【文献】
LEVITSKAIA G. Tatiana(外3名),Synergistic Pseudo-Hydroxide Extraction: Synergism and Anion Selectivity in Sodium Extraction Using a Crown Ether and a Series of Weak Lipophilic Acids,Analytical Chemistry,2003年,Vol.75、No.3,Page.405-412
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の疎水性有機化合物は、クラウンエーテル、特に14〜80個の範囲の炭素数を有するクラウンエーテルであり、6,7,9,10,12,13,20,21,23,24−デカヒドロジベンゾ[b,k][1,4,7,10,12,16,19]ヘプタオキサシクロヘニコシン(DB21C7)、ベンゾ[b]−1,4,7,10,13−ペンタオキサシクロペンタデカン(B15C5)、ペルヒドロベンゾ[b]−1,4,7,10,13−ペンタオキサシクロペンタデカン(C15C5)、ジシクロヘキサノ−1,4,7,10,13、16−ヘキサオキサシクロオクタデカン(DC18C6)、ジベンゾ[b,k]−1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロシクロオクタデカン(DB18C6)および6,7,9,10,12,13,20,21,23,24,26,27−ドデカヒドロジベンゾ[b,n][1,4,7,10,13,16,19,22]オクタオキサ−シクロテトラコシン(DB24C8)からなる群から選択されてもよい、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ASM化合物
本明細書中に記載されるASM化合物、前記種を含む水から少なくとも1つのアニオン種を抽出する方法における混合物およびその使用はまた、本発明の一部である。
【0020】
ASMは、6〜50個の炭素原子、好ましくは7〜30個の炭素原子、特に8〜20個の炭素原子を含み、少なくとも1つの芳香環および少なくとも1つのハロゲン原子または特にフッ素化されている電子吸引基を包含する化合物であることができる。
【0021】
有利には、ASMは、式Bの化合物である:
【化1】
[式中、基R
A、R
B、R
C、R
DおよびR
Eの少なくとも1つは、同一または異なり、ハロゲン原子または電子吸引基であり、特に以下の基:
F、Cl、Br、
C
mF
2m+1(m≦4であり、mは0でない整数である)、
CF
2CF
2C
pH
2P+1(p≦4であり、pは整数である)、
CF
2C
pH
2P+1(p≦4であり、pは整数である)、
CH
2C
pH
2P+1(p≦4であり、pは整数である)、
OCH
2CF
3、
C(=O)CF
3、
C
mH
nF
pCl
qBr
s(m≦4であり、n、p、q、sは整数であり、少なくともp、qまたはsは0ではない)
C(=O)OC
mH
2m+1(m≦4であり、mは整数である)、および
C(=O)C
mH
2m+1、(m≦4であり、mは整数である)、
のうちのハロゲン化ラジカルであり;
残りの基R
A、R
B、R
C、R
DおよびR
Eは、同一または異なり、
H、
CH
3、
CH
2CH
3、
CH
2CH
2C
pF
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
C
mH
2m−1(m≦10であり、mは0でない整数である)、および
C
mH
2m+1、(m≦10であり、mは0でない整数である)
の非電子吸引性ラジカルから選択され;
ここで、ラジカルR
A〜R
Eの1つのみは、これらの最後の2つの基C
mH
2m−1およびC
mH
2m+1のうちの1つであってもよく;
式中のXは、以下の基:
OH、
NH−R'、
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
(式中、R’およびR’’は同一または異なってもよく、以下のラジカル:
H、
C
nH
2n−1(n≦4であり、nは0でない整数である)、
C
nH2
n+1(n≦4であり、nは0でない整数である)、
CH
2CH
2C
pF
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
CH
2C
pF
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
CF
2C
pH
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
CF
2CF
2C
pH
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
C
mF
2m+1(m≦4であり、mは0でない整数である)、
C
mH
nF
pCl
qBr
s(m≦4であり、n、p、q、sは整数であり、少なくともp、qまたはsは0ではない)、
および式bのアリール基:
【化6】
(式中、R
A、R
B、R
C、R
DおよびR
Eは、同一または異なってもよく、上記式Bで定義される通りである)
から選択され;
式中、R’’’は、以下のラジカル:
C
mH
2m+1(m≦20、好ましくは≦15であり、mは整数である)、
C
mH
2m―1(m≦20であり、mは0でない整数である)、
C
mH
nF
pCl
qBr
s(m≦10であり、n、p、q、sは整数であり、少なくともp、qまたはsは0ではない)、
CH
2CH
2C
pF
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
CH
2C
pF
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
CF
2C
pH
2p+1(p≦4であり、mは整数である)、
CF
2CF
2C
pH
2p+1(p≦4であり、mは整数である)、
C
mF
2m+1(m≦4であり、mは0でない整数である)、および
式bのアリール基:
【化7】
(式中、R
A、R
B、R
C、R
DおよびR
Eは、同一または異なってもよく、上記式Bで定義さる通りである)
から選択される)
から選択される。]
【0022】
ASM化合物−アルコール
そのような化合物は、有利には、フッ素化芳香族アルコールの群から選択される。例えば、この化合物は、3−(トリフルオロメチル)フェニル(CAS番号98−17−9)などのフェノール誘導体であり得る。
【0023】
好ましくは、この第1の化合物は、有利には、3つより多いフッ素原子を含むメタノール性フェノール化合物である。有利には、この化合物は、2つより多い−CF
3基を含む。
【0024】
本発明の1つの態様によると、この第1の化合物は、式Aの化合物である:
【化8】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は、同一または異なってもいいが、R
1、R
2およびR
3のいずれか1つは、フッ素化基であり、以下のラジカル:
H、
F、
C
mF
2m+1、(m≦4であり、mは0でない整数である)、
CF
2C
pH
2p+1、(p≦4であり、pは0でない整数である)、および
CF
2CF
2C
pH
2p+1(p≦4であり、pは0でない整数である)
から選択され;
R’およびR’’は、同一または異なってもよく、以下のラジカル:
H、
C
nH
2n−1(n≦4であり、nは0でない整数である)、
C
nH
2n+1(n≦4であり、nは0でない整数である)、
CH
2C
pF
2p+1(p≦2であり、pは0でない整数である)、
CH
2CH
2C
pF
2p+1(p≦2であり、pは0でない整数である)、
および式aのアリール基:
【化9】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は、同一または異なってもよく、以下の基:
H、
F、
C
mF
2m+1(m≦4である)
CF
2C
pH
2p+1、(p≦4であり、pは0でない整数である)、
CF
2CF
2C
pH
2p+1、(p≦4であり、pは0でない整数である)
から選択される)
から選択される]。
【0025】
有利には、前記第1の化合物は、以下の表1で記載される化合物:
【表1-1】
【表1-2】
および以下に記載される化合物ASM2、ASM3およびASM5からなる群から選択される。
【0026】
本発明の1つの側面によると、疎水性有機液体組成物は、少なくとも1つのアニオンの溶媒和を可能にする少なくとも2つの化合物を含む。好ましくは、これらの化合物は、本出願で記載される(ASM)型化合物から選択される。
【0027】
特に、本発明に係る液体組成物は、[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(CAS番号349−75−7)および[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(CAS番号32707−89−4)の混合物を含み得る。互いに対するこれらの化合物の相対的体積比は、変化し得るが、有利には、30/70〜50/50体積/体積(v/v)の範囲の比である。好ましくは、この比は、約40/60v/vである。
【0028】
あるいは、本発明に係る液体組成物は、3−(パーフルオロブチル)フェニル]メタノール(ASM5)および3,5−(パーフルオロプロピル)フェニル]メタノール(ASM6)の混合物を含み得る。互いに対するこれらの化合物の相対的な割合は、変化し得るが、有利には、60/40〜80/20v/vの範囲の比である。好ましくは、この比は、約70/30v/vである。
【0029】
ASM−アミド化合物
式BのASM化合物はまた、アミド化合物であり得る。この場合、式B中のX基は、
【化10】
【化11】
【化12】
(式中、R'''は、前述の通りである)
である。
【0030】
好ましくは、アミドは以下の式を有する:
【化13】
または
【化14】
、
[式中、R'''は、以下のラジカル:
C
mH
2m+1(m≦20、好ましくは≦15であり、mは整数である)、
C
mH
2m−1(m≦20であり、mは0でない整数である)、
