特許第6967424号(P6967424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967424
(24)【登録日】2021年10月27日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20211108BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20211108BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   G02B7/02 F
   G02B7/02 Z
   G03B17/02
   H04N5/225 100
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-209257(P2017-209257)
(22)【出願日】2017年10月30日
(65)【公開番号】特開2019-82546(P2019-82546A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2020年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】万代 晴彦
【審査官】 ▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0298968(US,A1)
【文献】 特開2008−258813(JP,A)
【文献】 特開2011−244162(JP,A)
【文献】 特開2015−201685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02−7/16
H04N 5/222−5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子を搭載する基板と、
レンズを保持するレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒を保持し、前記基板と連結されたホルダと、
前記基板と前記ホルダとの間に、前記撮像素子を覆うよう配置された弾性部材と、
前記ホルダと前記基板とを所定間隔を空けた状態で連結する連結ねじと、を備え、
前記弾性部材は、前記基板及び前記ホルダに対して光軸方向の付勢力を与え、
前記連結ねじの軸部の周りには、前記軸部に接触せず、前記ホルダと前記基板との間の前記所定間隔を隙間なく充填する接着剤が設けられる、
撮像装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記撮像素子の周辺空間を密封する、
請求項に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記撮像素子の周辺を覆うよう形成された矩形状の部分と、前記レンズ鏡筒に径嵌合する円筒状部分とを有する、
請求項1または請求項2に記載の撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、撮像装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ鏡筒と、撮像素子を搭載した基板を有する撮像装置では、撮像素子に対してレンズ鏡筒の位置を調整し、光軸を調整する必要がある。光軸調整には、光軸方向における撮像素子とレンズとの距離の調整(ピント調整)、光軸に垂直な方向における撮像素子とレンズとの相対位置の調整(シフト調整)、及び撮像素子とレンズとの間の傾きの調整(チルト調整)などがある。特許文献1〜4には、光軸調整を精度良く行うための従来の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−94731号公報
【特許文献2】特開2006−308987号公報
【特許文献3】特開2012−49621号公報
【特許文献4】特開2016−27360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、カメラなどの撮像装置の小型化や高精度化に伴い、従来よりも高い精度で光軸調整を行い、撮像装置を組み立てた後にも光軸がずれない構成にすることに対する要求が高まっている。これに対し、従来の構成では、撮像装置の組み立てに利用した接着剤が高温により膨張した場合に、光軸がずれてしまう場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題などを解決するために次のような手段を採る。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために図面中の符号等を括弧書きで付記するが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0006】
本発明の一の手段は、
撮像素子を搭載する基板(4)と、
レンズを保持するレンズ鏡筒(2)と、
前記レンズ鏡筒を保持し、前記基板と連結されたホルダ(1)と、
前記基板と前記ホルダとの間に、前記撮像素子を覆うよう配置された弾性部材(8)と、を備える、
撮像装置である。
【0007】
