(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、前記電気泳動ディスプレイは、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備え、前記電気泳動流体は、第1の種類の色素粒子と、第2の種類の色素粒子と、第3の種類の色素粒子とを備え、それらの色素粒子の全ては、液体中に分散させられており、
a)前記3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)前記第1の種類の色素粒子と前記第2の種類の色素粒子とは、反対の帯電極性を保有し、
c)前記第3の種類の色素粒子は、前記第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低いゼータ電位を有し、
前記方法は、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、前記第1の駆動電圧は、前記第1の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、前記第1の表面において前記第1の種類の色素粒子の光学特性を前記ピクセルに表示させる、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第2の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧と反対の極性を有し、かつ前記第1の駆動電圧の50%未満の規模を有し、それによって、前記第3の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動し、それによって、前記ピクセルを前記第1の表面において前記第3の種類の色素粒子の光学特性に向かって駆動する、ステップと、
(iii)第3の期間にわたって第3の駆動電圧を印加するステップであって、前記第3の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧と同一の極性および同一の規模を有し、前記第3の期間は、前記第1の期間の持続時間の約20〜約40パーセントであり、それによって、前記視認表面において前記第1の種類の色素粒子の光学特性と第3の種類の色素粒子の光学特性との混合したものを生成する、ステップと
を含む、方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の側面は、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、全て液体中に分散させられた第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備えている電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低いゼータ電位を有し、
以下のステップ、すなわち、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、第1の駆動電圧は、第1の種類の色素粒子を第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、第1の表面において第1の種類の色素粒子の光学特性をピクセルに表示させる、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、第3の種類の色素粒子を第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、ピクセルを第1の表面において第3の種類の色素粒子の光学特性に向かって駆動する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含む、方法を対象とする。
【0006】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の駆動電圧の振幅の50%未満である。一実施形態では、ステップ(i)および(ii)は、少なくとも4回繰り返される。一実施形態では、方法は、ステップ(i)の前に振動波形をさらに備えている。一実施形態では、方法は、振動波形の後であるが、ステップ(i)に先立って、第1の種類の色素粒子の全光学特性にピクセルを駆動することをさらに含む。一実施形態では、第1の期間は、40〜140ミリ秒であり、第2の期間は、460ミリ秒以上であり、ステップ(i)および(ii)は、少なくとも7回繰り返される。
【0007】
本発明の第2の側面は、上で説明される通りであるが、以下のような追加のステップ、すなわち、ステップ(ii)の後であるが、ステップ(i)および(ii)を繰り返す前、第3の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないことと、ステップ(i)、(ii)、および(iii)を繰り返すこととを含む、電気泳動ディスプレイのための駆動方法を対象とする。
【0008】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の駆動電圧の振幅の50%未満である。一実施形態では、ステップ(i)、(ii)、および(iii)は、少なくとも4回繰り返される。一実施形態では、方法は、ステップ(i)の前に振動波形をさらに備えている。一実施形態では、方法は、振動波形の後であるが、ステップ(i)に先立って、第1の種類の色素粒子のフルカラー状態への駆動ステップをさらに含む。
【0009】
本発明の第3の側面は、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、全て液体中に分散させられた第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備えている電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低いゼータ電位を有し、
方法は、少なくとも0.7Vの電圧低感度範囲を有する、
方法を対象とする。
【0010】
本発明の第4の側面は、本発明の第1の側面の通りであるが、以下のような追加のステップ、すなわち、
(iii)ステップ(i)の後であるが、ステップ(ii)の前、第3の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないことと、
(iv)ステップ(ii)の後であるが、ステップを繰り返す前、第4の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないことと、
ステップ(i)−(iv)を繰り返すことと
を含む、電気泳動ディスプレイのための駆動方法を対象とする。
【0011】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ得、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられ得る。一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の駆動電圧の振幅の50%未満である。一実施形態では、ステップ(i)−(iv)は、少なくとも3回繰り返される。一実施形態では、方法は、ステップ(i)の前に振動波形をさらに備えている。一実施形態では、方法は、振動波形の後であるが、ステップ(i)に先立って、第1の種類の色素粒子のフルカラー状態にピクセルを駆動することをさらに含む。
【0012】
本発明の第5の側面は、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法を対象とし、電気泳動流体の流体は、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれており、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの色素粒子の全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
方法は、以下のステップ、すなわち、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、第1の駆動電圧は、視認側における第1の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第1の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、視認側における第2の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第2の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含む、方法を対象とする。
【0013】
一実施形態では、方法は、いかなる駆動電圧も印加されない待ち時間をさらに備えている。一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。一実施形態では、第2の期間は、第1の期間の少なくとも2倍長い。一実施形態では、ステップ(i)および(ii)は、少なくとも3回繰り返される。一実施形態では、方法は、ステップ(i)の前に振動波形をさらに備えている。一実施形態では、方法は、振動波形の後であるが、ステップ(i)に先立って、第2の種類の色素粒子のフルカラー状態にピクセルを駆動することをさらに含む。
【0014】
本発明の第6の側面は、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法対象とし、電気泳動流体の流体は、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれており、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの色素粒子の全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
方法は、以下のステップ、すなわち、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、第1の駆動電圧は、視認側における第2の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第2の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、視認側における第1の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第1の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(iii)第3の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップと、
ステップ(i)、(ii)、および(iii)を繰り返すステップと
を含む、方法を対象とする。
【0015】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。一実施形態では、ステップ(i)、(ii)、および(iii)は、少なくとも3回繰り返される。一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の種類の色素粒子のカラー状態から第2の種類の色素粒子のカラー状態に(または逆も同様)ピクセルを駆動するために要求される駆動電圧の振幅と同一である。一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の種類の色素粒子のカラー状態から第2の種類の色素粒子のカラー状態に(または逆も同様)ピクセルを駆動するために要求される駆動電圧の振幅より高い。一実施形態では、方法は、振動波形をさらに備えている。一実施形態では、方法は、振動波形の後であるが、ステップ(i)に先立って、第1の種類の色素粒子のフルカラー状態にピクセルを駆動することをさらに含む。
【0016】
本発明の第7の側面は、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法対象とし、電気泳動流体の流体は、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれており、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの色素粒子の全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
