特許第6967513号(P6967513)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6967513溶融ポリカーボネートを生成するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967513
(24)【登録日】2021年10月27日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】溶融ポリカーボネートを生成するための方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 64/30 20060101AFI20211108BHJP
【FI】
   C08G64/30
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-532569(P2018-532569)
(86)(22)【出願日】2016年12月20日
(65)【公表番号】特表2019-503413(P2019-503413A)
(43)【公表日】2019年2月7日
(86)【国際出願番号】US2016067672
(87)【国際公開番号】WO2017112627
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年12月13日
(31)【優先権主張番号】62/270,725
(32)【優先日】2015年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002105
【氏名又は名称】シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バポルチャン,ガロ・ガルビス
(72)【発明者】
【氏名】ユイ,クンチュエン
【審査官】 中村 英司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−261811(JP,A)
【文献】 特開昭53−068747(JP,A)
【文献】 特開平04−266856(JP,A)
【文献】 特開平08−027264(JP,A)
【文献】 特開平09−165443(JP,A)
【文献】 米国特許第05760156(US,A)
【文献】 中国特許第1160062(CN,C)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 64/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネートを生成するためのプロセスであって、
a.オリゴマー化条件下のオリゴマー化触媒の存在下で、オリゴマー化域においてジアルキルカーボネートをジヒドロキシ化合物と接触させて、第1の中間体を形成することと、
b.重合条件下の重合触媒の存在下で、重合域において前記第1の中間体をジアリールカーボネートと接触させて、前記ポリカーボネートを生成することと、を含み、
前記オリゴマー化域におけるジヒドロキシ化合物対ジアルキルカーボネートのモル比が、少なくとも2:1であり、
前記ジヒドロキシ化合物は、ジヒドロキシ芳香族化合物である、プロセス。
【請求項2】
工程a)からの前記中間体をさらなるオリゴマー化域に送って、工程a)からのオリゴマーより長い鎖長を有するオリゴマーを生成することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
工程b)からの前記ポリカーボネートをさらなる重合域に送って、工程b)からの前記ポリカーボネートより長い鎖長を有するポリマーを生成することをさらに含む、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
工程a)及び工程b)で同じ触媒が使用される、請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
工程b)で前記第1の中間体を反応させる前に、前記第1の中間体から未反応のジヒドロキシ化合物の少なくとも一部を除去することをさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項6】
アルコールが、前記オリゴマー化の間に形成される、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
アルコール生成物として前記アルコールの少なくとも一部を除去することをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記ジアルキルカーボネートが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれかに記載のプロセス。
【請求項9】