C
mH
nF
pCl
qBr
s(m≦10であり、n、p、q、sは整数であり、少なくともp、qまたはsは0でない)、および
式bのアリール基:
【化15】
(式中、基R
A、R
B、R
C、R
DおよびR
Eの少なくとも1つは、同一または異なり、ハロゲン原子または電子吸引基、特に以下の基:
F、Cl、Br、
C
mF
2m+1(m≦4であり、mは0でない整数である)、
CF
2CF
2C
pH
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
CF
2C
pH
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
CH
2C
pF
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
OCH
2CF
3、
C(=O)CF
3、
C
mH
nF
pCl
qBr
s(m≦4であり、n、p、q、sは整数であり、少なくともp、qまたはsが0である)、
C(=O)OC
mH
2m+1(m≦4であり、mは整数である)、および
C(=O)C
mH
2m+1(m≦4であり、pは整数である)、
のうちのハロゲン化ラジカルであり;
残りの基R
A、R
B、R
C、R
DおよびR
Eは、同一または異なり、以下の電子吸引性ラジカル:
H、
CH
3、
CH
2CH
3、
CH
2CH
2C
pF
2p+1(p≦4であり、pは整数である)、
C
mH
2m−1(m≦10であり、mは0でない整数である)、および
C
mH
2m+1、(m≦10であり、mは0でない整数である)、
から選択され;
ここで、基R
A〜R
Eのうち1つのみが、これらの最後の2つの基C
mH
2m−1およびC
mH
2m+1の1つであり得る)
から選択される]
【0031】
好ましくは、基R’’は、直鎖または非直鎖アルキル鎖、特に、n−C
7H
15、n−C
9H
19、n−C
11H
23またはn−C
13H
27基である。
【0032】
これらのアミド化合物は、本発明に係る温度差抽出法に特に適する。本発明に係る抽出組成物のためのASMとして使用されることができるこのタイプの他の化合物は、例えば、以下である:
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(CAS番号16143−84−3)、
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−クロロアセトアミド(CAS番号790−75−0)、
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ブロモアセトアミド(CAS番号99468−72−1)、
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−クロロベンズアミド(CAS番号56661−47−3)、
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−クロロベンズアミド(CAS番号56661−30−4)、
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ブロモベンズアミド(CAS番号56661−31−5)、
N−[3,5−ジクロロフェニル]アセトアミド(CAS番号31592−84−4)、
N−[4−メチル−3,5−ジクロロフェニル]アセトアミド(CAS番号39182−94−0)、
N−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(CAS番号402−02−8)、
N−[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(CAS番号349−27−9)、
N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(CAS番号348−90−3)、
N−[4−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(CAS番号41513−05−7)、
N−[2,5−ジフルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(CAS番号1994−23−6)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(CAS番号351−36−0)、
N−[2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(CAS番号546434−38−2)、
N−[2−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド(CAS番号1579−89−1)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(CAS番号2946−73−8)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,2−ジクロロアセトアミド(CAS番号2837−61−8)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,2,2−トリクロロアセトアミド(CAS番号1939−29−3)、
N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,2,2−トリクロロアセトアミド(CAS番号13692−04−1)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ブロモアセトアミド(CAS番号25625−57−4)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド(CAS番号2300−88−1)、
N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド(CAS番号721−57−3)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル](2,2−ジメチル−プロパンアミド)(CAS番号1939−19−1)、
N−[2−メチル−3(トリフルオロメチル)フェニル](2,2−ジメチル−プロパンアミド)(CAS番号150783−50−9)、
N−[4−クロロ−2−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル](2,2−ジメチル−プロパンアミド)(CAS番号112641−23−3)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル](2−クロロ−プロアンアミド)(CAS番号36040−85−4)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタンアミド(CAS番号2339−19−7)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]イソブタンアミド(CAS番号1939−27−1)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロペンタンカルボキサミド(CAS番号13691−84−4)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル](2−メチル−ペンタンアミド)(CAS番号1939−26−0)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル](2,2−ジメチル−ペンタンアミド)(CAS番号2300−87−0)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル](2―(4−ブロモフェニル)−アセトアミド(CAS番号349420−02−6)、
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−アダマンタンカルボキサミド(CAS番号42600−84−0)、
N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]オクタンアミド(CAS番号4456−59−1)。
【0033】
少なくとも1つのCEMおよび任意に流動化剤を組み合わせる処方におけるそれらの統合により、ASMとして使用されるこれらの分子は、イオン種、特に水から有機抽出剤相への親水性塩を抽出することを可能にする。
【0034】
本発明の別の目的は、塩水の脱塩のためのおよび/または水性媒体からの塩および/またはイオンを抽出のためのこれらのASM化合物、特にASMアミドの使用に関する。特に、これらの化合物は、本出願で記載される本発明に係る組成物または方法において、個々に、または混合物として使用されることができる。
【0035】
有機液体組成物中のASM濃度
本発明の好ましい側面によれば、本発明に係る組成物中の第1のASM化合物(またはそのような化合物の混合物)のモル濃度は、少なくとも0.1Mに等しい。好ましくは、この組成物は、より高く、最適な抽出、特に親水性アニオンを可能にするために少なくとも1Mに等しい。それは少なくとも2Mに等しく、有利には少なくとも3Mに等しく、例えば少なくとも4Mに等しくてもよい。本発明の特定の変異体において、第1の化合物または第1の化合物の混合物は、純粋に使用され得る(CAS番号349−75−7について7.32Mのモル濃度)。
【0036】
密度および溶解度および粘度
本発明の有利な側面によると、組成物中の少なくとも1つのアニオンの溶解和を可能にする第1の化合物は、その遊離または錯化形態で水中で少なくとも0.1モル/L未満、好ましくは0.01モル/L未満、好ましくは0.0001モル/L未満、およびより特に1×10
−5モル/L未満の溶解度を有する。
【0037】
本発明の別の有利な側面によると、組成物中の少なくとも1つのアニオンの溶媒和を可能にする第1の化合物は、1.1kg/Lより大きい、理想的には1.2kg/Lより大きい密度を有する。