方法は、以下のステップ、すなわち、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、その第1の駆動電圧は、第2の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第2の種類の色素粒子と同一の極性を有し、第1の期間は、視認側における第2の種類の色素粒子のフルカラー状態にピクセルを駆動するために十分ではない、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、その第2の駆動電圧は、視認側における第1の種類の色素粒子と第2の種類の色素粒子との混合状態に向かってピクセルを駆動するために、第1の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含む。
【0017】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の駆動電圧の振幅の50%未満である。一実施形態では、ステップ(i)および(ii)は、少なくとも4回繰り返される。一実施形態では、方法は、ステップ(i)の前に振動波形をさらに備えている。一実施形態では、方法は、振動波形の後であるが、ステップ(i)に先立って、第1の種類の色素粒子のフルカラー状態にピクセルを駆動することをさらに含む。
【0018】
本発明の第4の駆動方法は、第1の種類の色素粒子のカラー状態におけるピクセルに適用され得るか、または第1の種類の色素粒子のカラー状態ではないカラー状態におけるピクセルに適用され得る。
【0019】
本発明は、前述で説明されたような電気泳動ディスプレイ流体中の3つの粒子のうちの2つの光学特性の混合したものを表示するための駆動方法も提供する。第1のそのような「混合特性」方法は、以下のステップ、すなわち、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、第1の駆動電圧は、第1の種類の色素粒子を第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、第1の表面において第1の種類の色素粒子の光学特性をピクセルに表示させる、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、第3の種類の色素粒子を第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、ピクセルを第1の表面において第3の種類の色素粒子の光学特性に向かって駆動する、ステップと、
(iii)第3の期間にわたって第3の駆動電圧を印加するステップであって、第3の駆動電圧は、第1の駆動電圧と同一の極性を有し、第3の期間は、第1の期間よりも短く、それによって、視認表面において第1の種類の粒子の光学特性と第3の種類の粒子の光学特性との混合したものを生成する、ステップと
を含む。
【0020】
この第1の混合特性方法では、第3の期間の持続時間は、第1の期間の持続時間の約20〜約80パーセント、好ましくは、約20〜約40パーセントであり得る。振動波形が、ステップ(i)に先立って印加され得、第1の種類の色素粒子を第1の表面に向かって駆動する駆動電圧が、振動波形に先立って印加され得る。
【0021】
第2の「混合特性」方法は、以下のステップ、すなわち、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、第1の駆動電圧は、第2の種類の色素粒子を第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、ピクセルに、第1の表面において第2の種類の色素粒子の光学特性を表示させる、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧と同一の極性を有するが、それよりも低い規模を有し、それによって、第1の表面において第3の種類の色素粒子を駆動し、第1の表面において第2の種類の粒子の光学特性と第3の種類の粒子の光学特性との混合したものを生成する、ステップと、
を含む。
【0022】
この第2の混合特性方法では、第2の期間の持続時間は、第1の期間の持続時間の約100〜約150パーセントであり得る。振動波形が、ステップ(i)に先立って印加され得、第1の種類の色素粒子を第1の表面に向かって駆動する駆動電圧が、振動波形に先立って印加され得る。
【0023】
第3の「混合特性」方法は、以下のステップ、すなわち、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、第1の駆動電圧は、第1の種類の色素粒子を第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、第1の表面において第1の種類の色素粒子の光学特性をピクセルに表示させる、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、第3の種類の色素粒子を第1の表面に向かって駆動する極性を有する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含み、ステップ(i)および(ii)の持続時間ならびにその中で印加される電圧の規模は、第1の表面において第1および第2の種類の粒子のうちの1つの光学特性と第3の種類の粒子の光学特性との混合したものを生成するように調節される。
【0024】
第3の混合特性方法では、振動波形が、ステップ(i)に先立って印加され得、第1の種類の色素粒子を第1の表面に向かって駆動する駆動電圧が、振動波形に先立って印加され得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、前記電気泳動ディスプレイは、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備え、前記電気泳動流体は、第1の種類の色素粒子と、第2の種類の色素粒子と、第3の種類の色素粒子とを備え、それらの色素粒子の全ては、液体中に分散させられており、
a)前記3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)前記第1の種類の色素粒子と前記第2の種類の色素粒子とは、反対の帯電極性を保有し、
c)前記第3の種類の色素粒子は、前記第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低いゼータ電位を有し、
前記方法は、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、前記第1の駆動電圧は、前記第1の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、前記第1の表面において前記第1の種類の色素粒子の光学特性を前記ピクセルに表示させる、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第2の駆動電圧は、前記第3の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、前記ピクセルを前記第1の表面において前記第3の種類の色素粒子の光学特性に向かって駆動する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含む、方法。
(項目2)
前記第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、前記第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第2の駆動電圧の振幅は、前記第1の駆動電圧の振幅の50%未満である、項目1に記載の方法。
(項目4)
ステップ(i)および(ii)は、少なくとも4回繰り返される、項目1に記載の方法。
(項目5)
ステップ(i)の前に振動波形を印加することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記振動波形の後であるが、ステップ(i)に先立って、前記第1の種類の色素粒子の全光学特性に前記ピクセルを駆動することをさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
(iii)ステップ(ii)の後であるが、ステップ(i)および(ii)を繰り返す前、第3の期間にわたっていかなる駆動電圧も前記ピクセルに印加しないことと、
ステップ(i)、(ii)、および(iii)を繰り返すことと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
ステップ(i)、(ii)、および(iii)は、少なくとも4回繰り返される、項目7に記載の方法。
(項目9)
ステップ(i)の前に振動波形を印加することをさらに含む、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記振動波形の後であるが、ステップ(i)に先立って、前記第1の種類の色素粒子の全光学特性に前記ピクセルを駆動することをさらに含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記第1の期間は、40〜140ミリ秒であり、前記第2の期間は、460ミリ秒以上であり、ステップ(i)および(ii)は、少なくとも7回繰り返される、項目1に記載の方法。
(項目12)
(iii)ステップ(i)の後であるが、ステップ(ii)の前、第3の期間にわたっていかなる駆動電圧も前記ピクセルに印加しないことと、
(iv)ステップ(ii)の後であるが、前記ステップを繰り返す前、第4の期間にわたっていかなる駆動電圧も前記ピクセルに印加しないことと、
ステップ(i)−(iv)を繰り返すことと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
ステップ(i)−(iv)は、少なくとも3回繰り返される、項目12に記載の方法。
(項目14)
ステップ(i)の前に振動波形を印加することをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記振動波形の後であるが、ステップ(i)に先立って、前記第1の種類の色素粒子の全光学特性に前記ピクセルを駆動することをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目16)
電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、前記電気泳動ディスプレイは、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備え、前記電気泳動流体は、第1の種類の色素粒子と、第2の種類の色素粒子と、第3の種類の色素粒子とを備え、それらの色素粒子の全ては、液体中に分散させられており、
a)前記3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)前記第1の種類の色素粒子と前記第2の種類の色素粒子とは、反対の帯電極性を保有し、
c)前記第3の種類の色素粒子は、前記第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低いゼータ電位を有し、
前記方法は、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、前記第1の駆動電圧は、前記第1の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、前記第1の表面において前記第1の種類の色素粒子の光学特性を前記ピクセルに表示させる、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第2の駆動電圧は、前記第3の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、前記ピクセルを前記第1の表面において前記第3の種類の色素粒子の光学特性に向かって駆動する、ステップと、
(iii)第3の期間にわたって第3の駆動電圧を印加するステップであって、前記第3の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧と同一の極性を有し、前記第3の期間は、前記第1の期間よりも短く、それによって、前記視認表面において前記第1の種類の粒子の光学特性と第3の種類の粒子の光学特性との混合したものを生成する、ステップと