前記ジヒドロキシ化合物が、ビスフェノールアセトンである、請求項1〜8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項10】
前記ジアリールカーボネートが、ジフェニルカーボネートである、請求項1〜9のいずれかに記載のプロセス。
【請求項11】
前記第1の中間体が、ジ−ビスフェノールアセトン−カーボネート化合物である、請求項1〜10のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
前記オリゴマー化域におけるジヒドロキシ化合物対ジアルキルカーボネートのモル比が、2:1〜100:1の範囲内である、請求項1〜11のいずれかに記載のプロセス。
【請求項13】
前記オリゴマー化域におけるジヒドロキシ化合物対ジアルキルカーボネートのモル比が、少なくとも5:1である、請求項1〜11のいずれかに記載のプロセス。
【請求項14】
前記重合域における前記第1の中間体対前記ジアリールカーボネートのモル比が、1:2〜2:1である、請求項1〜13のいずれかに記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2015年12月22日に出願された、米国仮特許出願第62/270725号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、ジアルキルカーボネート及びジヒドロキシ化合物からオリゴマーを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
芳香族ポリカーボネートは、さらに本明細書においてポリカーボネートと称され、多くの異なる製造業部門において広く使われている原材料である。材料の硬度及び透明度によって、芳香族ポリカーボネートは、自動車の窓及び光学レンズなど様々な用途で適用され得る。ポリカーボネートに対する需要は、今後数年間でかなり増加し、特に、効率性及び環境影響の観点から、ポリカーボネートの生成における改善が必要とされるであろうと考えられる。
【0004】
ポリカーボネートの生成のためにいくつかのプロセスが既知である。例えば、相間移動条件下で、ホスゲンと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)とを反応させることを含むプロセスは、工業規模で適用されている。しかしながら、このプロセスは、有毒成分ホスゲンを使用し、塩化物を含有する廃棄流を形成するという固有の欠点を有する。
【0005】
ホスゲンの使用を必要としない異なるプロセスは、BPAのジアルキルカーボネートまたはジアリールカーボネートによるエステル交換に基づいている。ジアルキルカーボネートの使用は、ビスフェノールアセトンによるエステル交換において、商業的に合理的な条件下で十分な量のポリマーポリカーボネートを形成するのに十分な反応性を有しないという不利点を有する。さらに、遊離したアルキルアルコールは、ポリカーボネートを生成するためのプロセスのいかなる他の部分においても使用されず、アルキルアルコールのジアルキルカーボネート生成への再利用は、実質的な精製を必要とする。
【0006】
ジアリールカーボネート、具体的には、ジフェニルカーボネート(DPC)の使用は、ポリマーポリカーボネートを形成するのに十分な反応性を有するという利点を有する。さらに、フェノールは、例えば、米国特許第5589564号に記載されるように、ジフェニルカーボネートのビスフェノールアセトンによる反応において遊離して、ポリカーボネートを形成する。次いで、このフェノールは、ビスフェノールアセトンまたはジフェニルカーボネートの生成に再利用することができ、そのためフェノールは主要な原材料になっている。ジフェニルカーボネートは高価であり、多量のジフェニルカーボネートを使用する実質的な費用を費やすことなく、このプロセスを実行するための方法を見出すことが望ましい。ポリカーボネートを生成するための上記のプロセスには、特に使用される原材料の観点からの改善の余地が十分残っている。
【0007】
JP S64−16826は、3つの工程を含むポリカーボネートを生成するためのプロセスを説明している。第1の工程において、ビスフェノールアセトンを、1:1〜1:100の範囲内の比でジアルキルカーボネートと反応させる。この反応により、ビスフェノールアセトンのジアルキルビスカーボネートを生成し、次いで、等モルまたはより多量のジフェニルカーボネートと反応させて、ポリカーボネートを生成する。第3の工程において、副生成物として生成されたアルキルフェニルカーボネートを、ジフェニルカーボネート及びジアルキルカーボネートに変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5589564号明細書
【特許文献2】特開昭64−16826号公報
【発明の概要】
【0009】