本発明のさらに別の有利な側面によると、組成物中の少なくとも1つのアニオンの溶媒和を可能にする第1の化合物は、25℃で100mPa.s未満、好ましくは50mPa.s未満、例えば20mPa.s未満の粘度を有する。
【0038】
CEM
少なくとも1つのカチオン(CEM)を抽出することを可能にする第2の化合物は、有利には、分離の必要性に応じて、例えばナトリウムイオンおよび/またはアルカリ土類イオンまたは他のカチオンなどの良好なアルカリイオン抽出能力を有する分子から選択され得る。抽出は、次にCEMおよびASMを、抽出組成物で溶媒和し、次いでこれらの相互作用を可能にすることによって、カチオンおよびアニオンの溶媒和を水で置換することによるものである。相互作用の性質は、水素結合および静電相互作用の確立、さらにはファンデルワールス結合を伴うイオン−双極子相互作用などの現象をカバーする。好ましくは、CEMは、カチオンを錯化し、特にキレート化するための化合物である。「キレート」は、カチオンが少なくとも2つの結合/相互作用によってキレートリガンドに結合されるという事実によって、単純な「複合体」から区別される。
【0039】
第2の化合物は、有利には、非イオン性(または中性)および/または非フッ素化化合物の群から選択され得る。14〜80の範囲の炭素数を有するクラウンエーテル、特に非フッ素化クラウンエーテルの使用が考えられ得る。
【0040】
用語「クラウンエーテル」は、14〜80個の範囲の炭素数を有する環状分子を意味することが意図され、クラウンエーテルは、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79または80個の炭素原子を有する。
【0041】
したがって、第2の化合物は、DB21C7、B15C5、C15C5、DC18C6、DB18C6、DB24C8、カリックス[4]エステル、およびカリックス[4]エステル以外の置換カリックスアレーンからなる群から選択され得る。これらの化合物の式を以下に示す。
【0042】
第2の化合物は、好ましくは、例えば32〜80個の炭素原子、より特に50〜70個の原子、例えば58〜60個の炭素原子を含み得る置換カリックスアレーンである。4−tert−ブチルカリックス[4]アレーン−O,O’,O’ ’,O’ ’ ’−テトラ酢酸テトラエチルエステルは、特にナトリウムの抽出に好ましい。
本発明に係る組成物は、少なくとも1つのカチオンの抽出を可能にする1つより多い化合物を含み得、これは、有利には、本出願で記載される化合物から選択されることができる。
【0043】
密度および溶解度および粘度
本発明の好ましい側面によれば、組成物中の少なくとも1つのカチオンの抽出を可能にする第2の化合物は、その遊離形態またはカチオンとの錯体で、0.1モル/L未満、好ましくは0.01モル/L未満、好ましくは0.0001モル/L未満、およびより詳細には1×10
−5モル/L未満の溶解度を有する。
【0044】
本発明の別の好ましい側面によれば、組成物中の少なくとも1つのカチオンの抽出を可能にする第2の化合物は、25℃で、0.2M/Lより大きい、好ましくは0.5M/Lより大きい、例えば1M/Lより大きい第1の化合物(ASM)の溶解度を有する。
【0045】
本発明の別の好ましい側面によれば、組成物中の少なくとも1つのカチオンの抽出を可能にする第2の化合物は、0.8kg/Lより大きい、好ましくは1.0kg/Lより大きい、理想的には1.2kg/Lより大きい密度を有する。
【0046】
本発明の別の好ましい側面によれば、少なくとも1つのカチオンの液体中の抽出を可能にする第2の化合物は、液体であり、25℃で100mPa.s未満、好ましくは50mPa.s未満、例えば20mPa.s未満の粘度を有する。
【0047】
有機液体組成物中のASMおよびCEMの相対濃度
イオン種の最大抽出を確実にするために、ASMおよびCEMの濃度は、抽出されるイオン種の水溶液中の濃度の関数として選択される。
【0048】
したがって、塩水および抽出処方の等容量で、CEM化合物の濃度は、有利には、抽出されるカチオンの濃度と等モルまたは高い。約2倍高い濃度は、一般的には、カチオン抽出が実質的に改善されない限界を超えて構成する。
【0049】
驚くべきことに、抽出されるアニオンのものよりもはるかに高いASMのモル濃度は、最適化された抽出を可能にするために必要とされ得る。したがって、抽出されるアニオンの濃度の少なくとも2倍、好ましくは4倍、5倍以上または6倍以上が、特にアニオンが塩化物アニオンである場合に、満足のいく結果を得るために必要であり得る。
【0050】
したがって、アニオンおよびカチオンからなる塩を抽出するための本発明に係る組成物のASM/CEMの相対モル比は、有利には、1、2、3、4、5または6以上である。工業的適用に使用される相対的モル比ASM/CEMの選択は、これらの化合物の相対的コストおよびプロジェクトの技術的および経済的データに依存する。好ましくは、この割合は、アルコールASMについては少なくとも4に等しく、アミドASMについては1と4の間である。
【0051】
本発明に係る組成物の使用
本発明に係る組成物は、有利には、水相から親水性イオン(カチオン、アニオン)を抽出するために使用されることができる。このイオン抽出は、有機相から水相へ、化学イオン種または他の種の移動によって、補われないことに留意すべきである。この組成物は、塩水、特に海水中に存在するイオン種の抽出に特に適する。この組成物は、有利には、海水の脱塩および一般的には、塩水の精製または処理に使用されることができる。「塩を含んだ」とは、少なくとも1つの塩を含む水を意味する。「塩」は、正味の電荷を有さず中性生成物を形成するカチオンおよびアニオンからなるイオン性化合物を意味する。これらのイオンは、無機(塩化物、Cl
−、Na
+イオン等)、並びに有機(酢酸塩CH
3-COO
−、アンモニウムR
3NH
+等)および単原子(フッ化物F
−、Mg
2+イオン等)並びに多原子(硝酸塩NO
3―、炭酸水素塩HCO
3−、硫酸塩SO
42-等)であることができる。
【0052】
したがって、本発明に係る組成物は、本出願に記載される本発明の他の目的のいずれかによるイオン抽出方法または装置の使用に特に適する。
【0053】
抽出されるアニオンおよびカチオン
本発明に係る組成物に含まれる第1および第2の化合物は、アルカリまたはアルカリ土類金属塩を構成する少なくとも1つ、好ましくは数種のイオン種の溶媒和および抽出を可能にする化合物である。特に、これらのイオン種は、海水中に存在するものであり、表IIにそれらのそれぞれの濃度とともに列挙される。
【表2】
【0054】
したがって、本発明に係る組成物は、有機相でNa
+若しくはK
+またはNa
+およびK
+の混合物を抽出するために本発明に係る方法で使用されることができる。好ましくは、本発明に係る組成物によって溶媒和されるアニオンは、例えば、Cl
−またはSO
42−またはHCO
3−またはCl
−とSO
42−の混合物などの親水性アニオンである。したがって、本発明に係る組成物は、NaCl、Na
2SO
4、NaHCO
3、KCl、K
2SO
4またはKHCO
3、またはNaClおよびNa
2SO
4、NaClおよびNaHCO
3、NaClおよびKCl、NaClおよびK
2SO
4またはNaClおよびKHCO
3の混合物の抽出、またはこれらの塩の混合物のいずれか1つ、またはNaClおよびNa
2SO
4およびNaHCO
3およびKClおよびK
2SO
4およびKHCO
3の混合物の水性相の抽出に特に適する。
【0055】
あるいは、またはさらに、抽出されるアニオンは、フッ化物、臭化物、HCO
3−、硝酸塩NO
3−、CN
−、亜硝酸塩NO
2−、炭酸塩CO
32−、またはClO
2−または亜硫酸塩SO
32−などである。
【0056】
過塩素酸塩ClO
4―、過マンガン酸塩MnO
4―、ピクリン酸塩などのより疎水性のアニオンについて、ASMのより低い濃度は、ECMによって少なくとも1つのカチオンと組み合わせて有機相へのそれらの移動を可能にするのに十分である。
【0057】
流動化剤
CEMおよびASMのいくつかは、抽出方法の操作温度で固体または粘性化合物であり、次に流動化剤の使用が有利である。本発明に係る方法は、特に、塩の比較的高い濃度を抽出することを可能にするので、組み合わせられるCEMおよびASMの少なくとも0.1モル/Lを溶解することができる可溶化剤を同定することが必要である。実際に、アセトン、酢酸エチル、ヘプタン、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、メタノール、エタノール、ジエチルエーテルまたはアセトニトリルなどの従来の溶媒は、例えば、濃度のこれらのレベルで、いくつかの既知のCEMおよび特にカリックス[4]エステルを可溶化せず、これは目的のCEMである。
【0058】
一方、クロロホルムなどの溶媒およびより特に極性芳香族溶媒は、この適用のための可溶化剤として良好な候補である能力を有するようである。これは、ASM、それ自体一般的に芳香族化合物の類似の性質によって説明されることができる。例えば、2つの芳香族環から構成される1,3−ビス(フルオロメチル)ベンゼン(CAS番号402−31−3)およびより好ましくは安息香酸ベンジル(CAS番号120−51−4)は、カリックス[4]エステルおよびASM3を組み込む試験された処方で可溶化のこの基準を満たす。したがって、1つの芳香族環上または2つの芳香族環上の少なくとも1つのトリフルオロメチル電子吸引基の存在は、特に有利な流動化剤を得ることを可能にする。
【0059】
本発明の好ましい側面によると、組成物は、ASMおよびCEM化合物、および任意に流動化化合物との組み合わせのみからなり、したがって、ASMおよびCEMおよび流動化化合物からなる組成物を構成する。
【0060】
本発明の好ましい側面によると、組成物は、有害であると分類された化合物を含まず、皮膚刺激を示さず、非アレルギー性であり、急性経口毒性を示さない。
好ましくは、本発明に係る組成物は、ニトロベンゼンを含まない。
【0061】
好ましくは、本発明に係る組成物は、3個より多いフッ素原子および25℃で3と9の間のメタノールの錯化定数を有するCEMを含むフッ素化芳香族化合物を含む。CEMは、例えば、エーテル−クラウン、クリプタンドまたは官能化カリックスアレーン、例えば、カリ[4]エステルなどであり得る。