を含む、方法。
(項目17)
前記第3の期間の持続時間は、前記第1の期間の持続時間の約20〜約80パーセントである、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記第3の期間の持続時間は、前記第1の期間の持続時間の約20〜約40パーセントである、項目17に記載の方法。
(項目19)
ステップ(i)に先立って振動波形を印加することをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目20)
前記振動波形に先立って、前記第1の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する駆動電圧を印加することをさらに含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、前記電気泳動ディスプレイは、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備え、前記電気泳動流体は、第1の種類の色素粒子と、第2の種類の色素粒子と、第3の種類の色素粒子とを備え、それらの色素粒子の全ては、液体中に分散させられており、
a)前記3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)前記第1の種類の色素粒子と前記第2の種類の色素粒子とは、反対の帯電極性を保有し、
c)前記第3の種類の色素粒子は、前記第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低いゼータ電位を有し、
前記方法は、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、前記第1の駆動電圧は、前記第2の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、前記第1の表面において前記第2の種類の色素粒子の光学特性を前記ピクセルに表示させる、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第2の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧と同一の極性を有するが、それよりも低い規模を有し、それによって、前記第1の表面において前記第3の種類の色素粒子を駆動し、前記第1の表面において前記第2の種類の粒子の光学特性と第3の種類の粒子の光学特性との混合したものを生成する、ステップと
を含む、方法。
(項目22)
前記第2の期間の持続時間は、前記第1の期間の持続時間の約100〜約150パーセントである、項目21に記載の方法。
(項目23)
ステップ(i)に先立って振動波形を印加することをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記振動波形に先立って、前記第1の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する駆動電圧を印加することをさらに含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、前記電気泳動ディスプレイは、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備え、前記電気泳動流体は、第1の種類の色素粒子と、第2の種類の色素粒子と、第3の種類の色素粒子とを備え、それらの色素粒子の全ては、液体中に分散させられており、
a)前記3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)前記第1の種類の色素粒子と前記第2の種類の色素粒子とは、反対の帯電極性を保有し、
c)前記第3の種類の色素粒子は、前記第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低いゼータ電位を有し、
前記方法は、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、前記第1の駆動電圧は、前記第1の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、前記第1の表面において前記第1の種類の色素粒子の光学特性を前記ピクセルに表示させる、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第2の駆動電圧は、前記第3の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含み、
ステップ(i)および(ii)の持続時間と、それらにおいて印加される前記電圧の規模とは、前記第1の表面において前記第1および第2の種類の粒子のうちの1つの光学特性と前記第3の種類の粒子の光学特性との混合したものを生成するように調節される、方法。
(項目26)
ステップ(i)に先立って振動波形を印加することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記振動波形に先立って、前記第1の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する駆動電圧を印加することをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、前記電気泳動ディスプレイは、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備え、前記電気泳動流体は、第1の種類の色素粒子と、第2の種類の色素粒子と、第3の種類の色素粒子とを備え、それらの色素粒子の全ては、液体中に分散させられており、
a)前記3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)前記第1の種類の色素粒子と前記第2の種類の色素粒子とは、反対の帯電極性を保有し、
c)前記第3の種類の色素粒子は、前記第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低いゼータ電位を有し、
前記方法は、少なくとも約0.7Vの電圧低感度範囲を有し、「電圧低感度範囲」は、達成可能な最大a*値の少なくとも約90%のa*を維持しながら、前記第1の種類の粒子の光学特性から前記第3の種類の粒子の光学特性にピクセルを駆動することにおいて許容可能な駆動電圧における変動を指す、方法。
(項目29)
電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、前記電気泳動ディスプレイは、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備え、前記電気泳動流体は、第1の種類の色素粒子と、第2の種類の色素粒子と、第3の種類の色素粒子とを備え、それらの色素粒子の全ては、液体中に分散させられており、
a)前記3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)前記第1の種類の色素粒子と前記第2の種類の色素粒子とは、反対の帯電極性を保有し、
c)前記第3の種類の色素粒子は、前記第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低いゼータ電位を有し、
前記方法は、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、前記第1の駆動電圧は、前記第1の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、前記第1の表面において前記第1の種類の色素粒子の光学特性を前記ピクセルに表示させる、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第2の駆動電圧は、前記第2の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有し、それによって、前記ピクセルを前記第1の表面において前記第2の種類の色素粒子の光学特性に向かって駆動する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含む、方法。
(項目30)
(iv)ステップ(ii)の後であるが、ステップ(i)および(ii)を繰り返す前、第3の期間にわたっていかなる駆動電圧も前記ピクセルに印加しないことと、
ステップ(i)、(ii)、および(iii)を繰り返すことと
をさらに含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、前記電気泳動ディスプレイは、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備え、前記電気泳動流体は、第1の種類の色素粒子と、第2の種類の色素粒子と、第3の種類の色素粒子とを備え、それらの色素粒子の全ては、液体中に分散させられており、
a)前記3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)前記第1の種類の色素粒子と前記第2の種類の色素粒子とは、反対の帯電極性を保有し、
c)前記第3の種類の色素粒子は、前記第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低いゼータ電位を有し、
前記方法は、
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、前記第1の駆動電圧は、前記第2の種類の色素粒子を前記第1の表面に向かって駆動する極性を有し、前記第1の期間は、前記第1の表面における前記第2の種類の色素粒子の全光学特性に前記ピクセルを駆動するために十分ではない、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第2の駆動電圧は、前記第1の種類の色素粒子を駆動し、前記視認側における前記第1の種類の色素粒子と第2の種類の色素粒子との混合状態に向かって前記ピクセルを駆動する極性を有する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明は、カラーディスプレイデバイスのための駆動方法を対象とする。
【0053】
デバイスは、
図1に示される電気泳動流体を利用する。流体は、液体、典型的には、誘電溶媒または溶媒混合物中に分散させられた3種類の色素粒子を備えている。例証を容易にするために、3種類の色素粒子は、白色粒子(11)、黒色粒子(12)、および着色粒子(13)と称され得る。着色粒子は、非白色かつ非黒色である。
【0054】
しかしながら、本発明の範囲は、3種類の色素粒子が視覚的に区別可能な光学特性を有する限り、任意の色の色素粒子を広く包含することを理解されたい。したがって、3種類の色素粒子は、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子とも称され得る。
【0055】
白色粒子(11)は、TiO
2、ZrO
2、ZnO、Al
2O
3、Sb
2O
3、BaSO
4、PbSO
4等の無機色素から形成され得る。
【0056】
黒色粒子(12)は、Cl色素黒色26または28等(例えば、マンガンフェライトブラックスピネルまたは銅クロマイトブラックスピネル)、またはカーボンブラックであり得る。
【0057】
第3の種類の粒子は、赤、緑、青、マゼンタ、シアン、または黄色等の色であり得る。この種類の粒子の色素は、限定されないが、CI色素PR254、PR122、PR149、PG36、PG58、PG7、PB15:3、PY138、PY150、PY155、またはPY20を含み得る。これらは、カラーインデックスハンドブック「New Pigment Application Technology」(CMC Publishing Co,Ltd,1986)および「Printing Ink Technology」(CMC Publishing Co,Ltd,1984)に説明される一般的に使用されている有機色素である。具体的例は、Clariant Hostaperm Red D3G 70−EDS、Hostaperm Pink E−EDS、PV fast red D3G、Hostaperm red D3G 70、Hostaperm Blue B2G−EDS、Hostaperm Yellow H4G−EDS、Hostaperm Green GNX、BASF Irgazine red L 3630、Cinquasia Red L 4100 HD、およびIrgazine Red L 3660 HD、Sun Chemicalフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアリライドイエロー、またはジアリライドAAOTイエローを含む。
