特許第6967488号(P6967488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967488
(24)【登録日】2021年10月27日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】ペットフード用計量カップ
(51)【国際特許分類】
   G01F 19/00 20060101AFI20211108BHJP
   A01K 5/00 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   G01F19/00 B
   A01K5/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-104475(P2018-104475)
(22)【出願日】2018年5月31日
(65)【公開番号】特開2019-211221(P2019-211221A)
(43)【公開日】2019年12月12日
【審査請求日】2020年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】518117197
【氏名又は名称】Smile Japan合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】黒田 隆彦
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−105129(JP,U)
【文献】 特開昭62−022025(JP,A)
【文献】 実開昭51−071153(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3179879(JP,U)
【文献】 米国特許第06854419(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 19/00
A01K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部及び底端部が開口する筒壁部を有し、該筒壁部内周面に雌ねじ部が形成された円筒状のカップ本体と、該カップ本体の筒壁部内に配置され、外周面に該雌ねじ部に螺着可能な雄ねじ部が形成され、底部に摘まみ部が形成された底面部材とを備え、該カップ本体の筒壁部の上端部から底面部材の上面までの筒壁部の内周面に囲まれた内部空間をペットフードの計量収容部とされてなり、上記カップ本体の筒壁部に取手部が突設され、上記カップ本体の筒壁部内周面の底端部から中程部まで上記雌ねじ部が形成され、該筒壁部内周面の中程部から上端部まで雌ねじ部が無い平滑面をもつ無雌ねじ部に形成され、上記カップ本体の筒壁部に計量目盛を有しないことを特徴とするペットフード用計量カップ。
【請求項2】
上記カップ本体の筒壁部内周面の中程部に上記底面部材の上限位置を定める規制部を設けてなることを特徴とする請求項1記載のペットフード用計量カップ。
【請求項3】
上記カップ本体は不透明素材からなることを特徴とする請求項1又は2記載のペットフード用計量カップ。
【請求項4】
上記カップ本体は合成樹脂材からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のペットフード用計量カップ。
【請求項5】
上記カップ本体の筒壁部内周面の直径は40mm〜55mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のペットフード用計量カップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば犬や猫などの愛玩動物の飲食に供するペットフード用計量カップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のペットフード用計量カップとして、上端部及び底端部が開口する筒壁部を有し、筒壁部内周面に上端部から底端部までの全内周面に雌ねじ部が形成され、筒壁部に目盛が形成された円筒状のカップ本体と、カップ本体の筒壁部内に配置され、外周面に該雌ねじ部に螺着可能な雄ねじ部が形成され、底部に摘まみ部が形成された底面部材とを備え、カップ本体の筒壁部の上端部から底面部材の上面までの筒壁部の内周面に囲まれた内部空間をペットフードの計量収容部としてなる構造のものが知られている。
【0003】
しかして、上記カップ本体の全内周面に形成された雌ねじ部に上記底面部材の外周面に形成された雄ねじ部が螺着され、底面部材を摘まみ部をもって回動し、カップ本体の上端部と底面部材の上面との深さにより上記カップ本体の計量収容部の大きさを可変し、ペットフード自体のメーカー仕様、愛玩動物の種類や体重などに適合して定めた計量収容部内に粒状等のペットフードを収容し、計量収容部内の計量されたペットフードを給餌皿などに排出して愛玩動物の飲食に供することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭58−112928号公報
