(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1放出性イオンを含む第1発光タガントであって、前記第1発光タガントは、励起エネルギーに曝露されると、第1タガント発光バンドにおいて第1発光を生じさせる、第1発光タガントと、
前記第1放出性イオンと異なる第2放出性イオンを含む第2発光タガントであって、前記第2発光タガントは、励起エネルギーに曝露されると、前記第1タガント発光バンドと異なる第2タガント発光バンドにおいて第2発光を生じさせる、第2発光タガントと、
前記第1放出性イオンと前記第2放出性イオンとを含む第3発光タガントと、を含み、
前記第1発光タガントは、前記第2放出性イオンを実質的に含まず、前記第2発光タガントは、前記第1放出性イオンを実質的に含まない、発光タガント組成物。
【背景技術】
【0003】
発光タガント又は発光蛍光体化合物は、外部エネルギー源によって化合物が励起される際に赤外、可視、及び/又は紫外スペクトルにおいて検出可能な量の放射線を放出することができる化合物である。典型的な発光タガントは、少なくとも母体結晶格子、放出性イオン(例えば、電磁放射線の吸収/放出又は別のイオンによって移動されたエネルギーの放出のいずれかが可能である希土類イオン)、及び場合によっては、「増感性」イオン(例えば、遷移金属又は異なる希土類金属のイオンであり、エネルギーを吸収し放出性の希土類金属イオンに移動させることができるもの)を含む。発光タガントによる放射線の発生は、放出性イオン(複数可)による又は母体材料及び増感性イオン(複数可)の一方若しくは両方による入射放射線の吸収、母体材料/増感性イオン(複数可)から放出性イオン(複数可)へのエネルギー移動、並びに放出性イオン(複数可)によって移動されたエネルギーの放射によって達成される。
【0004】
発光タガントの選択された構成成分は、化合物に、発光タガントの放出性イオンによって放出された高いスペクトルエネルギー出力(「発光」)に関する特定の発光特性、励起エネルギーの特異的な波長、及び/又は特異的なスペクトル位置(複数可)を有するようにさせることができる。しかしながら、全てのイオンが全ての母体材料において発光を生じさせるとは限らない。発光の可能性を有する放射線がクエンチされる又は増感性イオン若しくは母体材料から放出性イオンへのエネルギー移動が乏しいので放射線の影響がほとんど観察できない多数の例が存在する。他の母体材料において、放射線の影響は、非常に大きく、かつ量子効率が1に近い場合がある。
【0005】
観察可能な発光を生じさせる特異的な発光タガントに関して、その発光における高いスペクトルエネルギー含量(又は発光出力)のスペクトル位置(複数可)(すなわち、その「スペクトルシグネチャ」)は、他の化合物から発光タガントを個別に特定するために使用され得る。主に、スペクトルシグネチャは、希土類イオン(複数可)によるものである。しかしながら、スペクトル摂動は、典型的には結晶場強度及び分裂による、種々の放出性イオン上の母体材料の影響により存在する場合がある。これは、発光の時間的挙動についても同様にあてはまる。
【0006】
一部の発光タガントの固有のスペクトル特性は、それらの発光タガントを特定の値又は重要度の物品の認証又は識別において用いるのに好適にする(例えば、紙幣、パスポート、生体サンプルなど)。したがって、周知のスペクトルシグネチャを有する発光タガントは、様々なタイプの物品に組み込まれて、そのような物品の偽物若しくは偽造コピーを検出する又はその物品を識別し追跡する能力を高めてきた。例えば、発光タガントは、物品を認証又は追跡するプロセスで分析され得る添加剤、コーティング、及び印刷ないしは別の方法で適用された機能部の形態で様々なタイプの物品に組み込まれてきた。
【0007】
発光タガントを含む物品は、特別設計された認証装置を使用して認証され得る。特に、製造業者は、周知の発光タガント(例えば、「認証」発光タガント)をその「真正」物品の中に組み込むことができる。そのような物品の信頼性を検出するように構成された認証装置は、認証発光タガントに関連した、吸収される励起エネルギーの波長及び発光のスペクトル特性についてのナレッジ(例えば、記憶された情報及び/又は様々なスペクトルフィルタ)を有するであろう。認証用のサンプル物品が与えられると、認証装置は、直接的又は間接的に所望の発光につながる発光タガントの吸収機能部の周知の波長と一致する波長を有する励起エネルギーに物品を曝露する。認証装置は、物品によって生じ得る何らかの発光のスペクトルパラメータを感知し、特性化する。検出した発光のスペクトル信号が、認証発光タガント(「検出パラメータ空間」と呼ばれる)に一致する検出装置の認証パラメータ値域内であるとき、物品は真正と見なされ得る。逆に、認証装置が検出パラメータ空間内で予想された信号を感知するのに失敗すると、物品は不正と見なされ得る(例えば、偽物の又は偽造した物品)。
