロータと、
前記第1のキャリッジに物理的に結合されている第1のピンであって、前記第1のピンは、前記第1のロータの前記第1の右巻き螺旋溝に乗るように位置付けられている、第1のピンと、
前記第2のキャリッジに物理的に結合されている第2のピンであって、前記第2のピンは、前記第1のロータの前記第1の左巻き螺旋溝に乗るように位置付けられている第2のピンと
を備え
前記複数のキャリッジのうちの隣接するキャリッジのウェルは、ある距離で間隔を置かれており、前記距離は、前記複数のキャリッジのうちのすべての隣接するキャリッジのすべてのウェルの間の距離と同一である、可変間隔ラック。
【請求項2】
前記複数のキャリッジは、前記第1のキャリッジおよび前記第2のキャリッジに加えて、第1の複数の追加のキャリッジをさらに含み、
前記可変間隔ラックは、
複数の追加の右巻き螺旋溝であって、前記第1の右巻き螺旋溝に加えて、前記複数の追加の右巻き螺旋溝は、前記第1のロータの前記外面にある、複数の追加の右巻き螺旋溝と、
第1の複数の追加のピンであって、前記第1のピンおよび前記第2のピンに加えて、前記第1の複数の追加のピンの追加のピンのそれぞれは、前記第1の複数の追加のキャリッジの前記追加のキャリッジのうちのそれぞれの1つに物理的に結合されており、かつ、前記追加の右巻き螺旋溝のうちのそれぞれの1つに乗るように位置付けられている、第1の複数の追加のピンと
をさらに備えている、請求項1に記載の可変間隔ラック。
【請求項3】
前記複数のキャリッジは、前記第1のキャリッジおよび前記第2のキャリッジおよび前記第1の複数の追加のキャリッジに加えて、第2の複数の追加のキャリッジをさらに含み、
前記可変間隔ラックは、
複数の追加の左巻き螺旋溝であって、前記第1の左巻き螺旋溝に加えて、前記複数の追加の左巻き螺旋溝は、前記第1のロータの前記外面にある、複数の追加の左巻き螺旋溝と、
第2の複数の追加のピンであって、前記第1のピンおよび前記第2のピンおよび前記第1の複数の追加のピンに加えて、前記第2の複数の追加のピンの前記追加のピンのそれぞれは、前記第2の複数の追加のキャリッジの前記追加のキャリッジのうちのそれぞれの1つに物理的に結合されており、かつ、前記追加の左巻き螺旋溝のうちのそれぞれの1つに乗るように位置付けられている、第2の複数の追加のピンと
をさらに備えている、請求項2に記載の可変間隔ラック。
【請求項4】
前記第1のキャリッジおよび前記第1の複数の追加のキャリッジは、合計4つのキャリッジを含み、前記第2のキャリッジおよび前記第2の複数の追加のキャリッジは、合計4つのキャリッジを含む、請求項3に記載の可変間隔ラック。
【請求項5】
前記第1のキャリッジおよび前記第2のキャリッジおよび前記第1の複数の追加のキャリッジおよび前記第2の複数の追加のキャリッジの前記追加のキャリッジウェルのそれぞれは、それぞれの1つの0.1ml増幅管を少なくとも部分的に受け取るようにサイズおよび寸法を決定されている、請求項34のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項6】
前記第1のキャリッジおよび前記第2のキャリッジおよび前記第1の複数の追加のキャリッジおよび前記第2の複数の追加のキャリッジの前記追加のキャリッジのそれぞれは、9つのウェルを含む、請求項35のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項7】
前記第1のキャリッジおよび前記第2のキャリッジおよび前記第1の複数の追加のキャリッジおよび前記第2の複数の追加のキャリッジの前記追加のキャリッジウェルは、前記キャリッジのそれぞれの長さに沿って互いから約9.0mm間隔を置かれている、請求項36のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項8】
前記第1の右巻き螺旋溝は、第1のピッチを有し、前記第1の左巻き螺旋溝は、第2のピッチを有し、前記第2のピッチの大きさは、前記第1のピッチの大きさに等しく、前記第1の右巻き螺旋溝の巻き方は、前記第1の左巻き螺旋溝の巻き方と反対である、請求項17のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項9】
前記可変間隔ラックは、
前記フレームの前記第2の軸と平行に前記フレームに回転可能に搭載されている第2のロータであって、前記第2のロータは外面と、前記第2のロータの前記外面における右巻き螺旋溝と、前記第2のロータの前記外面における左巻き螺旋溝とを有する、第2のロータと、
前記第1のキャリッジに物理的に結合されている第3のピンであって、前記第3のピンは、前記第2のロータの前記第1の螺旋溝に乗るように位置付けられている、第3のピンと、
前記第2のキャリッジに物理的に結合されている第4のピンであって、前記第4のピンは、前記第2のロータの前記第2の螺旋溝に乗るように位置付けられている第4のピンと
をさらに備えている、請求項18のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項10】
前記第1のキャリッジは、第1の開口および第2の開口を含み、前記第1の開口および前記第2の開口のそれぞれは、前記第1のキャリッジの長さに対して横方向に前記第1のキャリッジを通して完全に延びており、前記第1の開口および前記第2の開口のそれぞれは、それを通して前記第1のロータおよび前記第2のロータをそれぞれ受け取り、前記第2のキャリッジは、第3の開口および第4の開口を含み、前記第3の開口および第4の開口のそれぞれは、前記第2のキャリッジの長さに対して横方向に前記第2のキャリッジを通して完全に延びており、前記第3の開口および前記第4の開口のそれぞれは、それを通して前記第1のロータおよび前記第2のロータをそれぞれ受け取る、請求項9に記載の可変間隔ラック。
【請求項11】
可変間隔ラックであって、前記可変間隔ラックは、
外面と、前記外面における第1の螺旋溝と、前記外面における第2の螺旋溝とを有すロータと、
複数のキャリッジと
を備え、
前記複数のキャリッジのうちの各1つのキャリッジは、ウェルを含み、
前記複数のキャリッジは、第1のキャリッジと第2のキャリッジとを含み、
前記第1のキャリッジは、
第1の軸に沿って前記第1のキャリッジを通して完全に延びている第1の開口と、
前記第1のキャリッジから前記第1の開口の中に延びている第1のピンと、
前記第1の軸を横断する第2の軸に沿って前記第1のキャリッジの中に延びている第1のウェルと
を有し、
前記第2のキャリッジは、
前記第1の軸に沿って前記第2のキャリッジを通して完全に延びている第2の開口と、
前記第2のキャリッジから前記第2の開口の中に延びている第2のピンと、
前記第2の軸に平行である第3の軸に沿って前記第2のキャリッジの中に延びている第2のウェルと
を有し、
前記ロータは、前記第1の開口を通して、かつ前記第2の開口を通して延びており、前記第1のピンは、前記第1の螺旋溝内に据え付けられており、前記第2のピンは、前記第2の螺旋溝内に据え付けられており、
前記複数のキャリッジのうちの隣接するキャリッジのウェルは、ある距離で間隔を置かれており、前記距離は、前記複数のキャリッジのうちのすべての隣接するキャリッジのすべてのウェルの間の距離と同一である、可変間隔ラック。
【請求項12】
前記ロータは、前記第1の軸と一致する中心縦方向軸を有し、前記第1の軸の周りの前記ロータの回転は、前記ロータに対して前記第1の軸に沿って平行移動するように前記第1のキャリッジおよび前記第2のキャリッジを作動させる、請求項11に記載の可変間隔ラック。
【請求項13】
前記第1の螺旋溝は、第1の螺旋ピッチを有し、前記第2の螺旋溝は、前記第1の螺旋ピッチと同一ではない第2の螺旋ピッチを有し、前記第1の軸の周りの前記ロータの回転は、互いに対して前記第1の軸に沿って平行移動するように前記第1のキャリッジおよび前記第2のキャリッジを作動させる、請求項1112のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項14】
前記第1の軸の周りの前記ロータの完全1回転は、前記第1の軸に沿って互いに対して4.5mm平行移動するように前記第1のキャリッジおよび前記第2のキャリッジを作動させる、請求項1113のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項15】
前記第2の軸は、前記第1の軸に垂直である、請求項1114のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項16】
前記第1のピンは、前記第1のキャリッジから前記第1の開口の中に前記第2の軸に平行な軸に沿って延びている止めねじの端部部分である、請求項1115のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項17】
前記可変間隔ラックは、第2のロータをさらに備え、
前記第2のロータは、第2の外面と、前記第2の外面における第3の螺旋溝と、前記第2の外面における第4の螺旋溝とを有し、
前記第1のキャリッジは、
前記第1の軸に平行である第4の軸に沿って前記第1のキャリッジを通して完全に延びている第3の開口と、
前記第1のキャリッジから前記第3の開口の中に延びている第3のピンと
をさらに含み、
前記第2のキャリッジは、
前記第4の軸に沿って前記第2のキャリッジを通して完全に延びている第4の開口と、
前記第2のキャリッジから前記第4の開口の中に延びている第4のピンと
をさらに含み、
前記第2のロータは、前記第3の開口を通して、かつ前記第4の開口を通して延びており、前記第3のピンは、前記第3の螺旋溝内に据え付けられており、前記第4のピンは、前記第4の螺旋溝内に据え付けられている、請求項1116のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項18】
前記第1の軸は、前記第4の軸に平行である、請求項17に記載の可変間隔ラック。
【請求項19】
前記第1のキャリッジは、第5の軸に沿って前記第1のロータから前記第2のロータ延びており、前記第5の軸は、前記第1の軸および前記第2の軸および前記第3の軸および前記第4の軸に垂直であり、前記第2のキャリッジは、第6の軸に沿って前記第1のロータから前記第2のロータ延びており、前記第6の軸は、前記第5の軸に平行である、請求項1718のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項20】
前記可変間隔ラックは、
前記第1のウェル内に位置付けられている第1のPCRアンプ管と、
前記第2のウェル内に位置付けられている第2のPCRアンプ管と