上記構成の撮像装置では、弾性部材を配置することで、ホルダと基板との位置を安定させつつ、撮像素子の近傍に塵埃が入り込むことを抑制することができる。これによって、光軸のずれを抑制するとともに、撮像素子に塵埃が付着することで発生する撮像画像の劣化を抑制することができる。
【0008】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記弾性部材は、前記基板及び前記ホルダに対して光軸方向の付勢力を与える。
【0009】
上記構成の撮像装置によれば、例えば、ホルダと基板との間に塗布した接着剤が温度または湿度により収縮したとしても、ホルダと基板との間の光軸方向の位置を安定させることが可能となる。
【0010】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記弾性部材は、前記撮像素子の周辺空間を密封する。
【0011】
上記構成の撮像装置によれば、塵埃が撮像素子の周辺に入り込んで撮像素子に塵埃が付着することをより効果的に抑制することができる。これにより、撮像画像の劣化をより効果的に抑制することができる。
【0012】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記弾性部材は、前記撮像素子の周辺を覆うよう形成された矩形状部分と、前記レンズ鏡筒に径嵌合する円筒状部分とを有する。
【0013】
上記構成の撮像装置によれば、撮像素子の周辺を適切に覆いつつ、レンズ鏡筒と弾性部材との間に隙間が発生することを防止することができ、より効果的に、撮像素子の周辺空間を密封した構成にすることができる。
【0014】
また、本発明の一の手段は、
撮像素子を搭載する基板(4)と、
レンズを保持するレンズ鏡筒(2)と、
前記レンズ鏡筒を保持し、前記基板と連結されたホルダ(1)と、
前記基板と前記ホルダとの間に、前記撮像素子を覆うよう配置されたカバー部材(8)と、を備える、
撮像装置である。
【0015】
上記構成の撮像装置では、カバー部材によって、撮像素子の近傍に塵埃が入り込むことを抑制することができる。これによって、撮像素子に塵埃が付着することで発生する撮像画像の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、撮像装置の外観斜視図である。
図2図2は、光軸方向前方から見た撮像装置の分解斜視図である。
図3図3は、光軸方向後方から見た撮像装置の分解斜視図である。
図4図4は、光軸方向前方から見た撮像装置の平面図である。
図5図5は、図4のJ−Jの位置における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の撮像装置は、光軸ずれを抑制するために、基板とホルダとの間に、基板上の撮像素子を覆うように弾性シール部材(弾性部材)を配置している構成に特徴のひとつがある。以下、具体的な実施形態について説明する。
【0018】
なお、本明細書では、レンズの中心位置であって、撮像素子に入射する光の中心位置を「光軸」と称する。レンズに対して撮像素子とは反対側に位置する撮像対象を「被写体」と称する。レンズに対して被写体が位置する方向を、「光軸方向前方」または「フロント側」と称することがある。レンズに対して撮像素子が位置する方向を、「光軸方向後方」または「リア側」と称することがある。また、各図には、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸を示している。Z軸は、光軸の延びる方向と平行な方向である。
【0019】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.実施形態
2.補足事項
【0020】
<1.実施形態>
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態の撮像装置を光軸方向前方側から見た外観斜視図である。図2及び図3は、本実施形態の撮像装置の分解斜視図であり、図2は光軸方向前方から見た図、図3は光軸方向後方から見た図である。図4は、本実施形態の撮像装置の光軸方向前方から見た平面図である。図5図4のJ−Jの位置における断面図である。
【0021】
図示されるように、本実施形態の撮像装置は、ホルダ1、レンズ鏡筒2、基板4、及び弾性シール部材8を含んで構成される。また、これらの構成を連結させたり固定させたりするために、接着剤3a及び3b、連結ねじ6及び7、並びに固定具5が用いられている。
【0022】
<ホルダ1>
ホルダ1は、レンズ鏡筒2を保持し、基板4に連結される。ホルダ1は、光軸方向前方に、円筒状に貫通するよう形成された開口部1aを有しており、この開口部1aの径方向内側に、レンズ鏡筒2が光軸方向前方から挿入され、保持される。ホルダ1とレンズ鏡筒2とは、ねじ嵌合などにより径嵌合している。なお、ホルダ1とレンズ鏡筒2とは、ねじ嵌合でなく単なる径嵌合であり、接着剤等で位置固定されていてもよい。
【0023】
ホルダ1の光軸方向後方の3箇所には、接着剤3aが配置される。図2及び図3に示された接着剤3aは、硬化して組み立てられた後の状態を示しており、円環状になっている。この円環状の接着剤3aの中心部(開口部)には、光軸方向後方から、基板4の貫通孔41に挿通された連結ねじ6が挿通される。連結ねじ6は、基板4及び接着剤3aを貫通し、ホルダ1の光軸方向後方の面に形成されたねじ孔1cに挿入される。連結ねじ6は、頭部6aと軸部6bとを有する。ねじ孔1cの内側にはねじ山が形成されており、連結ねじ6の軸部6bに形成されたねじ山とねじ嵌合している。連結ねじ6の頭部6aは、基板4の光軸方向後方の面に当接する。