【0058】
色に加えて、第1、第2、および第3の種類の粒子は、光透過、反射率、発光、または機械読み取りのために意図されたディスプレイの場合、可視範囲外の電磁波長の反射率の変化という意味の疑似カラー等の他の異なる光学特性を有し得る。
【0059】
3種類の色素粒子が分散させられた液体は、透明かつ無色であり得る。それは、好ましくは、高い粒子移動度のために、低い粘度と、約2〜約30、好ましくは、約2〜約15の範囲の誘電率とを有する。好適な誘電溶媒の例は、アイソパー、デカヒドロナフタレン(DECALIN)、5−エチリデン−2−ノルボルネン、脂肪油、パラフィン油、シリコン流体等の炭化水素、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ドデシルベンゼン、またはアルキルナフタレン等の芳香族炭化水素、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロトルエン、ペルフルオロキシレン、ジクロロベンゾトリフルオリド、3,4,5−トリクロロベンゾトリフルオリド、クロロペンタフルオロベンゼン、ジクロロノナン、またはペンタクロロベンゼン等のハロゲン化溶媒、および3M Company(St.Paul MN)からのFC−43、FC−70、またはFC−5060等のペルフルオロ化溶媒、TCI America(Portland,Oregon)からのポリ(ペルフルオロプロピレンオキシド)等の低分子量ハロゲン含有ポリマー、Halocarbon Product Corp.(River Edge,NJ)からのHalocarbon Oils等のポリ(クロロトリフルオロエチレン)、AusimontからのGalden等のペルフルオロポリアルキルエーテル、またはDuPont(Delaware)からのKrytox OilsおよびGreases K−Fluid Series、Dow−corningからのポリジメチルシロキサンベースのシリコーン油(DC−200)を含む。
【0060】
本発明のディスプレイ流体を利用するディスプレイ層は、2つの表面、すなわち、視認側の第1の表面(16)と、第1の表面(16)からディスプレイ流体の層の反対側の第2の表面(17)とを有する。第2の表面は、したがって、非視認側にある。用語「視認側」は、画像が視認される側を指す。
【0061】
ディスプレイ流体は、2つの表面の間に挟まれている。第1の表面(16)側に、ディスプレイ層の最上部全体にわたって広がる透明電極層(例えば、ITO)である共通電極(14)がある。第2の表面(17)側に、複数のピクセル電極(15a)を備えている電極層(15)がある。しかしながら、電気泳動ディスプレイの当業者に容易に明白であろうように、種々の粒子(11、12、13)は、ディスプレイ流体の層内に印加される電場のみに反応するので、他の電極配列も、使用され得る。例えば、共通電極は、一連のストリップ電極によって、またはピクセル電極15aに類似する電極の行列によって、置換され得る。
【0062】
ディスプレイ流体は、ディスプレイセルの中に充填される。ディスプレイセルは、ピクセル電極と整列させられることも、整列させられないこともある。用語「ディスプレイセル」は、電気泳動流体で充填されたマイクロコンテナを指す。「ディスプレイセル」の例は、米国特許第6,930,818号に説明されるようなカップ様マイクロセル、および米国特許第5,930,026号に説明されるようなマイクロカプセルを含み得る。マイクロコンテナは、任意の形状またはサイズであり得、それらの全ては、本願の範囲である。
【0063】
ピクセル電極に対応するエリアは、ピクセル(またはサブピクセル)と称され得る。ピクセル電極に対応するエリアの駆動は、共通電極とピクセル電極との間に電圧電位差(または駆動電圧もしくは電場として公知である)を印加することによって達成される。
【0064】
ピクセル電極は、米国特許第7,046,228号(その内容がその全体で参照することにより本明細書に組み込まれる)に説明されている。薄膜トランジスタ(TFT)バックプレーンを用いたアクティブマトリクス駆動が、ピクセル電極の層のために記述されるが、電極が所望の機能を果たす限り、本発明の範囲は、他の種類の電極アドレッシングを包含することに留意されたい。
【0065】
2つの垂直点線の間の空間は、ピクセル(またはサブピクセル)を表す。簡潔にするために、「ピクセル」が駆動方法において参照されるとき、この用語は、「サブピクセル」も包含する。
【0066】
3種類の色素粒子のうちの2つは、反対の帯電極性を保有し、第3の種類の色素粒子は、わずかに帯電させられている。用語「わずかに帯電させられている」または「より低い電荷強度」は、より強く帯電させられた粒子の電荷強度の約50%未満、好ましくは、約5%〜約30%である粒子の電荷レベルを指すことを意図している。一実施形態では、電荷強度は、ゼータ電位に関して測定され得る。一実施形態では、ゼータ電位は、CSPU−100信号処理ユニットを伴うColloidal Dynamics AcoustoSizer IIM、ESA EN# Attn フロースルーセル(K:127)によって決定される。サンプルで使用される溶媒の密度、溶媒の誘電率、溶媒中の音速、溶媒の粘度等の計器定数は、全て試験温度(25℃)で試験前に入力される。色素サンプルは、(通常、12個未満の炭素原子を有する炭化水素流体である)溶媒中に分散させられ、5〜10重量%に希釈される。サンプルは、電荷制御剤対粒子の1:10の重量比を伴う電荷制御剤(Berkshire Hathawayの子会社であるLubrizol Corporationから入手可能であるSolsperse 17000(R)、「Solsperse」は登録商標である)も含む。希釈サンプルの質量が、決定され、サンプルが、次いで、ゼータ電位の決定のためにフロースルーセルの中へ装填される。
【0067】
例えば、黒色粒子が正に帯電させられ、白色粒子が負に帯電させられている場合、着色色素粒子は、わずかに帯電させられ得る。換言すると、この例では、黒色および白色粒子によって保有される電荷は、着色粒子によって保有される電荷よりはるかに強力である。
【0068】
加えて、わずかな電荷を保有する着色粒子は、他の2種類のより強く帯電させられた粒子のうちのいずれか1つによって保有される帯電極性と同一である帯電極性を有する。以降では、着色粒子(13)が第2の(黒色)粒子(12)と同一の極性の電荷を保有すると仮定されるであろう。
【0069】
3種類の色素粒子の間で、わずかに帯電させられている1種類の粒子は、好ましくは、より大きいサイズを有することに留意されたい。
【0070】
加えて、本願との関連で、高い駆動電圧(V
H1またはV
H2)は、1つの極限カラー状態から別の極限カラー状態にピクセルを駆動するために十分である駆動電圧として定義される。第1および第2の種類の色素粒子が、より高く帯電させられた粒子である場合、高い駆動電圧(V
H1またはV
H2)は、第1の種類の色素粒子のカラー状態から第2の種類の色素粒子のカラー状態に(または逆も同様)ピクセルを駆動するために十分である駆動電圧を指す。例えば、高い駆動電圧V
H1は、第1の種類の色素粒子のカラー状態から第2の種類の色素粒子のカラー状態にピクセルを駆動するために十分である駆動電圧を指し、V
H2は、第2の種類の色素粒子のカラー状態から第1の種類の色素粒子のカラー状態にピクセルを駆動するために十分である駆動電圧を指す。説明されるようなこのシナリオでは、低い駆動電圧(V
L)は、第1の種類の色素粒子のカラー状態から(あまり帯電させられておらず、サイズがより大きくあり得る)第3の種類の色素粒子のカラー状態にピクセルを駆動するために十分であり得る駆動電圧として定義される。例えば、低い駆動電圧は、(黒色および白色粒子は、視認側で見られないが)着色粒子のカラー状態に駆動するために十分であり得る。
【0071】
一般に、V
Lは、V
H(例えば、V
H1またはV
H2)の振幅の50%未満、好ましくは、40%未満である。
【0072】
以下は、異なるカラー状態が上で説明されるような電気泳動流体によって表示され得る方法の駆動方式を図示する、例である。
【0073】
(実施例1)
この例は、
図2A−2Cで実証される。白色色素粒子(21)が、負に帯電させられている一方で、黒色色素粒子(22)は、正に帯電させられ、両方の種類の色素粒子は、着色粒子(23)より小さい。
【0074】
着色粒子(23)は、黒色粒子と同一の帯電極性を保有するが、わずかに帯電させられている。結果として、黒色粒子は、ある駆動電圧のもとで着色粒子(23)より速く移動する。
【0075】
図2Aでは、印加された駆動電圧は、+15V(すなわち、V
H1、すなわち、ピクセル電極は、共通電極に対して+15Vである)。この場合、負の白色粒子(21)は、比較的正のピクセル電極(25)の近傍またはそこにあるように移動し、正の黒色粒子(22)および正の着色粒子(23)は、比較的負の共通電極(24)の近傍またはそこにあるように移動する。結果として、黒色が視認側で見られる。着色粒子(23)は、視認側における共通電極(24)に向かって移動するが、しかしながら、それらのより低い電荷強度およびより大きいサイズにより、黒色粒子より遅く移動する。
【0076】
図2Bでは、−15V(すなわち、V
H2)の駆動電圧が印加されると、負の白色粒子(21)は、視認側における比較的正の共通電極(24)の近傍またはそこにあるように移動し、正の黒色粒子および正の着色粒子は、比較的負のピクセル電極(25)の近傍またはそこにあるように移動する。結果として、白色が視認側で見られる。
【0077】
V
H1およびV
H2は、反対極性を有し、かつ同一の振幅または異なる振幅を有することに留意されたい。
図2に示される例では、V
H1は、正(黒色粒子と同一の極性)であり、V
H2は、負(白色粒子と同一の極性)である。
【0078】
図2Bの白色状態から
図2Cの着色状態への駆動は、以下のように要約され得る。
【0079】
視聴側の第1の表面と、非視聴側の第2の表面と、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれた電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、電気泳動ディスプレイは、第1の種類の色素粒子(すなわち、白色)、第2の種類の色素粒子(すなわち、黒色)、および第3の種類の色素粒子(すなわち、着色)を備え、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
その方法は、非視認側に第1および第2の種類の色素粒子を残しながら、第3の種類の色素粒子を視認側に駆動するために十分である低い駆動電圧を印加することによって、第1の種類の色素粒子のカラー状態から第3の種類の色素粒子のカラー状態に向かって電気泳動ディスプレイ内のピクセルを駆動することを含み、印加される低い駆動電圧の極性は、第3の種類の色素粒子の極性と同一である。
【0080】
第3の種類の色素粒子のカラー状態、すなわち、赤色(
図2C参照)にピクセルを駆動するために、方法は、第1の種類の色素粒子のカラー状態、すなわち、白色(
図2B参照)から開始する。
【0081】
第3の種類の粒子の色が視認側で見られているとき、他の2種類の粒子は、非視認側(視認側の反対側の側面)で混合させられ、第1の種類の粒子の色と第2の種類の粒子の色との間の中間色状態をもたらし得る。第1および第2の種類の粒子が黒および白であり、第3の種類の粒子が赤である場合、
図2Cで、赤色が視認側で見られるとき、灰色が、非視認側にある。
【0082】
駆動方法は、
図2Cのシナリオにおいて、理想的には、色の明度(すなわち、黒色粒子が見られることを防止する)および色の純度(すなわち、白色粒子が見られることを防止する)の両方を確保するであろう。しかしながら、実践では、この所望の結果は、粒径分布および粒子電荷分布を含む種々の理由により、達成することが困難である。
【0083】