【0008】
上述の技術は、比較的単純な偽物及び偽造活動を検出し阻止するにあたり極めて効果的である。しかしながら、適切なリソース及び装置を有する個人は、いくつかの発光タガントの構成成分を測定するためにスペクトル測定技術を使用できる場合がある。発光タガントは、その場合、再現され不正物品で使用される恐れがあり、結果として、別の方法で特定の発光タガントによって提供され得る認証効果を損なう。
【0009】
したがって、多数の発光タガントが上述の方法で物品認証を容易にするために開発されてきたが、追加の化合物、そのような化合物を物品と共に使用する固有の方法、及び物品を認証するための技術を開発することが望ましく、それらは、偽物及び偽造活動をより困難にし得、並びに/又は特に関心ある物品を識別及び追跡するのに有効だとわかり得る。更に、他の望ましい特徴及び特性は、後続の「発明を実施するための形態」及び添付の「特許請求の範囲」を、添付図面及び本「背景技術」と併せ読むことで明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の「発明を実施するための形態」は、事実上単に例示のものであり、特許請求に記載される発光タガント組成物、発光タガント、及び発光タガントを含む物品を含む発光材料を限定することは意図しない。更に、前述の「背景技術」又は以下の「発明を実施するための形態」で提示される、任意の理論によって拘束されることは意図していない。
【0016】
本明細書に記載されるように、発光タガント組成物は、第1放出性イオンを含む第1発光タガント、第2放出性イオンを含む第2発光タガント、並びに第1及び第2放出性イオンを含む第3発光タガントを含む。本明細書で使用される場合、用語「放出性イオン」は、エネルギーを放出し、更にエネルギー自体を吸収すること及び/又は1つ以上の他の活性イオンにエネルギーを移動することもできる発光蛍光体粒子中のイオンを指す。第1発光タガントは、励起エネルギーに曝露されると、第1タガント発光バンドにおいて第1発光を生じさせ、第2発光タガントは、励起エネルギーに曝露されると、第1タガント発光バンドと異なる、すなわち区別できる、第2タガント発光バンドにおいて第2発光を生じさせる。本明細書で使用される場合、「発光バンド」は、内部に集中された無視できない(例えば、検出可能な)発光が発光タガントの1つ以上の放出性イオンから発生する電磁スペクトルの波長の範囲を意味するものと本明細書において定義される。任意の特定の放出性イオンについて、「発光バンド」は、その下方でそのイオンに対して発光がほとんどない低い波長、及びその上方で同じマニホールド又はエネルギー状態(Dieckeダイアグラムに記載される)からのそのイオンに対して発光がほとんどない高い波長によって境界付けられる。より具体的には、「発光バンド」は、上方のエネルギー準位マニホールドから下方のエネルギー準位マニホールドまで及び、そのバンド内の全ての発光は、本明細書に記載されるように、「発光バンド」の一部であり、実際の発光が「発光バンド」内部で間隙を呈しても別個の発光バンドにおける発光と考えられるものではない。放出性イオンが、複数の発光バンドを含んでもよいことを理解されたい。とりわけ、第1発光タガントは、第2放出性イオンを実質的に含まず、第2発光タガントは、第1放出性イオンを実質的に含まない。「実質的に含まない」とは、それぞれの発光タガント100、200が問題になっている放出性イオンで意図的にドープされないことを意味する。第1及び第2放出性イオンの両方を含む第3発光タガントを使用すると、第3発光タガントは、励起エネルギーに曝露されると発光タガント組成物に、第1タガント発光バンドにおける混乱した発光及び第2タガント発光バンドにおける混乱した発光を提供する。本明細書で使用される場合、「励起エネルギー」は、イオン(放出性イオン若しくは増感性イオンのどちらか)の、又は発光タガントの母体材料の吸収バンドに対応する波長の範囲を有する励起エネルギーを指す。適切な励起エネルギーが発光タガントに向けられると、励起エネルギーは吸収され、発光タガント内の放出性イオン(すなわち、励起エネルギーを吸収するイオンと同じであっても又は異なってもよいイオン)は、検出可能な発光を生じ得る。本明細書に記載されるように、「混乱した発光」は、第1発光タガント又は第2発光タガントのどちらかに単独で存在するそれぞれの放出性イオンに起因するが、第1発光タガント及び第2発光タガントの物理的な混合で再現することができない第1タガント発光バンド及び第2タガント発光バンドにおける発光タガント組成物からの発光である。