をさらに備えている、請求項1119のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項21】
前記第1のPCRアンプ管は、前記第2のPCRアンプ管に結合されており、ブレードアセンブリが、前記ラックに搭載されており、前記ブレードアセンブリは、前記第2のPCRアンプ管から前記第1のPCRアンプ管を分離するように構成されているブレードを含む、請求項20に記載の可変間隔ラック。
【請求項22】
前記可変間隔ラックは、
前記第1の軸および前記第2の軸および前記第3の軸を横断して延びている第1のレールと、
前記第1のレールに平行に延びている第2のレールと
をさらに備え、
前記ブレードアセンブリは、前記第1のレールおよび前記第2のレールに沿ってスライドするように前記第1のレールおよび前記第2のレールに搭載されている、請求項21に記載の可変間隔ラック。
【請求項23】
前記可変間隔ラックは、前記第1のウェルおよび前記第2のウェルの上方に位置付けられているカバーをさらに備えている、請求項1122のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
【請求項24】
前記カバーは、前記第1のウェルの上方に位置付けられている第1の孔と、前記第2のウェルの上方に位置付けられている第2の孔とを含む、請求項23に記載の可変間隔ラック。
【請求項25】
可変間隔ラックを動作させる方法であって、前記方法は、
互いに結合されている複数のPCRアンプ管の組を前記可変間隔ラックの複数のキャリッジの複数のアンプ管ウェルの組の中に位置付けることであって、前記複数のキャリッジは、第1の距離だけ互いから間隔を置かれている、ことと、
前記可変間隔ラックを横断してブレードアセンブリを平行移動させることにより、前記複数のPCRアンプ管を互いから分離することと、
前記複数のキャリッジ係合されたロータを回転させることであって、これにより、前記複数のキャリッジが前記第1の距離と同一ではない第2の距離だけ互いから間隔を置かれるように前記複数のキャリッジを互いに対して平行移動させることと、
マルチチャネルピペットを使用して、複数のサンプルを前記複数のPCRアンプ管の組の中に移すことと
を含む、方法。
【請求項26】
前記複数のPCRアンプ管の組は、4つの0.1mlアンプ管の組であり、前記複数のアンプ管ウェルの組は、4つのアンプ管ウェルの組であり、前記複数のキャリッジは、4つのキャリッジである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の距離は、4.5mm中心間であり、前記第2の距離は、9.0mm中心間である、請求項2526のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記ロータは、複数の螺旋溝を含み、前記複数のキャリッジのうちの各キャリッジは、前記複数の螺旋溝のうちのそれぞれの1つ係合されたピンを含む、請求項2527のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、前記マルチチャネルピペットを使用して、前記複数のサンプルを前記複数のPCRアンプ管の組の中に移す前に、前記複数のPCRアンプ管を覆ってカバーを位置付けることをさらに含む、請求項2528のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記カバーは、複数の孔を含み、前記カバーを位置付けることは、前記複数のPCRアンプ管のすぐ上に前記複数の孔を位置付けることを含む、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、アンプ管ラックに関し、より具体的には、オペレータがラック内に保持されるアンプ管間の間隔を調節することを可能にするアンプ管ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの伝統的な商業的ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)システムは、96ウェルPCR板を含み、96ウェルPCR板は、標準化された配置において位置付けられ、互いから間隔を置かれた個々のウェルを有する。そのようなシステムを使用しながら、技師は、多くの場合、サンプルをPCR板から個々の増幅(「アンプ」)管に移し、増幅管は、典型的には、0.2ml公称容量を有する。多くの伝統的PCRシステムは、96ウェルアンプ管ラックも含み、96ウェルアンプ管ラックは、96ウェルPCR板のためものと同じ標準化された配置において位置付けられ、互いから間隔を置かれる個々のウェルを有する。多くの伝統的PCRシステムは、マルチチャネルピペットも含み、マルチチャネルピペットは、技師が、サンプルをPCR板の複数のウェルからアンプ管ラックによって保持される複数のアンプ管に同時に移すことを可能にする。マルチチャネルピペットを使用する技師の能力は、PCR板のウェル間の間隔が、アンプ管ラックのウェル間の間隔と同一であるという事実によって促進される。
【0003】
この分野における改良は、0.1ml公称容量を有するアンプ管と、96ウェルアンプ管ラックとは異なる標準化された配置において位置付けられ、互いから間隔を置かれた個々のウェルを伴う384ウェルアンプ管ラックとの開発および使用につながった。概して、384ウェルアンプ管ラックのウェル間の間隔は、96ウェルアンプ管ラックのウェル間の間隔(例えば、約9.0mm中心間)よりも小さい(例えば、約4.5mm中心間)。したがって、可変間隔マルチチャネルピペットが、技師がサンプルを第1の間隔における複数のウェルから異なる間隔における複数のアンプ管に同時に移すことを可能にするために開発されている。いくつかの場合、可変間隔マルチチャネルピペットは、標準的な非可変間隔マルチチャネルピペットよりも信頼性がなく、使用することが困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
可変間隔ラックは、フレームであって、第1の軸と、第2の軸とを有し、第2の軸は、第1の軸に垂直である、フレームと、第1のキャリッジであって、第1のキャリッジは、細長であり、ある長さと、第1のキャリッジの長さに沿って配置された第1の複数のウェルとを有し、フレームの第1の軸に平行に位置付けられ、フレームの第2の軸に沿って平行移動するように搭載されている、第1のキャリッジと、少なくとも第2のキャリッジであって、第2のキャリッジは、細長であり、ある長さと、第2のキャリッジの長さに沿って配置された第2の複数のウェルとを有し、フレームの第1の軸に平行に位置付けられ、フレームの第2の軸に沿って平行移動するように搭載されている、第2のキャリッジと、第1のロータであって、第1のロータは、フレームの第2の軸と平行にフレームに回転可能に搭載され、外面と、第1のロータの外面における第1の右巻き螺旋溝と、第1のロータの外面における第1の左巻き螺旋溝とを有する、第1のロータと、第1のキャリッジに物理的に結合され、第1のロータの第1の右巻き螺旋溝に乗るように位置付けられている第1のピンと、第2のキャリッジに物理的に結合され、第1のロータの第1の左巻き螺旋溝に乗るように位置付けられている少なくとも第2のピンとを備えているものとして要約され得る。
【0005】
可変間隔ラックは、第1および第2のキャリッジに加えて、第1の複数の追加のキャリッジであって、第1の複数の追加のキャリッジの各々は、細長であり、それぞれの長さと、それぞれの追加のキャリッジの長さに沿って配置されたそれぞれの複数のウェルとを有し、各々は、フレームの第1の軸に平行に位置付けられ、フレームの第2の軸に沿って平行移動するように搭載されている、第1の複数の追加のキャリッジと、第1の右巻き螺旋溝に加えて、第1のロータの外面における複数の追加の右巻き螺旋溝と、第1および第2のピンに加えて、第1の複数の追加のピンであって、第1の複数の追加のピンの追加のピンの各々は、第1の複数の追加のキャリッジの追加のキャリッジのうちのそれぞれの1つに物理的に結合され、追加の右巻き螺旋溝のうちのそれぞれの1つに乗るように位置付けられている、第1の複数の追加のピンとをさらに備え得る。
【0006】
可変間隔ラックは、第1、第2、および第1の複数の追加のキャリッジに加えて、第2の複数の追加のキャリッジであって、第2の複数の追加のキャリッジの各々は、細長であり、それぞれの長さと、それぞれの追加のキャリッジの長さに沿って配置されたそれぞれの複数のウェルとを有し、各々は、フレームの第1の軸に平行に位置付けられ、フレームの第2の軸に沿って平行移動するように搭載されている、第2の複数の追加のキャリッジと、第1の左巻き螺旋溝に加えて、第1のロータの外面における複数の追加の左巻き螺旋溝と、第1、第2、および第1の複数の追加のピンに加えて、第2の複数の追加のピンであって、第2の複数の追加のピンの追加のピンの各々は、第2の複数の追加のキャリッジの追加のキャリッジのうちのそれぞれの1つに物理的に結合され、追加の左巻き螺旋溝のうちのそれぞれの1つに乗るように位置付けられている、第2の複数の追加のピンとをさらに備え得る。
【0007】
第1のキャリッジおよび第1の複数の追加のキャリッジは、合計4つのキャリッジを含み得、第2のキャリッジおよび第2の複数の追加のキャリッジは、合計4つのキャリッジを含み得る。第1のキャリッジ、第2のキャリッジ、および第1、第2の複数の追加のキャリッジの追加のキャリッジのウェルは、各々、それぞれの1つの0.1ml増幅管を少なくとも部分的に受け取るようにサイズおよび寸法を決定され得る。第1のキャリッジ、第2のキャリッジ、および第1、第2の複数の追加のキャリッジの追加のキャリッジは、各々、9つのウェルを含み得る。第1のキャリッジ、第2のキャリッジ、および第1、第2の複数の追加のキャリッジの追加のキャリッジのウェルは、約9.0mmだけキャリッジのそれぞれの長さに沿って互いから間隔を置かれ得る。
【0008】
第1の右巻き螺旋溝は、第1のピッチを有し得、第1の左巻き螺旋溝は、第2のピッチを有し得、第2のピッチの大きさは、第1のピッチの大きさに等しく、第1の右巻き螺旋溝の巻き方は、第1の左巻き螺旋溝の巻き方と反対である。可変間隔ラックは第2のロータであって、第2のロータは、フレームの第2の軸と平行にフレームに回転可能に搭載され、外面と、第2のロータの外面における右巻き螺旋溝と、第2のロータの外面における左巻き螺旋溝とを有する、第2のロータと、第1のキャリッジに物理的に結合され、第2のロータの第1の螺旋溝に乗るように位置付けられている第3のピンと、第2のキャリッジに物理的に結合され、第2のロータの第2の螺旋溝に乗るように位置付けられている少なくとも第4のピンとをさらに備え得る。第1のキャリッジは、各々が第1のキャリッジの長さに対して横方向に第1のキャリッジを通して完全に延び、各々がそれを通して第1および第2のロータをそれぞれ受け取る第1および第2の開口を含み得、第2のキャリッジは、各々が第2のキャリッジの長さに対して横方向に第2のキャリッジを通して完全に延び、各々がそれを通して第1および第2のロータをそれぞれ受け取る第3および第4の開口を含み得る。
