(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967071
(24)【登録日】2021年10月26日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】遠心ペレット乾燥機
(51)【国際特許分類】
F26B 5/08 20060101AFI20211108BHJP
【FI】
F26B5/08
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-519386(P2019-519386)
(86)(22)【出願日】2017年10月5日
(65)【公表番号】特表2019-530846(P2019-530846A)
(43)【公表日】2019年10月24日
(86)【国際出願番号】US2017055343
(87)【国際公開番号】WO2018071269
(87)【国際公開日】20180419
【審査請求日】2020年8月24日
(31)【優先権主張番号】15/293,990
(32)【優先日】2016年10月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】313012280
【氏名又は名称】ガラ インダストリーズ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】GALA INDUSTRIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100101340
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英一
(74)【代理人】
【識別番号】100205730
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 重輝
(74)【代理人】
【識別番号】100213551
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 智貴
(72)【発明者】
【氏名】コーディー ルイス ショート
(72)【発明者】
【氏名】ボーランド リチャード スラッシャー ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ケリー モリス
【審査官】
伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−246734(JP,A)
【文献】
特開平05−068914(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0122650(US,A1)
【文献】
実開昭64−048447(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0037477(US,A1)
【文献】
米国特許第5265347(US,A)
【文献】
米国特許第4896435(US,A)
【文献】
特開2003−050087(JP,A)
【文献】
特開平06−341488(JP,A)
【文献】
実開平03−054713(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0072447(US,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2015−0063665(KR,A)
【文献】
特開2008−183297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B
B01D
B29B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン(5)によって囲まれるロータ(3)を収容する筐体(2)を備え、
前記スクリーン(5)は、少なくとも1つの多孔性スクリーン部材(5a、5b、・・・5n)を備え、
前記筐体(2)に対して前記スクリーン(5)を保持するスクリーン支持部(20)によって支えられる遠心ペレット乾燥機であって、
前記スクリーン支持部(20)は、前記スクリーン(5)の振動を抑制し、およびスクリーン振動を前記筐体(2)から隔離するための、弾性材料からなる抑制部材(25)を備えたダンパ(24)を、少なくとも1つ備えることを特徴とする、遠心ペレット乾燥機。
