特許第6967515号(P6967515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967515
(24)【登録日】2021年10月27日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】PD−1抗体
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/28 20060101AFI20211108BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20211108BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20211108BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20211108BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20211108BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20211108BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20211108BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20211108BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20211108BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20211108BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20211108BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20211108BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211108BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20211108BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20211108BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20211108BHJP
【FI】
   C07K16/28ZNA
   C12N5/10
   C12P21/08
   A61P35/00
   A61P17/00
   A61P11/00
   A61P1/00
   A61P1/18
   A61P13/12
   A61P13/08
   A61P15/00
   A61P1/16
   A61P43/00 121
   A61K45/00
   A61K39/395 N
   A61K39/395 T
   !C12N15/13
【請求項の数】20
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-535396(P2018-535396)
(86)(22)【出願日】2016年10月15日
(65)【公表番号】特表2020-502038(P2020-502038A)
(43)【公表日】2020年1月23日
(86)【国際出願番号】CN2016102238
(87)【国際公開番号】WO2018068336
(87)【国際公開日】20180419
【審査請求日】2019年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】518049935
【氏名又は名称】イノベント バイオロジックス (スウツォウ) カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135943
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 規樹
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ツン,アンディー
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チェング
(72)【発明者】
【氏名】リュ,シャオリン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,デ−チャオ マイケル
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−530753(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/127179(WO,A2)
【文献】 特表2015−532292(JP,A)
【文献】 特表2015−519372(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/014688(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K C12N A61P A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
UniProt/GeneSeq
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、軽鎖(LC)及び重鎖(HC)を含み、
前記軽鎖がそれぞれ配列番号10、11及び12に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記重鎖が重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、
HCDR1、HCDR2、及びHCDR3が
(i)それぞれ配列番号2、配列番号4、及び配列番号9に示されるアミノ酸配列からなる、
(ii)それぞれ配列番号2、配列番号5、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列からなる、
(iii)それぞれ配列番号2、配列番号6、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列からなる、または
(iv)それぞれ配列番号2、配列番号7、及び配列番号9に示されるアミノ酸配列からなる、
抗体。
【請求項2】
1つまたは2つの軽鎖(LC)及び1つまたは2つの重鎖(HC)を含む、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、前記軽鎖の各々が軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記重鎖の各々が重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号14、配列番号15、配列番号16、または配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する、抗体。