【0009】
可変間隔ラックは、外面と、外面における第1の螺旋溝と、外面における第2の螺旋溝とを有するロータと、第1のキャリッジであって、第1の軸に沿って第1のキャリッジを通して完全に延びている第1の開口と、第1のキャリッジから第1の開口の中に延びている第1のピンと、第1の軸を横断する第2の軸に沿って第1のキャリッジの中に延びている第1のウェルとを有する第1のキャリッジと、第2のキャリッジであって、第1の軸に沿って第2のキャリッジを通して完全に延びている第2の開口と、第2のキャリッジから第2の開口の中に延びている第2のピンと、第2の軸に平行である第3の軸に沿って第2のキャリッジの中に延びている第2のウェルとを有する第2のキャリッジとを備え、ロータは、第1の開口を通して、かつ第2の開口を通して延び、第1のピンは、第1の螺旋溝内に据え付けられ、第2のピンは、第2の螺旋溝内に据え付けられるものとして要約され得る。
【0010】
ロータは、第1の軸と一致する中心縦方向軸を有し得、第1の軸の周りのロータの回転は、ロータに対して第1の軸に沿って平行移動するように第1および第2のキャリッジを作動させる。第1の螺旋溝は、第1の螺旋ピッチを有し得、第2の螺旋溝は、第1の螺旋ピッチと同一ではない第2の螺旋ピッチを有し得、第1の軸の周りのロータの回転は、互いに対して第1の軸に沿って平行移動するように第1および第2のキャリッジを作動させ得る。第1の軸の周りのロータの完全1回転は、互いに対して第1の軸に沿って4.5mm平行移動するように第1および第2のキャリッジを作動させ得る。第2の軸は、第1の軸に垂直であり得る。第1のピンは、第1のキャリッジから第1の開口の中に第2の軸に平行な軸に沿って延びている止めねじの端部部分であり得る。
【0011】
可変間隔ラックは、第2の外面と、第2の外面における第3の螺旋溝と、第2の外面における第4の螺旋溝とを有する第2のロータをさらに備え得、第1のキャリッジは、第1の軸に平行である第4の軸に沿って第1のキャリッジを通して完全に延びている第3の開口と、第1のキャリッジから第3の開口の中に延びている第3のピンとをさらに含み、第2のキャリッジは、第4の軸に沿って第2のキャリッジを通して完全に延びている第4の開口と、第2のキャリッジから第4の開口の中に延びている第4のピンとをさらに含み、第2のロータは、第3の開口を通して、かつ第4の開口を通して延び、第3のピンは、第3の螺旋溝内に据え付けられ、第4のピンは、第4の螺旋溝内に据え付けられる。
【0012】
第1の軸は、第4の軸に平行であり得る。第1のキャリッジは、第1のロータから第2のロータに第1、第2、第3、および第4の軸に垂直である第5の軸に沿って延び得、第2のキャリッジは、第1のロータから第2のロータに第5の軸に平行である第6の軸に沿って延び得る。可変間隔ラックは、第1のウェル内に位置付けられた第1のPCRアンプ管と、第2のウェル内に位置付けられた第2のPCRアンプ管とをさらに備え得る。第1のPCRアンプ管は、第2のPCRアンプ管に結合され得、ブレードアセンブリが、ラックに搭載され得、ブレードアセンブリは、第2のPCRアンプ管から第1のPCRアンプ管を分離するように構成されたブレードを含み得る。
【0013】
可変間隔ラックは、第1、第2、および第3の軸を横断して延びている第1のレールと、第1のレールに平行に延びている第2のレールとをさらに備え得、ブレードアセンブリは、第1および第2のレールに沿ってスライドするように第1および第2のレールに搭載される。可変間隔ラックは、第1および第2のウェルの上方に位置付けられるカバーをさらに備え得る。カバーは、第1のウェルの上方に位置付けられる第1の孔と、第2のウェルの上方に位置付けられる第2の孔とを含む。
【0014】
可変間隔ラックを動作させる方法は、互いに結合されたPCRアンプ管の組を可変間隔ラックの複数のキャリッジのアンプ管ウェルの組の中に位置付けることであって、複数のキャリッジは、第1の距離だけ互いから間隔を置かれている、ことと、可変間隔ラックを横断してブレードアセンブリを平行移動させ、PCRアンプ管を互いから分離することと、複数のキャリッジと係合されたロータを回転させ、それによって、複数のキャリッジが、第1の距離と同一ではない第2の距離だけ互いから間隔を置かれるように、互いに対して複数のキャリッジを平行移動させることと、マルチチャネルピペットを使用し、複数のサンプルをPCRアンプ管の組の中に移すこととを含むものとして要約され得る。
【0015】
PCRアンプ管の組は、4つの0.1mlアンプ管の組であり得、アンプ管ウェルの組は、4つのアンプ管ウェルの組であり、複数のキャリッジは、4つのキャリッジである。第1の距離は、4.5mm中心間であり得、第2の距離は、9.0mm中心間であり得る。ロータは、複数の螺旋溝を含み得、複数のキャリッジの各キャリッジは、複数の螺旋溝のうちのそれぞれの1つと係合されるピンを含み得る。方法は、マルチチャネルピペットを使用し、複数のサンプルをPCRアンプ管の組の中に移す前、PCRアンプ管を覆ってカバーを位置付けることをさらに含み得る。カバーは、複数の孔を含み得、カバーを位置付けることは、PCRアンプ管のすぐ上に位置付けることを含み得る。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
可変間隔ラックであって、前記可変間隔ラックは、
フレームであって、前記フレームは、第1の軸と、第2の軸とを有し、前記第2の軸は、前記第1の軸に垂直である、フレームと、
第1のキャリッジであって、前記第1のキャリッジは、細長であり、ある長さと、前記第1のキャリッジの長さに沿って配置された第1の複数のウェルとを有し、前記第1のキャリッジは、前記フレームの前記第1の軸に平行に位置付けられ、前記フレームの前記第2の軸に沿って平行移動するように搭載されている、第1のキャリッジと、
少なくとも第2のキャリッジであって、前記第2のキャリッジは、細長であり、ある長さと、前記第2のキャリッジの長さに沿って配置された第2の複数のウェルとを有し、前記第2のキャリッジは、前記フレームの前記第1の軸に平行に位置付けられ、前記フレームの前記第2の軸に沿って平行移動するように搭載されている、少なくとも第2のキャリッジと、
第1のロータであって、前記第1のロータは、前記フレームの前記第2の軸と平行に前記フレームに回転可能に搭載され、前記第1のロータは、外面と、前記第1のロータの外面における第1の右巻き螺旋溝と、前記第1のロータの外面における第1の左巻き螺旋溝とを有する、第1のロータと、
前記第1のキャリッジに物理的に結合された第1のピンであって、前記第1のピンは、前記第1のロータの前記第1の右巻き螺旋溝に乗るように位置付けられている、第1のピンと、
前記第2のキャリッジに物理的に結合された少なくとも第2のピンであって、前記少なくとも第2のピンは、前記第1のロータの前記第1の左巻き螺旋溝に乗るように位置付けられている、少なくとも第2のピンと
を備えている、可変間隔ラック。
(項目2)
第1の複数の追加のキャリッジであって、前記第1および前記第2のキャリッジに加えて、前記第1の複数の追加のキャリッジの各々は、細長であり、それぞれの長さと、前記それぞれの追加のキャリッジの長さに沿って配置されたそれぞれの複数のウェルとを有し、前記第1の複数の追加のキャリッジの各々は、前記フレームの前記第1の軸に平行に位置付けられ、前記フレームの前記第2の軸に沿って平行移動するように搭載されている、第1の複数の追加のキャリッジと、
複数の追加の右巻き螺旋溝であって、前記第1の右巻き螺旋溝に加えて、前記複数の追加の右巻き螺旋溝は、前記第1のロータの前記外面にある、複数の追加の右巻き螺旋溝と、
第1の複数の追加のピンであって、前記第1および前記第2のピンに加えて、前記第1の複数の追加のピンの追加のピンの各々は、前記第1の複数の追加のキャリッジの前記追加のキャリッジのうちのそれぞれの1つに物理的に結合され、前記追加の右巻き螺旋溝のうちのそれぞれの1つに乗るように位置付けられている、第1の複数の追加のピンと
をさらに備えている、項目1に記載の可変間隔ラック。
(項目3)
第2の複数の追加のキャリッジであって、前記第1、前記第2、および前記第1の複数の追加のキャリッジに加えて、前記第2の複数の追加のキャリッジの各々は、細長であり、それぞれの長さと、前記それぞれの追加のキャリッジの長さに沿って配置されたそれぞれの複数のウェルとを有し、前記第2の複数の追加のキャリッジの各々は、前記フレームの前記第1の軸に平行に位置付けられ、前記フレームの前記第2の軸に沿って平行移動するように搭載されている、第2の複数の追加のキャリッジと、
複数の追加の左巻き螺旋溝であって、前記第1の左巻き螺旋溝に加えて、前記複数の追加の左巻き螺旋溝は、前記第1のロータの前記外面にある、複数の追加の左巻き螺旋溝と、 第2の複数の追加のピンであって、前記第1、前記第2、および前記第1の複数の追加のピンに加えて、前記第2の複数の追加のピンの前記追加のピンの各々は、前記第2の複数の追加のキャリッジの前記追加のキャリッジのうちのそれぞれの1つに物理的に結合され、前記追加の左巻き螺旋溝のうちのそれぞれの1つに乗るように位置付けられている、第2の複数の追加のピンと
をさらに備えている、項目2に記載の可変間隔ラック。
(項目4)
前記第1のキャリッジおよび前記第1の複数の追加のキャリッジは、合計4つのキャリッジを含み、前記第2のキャリッジおよび前記第2の複数の追加のキャリッジは、合計4つのキャリッジを含む、項目3に記載の可変間隔ラック。
(項目5)
前記第1のキャリッジと、前記第2のキャリッジと、前記第1および前記第2の複数の追加のキャリッジの前記追加のキャリッジとの前記ウェルは、各々、それぞれの1つの0.1ml増幅管を少なくとも部分的に受け取るようにサイズおよび寸法を決定されている、項目3−4のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目6)
前記第1のキャリッジと、前記第2のキャリッジと、前記第1および前記第2の複数の追加のキャリッジの前記追加のキャリッジとは、各々、9つのウェルを含む、項目3−5のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目7)