【0024】
なお、連結ねじ6に代えて、ホルダ1に形成された、頭部を有さない円筒状のピンを有する構成としてもよい。この場合、組み立て時には、基板4から光軸方向後方の突出したピンの端部をかしめることで、ホルダ1と基板4とを連結する。このとき、かしめられたピンの頭部は、連結ねじ6の頭部6aと同様に基板4に接する状態となる。なお、このピン及びホルダ1が樹脂で形成されている場合には、ピンの頭部を加熱する熱カシメによりかしめてもよい。
【0025】
ホルダ1の光軸方向後方の面には、連結ねじ6が挿入されるねじ孔1c以外に、補助連結ねじ7が挿入されるねじ孔1dが形成されている。ねじ孔1dには、基板4の貫通孔42a及び42bを貫通した補助連結ねじ7が挿入される。補助連結ねじ7は、頭部7aと軸部7bとを有する。ねじ孔1dの内側にはねじ山が形成されており、補助連結ねじ7の軸部7bに形成されたねじ山とねじ嵌合している。補助連結ねじ7の頭部7aと基板4との間には、接着剤3bが配置される。
【0026】
ホルダ1は、光軸に垂直な方向(Y軸方向)に、固定具5が挿入される孔部1bを有する。この孔部1bは、図2及び図3などに示されるように、Y軸方向に延び、開口部1aの中心部に向かって貫通して形成されている。この孔部1bに挿入された固定具5は、ねじなどであって、レンズ鏡筒2をY軸方向に押圧することで、レンズ鏡筒2を開口部1aに向かって押し当て、レンズ鏡筒2の位置を固定する。固定具5とホルダ1とはねじ嵌合していてもよいし、接着剤等で固定されてもよいし、ねじ嵌合及び接着剤により固定されてもよい。
【0027】
<レンズ鏡筒2>
レンズ鏡筒2は、光軸方向に伸びる円筒状の部材であって、レンズ2aを含む1以上の光学部材を保持する。レンズ鏡筒2は、ホルダ1と径嵌合している。レンズ鏡筒2は、上記のように固定具5によってホルダ1に対して固定されている。
【0028】
レンズ鏡筒2に保持される光学部材には、レンズ2aの他に、レンズ、スペーサ、口径板、及び光学フィルタ(図示省略)などが含まれる。レンズ2aを含むレンズは、ガラスまたはプラスチック等の透過性を有する素材で形成され、光軸方向前方からの光を屈折させながら光軸方向後方に透過させる。スペーサは、光軸方向に適度な厚みを有する円板状の部材であり、各レンズの光軸方向の位置を調整する。スペーサは、光軸を含む中心部に開口部を有する。口径板は、通過する光の最外位置を決める。光学フィルタは、所定の波長の光を抑制または遮蔽する。光学フィルタは、例えば、通過する赤外線を抑制する赤外線カットフィルタなどが含まれる。これらの光学部材の種類及び数は、任意に変更可能である。
【0029】
<基板4>
基板4は、剛性を有するリジッド基板であって、撮像素子4aを含む電子部品が搭載される。撮像素子4aは、照射された光を電気信号に変換する光電変換素子であり、例えばC−MOSセンサやCCDなどであるが、これらに限定されるものではない。なお、撮像装置においては、撮像素子4a以外の撮像機能を要する撮像部を採用してもよい。
【0030】
基板4には、連結ねじ6及び補助連結ねじ7がそれぞれ挿入される、貫通孔41、42a及び42bを有する。連結ねじ6及び補助連結ねじ7は、貫通孔41、42a及び42bに光軸方向後方から挿入され、基板4を貫通してホルダ1のねじ孔1c及び1dに挿入される。このように、連結ねじ6及び補助連結ねじ7は、基板4とホルダ1とを連結する。貫通孔41及び42aは略円状であるが、貫通孔42bはX方向に延びた長孔状に形成されている。貫通孔42bが長孔状になっていることで、補助連結ねじ7の挿入位置を調整することが可能であり、これによってX方向の光軸調整が可能となっている。なお、補助連結ねじ7はホルダ1と基板4とを安定的かつ強固に固定するために補助的に用いられている連結具であり、本発明に必須の構成ではない。
【0031】
<接着剤3a>
接着剤3aは、上記のように、ホルダ1と基板4との間であって、連結ねじ6の軸部6bの周囲に配置される(図6参照)。接着剤3aは、硬化する前は液状、ゼリー状、またはシート状である。接着剤3aは、連結ねじ6の外周に接しないよう、外周から離間して配置される。光軸方向において、接着剤3aは、ホルダ1と基板4との間に隙間なく配置される。
【0032】
<接着剤3b>
接着剤3bは、上記のように、基板4と補助連結ねじ7の頭部7aとの間であって、補助連結ねじ7の軸部7bの周囲に配置される(図5参照)。接着剤3bは、補助連結ねじ7の軸部7bの外周に接するよう配置される。接着剤3bは、硬化する前は液状、ゼリー状、またはシート状である。接着剤3bは、配置されるときから円環状であってもよいし、配置後に補助連結ねじ7によって円環状に貫通されてもよい。接着剤3bは、基板4の貫通孔42a(または42b)に入り込むよう配置されている。これによって、ホルダ1に対して基板4が、光軸に垂直な方向(XY方向)に強固に固定される。光軸方向において、接着剤3bは、基板4と連結ねじ7の頭部7aとの間に隙間なく配置される。
【0033】
<弾性シール部材8>