本発明は、ポリカーボネートを生成するためのプロセスであって、a)オリゴマー化条件下のオリゴマー化触媒の存在下で、オリゴマー化域においてジアルキルカーボネートをジヒドロキシ化合物と接触させて、第1の中間体を形成することと、b)重合条件下の重合触媒の存在下で、重合域において第1の中間体をジアリールカーボネートと接触させて、ポリカーボネートを生成することと、を含み、オリゴマー化域におけるジヒドロキシ化合物対ジアルキルカーボネートのモル比が、少なくとも2:1である、プロセスを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、ポリカーボネートを形成するための新しい方法を提供する。プロセスは、ジヒドロキシキャップされたカーボネートを、ジアリールカーボネートと接触させることを含む。ジヒドロキシキャップされたカーボネートは、例えば、それぞれの末端上にBPA分子を有するカーボネートであり得、ジアリールカーボネートは、ジフェニルカーボネートであり得る。ジヒドロキシキャップされたカーボネートの使用は、より少ないジアリールカーボネートが提供されることを必要とするため、これは、同様の既知のプロセスより少ないジアリールカーボネートを使用することによって、ポリカーボネートの生成を可能にする。ジヒドロキシキャップされたカーボネートは、過剰なジヒドロキシ化合物をジアルキルカーボネートと接触させて、オリゴマーを生成することを含むプロセスによって生成される。この適用では、オリゴマーは、モノマー、または一緒に結合される1つを超えるモノマーであり得る。
【0011】
ジヒドロキシキャップされたカーボネートは、それぞれの末端上にジヒドロキシ化合物を有するカーボネートである。ジヒドロキシ化合物は、脂肪族ジオール、酸、またはジヒドロキシ芳香族化合物であり得る。ジヒドロキシキャップされたカーボネートは、式Iを有し得る。
【0012】
【化1】
【0013】
ジヒドロキシキャップされたカーボネートは、ジヒドロキシ化合物のジアルキルカーボネートとの反応によって生成され得る。それぞれの末端上のジヒドロキシ化合物は、この反応で使用されるジヒドロキシ化合物に一致して、カーボネート部分は、この反応で使用されるジアルキルカーボネートに一致する。
【0014】
ジヒドロキシキャップされたカーボネートを形成するために使用されるジヒドロキシ化合物は、1つ以上の脂肪族ジオールを含み得る。好適な脂肪族ジオールの実施形態には、イソソルビド、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール、トリシクロデカン−ジメタノール、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカン、テトラメチルシクロブタンジオール、2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール、シス/トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサ−1,4−イルエンジメタノール、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、トランス−1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、シス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、シス−1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、シス−1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,1’−ビ(シクロヘキシル)−4,4’−ジオール、ジシクロヘキシル−4,4’−ジオール、4,4’−ジ−ヒドロキシビシクロヘキシル、及びポリ(エチレングリコール)が含まれる。
【0015】
ジヒドロキシキャップされたカーボネートを形成するために使用されるジヒドロキシ化合物は、1つ以上の酸を含み得る。好適な酸の実施形態には、1,10−ドデカン酸、アジピン酸、ヘキサン二酸、イソフタル酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、テラフタル酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−ヒドロキシ安息香酸、及び4−ヒドロキシ安息香酸が含まれる。
【0016】
ジヒドロキシキャップされたカーボネートを形成するために使用されるジヒドロキシ化合物は、1つ以上のジヒドロキシ芳香族化合物を含み得る。ジヒドロキシ芳香族化合物は、1つ以上の芳香族環上に2つのヒドロキシル基を含む芳香族化合物である。ジヒドロキシ芳香族化合物の例には、好ましいジヒドロキシ芳香族化合物である、ビスフェノール(例えば、BPA)、及びジヒドロキシベンゼン(例えば、レゾルシノール)が含まれる。