【特許文献2】特開2016−208954公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこれら従来構造の場合、カップ本体の筒壁部の上端部から底面部材の上面までの上記計量収容部の大きさの基準を示す深さ目盛が必要となり、深さ目盛は底面部材と共にカップ本体の外部から視認することになるから、カップ本体は透明材又は半透明材により製作されることになり、カップ本体のカラー化やデザイン化の際の制約が生ずることがあり、又、カップ本体の筒壁部内周面に上端部から底端部までの全内周面に雌ねじ部が形成された構造のため、粒状等のペットフードの粉などが雌ねじ部の内底部内に詰入し、ペットフードの計量精度の低下が生じたり、雌ねじ部の掃除が厄介となったり、底面部材の回動が困難となったり、ペットフードをカップ本体から給餌皿などに円滑に流出させることができないことがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、上端部及び底端部が開口する筒壁部を有し、該筒壁部内周面に雌ねじ部が形成された円筒状のカップ本体と、該カップ本体の筒壁部内に配置され、外周面に該雌ねじ部に螺着可能な雄ねじ部が形成され、底部に摘まみ部が形成された底面部材とを備え、該カップ本体の筒壁部の上端部から底面部材の上面までの筒壁部の内周面に囲まれた内部空間をペットフードの計量収容部とされてなり、上記カップ本体の筒壁部に取手部が突設され、上記カップ本体の筒壁部内周面の底端部から中程部まで上記雌ねじ部が形成され、該筒壁部内周面の中程部から上端部まで雌ねじ部が無い平滑面をもつ無雌ねじ部に形成され、上記カップ本体の筒壁部に計量目盛を有しないことを特徴とするペットフード用計量カップにある。
【0007】
又、請求項2記載の発明は、上記カップ本体の筒壁部内周面の中程部に上記底面部材の上限位置を定める規制部を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記カップ本体は不透明素材からなることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記カップ本体は合成樹脂材からなることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記カップ本体の筒壁部内周面の直径は40mm〜55mmであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、カップ本体の筒壁部内に配置された底面部材を摘まみ部をもって回動し、雌ねじ部と雄ねじ部との螺合により底面部材を上下動させ、底面部材の上下動により計量収容部内のペットフードの収納量を定めることができ、すなわち、カップ本体の筒壁部の上端部から底面部材の上面までの筒壁部の内周面に囲まれた内部空間によりペットフードの収納量が定まることになり、この際、上記カップ本体の筒壁部に取手部が突設されているので、計量収納部内に対するペットフードの掬い取り、ペットフードの給餌皿などへの排出及び携行などの取り扱いを円滑に行うことができ、かつ、上記カップ本体の筒壁部内周面の底端部から中程部まで上記雌ねじ部が形成され、筒壁部内周面の中程部から上端部まで雌ねじ部が無い平滑面をもつ無雌ねじ部に形成されているので、計量収納部内に対するペットフードの掬い取り、ペットフードの給餌皿などへの排出を一層円滑に行うことができると共に、筒壁部内周面に雌ねじ部が存在する場合に比べ、雌ねじ部の無い平滑面の存在により、雌ねじ部のねじ底部へのペットフードの粉や滓の詰入を防ぐこともでき、カップ本体の掃除を容易に行うことができ、さらに、上記カップ本体の筒壁部内周面の底端部から中程部まで上記雌ねじ部が形成され、中程部から上端部まで雌ねじ部が無い平滑面をもつ無雌ねじ部に形成され、底面部材の上限が定められ、計量収容部のペットフードの標準的収納量を定めることができ、計量収容部の標準的収納量よりも多く必要な場合には、上限位置から下降させることになり、その下降量は雌ねじ部の露呈寸法の目視で認識することができ、このため、上記カップ本体の筒壁部に計量目盛を有しない構造とすることにより、製作コストの低減を図ることができる。
【0009】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記カップ本体の筒壁部内周面の中程部に上記底面部材の上限位置を定める規制部が形成されているので、計量収納部の底面部材の上限位置を容易に定めることができ、上記中程部の深さにより定まる計量収容部のペットフードの標準的収納量を正確に定めることができ、計量精度を高めることができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記カップ本体は不透明素材から製作されているので、カップ本体のカラフル化やデザイン化の融通性を向上することができ、斬新なデザインを得ることができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記カップ本体は合成樹脂材から製作されているので、カップ本体のカラフル化やデザイン化の融通性を一層向上することができ、さらに、又、請求項5記載の発明にあっては、上記カップ本体の筒壁部内周面の直径(内径)は40mm〜55mmに形成されているから、内径が径小なカップ本体となって、計量誤差を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態例の全体斜視図である。
図2】本発明の実施の形態例の全体断面図である。
図3】本発明の実施の形態例の分解斜視図である。
図4】本発明の実施の形態例の平断面図である。
図5】本発明の実施の形態例の底面図である。
図6】本発明の実施の形態例の全体断面図である。
図7】本発明の実施の形態例の他の使用状態の全体断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図7は本発明の実施の形態例であって、1はカップ本体であって、上端部2a及び底端部2bが開口する円筒状の筒壁部2に形成され、筒壁部2内周面2cに雌ねじ部3が形成されている。
【0012】