【請求項2】
前記スクリーン支持部(20)は、前記スクリーン(5)から前記筐体(2)まで実質的に放射状に延在する少なくとも1つの支持アーム(21)を備え、前記支持アーム(21)は、前記ダンパ(24)を備える、請求項1に記載の遠心ペレット乾燥機。
【請求項3】
前記ダンパ(24)は、前記支持アーム(21)の一部を形成する少なくとも1つのゴム様弾性抑制部材(25)を備える、請求項2に記載の遠心ペレット乾燥機。
【請求項4】
前記支持アーム(21)は、長さが調節可能であり、および/または伸縮自在の構成を有し、前記少なくとも1つのダンパ(24)は、前記支持アーム(21)の長さを調節する移動を抑制するような構成である、請求項2に記載の遠心ペレット乾燥機。
【請求項5】
前記少なくとも1つの支持アーム(21)は、前記スクリーン(5)の上部分と底部分の間に配置された前記スクリーン(5)の中央部分を前記筐体(2)に接続する、請求項2に記載の遠心ペレット乾燥機。
【請求項6】
複数の支持アーム(21)が、該複数の支持アーム(21)によって前記スクリーン(5)の長手方向軸に対して横方向に画定される共通平面に配置されており、および/または前記スクリーン(5)の周囲に星状分布で配置されている、請求項1に記載の遠心ペレット乾燥機。
【請求項7】
奇数個の支持アーム(21)が設けられ、および/または前記支持アーム(21)は、支持アーム(21)の隣接する対の間の角距離が互いに異なっている状態で、前記スクリーン(5)の周囲に非対称分布で配置される、請求項6に記載の遠心ペレット乾燥機。
【請求項8】
前記複数の支持アーム(21)は、互いに異なる抑制特徴を有するように構成される、請求項6に記載の遠心ペレット乾燥機。
【請求項9】
前記少なくとも1つの多孔性スクリーン部材(5a、5b、・・・5n)は、前記筐体(2)に対して前記スクリーン支持部(20)によって支えられるスクリーンフレーム部材上に取り付けられる、請求項1に記載の遠心ペレット乾燥機。
【請求項10】
前記スクリーンフレーム部材は、スクリーンキャリアフープ(22)を備え、その上に、前記多孔性スクリーン部材(5a、5b、5n)が少なくとも1つのテンションベルト(27)によってクランプ止めされており、前記スクリーン支持部(20)は、前記テンションベルト(27)によって前記スクリーンキャリアフープ(22)の上に保持されているか、または前記スクリーンキャリアフープ(22)に接続するピボットベアリング片によって枢動可能に支えられる、請求項9に記載の遠心ペレット乾燥機。
【請求項11】
前記少なくとも1つのダンパ(24)は、前記筐体(2)に接続し、および/または前記筐体(2)の内壁中の凹部に受け入れられるような構成のゴム様弾性ベアリング片を形成する、請求項10に記載の遠心ペレット乾燥機。
【請求項12】
前記ダンパ(24)は、ワッシャープレートによって互いに分割された一連のゴム様抑制要素(25)を備えており、接続要素を用いることによって互いに接続されている、請求項1に記載の遠心ペレット乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年10月14日に出願された同時係属中の米国非仮出願番号第15/293,990号に関する権利を有し、これに対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、遠心ペレット乾燥機であって、スクリーンによって囲まれるロータを収容する筐体を備えており、前記スクリーンは、少なくとも1つの多孔性スクリーン部材を備え、筐体に対してスクリーンを保持するスクリーン支持部によって支えられる、遠心ペレット乾燥機に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、製造可能なプラスチックペレット、例えば、溶融プラスチックがダイプレートを通って供給され、前記ダイプレートの下流側の水中でカッターヘッドによってペレットへと切断される水中ペレタイザによって製造可能なプラスチックペレットを乾燥させるために、前述の種類の遠心ペレット乾燥機を使用してもよい。切断ペレットは、圧送システム(piping system)を通って流れる水によって、切断チャンバから離れるように運ばれる。水−ペレット−スラリーが、このような遠心ペレット乾燥機に供給され、ペレットから水を分離してもよい。このような水中ペレット化プロセスの代替法として、他のプロセスは、このような遠心ペレット乾燥機に供給し、ペレットまたはペレット様の粒子または物質を乾燥させ、水または他の液体から分離することが可能な水−ペレット−スラリーを製造してもよい。