【0017】
ジヒドロキシ芳香族化合物は、1つ以上のハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、またはシクロアルキル基を有するビスフェノールであり得る。好適なビスフェノールの実施形態には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ−イソプロピル−1−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒ−ドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−1,1−ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチル−1,1−ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジオクチル−1,1−ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、及び1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼンが含まれる。
【0018】
好適なジヒドロキシベンゼンの実施形態には、ヒドロ−キノン、レゾルシノール、メチルヒドロキノン、ブチルヒドロ−キノン、フェニルヒドロキノン、4−フェニルレゾルシノール、及び4−メチルレゾルシノールが含まれる。
【0019】
好適なジヒドロキシナフタレンの実施形態には、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシ−3−メチルナフタレン、2,6−ジヒドロキシ−3−フェニルナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシ−2−メチルナフタレン、1,4−ジヒドロキシ−2−フェニルナフタレン、及び1,3−ジヒドロキシナフタレンが含まれる。
【0020】
一実施形態では、ジアルキルカーボネートは、式ROCOORによって表される。別の実施形態では、ジアルキルカーボネートは、式ROCOORによって表される。R及びRは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、3〜10個の炭素原子を有する脂環式基、または6〜10個の炭素原子を有するアラルキル基を表す。R及びRの例には、アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、アリル、ブチル、ブテニル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、及びシクロヘキシルメチル、ならびにこれらの異性体が含まれる。R及びRのさらなる例には、脂環式基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチル、ならびにアラルキル基、例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、メチルベンジル、及びこれらの異性体が含まれる。
【0021】
アルキル基、脂環式基、またはアラルキル基は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、及びハロゲン原子等の置換基で置換されてもよい。
【0022】
アルキル基が同じであるジアルキルカーボネートの例は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジアリルカーボネート、ジブテニルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジペンチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、ジオクチルカーボネート、ジノニルカーボネート、ジデシルカーボネート、ジシクロペンチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジシクロヘプチルカーボネート、及びそれらの異性体である。
【0023】
アルキル基が異なるジアルキルカーボネートの例は、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルブテニルカーボネート、メチルペンチルカーボネート、メチルヘキシルカーボネート、メチルヘプチルカーボネート、メチルオクチルカーボネート、メチルノニルカーボネート、及びメチルデシルカーボネート、及びそれらの異性体である。さらなる例には、1〜10の炭素原子を有するアルキル基の任意の組み合わせ、例えば、エチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、プロピルブチルカーボネート、及びそれらの異性体が含まれる。