【請求項3】
(i)前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する、
ii)前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する、
iii)前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する、または
iv)前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する、
請求項に記載の抗体。
【請求項4】
前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号20、配列番号21、配列番号22、または配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、請求項に記載の抗体。
【請求項5】
(i)前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号20に示されるアミノ酸配列を有する、
ii)前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号21に示されるアミノ酸配列を有する、
iii)前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する、または
iv)前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、
請求項に記載の抗体。
【請求項6】
2つの軽鎖及び2つの重鎖を含み、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号20、配列番号21、配列番号22、または配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、請求項に記載の抗体。
【請求項7】
(i)各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号20に示されるアミノ酸配列を有する、
ii)各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号21に示されるアミノ酸配列を有する、
iii)各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する、または
iv)各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、
請求項に記載の抗体。
【請求項8】
前記重鎖のうちの1つが前記軽鎖のうちの1つと鎖間ジスルフィド結合を形成し、他の重鎖が他の軽鎖と鎖間ジスルフィド結合を形成し、前記重鎖のうちの1つが他の重鎖と2つの鎖間ジスルフィド結合を形成する、請求項またはに記載の抗体。
【請求項9】
前記抗体がグリコシル化されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項10】
配列番号24のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列及び配列番号20のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む哺乳動物細胞であって、配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖及び配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖を含む、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体を発現することができ、好ましくはCHO細胞である哺乳動物細胞。
【請求項11】
配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖及び配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体の産生プロセスであって、請求項10に記載の哺乳動物細胞を前記抗体が発現されるような条件下で培養すること、及び前記発現された抗体を回収することを含む、プロセス。
【請求項12】
請求項11に記載のプロセスにより産生された、抗体。
【請求項13】
請求項1〜及び12のいずれか一項に記載の抗体、及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項14】
がんの治療のための薬学的組成物の製造における請求項1〜及び12のいずれか一項に記載の抗体の使用。
【請求項15】
前記がんが黒色腫、肺がん、頭頚部がん、結腸直腸がん、膵臓がん、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、または肝がんである、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
抗体が、1つ以上の抗腫瘍剤と、同時に、別々に、または連続して使用される組み合わせとなる、請求項14または15に記載の使用。
【請求項17】
療法における使用のための、請求項13に記載の薬学的組成物。
【請求項18】
がんの治療における使用のための、請求項13に記載の薬学的組成物。
【請求項19】
がんの治療における、1つ以上の抗腫瘍剤との同時の、別々の、または連続した組み合わせでの使用のための、請求項13に記載の薬学的組成物。
【請求項20】
前記がんが、黒色腫、肺がん、頭頚部がん、結腸直腸がん、膵臓がん、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、または肝細胞癌である、請求項18または19に記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学分野に関する。より具体的には、本発明は、ヒトプログラム細胞死1(PD−1)に結合する抗体に関し、単独で、かつ化学療法及び他のがん治療法と組み合わせてがんの治療に有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
腫瘍細胞は、複数のメカニズムを通して、免疫系による検出及び排除を逃れる。免疫チェックポイント経路は、自己寛容の維持及び活性化T細胞の制御において使用されているが、がん細胞は、その経路を使用し、破壊を防ぐことができる。PD−1/ヒトプログラム細胞死1リガンド1(PD−L1)経路は、1つのこのような免疫チェックポイントである。ヒトPD−1は、T細胞上で見られ、PD−L1及びヒトプログラム細胞死1リガンド2(PD−L2)のPD−1との結合は、T細胞増殖及びサイトカイン産生を阻害する。PD−L1及びPD−L2の腫瘍細胞産生は、したがってT細胞監視からの回避を可能にすることができる。