4は底面部材であって、図2図3の如く、上記カップ本体1の筒壁部2内に配置され、外周面に上記雌ねじ部3に螺着可能な雄ねじ部5が形成され、底部に摘まみ部4aが形成されてなり、カップ本体1の筒壁部2の上端部2aから底面部材4の上面4bまでの筒壁部2の内周面2cに囲まれた内部空間をペットフードPの計量収容部Kとされている。
【0013】
この場合、図1図3の如く、上記カップ本体1の筒壁部2に取手部Tが突設され、かつ、この場合、図2の如く、上記カップ本体1の筒壁部2内周面2cの底端部2bから中程部Mまで上記雌ねじ部3が形成され、筒壁部2内周面2cの中程部Mから上端部2aまで雌ねじ部3が無い平滑面6aをもつ無雌ねじ部6に形成され、さらに、図1の如く、上記カップ本体1の筒壁部2に計量目盛を有しない構造に構成されている。なお、上記中程部Mの深さHは、計量収容部KのペットフードPの標準的収納量Fにより定めることになり、すなわち、深さHの選定にあたっては、愛玩動物の種類や大きさ、ペットフードの形状や内容などにより定めることになり、したがって、カップ本体1の大きさは汎用品又は専用品として製作されることになる。
【0014】
又、この場合、図2図6の如く、上記カップ本体1の筒壁部2内周面2cの中程部Mに上記底面部材4の上限位置を定める規制部4cが形成され、規制部4cは上記中程部Mの深さHを定めることになり、この場合、上記規制部4cは雌ねじ部3のねじ切り時の切上部として形成されている。
【0015】
又、この場合、上記カップ本体1は不透明素材から製作され、又、この場合、上記カップ本体は合成樹脂材から製作され、さらに、この場合、上記カップ本体1の筒壁部2内周面2cの直径(内径)は40mm〜55mmに形成され、この場合、好ましくは、外径56mm、板厚2mm、内径42mm、高さ100mmとなっている。
【0016】
この実施の形態例は上記構成であるから、図2図6図7の如く、カップ本体1の筒壁部2内に配置された底面部材4を摘まみ部4aをもって回動し、雌ねじ部3と雄ねじ部5との螺合により底面部材4を上下動させ、底面部材4の上下動により計量収容部K内のペットフードPの収納量を定めることができ、すなわち、カップ本体1の筒壁部2の上端部2aから底面部材4の上面4bまでの筒壁部2の内周面2cに囲まれた内部空間をペットフードPの収納量が定まることになり、この際、図1の如く、上記カップ本体1の筒壁部2に取手部Tが突設されているので、計量収納部K内に対するペットフードPの掬い取り、ペットフードPの給餌皿などへの排出及び携行などの取り扱いを円滑に行うことができ、かつ、図2の如く、上記カップ本体1の筒壁部2内周面2cの底端部2bから中程部Mまで上記雌ねじ部3が形成され、筒壁部2内周面2cの中程部Mから上端部2aまで雌ねじ部3が無い平滑面6aをもつ無雌ねじ部6に形成されているので、計量収納部K内に対するペットフードPの掬い取り、ペットフードPの給餌皿などへの排出を一層円滑に行うことができると共に、筒壁部2内周面2cに雌ねじ部3が存在する場合に比べ、雌ねじ部3の無い平滑面6aをもつ無雌ねじ部6の存在により、雌ねじ部3のねじ底部へのペットフードPの粉や滓の詰入を防ぐこともでき、カップ本体1の掃除を容易に行うことができ、さらに、図2図6図7の如く、上記カップ本体1の筒壁部2内周面2cの底端部2bから中程部Mまで上記雌ねじ部3が形成され、中程部Mから上端部2aまで雌ねじ部3が無い平滑面6aをもつ無雌ねじ部6に形成され、底面部材4の上限が定められ、計量収容部KのペットフードPの標準的収納量Fを定めることができ、図7の如く、計量収容部Kの標準的収納量Fよりも多く必要な場合には、上限位置から下降させることになり、その下降量は雌ねじ部3の露呈寸法の目視で認識することができ、このため、上記カップ本体1の筒壁部2に計量目盛を有しない構造とすることにより、製作コストの低減を図ることができる。
【0017】
この場合、上記カップ本体1の筒壁部2内周面2cの中程部Mに上記底面部材4の上限位置を定める規制部4cが形成されているので、計量収納部Kの底面部材4の上限位置を容易に定めることができ、上記中程部Mの深さHにより定まる計量収容部KのペットフードPの標準的収納量Fを正確に定めることができ、計量精度を高めることができ、又、この場合、上記カップ本体1は不透明素材から製作されているので、カップ本体1のカラフル化やデザイン化の融通性を向上することができ、斬新なデザインを得ることができ、又、この場合、上記カップ本体1は合成樹脂材から製作されているので、カップ本体1のカラフル化やデザイン化の融通性を一層向上することができ、さらに、この場合、上記カップ本体1の筒壁部2内周面2cの直径(内径)は40mm〜55mmに形成され、この場合、好ましくは、外径56mm、板厚2mm、内径42mm、高さ100mmとなっているから、内径が径小なカップ本体1となって、計量誤差を少なくすることができる。
【0018】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、カップ本体1,筒壁部2、雌ねじ部3、底面部材4,雄ねじ部5、無雌ねじ部6の形状や構造等は適宜変更して設計される。
【0019】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0020】
P ペットフード
K 計量収容部
T 取手部
M 中程部
1 カップ本体
2 筒壁部
2a 上端部
2b 底端部
2c 内周面
3 雌ねじ部
4 底面部材
4a 摘まみ部
4b 上面
4c 規制部
5 雄ねじ部
6 無雌ねじ部
6a 平滑面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7