これに対する1つの解決策は、第1の種類の色素粒子のカラー状態(すなわち、白色)から第3の種類の色素粒子のカラー状態(すなわち、赤色)に駆動することに先立つ振動波形の使用である。振動波形は、多くのサイクルにわたって一対の反対駆動パルスを繰り返すことから成る。例えば、振動波形は、20ミリ秒間の+15Vパルス、および20ミリ秒間の−15Vパルスから成り得、そのような一対のパルスは、50回繰り返される。そのような振動波形の合計時間は、2,000ミリ秒であろう。表記「msec」は、ミリ秒を表す。
【0084】
振動波形は、駆動電圧が印加されることに先立って、光学的状態(黒、白、または赤色)にかかわらず、ピクセルに印加され得る。振動波形が印加された後、光学的状態は、純白色、純黒色、または純赤色にならないであろう。代わりに、カラー状態は、3種類の色素粒子の混合物からのものであろう。
【0085】
上で説明される方法に対して、ピクセルが第1の種類の色素粒子のカラー状態(すなわち、白色)に駆動されることに先立って、振動波形が印加される。この追加された振動波形があると、たとえ白色状態が、振動波形がない場合と測定可能に同一であっても、第3の種類の色素粒子のカラー状態(すなわち、赤色)は、色の明度および色の純度の両方で振動波形がない場合より有意に良好であろう。これは、赤色粒子からの白色粒子のより良好な分離と、赤色粒子からの黒色粒子のより良好な分離との指示である。
【0086】
振動波形内の駆動パルスの各々は、完全黒色状態から完全白色状態に(または逆も同様)駆動するために要求される駆動時間の半分を超えない間、印加される。例えば、完全黒色状態から完全白色状態に(または逆も同様)ピクセルを駆動するために300ミリ秒かかる場合、振動波形は、各々が150ミリ秒以下にわたって印加される正および負パルスから成り得る。実践では、振動波形パルスは、より短いことが好ましい。
【0087】
本願の全体を通した図面の全てにおいて、振動波形が切り詰められている(すなわち、パルスの数が実際の数より少ない)ことに留意されたい。
【0088】
図2Cの着色(赤色)状態にディスプレイを駆動するために使用される波形は、
図3に示される。この波形では、高い負駆動電圧(V
H2、例えば、−15V)が、振動波形後、白色状態に向かってピクセルを駆動するために、t2の期間にわたって印加される。白色状態から、ピクセルは、t3の期間にわたって低い正電圧(V
L、例えば、+5V)を印加すること(すなわち、
図2Bから
図2Cにピクセルを駆動すること)によって、着色状態(すなわち、赤色)に向かって駆動され得る。
【0089】
駆動期間「t2」は、V
H2が印加されたときに白色状態にピクセルを駆動するために十分な期間であり、駆動期間「t3」は、V
Lが印加されたときに白色状態から赤色状態にピクセルを駆動するために十分な期間である。駆動電圧は、好ましくは、DC平衡を確保するために、振動波形の前にt1の期間にわたって印加される。用語「DC平衡」は、本願の全体を通して、ある期間(例えば、波形全体の期間)にわたって積分された場合、ピクセルに印加される駆動電圧が実質的にゼロであることを意味することを意図している。
【0090】
(第1の駆動方法:)
本発明の第1の駆動方法において有用な波形が、
図4に図示され、この波形は、
図3のt3の駆動期間に取って代わるために使用され得る。
【0091】
最初のステップでは、高い負駆動電圧(V
H2、例えば、−15V)が印加され、その後、赤色状態に向かってピクセルを駆動するために正駆動電圧(+V’)が続く。+V’の振幅は、V
H(例えば、V
H1またはV
H2)の振幅の50%未満である。
【0092】
この駆動波形では、高い負駆動電圧(V
H2)が、視認側に向かって白色粒子を押し進めるためにt4の期間にわたって印加され、次いで、その後、+V’の正駆動電圧をt5の期間にわたって印加し、それは、白色粒子を引き下ろし、視認側に向かって赤色粒子を押し進める。
【0093】
一実施形態では、t4は、20〜400ミリ秒の範囲であり得、t5は、≧200ミリ秒であり得る。
【0094】
図4の波形は、少なくとも4サイクル(N≧4)、好ましくは、少なくとも8サイクルにわたって繰り返される。赤色は、各駆動サイクル後、より強くなる。
【0095】
図4の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0096】
視聴側の第1の表面と、非視聴側の第2の表面と、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれた電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、電気泳動ディスプレイは、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
その方法は、以下のステップ:
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、その第1の駆動電圧は、視認側における第1の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第1の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、その第2の駆動電圧は、視認側における第3の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第3の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含む。
【0097】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。
【0098】
一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の駆動電圧の振幅の50%未満である。
【0099】
記述されるように、
図4に示されるような駆動波形は、
図3のt3の駆動期間に取って代わるために使用され得、
図5は、この置換後の複合波形を図示する。換言すると、駆動シーケンスは:波形を振動させること、続いて、t2の期間にわたって白色状態に向かって駆動すること、次いで、
図4の波形を印加すること。
【0100】
別の実施形態では、t2の期間にわたって白色状態に駆動するステップは、排除され得、この場合、振動波形が、
図4の波形を印加する直前に印加される(
図6参照)。
【0101】
一実施形態では、
図5または
図6の駆動シーケンスは、DC平衡状態である。
【0102】
(第2の駆動方法:)
本発明の第2の駆動方法において有用な波形が、
図7に図示される。この波形は、
図4の駆動波形の代替案であり、この波形も、
図3のt3の駆動期間に取って代わるために使用され得る。
【0103】
この代替的波形では、期間t5における赤色に進むパルスの後、かつ、期間t4における白色に進むパルスおよび期間t5における赤色に進むパルスが繰り返される前、待ち時間「t6」が追加されている。待ち時間中、いかなる駆動電圧も印加されない。
図7の波形全体も、複数のサイクル(例えば、N≧4)にわたって繰り返される。
【0104】
図7の波形は、特に、誘電層の抵抗が、(例えば、低温で)高いとき、電気泳動ディスプレイデバイス内の誘電層に蓄えられた電荷不均衡を解放するために設計されている。
【0105】
本願との関連で、用語「低温」は、約10℃を下回る温度を指す。
【0106】
待ち時間は、おそらく、誘電層に蓄えられた不要な電荷を放散し、白色状態に向かってピクセルを駆動するための短いパルス(「t4」)、および赤色状態に向かってピクセルを駆動するためのより長いパルス(「t5」)がより効率的であるようにすることができる。結果として、この代替的駆動方法は、高帯電色素粒子からの低帯電色素粒子のより良好な分離をもたらすであろう。待ち時間(「t6」)は、誘電層の抵抗に応じて、5〜5,000ミリ秒の範囲であることができる。
【0107】
図7のこの駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0108】
視聴側の第1の表面と、非視聴側の第2の表面と、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれた電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、電気泳動ディスプレイは、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
その方法は、以下のステップ:
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、その第1の駆動電圧は、視認側における第1の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第1の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、その第2の駆動電圧は、視認側における第3の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第3の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(iii)第3の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップと、
ステップ(i)、(ii)、および(iii)を繰り返すステップと
を含む。
【0109】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。
【0110】
一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の駆動電圧の振幅の50%未満である。
【0111】
記述されるように、
図7に示されるような駆動波形も、
図3のt3の駆動期間に取って代わるために使用され得る(
図8参照)。換言すると、駆動シーケンスは:波形を振動させること、続いて、t2の期間にわたって白色状態に向かって駆動すること、次いで、
図7の波形を印加すること。
【0112】
別の実施形態では、t2の期間にわたって白色状態に駆動するステップは、排除され得、この場合、振動波形が、
図7の波形を印加する前に印加される(
図9参照)。
【0113】
別の実施形態では、
図8または
図9の駆動シーケンスは、DC平衡状態である。
【0114】
本願で参照される駆動期間のうちのいずれかの長さは、温度依存性であり得ることに留意されたい。
【0115】
(第3の駆動方法:)
図10Aは、
図3の波形に基づく、印加された駆動電圧(V’)と光学的性能との関係を実証する。示されるように、印加される正駆動電圧V’は、上で説明されるカラーディスプレイデバイスの赤色状態性能に影響を及ぼし得る。ディスプレイデバイスの赤色状態性能は、L
*a
*b
*表色系を利用して、a
*値として表される。
【0116】
図10Aの最大a*は、約3.8Vである
図3の印加された駆動電圧V’において出現する。しかしながら、±0.5Vの変更が印加された駆動電圧に行われる場合、結果として生じるa
*値は、最大a
*のおよそ90%である約37となり、したがって、依然として許容できるであろう。この許容差は、例えば、ディスプレイデバイスの電子構成要素における変動、経時的なバッテリ電圧の降下、TFTバックプレーンのバッチ変動、ディスプレイデバイスのバッチ変動、または温度および湿度変動によって引き起こされる駆動電圧の変化に適応するために有益であり得る。
【0117】
図10Aで与えられるデータに基づいて、最大a
*値の90%超を伴う赤色状態に駆動し得る駆動電圧V’の範囲を見出すための研究が行われた。換言すると、その範囲の駆動電圧のうちの任意のものが印加されるとき、光学的性能は、有意に影響を受けない。したがって、範囲は、「電圧低感度」範囲と称され得る。「電圧低感度」範囲が広くなるほど、駆動方法は、バッチ変動および環境変化に対して寛容である。
【0118】
図4では、本研究のために考慮される必要がある3つのパラメータ、すなわち、t4、t5、およびNがある。電圧低感度範囲に及ぼす3つのパラメータの効果は、双方向性かつ非線形である。
【0119】
図10Aのモデルに従って、
図4の波形の最も広い電圧低感度範囲を達成するための3つのパラメータの最適な値の組を見出すことができる。結果は、
図10Bで要約される。
【0120】
t4が40〜140ミリ秒であり、t5が460ミリ秒以上であり、Nが7以上であるとき、
図10Bに基づく電圧低感度範囲(すなわち、3.7V〜6.5V)は、
図10Aに基づく電圧低感度範囲(すなわち、3.3V〜4.7V)の幅の2倍である。
【0121】
上で議論される最適化されたパラメータは、本発明の駆動方法のうちの任意のものにも適用可能である。