【0004】
このような遠心ペレット乾燥機において、直立回転軸を中心に回転するロータは、らせん状の経路内の乾燥ロータまで遠心作用によって運ばれながら、ペレットをリフティング要素とロータの周囲にあるスクリーンとの間で跳ね回らせる運搬またはリフティングを行うアームまたは要素を備えていてもよい。水は、孔を有し得るか、および/または篩スクリーンを形成し得るスクリーンを通って分離されてもよく、ペレットは、乾燥機の上側部分に連続的に運ばれてもよく、この場所で、ペレットは、スクリーンによって囲まれたロータが収容される筐体に形成される出口開口部を介して排出されてもよい。
【0005】
分離した水は、水出口を介して筐体から排出するために、筐体の底部分に集められてもよい。ペレットから残留表面水分をさらに除去するために、乾燥対向空気流を外部排気ファンによって作り出し、筐体のペレット出口の傾斜台を通って、および/またはスクリーンによって囲まれるロータ空間の少なくとも上側部分に、ペレットに対して対向する方向に流してもよい。さらに、前脱水システムは、ロータのローディング領域に水−ペレット−スラリーを供給するために、供給システムの一部を形成してもよい。このような前脱水システムを使用し、スラリーをロータに供給する前に、ペレット状物質の量に対する水の量の比率を調節してもよく、および/またはロータを作用させることなく、水の粗い分離を行ってもよく、このような前脱水システムにおいて、処理水の95%までの大量の水が、ペレット様物質から分離されてもよい。
【0006】
ペレットまたはペレット様物質がロータまで運ばれると、遠心力に起因してペレットがスクリーンに衝突し、これによりスクリーンの振動が生じることがある。このようなスクリーンの振動は、少なくとも1つの多孔性スクリーン部材を通って排出される水によっても影響を受けることがあり、さらに、多孔性スクリーン部材に沿って、これを通って流れる対向乾燥機空気流によっても影響を受けることがある。スクリーンの高さおよび多孔性スクリーン部材の固さの制限に起因して、スクリーンの振動および揺れが筐体に伝わる場合があり、それにより、筐体の存在する場所に望ましくない騒音が生じる。この場所に対する騒音発生を減らすために、二重壁筐体の内壁と外壁との間の空間に充填するプラスチックフォームなどの騒音抑制材料を有する筐体を設け、それにより、筐体のためのサンドイッチ構造を形成することが既に示唆されている。しかし、このような筐体を覆うか、または筐体に充填するさらなる騒音抑制材料によって、嵩高い筐体設計が生じ、場所をとってしまう。
【0007】
さらに、スクリーンは、リフティング部材とスクリーンの内表面との間に十分な空隙が存在しないと、ロータの回転しているリフティング部材と接触する場合があり、このような空隙は、伝播効率に対する影響を避けるために、非常に大きなものとすることはできない。この観点で、このようなスクリーンが、多くは多孔性材料の薄い可撓性シートから作られることを述べることは価値がある。より特定的には、可撓性であり、屈曲可能である板状またはプレート状のスクリーン部材は、弓状またはドラムジャケット状の様式でスクリーンキャリアフープの周囲に配置されてもよい。スクリーン部材は、フープの様式でスクリーンキャリアフープの周囲に配置される位置に隣接する軸方向に延在する末端で、例えば角度の付いた片または保持フランジの形態で対応する保持片を有しており、これらの保持片は、通常、通常の金属製スクリーン部材にしっかりと溶接されているか、または場合により、密にクランプ止めされ、その後、スクリーン部材を互いに対して固定する目的のために固定されている。例えば、米国特許第6,467,188号、米国特許第6,505,416号または米国特許第6,438,866号は、このような遠心乾燥機の円筒形スクリーンを示し、それ自体が平面であるスクリーン部材が、まず、円筒形に巻かれ、保持片がスクリーン部材の縁部にしっかりと溶接され、次いで、ネジ様クランプ止め部材によって一緒に引っ張られる。ペレットのための遠心乾燥機は、さらに、独国出願第43 30 078 A1号から知られており、スクリーンが2つの半円筒形シェルから作られている。さらに、前記スクリーンシート部材は、テンションベルトを用いることによって、環状キャリアフープ上にクランプ止めされてもよい(米国特許第8,365,430号を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、従来技術の欠点のうち少なくとも1つを回避する、改良された遠心ペレット乾燥機を提供することである。より特定的には、本発明の基礎をなす目的は、嵩高く重い筐体設計を用いることなく騒音発生を減らす、改良された遠心ペレット乾燥機を提供することである。