図2図3、及び図5に示されるように、弾性シール部材8は、基板4とホルダ1との間に配置される。本実施形態の弾性シール部材8は、ゴムで形成される。弾性シール部材8は、矩形状部分8aと円筒状部分8bとを含んで構成される。
【0034】
矩形状部分8aは、断面が矩形状で光軸方向の延びる筒状になっており、撮像素子4aの四方を囲みつつ、撮像素子4aを覆うように配置される。矩形状部分8aの光軸方向後方の端部は、基板4の光軸方向前方の面に接する。
【0035】
円筒状部分8bは、断面が円環状で光軸方向に円筒状に延びる形状であって、レンズ鏡筒2の径方向外側に嵌合するよう形成される。円筒状部分8bとレンズ鏡筒2とは径嵌合しており、例えば、接着剤を用いて固定される。または、円筒状部分8bに対してレンズ鏡筒2が圧入されることで両者が結合されていてもよい。円筒状部分8bの光軸方向前方の端部は、ホルダ1の光軸方向後方の面に接する。
【0036】
弾性シール部材8は、基板4、レンズ鏡筒2、及びホルダ1との間で隙間が生じないよう配置されており、撮像素子4aの周辺の空間を密封している。
【0037】
弾性シール部材8は、上記のように、光軸方向後方が基板4に接し、光軸方向前方がホルダ1に接しており、基板4及びホルダ1に対して付勢力を与えている。より具体的には、弾性シール部材8は、基板4に対して光軸方向後方に向かって付勢力を与え、ホルダ1に対して光軸方向前方に向かって付勢力を与える。そのため、例えば、基板4とホルダ1との位置を固定するための接着剤3a及び3bが収縮した場合であっても、弾性シール部材8から基板4及びホルダ1に与えられる付勢力によって、基板4とホルダ1との位置が変化せずに安定する。なお、弾性シール部材8は、本発明の「弾性部材」、または「カバー部材」の一構成例である。弾性シール部材8は、ゴムに代えて、樹脂などの弾性部材で形成されてもよい。また、弾性シール部材8は、弾性部材に代えて、弾性を有さない部材に置き換えられてもよく、この場合であっても撮像素子4aに塵埃が付着することをある程度抑制することができる。
【0038】
<本実施形態の撮像装置の特徴>
このように、本実施形態の撮像装置では、基板4とホルダ1との間に弾性シール部材8を配置した構成としているため、ホルダと基板との位置を安定させつつ、撮像素子4aの近傍に塵埃が入り込むことを抑制することができる。これによって、基板4とホルダ1との位置ずれに伴う光軸のずれを抑制するとともに、撮像素子4aに塵埃が付着することで発生する撮像画像の劣化を抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態の撮像装置では、弾性シール部材8が、基板4及びホルダ1に対して光軸方向の付勢力を与える構成としているため、ホルダ1と基板4との間に配置した接着剤(例えば3aまたは3b)が温度または湿度により収縮したとしても、ホルダ1と基板4との間の光軸方向の位置を安定させることが可能となる。
【0040】
また、本実施形態の撮像装置では、弾性シール部材8が撮像素子4aの周辺空間を密封するよう配置された構成としているため、塵埃が撮像素子4aの周辺に入り込んで撮像素子4aに付着することを効果的に抑制することができる。これにより、撮像画像の劣化をより効果的に抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態の撮像装置では、弾性シール部材8が、矩形状部分8aと円筒状部分8bとを有する構成としているため、撮像素子4aの周辺を適切に覆いつつ、レンズ鏡筒2と弾性シール部材8との間に隙間が発生することを防止することができ、より効果的に、撮像素子4aの周辺空間を密封した構成にすることができる。
【0042】
<2.補足事項>
以上、本発明の実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明では、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【0043】
実施形態では、弾性シール部材8が矩形状部分8aと円筒状部分8bとを有する構成を例に挙げて説明しているが、弾性シール部材8は必ずしもこのような形状に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。例えば、弾性シール部材8は、全体が矩形の筒状または円筒状などの形状であってもよく、このような構成であっても一定の効果が得られる。
【0044】
実施形態では、ホルダ1と基板4とを連結する連結具として、連結ねじ6及び補助連結ねじ7が用いられていたが、これらは必ずしもねじである必要はなく、ねじ山を有さない連結具であってもよい。
【0045】
本発明の撮像装置は、特に高精度かつ安定的に光軸の調整を行う必要がある、自動車などに搭載される車載用の撮像装置として特に有用である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、車載用の撮像装置などとして好適に利用される。
【符号の説明】
【0047】
1…ホルダ
1a…開口部
1b…孔部
1c、1d…ねじ孔
2…レンズ鏡筒
2a…レンズ
3a、3b…接着剤
4…基板
4a…撮像素子
41、42a、42b…貫通孔
5…固定具
6…連結ねじ
6a…頭部
6b…軸部
7…補助連結ねじ
7a…頭部
7b…軸部
8…弾性シール部材
8a…矩形状部分
8b…円筒状部分
図1
図2
図3
図4
図5