【0122】
したがって、第3の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0123】
視聴側の第1の表面と、非視聴側の第2の表面と、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれた電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、電気泳動ディスプレイは、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
方法は、少なくとも0.7Vの電圧低感度範囲を有する。
【0124】
そのような方法では、そのような範囲の駆動電圧が印加されるとき、達成されるカラー状態の光学的品質は、最大許容「a
*」値の少なくとも90%である。
【0125】
図10Aおよび10Bに示されるデータが周囲温度で収集されていることにも留意されたい。
【0126】
(第4の駆動方法:)
本発明の第4の駆動方法において有用な波形が、
図11に図示される。この駆動波形は、
図3のt3の駆動期間に取って代わるために使用され得る。
【0127】
最初のステップでは、高い負駆動電圧(V
H2、例えば、−15V)が、t7の期間にわたってピクセルに印加される(
図4の期間t4における対応するパルスを参照)。このパルスの後、その間にいかなる電圧も印加されないt8の待ち時間が続く。待ち時間後、正駆動電圧(V’、例えば、V
H1またはV
H2の50%未満)が、t9の期間にわたってピクセルに印加される(
図4の期間t5における対応するパルスを参照)。t9におけるパルスの後であるが、波形の種々のステップが繰り返される前、その間にいかなる電圧も印加されないt10の第2の待ち時間がある。
図11の波形は、N回繰り返される。上で説明されるような用語「待ち時間」は、いかなる駆動電圧も印加されない期間を指す。
【0128】
この駆動方法は、低温で特に効果的であるだけでなく、ディスプレイデバイスの製造中に引き起こされる構造的変動のより良好な許容差をディスプレイデバイスに提供することもできる。したがって、その有用性は、低温駆動に限定されない。
【0129】
図11の波形では、第1の待ち時間t8が、非常に短い一方で、第2の待ち時間t10は、より長い。t7の期間も、t9の期間より短い。例えば、t7は、20〜200ミリ秒の範囲であり得、t8は、100ミリ秒未満であり得、t9は、100〜200ミリ秒の範囲であり得、t10は、1,000ミリ秒未満であり得る。
【0130】
図12は、
図3の期間t3の代わりに
図11の波形を挿入することによって生成される波形を示す。
図3では、白色状態が、期間t2中に表示される。一般的な法則として、この期間における白色状態が良好であるほど、波形の終了時に表示されるであろう赤色状態が良好になる。
【0131】
振動波形では、正/負パルスペアは、好ましくは、50〜1,500回繰り返され、各パルスは、好ましくは、10ミリ秒にわたって印加される。
【0132】
一実施形態では、t2の期間にわたって白色状態に駆動するステップは、排除され得、この場合、振動波形が、
図11の波形を印加する前に印加される(
図13参照)。
【0133】
図11の第4の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0134】
視聴側の第1の表面と、非視聴側の第2の表面と、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれた電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、電気泳動ディスプレイは、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
方法は、以下のステップ:
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、第1の駆動電圧は、視認側における第1の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第1の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(ii)第2の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップと、
(iii)第3の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、視認側における第3の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第3の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(iv)第4の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップと、
ステップ(i)−(iv)を繰り返すステップと
を含む。
【0135】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。
【0136】
一実施形態では、ステップ(i)−(iv)は、少なくとも3回繰り返される。
【0137】
一実施形態では、第2の駆動電圧は、第1の種類の色素粒子のカラー状態から第2の種類の色素粒子のカラー状態に(または逆も同様)ピクセルを駆動するために十分な駆動電圧の50%未満である。
【0138】
別の実施形態では、
図12または
図13の駆動シーケンスは、DC平衡状態である。
【0139】
(第5の駆動方法:)
図2(a)に示されるように、黒色粒子および赤色粒子が同一の帯電極性を有するので、それらは、同一の方向に移動する傾向がある。たとえ黒色粒子が、それらのより高い電荷、および、おそらくそれらのより小さいサイズにも起因して、ある駆動電圧のもとで赤色粒子よりも速く移動したとしても、赤色粒子のうちのいずれかは、依然として、黒色粒子と伴に視認側に駆動され、黒色状態の品質を劣化させ得る。
【0140】
図14は、黒色状態に向かってピクセルを駆動するための典型的波形を描写する。振動波形(上で解説される)が、色の明度および純度を確保するために含まれる。示されるように、高い正駆動電圧(V
H1、例えば、+15V)が、振動波形後に黒色状態に向かってピクセルを駆動するために、t12の期間にわたって印加される。駆動電圧が、DC平衡を確保するために、振動波形の前にt11の期間にわたって印加される。
【0141】
図15は、黒色状態に向かってピクセルを駆動するために、
図14の波形の終了時に追加され得る波形を図示する。複合波形は、赤色粒子からの黒色粒子のより良好な分利をさらに提供し、より少ない赤の着色を伴って、黒色状態をより飽和した状態にすることができる。
【0142】
図15では、V
H2(負)の短いパルス「t13」が印加され、その後、V
H1(正)のより長いパルス「t14」とt15の待ち時間(0V)とが続く。そのようなシーケンスは、少なくとも1回、好ましくは、少なくとも3回(すなわち、Nは≧3である)、より好ましくは、少なくとも5〜7回、印加される。
【0143】
パルス「t14」は、通常、パルス「t13」の長さの少なくとも2倍である。
【0144】
V
H2の短いパルス「t13」は、ピクセル電極に向かって黒色および赤色粒子を押し進め、V
H1のより長いパルス「t14」は、共通電極側(すなわち、視認側)にそれらを押し進めるであろう。2種類の色素粒子の速度が同一の駆動電圧のもとで同一ではないので、この非対称駆動シーケンスは、赤色粒子よりも黒色粒子の利益になるであろう。結果として、黒色粒子は、赤色粒子からより良好に分離されることができる。
【0145】
待ち時間「t15」は、ディスプレイデバイス内の誘電層に応じて、随意である。より低い温度において、誘電層の抵抗が、より顕著であり、この場合、待ち時間が、誘電層に閉じ込められた電荷を放出するために必要とされ得ることが一般的である。
【0146】
図15の第5の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0147】
視聴側の第1の表面と、非視聴側の第2の表面と、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれた電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、電気泳動ディスプレイは、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
方法は、以下のステップ:
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、第1の駆動電圧は、視認側における第1の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第1の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、視認側における第2の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第2の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(iii)随意に、第3の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップと、
ステップ(i)、(ii)、および、存在する場合、(iii)を繰り返すステップと
を含む。
【0148】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。
【0149】
図16は、
図14の波形と
図15の波形とを組み合わせた複合波形を示す。しかしながら、粒子速度およびシーケンスのサイクル数(N)に応じて、「t12」が短縮され得ることにも留意されたい。換言すると、「t12」の終了時、ピクセルは、完全黒色状態である必要はない。代わりに、
図15の波形は、シーケンス内の数(N)が終了時に黒色状態にピクセルを駆動するために十分であることを所与として、灰色を含む、黒色から白色までの任意の状態から開始し得る。
【0150】
図14−16に説明されるような方法は、低温において黒色状態にピクセルを駆動するためにも利用され得る。この場合、期間t14は、t13よりも長くあるべきであり、待ち時間t15は、少なくとも50ミリ秒であるべきである。
【0151】
一実施形態では、
図16の駆動シーケンスは、DC平衡状態である。
【0152】
(第6の駆動方法:)
図17は、白色状態にピクセルを駆動するための典型的波形を描写する。振動波形(上で解説される)が、色の明度および純度を確保するために含まれる。V
H2の駆動電圧が、振動波形後にt17の期間にわたって印加される。V
H1の駆動電圧が、DC平衡を確保するために、振動波形の前にt16の期間にわたって印加される。
【0153】
図18Aおよび18Bは、
図17の波形におけるパルスt17に取って代わるために使用され得る波形を示す。
【0154】
この駆動方法は、低温駆動のために特に好適であるが、それは、低温駆動に限定されない。
【0155】
図18Aでは、V
H1(正)の短いパルス「t18」が印加され、その後、V
H2(負)のより長いパルス「t19」およびt20の待ち時間(0V)が続く。
図18Bに示されるように、t19中に印加される負の駆動電圧(V”)の振幅は、V
H2の振幅よりも高くあり得る(例えば、−15Vの代わりに−30V)。
【0156】
そのようなシーケンスは、少なくとも1回、好ましくは、3回(すなわち、Nは、
図18Aおよび18Bでは、≧3)、より好ましくは、少なくとも5〜7回、印加される。
【0157】
t19は、t18よりも長くあるべきである。例えば、t18は、20〜200ミリ秒の範囲であり得、t19は、1,000ミリ秒未満であり得る。待ち時間t20は、少なくとも50ミリ秒であるべきである。
【0158】
図18Aおよび18Bに示されるような第6の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0159】
視聴側の第1の表面と、非視聴側の第2の表面と、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれた電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、電気泳動ディスプレイは、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