【0009】
本発明の基礎をなすさらなる目的は、スクリーンの内表面によって、回転しているリフティング要素と接触する危険性を生じることなく、ロータのリフティング要素とスクリーンとの間に小さな空隙を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的の少なくとも1つを達成するために、本発明は、遠心ペレット乾燥機であって、スクリーンの振動を抑制し、および/またはスクリーン振動を筐体から隔離するために少なくとも1つのダンパを備えるスクリーン支持部によって、筐体に対して支えられるスクリーンを備えている、遠心ペレット乾燥機を提供する。スクリーン支持部と連結したこのようなダンパは、スクリーンが顕著に振動し、強く揺れるのを防ぎ、スクリーンの運動エネルギーを散逸させる。このようなダンパは、スクリーンが振動する傾向を顕著に低減し、スクリーンの振動から筐体を隔離する。
【0011】
より特定的には、スクリーン支持部は、スクリーンから筐体まで実質的に放射状に延在する少なくとも1つの支持アームを備えていてもよく、前記支持アームは、前述のダンパを備えていてもよい。
【0012】
これらの特徴および他の特徴は、本発明の有利な実施形態を示す以下の記載および図面からさらに明らかになるだろう。図面において、以下のことを示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】筐体の内側と、供給圧送部(feed piping)などの内部に配置された構成要素とを示す遠心ペレット乾燥機の模式的な部分断面図であり、他の構成要素をより良く示すために、ロータおよびスクリーンが省略されている。
【
図2】ロータの回転軸に沿って切断した
図1の遠心乾燥機の断面図であり、リフティング要素を備えるロータと、前記ロータの周囲にあるスクリーンと、筐体に対してスクリーンを支えるさらなる支持アームとが示されている。
【
図3】
図1および
図2の乾燥機のスクリーンの斜視図であり、テンションベルトによってスクリーンキャリアフープに固定されたスクリーン部材が示されている。
【
図4】筐体に対してスクリーンを支えるための支持アームの斜視図であり、前記支持アームの一部を形成するゴム様抑制要素が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
嵩高く重い設計の筐体を用いずに騒音の発生を減らし、スクリーンの内表面が回転しているリフティング要素と接触する危険性を生じることなく、ロータのリフティング要素とスクリーンとの間の小さな空隙を可能にするために、遠心ペレット乾燥機は、スクリーンの振動を抑制し、および/またはスクリーン振動を筐体から隔離するための少なくとも1つのダンパを備えるスクリーン支持部によって、筐体に対して支えられるスクリーンを有することが示唆される。スクリーン支持部と連結したこのようなダンパは、スクリーンが顕著に振動し、強く揺れるのを防ぎ、スクリーンの運動エネルギーを散逸させる。このようなダンパは、スクリーンが振動する傾向を顕著に低減し、スクリーンの振動から筐体を隔離する。
【0015】
より特定的には、スクリーン支持部は、スクリーンから筐体まで実質的に放射状に延在する少なくとも1つの支持アームを備えていてもよく、前記支持アームは、前述のダンパを備えていてもよい。このような支持アームは、スクリーンがスクリーンの長手方向軸に対して横方向および/またはロータの回転軸に対して横方向に移動および/または変形するのを防いでもよく、それにより、スクリーンが振動し、ロータのリフティング要素に接触するのを防ぐ。
【0016】
前記ダンパは、前記支持アームの一部を形成する少なくとも1つのゴム様弾性抑制部材を備えていてもよい。
【0017】