【0003】
ヒトPD−1に対する完全ヒトIgG4(S228P)抗体ニボルマブは、PD−1のPD−L1及びPD−L2との結合を阻害することが示され、様々な臨床治験において試験されている。(Wang et al.,Cancer Immunol Res(2014)2(9):846)。PD−1に対するヒト化IgG4(S228P)抗体ペンブロリズマブ(旧名ランブロリズマブ)は、PD−1のPD−L1及びPD−L2との結合を阻害することが示され、様々な臨床治験において試験されている。(WO2008/156712及びHamid et al.,N Engl J Med(2013)369:2)。
【0004】
PD−L1及びPD−L2とのヒトPD−1相互作用に結合し、これを中和する代替の抗体を提供する必要性が残る。特に、ヒトPD−1に高い親和性で結合する抗体を提供する必要性が残る。また、PD−L1及びPD−L2とのヒトPD−1相互作用を効果的にブロックする抗体を提供する必要性が残る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、軽鎖(LC)及び重鎖(HC)を含み、
軽鎖が、それぞれアミノ酸配列RASQGISSWLA(配列番号10)、SAASSLQS(配列番号11)及びQQANHLPFT(配列番号12)からなる、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、
重鎖が重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、
HCDR1が、KASGGTFSSTAIS(配列番号2(xd−16 A、xd−16 B、xd−16 C、xd−16 D及び/またはxd−16 EのHCDR1の場合))に示されるアミノ酸配列からなり、
HCDR2が、
GIWPSFGTANYAQKFQG(配列番号3(xd−16 AのHCDR2の場合))、
GIWPSFGTASYAQKFQG(配列番号4(xd−16 BのHCDR2の場合))、
GIWPSFGTASYAQKFRG(配列番号5(xd−16 CのHCDR2の場合))、
GIWPSFDTANYAQKFRG(配列番号6(xd−16 DのHCDR2の場合))、または
GIWPSFGTANYARKFQG(配列番号7(xd−16 EのHCDR2の場合))に示されるアミノ酸配列からなり、
HCDR3がARAEYSSTGTFDY(配列番号8(xd−16 A、xd−16 C及び/またはxd−16 DのHCDR3の場合))またはARAEYSSTGIFDY(配列番号9(xd−16 B及び/またはxd−16 EのHCDR3の場合))に示されるアミノ酸配列からなる、抗体を提供する。
【0006】
本発明の特定の抗体は、一定の条件下、ヒトPD−1にニボルマブ(nivolumab)及びペンブロリズマブ(pembrolizumab)よりも高い、高親和性で結合する。さらに、本発明の特定の抗体は、インビボモデルにおいて、ニボルマブ及びペンブロリズマブと比較して優先的な向上した同種反応性を媒介する。
【0007】
ある実施形態では、本発明は、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれアミノ酸配列RASQGISSWLA(配列番号10)、SAASSLQS(配列番号11)、及びQQANHLPFT(配列番号12)からなり、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3が、それぞれアミノ酸配列KASGGTFSSTAIS(配列番号2)、GIWPSFGTANYAQKFQG(配列番号3)、及びARAEYSSTGTFDY(配列番号8)からなる、抗体を提供する。
【0008】
さらなる実施形態では、本発明は、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれアミノ酸配列RASQGISSWLA(配列番号10)、SAASSLQS(配列番号11)、及びQQANHLPFT(配列番号12)からなり、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3が、それぞれアミノ酸配列KASGGTFSSTAIS(配列番号2)、GIWPSFGTASYAQKFQG(配列番号4)、及びARAEYSSTGIFDY(配列番号9)からなる、抗体を提供する。
【0009】
さらなる実施形態では、本発明は、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれアミノ酸配列RASQGISSWLA(配列番号10)、SAASSLQS(配列番号11)、及びQQANHLPFT(配列番号12)からなり、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3が、それぞれアミノ酸配列KASGGTFSSTAIS(配列番号2)、GIWPSFGTASYAQKFRG(配列番号5)、及びARAEYSSTGTFDY(配列番号8)からなる、抗体を提供する。
【0010】
さらなる実施形態では、本発明は、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれアミノ酸配列RASQGISSWLA(配列番号10)、SAASSLQS(配列番号11)、及びQQANHLPFT(配列番号12)からなり、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3が、それぞれアミノ酸配列KASGGTFSSTAIS(配列番号2)、GIWPSFDTANYAQKFRG(配列番号6)、及びARAEYSSTGTFDY(配列番号8)からなる、抗体を提供する。
【0011】
さらなる実施形態では、本発明は、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれアミノ酸配列RASQGISSWLA(配列番号10)、SAASSLQS(配列番号11)、及びQQANHLPFT(配列番号12)からなり、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3が、それぞれアミノ酸配列KASGGTFSSTAIS(配列番号2)、GIWPSFGTANYARKFQG(配列番号7)、及びARAEYSSTGIFDY(配列番号9)からなる、抗体を提供する。
【0012】
ある実施形態では、本発明は、1つまたは2つの軽鎖(LC)及び1つまたは2つの重鎖(HC)を含む抗体であって、軽鎖の各々が軽鎖可変領域(LCVR)を含み、重鎖の各々が重鎖可変領域(HCVR)を含み、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、または配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0013】
さらなる実施形態では、本発明は、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0014】