方法は、以下のステップ:
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、第1の駆動電圧は、視認側における第2の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第2の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、視認側における第1の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第1の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(iii)第3の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含む。
【0160】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。
【0161】
図18Aに示されるような一実施形態では、第2の電圧は、第1の種類の色素粒子のカラー状態から第2の種類の色素粒子のカラー状態に向かって(または逆も同様)ピクセルを駆動するために要求される駆動電圧である。
【0162】
図18Bに示されるような別の実施形態では、第2の電圧は、第1の種類の色素粒子のカラー状態から第2の種類の色素粒子のカラー状態に向かって(または逆も同様)ピクセルを駆動するために要求される駆動電圧の振幅よりも高い振幅を有する。
【0163】
図19Aおよび19Bは、それぞれ、
図18Aまたは18Bの波形と
図17の波形を組み合わせた複合波形を示す。
【0164】
振動波形では、正/負パルスペアは、好ましくは、50〜1,500回繰り返され、各パルスは、好ましくは、10ミリ秒にわたって印加される。
【0165】
一実施形態では、
図19Aまたは
図19Bの駆動シーケンスは、DC平衡状態である。
【0166】
(第7の駆動方法:)
本発明の第7の駆動方法は、中間色状態(例えば、灰色)に向かってピクセルを駆動する。
【0167】
図20Aおよび20Bは、関与する粒子移動を図示する。示されるように、黒色状態(
図20A参照)時のピクセルは、低い負駆動電圧(V
L、例えば、−5V)が印加されるときに灰色状態に向かって駆動される。このプロセスでは、低い駆動電圧は、ピクセル電極に向かって赤色粒子を押し進め、黒色および白色粒子の混合したものが、視認側で見られる。
【0168】
この駆動方法に使用される波形は、
図21に示される。高い正駆動電圧(V
H1、例えば、+15V)が、振動波形後に黒色状態に向かってピクセルを駆動するために、t22の期間にわたって印加される。黒色状態から、ピクセルは、t23の期間にわたって低い負駆動電圧(V
L、例えば、−5V)を印加することによって、灰色状態に向かって駆動される、すなわち、
図20Aから
図20Bに駆動され得る。
【0169】
駆動期間t22は、V
H1が印加されたときに黒色状態にピクセルを駆動するために十分な期間であり、t23は、V
Lが印加されたときに黒色状態から灰色状態にピクセルを駆動するために十分な期間である。振動波形に先立って、V
H1のパルスが、好ましくは、DC平衡を確保するために、t21の期間にわたって印加される。
【0170】
図22は、
図21のパルスt23に取って代わるために使用され得る、駆動波形を図示する。最初のステップでは、高い正駆動電圧(V
H1、例えば、+15V)が、視認側に向かって黒色粒子を押し進めるために、t24の短い期間にわたって印加されるが、t24は、完全黒色状態にピクセルを駆動するために十分ではなく、続いて、t25の期間にわたって低い負駆動電圧(V
L、例えば、−5V)を印加し、灰色状態に向かってピクセルを駆動する。V
Lの振幅は、V
H(例えば、V
H1またはV
H2)の50%未満である。
【0171】
図22の波形は、少なくとも4サイクル(N≦4)、好ましくは、少なくとも8サイクルにわたって繰り返される。
【0172】
期間t24は、約100ミリ秒未満であり、t25は、通常、100ミリ秒を上回り、両方とも周囲温度にある。
【0173】
図22に示されるような第7の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0174】
視聴側の第1の表面と、非視聴側の第2の表面と、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれた電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、電気泳動ディスプレイは、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
方法は、以下のステップ:
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、その第1の駆動電圧は、第2の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第2の種類の色素粒子と同一の極性を有し、第1の期間は、視認側における第2の種類の色素粒子のフルカラー状態にピクセルを駆動するために十分ではない、ステップと、
(ii)第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、その第2の駆動電圧は、視認側における第1の種類の色素粒子と第2の種類の色素粒子との混合状態に向かってピクセルを駆動するために、第1の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含む、方法。
【0175】
上で記述されるように、第2の駆動電圧は、方法では、第1の駆動電圧の約50%である。
【0176】
図23は、
図21の波形と
図22の波形とを組み合わせた複合波形を示し、
図21の駆動期間t23は、
図22の波形と置換されている。複合波形は、4つの位相から成る。第1の位相は、DC平衡位相(t21)であり、第2の位相は、振動ステップであり、第3の位相は、黒色状態にピクセルを駆動すること(t22)である。第3の位相で使用される波形は、良好な黒色状態にピクセルを駆動する、任意の波形であることができる。第4の位相は、短い期間t24にわたる高い正駆動電圧と、その後のより長い期間t25にわたる低い負駆動電圧とから成る。記述されるような第4の位相は、数回繰り返される。
【0177】
図23では、t22が随意であり得ることに留意されたい。
【0178】
低い負電圧(V
L)を変化させることによって、より明るくまたはより暗くなるように灰色状態を変調させることが可能である。換言すると、波形シーケンスおよび形状は、同一のままであり得るが;V
Lの振幅は、変動し(例えば、−4V、−5V、−6V、または−7V)、異なる灰色レベルが表示されるようにする。この特徴は、駆動回路内のルックアップテーブルのための要求される空間を潜在的に縮小し、その結果として、費用を低減させ得る。図示されるような駆動方法は、第3の種類の色素粒子からの色干渉を殆ど伴わずに、(第1の種類の色素粒子と第2の種類の色素粒子との)高品質の中間状態を生成することができる。
【0179】
一実施形態では、
図23の駆動シーケンスは、DC平衡状態である。
【0180】
(第8の駆動方法:)
図24は、本発明の第8の駆動方法で使用される波形を図示する。この波形は、白色状態(すなわち、第1の種類の色素粒子のカラー状態)ではないピクセルに印加されることを意図している。
【0181】
最初のステップでは、高い負駆動電圧(V
H2、例えば、−15V)が、t26の期間にわたって印加され、その後、t27の待ち時間が続く。待ち時間後、正駆動電圧(V’、例えば、V
H1またはV
H2の50%未満)が、t28の期間にわたって印加され、その後、t29の第2の待ち時間が続く。
図24の波形は、N回繰り返される。上で説明されるような用語「待ち時間」は、いかなる駆動電圧も印加されない期間を指す。
【0182】
この駆動方法は、低温において特に効果的であり、それは、赤色状態までの全体的な駆動時間を短縮し得る。
【0183】
期間t26が、かなり短く、通常、完全黒色状態から完全白色状態に駆動するために要求される時間の約50%の範囲であり、したがって、完全白色状態にピクセルを駆動するために十分ではないことに留意されたい。期間t27は、100ミリ秒未満であり得、期間t28は、100〜200ミリ秒の範囲であり得、期間t29は、1,000ミリ秒未満であり得る。
【0184】
図24の波形は、
図11の波形が、白色状態(すなわち、第1の種類の色素粒子の色)であるピクセルに印加されるものである一方で、
図24の波形が、白色状態ではないピクセルに印加されることを意図していることを除いて、
図11に類似する。
【0185】
図25は、
図24の波形が黒色状態(すなわち、第2の種類の色素粒子の色状態)であるピクセルに印加される、例である。
【0186】
振動波形では、正/負パルスペアは、好ましくは、50〜1,500回繰り返され、各パルスは、好ましくは、10ミリ秒にわたって印加される。
【0187】
図11のもののような
図24の第8の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0188】
視聴側の第1の表面と、非視聴側の第2の表面と、共通電極とピクセル電極の層との間で挟まれた電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、電気泳動ディスプレイは、第1の種類の色素粒子、第2の種類の色素粒子、および第3の種類の色素粒子を備え、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
a)3種類の色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
b)第1の種類の色素粒子および第2の種類の色素粒子は、反対の帯電極性を保有し、
c)第3の種類の色素粒子は、第2の種類の色素粒子と同一の帯電極性を有するが、より低い強度にあり、
方法は、以下のステップ:
(i)第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップであって、第1の駆動電圧は、視認側における第1の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第1の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(ii)第2の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップと、
(iii)第3の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、視認側における第3の種類の色素粒子のカラー状態に向かってピクセルを駆動するために、第3の種類の色素粒子と同一の極性を有する、ステップと、
(iv)第4の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップと、
ステップ(i)−(iv)を繰り返すステップと
を含む。
【0189】
一実施形態では、第1の種類の色素粒子は、負に帯電させられ、第2の種類の色素粒子は、正に帯電させられている。
【0190】
一実施形態では、ステップ(i)−(iv)は、少なくとも3回繰り返される。
【0191】
一実施形態では、第2の駆動電圧は、第1の種類の色素粒子のカラー状態から第2の種類の色素粒子のカラー状態に(または逆も同様)ピクセルを駆動するために十分な駆動電圧の50%未満である。
【0192】
一実施形態では、
図25の駆動シーケンスは、DC平衡状態である。
【0193】
(中間色の生成:)
本発明の駆動方法が、単一粒子の色に加えて、中間色(すなわち、2つの粒子の色の混合)を表示することが可能であることが有利である。多くの場合において、方法が使用されるべきディスプレイは、グレースケール画像を表示するように要求され、グレースケール画像は、ディスプレイの面積変調を要求するであろう。そのような面積変調は、表示され得る色の数を増加させるが、ディスプレイのピクセルの数が、1つのグレースケール「スーパーピクセル」を形成するための面積変調を受けるので、ディスプレイの解像度を減少させることを犠牲にする。中間色を表示する能力をディスプレイの各ピクセルに提供し、各ピクセルが表示し得る中間色の数を増加させることは、各スーパーピクセルで使用されなければならないピクセルの数を低減させ、故に、グレースケールディスプレイの解像度を増加させる。