【0024】
ジアルキルカーボネート(式中、R及び/またはRが、4個以下の炭素原子を有するアルキル基である)が、好ましい。ジアルキルカーボネートは、最も好ましくは、ジエチルカーボネートである。
【0025】
ジアルキルカーボネートは、当業者に既知のいずれの方法によって生成されてもよい。例えば、ジアルキルカーボネートは、反応域にアルキレンカーボネート及びアルカノール供給原料が導かれ、エステル交換触媒の存在下で反応させられ、アルカンジオール−リッチ流、ならびにジアルキルカーボネート及びアルカノールを含む流れを生じ、これらの流れが1つ以上の工程によって分離され、ジアルキルカーボネートリッチ流を生成する、米国特許第7763745号で説明される方法によって生成され得る。
【0026】
これらの反応物質の反応に使用されるオリゴマー化触媒は、いずれの既知のエステル交換触媒であってもよい。この触媒は、不均一系または均一系であり得る。別の実施形態では、不均一系及び均一系の触媒の両方が使用されてもよい。
【0027】
これらの反応物質の反応に使用される重合触媒は、不均一系または均一系であり得る。別の実施形態では、不均一系及び均一系の触媒の両方が使用されてもよい。
【0028】
オリゴマー化及び重合工程で、同じ触媒が使用されてもよい。別の実施形態では、オリゴマー化及び重合工程で、異なる触媒が使用されてもよい。一実施形態では、オリゴマー化工程で不均一系の触媒が使用され、重合工程で不均一系または均一系のどちらかの異なる触媒が使用される。
【0029】
触媒は、アルカリ金属、すなわち、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムの水素化物、酸化物、水酸化物、アルコラート、アミド、または塩を含んでもよい。触媒は、カリウムまたはナトリウムの、水酸化物またはアルコラートであってもよい。他の好適な触媒は、アルカリ金属塩、例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、または炭酸塩、例えば酢酸ナトリウムである。加えて、EDTAテトラナトリウム塩及びEDTAマグネシウムジナトリウム塩ならびにそれらの組み合わせのようなエチレンジアミン四酢酸の誘導体が使用されてもよい。他の好適な触媒は、アルカリ土類金属イオン源、例えば、水酸化マグネシウムもしくは水酸化カルシウムまたはそれらの混合物を含む。
【0030】
触媒は、不揮発性の無機酸の塩(複数可)、例えば、NaHPO、NaHPO、KHPO、CsHPO、CsPO、またはそれらの混合物のような不揮発性の無機酸の塩を含んでもよい。あるいは、触媒は、NaKHPO、CsNaHPO、CsKHPO、及びそれらの混合物のようなリン酸の夾雑アルカリ金属塩(複数可)を含んでもよい。
【0031】
さらなる好適な触媒には、ホスフィン、アルシン、または二価硫黄化合物、及びセレン化合物、及びこれらのオニウム塩が含まれる。このタイプの触媒の例には、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、トリフェニルアルシン、トリメチルアルシン、トリブチルアルシン、1,2−ビス(ジフェニルアルシノ)エタン、トリフェニルアンチモン、ジフェニルスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ジフェニルセレニド、テトラフェニルホスホニウムハロゲン化物(Cl、Br、I)、テトラフェニルアラソニウムハロゲン化物(Cl、Br、I)、トリフェニルスルホニウムハロゲン化物(Cl、Br、I)が含まれる。触媒は、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、触媒は、水酸化テトラメチルホスホニウム、テトラメチルホスホニウムアセテート、ギ酸テトラメチルホスホニウム、水酸化テトラブチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラフェニルホスホニウムアセテート、テトラフェニルホスホニウムフェノキシド、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0032】
さらなる好適な触媒には、スズ、チタン、またはジルコニウムの、複合体または塩が含まれる。このタイプの触媒の例には、ブチルスタノイック酸、スズメトキシド、ジメチルスズ、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジラウラート、水素化トリブチルスズ、塩化トリブチルスズ、スズ(II)エチルヘキサノアート、ジルコニウムアルコキシド(メチル、エチル、またはブチル)、ハロゲン化(F、Cl、Br、I)ジルコニウム(IV)、硝酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトナート、チタンアルコキシド(メチル、エチル、またはイソプロピル)、チタンアセテート、チタンアセチルアセトナートが含まれる。