さらなる実施形態では、本発明は、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0015】
さらなる実施形態では、本発明は、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0016】
さらなる実施形態では、本発明は、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0017】
さらなる実施形態では、本発明は、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0018】
ある実施形態では、本発明は、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、または配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0019】
さらなる実施形態では、本発明は、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号19に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0020】
さらなる実施形態では、本発明は、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号20に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0021】
さらなる実施形態では、本発明は、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号21に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0022】
さらなる実施形態では、本発明は、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0023】
さらなる実施形態では、本発明は、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0024】
ある実施形態では、本発明は、2つの軽鎖及び2つの重鎖を含む抗体であって、各軽鎖が配列番号24に示される前記アミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、または配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0025】
さらなる実施形態では、本発明は、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号19に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0026】
さらなる実施形態では、本発明は、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号20に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0027】
さらなる実施形態では、本発明は、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号21に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0028】
さらなる実施形態では、本発明は、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0029】
さらなる実施形態では、本発明は、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0030】
ある実施形態では、本発明は、重鎖のうちの1つが軽鎖のうちの1つと鎖間ジスルフィド結合を形成し、他の重鎖が他の軽鎖と鎖間ジスルフィド結合を形成し、重鎖のうちの1つが他の重鎖と2つの鎖間ジスルフィド結合を形成する、抗体を提供する。
【0031】
ある実施形態では、本発明は、グリコシル化された抗体を提供する。
【0032】
ある実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、軽鎖(LC)及び重鎖(HC)を含み、軽鎖が軽鎖可変領域(LCVR)を含み、重鎖が重鎖可変領域(HCVR)を含み、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、または配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0033】
さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、HCVRが配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0034】
ある実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、または配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0035】
さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号19に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号20に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号21に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、HCが配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0036】
ある実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、2つの軽鎖及び2つの重鎖を含み、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、または配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。
【0037】
さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号19に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号20に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号21に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、抗体を提供する。ある実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、重鎖のうちの1つが軽鎖のうちの1つと鎖間ジスルフィド結合を形成し、他の重鎖が他の軽鎖と鎖間ジスルフィド結合を形成し、重鎖のうちの1つが他の重鎖と2つの鎖間ジスルフィド結合を形成する、抗体を提供する。