前記支持アームは、長さが調節可能であり、および/または伸縮自在の構成を有していてもよく、前記少なくとも1つのダンパは、前記支持アームの長さを調節する移動を抑制するような構成である。前記ダンパは、前述のゴム様弾性抑制部材を備えていてもよい。これに加えて、またはこれに代えて、長さを調節する移動の抑制は、他の様式で、例えば、2つのアーム部材が、このような長さ調節を達成するために互いに対して移動する場合、流量制限手段によって粘性液体を流すことによって、達成されてもよい。
【0018】
有利なことに、前述のゴム様弾性抑制部材は、筐体またはスクリーンに支持アームを接続するベアリング部品および/またはコネクタ部品を形成してもよい。より特定的には、ゴム様ダンパ要素は、筐体の内壁に形成される凹部に受け入れられることが可能なダンパーブロックを形成してもよく、それにより、以下の二重の機能を達成する。ダンパ要素によって、支持アームを長手方向に調整することができ、同時に、支持アームの間の抑制された固定が達成され得る。
【0019】
前記少なくとも1つの支持アームは、スクリーンの上部分と底部分の間に配置された中央部分を筐体に接続するように配置されてもよい。
【0020】
複数の支持アームは、共通面に配置されていてもよく、および/またはスクリーンの周囲に星状分布で配置されていてもよい。
【0021】
スクリーンの中央部分を保持するか、または支える1つ以上の支持アームは、特に効果的である。通常、振動し、および屈曲/横方向に移動する傾向があるのは中央部分だからである。
【0022】
共振の影響を避け、スクリーンを通常の揺れ(natural oscillation)から保護するために、支持アームの星状分布は、非対称であってもよく、および/または奇数個の支持アームが使用されてもよい。例えば、4つの支持アームが存在する場合、角距離は、隣接する支持アームのそれぞれの対の間が90°でなくてもよいが、第1支持アームと第2支持アームの間が80°であり、第2支持アームと第3支持アームの間が100°、第3支持アームと第4支持アームの間が110°、最後に、第4支持アームと第1支持アームの間が70°であってもよい。3つの支持アームを有する別の例によれば、第1支持アームと第2支持アームの間が100°、第2支持アームと第3支持アームの間が120°、最後に、第3支持アームと第1支持アームの間が140°であってもよい。
【0023】
これに加えて、またはこれに代えて、支持アームは、異なる抑制特徴を有するような構成であってもよく、例えば、支持アームは、互いに異なる弾性係数および/または互いに異なる固さおよび/または互いに異なる長さおよび/または直径などの寸法を有し得る抑制部材を含んでいてもよく、および/または異なる材料から作られていてもよい。
【0024】
少なくとも1つの多孔性スクリーン部材は、筐体に対してスクリーン支持部によって支えられるスクリーンフレーム部材上に取り付けられてもよい。
【0025】
より特定的には、前記スクリーンフレーム部材は、スクリーンキャリアフープを備えていてもよく、その上に、前記多孔性スクリーン部材が、少なくとも1つのテンションベルトによってクランプ止めされていてもよく、また、前記スクリーン支持部は、前記テンションベルトによって前記スクリーンキャリアフープ上に保持されてもよい。より特定的には、ピボットベアリング片は、このようなテンションベルトまたはネジなどの他の様式で前記スクリーンキャリアフープに保持されてもよく、前記支持アームは、このようなピボットベアリング片に接続していてもよい。
【0026】
図1からわかるように、遠心ペレット乾燥機1は、筐体2を備えていてもよく、筐体2は、ロータ3が収容される塔状中央部2aを備えていてもよい。前記ロータ3は、直立の実質的に垂直な回転軸を有していてもよく、前記回転軸から少なくとも一部が空間的に離れて延在する複数のリフティング要素4を備えていてもよく、このようなリフティング要素4は、ロータ3までペレットを運ぶへらまたはシャベルとして機能する傾斜したリフティング表面を有するように構成されてもよい。
【0027】
前記ロータ3は、スクリーン5によって囲まれていてもよく、スクリーン5は、ロータ3を囲む円筒形状を有していてもよく、前記スクリーン5は、いくつかのスクリーン部分またはスクリーン要素を備えていてもよい。前記スクリーン5は、少なくとも部分的に、前記スクリーンを通って水を排出することが可能な複数の孔を有する篩状または網状の構造を有していてもよい。
【0028】
図1からわかるように、ロータ3は、下側部分または底部分で、水−ペレット−スラリーがロータ3に供給されるローディング領域を有していてもよく、前記ローディング領域6は、回転可能なロータ3およびリフティング要素4を囲むロータユニットのベース部分によって形成されてもよい。