発光タガント組成物からの混乱した発光は、発光タガント組成物内に第1発光タガント及び第2発光タガントを含むことと共に、第1放出性イオン及び第2放出性イオンを合わせて第3発光タガントに含むことによって生じる。第3発光タガントは、放出性イオンが母体材料内に共に存在するとき、間にエネルギー移動が発生するように第1及び第2放出性イオンを選択して、又は第1及び第2発光タガントにより生じた発光と比較して対応の放出性イオンからの発光を調節する他の機構を介して、例えば、第3発光タガント内に異なる母体材料を使用するなどによって、混乱した発光をもたらすことができる。あるいは、第3発光タガントは、第1発光バンド及び第2発光バンドにおいて発光を提供することによって、混乱した発光を簡易にもたらすことができ、したがって、発光が発光タガント組成物中の任意の1つの発光タガントに起因すると考えることを不可能にする。第1発光タガント及び第2発光タガントを使用して第1及び第2発光をそれぞれ生じさせることに加えて、第3発光タガントを使用して混乱した発光を生じさせることによって、発光タガント組成物からの発光の照合に基づいた偽物及び発光タガント組成物を再現する不正な試みが不可能でない場合は、より困難にされる。
【0017】
上に言及したように、発光タガント組成物は、第1発光タガント、第2発光タガント、及び第3発光タガントを含む。本明細書に記載されるように、発光タガント組成物は、主としてタガントを含むが、原材料内にパッケージ化された発光タガントと共に存在し得る添加剤、製造残滓などを更に含んでもよい。発光タガント組成物は、更に詳しく後述されるように、発光タガントに加えて媒質を含む発光材料内に含まれてもよい。
【0018】
図1は、様々な例示の実施形態による、第1発光タガント100、第2発光タガント200、及び第3発光タガント300の潜在的構成成分を示す。発光タガント100、200、300はそれぞれ、母体結晶格子材料などの母体材料110、210、310を含む。各発光タガント100、200、300はまた、更に詳しく後述されるように、放出性イオン(複数可)120、220も含む。更なる実施形態では、発光タガント100、200、300は、任意追加的に入射放射線の吸収のための増感性イオン130を含んでもよい。使用されるとき、増感性イオン130は、エネルギーを第1放出性イオン120及び/又は第2放出性イオン220にそれぞれ、励起後に増感性イオン130自体によってもたらされる発光がほとんどないか全くない状態で移動させる。更に詳しく後述されるように、所望の混乱した発光効果をもたらすために、第1発光タガント100と第2発光タガント200と第3発光タガント300との間で放出性イオン120、220又は母体材料110、210、310の様々な組み合わせが使用され得る。更に、同じ増感性イオン130、異なる増感性イオン130、又は増感性イオンなしは、対応の発光タガント100、200、300において独立して使用され得る。
【0019】
第1発光タガント100は、第1母体材料110、第1放出性イオン120、及び任意追加的に増感性イオン130を含む。第1発光タガント100は、励起エネルギーに曝露されると第1タガント発光バンドにおいて第1発光を生じさせる。実施形態において、第1タガント発光バンドは、第1放出性イオン120単独からの、かつ放出性イオン及び/又は妨害性イオンなどの他の活性イオンの影響のない発光に対応する。本明細書に記載されるように、「妨害性」イオンは、妨害性イオンがない場合の時間的減衰特性と比較して、例えば、発光タガントの減衰速度定数などの時間的減衰特性を修正する材料である。しかしながら、他の実施形態では、第1放出性イオン120以外の他の放出性イオンが第1発光タガント100中に存在しない場合に限り、第1タガント発光バンドにおける第1発光は、妨害性イオン又は増感性イオンなどの他の活性イオンによって影響を受ける場合があることを理解されたい。第1母体材料110は、第1放出性イオン120及び/又は増感性イオン130が中に組み込まれている(すなわち、第1母体材料110の1つ以上の置換可能な要素を置換した)材料を含む。特に、第1母体材料110は、異なる化学的成分が格子内部の様々な位置で置換し得る結晶格子である。好適な母体材料の例としては、酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、又はこれらの混合物から選択されるものが挙げられるがこれらに限定されない。実施形態において、第1母体材料110は、酸化物、酸硫化物、ホウ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ペロブスカイト、又はこれらの混合物から選択される。好適な母体材料の特異的な例としては、酸硫化イットリウム、イットリウムアルミニウムガーネット、イットリウムガリウムガーネット、ガドリニウムガリウムガーネット、ガドリニウムアルミニウムガーネット、又は酸硫化ガドリニウムから独立して選択されるものが挙げられる。