前記第1のキャリッジと、前記第2のキャリッジと、前記第1および前記第2の複数の追加のキャリッジの前記追加のキャリッジとの前記ウェルは、前記キャリッジのそれぞれの長さに沿って互いから約9.0mm間隔を置かれている、項目3−6のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目8)
前記第1の右巻き螺旋溝は、第1のピッチを有し、前記第1の左巻き螺旋溝は、第2のピッチを有し、前記第2のピッチの大きさは、前記第1のピッチの大きさに等しく、前記第1の右巻き螺旋溝の巻き方は、前記第1の左巻き螺旋溝の巻き方と反対である、項目1−7のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目9)
第2のロータであって、前記第2のロータは、前記フレームの前記第2の軸と平行に前記フレームに回転可能に搭載され、外面と、前記第2のロータの外面における右巻き螺旋溝と、前記第2のロータの外面における左巻き螺旋溝とを有する、第2のロータと、
前記第1のキャリッジに物理的に結合された第3のピンであって、前記第3のピンは、前記第2のロータの前記第1の螺旋溝に乗るように位置付けられている、第3のピンと、
前記第2のキャリッジに物理的に結合された少なくとも第4のピンであって、前記少なくとも第4のピンは、前記第2のロータの前記第2の螺旋溝に乗るように位置付けられている、少なくとも第4のピンと
をさらに備えている、項目1−8のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目10)
前記第1のキャリッジは、第1および第2の開口を含み、前記第1および第2の開口の各々は、前記第1のキャリッジの長さに対して横方向に前記第1のキャリッジを通して完全に延び、前記第1および第2の開口の各々は、それを通して前記第1および前記第2のロータをそれぞれ受け取り、前記第2のキャリッジは、第3および第4の開口を含み、前記第3および第4の開口の各々は、前記第2のキャリッジの長さに対して横方向に前記第2のキャリッジを通して完全に延び、前記第3および第4の開口の各々は、それを通して前記第1および前記第2のロータをそれぞれ受け取る、項目9に記載の可変間隔ラック。
(項目11)
可変間隔ラックであって、前記可変間隔ラックは、
外面と、前記外面における第1の螺旋溝と、前記外面における第2の螺旋溝とを有する、ロータと、
第1のキャリッジであって、前記第1のキャリッジは、
第1の軸に沿って前記第1のキャリッジを通して完全に延びている第1の開口と、
前記第1のキャリッジから前記第1の開口の中に延びている第1のピンと、
前記第1の軸を横断する第2の軸に沿って前記第1のキャリッジの中に延びている第1のウェルと
を有する、第1のキャリッジと、
第2のキャリッジであって、前記第2のキャリッジは、
前記第1の軸に沿って前記第2のキャリッジを通して完全に延びている第2の開口と、
前記第2のキャリッジから前記第2の開口の中に延びている第2のピンと、
前記第2の軸に平行である第3の軸に沿って前記第2のキャリッジの中に延びている第2のウェルと
を有する、第2のキャリッジと
を備え、
前記ロータは、前記第1の開口を通して、かつ前記第2の開口を通して延び、前記第1のピンは、前記第1の螺旋溝内に据え付けられ、前記第2のピンは、前記第2の螺旋溝内に据え付けられる、可変間隔ラック。
(項目12)
前記ロータは、前記第1の軸と一致する中心縦方向軸を有し、前記第1の軸の周りの前記ロータの回転は、前記ロータに対して前記第1の軸に沿って平行移動するように前記第1および前記第2のキャリッジを作動させる、項目11に記載の可変間隔ラック。
(項目13)
前記第1の螺旋溝は、第1の螺旋ピッチを有し、前記第2の螺旋溝は、前記第1の螺旋ピッチと同一ではない第2の螺旋ピッチを有し、前記第1の軸の周りの前記ロータの回転は、互いに対して前記第1の軸に沿って平行移動するように前記第1および前記第2のキャリッジを作動させる、項目11−12のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目14)
前記第1の軸の周りの前記ロータの完全1回転は、前記第1の軸に沿って互いに対して4.5mm平行移動するように前記第1および前記第2のキャリッジを作動させる、項目11−13のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目15)
前記第2の軸は、前記第1の軸に垂直である、項目11−14のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目16)
前記第1のピンは、前記第1のキャリッジから前記第1の開口の中に前記第2の軸に平行な軸に沿って延びている止めねじの端部部分である、項目11−15のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目17)
第2のロータをさらに備え、
前記第2のロータは、第2の外面と、前記第2の外面における第3の螺旋溝と、前記第2の外面における第4の螺旋溝とを有し、
前記第1のキャリッジは、
前記第1の軸に平行である第4の軸に沿って前記第1のキャリッジを通して完全に延びている第3の開口と、
前記第1のキャリッジから前記第3の開口の中に延びている第3のピンと
をさらに含み、
前記第2のキャリッジは、
前記第4の軸に沿って前記第2のキャリッジを通して完全に延びている第4の開口と、
前記第2のキャリッジから前記第4の開口の中に延びている第4のピンと
をさらに含み、
前記第2のロータは、前記第3の開口を通して、かつ前記第4の開口を通して延び、前記第3のピンは、前記第3の螺旋溝内に据え付けられ、前記第4のピンは、前記第4の螺旋溝内に据え付けられる、項目11−16のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目18)
前記第1の軸は、前記第4の軸に平行である、項目17に記載の可変間隔ラック。
(項目19)
前記第1のキャリッジは、前記第1のロータから前記第2のロータに前記第1、前記第2、前記第3、および前記第4の軸に垂直である第5の軸に沿って延び、前記第2のキャリッジは、前記第1のロータから前記第2のロータに前記第5の軸に平行である第6の軸に沿って延びている、項目17−18のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目20)
前記第1のウェル内に位置付けられた第1のPCRアンプ管と、
前記第2のウェル内に位置付けられた第2のPCRアンプ管と
をさらに備えている、項目11−19のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目21)
前記第1のPCRアンプ管は、前記第2のPCRアンプ管に結合されており、ブレードアセンブリが、前記ラックに搭載され、前記ブレードアセンブリは、前記第2のPCRアンプ管から前記第1のPCRアンプ管を分離するように構成されたブレードを含む、項目20に記載の可変間隔ラック。
(項目22)
前記第1、前記第2、および前記第3の軸を横断して延びている第1のレールと、
前記第1のレールに平行に延びている第2のレールと
をさらに備え、
前記ブレードアセンブリは、前記第1および第2のレールに沿ってスライドするように前記第1および第2のレールに搭載されている、項目21に記載の可変間隔ラック。
(項目23)
前記第1および前記第2のウェルの上方に位置付けられるカバーをさらに備えている、項目11−22のうちのいずれかに記載の可変間隔ラック。
(項目24)
前記カバーは、前記第1のウェルの上方に位置付けられる第1の孔と、前記第2のウェルの上方に位置付けられる第2の孔とを含む、項目23に記載の可変間隔ラック。
(項目25)
可変間隔ラックを動作させる方法であって、前記方法は、
互いに結合されたPCRアンプ管の組を前記可変間隔ラックの複数のキャリッジのアンプ管ウェルの組の中に位置付けることであって、前記複数のキャリッジは、第1の距離だけ互いから間隔を置かれている、ことと、
前記可変間隔ラックを横断してブレードアセンブリを平行移動させ、前記PCRアンプ管を互いから分離することと、
前記複数のキャリッジと係合されたロータを回転させ、それによって、前記複数のキャリッジが前記第1の距離と同一ではない第2の距離だけ互いから間隔を置かれるように、互いに対して前記複数のキャリッジを平行移動させることと、
マルチチャネルピペットを使用して、複数のサンプルを前記PCRアンプ管の組の中に移すことと
を含む、方法。
(項目26)
前記PCRアンプ管の組は、4つの0.1mlアンプ管の組であり、前記アンプ管ウェルの組は、4つのアンプ管ウェルの組であり、前記複数のキャリッジは、4つのキャリッジである、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記第1の距離は、4.5mm中心間であり、前記第2の距離は、9.0mm中心間である、項目25−26のうちのいずれかに記載の方法。
(項目28)
前記ロータは、複数の螺旋溝を含み、前記複数のキャリッジの各キャリッジは、前記複数の螺旋溝のうちのそれぞれの1つと係合されたピンを含む、項目25−27のうちのいずれかに記載の方法。
(項目29)
前記マルチチャネルピペットを使用して、前記複数のサンプルを前記PCRアンプ管の組の中に移す前、前記PCRアンプ管を覆ってカバーを位置付けることをさらに含む、項目25−28のうちのいずれかに記載の方法。
(項目30)
前記カバーは、複数の孔を含み、前記カバーを位置付けることは、前記PCRアンプ管のすぐ上に前記孔を位置付けることを含む、項目29に記載の方法。

【0016】
図面では、同じ参照番号は、類似する要素または行為を識別する。図面における要素のサイズおよび相対的位置は、必ずしも、縮尺通りに描かれない。例えば、種々の要素および角度の形状は、必ずしも、縮尺通りに描かれず、これらの要素のうちのいくつかは、図面の視認性を改良するために、恣意的に拡大され、位置付けられ得る。さらに、描かれるような要素の特定の形状は、必ずしも、特定の要素の実際の形状に関する任意の情報を伝えることを意図されず、単に、図面における容易な認識のために選択されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、少なくとも1つの図示される実施形態によるアンプ管ラックの正面、上面、および右側斜視図である。
図2図2は、少なくとも1つの図示される実施形態による図1のアンプ管ラックの基部フレームの正面、上面、および右側斜視図である。
図3図3は、少なくとも1つの図示される実施形態による図2の基部フレームの別の正面、上面、および右側斜視図である。
図4図4は、少なくとも1つの図示される実施形態による上部板がラックの他の構成要素を示すために除去された図1のアンプ管ラックの後面、上面、および右側斜視図である。