【0033】
触媒は、好適な官能基、例えば、第三級アミン基、第四級アンモニウム基、スルホン酸基、及びカルボン酸基を含有するイオン交換樹脂であってもよい。触媒は、アルカリ金属であっても、アルカリ土類金属ケイ酸塩であってもよい。触媒は、元素周期表の4族(チタン等)、5族(バナジウム等)、6族(クロムまたはモリブデン等)、または12族(亜鉛等)からの元素、またはスズもしくは鉛、またはこのような元素の組み合わせ、例えば、亜鉛とクロムとの組み合わせ(例えば、クロム酸亜鉛)を含んでもよい。これらの元素は、酸化亜鉛等の酸化物として触媒中に存在してもよい。
【0034】
触媒は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、炭酸テトラアルキルアンモニウム、チタンアルコキシド、鉛アルコキシド、スズアルコキシド、及びアルミノリン酸塩からなる群から選択されてもよい。
【0035】
ジヒドロキシ化合物とジアルキルカーボネートとの接触は、バッチ、半バッチ、または連続反応工程で生じ得る。オリゴマー化反応は、いずれのタイプの反応器、例えば、バッチ反応器、真空抜きを有するバッチ反応器、蒸留塔を有するバッチ反応器、または触媒蒸留塔で実行されてもよい。この反応は、好ましくは、反応中アルコールの除去を提供する反応器において実行される。この反応は、平衡反応であり、アルコールの除去により、平衡が所望の生成物の有利になるようにシフトする。
【0036】
触媒または反応蒸留塔では、反応は、反応物質と生成物の分離が生じる同じ場所で生じる。この塔では、触媒が存在する反応蒸留塔の部分として定義され得る反応域がある。この触媒は、均一系であっても、不均一系であってもよい。
【0037】
反応は、同期化の中からそれらの動作サイクルで操作される複数のバッチ反応器において実行され得る。このようにして、生成物は、連続的に生成され得、任意のさらなる反応工程が、連続的に実行され得る。
【0038】
半バッチ操作の実施形態では、ジヒドロキシ化合物、ジアルキルカーボネート、及び触媒は、撹拌ポット反応器中で混合され得る。反応器は、反応の一部として形成されるアルコールを除去する蒸留装置に接続され得る。これにより、平衡が生成物に向かってシフトし、反応の性能が改善する。ジアルキルカーボネートが蒸留装置を介して除去される場合、それは、反応器に再利用され得る。
【0039】
反応によって形成された第1の付加生成物は、アルキル−ジヒドロキシ−カーボネート中間体である。例えば、ジヒドロキシ化合物がBPAであり、かつジアルキルカーボネートがジメチルカーボネートである場合、形成された中間体は、メチル−BPA−カーボネートであり得る。
【0040】
中間体を、不均化またはさらなるエステル交換のいずれかを介して、さらなるジヒドロキシ化合物とさらに反応させる。不均化反応は、ジアルキルカーボネートの生成をもたらし得る。さらなるエステル交換は、ジヒドロキシ化合物により両末端を覆ったカーボネート分子の生成をもたらし得る。
【0041】
反応全体は、ジヒドロキシキャップされたカーボネートを生成するのに十分なジヒドロキシ化合物があることを確実にするために、過剰なジヒドロキシ化合物を用いて実行される。例えば、ジヒドロキシ化合物がBPAであり、かつジアルキルカーボネートがジメチルカーボネートである場合、反応は、BPAキャップされたカーボネートを生成するであろう。この反応全体は、以下に示される。
【0042】
【化2】
【0043】
反応は、できるだけ多くのジヒドロキシキャップされたカーボネートを生成するために実行される。第1の中間体である、アルキル−ジヒドロキシ−カーボネートが生成されるが、反応の終わりに残留するアルキル−ジヒドロキシ−カーボネートの量を最小限に抑えるようにこの反応は行われる。
【0044】
反応工程のオリゴマー化条件は、形成されるアルコールの除去を提供し、また十分な反応速度を確実にするように調節され得る。温度が高すぎる、または圧力が低すぎる場合、反応物質は、蒸留装置を介して反応域から外に運搬され得るか、または副反応が、促進され得る。
【0045】
オリゴマー化は、好ましくは、2.03MPa未満の圧力で実行される。圧力は、好ましくは、101.3kPa〜2.03MPaの範囲内である。オリゴマー化は、好ましくは、110℃〜330℃、好ましくは160℃〜300℃、及び最も好ましくは180℃〜280℃の範囲内の温度で実行される。
【0046】
反応器条件は、反応が進行するにつれて変化され得る。初めに、温度及び圧力は、温度が反応を促進し、形成されるあらゆるアルコールを蒸発させるのに十分高くなるようなものである必要がある。ジアルキルカーボネートが、ジヒドロキシ化合物と反応する前に、ジアルキルカーボネートもまた蒸発するため、温度は高すぎるべきではない。加えて、より高い温度は、望ましくない副反応をもたらし得る。