【0020】
より具体的には、第1放出性イオン120は、第1母体材料110内に配置時及び励起後に電磁放射線を放出することができるイオンである。実施形態において、第1放出性イオン120は、ネオジム、イッテルビウム、エルビウム、ツリウム、又はホルミウムから選択される。特異的な放出性イオン及び母体材料に応じて、例えば、発光消光などに起因する、光タガントに有効な発光特性を付与するには、多くの場合100パーセント未満の置換が必要である。しかしながら、いくつかの実施形態では、第1発光タガント100は、化学量論的タガントであってもよいことを理解されたく、これは第1放出性イオン120が、母体材料110中に別の格子イオン(例えば、第1放出性イオン120の置換前に母体材料110内に存在するイットリウム又は他の置換可能なイオン)を、置換後に第1発光タガント100が有効な発光特性を保持したまま、100パーセント置換することができることを意味する。例えば、化学量論的タガントは、母体材料がホウ酸塩又はリン酸塩である実施形態において可能であり得る。母体材料に置換される各イオン(又は原子)の量は、本明細書において原子パーセントの用語で説明される。
【0021】
上に言及したように、実施形態において、第1発光タガント100は、第1発光タガント100について所望される励起のモードに応じて増感性イオン130を更に含んでもよい。増感性イオン130は、例えば、外部ソースから励起エネルギーを吸収しそのエネルギーを第1放出性イオン120に移動することができる、第1放出性イオン120以外の遷移金属又は異なる希土類金属であってもよい。好適な増感性イオンの特異的な例としては、クロム及び/又は鉄が挙げられる。
【0022】
第2発光タガント200は、第2母体材料210、第2放出性イオン220、及び任意追加的に増感性イオン130を含む。第2放出性イオン220は、第1放出性イオン120と異なり、第2発光タガント200は、励起エネルギーに曝露されると、第1タガント発光バンドと異なる第2タガント発光バンドにおいて第2発光を生じさせる。「と異なる」とは、第2タガント発光バンドを、従来の検知装置によって第1タガント発光バンドと効果的に区別することができることを意味する。実施形態において、第1及び第2タガント発光バンドは、重なり合うことができるが、ピーク発光波長が異なる。他の実施形態では、第1及び第2タガント発光バンドは、重ならないものとすることができる。
【0023】
第2放出性イオン220が第1放出性イオン120と異なること以外は、第2発光タガント200の他の態様は、好適な母体材料、放出性イオン、増感性イオンなどを含んで第1発光タガント100について上述されたものと同じであってもよい。第1発光タガント100は、第2放出性イオン220を実質的に含まず、第2発光タガント200は、第1放出性イオン120を実質的に含まない。これは対応の発光タガント100、200が問題になっている放出性イオンで意図的にドープされないことを意味する。しかしながら、意図しない放出性イオンの不純物準位量が対応の発光タガント100、200内に存在し得ることを理解されたい。実施形態において、第1発光タガント100及び第2発光タガント200は、両方とも検出可能な発光を有する追加の放出性イオンを実質的に含まず、それによって、対応のタガントからの発光を第1放出性イオン120及び第2放出性イオン220にそれぞれ起因するものに分離する。他の実施形態では、追加の放出性イオンは、第1及び/又は第2発光タガント100、200内に存在してもよい。実施形態において、追加の放出性イオンが対応のタガント内に存在するとき、対応のタガントの放出性イオンと追加の放出性イオンとの間で検出可能なエネルギー移動は発生しない。
【0024】
実施形態において、エネルギーは、第1発光タガント100と第2発光タガント200との間で実質的に移動されない。より具体的には、第1又は第2発光タガント100、200のどちらかにおける放出性イオン120、220のうちの1つからの発光は、第1又は第2発光タガント100、200の他方の放出性イオン(及び/又は存在する場合、増感性イオン)によって検出可能に吸収されず、その結果、検出可能なエネルギー移動は第1発光タガント100と第2発光タガント200との間に発生しない。このように、第1発光タガント100と第2発光タガント200との間の吸収/発光動力学は、互いに独立しており、少なくともその間の何らかのエネルギー移動に対する検出限界に基づいている。