図5図5は、少なくとも1つの図示される実施形態による上部板および後部板がラックの他の構成要素を示すために除去された図1のアンプ管ラックの後面、上面、ならびに右側斜視図である。
図6図6は、少なくとも1つの図示される実施形態による図1のアンプ管ラックの複数のアンプ管キャリッジおよびロータの対の後面、上面、および右側斜視図である。
図7図7は、少なくとも1つの図示される実施形態による図6のロータの対の後面、上面、および右側斜視図である。
図8図8は、少なくとも1つの図示される実施形態による図7のロータのうちの1つの拡大図である。
図9図9は、少なくとも1つの図示される実施形態による図7のロータのうちの1つの異なる斜視図である。
図10図10は、少なくとも1つの図示される実施形態による図9のロータの別の斜視図である。
図11図11は、少なくとも1つの図示される実施形態による図1のアンプ管ラックの一部の正面、上面、および左側斜視図である。
図12図12は、少なくとも1つの図示される実施形態による図1のアンプ管ラックのブレードアセンブリおよびブレードガードの後面、底面、および右側斜視図である。
図13図13は、少なくとも1つの図示される実施形態による図12のブレードアセンブリの中心搭載ブロックの後面、上面、および右側斜視図である。
図14図14は、少なくとも1つの図示される実施形態による図12のブレードアセンブリにおいて使用するためのブレードの組の後面、上面、および右側斜視図である。
図15図15は、少なくとも1つの図示される実施形態による図1のブレードアセンブリを使用する方法を図示するフローチャート図である。
図16図16は、少なくとも1つの図示される実施形態による互いに結合された4つのアンプ管の組の側面図である。
図17図17は、少なくとも1つの図示される実施形態によるブレードアセンブリの斜視図である。
図18図18は、少なくとも1つの図示される実施形態による図17のブレードアセンブリの部分的底面図である。
図19図19は、少なくとも1つの図示される実施形態によるキャリッジの斜視図である。
図20図20は、少なくとも1つの図示される実施形態によるロータおよび止めねじがそれに結合された図19のキャリッジの斜視図である。
図21図21は、少なくとも1つの図示される実施形態によるより大きい縮尺における図20の止めねじを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明では、ある具体的詳細が、種々の開示される実施形態の徹底的な理解を提供するために記載される。しかしながら、当業者は、実施形態が、これらの具体的詳細のうちの1つ以上のものを伴わずに、もしくは他の方法、構成要素、材料等を用いて実践され得ることを認識するであろう。他の事例では、技術に関連付けられる周知の構造は、実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されていないことも、説明されていないこともある。
【0019】
文脈が別様に要求しない限り、本明細書および続く請求項全体を通して、単語「〜を備えている」は、「〜を含む」と同義語であり、包括的または非限定的である(すなわち、追加の列挙されていない要素もしくは方法行為を除外しない)。
【0020】
本明細書全体を通した「一実施形態」または「ある実施形態」の言及は、実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造、もしくは特性が、少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した種々の箇所における語句「一実施形態では」または「ある実施形態では」の出現は、必ずしも、全てが同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
【0021】
本明細書および添付される請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に示さない限り、複数指示物を含む。また、用語「または」は、概して、文脈が明確に別様に示さない限り、その最も広い意味において、つまり、「および/または」を意味するものとして採用されることに留意されたい。
【0022】
本明細書に提供される見出しおよび本開示の要約は、便宜上のためだけのものであり、実施形態の範囲または意味を限定しない。
【0023】
本明細書で数値と関連して使用されるように、用語「約」は、概して、±10%以内を意味する。
【0024】
図1は、ユーザがラック内に保持されるアンプ管間の間隔を制御または変動させることを可能にする組み立てられたアンプ管ラック100を示す。したがって、ラック100は、可変間隔ラック100と称されることもできる。ラック100は、ラック100の残りの構成要素を支持する土台または基部フレーム102を含む。図2および3は、基部フレーム102が、ステンレス鋼ローラ軸受等の軸受を受け取るようにそれを通して延びている2つの開口部108a、108bを有する前壁106を含むことを図示する。軸受は、開口部108a、108b内で前壁106にぴったり据え付けられること、または皿穴に埋め込まれることができ、それぞれのノブおよび/またはロータの一部を受け取ることができる。基部フレーム102は、ステンレス鋼ローラ軸受等の軸受を受け取るようにそれを通して延びている2つの開口部112a、112bを有する後壁110を含む。軸受は、開口部112a、112b内の後壁110の中にぴったり据え付けられること、または皿穴に埋め込まれることができ、それぞれのスプロケットギヤおよび/またはロータの一部を受け取ることができる。基部フレーム102は、第1の左側壁114および第2の右側壁116も含む。
【0025】
基部フレーム102は、長方柱を概して備えている全体的3次元形状を有し、上部平面図から略長方形形状を有する。前および後壁106、110は、互いに略平行であり、ラック100の長さに沿って左右に延びている。第1および第2の側壁114、116は、互いに略平行であり、前および後壁106、110に対して略垂直であり、ラック100の幅に沿って前後に延びている。ラック100は、その長さおよびその幅に略垂直である高さを有する。「上方」、「下方」、「上部」、「底部」等の相対的高さの用語は、重力に対するラック100の高さに沿った相対的場所を示すために本明細書では使用される。
【0026】
図1に見られるように、ラック100は、ラック100の前部に位置付けられるノブ104a、104b(集合的に、ノブ104)の対を含む。ノブ104は、以下にさらに説明されるように、基部フレーム102の前壁106を通して延びているそれぞれのロータと係合し、オペレータがラック100によって保持されるアンプ管間の間隔を制御することを可能にする。ラック100は、第1の前部ガイドレール118も含み、第1の前部ガイドレール118は、第1の前部ランナ126aに結合され、その長さに沿って延び、第1の前部ランナ126aは、前壁106の上部に結合され、その長さに沿って延びている。ラック100は、第2の後部ガイドレール120も含み、第2の後部ガイドレール120は、第2の後部ランナ126bに結合され、その長さに沿って延び、第2の後部ランナ126bは、後壁110の上部に結合され、その長さに沿って延びている。したがって、前部および後部ガイドレール118、120は、それぞれ、前部および後部ランナ126a、126bを介して、前および後壁106、110の上部に結合されている。
【0027】
ラック100はまた、玉軸受または他のタイプの軸受であり得る、ガイド軸受124a、124b(集合的に、ガイド軸受124)の対によって支持されたブレードアセンブリ122を含む。ガイド軸受124は、それらがガイドレール118および120に沿ってスライドし、ブレードアセンブリ122をラック100を横断して左右に搬送し得るように、ガイドレール118および120に搭載される。ブレードアセンブリ122の追加の詳細が、以下に説明される。
【0028】
前部ランナ126aは、第1の左側上向き部分または垂直タブ128a(図11参照)を含み、垂直タブ128aは、ブレードアセンブリ122がラック100の左側においてレール118および120の端部から抜け落ちることを防止するためのバックストップとしての役割を果たし得る。前部ランナ126aは、第2の右側上向き部分または垂直タブ128b(図1参照)も含み、垂直タブ128bは、ブレードアセンブリ122がラック100の右側においてレール118および120の端部から抜け落ちることを防止するためのバックストップとしての役割を果たし得る。後部ランナ126bは、第3の左側上向き部分または垂直タブ128c(図11参照)を含み、垂直タブ128cは、ブレードアセンブリ122がラック100の左側においてレール118および120の端部から抜け落ちることを防止するためのバックストップとしての役割を果たし得る。後部ランナ126bは、第4の右側上向き部分または垂直タブ128d(図1参照)も含み、垂直タブ128dは、ブレードアセンブリ122がラック100の右側においてレール118および120の端部から抜け落ちることを防止するためのバックストップとしての役割を果たし得る。
【0029】
図1に示されるように、ラック100はまた、取り外し可能な上部板、蓋、またはカバー130を含む。カバー130は、主要本体または板部分132と、板部分132の第1の左側から上向きに延びている第1のハンドル134aと、板部分132の第2の右側から上向きに延びている第2のハンドル134bと、第1の位置決め開口136aと、第2の位置決め開口136bと、グリッドにおいて配置された複数の開口部または孔138とを含む。カバー130において、孔138は、以下にさらに説明されるように、カバー130の下方に位置付けられるアンプ管ウェルの対応するグリッドに一致するように、ラック100の幅に沿った8つの孔とラック100の長さに沿った9つの孔とのグリッドにおいて配置され、孔138は、約9.0mm中心間だけ互いから間隔を置かれている。代替実装では、孔138は、カバー130の下方に位置付けられるアンプ管ウェルの配置における変形例に一致するように等、任意の好適なグリッドまたは他の配置において配置されることができる。
【0030】
図2および3に示されるように、基部フレーム102の右側壁116は、その上面から右側壁116の前部部分の中へ下に延びている第1の孔140aと、その上面から右側壁116の後部部分の中へ下に延びている第2の孔140bとを含む。第1および第2の孔140a、140b間の距離は、開口136a、136b間の対応する距離に合致することができ、孔140a、140bは、開口136a、136bと同じ直径を有することができる。図1に示されるように、第1のダウエルまたはピン142aは、第1の孔140a内に位置付けられ、第1の孔140aから上向きに右側壁116の上面の上方に延び、第2のダウエルまたはピン142bは、第2の孔140b内に位置付けられ、第2の孔140bから上向きに右側壁116の上面の上方に延びている。