【0047】
反応が進行して、ジヒドロキシキャップされたカーボネートを生成することを確実にするために、過剰なジヒドロキシ化合物を使用することが好ましい。反応器への供給は、少なくとも2:1のモル比でジヒドロキシ化合物及びジアルキルカーボネートを含む。ジヒドロキシ化合物対ジアルキルカーボネートのモル比は、好ましくは少なくとも3:1、より好ましくは5:1、及び最も好ましくは10:1である。ジヒドロキシ化合物対ジアルキルカーボネートのモル比は、好ましくは2:1〜100:1の範囲内、好ましくは5:1〜50:1の範囲内である。
【0048】
過剰なジヒドロキシ化合物が使用されるため、この反応が行われ、ジヒドロキシキャップされたカーボネートが形成された後に、過剰なジヒドロキシ化合物の一部またはそのすべてを除去することが好ましい。これは、必要に応じて、さらなる反応工程において使用することができるより純粋なジヒドロキシキャップされたカーボネートを提供する。別の実施形態では、過剰なジヒドロキシ化合物は、ジヒドロキシキャップされたカーボネートと共に残留し得る。
【0049】
アルコールは、反応中に形成されてもよい。例えば、ジメチルカーボネートがジアルキルカーボネートとして使われる場合、その後、メタノールが形成され、ジエチルカーボネートがジアルキルカーボネートとして使われる場合、その後、エタノールが形成される。加えて、オリゴマーの異性体を含む、他の副生成物が、形成されてもよい。
【0050】
この反応において形成されたオリゴマーは、同じまたは異なるジアルキルカーボネートでさらに反応されてもよい。
【0051】
ジヒドロキシキャップされたカーボネートとジアリールカーボネートとの接触は、バッチ、半バッチ、または連続反応工程で生じ得る。重合反応は、いずれのタイプの反応器、例えば、バッチ反応器、真空抜きを有するバッチ反応器、蒸留塔を有するバッチ反応器、または触媒蒸留塔で実行されてもよい。この反応は、好ましくは、反応中アルコールの除去を提供する反応器において実行される。この反応は、平衡反応であり、アルコールの除去により、平衡が所望の生成物の有利になるようにシフトする。
【0052】
触媒または反応蒸留塔では、反応は、反応物質と生成物の分離が生じる同じ場所で生じる。この塔では、触媒が存在する反応蒸留塔の部分として定義され得る反応域がある。この触媒は、均一系であっても、不均一系であってもよい。
【0053】
反応は、同期化の中からそれらの動作サイクルで操作される複数のバッチ反応器において実行され得る。このようにして、生成物は、連続的に生成され得、任意のさらなる反応工程が、連続的に実行され得る。
【0054】
半バッチ操作の実施形態では、ジヒドロキシキャップされたカーボネート、ジアリールカーボネート、及び触媒は、撹拌ポット反応器中で混合され得る。反応器は、反応の一部として形成されるアルコールを除去する蒸留装置に接続され得る。これにより平衡が生成物に向かってシフトし、反応の性能が改善する。ジアリールカーボネートが蒸留装置を介して除去される場合、それは、反応器に再利用され得る。
【0055】
好ましい実施形態に従って、ジヒドロキシキャップされたカーボネートが、ジ−ビスフェノールアセトン−カーボネートであり、ジアリールカーボネートがジフェニルカーボネートである場合の、反応全体が以下に示される。
【0056】
【化3】
【0057】
この実施形態では、重合反応は高級オリゴマーを生成し、最終的にポリカーボネートを形成する。反応は、また、ジフェニルカーボネートまたはジヒドロキシ芳香族化合物を生成する工程に再利用することができるフェノールを生成する。
【0058】
重合反応条件は、ビスフェノールアセトン及びジフェニルカーボネートを使用するポリカーボネートの生成に使われるものと同様である。反応工程の重合条件は、形成されるアルコールの除去を提供し、また十分な反応速度を確実にするように調節され得る。温度が高すぎる、または圧力が低すぎる場合、反応物質は、蒸留装置を介して反応域から外に運搬され得るか、または副反応が、促進され得る。
【0059】
重合は、好ましくは、2.03MPa未満の圧力で実行される。圧力は、好ましくは、0.01kPa〜2.03MPa、好ましくは0.1kPa〜50kPaの範囲内である。重合は、好ましくは、170℃〜350℃、好ましくは190℃〜320℃の範囲内の温度で実行される。
【0060】