図2からわかるように、前記ベース部分7は、スクリーン5を接続することができるリング要素またはスリーブ要素を備えていてもよい。
【0029】
上部分で、筐体2は、乾燥ペレットを排出するための傾斜台を形成し得るペレット出口8を備えていてもよく、このようなペレット出口8は、ロータ3からペレットを実質的に放射状に排出するために、最上部スクリーン部分にある出口開口部に接続していてもよい。
【0030】
図1によって示されるように、空気流発生器9は、ペレットからの残留水分を除去するのに役立つ乾燥空気流を作り出すために、筐体2の上部に設けられてもよく、このような乾燥空気流は、ペレット出口8を通って筐体2内に流れる対向空気流であるように、および/またはロータ3に沿って筐体下側に、より特定的には、スクリーン5とロータ3との間の内部空間内に流れるように作られてもよい。
【0031】
図1によって示されるように、筐体2は、水−ペレット−スラリーをロータ3のローディング領域6に供給するために供給システム10を収容する側方部分2bを有していてもよい。より特定的には、前記供給システム10は、供給圧送部(feed piping)11を備えていてもよい。
【0032】
図3からわかるように、スクリーン5は、複数のスクリーン部材5a、5b、・・・5nで構成されていてもよく、これらはそれぞれ、平坦であるか、またはわずかにあらかじめ弓状になった、特に、あらかじめ巻き取られ、または開始状態で異なる様式で適切に湾曲しており、図に示される弓状物または実質的に円筒形の形状になっている、弾性多孔性スクリーンボードまたはプレートであってもよい。
【0033】
より特定的には、
図3によって示されるようにスクリーン部材5a、5b、・・・5nは、それぞれ、円筒形ジャケット表面部分を形成してもよい。スクリーン5は、周縁方向で見ると、相互に重なり合い、一緒にスクリーンリングを形成する複数のスクリーン部材5a、5b、・・・5nで構成されているからである。この観点で、スクリーン5は、周縁方向で見たときだけではなく、軸方向で見たときにも複数のスクリーン部材10で構成されている。この観点で、
図3は、軸方向に分割されており、複数のスクリーン部材5a、5b、・・・5nからそれぞれ作られる5つのスクリーン部分を示す。
【0034】
スクリーン部材5a、5b、・・・5nは、それぞれ、その末端面の末端部分でリング形状のスクリーンキャリアフープ22の周囲に巻き取られており、共通のスクリーンキャリアフープ22が、それぞれ2つのスクリーン部分の間に設けられている。
【0035】
スクリーン部分は、実質的に円筒形に作られていてもよく(すなわち、スクリーン部材が、それぞれのスクリーン部分のジャケット表面を囲む)、複数のスクリーン部材5a、5b、・・・5nは、それらの軸方向縁部で互いに重なり合っている。
【0036】
スクリーン部材5a、5b、・・・5bは、テンションベルトまたはテンションバンド27によって一緒に保持され、固定されてもよく、テンションベルトまたはテンションバンド27は、異なって作られるテンション部材によって作られてもよい(例えば、ロープ、ベルトまたはフープの形態で)。本発明の好ましい実施形態によれば、テンションベルト27は、好ましくは、弾性で可撓性であり、引張耐性がある平らなバンドから作られてもよく、好ましくは、金属から作られてもよい。テンション部材27は、スクリーンキャリアフープ22の領域の中でスクリーン部材の周囲を巻くようにスクリーン部材の周囲に置くことができ、テンションベルト27を締め付けることでスクリーン部材10をスクリーンキャリアフープ22にクランプ止めすることができる。この目的のために、工具を用いずに作動させることができ、テンションベルト27の末端に固定されるクランプ止めレバーの形態の迅速なクランプ止め手段が、テンションベルト27に設けられてもよい。
【0037】
その上側末端部分および下側末端部分と共に、スクリーン5は、筐体2の底部分および上部分に接続する入口部材30および出口部材40に接続していてもよく、前記入口部材30は、上述のベース部材7によって形成されてもよく、水−ペレット−スラリーをロータ3に供給可能にしてもよく、一方、出口部材40は、筐体2の上述の出口8を通り、ロータからペレットを排出することを可能にしてもよい。
【0038】