【0194】
中間の灰色(すなわち、黒色粒子の色と白色粒子の色との混合)の生成のための1つの方法は、
図20Aおよび20Bを参照して上ですでに議論されている。灰色は、最初に、黒色または白色状態のいずれか(それぞれ、
図2Aまたは2B)にピクセルを駆動し、次いで、±15Vの高い駆動電圧を印加し、それぞれ、白色または黒色状態に向かってピクセルを駆動するが、白色または黒色状態に達する前にこの駆動電圧を終了し、したがって、灰色状態を生成することによっても、生成され得る。しかしながら、方法で使用される3粒子システムでは、
図26A−26Dを参照して解説されるであろう理由により、黒色状態からではなく白色状態から始まる方法を使用して、灰色状態を生成することが有利であることに留意されたい。
【0195】
図26Aおよび26Bは、白色状態から始まる灰色状態の生成を図示する。
図26A(物質が
図2Bと同一である)は、白色粒子21を視認側に、黒色粒子22および赤色粒子23をピクセル電極に向かって駆動する高い負駆動電圧(−15V、V
H2)の印加による白色状態の生成を図示する。
図26Aの白色状態から、高い正電圧(+15V、V
H1)の短い駆動パルスが、白色粒子をピクセル電極に向かって、黒色および赤色粒子を視認側に向かって駆動する。短い駆動パルスは、白色粒子と黒色粒子とが視認側に隣接して混合されるときに終了される。赤色粒子が黒色粒子よりも低い電気泳動移動度を有するので、赤色粒子は、ピクセル電極から離れるようによりゆっくり移動し、したがって、赤色粒子は、灰色状態では、赤色粒子と視認表面との間に位置する黒色および白色粒子によって視聴者から隠される。故に、
図26Bは、黒色粒子の色と白色粒子の色との混合したもののみからなり、赤色粒子の色による汚染を含まない、「混じりけがない」灰色を提示する。
【0196】
対照的に、
図26Cおよび26Dは、黒色状態から始まる灰色状態の生成を図示する。
図26C(物質が
図2Aと同一である)は、黒色粒子22および赤色粒子23を視認側に向かって、白色粒子21をピクセル電極に隣接して駆動する高い正駆動電圧(+15V、V
H1)の印加による黒色状態の生成を図示する。
図26Cの黒色状態から、負電圧(−15V、V
H2)の短い駆動パルスが、白色粒子を視認側に向かって、黒色および赤色粒子をピクセル電極に向かって駆動する。短い駆動パルスは、白色粒子と黒色粒子とが視認側に隣接して混合されるときに終了される。しかしながら、赤色粒子が黒色粒子よりも低い電気泳動移動度を有するので、赤色粒子は、視認側から離れるようによりゆっくり移動し、したがって、灰色状態では、黒色および白色粒子と混和され、実際に、赤色粒子が黒色粒子よりも視認側の近くに位置する傾向が存在し得る。故に、
図26Dは、黒色粒子の色と白色粒子の色との混合が赤色粒子の色によって有意に汚染される、「くすんだ」灰色を提示する。
【0197】
すでに記述されたように、ピクセルの灰色状態は、黒色状態または白色状態のいずれかから始まって生成され得る。同様に、明るい赤色状態(白色粒子の色と赤色粒子の色との混合)は、赤色状態または白色状態のいずれかから始まって生成され得る。前者の場合、最初に、完全赤色状態(
図2C参照)に駆動し、次いで、
図2Bの白色状態に達するために不十分な短い期間にわたって、高い負駆動電圧(−15V、V
H2)を印加する。高い負駆動電圧は、白色粒子21を視認側に向かって急速に移動させ、黒色粒子22をピクセル電極に向かって急速に移動させ、赤色粒子23をピクセル電極に向かってよりゆっくりと移動させる。駆動電圧は、白色粒子と赤色粒子とが混ぜ合わせられている間に終了され、したがって、視認側に明るい赤色を残す。黒色粒子は、ピクセル電極の近傍に位置し、したがって、白色および赤色粒子によって視聴者から隠される。後者の場合、最初に、完全白色状態(
図2b参照)に駆動し、
図2Cの赤色状態に達するためには不十分な短い期間にわたって、低い正駆動電圧(+5V、V
L)を印加する。低い負駆動電圧は、白色粒子21をピクセル電極に向かって移動させ、赤色粒子を視認側に向かって移動させ、したがって、赤色および白色粒子の混和物、および、明るい赤色のディスプレイを再び生成する。連続的な低い負駆動電圧を使用する代わりに、白色状態から明るい赤色状態への遷移が、
図5、6、8、または9に図示されるもの等のプッシュプル波形を使用して達成され得る。
【0198】
赤色状態から生成される明るい赤色状態は、白色状態から生成されるものよりはるかに一様ではないことが、経験的に見出されている。この一様性の差の理由は、完全には理解されていないが、(存在する場合)マイクロカプセル内の種々の粒子の位置の変動、および、個々の粒子および電気泳動ディスプレイの種々の部分の電気泳動移動度の変動に関連すると考えられる。赤色状態からの駆動で使用される低い駆動電圧が、より高い駆動電圧よりも電力供給の変動による影響を受けるとも考えられる。
【0199】
図27は、白色状態を介して明るい赤色状態にディスプレイを駆動するために使用される波形を図示する。
図27の波形では、高い負駆動電圧(V
H2、例えば、−15V)が、白色状態に向かってピクセルを駆動するために、t31の期間にわたって印加される。白色状態から、ピクセルは、t32の期間にわたって低い正電圧(V
L、例えば、+5V)を印加し、したがって、
図2Bの状態から
図2Cの状態にピクセルを駆動することによって、赤色状態に向かって駆動される。最終的に、ピクセルは、期間t33にわたって、高い負駆動電圧(V
H2、例えば、−15V)を印加することによって、赤色状態から明るい赤色状態に駆動され、期間t33は、期間t31よりも短く、完全白色状態にピクセルを駆動するためには不十分である。振動波形は、望ましくは、期間t31における白色に進むパルスの前に印加され、負駆動電圧(例えば、V
H2、例えば、−15V)は、好ましくは、DC平衡を確保するために、振動波形に先立ってt30の期間にわたって印加される。
図27の波形は、本質的に
図3の波形であるが、期間t33における白色に進むパルスの追加を伴うことが分かるであろう。達成される明るい赤色の正確な色調は、典型的には、約20〜300ミリ秒、通常、20〜100ミリ秒の範囲であろう期間t33の持続時間を調節することによって、変動させられることができる。期間t33の持続時間は、典型的には、期間t31の持続時間の約10〜約60パーセントであろう。
【0200】
暗い赤色状態(すなわち、黒色粒子の色と赤色粒子の色との混合)を達成することは、黒色粒子と赤色粒子とが同一の極性の電荷を保有し、故に、類似する方法で印加された電場に反応する傾向があるので、明るい赤色状態を達成するよりもはるかに困難である。例えば、最初に、
図2Cの赤色状態にピクセルを駆動し、次いで、
図2Aの黒色状態にピクセルを駆動するために使用される高い正駆動電圧(+15V、V
H1)を印加することによって、赤色粒子と黒色粒子との混和物を生成しようとする場合、
図2Cに示されるように、すでに前面電極に隣接している赤色粒子は、この前面電極に隣接したままとなり、黒色粒子を収容するために離れて移動しないであろう。結果は、高い正駆動電圧が、
図2Bの白色状態から
図2Aの黒色状態にピクセルを駆動するために要求される期間よりもさらに長い、長い期間にわたって印加された後でさえも、結果として生じた「暗い赤色」状態が、実際には、前の赤色状態よりわずかしか暗くないであろうことである。
【0201】
満足できる暗い赤色状態を達成するための2つの方法があることが見出されている。第1の方法は、
図28に図示されるような波形を使用し、本質的に、暗い灰色状態から開始する。その図に示されるように、この波形は、最初に、高い正駆動電圧(+15V、V
H1)を印加し、(完全黒色状態ではなく)暗い灰色状態にピクセルを駆動する。この高い正駆動電圧の後、通常、t35よりも有意に長いであろうt36の期間にわたって低い正駆動電圧(V
L、例えば、+5V)が続き、暗い赤色状態にピクセルを駆動する。解説される理由により、期間t35内の高い正駆動パルスは、随意に、期間t34にわたって振動波形および/または高い負駆動電圧パルス(V
H2、例えば、−15V)によって先行され得る。t36の持続時間は、幅広く変動し得るが、典型的には、約300〜2,000ミリ秒、さらに通常、500〜1,000ミリ秒であり得、生成される暗い赤色の暗さは、t36の持続時間を変動させることによって変動させられることができ、より長い持続時間は、生成される色の赤みを増加させる傾向がある。
【0202】
満足できる暗い赤色状態を達成する第2の方法は、
図5と実質的に同一である
図29に図示されるような波形を使用するが、下で議論される理由により、
図29に示される種々の駆動パルスの持続時間は、
図5に示されるものから変動するであろう。上記の
図5の議論から、関連波形の主要部分が、
図29の持続時間t39の時点で示される低い正駆動電圧(V
L、例えば、+5V)の赤色に進むパルスを備え、それが、
図29の持続時間t40の時点で示される高い負駆動電圧(V
H2、例えば、−15V)の白色に進むパルスと交互に起こることを想起されたい。この交互パルスのシーケンスは、以下のうちの任意の1つ以上によって先行され得る:(a)DC平衡のために意図される持続時間t37の高い負駆動電圧(V
H2、例えば、−15V)の白色に進むパルス;(b)振動波形;および、(c)持続時間t38の高い負駆動電圧(V
H2、例えば、−15V)の白色に進むパルス(持続時間t38は、すでに述べたより後の白色に進むパルスの持続時間t40と異なることも、異ならないこともある)。
【0203】
図5の波形は、純赤色状態を生成するものとして上で説明された。しかしながら、
図29の持続時間t39およびt40を調節することによって、および/または、これらの期間中に印加される駆動電圧V’およびV
H2を調節することによって、この種類の波形が、純赤色状態のみならず、暗い赤色および明るい赤色状態も生成し得ることが経験的に見出されている。V’の規模が増加させられる場合、赤色は、より暗くなる一方で、V’の規模が減少させられる場合、赤色は、より明るくなる。同様に、t40の持続時間がt39に対して増加させられる場合、より明るい赤色が生成されるであろう一方で、t39の持続時間がt40に対して増加させられる場合、より暗い赤色が生成されるであろう。明白なこととして、駆動電圧および持続時間の両方の変化の組み合わせが、使用され得る。t39およびt40の持続時間は、広範囲にわたって変動することができ、例えば、25℃において、t40が、60〜20ミリ秒にまで及ぶことができる一方で、t39は、300〜最大600ミリ秒に及び得る。さらに広い範囲が、0℃等の低温において望ましくあり得、例えば、この温度において、t40は、60ミリ秒であり得、t39は、3,000ミリ秒であり得る。
【0204】
(実施例2)
図1を参照して実質的に上で説明されるような電気泳動媒体は、イソパラフィン溶媒中で30重量%のポリマーコーティングされたチタニア粒子(白色)、8重量%のポリマーコーティングされた混合金属酸化物粒子(黒色)、および7重量%の赤色素粒子を混合し、電荷制御剤(Solsperse 19000)を添加することによって、調製された。白色粒子が、負電荷を帯びた一方で、黒色および赤色粒子の両方は、正電荷を帯びたが、赤色粒子は、黒色粒子よりも低い電荷密度を有した。結果として生じた電気泳動媒体は、本質的に透明な前面電極を提供された標準試験セルの中に装填され、
図2A、2B、2C、および26Bを参照して上で説明されるように、それぞれ、その白色、黒色、赤色、および灰色状態に駆動された。4つ全ての着色状態のL
*、a
*、およびb
*値が、標準技法を使用して測定され、結果は、以下の通りであった。
【0206】
灰色状態の反射率Yは、10.3パーセントであった。これらの結果から、本発明の実験媒体は、良好な白色、黒色、および赤色状態を表示することが可能であり、灰色状態を表示することも可能であったことが分かるであろう。
【0207】
本発明は、その具体的実施形態を参照して説明されているが、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更が行われ得、均等物が置換され得ることが、当業者によって理解されるべきである。加えて、特定の状況、材料、組成物、プロセス、1つまたは複数のプロセスステップを、本発明の目的および範囲に適合させるように、多くの修正が行われ得る。全てのそのような修正は、本明細書に添付される請求項の範囲であることを意図している。