【0025】
第3発光タガント300は、第3母体材料310、第1放出性イオン120、第2放出性イオン220、及び任意追加的に増感性イオン130を含む。第3発光タガント300は、第1発光タガント100及び第2発光タガント200のそれぞれと共通の特性を有する発光を生じさせる、第1発光タガント100及び第2発光タガント200の両方からの放出性イオン120、200を含み、したがって、発光タガント組成物が混乱した発光を生じさせることを可能にし、材料識別及び不正な再現を困難にする。特に、第3発光タガント300は、励起エネルギーに曝露されると、第1タガント発光バンドにおいて発光を、及び第2タガント発光バンドにおいて発光を生じさせて、第1発光タガント100、第2発光タガント200、及び第3発光タガント300からの発光がまとめられると発光タガント組成物からの混乱した発光をもたらす。第1発光バンド及び第2発光バンドにおいて第3発光タガント300が寄与する発光は、第1発光タガント及び第2発光タガントだけの物理的混合により発光タガント組成物の発光スペクトル全体を再現するのを不可能にする。実施形態において、第1タガント発光バンド及び第2タガント発光バンドにおける第3発光タガント300からの発光は、それぞれ第1発光タガント100及び第2発光タガント200の対応する第1発光及び第2発光の発光特性と区別できる1つ以上の特性を有して、材料識別及び不正な再現を一層困難にする。第1タガント発光バンド及び第2タガント発光バンドにおける第3発光タガント300からの発光の特定の特性は、発光強度、時間的特性、分岐比、別のバンドにおける別のイオンへのエネルギー移動及びそのイオンからの発光、又はそのような発光特性の組み合わせのうちの1つ以上において、第1発光及び第2発光の対応する特性と区別可能であり得る。他の実施形態では、第3発光タガント100は、発光タガント組成物によって第1発光バンド及び第2発光バンドにおいて発光を提供することによって、混乱した発光を簡易にもたらすことができ、したがって、発光が発光タガント組成物中の任意の1つの発光タガントに起因すると考えることを不可能にする。
【0026】
上に言及したように、第1タガント発光バンドにおける発光タガント組成物の混乱した発光及び第2タガント発光バンドにおける発光タガント組成物の混乱した発光は、それぞれ第1発光タガント100及び第2発光タガント100だけで再現することができない。特に、第1及び第2タガント発光バンドにおける混乱した発光は、放出性イオンの負荷レベル又は増感性イオン若しくは妨害性イオンなどの追加の非放出性活性イオンの包含にかかわらず第1及び第2発光タガント100、200そのもので再現することができない。そのような混乱した発光は、例えば、第3発光タガント内に第1放出性イオン及び第2放出性イオンを一緒に含むことによって実現することができ、また特定の放出性イオンを使用した状態でエネルギー移動を呈する異なる母体材料を使用することによって、又はその間のエネルギー移動を呈する放出性イオンを使用することによって更に実現されてもよく、その更なる詳細は以下に提供される。
【0027】
実施形態において、第1発光タガント100、第2発光タガント100、及び第3発光タガント300は、共通の励起、すなわち、同じ励起モード及び/又は励起波長を有し、その結果、励起放射の単独の供給源を使用して、第1発光タガント100、第2発光タガント100、及び第3発光タガント300を励起してもよい。第1発光タガント100、第2発光タガント100、及び第3発光タガント300の共通の励起は、第1発光タガント、第2発光タガント、及び第3発光タガントからの発光の組み合わせが、共通の励起に曝露されたときに同時に生じることを確実にする。
【0028】
実施形態において、エネルギーは、第3発光タガント300において第1放出性イオン120と第2放出性イオン220との間で実質的に移動しない。特に、この実施形態では、第1若しくは第2放出性イオン120、220のうちの1つからの発光又はエネルギーは、それらの放出性イオンが第3発光タガント300内に一緒に存在するときでも、第1又は第2放出性イオンの他方に吸収ないしは別の方法で移動されない。この実施形態では、第3発光タガント300の発光は、第1放出性イオン120と第2放出性イオン220との間のエネルギー移動による以外の効果によって生じる。例えば、第1又は第2発光タガント100、200と異なる第3発光タガント300に関する母体材料310の使用は、例えば母体材料310と放出性イオン120、220との間のエネルギー移動によって、混乱した発光の生成をもたらし得る。