【0031】
カバー130の板部分132は、前壁106と後壁110との間、ランナ126aおよび126b間、ならびにレール118および120間の距離をわずかに下回るが、それに対応する幅を有する。したがって、板部分132は、壁106、110間、ランナ126a、126b間、および/またはレール118、120間の以下にさらに説明されるようなラック100の他の構成要素を覆って据え付けられることができる。さらに、ユーザは、ラック100の残りの上にカバー130を据え置くことができ、それによって、板部分132が、そのように据え付けられ、ピン142a、142bが、開口136a、136bを通して延び、板部分132に係合し、ラック100の残りに対してそれを定位置に係止し、ラック100の残りに対する水平面内のその平行移動または回転を機械的に防止する。
【0032】
ピン142a、142bおよび開口136a、136bに加えて、またはその代わりに、カバー130の板部分132は、磁石もしくは鉄合金等の磁性構成要素を含むことができ、ラック100の基部フレーム102は、相補的場所において相補的磁石または相補的鉄合金等の相補的磁性構成要素を含むことができる。したがって、ユーザは、ラック100の残りの上にカバー130を据え置くことができ、それによって、板部分132が、その上に据え付けられ、板部分132の磁性構成要素が、基部フレーム102の磁性構成要素と係合し、ラック100の残りに対して板部分132を定位置に係止し、ラック100の残りに対する水平面内のその平行移動または回転を磁気的に防止する。
【0033】
図4は、カバー130が除去されたラック100の後面斜視図を図示する。図4に示されるように、ラック100は、複数のアンプ管キャリッジ144を含み、それらの各々は、複数のアンプ管ウェル146を含む。図6にさらに示されるように、ラック100は、8つのキャリッジ144を含み(4つのみが図4において与えられる)、それらの各々は、9つのアンプ管ウェル146を含むが、代替実装では、ラック100は、8つを上回るまたは下回るキャリッジ144を含むことができ、キャリッジの各々は、9つを上回るまたは下回るアンプ管ウェル146を含むことができる。図4にも示されるように、後部ランナ126bは、後部板またはチェーンガード148を含み、チェーンガード148は、後壁110および後部レール120から後方に、そして、下向きに延び、後壁110から間隔を置かれ、それに平行であり、後壁110とチェーンガード148との間に隙間または囲まれた空間150を生成する。
【0034】
図5は、チェーンガード148が除去されているが、図4と同じラック100の図を図示する。図5に示されるように、ラック100は、チェーンガード148の後方の囲まれた空間150内に位置付けられた第1のスプロケットギヤ152と、第2のスプロケットギヤ154と、駆動チェーン156とを含む。スプロケットギヤ152および154は、互いに同じであり、基部フレーム102の後壁110を通して延びているそれぞれのロータと係合し、2つのそれぞれのロータを互いに回転係止し、それらが連動して回転することを確実にする。いくつかの実装では、スプロケットギヤ152、154および駆動チェーン156は、種々の好適なプラスチック材料のうちの任意の1つから作製されることができる。
【0035】
図6は、ノブ104aおよび104b、スプロケットギヤ152および154、第1のロータ158、第2のロータ160、ならびに8つのキャリッジ144を図示し、それらは、ラック100の残りから分離されている。図6に示されるように、キャリッジ144は、互いに同じ形状、サイズ、および特徴を有し、互いに隣接して第1および第2のロータ158、160上に搭載される。キャリッジ144の各々は、ラック100の長さに沿って、かつ第1のロータ158から第2のロータ160に延びている軸に沿って延びている最も長い寸法(すなわち、その「長さ」)、ラックの幅に沿って、かつロータ158、160の中心縦方向軸に平行に延びている最も短い寸法(すなわち、その「幅」)、ならびにラック100の高さに沿って上下に、かつ最も長い寸法および最も短い寸法に略垂直に延びている中間寸法(すなわち、その「高さ」)を伴う長方柱を備えている全体的形状を有する。
【0036】
キャリッジ144の各々は、その長さに沿ってその第1の端部に第1の開口162aを含み、それは、キャリッジ144の幅を通して延びている。キャリッジ144の各々は、その長さに沿ってその第1の端部と対向するその第2の端部に第2の開口162bも含み、それは、キャリッジ144の幅を通して延びている。第1および第2の開口162a、162bは、それを通してそれぞれのロータ158、160を受け取るようにサイズ決定および別様に構成されることができる。キャリッジ144の各々は、その上面からキャリッジ144の中へ下に部分的に延びている複数の(例えば、9つの)アンプ管ウェル146も含む。アンプ管ウェル146は、それぞれのアンプ管を受け取り、保持するようにサイズ決定および別様に構成されることができ、約9.0mm、キャリッジ144の長さに沿って互いから間隔を置かれることができる。
【0037】
キャリッジ144の各々は、その長さに沿ってその第1の端部に第3の開口164aも含み、それは、キャリッジ144の高さを通してその上面から第1の開口162aに延びている。キャリッジ144の各々は、その長さに沿ってその第2の端部に第4の開口164bも含み、それは、キャリッジ144の高さを通してその上面から第2の開口162bに延びている。以下にさらに説明されるように、キャリッジ144の各々は、複数の止めねじも含むことができ、第3および第4の開口164a、164bは、各々、その中に止めねじを受け取るようにサイズ決定、ねじ山形成、ならびに別様に構成されることができる。
【0038】
図7は、ノブ104aおよび104b、スプロケットギヤ152および154、第1および第2のロータ158および160、ならびにキャリッジ144の止めねじを図示し、それらは、ラック100の残りから分離されている。図7に示されるように、ノブ104aおよび104bは、それぞれ、ロータ158および160の前端部に堅く結合されることができ、それによって、ノブ104a、104bのうちの1つの回転は、それぞれのロータを回転させ、さらに、それは、駆動チェーン156の動作によって、他のロータおよびノブ104a、104bのうちの他の1つを回転させ、スプロケットギヤ152および154は、それぞれ、ロータ158および160の後端部部分上に堅く搭載されることができる。ロータ158、160の前端部部分が、開口部108a、108b内にぴったり搭載され得るように、ノブ104a、104bに隣接するロータ158、160の前端部部分は、2つの開口部108a、108bの直径に対応する第1の直径を有する。
【0039】
その上にスプロケットギヤ152および154が搭載されたロータ158、160の後端部部分は、2つの開口部112a、112b内に据え付けられる軸受の内径に対応し、2つの開口部112a、112bの内径よりもわずかに小さい(例えば、それを0.01インチ下回る)第2の直径を有し、それによって、ロータ158、160の後端部部分は、軸受上にぴったり搭載され、かつ開口部112a、112b内に緩く搭載され得る。後端部部分の第2の直径は、ロータ158、160の前端部部分の第1の直径と同一であり得る。ロータ158、160の主要本体部分が、開口162a、162b内にぴったり搭載され得るように、ロータ158、160の前および後端部部分間に延びているロータ158、160のそれぞれの主要本体部分は、前および後端部部分の第1および第2の直径よりも大きく、第1および第2の開口162a、162bの直径に対応する第3の直径を有する。いくつかの実装では、ワッシャが、異なる機械加工の結果としてキャリッジ144と前および後壁106、110との間に生じる任意の間隙を充填するため等、ロータ158、160の主要本体部分に隣接するロータ158、160の前および後端部部分上等のロータ158、160上に搭載されることができる。図7は、ロータ158、160の各々の主要本体部分が、その外面の中に切り込まれた8つの溝166の組も含むことを図示する。
【0040】
図8は、ロータ160の一部のより大きい図を図示し、ロータ160の溝166のうちのいくつか、およびキャリッジ144の止めねじのうちのいくつかを含む。図8に示されるように、キャリッジ144は、第3および第4の開口164a、164bの各々の中に位置付けられる2つの止めねじを含むことができる:第1の下側棒先止めねじ168、および、第2の上側止めねじ170。止めねじ168、170が、第3および第4の開口164a、164bの中に通され得るように、第1および第2の止めねじ168、170は、第3および第4の開口164a、164bのねじ山に対応する外側ねじ山を含むことができる。
【0041】
第1の棒先止めねじ168は、それらがロータ158、160の主要本体部分と相互作用する一方、そのねじ山付き上側端部が開口164a、164b内に留まるように、その棒先底端部が開口164a、164bから、第1および第2の開口162a、162bの中に、かつ溝166の中に延びているピンを形成するまで、開口164a、164bの中に、かつそれを通して下向きに通され、ねじ込まれることができる。第2の止めねじ170が棒先止めねじ168を定位置に係止するように、第2の止めねじ170は、次いで、その下側端部が第1の棒先止めねじ168の上側端部に当接するまで、開口164a、164bの中に、かつそれを通して下向きに通され、ねじ込まれることができる。
【0042】
図9および10は、ロータ158と同じ構造を有し得るロータ160の異なる図を図示する。図9および10に示されるように、溝166の各々は、非螺旋円周内側端部部分166aと、非螺旋円周外側端部部分166bと、ロータ160の周囲にそれぞれの内側端部部分166aからそれぞれの外側端部部分166bに延びている螺旋部分166cとを含む。内側および外側端部部分166a、166bは、第1の止めねじ168の棒先が非螺旋端部部分166a、166b内に据え付けられ、ロータ160を定位置に回転係止し、キャリッジ144を定位置に側方に係止するまで、オペレータがロータ160を回転させることを可能にする。
【0043】