【0062】
本発明の別の目的は、化合物3−(パーフルオロブチル)フェニル]メタノールに関する。
本発明のさらに別の目的は、化合物3,5−(パーフルオロプロピル)フェニル]メタノールに関する。
本発明はさらに、[3−(パーフルオロブチル)フェニル]メタノールおよび3,5−(パーフルオロプロピル)フェニル]メタノールの混合物を含む、から本質的になる、またはからなる組成物に関する。
【0063】
これらの2つの化合物は、それらを含む組成物も新規である。
本発明の別の目的は、塩水脱塩のためにおよび/または水性媒体から塩および/またはイオンの抽出のために、単独または混合物として、3−(パーフルオロブチル)フェニル]メタノールおよび/または3,5−(パーフルオロプロピル)フェニル]メタノールの使用である。特に、これらの化合物は、本出願に記載される本発明に係る組成物または方法において、個々にまたは混合物として使用されることができる。
好ましい態様によれば、組成物は、カルシウムイオンの抽出を可能にするECMを含まない。
【0064】
本発明はまた、少なくとも2つのイオン種の抽出を含む水を処理するための方法に関し、前記イオン種は、処理される水に存在しているアニオン種とカチオン種を含み、前記方法は、以下のステップを含む:
a)処理された液体水および前記イオン種で充填された疎水性有機液体相を続いて得るために、第1の反応器中で、第1の温度で、疎水性有機液体相と処理される水の間を混合するステップであって、処理される前記水は、液体状態であるステップ、
前記疎水性相は本願出願で記載されるような第1および第2の疎水性化合物を含み、特に:
25℃の水中のpKaが少なくとも9、好ましくは10.5であり、好ましくは25℃で水のpKaより低いか、または少なくとも25℃で15より低い、好ましくはプロトン性および疎水性の第1の有機化合物、および
25℃でメタノール中のlogK値が2より大きく、11より小さい、好ましくは3より大きく、9より小さい錯化定数を有する第2の疎水性有機化合物;
b)一方で、前記処理された液体水と他方で前記イオン水で充填された前記有機液体相を分離するステップ
c)再生有機液体相およびイオン種で充填された再生液体水のひきつづく生成のために、第2の温度で、液体相において、第2の反応器において、イオン種で充填された前記有機液体相を再生液体水と混合するステップであって、前記第1および第2の温度との差は、30℃〜150℃であるステップ。
【0065】
あるいは、本発明はまた、上記のような方法に関するが、第1の有機化合物はASMであり、第2の有機化合物はCEMである。本発明の別の異形によると、本発明の方法は、上記の通りであるが、第1よび第2の有機化合物は、本発明に係る抽出組成物に含まれる。
【0066】
多くの既知の抽出方法とは対照的に、本発明に係る方法は、特に、水素イオンH+の酸−塩基流動性を介して、補足されたイオンの吸収または放出のいずれかを可能にするpHの変化に基づかない。したがって、本発明の好ましい側面
において、本発明の方法は、再生液体水のpHが著しく改変さ
れる、すなわち、処理される水に対して、±2、例えば±1の変動を超
えるステップを含まない。
【0067】
本発明の方法は、海水の脱塩に特に適しているので、考えられるイオン種は、上記表IIで記載されるものの1つであり得る。さらに、本発明の方法は、有利には、処理される水、少なくとも1つのアルカリまたはアルカリ土類カチオン種並びにCl
−またはSO
42−イオンなどのアニオン種から抽出することを可能にする。そのようなアニオン種は、親水性であり、特に水性媒体から抽出することが難しいことに留意すべきである。本発明に係る方法の特に有利な側面は、同時にNa
+、Cl
−、SO
42−、およびK
+の水相の抽出を可能にすることができることである。
【0068】
ステップa)
処理される水と有機相の混合ステップa)は、これらの2つの相が異なる密度である場合、2つの液体相を撹拌によって、例えば、回転、遠心分離によって、および/または垂直相互浸透(重力カラム)によって実施されることができる。後者の側面が好ましいものである。また、有機相は、有利には、処理される水および処理された水の密度およりも高い密度を有するように選択される。あるいは、有機相は、処理される水および処理された水の密度より低い密度を有するように選択され得る。これらの2つの場合において、密度差は、混合物のこのタイプが使用される場合、2つの相の効果的な相互浸透を可能にするのに十分でなければならない。この場合、この差は、有利には、少なくとも0.1kg/Lである。しかしながら、遠心分離などの他の混合手段が使用される場合、次にこの差は、0.05kg/Lと低くてもよい。
混合のステップa)は、安定なマイクロエマルションまたはエマルションを生じる条件下で行われないことも好ましい。
【0069】
ステップb)
水性相と有機相を分離するためのステップは、有利には、有機相と液体水相の単純な重力デカンテーションであり得る。このデカンテーションは、混合物が作製される反応器中で行うことができる。あるいは、分離は、外部手段の適用、例えば、遠心分離によって、任意に、水性相および有機相が混合される反応器から離れた特定の遠心分離装置内で、達成され得る。
【0070】
ステップc)
相が分離されると、イオン種で充填された液体有機相は、液体水または再生水と接触させられる第2の反応器に導かれる。温度を除いて、この混合ステップc)は、混合ステップa)について記載されるものに対する同様の操作条件下で実施されることができる。しかしながら、例えば、圧力などの条件のいくつかは、例えば、水または流動化剤の沸騰を避けるために変化し得る。
【0071】
温度
本発明の特に有利な側面によれば、ステップa)は周囲温度で実施される。予備加熱または冷却ステップに供されないように、処理される水についても有利である。あるいは、予熱または冷却ステップが実施され得る。この場合、処理される非加熱または非冷却水と比較する場合、処理される水は、5℃より大きく、有利には2℃より大きく加熱または冷却されないことが好ましい。
【0072】
本発明の別の有利な側面によると、第1の温度は、50℃未満の温度であるが、有利には0℃より高い温度である。この温度は、10℃〜40℃、好ましくは15℃〜30℃、および特に好ましくは19〜26℃の範囲で選択されることができる(例えば25℃)。
【0073】
10℃〜50℃の範囲の温度は、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃または50℃の温度を意味する。
【0074】
本発明の別の有利な側面によれば、第2の温度は、50℃より高い、好ましくは70℃より高い温度である。この温度は、50℃〜150℃、好ましくは70℃〜110℃、特に好ましくは80℃〜90℃の範囲で選択されることができる(例えば、85℃)。
【0075】
50℃〜150℃の温度は、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、100℃、101℃、102℃、103℃、104℃、105℃、106℃、107℃、108℃、109℃、110℃、111℃、112℃、113℃、114℃、115℃、116℃、117℃、118℃、119℃、120℃、122℃、124℃、126℃、128℃、130℃、132℃、134℃、136℃、138℃、140℃、142℃、144℃、146℃、148℃または150℃の温度を意味する。
【0076】
第1および第2の温度は、混合物が操作圧力で液体状態のままであるように必然的に選択される。これらの温度差ΔTが、30℃〜150℃、好ましくは50℃〜75℃の範囲内で選択される場合、特に有利である。50℃〜75℃の範囲のΔTは、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃または75℃のΔTを意味する。したがって、第1の温度が20℃である場合、第2の温度は、50℃より高く、有利には70℃より高いだろう。
【0077】
したがって、本発明の方法は、周囲温度で、処理される水から有機相へのイオン種の移転を可能にし、イオン種で充填され、周囲温度より高いがまだ比較的低い温度(例えば、150℃より低い)で行われる有機相の再生を可能にするステップc)に続く第1のステップa)を含み得る。
【0078】
本発明の方法の好ましい側面によれば、それは、以下のステップを含む:
d)前記再生された有機液体相と前記イオン種で充填された再生液体水とを分離するステップ、
e)イオン種が装填された前記有機液体相と前記再生された有機液体相との、例えば、熱交換器による、間接的な熱接触ステップ。
【0079】
本発明の特定の側面によれば、本発明の方法が以下の加熱および/または冷却ステップを含むことが有利である:
イオン種を充填した有機相、
特に再生された、イオン種で充電されない有機相、
処理される水
処理された水、および/または
再生水:
これは、第1および第2の反応器中にこれらの様々な相または水の導入を進める。
【0080】
そのような加熱ステップは、上記の種々の相(すなわち、処理される水、処理された水およびイオン種の充填された水(生理食塩水)である有機相および水相)の少なくとも2つの間の熱交換によって全体的または部分的に実施され得る。
特に、本発明に係る方法は、ステップc)の前に実施される再生水を加熱するステップを含む。
【0081】
圧力
混合ステップa)および/またはc)は、有利には、海面で約1気圧の大気圧で、または反応器中に存在する液体の重量以外の圧力手段の適応なしに実施される。
圧力が適用される場合、それは正または負であり得る。そのような圧力は、0.8気圧〜80気圧、好ましくは1〜10気圧の範囲であり得る。
【0082】
処理された水の使用
有利には、ステップc)で使用される再生液体水は、スッテプa)から得られた処理された水の一部である。あるいは、それは、外部ソースから来得る。
【0083】
組成物
有機相は、本出願で記載される本発明に係る組成物を含む、またはから本質的になる、またはからなる。この組成物は、前記方法を実施するのに特に効果的である。本発明に係る方法を実施するのに特に適した組成物は、4−tert−ブチルカリックス[4]アレーン−O,O’,O’’,O’’’−四酢酸テトラエチルエステルなどのカリックスアレーン化合物に関連する組成物ASM7およびASM4を含む。