【0038】
ある実施形態では、本発明は、ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、グリコシル化された、抗体を提供する。
【0039】
本発明の第2の態様では、本発明は、上記のいずれか1つの抗体、またはその断片もしくは誘導体をコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0040】
別の好ましい実施形態では、xd−16 A S228P IgG4のHCをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25に示される。
【0041】
別の好ましい実施形態では、xd−16 B S228P IgG4のHCをコードするポリヌクレオチドは、配列番号26に示される。
【0042】
別の好ましい実施形態では、xd−16 C S228P IgG4のHCをコードするポリヌクレオチドは、配列番号27に示される。
【0043】
別の好ましい実施形態では、xd−16 D S228P IgG4のHCをコードするポリヌクレオチドは、配列番号28に示される。
【0044】
別の好ましい実施形態では、xd−16 E S228P IgG4のHCをコードするポリヌクレオチドは、配列番号29に示される。
【0045】
別の好ましい実施形態では、xd−16 A、xd−16 B、xd−16 C、xd−16 D及びxd−16 EのLCをコードするポリヌクレオチドは、配列番号30に示される。
【0046】
本発明の第3の態様は、第3の態様のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
【0047】
本発明の第4の態様は、第3の態様のベクターを含む宿主細胞を提供し、または前記細胞のゲノムには、第2の態様に係る外来性ポリヌクレオチドが導入されている。
【0048】
好ましい実施形態では、前記宿主細胞は哺乳動物細胞、好ましくはCHO細胞である。
【0049】
ある実施形態では、本発明は、配列番号24のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列及び配列番号19のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む、哺乳動物細胞であって、配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖及び配列番号19のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体を発現することができる、哺乳動物細胞を提供する。
【0050】
ある実施形態では、本発明は、配列番号24のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列及び配列番号20のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む、哺乳動物細胞であって、配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖及び配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体を発現することができる、哺乳動物細胞を提供する。
【0051】
ある実施形態では、本発明は、配列番号24のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列及び配列番号21のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む、哺乳動物細胞であって、配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖及び配列番号21のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体を発現することができる、哺乳動物細胞を提供する。
【0052】
ある実施形態では、本発明は、配列番号24のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列及び配列番号22のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む、哺乳動物細胞であって、配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖及び配列番号22のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体を発現することができる、哺乳動物細胞を提供する。
【0053】
ある実施形態では、本発明は、配列番号24のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列及び配列番号23のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む、哺乳動物細胞であって、配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖及び配列番号23のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体を発現することができる、哺乳動物細胞を提供する。
【0054】
本発明の第5の態様は、配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖及び配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体の産生プロセスであって、第4の態様の宿主細胞を抗体が発現されるような条件下で培養すること、及び発現された抗体を回収することを含むプロセスを提供する。
【0055】
ある実施形態では、本発明は、本発明のプロセスにより産生された抗体を提供する。
【0056】
本発明の第6の態様は、本発明の抗体及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物を提供する。
【0057】
本発明の第7の態様は、がんの治療方法であって、治療を必要とする患者に、有効量の本発明の抗体を投与するステップを含む、方法を提供する。
【0058】
さらなる実施形態では、がんの治療方法は、治療を必要とする患者に、有効量の本発明の抗体を投与するステップを含み、そのがんは、黒色腫、肺がん、頭頚部がん、結腸直腸がん、膵臓がん、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、または肝がんである。
【0059】
さらなる実施形態では、これらの方法は、1つ以上の抗腫瘍剤、免疫療法剤またはそれらの組み合わせとの、同時の、別々の、または連続した組み合わせでの有効量の本発明の抗体の投与を含む。
【0060】