溝166の各々の全ての部分は、ロータ160の主要本体の外側円筒形面に対して垂直側壁を有し、第1の止めねじ168の棒先が溝166の側壁と効果的に相互作用することを可能にする。溝166の各々は、ロータ160の円周の周囲を完全1回転して延びている経路を辿り、それによって、内側端部部分166aおよび外側端部部分166bの各々は、ロータ160の中心縦方向軸に平行な単一の軸に沿って互いに整列させられる。溝166の螺旋部分166cは、各々、一定の螺旋ピッチを有するが、互いに同じ螺旋ピッチを有しておらず、および/または、同じ巻き方を有していない。
【0044】
溝のうちの第1のもの166iは、ロータ160の長さに沿って縦方向に、ロータ160の第1の端部に接近したその外側端部部分166bから溝166の組の中心に接近したその内側端部部分166aに延びている。溝のうちの第2のもの166jは、溝のうちの第1のもの166iの外側端部部分166bから溝166の組の中心に9.0mm向かう(測定された中心間)その外側端部部分166bから、溝のうちの第1のもの166iの内側端部部分166aから溝166の組の中心から離れた4.5mmの(測定された中心間)その内側端部部分166aに延びている。溝のうちの第3のもの166kは、溝のうちの第2のもの166jの外側端部部分166bから溝166の組の中心に9.0mm向かう(測定された中心間)その外側端部部分166bから、溝のうちの第2のもの166jの内側端部部分166aから溝166の組の中心から離れた4.5mmの(測定された中心間)その内側端部部分166aに延びている。溝のうちの第4のもの166lは、溝のうちの第3のもの166kの外側端部部分166bから溝166の組の中心に9.0mm向かう(測定された中心間)その外側端部部分166bから、溝のうちの第3のもの166kの内側端部部分166aから溝166の組の中心から離れた4.5mmの(測定された中心間)その内側端部部分166aに延びている。
【0045】
溝のうちの第5のもの166mは、ロータ160の後端部の近位のその外側端部部分166bから溝166の組の中心の近位のその内側端部部分166aに延びている。溝のうちの第6のもの166nは、溝のうちの第5のもの166mの外側端部部分166bから溝166の組の中心に9.0mm向かう(測定された中心間)その外側端部部分166bから、溝のうちの第5のもの166mの内側端部部分166aから溝166の組の中心から離れた4.5mmの(測定された中心間)その内側端部部分166aに延びている。溝のうちの第7のもの166oは、溝のうちの第6のもの166nの外側端部部分166bから溝166の組の中心に9.0mm向かう(測定された中心間)その外側端部部分166bから、溝のうちの第6のもの166nの内側端部部分166aから溝166の組の中心から離れた4.5mmの(測定された中心間)その内側端部部分166aに延びている。溝のうちの第8のもの166pは、溝のうちの第7のもの166oの外側端部部分166bから溝166の組の中心に9.0mm向かう(測定された中心間)その外側端部部分166bから、溝のうちの第7のもの166oの内側端部部分166aから溝166の組の中心から離れた4.5mmの(測定された中心間)その内側端部部分166aに延びている。
【0046】
第4の溝166lの内側端部部分166aは、4.5mm(測定された中心間)だけロータに縦方向に沿って第8の溝166pの内側端部部分166aから間隔を置かれ、第4の溝166lの外側端部部分166bは、9.0mm(測定された中心間)だけロータに縦方向に沿って第8の溝166pの外側端部部分166bから間隔を置かれる。したがって、溝166の組は、それらが溝166の組の中心に対して対称的であるように集合的に配置され、溝166の組の中心の1つの側の溝166は、第1の巻き方を有し、溝166の組の中心の反対側の溝166は、第1の巻き方と反対の第2の巻き方を有する。溝166の螺旋部分166cのうちの任意の1つのピッチの大きさは、溝166の組の中心により近接する螺旋部分166cのうちの任意の他のもののピッチの大きさを上回り、溝166の組の中心からより遠い螺旋部分166cのうちの任意の他のもののピッチの大きさを下回る。
【0047】
例えば、溝166iの螺旋部分は、溝166mの螺旋部分と同じピッチを有するが、反対の巻き方を有する。別の例として、溝166jの螺旋部分は、溝166nの螺旋部分と同じピッチを有するが、反対の巻き方を有する。別の例として、溝166kの螺旋部分は、溝166oの螺旋部分と同じピッチを有するが、反対の巻き方を有する。別の例として、溝166lの螺旋部分は、溝166pの螺旋部分と同じピッチを有するが、反対の巻き方を有する。さらに、溝166iおよび166mの螺旋部分のピッチは、溝166jおよび166nの螺旋部分のピッチを上回り、溝166jおよび166nの螺旋部分のピッチは、溝166kおよび166oの螺旋部分のピッチを上回り、溝166kおよび166oの螺旋部分のピッチは、溝166lおよび166pの螺旋部分のピッチを上回る。
【0048】
図11は、ブレードアセンブリ122を含む、ラック100の左側部分を図示する。図12は、ラック100の残りから分離されたブレードアセンブリ122と第1の左側ブレードガード172とを図示し、左側ブレードガード172は、ブレードガード172が、オペレータが洗浄等のためにブレードアセンブリ122のブレードにアクセスすることを可能にするためのアクセス窓176を有することを除いて、第2の右側ブレードガード174の鏡像であり得る(図1、4、および5参照)。
【0049】
図2および3に示されるように、基部フレーム102の左および右側壁114、116は、各々、その上面から側壁114、116の中へ下に延びている3つのねじ孔178を含む。複数のねじ180(図12)が、ブレードガード172を左側壁114の上面に留めるために、ブレードガード172を通して、かつねじ孔178の中にねじ込まれることができ、対応する複数のねじが、ブレードガード174を右側壁116に留めるために、同様に使用されることができる。ブレードガード172は、左側壁114から左に外向きに延びている水平部分と、水平部分の側方端部から上向きに延びている垂直部分とを含む。同様に、ブレードガード174は、右側壁116から右に外向きに延びている水平部分と、水平部分の側方端部から上向きに延びている垂直部分とを含む。
【0050】
図12に示されるように、ブレードアセンブリ122は、前部搭載ブロック182と、中心搭載ブロック184と、後部搭載ブロック186とを含む。搭載ブロック182、184、および186は、ブロック182、184、186の各々を通して延びている4つのねじ山付きロッド188の組によって、およびロッド188上にブロック182、184、186を保持するそれぞれのナット190によって互いに結合される。前部ガイド軸受124aは、前部搭載ブロック182の底部に搭載され、後部ガイド軸受124bは、後部搭載ブロック186の底部に搭載される。6つのブレード192の組は、中心搭載ブロック184内に搭載され、ブレードアセンブリ122がレール118および120に沿ってスライドするように作動されるにつれて、それらがアイテムを切断し得るように、中心搭載ブロック184の底端部から延びている湾曲縁を有する。
【0051】
図13は、ラック100の残りから分離された中心搭載ブロック184およびブレード192を図示する。図13に示されるように、中心搭載ブロック184は、前部から後部にそれを通して延びている4つの周辺ボーリング孔194を有し、それは、それを通してねじ山付きロッド188を受け取るように構成される。中心搭載ブロック184は、その側壁を通して延びている2つの中心ボーリング孔196を有し、それは、それぞれのブレード搭載シャフトを受け取り、支持するように構成される。図14は、6つのブレード192の各々が4つの開口200を含み、2つがその上部の近傍にあり、2つがその底部の近傍にあり、ブレード192がブレード192の上部における2つの開口200を通して延びているブレード搭載シャフト198の対上に搭載され得ることを示す。シャフト198は、中心搭載ブロック184の中心ボーリング孔196内に搭載されるように構成される。
【0052】
図14に示されるように、ブレード192の切縁は、ブレード192が右から左および左から右に、つまり、レール118、120に沿った両方の進行の方向においてレール118および120を横断してスライドするにつれて、ブレード192がラック100によって保持されるアイテムを切断し得るように湾曲することができる。さらに、図14に示されるように、ブレード192は、その上端部およびその底端部の両方に開口200を有し、ブレード192は、ブレード192のうちの1つ以上のものの切縁が使用から鈍化すると、さらなる使用のために逆さまに搭載され得る。ブレード192は、ガイド軸受124a、124bの有無を問わず、ブレードアセンブリ122を分解し、ブレード192を交換し、ブレードアセンブリ122を再組立することによって、または、単純にブレードアセンブリ122全体を交換することによって交換されることができる。
【0053】
図15は、少なくとも1つの図示される実施形態によるラック100を使用する方法210を示すフローチャート図である。方法210では、参照番号212において、オペレータが、列において配置された4つのアンプ管250の組(図16参照)において、互いに結合された0.1mlアンプ管を受け取ることができ、個々のアンプ管は、4.5mm中心間において間隔を置かれる。オペレータは、アンプ管ウェル146をあらわにするために、ラック100の残りからカバー130を除去することができる。オペレータは、ノブ104aおよび/または104bを回転させ、ロータ158ならびに160を回転させることができ、それによって、溝166の側壁は、第1の止めねじ168の棒先と相互作用し、キャリッジ144の場所を調節し、それによって、アンプ管ウェル146は、4.5mm中心間だけ互いから間隔を置かれる。
【0054】
そして、オペレータは、4つの結合されたアンプ管の隣接するアンプ管が隣接するキャリッジ144のアンプ管ウェル146内に位置付けられるように、アンプ管の組をアンプ管ウェル146内に位置付けることができる。アンプ管は4つの組において受け取られ、8つのキャリッジ144が存在するので、4つの結合されたアンプ管の2つの組が、ラック100の幅を横断して延びている8つのアンプ管のラインを形成するように互いに隣接して位置付けられることができる。キャリッジ144の各々が9つのアンプ管ウェル146を含むので、オペレータは、アンプ管がラック100の幅を横断して延びている8つのアンプ管の9つの列において配置されるように、4つの結合されたアンプ管の最大18個の組をラック100内に一度に位置付けることができる。
【0055】