本発明の記載において、この組成物はまた、「溶媒」または「樹脂」と呼ばれることができる。
【0084】
装置
本発明はまた、少なくとも2つのイオン種で抽出するための装置に関連し、前記イオン種は、以下を含む処理される水中に存在する少なくとも1つのアニオン種および1つのカチオン種を含む:
本出願に記載される本発明に係る液体疎水性有機相または組成物を含む第1の反応器。
【0085】
この装置は、有利には、以下を含み得る:
前記疎水性および液体有機組成物および任意に処理される水を含む第1の反応器、処理される前記水は、液体状態であり、処理された液体水および前記イオン種で充填された疎水性有機液体相の続く生成のために、前記第1の反応器は、第1の混合手段および分離のための第1の手段、一方、前記処理された液体水および他方で前記充填された有機液体相をさらに含み、
前記イオン種および再生有機相で充填された再生液体水を続いて得るためにイオン種で充填された疎水性有機液体相および任意に前記第1の反応器から来る任意に再生処理された液体水を含む第2の反応器、前記第2の反応器は、第2の混合手段および分離のための第2の手段、一方、イオン種で充填された前記液体水および、他方前記再生された有機相を含み;
任意に前記第2の反応器における温度を制御するための手段;
以下の第1および第2の反応器の間の移送を可能にする接続手段:
前記第1の反応器から抽出される前記再生処理された液体水
前記第1の反応器から抽出される前記充填された疎水性有機液体相
前記第2の反応器から抽出される前記再生された疎水性有機液体相;および最終的に、
一方で前記第1の反応器から抽出される前記充填された疎水性有機液体相と、他方で前記第2の反応器および/またはイオン種で充填される前記液体水から抽出される前記再生された疎水性有機液体相と一緒にする熱交換器。
【0086】
本発明の特定の側面によると、反応器、より特に移動していないこれらの反応器の一部は、ステンレス鋼で作られていない。
本発明の別の特定の側面によると、第1および/または第2の反応器は、加熱(ヒーター)または冷却(クーラー)手段を含まない。
本発明のさらに別の特定の側面によると、装置に存在する有機相は、本出願で記載される本発明に係る組成物を含む、またはから本質的になる、またはからなる。
【0087】
本発明に係る装置は、有利には、純水および/または飲料水が得られるまで水のイオン種中の濃度を低下させるために、処理される水の連続処理ステップを可能にするために直列に装着され得る。そのような装置はまた、本発明の対象となる。
【0088】
他の態様
別の態様によると、本発明は、処理される水に存在するアニオン種およびカチオン種で作製される少なくとも2つのイオン種の抽出物を含む水を処理するための方法に関し、以下のステップを含む:
a)第1の反応器中で、第1の温度で、疎水性有機液体相および処理される水の間を混合するステップであって、処理される液体水および前記イオン種で充填される疎水性有機液体相を続いて得るために、処理される前記水は、液体状態であり、
前記疎水相は以下を含み:
アニオン種の溶媒和を可能にし、25℃の水中のpKaが有利には、少なくとも11であり、25℃の水中で水のものより低いか、または25℃で少なくとも15より低い第1のプロトン性および疎水性有機化合物、
およびカチオン抽出を可能にし、有利には、25℃でメタノール中でlogK値が2より大きく11未満、好ましくは3より大きく9未満である前記カチオン種の錯化定数を有する第2の疎水性有機化合物;
b)一方で前記処理された液体水および他方で前記イオン種で充填された前記有機液体相の分離をするステップ、
c)再生有機液体相およびイオン種で充填される再生液体水の続く生成のために、第2の温度で、液体相中で、第2の反応器において、前記有機液相を再生液体水と混合するステップ;
カルシウムイオンをほとんどまたは全く含まないイオン種で充填された前記有機相。
【0089】
好ましい態様によると、有機相は、選択的抽出を可能にするようにカルシウムイオンおよび/または二価カチオンの抽出を可能にする化合物を含まない。当然の結果として、二価のカチオン(カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム)の1つ以上の種の抽出を可能にし、一価のカチオン、特にナトリウムをほとんどまたは全くの抽出できない有機相の使用を可能にする。
【実施例】
【0100】
実施例1:試験されたCEMの説明
本発明に係る様々なイオン抽出組成物が処方され、試験されている。これらの組成物で使用される7つのCEMは、以下の通りである。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0101】
上記で表した10個のCEMのうち7個をASM1に可溶化し、続いてNaCl抽出測定を行った。その他を、ASM2に可溶化した。
【0102】
実施例2:試験されたASMの説明
ASM 1 : (3TFMPhOH)
3−(トリフルオロメチル)フェノール
N° CAS : 98−17−9
C
7H
5F
3O,
MW= 162.11 g/モル
無色液体
【化16】
【表4】
【0103】
ASM 2 : (3TFMBnOH)
[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール
N° CAS : 349−75−7
C
8H
7F
3O,
MW= 176.14 g/モル
無臭および無色の液体。
【化17】
【表5】
【0104】
ASM 3 : (35TFMBnOH)
[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール
N° CAS : 32707−89−4
C
9H
6F
6O,
MW= 244.13 g/モル
白色固体。
【化18】
【表6】
【0105】
ASM 4 = 60%体積 ASM 3+40%体積 ASM 2
白、無色液体
【化19】
【表7】
【0106】
ASM 5 : (3C
4F
9BnOH)
[3−(パーフルオロブチル)フェニル]メタノ
N° CAS :未知
C
11H
7F
9O,
MW= 326.16 g/モル
無臭および無色液体。
【化20】
【表8】
【0107】
ASM 6 : (3,5−C
3F
7BnOH)
[3,5−(パーフルオロプロピル)フェニル]メタノール
N° CAS :未知
C
13H
6F14O,
MW= 444.16 g/モル
【化21】
【表9】
【0108】
上記データの表において、頭文字BP、MPおよびFPは以下を指定する:
BP=沸点
MP=融点
FP=引火点
【0109】
実施例3
式ASM5の化合物を、以下のように合成した:
第1ステップ
【化22】
エチル3−ヨードベンゾエート(207.9g、753.2mmol、1.0当量)、銅粉末(239.3g、3.766mol、5.0当量)および450mLのDMSOの溶液を脱気し、次にアルゴン雰囲気下に置く。次に混合物を130℃にする。次に1−ヨードパーフルオロブタン(181.5mL、1.054mol、1.4当量)を30分かけて滴下する。反応混合物をアルゴン雰囲気下で、5時間、130℃で撹拌する。室温に戻した後、2Lの酢酸エチルおよび1Lの水を加える。次に混合物をシリカ(セライト)でろ過する。有機相を水(2×1L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、次に減圧下で濃縮して、粗エチル3−(パーフルオロブタン)ベンゾエート(269.0g、730.6mmol、97%淡褐色液体)を得る。
1H NMR(CDCl
3、300MHz): δ(ppm)=1.42 (t、
3J=7.1Hz、3H)、4.44(q、
3J= 7.1Hz、4H)、7.61(t、
3J =8.0Hz、1H)、7.78(d、
3J=7.7Hz、1H)、8.24−8.30(m、2H)。
【0110】
第2ステップ
【化23】
氷浴で冷却したエチル−3−(パーフルオロブタン)ベンゾエート(269.0g、730.6mmol、1.0当量)および500mLのエタノールの溶液に、少量の水素化ホウ素ナトリウム(82.9g、2.192mol、3.0当量)中で加える。温度は制御され、20℃より低くなければならない。添加が完了したら、反応混合物を15時間、室温で撹拌する。撹拌が終了した後、NH
4Clの飽和溶液(2L)を低温で加え、次に2Lの酢酸エチルで希釈する。水相を酢酸エチル(1×1L)で抽出し、有機相をi)NH
4Clの飽和溶液(1×1L)およびii)水(1×1L)で洗浄する。硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過した後、有機相を減圧下で濃縮して粗[(3−パーフルオロブチル)フェニル]メタノール(228.9、701.8mmol、96%淡褐色液体)を得る。
粗化合物を減圧蒸留(P=5mmバール、BP=98〜102℃)により精製して、[(3−パーフルオロブチル)フェニル]メタノール(162.5g、498.2mmol、68%、無色液体)を得た。
1H NMR(CDCl
3、300MHz):δ(ppm)=1.72(br s、1H)、4.79(s、2H)、7.49−7.53(m、2H)、7.56−7.62(m、2H)。
【0111】
実施例4
式ASM6の化合物を以下のように合成した:
第1ステップ
【化24】
ヨウ素の少量の結晶を銅粉末(10.32g、162.4mmol、5.0当量)およびアセトン(50mL)の懸濁液に加える。30分間撹拌後、液相をろ過で除去し、銅をアセトン中気体塩酸の溶液(60mL)、次にアセトン(60mL)で洗浄する。活性化された銅をエチル3,5−ジブロモベンゾエート(10.0g、32.5mmol、1.0当量)および500mLのDMSOの溶液中に導入する。懸濁液を脱気し、次にアルゴン雰囲気下に置く。次に混合物を130℃にする。1−ヨードパーフルオロプロパン(13.2mL、90.9mmol、2.8当量)を30分間かけて滴下する。反応混合物をアルゴン雰囲気下、5時間、130℃で撹拌する。室温に戻した後、50mLの酢酸エチルおよび50mLの水を加える。次に混合物をセライトでろ過する。有機相を水(2×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、次に減圧下で濃縮して粗エチル3,5−ビス(パーフルオロプロパン)ベンゾエート(15.46g、31.8mmol、98%、黄色固体)を得る。