反応器条件は、反応が進行するにつれて変化され得る。初めに、温度及び圧力は、温度が反応を促進し、形成されるあらゆるアルコールを蒸発させるのに十分高くなるようなものである必要がある。一実施形態では、重合反応は、190℃〜320℃の範囲内の温度において、非常に低い圧力、例えば、0.1kPaで、実行される。温度は、最初はこの範囲の下端であり、反応が進むにつれて、温度は徐々に上昇させられる。圧力は、最初は20kPaであり、徐々に0.1kPaまで低下させられる。反応の後期段階の温度は、重合が進むにつれてより粘性になるポリマーの溶融流を十分高く維持するために、十分高い必要がある。所望されない副反応もまた引き起こすため、温度は高すぎるべきではない。圧力は、この粘性の溶融物から反応において形成されたフェノールを除去するために十分低い必要がある。
【0061】
一旦重合プロセスが開始すると、反応物は、直列の複数の反応器を通して送られ得る。ジヒドロキシキャップされたカーボネート及びジフェニルカーボネートの最初の接触の後の工程は、任意の既知の溶融ポリカーボネートプロセスのような同様の方法で進むことができる。これは、反応器の設計及び運転、ならびに結果として得られるポリカーボネートに有用な特性を与える添加剤の使用を含む。
【0062】
出発物質はジヒドロキシキャップされたカーボネートのカーボネート部分を既に含むため、より少ないジアリールカーボネートがポリカーボネートを形成するために必要とされる。純粋なジヒドロキシキャップされたカーボネート流が使用される場合、ジヒドロキシキャップされたカーボネートの各モルにジアリールカーボネートの1モルが必要とされる。ジヒドロキシキャップされたカーボネート対ジアリールカーボネートの好ましいモル比は、1:2〜2:1の範囲内である。
【0063】
少し過剰なジヒドロキシキャップされたカーボネートまたはジアリールカーボネートのいずれかが反応器に添加された場合、結果として得られるポリカーボネートは、対応する化合物のどちらか一方でキャップされる。加えて、ポリカーボネートの生成に有用であると知られている任意の添加剤または他の成分が、重合反応に添加されてもよい。
【0064】
溶融ポリカーボネートを生成する通常の手順は、典型的には、1モルのジフェニルカーボネートを1モルのBPAと反応させる。本明細書で説明される反応は、典型的には、1モルのジフェニルカーボネートを1モルのジヒドロキシキャップされたカーボネートと反応させることを含む。それゆえ、この反応では、2分の1モルのジフェニルカーボネートが、1モルのBPAと反応させるために使用される。
【0065】
ジヒドロキシキャップされたカーボネート流が、例えば、ジヒドロキシキャップされたカーボネートの製造からのジヒドロキシ芳香族化合物のような不純物を含有する場合、それらはまた変換され得るが、さらなるジアリールカーボネートを必要とする。
【0066】
アルコールは、反応中に形成されてもよい。例えば、ジフェニルカーボネートは、ジアリールカーボネートとして使用される場合、フェノールが形成されるであろう。加えて、出発物質、及びフリース転位からのポリカーボネート鎖の分岐の異性体を含む、他の副生成物が、形成されてもよい。
【実施例】
【0067】
実施例1
BPA(38.7g/170mmol)及びDEC(1.65g/14mmol)を、0.056gのTi(OEt)と混合して、約290ppmのTiを含有する混合物を得た。反応混合物を、一定撹拌下で、オートクレーブバッチ反応器中、180℃で加熱した。1時間後、反応混合物を周囲温度まで冷却し、GC及びFTIRを用いて分析した。この分析は、約15%のDECがジ−BPA−カーボネートに変換されたことを示した。加えて、DECの一部が、エチル−BPA−カーボネートに変換された。
【0068】
実施例2
さらに別の実施例では、BPAとDMCとの間のエステル交換を行って、反応生成物のメタノールを、4A分子篩を介して反応系から除去する。この反応を、0.061gのTi(OEt)(約300ppm Ti)の存在下で、BPA(41.2g/180mmol)とDMC(1.48g/16mmol)の混合物を還流させることによって行い、メタノールを、Soxhlet抽出器中で5gの4A分子篩上で連続的に除去した。180℃で1時間後、約26%のDMCが、ジ−BPA−カーボネートに変換された。加えて、DMCの一部が、メチル−BPA−カーボネートに変換された。
【0069】
実施例3
この実施例では、17.8gのDPC(83.3mmol)と混合された、約24.5gのジ−ビスフェノールアセトン−カーボネート(50.8mmol)と6.5gのBPA(28.5mmol)との混合物を、10ppmの水酸化リチウムの存在下で重合した。テフロン攪拌翼、精密圧力制御装置、及び加熱マントル、ならびにオーバーヘッドレシーバを含む自動攪拌装置を備え付けられた200mlガラス丸底フラスコである、バッチ真空蒸留装置の中で重合を実行した。まず、反応混合物を、300mbar、200℃で2時間加熱し、温度をゆっくりと260℃まで上げ、圧力を15分間かけて0.5mbarまで下げた。重合条件は、その後の1時間260℃/0.5mbarを維持した。分子解析は、13000Mnを有するポリマー試料を示した。