参照番号214において、オペレータは、次いで、6つのブレード192が隣接するアンプ管を互いに結合する接合材を分断するように、ラック100の長さに沿って左右にブレードアセンブリ122を手動で押すことができる。参照番号216において、オペレータは、溝166の側壁が第1の止めねじ168の棒先と相互作用し、キャリッジ144の場所を調節し、アンプ管ウェル146が9.0mm中心間だけ互いから間隔を置かれるように、ノブ104aおよび/または104bを回転させ、ロータ158、160を回転させることができる。
【0056】
参照番号218において、オペレータは、次いで、ラック100の残りの上にカバー130を位置付けることができ、カバー130は、開口136a、136bを通して延びているピン142a、142bを用いて位置付けられ、カバー130は、アンプ管を部分的に隠し、孔138は、アンプ管の直上に位置付けられる。参照番号220において、オペレータは、次いで、マルチチャネル(例えば、8チャネル)非可変間隔ピペットを使用し、サンプルをPCR板(例えば、9.0mm中心間において間隔を置かれるウェルを伴う96ウェルPCR板)のウェルからラック100内に保持されるアンプ管(これは、9.0mm中心間において間隔を置かれる)の中に移すことができる。
【0057】
マルチチャネルピペットは、手動で動作させられるか、または自動化されることができ、自動化ピペットの1つの好適な例が、PIPETMAXという商標で販売されている。ピペットがサンプルを0.1mlアンプ管の中に堆積させるために使用されるとき、ピペットの先端は、ピペットの先端がサンプルを堆積させるためにアンプ管の上端部の中に降下されるとき、アンプ管の上部における箔または他のシールを破壊、穿刺、もしくは破断することができる。いくつかの場合、ピペットの先端は、サンプルが堆積された後にそれらがアンプ管から引き抜かれるとき、破断された箔シールに結合し得ることが見出されている。ピペットの先端がアンプ管から引き抜かれるとき、ピペットの先端が破断された箔に結合する場合、カバー130がアンプ管をアンプ管ウェル146内に定位置に保持するように、孔138は、アンプ管の外径よりもわずかに小さい直径を有する。
【0058】
参照番号222において、サンプルがラック100によって保持されるアンプ管の中に堆積されると、カバー130は、ラック100の残りから除去されることができ、溝166の側壁が、第1の止めねじ168の棒先と相互作用し、キャリッジ144の場所を調節し、アンプ管ウェル146が4.5mm中心間だけ互いから間隔を置かれるように、オペレータは、ノブ104aおよび/または104bを回転させ、ロータ158ならびに160を回転させることができる。オペレータは、列において配置された4つのアンプ管キャップの組において互いに結合されたアンプ管キャップを受け取ることができ、個々のアンプ管キャップは、4.5mm中心間において間隔を置かれる。オペレータは、次いで、アンプ管キャップの組をアンプ管の上端部に結合し、それによって、アンプ管をシールし、列において配置された4つのアンプ管の組に戻るようにアンプ管を互いに結合することができ、個々のアンプ管は、4.5mm中心間において間隔を置かれる。オペレータは、次いで、ラック100からアンプ管の組を除去し、さらなる処理または分析のために他のいくつかの機器にそれらを移動させることができる。例えば、オペレータは、試験のためにアンプ管の組を72ウェルロータに移動させることができる。
【0059】
図12−14に見られるように、ブレードアセンブリ122は、4つのねじ山付きロッド188の組によって互いに結合された搭載ブロック182、184、および186を含む。図17は、ブレードアセンブリ300の1つの代替実装の斜視図を図示し、ブレードアセンブリ300は、2つの比較的に高い端部部分306に結合され、その間に位置付けられる比較的に短いまたは浅い中間部分304を有する底部フレーム部分302を含み得る。ブレードアセンブリ300は、中間部分304の上部上に、かつ2つの高い端部部分306間にぴったり位置付けられ得る上側中心搭載ブロック308も含む。中心搭載ブロック308がそのように位置付けられると、その上面は、2つの高い端部部分306の上面と同一平面であり得る。図17は、6つのブレード310の組を含み得ることも図示し、6つのブレード310は、底部フレーム部分302の中間部分304を通して延びているそれぞれのスロット312を通して延びるように位置付けられ得る。中心搭載ブロック308は、オペレータがブレード310にアクセスすること、それを洗浄すること、および/またはそれを交換することを可能にするために、ブレードアセンブリ300の残りから除去されることができ、中心搭載ブロック308は、使用のためにブレード310を定位置に固定するために、ブレードアセンブリ300の残りの上に位置付けられることができる。
【0060】
さらに、図12−14に見られるように、6つのブレード192は、ラック100の幅と整列させられた方向において中心搭載ブロック184の長さを横断する直線において配置される。図18は、ブレードアセンブリ300の代替実装の部分的底面図を図示し、それは、「V」字形に配置された6つのブレード310の組を含み、その長さに沿って搭載ブロック300の中心により近いブレード310は、搭載ブロック300の幅に沿って搭載ブロック300の第1の側により近く位置付けられ、その長さに沿って搭載ブロック300の中心からより遠いブレード310は、搭載ブロック300の幅に沿ってその第1の側と対向する搭載ブロック300の第2の側により近く位置付けられ得る。そのような「V」字形にブレード310を配置することは、隣接するアンプ管を互いに結合する接合材のその分断を促進することができ、それによって、ブレード302によるアンプ管の分離の円滑性を改良することができる。
【0061】
図6に見られるように、キャリッジ144の各々は、それぞれ、キャリッジ144の幅を通して延びている第1および第2の開口162a、162bと、キャリッジ144の高さを通してその上面から第1および第2の開口162a、162bまで延びている第3および第4の開口164a、164bと、第3および第4の開口164a、164b内に受け取られる複数の止めねじとを含む。図19は、本明細書に説明されるものを除いて、キャリッジ144と同じ構造および特徴を有し得る、キャリッジ314の別の実装の斜視図を図示する。例えば、キャリッジ314は、その上面からキャリッジ314の中へ下に部分的に延びている複数の(例えば、9つの)アンプ管ウェル316を含むことができる。アンプ管ウェル316の各々は、それらの底端部において比較的に小さい直径を有し、それらの上端部において比較的に大きい直径を有するアンプ管等のそれぞれのアンプ管を受け取り、保持するようにサイズ決定ならびに別様に構成されることができる。例えば、アンプ管ウェル316の各々は、キャリッジ314の幅内に完全に含まれる底端部と、キャリッジ314の対向する側面に延び、そこで開放されている上端部とを有することができ、開放水平通路が、アンプ管ウェル316の各々においてキャリッジ314の上部を通して、かつその幅に沿って形成され、アンプ管ウェル316の上端部が、キャリッジ314の上面からキャリッジ314の中に下向きに延びているスロットを形成する。
【0062】
さらに、キャリッジ314は、キャリッジ314の上面がキャリッジ314の2つの側面に接するキャリッジ314の長さに沿って延びている2つの面取り角318を有することができる。面取り角318は、キャリッジ314に隣接し、キャリッジ314の長さに沿ったブレード192または310の流線形の通過を促進することができる。なおさらに、キャリッジ314は、その長さに沿ってその対向する端部に第1および第2の開口320、322を有することができ、それらは、それぞれ、キャリッジ314の高さを通してその底面から第1および第2のロータ軸受開口324、326まで延びている。第1および第2の垂直開口320、322は、M3タップに対応するねじ山を有することができ、1つ以上の止めねじを受け取るように構成されることができる。開口320、322は、キャリッジ314の底部を通して延び、開口164a、164bは、キャリッジ144の上部を通して延びているので、開口320、322は、隠され、開口164a、164bよりも汚染から良好に保護される。
【0063】
図20は、ロータ328がロータ軸受開口324を通して延び、止めねじ330が垂直開口320を通して延びているキャリッジ314を図示する。棒先止めねじ168および溝166に関して上記に説明されるように、止めねじ330は、棒先であり得る止めねじ330の端部部分がロータ軸受開口324内に位置付けられ、ロータ328の外面における螺旋溝内に位置付けられるように、垂直開口320内のねじ山に通される。図21は、止めねじ330のより大きい図を図示する。図21に見られるように、止めねじ330は、ピン332と称され得る棒先先端または端部332と、六角ヘッドソケットを有し得るヘッド部分334と、ピン332とヘッド部分334との間に延びているねじ山付き部分336とを含むことができる。棒先止めねじ168および上側止めねじ170の両方ではなく、単一の止めねじ330を使用することは、システムおよびその動作を簡略化することができる。
【0064】
当業者は、本明細書に記載される方法またはアルゴリズムの多くが、追加の行為を採用し得る、いくつかの行為を省略し得る、および/または規定されたものと異なる順序で行為を実行し得ることを認識するであろう。
【0065】
2016年8月22日に出願された米国仮特許出願第62/378,094号および2016年11月8日に出願された第62/419,198号が、本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。上記に説明される種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせられることができる。実施形態の側面は、必要に応じて、種々の他の特許、出願、または公開のシステム、回路、および概念を採用し、またさらなる実施形態を提供するために修正されることができる。
【0066】
これらおよび他の変更が、上記に詳述される説明に照らして、実施形態に成されることができる。概して、以下の請求項では、使用される用語は、請求項を本明細書および請求項において開示される具体的実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような請求項が享有する均等物の全範囲とともに、全ての可能性として考えられる実施形態を含むように解釈されるべきである。故に、請求項は、本開示によって限定されない。
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