1H NMR(CDCl
3、300MHz):δ(ppm)=1.45(t、
3J=7.1Hz、3H)、4.46(q、
3J=7.1Hz、4H)、7.96(br.s、1H)、8.48(br.s、2H)。
【0112】
第2ステップ
【化25】
エチル3,5−ビス(パーフルオロブタン)ベンゾエート(15.46g、31.8mmol、1.0当量および100mLの無水THFの溶液をLiAlH
4(1.81g、47.7mmol、1.5当量)および無水THF(10mL)の懸濁液にアルゴン雰囲気下で、0℃で加える。添加が完了した後、反応混合物を、5時間、室温(RT)で撹拌した。次に、10mLの酢酸エチルを非常にゆっくりと添加する。15分後、10mLの10%硫酸溶液を、0℃で注意深く加え、次に反応媒体を20分間撹拌する。水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機相を合わせて、飽和NaCl溶液(1×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、次に減圧下で濃縮し、淡黄色固体を得る。この液体をヘキサンから再結晶して、[3,5−ビス(パーフルオロブチル]フェニルメタノール(12.95g、29.3mmol、92%、液体)を得る。
1H NMR(CDCl
3、300MHz) :δ(ppm)=4.88(s、2H)、7.70(br. s、1H)、7.82(br. s、2H)。
【0113】
実施例5:フェノールタイプのフッ素化ASMを含む組成物:様々なCEMを有する3TFMPhOH
3−(トリフルオロメチル)フェノールはAlfaAesarから購入され、98+%の純度を有する。それは、そのまま使用された。
ジベンゾ−18−クラウン−6はTCI Chemicalsから購入され、>99%の純度を有する。それは、そのまま使用された。
【0114】
次に、3mLの3−(トリフルオロメチル)フェノールを、217mgのジベンゾ−18−クラウン−6を加えて0.2モル/LのDB18C6を有する処方を得た。次に、この密封された処方を、1mLの蒸留水を2回加えた後、一晩500rpmで撹拌して、全体の水飽和を可能にした。
【0115】
翌朝、0.2mol/LのNaCl水溶液を2回蒸留水から調製し、一方、一晩撹拌された処方は、デカンテーションのために放置した。2つの無色相の透明なデカンテーションが数分で得られる。次に、3mLの有機抽出溶液を除去し、0.2MのNaClを含む3mLのこの塩水を含むフラスコに移し、次にフラスコを密閉し、3時間、室温で、軌道変化で撹拌する(通常500rpm)。1〜2mmの液滴が、選択された撹拌速度(400〜900rpm)で、たくさん存在することが確認される。
【0116】
2時間撹拌後、撹拌を停止し、2つの相が完全に分離されるまで、全部を少なくとも10分間デカンテーションのために静置する。次に、上の水相を除去し、次に適切なカチオン分析カラムおよび適切なアニオン分析カラムを組み込んだメトロノーム・イオン・クロマトグラフィー(Metrohm Ion Chromatography)によってその塩分濃度を分析するために、撹拌し、希釈する。同様に、0.2MのNaClの最初の水溶液も、このイオンクロマトグラフィー装置によって分析され、ナトリウムおよび塩化物のその相対濃度を決定する。
【0117】
結果
【表10】
【0118】
この組成物は、水に存在するNaClの3分の1よりもわずかに多い等量および周囲温度で、直接接触によって、抽出することができる。また、ナトリウムの抽出分子の3分の1よりもわずかに大きいものが、錯体化された形態である。したがって、ASMの存在のおかげで、我々は、我々が、ジクロロメタンによるこのASMの置換によって1.6%抽出を超えない34.6%抽出を観察する。
【0119】
DB18C6について上記のように同じ手順を、実施例1で記載される他のCEMに適用した。クロマトグラフィー分析の結果は、以下の通りである:
【表11】
【0120】
これらの結果は、NaClの抽出速度が、Na+カチオンについて、CEMの、すなわち抽出剤の親和性に強く依存することを示す。
事実、25℃でメタノール中、ナトリウムに対するこれらのCEM抽出剤の全ての公表された錯化定数を考慮すると、最初の部分で線形相関が観察され、次に驚くべきことに、水中のナトリウムに対するCEMの親和性が、LogKが1を超える瞬間により強く成長する。さらに、この同じ傾向は、KClまたはNa
2SO4の抽出においても得られる。
【表12】
【0121】
DB24C8のみが、この規則に準拠していない。説明は、このクラウンエーテルのいずれかが非常に広いとう事実から来ることができる。実際に、2つのNa+カチオンの吸収は、すでにこれらの大員環について観察されている。しかしながら、このDB24C8化合物について2.25の錯化定数は、1つみのカチオンが錯化される場合に対応することができる。DB24C8について公表されたものの2倍高い錯化定数(すなわち4.5)は、次に前述の相関を元に戻す。したがって、CEMは、同時に以下を示す:
25℃での水中で、1以上の錯化定数、および
25℃でエタノール中で、4以上、好ましくは、4.75より大きい錯化定数は、特に、NaCl、KClまたはNa
2SO
4などの塩について、イオン抽出の特に高いレベルを有することを可能にする。
【0122】
実施例6:メタノール性フェニルタイプのフッ化ASM(ASM2および5)またはCEMとこれらの化合物(ASM4および7)の混合物を含む組成物:カリックス[4]エステル
実施例6A:NaClの抽出のための組成物ASM2/カリックス[4]エステル
化合物ASM2をFluorochemから購入し(97%純度)、そのまま使用した。
組成物ASM2/カリックス[4]エステルを、前の実施例5に記載される同様のプロトコルに従って調製し、試験し、分析する。
【0123】
組成物ASM2/カリックス[4]エステルの結果:
【表13】
【0124】
実施例6B:NaCl抽出のための組成物ASM4/カリックス[4]エステル
ASM4は、ASM2およびASM3の混合物(常温正常気圧条件下で固体)である。30.4mLのASMを12.16mLのASM2を26.14gのASM3に加えることによって処方した。ASM2を撹拌し溶解した後、6.04gのカリックス[4]エステルを加えて、40℃までわずかに加熱することによって迅速に可溶化する。処方の膨張が、カリックス[4]エステルの可溶化および水中での飽和後に観察される。これらの組成物を、実施例5で記載されるものと同じ手順に従って試験し、分析した。
【0125】
組成物ASM4/カリックス[4]エステルの結果:
【表14】
【0126】
この特定の例は、78.9%の平均抽出性能を与えるために第2の時間を再現し、よって一貫していた。
アルコール官能基のメタ位で第2のトリフルオロメチルの存在は、アニオンのより良い溶媒和を可能にすることによってNaClの抽出に対する非常に好ましい効果を有する。
【0127】
図1のグラフは、様々な塩分濃度の塩水(NaCl)および周囲温度から80℃の範囲の様々な温度および等容量の水/(ASM4/カリックス[4]エステル)組成物についてASM4およびカリックス4エステル組成物(0.4M)によって得られる抽出速度を表す。
【0128】
抽出性能は、非常に顕著であり、NaCl抽出速度は、最低濃度に対して90%〜最高濃度に対して15%の範囲であり、すべてが20℃と比べて60℃で約3分の1の抽出速度の減少を有する等容量の水/溶媒である。
【0129】
このASM4/カリックス[4]エステル組成物について、発生したエンタルピー相互作用は、33kJ/モルの置換塩のであることがこれらの結果を介して計算される。したがって、水1L当たり36gのNaCl(標準的な海水濃度)の置換のために、脱塩水の21kJ/kgのみの基本エネルギーが必要とされる。水の蒸発の潜熱は、75℃で2319kJ/kgであり、本発明に係る方法の実施中に消費されるエネルギーは、水の蒸発に必要なエネルギーの100倍未満である。
【0130】
図2のグラフは、様々な濃度の塩水の抽出下である場合、CEMの濃度の関数(ダイアモンド:0.2M、丸:0.4Mおよび三角0.8M)として、NaClとのCEM、カリックス[4]エステルの負荷速度を示す。海水の典型的な塩分濃度(0.6M)に近い塩水について抽出/吸収段階の最後に最適な負荷速度(100%い近い)を得るために、カリックス[4]エステルの0.2Mと0.4Mの間の濃度が好ましい。
【0131】
実施例6C:Na2SO4の抽出について組成物ASM4/カッリクス[4]:
Na
2SO
4の抽出をまた、カリックス[4]エステルの様々な濃度(三角0.2M,ダイアモンド:0.4Mおよび0.8Mあたり)について先に記載される組成物ASM4/カリックス[4]エステルを用いて実施した。
図3のグラフは、上記のプロトコルに従って異なるNa
2SO
4濃度の水について得られているこの塩の抽出速度を表す。より高い濃度のCEMは、Na
2SO
4の改善された抽出を可能にするようである。
硫酸塩は、最も親水性アニオンに属するが、我々は、試験された全ての濃度にわたって、これらの塩の良好な抽出を再度観察する。
【0132】
実施例6D:NaClの抽出について組成物ASM5/カリックス[4]エステル:
ASM5化合物を、実施例3に記載される方法に従って合成し、そのまま使用した。
ASM5/カリックス[4]エステル組成物は、この処方のより高い粘度のために、使用される軌道の撹拌が900rpmであったことを除いて、実施例5に記載されるものと同じプロトコルに従って、調製され、試験され、分析される。
【0133】
組成物ASM5/カリックス[4]エステルの結果:
【表15】
【0134】
ASM2と比較した場合にわずかに低いNaCl抽出速度が、得られるが、水への溶解度がはるかいに低い生成物である(<0.77対32mモル/L)。
【0135】
実施例6E:NaClの抽出について組成物ASM7/カリックス[4]エステル:
ASM7は、70%ASM5と30%ASM6v/vの混合物である。それは、接触される化合物の質量の再計算後、ASM4と同じプロセスで得られた。