母体材料は、異なる母体材料における同じ放出性イオンからの発光間の計測可能な差異によって発光タガントの発光特性に実質的な影響を与え得る。実施形態において、第3母体材料310は、第1母体材料110及び第2母体材料210の両方と異なる。第1母体材料110及び第2母体材料210は、共通の母体材料であり得るが、異なる第1及び第2母体材料110、210を使用できることも可能である。実施形態において、第1母体材料110及び第2母体材料210は、それぞれの放出性イオン120、220による検出可能なエネルギー移動を呈さないが、第3母体材料310は、それぞれの放出性イオン120、220によって検出可能なエネルギー移動を呈する。この実施形態に従う発光タガント組成物の特異的な例は、ネオジム、イッテルビウム、エルビウム、ツリウム、又はホルミウムから独立して選択される第1放出性イオン120及び第2放出性イオン220、並びに第1、第2、及び第3発光タガントのそれぞれに含まれる異なる結晶母体格子を含み、結晶母体格子は、酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、又はこれらの混合物から独立して選択される。この実施形態に従う発光タガント組成物の他の特異的な例は、ネオジム、イッテルビウム、エルビウム、ツリウム、又はホルミウムから独立して選択される第1放出性イオン120及び第2放出性イオン220、第1及び第2発光タガント100、200のそれぞれに含まれる同じ母体材料110、210、並びに第3発光タガント300に含まれる異なる母体材料310を含み、母体材料は、酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、又はこれらの混合物から独立して選択される。
【0029】
別の実施形態において、エネルギー移動は、励起後に第3発光タガント300における第1放出性イオン120と第2放出性イオン220との間で発生する。この実施形態では、エネルギーは、第1発光タガント100と第2発光タガント200との間で実質的に移動しない、すなわち、エネルギー移動は、異なるタガント内に存在するとき放出性イオン120と220との間で発生しない。第1母体材料110、第2母体材料210、及び第3母体材料310は、共通の、同一母体材料を含んでもよく、結果として母体材料間の差異は、混乱した発光の原因ではない。実施形態において、検出可能なエネルギー移動は、第1母体材料110、第2母体材料210、及び第3母体材料310における対応の放出性イオン120と220との間で発生しない。第3発光タガント300における第1放出性イオン120と第2放出性イオン220との間のエネルギー移動は、1つ以上の発光特性(例えば、発光強度)に影響を与えるので、第3発光タガント300からの発光は、第1発光タガント100と、第2発光タガント200と、第3発光タガント300との間で同じ母体材料を使用しているときでも第1発光タガント100からの第1発光及び第2発光タガント200からの第2発光と異なるであろう。この実施形態に従う発光タガント組成物の他の特異的な例は、ネオジム、イッテルビウム、エルビウム、ツリウム、又はホルミウムから独立して選択される第1放出性イオン120及び第2放出性イオン220、並びに第1発光タガント100、第2発光タガント200、及び第3発光タガント300のそれぞれに使用される共有結晶母体格子を含む。これらの特異的な例に従った実施形態において、共有結晶母体格子は、以下から選択される:
−酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;
−フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;
−酸化物、フッ化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;
−酸化物、フッ化物、酸硫化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;
−酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;
−酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;
−酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;
−酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;
−酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;
−酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;
−酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、ペロブスカイト、及びこれらの混合物;並びに
−酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジン酸塩、オキシハロゲン化物、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネット、ニオブ酸塩、及びこれらの混合物。
【0030】
本明細書に記載される発光タガント組成物は、発光タガント100、200、300に加えて、媒質を含む発光材料において使用されてもよい。媒質は、インク;インク添加物、糊、液体、ゲル、ポリマー、スラリー、プラスチック、プラスチックベース樹脂、ガラス、セラミック、メタル、布地、木材、繊維、製紙用パルプ、及び紙の群から選択されてもよい。例えば、媒質は、物品の基材を形成するために使用される材料に対応し得るか、又は媒質は、物品基材の表面に適用され得る(例えば、印刷された、コーティングされた、スプレーされた、ないしは別の方法で被着された又は結合された)材料に対応し得るか、又は媒質は、基材内に埋め込まれている機能部(例えば、埋め込まれた機能部、セキュリティスレッドなど)を形成するために使用される材料に対応し得るが、それらに限定されない。前者の場合は、発光タガントは、例えば、発光タガント組成物と媒質を組み合わせ、次に基材を媒質と共に形成することによって、かつ/又は媒質に発光タガントの粒子のコロイド分散液を含浸させることによって、基材材料の中に組み込まれ得る。含浸は、例えば、印刷、滴下、コーティング、又は噴霧プロセスによって実行され得る。
【0031】
図2は、例示の実施形態による、第1発光タガント100、第2発光タガント200、及び第3発光タガント300を含む物品400の断面図を示す。特に、物品400は、基材402及び基材402の表面408上にある又は基材402内に一体化された認証機能部404、406を含み、認証機能部404、406は、発光タガント100、200、300を含む。例えば、これは、媒質及び発光タガント100、200、300を物品400の中又は上に含む発光材料を組み込むことによって達成され得る。あるいは、発光材料は、基材402のためのベース材料として実際に使用されてもよい。逆に、発光材料が基材402の表面408に適用可能である実施形態では、発光材料は、所定の位置において基材402の1つ以上の表面408に印刷されてもよい。逆に、発光材料が、埋め込まれた認証機能部406に対応するとき、埋め込まれた認証機能部406は、基材材料が展性のある形態であるとき(例えば、材料がスラリー形態、溶融形態、又は未硬化形態のとき)基材材料と一体化されている。上述の方法のうちの任意の1つにおいて、本明細書に記載の発光材料又は発光タガント組成物は、物品400に組み込まれてもよい。
【0032】
上に言及したように、発光材料は、物品400の中又は上に組み込まれてもよい。特に、この実施形態において、物品400は、表面に適用した及び/若しくは埋め込まれた、発光タガント100、200、300を含む認証機能部404、406を含んでもよく、かつ/又は物品400は、物品400の1つ以上の構成成分内部(例えば、基材402及び/又は物品400の1つ以上の層若しくは他の構成成分の内部)に均一若しくは不均一に分散されている発光タガント100、200、300の粒子を含んでもよい。認証機能部404、406及び発光タガント100、200、300の粒子の様々な相対寸法は、
図2で一定の縮尺ではない場合がある。物品400は、表面に適用した及び/又は埋め込まれた認証機能部404、406並びに発光タガント100、200、300の粒子の両方を含むように図示されているが、別の物品は、埋め込まれた認証機能部406、表面に適用した認証機能部404、及び発光タガント100、200、300の分散した粒子のうちの1つ又は組み合わせを含んでもよい。最後に、1つの表面に適用した認証機能部404及び1つの埋め込まれた認証機能部406のみが
図2に示されているが、物品は、認証機能部404、406のどちらかのタイプのうち2つ以上を含んでもよい。
【0033】
様々な実施形態において、物品400は、IDカード、運転免許証、パスポート、身元証明書、紙幣、小切手、文書、紙、株券、包装材料成分、クレジットカード、バンクカード、ラベル、シール、商品券、郵便切手、動物、及び生体サンプルが挙げられるがこれらに限定されない群から選択される任意のタイプの物品であってもよい。