前記入口部材30および出口部材40は、実質的にリング形状の部材を形成してもよく、その上に、スクリーン5の実質的に円筒形の末端部分が接続していてもよく、スクリーンは、このようなリング部材と特定の重なり部分を有していてもよい。
【0039】
図2からわかるように、スクリーンは、スクリーン支持部20を用いることによって筐体2に対してさらに支えられ、スクリーン支持部20は、複数の支持アーム21を備えていてもよく、これらの支持アーム21は、スクリーン5と筐体2との間に星状分布で配置されてもよい。より特定的には、このような支持アーム21のうち少なくとも2つは、共通面に配置されていてもよく、異なる半径方向でスクリーン5の支持部を設けるように、3つまたは4つ、または4つより多いこのようなアーム21が設けられてもよい。半径方向は、ロータ3の回転軸に対して横方向および/またはスクリーン5の長手方向軸に対して横方向を意味する。
【0040】
より特定的には、前記支持アーム21は、非対称の様式で整列されてもよく、および/または互いに異なる角距離で配置されてもよい。例えば、支持アームが2つしか存在しない場合、このような支持アームは、アーム間に170°および190°の角度を有するように配置されてもよい。3つの支持アーム21が存在する場合、このような支持アームは、例えば、12時の方向、3時の方向および8時の方向に配置されていてもよい。このような非対称配置および/または奇数個の支持アームは、共振振動数での揺れの危険性を減らすのに役立つだろう。
【0041】
これに加えて、またはこれに代えて、支持アーム21は、互いに異なる抑制特徴を有するように構成されていてもよい。例えば、支持アーム21は、互いに異なる剛性および/または互いに異なる弾性係数および/または互いに異なる固さを有するような構成であってもよく、および/または互いに異なる材料から作られてもよい。支持アームが設けられると、異なる抑制特徴は、スクリーンを通常の揺れ(natural oscillation)から保護するのに役立つだろう。
【0042】
図2からわかるように、前記支持アーム21は、スクリーンの外側から筐体の内側まで延在していてもよく、および/またはスクリーンを筐体に接続していてもよく、前記支持アーム21は、搭状スクリーン5の上部分と底部分の間にある中央部分を支えていてもよい。
【0043】
より特定的には、前記支持アーム21は、スクリーンの中央部分を筐体に連結するスクリーンキャリアフープ22の1つと接続してもよい。
【0044】
図4からわかるように、前記支持アーム21は、突張状アーム部材23を備えていてもよく、これに対し、ダンパ24が接続している。このようなダンパは、振動を抑制し、運動エネルギーを散逸するゴム様弾性材料から作られる少なくとも1つの抑制部材25を備えていてもよい。
図4からわかるように、複数の円板状ゴム部材が設けられ、ワッシャープレートによって互いに分割されていてもよく、一連の抑制部材25は、例えば、支持アーム21の長さを調節するように、アーム部材23とネジ係合するネジ付きボルト26を用いることによって、アーム部材23の一端に接続していてもよい。
【0045】
ダンパ24に対向する他端で、支持アーム21には、ピボットベアリング28などのベアリングが設けられていてもよい。
【0046】
図2からわかるように、支持アーム21は、支持アーム21がそれぞれスクリーン5に対して枢動可能であるように、前述のピボットベアリング28を介し、スクリーンキャリアフープ22に接続していてもよい。
【0047】
一方、支持アーム21は、上述のダンパ24を用いることによって、筐体2の内側表面に対して支えられてもよく、このようなダンパ24は、筐体2の内表面上に設けられる抑制受容器に接続していてもよい(
図2を参照)。
【0048】
共振の影響を回避するために、異なる支持アーム21の抑制部材25は、異なる材料から作られていてもよく、および/または支持アーム21が異なる抑制特徴を有するように異なる寸法を有していてもよい。例えば、第1支持アーム21は、一連の2つの抑制部材25を備えていてもよく、一方、第2支持アーム21は、一連の3つの抑制部材25を備えていてもよい。
【0049】
これに加えて、またはこれに代えて、支持アーム21を異なる向きに取り付けることも可能である。例えば、第1支持アーム21は、そのダンパ24を用いてスクリーン3に取り付けられてもよく、一方、第2支持アーム21は、そのダンパ24を用いて筐体2に取り付けられてもよい。