これらの組成物を、実施例5に記載のものと同じ手順に従って、合成し、処方し、試験し、および分析した。
【0136】
組成物ASM7/カリックス[4]エステルの結果:
【表16】
【0137】
ASM4と比較した場合にわずかに低いレベルのNaCl抽出が、得られるが、かなりより低い水溶解度を有する生成物である(<0.07対15mモル/L)
【0138】
実施例7 方法および装置
本発明に係る方法を実施することを可能にする本発明に係る装置の例を、
図4および5に示す。この例は、両方の液体相において、イオンの高温脱抽出/吸収システムに関連するイオンの低温抽出/吸収のためのシステムに関する。
図5は、各ステップにおける液体の温度および装置の各フローの表示を含む。
図6は、それぞれの識別されたフローにおける各イオン種の濃度並びに処理される水が海水の場合、これらの総塩分濃度、密度、温度およびフローの流速を示す表である。
【0139】
反応器
装置は、有機相および水相の混合および液体のデカンテーションを可能にする第1の反応器(7)および第2の反応(9)を含む。この混合は、2つの相の間の接触、したがって、イオンの交換を可能にする。接触がより親密なほど、イオンの交換がより重要である。
そのような反応器(7)および(9)は、液体−液体抽出/吸収重力カラム(
図4に示すように、反応器(7)および(9)が、有利には、同様の構造である)を含み得る。あるいは、反応器(7)および/または反応器(9)は、ミキサー−セトラーおよび/または遠心分離抽出機/セトラーから選択され得る。
【0140】
したがって、これらの反応器(7)および(9)は、ミキサーが軸方向流または放射状流および多かれ少なかれ剪断を伴う乱流作用によってよりよいポンピング作用を保証することを可能にする撹拌手段(例えば、少なくとも1つの撹拌器)を含むことができる。
これらの撹拌手段は、プロペラまたは他の回転要素などの移動要素を剪断および/または乱気のために統合する。それらはまた、例えば、遠心分離セッターを含む遠心分離手段および/または遠心分離機を含み得る。
代替的または累積的に、それらは、液体の進行に反対するストップとして作用し、反応器内に存在する液体の乱れおよび/または剪断をもたらす反応器内側の構造化または非構造化パッキンが存在するなど、静的剪断手段を含み得る。
【0141】
方法:水処理
したがって、
図4および5で示される例において、吸収カラム(7)は、本発明に係る疎水性有機液相の混合を可能にし、処理される水および生成された塩水よりも高い密度を有するように選択される。
【0142】
したがって、反応器がカラムである場合、2つの液体相は、有利には、カラム(7)の垂直に対向する部分に導入され、そこで単純な重力効果によって互いに逆循環する。より高密度の相の導入を可能にする開口は、有利には、カラム(7)の上部に位置するが、カラム(7)の上端によって構成される沈降ゾーンの下である。同様に、密度の低い相の導入を可能にする開口は、有利には、カラム(7)の下端に位置するが、カラム(7)の下端を構成する沈降ゾーンの上である。
【0143】
上記のような撹拌手段は、有利には、2つの液相の親密な混合を可能にするために、反応器(7)に含まれる。
【0144】
処理される生理食塩水(1)は、有利には、海水であり、例えば、ポンプにより、水に溶解したイオンが全部または一部有機相に移行するカラム(7)に導入される、すなわち、この特定の場合に、カリックス[4]エステルは、ASM6で0.3Mのレベルで溶解した。したがって、水と混合しない有機相は、移行されるイオンの少なくともいくつかに対して高い親和性を有するイオン溶媒和分子を含む。この特定の例について、カラムの頂部で導入されるイオン(10)で充填されていない有機相が、処理される水(1)よりも密度が高い場合、非荷電有機相(10)は、カラムの下に流れ、処理される生理食塩水(1)から抽出されるイオンで充填されて、合一後のデカンテーションによって蓄積するカラム(7)の下端に到達させる。逆に、カラム(7)の下部に注入される処理される水(1)は、そのイオンを沈降する有機相に徐々に移行させながら、処理された水(2)または脱塩水としてカラム(7)の上端に到達する間に、差密度(アルキメデス原理)によって逆流する。この処理された水は、全体的または部分的に、脱塩および/または脱イオンされる、すなわち、塩および/またはイオンの全てまたは少なくともいくつかを失っており、反応器(7)への通過前に溶解する。例えば、この水は、脱塩素化または脱炭酸される。
【0145】
方法:有機相を加熱する
次に、イオンで荷電された有機相(11)を、反応器(7)で前のステップで処理される水(1)から抽出されたイオンから放電される帯電した有機相(11)を可能にするために十分な温度(
図5参照)に加熱されるために、第1の熱交換器(14)にポンプでくみ上げられる。次に、荷電され、加熱された有機相(12)は、高温処理された水(4)と接触させるために、第2の反応器(9)の上部に導入される。
【0146】
第2の反応器
反応器が、この例のように、カラムである場合に先に記載したように、2つの液体相は、有利には、カラム(9)の垂直に対向する部分に導入され、よって、単純な重力効果によって互いに逆循環する。より高密度の相の導入を可能にする開口は、有利には、カラム(9)の上部に位置するが、このカラム(9)の上端によって構成される沈降ゾーンより下である。同様に、より密度の低い相の導入を可能にする開口は、有利には、カラム(9)の下部に位置するが、このカラム(9)の下部端を構成する沈降ゾーンよりも上である。
上記の撹拌手段は、2つの液体相の密接な混合を可能にするために、反応器(9)に含まれる。
【0147】
方法:有機相再循環
高温処理された水(4)は、有利には、反応器(7)でのその処理の終わりに得られる処理された水(2)およびその中で加熱される第2の熱交換器(8)にパイプ(3)によって導かれる部分から来る。処理された水(15)の他の部分が、使用され得る。
【0148】
したがって、この高温処理された液体水(4)は、カラム(9)の下部に注入され、充填された高温の有機液体相(12)と混合される。この高温液体水(4)は、降下する有機相の温度によって徐々に荷電されながら、示差密度(アルキメデスの原理)で上昇し、イオン荷電水(5)としてカラム(9)の上端に到達する。このイオン荷電水(5)は、好ましくは、処理される水(1)中に存在するイオン濃度よりも高いイオン濃度を有し、次に、塩水(または濃縮物)として言及される。この塩水または濃縮物(5)は、沈降後に排気され、塩水(6)として冷却されるために、熱交換器(8)に導かれる。カラム(9)の頂部に到達する荷電された有機相(12)は、高温再生水(4)よりも密度が高く、荷電された高温有機相(12)は、合流後に沈降することによって蓄積するカラム(9)の下端に到達する高温液体処理された水(4)にその抽出されたイオンを徐々に移行する間、カラム(9)を下降する。次に、カラム(9)で抽出される塩(またはイオン)を高温再生水(4)に移あれるこの再生された有機相(13)は、その中に導入されるために、熱交換器(14)を通過することによって冷却され(例えばポンプによって)第1の反応器(7)の上部に導入され、したがって、非荷電有機相(10)を再循環される。
【0149】
有機相および操作温度
本発明に係る方法および装置において、第1および第2の反応器(7)および(9)の媒体の温度を制御することは、その最適な操作を保証する上で重要な要素である。また、温度制御手段は、有利には、後者の温度を制御し、場合によっては、変更するために、本発明に係る装置に含まれる。これらは、温度測定手段(温度計など)および/または加熱手段(例えば、熱源)または冷却手段(例えば、冷却器)を含み得る。
【0150】
図4に記載される特定の例において、そのような手段は、有利には、以下の部分を処分または形成し得る:
1 第1の反応器(7)に処理される水(1)を供給するパイプ、
2 熱交換器(14)から第2の反応器(9)に高温のイオン荷電有機相(12)を供給するパイプ、
3 熱交換器(8)から第2の反応器(9)への高温再生水(4)を供給するパイプ、および/または
4 熱交換器(14)から第1の反応器(7)に再生された有機相(10)を供給するパイプ。
【0151】
上記の第2または第3の場合において、制御手段は、有利には、加熱手段を含む。上記第4の場合において、制御手段は、有利には、冷却手段を含み得る。
したがって、本発明に係る方法は、非水混和性有機相の抽出/イオン吸収のための固有の性質による処理される水よりも塩(イオン)でより濃縮される塩水を得ることを可能にし、これは、考えられる操作温度に依存する。
【0152】
実施例8
実施例7に記載される装置およびプロセスの変形を、
図7に示す。この変形において、非水混和性有機相は、処理される水および生成される塩水よりも密度が低い。
図7は、
図4で使用されるのと同じ番号付けを示す。この変形において、カラムは、逆の流れ(「ヘッドダウン」)で操作する。熱交換器の左側には低温セクションがあり、熱交換器(8)および(14)の右側には高温セクションがある。したがって、この装置の要素は、
図4および実子例7を参照して記載される通りである。
【0153】
実施例9
本発明に係る装置の別の変形は、
図8に部分的に示される。この装置において、カラム(7)および(9)のそれぞれは、ローター/ステーターミキサー(20)とプロペラおよび沈降タンク(30)との組み合わせによって置換される。これらの組み合わせのそれぞれは、抽出/脱抽出ユニットを形成し、これは、吸収または再生ステップの連続を実施するために直列に接続されることができる。海水を脱塩し、ナトリウムの99%超えが抽出される水を得るために必要なステップの数は、一般的には、少なくとも3、好ましくは4または5段階である。
【0154】
実施例10:化合物ASMC7、ASMC9、ASMC11およびASMC13の合成
合成図
【化26】
R=n−C
7H
15(ASMC7)、n−C
9H
19(ASMC9)、n−C
11H
23(ASMC11)、n−C
13H
27(ASMC13)。
【0155】
プロトコール