【0034】
剛性又は可撓性であり得る基材402は、様々な実施形態において1つ以上の層又は構成成分から形成されてもよい。基材402の様々な構成は、様々な実施形態の発光タガント100、200、300が無数の異なるタイプの物品と共に使用され得るので枚挙にいとまがない。したがって、単純な単体基材402が
図2に例示されているが、基材402が様々な異なる構成のうちのいずれかを有し得ることが理解されよう。例えば、基材402は、同じ又は異なる材料の複数の層又は区域を含む「複合」基材であってもよい。例えば、基材402としては、ラミネート加工されて、ないしは別の方法で一緒に結合されて複合基材(例えば、紙層/プラスチック層/紙層又はプラスチック層/紙層/プラスチック層の複合基材)を形成する1つ以上の紙の層又は区域及び1つ以上のプラスチックの層又は区域が挙げられ得るが、それらに限定されない。更に、無生物の固体物品が本明細書で論じられているが、「物品」はまたヒト、動物、生物試料、液体サンプル、及びその中若しくは上に実施形態の発光材料が含まれ得る実質的に他の任意の物体又は材料を含むことが理解されよう。
【0035】
表面に適用した認証機能部404は、例えば、印刷した認証機能部又はその中若しくは上に本明細書に記載の発光タガント100、200、300が含まれる1つ以上の剛性又は可撓性材料を含む認証機能部であってもよいが、それらに限定されない。例えば、表面に適用した認証機能部404としては、発光タガント100、200、300の粒子を含むインク、顔料、コーティング、又は塗料が挙げられ得るが、それらに限定されない。あるいは、表面に適用した認証機能部404は、その中若しくは上に発光タガント100、200、300の粒子が含まれる1つ以上の剛性又は可撓性材料を含んでもよく、表面に適用した認証機能部404は、次に基材402の表面408に接着され、ないしは別の方法で取り付けられる。様々な実施形態によれば、表面に適用した認証機能部404は、約1マイクロメートル以上の厚さ412を有してもよく、また表面に適用した認証機能部404は、基材402の幅及び長さ以下である幅及び長さを有してもよい。
【0036】
埋め込まれた認証機能部406は、その中若しくは上に本明細書に記載の発光タガント100、200、300の粒子が含まれる1つ以上の剛性又は可撓性材料を含んでもよい。例えば、埋め込まれた認証機能部406は、別々の、剛性若しくは可撓性基材、セキュリティスレッド、又は別のタイプの構造の形態で構成されてもよいが、それらに限定されない。様々な実施形態によれば、埋め込まれた認証機能部406は、最大で基材402の厚さ416までの約1マイクロメートルの範囲の厚さ422を有してもよく、埋め込まれた認証機能部406は、基材402の幅及び長さ以下である幅及び長さを有してもよい。
【0037】
上述したように、発光タガント100、200、300の粒子は、
図2に示されるように基材402内部に、又は他の実施形態では物品400の1つ以上の他の構成成分内部に、均一又は不均一に分散され得る(例えば、物品400の1つ以上の層又は他の構成成分の内部)。発光タガント100、200、300の粒子は、例えば、前に論じたように、基材402若しくは別の構成成分を形成するのに使用される媒質の中に発光タガント100、200、300の粒子を混合することによって、及び/又は基材402若しくは他の構成成分に発光タガント100、200、300の粒子のコロイド分散液を含浸することによって、基材402又は別の構成成分内部に分散され得るが、それらに限定されない。
【0038】
本明細書で論じられる発光タガントの実施形態の吸収及び発光特性(例えば、
図1の発光タガント100、200、300)は、セキュリティ及び認証機能部と併せた使用と矛盾しない。例えば、従来と同様の認証装置を使用すると、発光タガント100、200、300の実施形態は、容易に励起してもよく、また従来の技術によって検出される発光であってもよい。
【0039】
前述の「発明を実施するための形態」で、少なくとも1つの例示の実施形態が提示されてきたが、膨大な数の変更例が存在することを理解されたい。例示の実施形態又は複数の例示の実施形態は、あくまで例示であり、いかなるようにも範囲、適用性、又は構成を制限する意図がないこともまた理解されたい。むしろ、前述の「発明を実施するための形態」は、当業者らに例示の実施形態を実装するのに簡便なロードマップを提供するだろう。添付の特許請求に記載される範囲から逸脱することなく、例示の実施形態に記載された要素の機能及び構成に様々な変更を加えることができるものと理解される。