3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(8.79mL、56.29mmol、1.0当量)、ジクロロメタン(40mL)およびトリエチルアミン(8.63mL、61.92mmol、1.1当量)の溶液に、撹拌下で、酸塩化物(56.29mmol、1.0当量)を滴下で加えた。温度は、添加中に制御され、38℃(ジクロロメタンの沸点)を超えてはならない。反応混合物を、室温で5時間撹拌する。1M HClの溶液(50mL)を加え、次に、有機相を洗浄する。連続的な洗浄を、1M HCl溶液(50mL)および飽和NaCl溶液(50mL)で実施する。有機相を、Na
2SO
4上で乾燥、ろ過し、次にその溶媒を、減圧下で蒸発させる。次に、固体残渣を、石油エーテル(冷または室温で)に溶解し、洗浄し、ろ過し、次に、真空下で乾燥させて、所望のアミドを得る。使用される石油エーテルは、n−ペンタンを主成分とする炭化水素とVWRからのCAS番号64742−49−0を有する2−メチルペンタンの混合物であり、これは油エーテル40−60℃GPR RECTAPURの名称で販売されている。得られた化合物は、以下の特徴を有する:
【表17】
【0156】
化合物ASMC7、ASMC9、ASMC11およびASMC13は、それぞれIUPAC名N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]オクタンアミド、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]デカンアミド、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ドデカンアミド、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]テトラデカンアミドを有し、NMR分光法によってさらに同定される。
図9は、ASMC11化合物のNMRスペクトル(CDCl
3、300MHz)を示し、そのピークは以下の通りである:1 H NMR(CDCl
3、300 MHz): δ(ppm)= 0.87(t、3J = 7.0Hz, 3H) 、1.20−1.35 (m、20H)、1.73 (quint. 、3J=7.0Hz、2H) 、2.40(t、3J=7.0Hz、2H)、7.58(s、1H)、7.77(bs、1H)、8.04(s、2H)。
【0157】
実施例11:流動化剤(クロロホルムCHCl
3)の存在下でアミドファミリーのASMおよびカリックス[4]エステルのCEMを含む処方による水性溶液からの塩化ナトリウムの抽出および他のASMおよび化合物との比較。
使用されたアミドファミリーのASMは、化合物ASMC7、ASMC9、ASMC11およびASMC13であり、その合成は、実施例10に記載される。比較のために、ASM3および3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリン(CAS番号328−74−5)は、抽出組成物の調製でも使用されている。
【0158】
抽出組成物は、クロロホルムCHCl
3中で4−tert−ブチルカリックス[4]アレーンテトラエチルエステル(CAS番号97600−30−0)およびASMの量を溶解することによって得られ、それぞれ、カリックス[4]エステルについて0.3モル/LのCEMおよびASM並びにASMについて0.3モル/Lの溶解後の最終濃度を得る。次に、これらの密封された処方を、等容量の2倍の蒸留水を加えた後、2時間、500rpmで旋回させて撹拌し全体処方の水飽和およびpH出力の制御(pH=7)を可能にした。次に、抽出組成物を放置して沈殿される。試験された全ての組成物は、安定であり、迅速にデカントされる(最大で数分)。
【0159】
0.4モル/LのNaCl水溶液を2回の蒸留水から調製した。
次に、有機抽出組成物をわずかに加熱して、熱い空気銃(約50〜60℃の温度)で透明な溶液が得られるまで数秒間(10〜30秒)可溶化を促進する。
【0160】
次に、3mLの有機抽出組成物を沈降した2相混合物の下相から除去し、0.4MのNaClで3mLの塩水を含有するバイアルに移し、次に、フラスコを密封し、室温(RT)、すなわち、20と25℃の間で2時間、軌道変化で(500回転/分で)撹拌する。60℃での抽出の場合、加熱プレート上の金型で間接的に加熱しながら、磁気撹拌(500回転/分で)を2時間、行う。撹拌の終わりに2つの液体相の間のNaCl分布の平衡を達成することを確実にするために、これらの撹拌中に、1〜2mm程度の液滴が存在することが確認されている。有機相および水相の外観は、透明および無色またはわずかに濁っている。
【0161】
2時間撹拌後、撹拌を停止し、溶液を10分間、少なくとも2相が完全に分離するまで、試験の温度で静置する。次に、上の水相を除去し、次に、適切なカチオン分析カラムおよび適切なアニオン分析カラムを組み込んだメトローム・イオン・クロマトグラフによってその塩分濃度を分析のために撹拌および希釈する。同様に、0.4MでNaClの初期水溶液も、ナトリウムおよび塩化物中のその相対モル濃度を決定するためにこのイオンクロマトグラフによって分析される。全ての抽出と分析が2回された。以下の表は、ASMおよびCEMの等モル分布について観察された結果を示す:
【表18】
【化27】
【0162】
したがって、塩化ナトリウムのモル抽出の平均結果は、以下の表に要約することができる:
【表19】
【0163】
したがって、一方では、本発明に係るアミドファミリーのアニオン性溶媒和剤(ASMC7−13)は、アルコールファミリー(ASM3)のアニオン性溶媒和剤よりもより活性であると思われる。特に、それらは、周囲温度で、効率的な補足およびより高い温度であるが十分に低い(特に150℃未満で)イオン種の十分な放出を可能にする。また、アミンバージョンのアニリンF
*は、同一濃度のアルコールよりも活性が低いと思われる。しかしながら、これらの化合物は、2モル/Lより高いそのASM濃度を単に増加させることによって、本発明に係る抽出組成物で使用されることができる(実施例6参照)。
【0164】
アミド官能基のアルキル鎖が、C
7H
15〜C
13H
27で拡張される場合、アミドのこの過剰活性は、また維持され、これは、アニオン性溶媒和剤のこのファミリーの良好な水不溶性を保証することを可能にする。
【0165】
実施例12:流動化剤(CHl
3)の存在下での一定濃度で、4つの異なる濃度のアミドファミリーからのASMC7およびCEMカリックス[4]エステルを含む処方による水性溶液からの塩化ナトリウムの抽出および関連する抽出性能の比較
4つの抽出組成物は、一定量の4−tert−ブチルカリックス[4]アレーンテトラエチルエステル(CAS番号97600−39−0)およびクロロホルムCHCl
3中のASMC7の4つの増加量を溶解することによって得られ、CEMおよびASMの溶解後の4つの最終濃度、それぞれカリックス[4]エステルについて0.34〜0.36モル/L、ASMC7について0.36 モル/L、0.71モル/L、1.09モル/Lおよび1.49モル/Lを得た。次に、これらの4つの密封された処方が、2倍の蒸留水の等体積を加えた後、2時間、500rpmで、軌道変化で撹拌して、全体処方の水飽和および出力におけるpHの制御(pH=7)を可能にした。次に、抽出組成物を沈降のために静置する。試験される全ての組成物は安定で迅速にデカントされる(最大で数分)。
【0166】
0.3モル/LのNaCl水溶液を2回蒸留水から調製した。
次に、3mlの各有機抽出組成物が、沈降された2相混合物の下相で除去され、それぞれ0.3M NaClで3mlの塩水を含む4つのバイアルに移し、次にフラスコを密封し、室温(RT)で、すなわち20と25℃の間で、2時間、軌道変化で撹拌する(500回転/分で)。60℃で抽出の場合、磁気撹拌(500回転/分で)を、2時間、加熱プレート上の金型で間接的に加熱しながら実施する。1〜2mm程度の液滴が、撹拌の終了時に、2つの液体相の間のNaCl分布において平衡に到達することを確実にするために、これらの撹拌の間に存在することが確認されている。有機相および水相の外観は、試験されたこれらの4処方について、透明および無色である。
【0167】
2時間の撹拌後、撹拌を停止し、溶液を、少なくとも2つの相が完全に分離するまで、試験温度で、10分以内で沈殿のために静置する。次に、4つの上部水相を別々に採取し、次に、適切なカチオン分析カラムおよび適切なアニオン分析カラムを組み込んだメトローム・イオン・クロマトグラフによって、それらの塩分濃度の分析のために撹拌され、希釈される。同様に、0.3M NaClの初期水溶液はまた、このイオンクロマトグラフによって分析され、ナトリウムおよび塩化物のその相対モル濃度を決定する。全ての抽出および分析を繰りかえした。以下の表は、ASMとCEMの間の4つのモル分布について観察された結果を示す:
【表20】
【0168】
したがって、塩化ナトリウムの抽出の平均結果は、以下の表に要約されることができる:
【表21】
【0169】
それは、周囲温度または60℃で、ASMC7の相対濃度の増加を有するNaCl抽出速度の規則的でほぼ直線的な上昇と思われ、良好なNaCl抽出を可能にする塩化物アニオンASMのポリ溶媒和の重要性を示す。また、全てのCEMが0.3M NaCl初期塩分濃度のために使用されるわけではなく、より高い塩分濃度のための余分な抽出が残っていることにも留意すべきである。
【0170】
本発明は、提示された態様に限定されず、他の態様は、当業者に明らかになるだろう。特に、天然または工業用の塩水の多くの供給源から水をアップグレードするこの方法を使用することを可能にする。再生温度を上げることによって塩再濃縮を可能にするために、または例えば、特定の経済的価値を有するまたはスケール形成を促進する特定の塩を選択的に抽出するために、この方法を採用することも可能である。また、特定の改善を伴って、この方法は、自然環境中への塩水排出に関連する環境影響を制限するために、プロセス水の生成のための生成された水または工業用水を処理することが可能だろう。
【0171】
本発明はまた、カチオンおよびアニオン;それらの関連する対イオンの抽出を可能にするために、いくつかのECMは、ASM、ASM(複数)またはASMと流動化剤の混合物またはASM(複数)と流動化剤の混合物に溶解されるだろう態様を組み込み得る。