好ましい実施形態では、前記抗腫瘍剤としては、限定されないが、ラムシルマブ(ramucirumab)、ネシツムマブ(necitumumab)、オララツマブ(olaratumab)、ガルニセルチブ(galunisertib)、アベマシクリブ(abemaciclib)、シスプラチン、カルボプラチン、ダカルバジン、リポソームドキソルビシン、ドセタキセル、シクロホスファミド及びドキソルビシン、ナベルビン(navelbine)、エリブリン(eribulin)、パクリタキセル、注射可能な懸濁液用のパクリタキセルタンパク質結合粒子、イザベピロン(ixabepilone)、カペシタビン、FOLFOX(ロイコボリン、フルオロウラシル、及びオキサリプラチン)、FOLFIRI(ロイコボリン、フルオロウラシル、及びイリノテカン)、セツキシマブまたはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0061】
さらなる実施形態では、前記免疫療法剤としては、限定されないが、ニボルマブ、イピリムマブ(ipilimumab)、ピジリズマブ(pidilizumab)、ペンブロリズマブ、トレメリムマブ(tremelimumab)、ウレルマブ(urelumab)、リリルマブ(lirilumab)、アテゾリズマブ(atezolizumab)、デュルバルマブ(durvalumab)またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0062】
本発明の第8の態様は、療法における使用のための、本発明の抗体を提供する。
【0063】
本発明の第9の態様は、がん治療における使用のための、本発明の抗体を提供する。
【0064】
さらなる実施形態では、本発明は、がん治療における使用のための、本発明の抗体であって、そのがんが、黒色腫、肺がん、頭頚部がん、結腸直腸がん、膵臓がん、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、または肝がんである、抗体を提供する。
【0065】
本発明の第10の態様は、がんを治療における組み合わせた使用のための、1つ以上の抗腫瘍剤、免疫的抗腫瘍剤またはそれらの組み合わせとの、同時の、別々の、または連続した組み合わせでの、本発明の態様のいずれか1つに係る抗体を提供する。
【0066】
好ましい実施形態では、前記抗腫瘍剤としては、限定されないが、ラムシルマブ、ネシツムマブ、オララツマブ、ガルニセルチブ、アベマシクリブ、シスプラチン、カルボプラチン、ダカルバジン、リポソームドキソルビシン、ドセタキセル、シクロホスファミド及びドキソルビシン、ナベルビン、エリブリン、パクリタキセル、注射可能な懸濁液用のパクリタキセルタンパク質結合粒子、イザベピロン、カペシタビン、FOLFOX(ロイコボリン、フルオロウラシル、及びオキサリプラチン)、FOLFIRI(ロイコボリン、フルオロウラシル、及びイリノテカン)、セツキシマブまたはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0067】
さらなる実施形態では、前記免疫療法剤としては、限定されないが、ニボルマブ、イピリムマブ、ピジリズマブ、ペンブロリズマブ、トレメリムマブ、ウレルマブ、リリルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブまたはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0068】
本発明の第11の態様は、がんの治療のための薬学的組成物の調製のための、本発明の抗体の使用を提供する。
【0069】
さらなる実施形態では、そのがんが、黒色腫、肺がん、頭頸部がん、結腸直腸がん、膵臓がん、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、または肝細胞癌である、方法を提供する。
【0070】
さらなる実施形態では、前記薬学的組成物は、1つ以上の抗腫瘍剤及び/または免疫療法剤をさらに含む。
【0071】
さらなる実施形態では、前記薬学的組成物は、1つ以上の抗腫瘍剤及び/またはイムノ−腫瘍学剤との同時の、別々の、または連続した組み合わせで、必要とする対象に投与される。
【0072】
好ましい実施形態では、前記抗腫瘍剤としては、限定されないが、ラムシルマブ、ネシツムマブ、オララツマブ、ガルニセルチブ、アベマシクリブ、シスプラチン、カルボプラチン、ダカルバジン、リポソームドキソルビシン、ドセタキセル、シクロホスファミド及びドキソルビシン、ナベルビン、エリブリン、パクリタキセル、注射可能な懸濁液用のパクリタキセルタンパク質結合粒子、イザベピロン、カペシタビン、FOLFOX(ロイコボリン、フルオロウラシル、及びオキサリプラチン)、FOLFIRI(ロイコボリン、フルオロウラシル、及びイリノテカン)、セツキシマブまたはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0073】
さらなる実施形態では、前記免疫療法剤としては、限定されないが、ニボルマブ、イピリムマブ、ピジリズマブ、ペンブロリズマブ、トレメリムマブ、ウレルマブ、リリルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブまたはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0074】
本発明において、上記及び下記(例えば実施例)において、具体的に記載される技術的特徴が、相互いに組み合わされ、それにより、個別の記載を要さない新たな、または好ましい技術的な解決手段を構成し得ることを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本発明の抗体は、改変された、非自然発生ポリペプチド複合体である。本発明のDNA分子は、本発明の抗体におけるポリペプチドのうちの1つのアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、非自然発生DNA分子である。
【0076】
本発明の抗体は、改変CDR及び抗体のいくつかの部分(フレームワーク、ヒンジ領域、及び定常領域のすべてまたは一部)が、ヒトゲノム配列から誘導されたフレームワーク及び定常領域と同一または実質的に同一であるヒト由来となるように設計されている。完全ヒトフレームワーク、ヒンジ領域、及び定常領域は、それらのヒト生殖細胞系列配列ならびに自然発生体細胞突然変異を有する配列及び改変突然変異を有する配列である。本発明の抗体は、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、または付加を含有する完全ヒトフレームワーク、ヒンジ、または定常領域から誘導されたフレームワーク、ヒンジ、または定常領域を含み得る。さらに、本発明の抗体は、好ましくはヒトにおいて実質的に非免疫原性である。
【0077】
本発明の抗体は、IgG型抗体であり、鎖内及び鎖間ジスルフィド結合を介して架橋された4つのアミノ酸鎖(2つの「重」鎖及び2つの「軽」鎖)を有する。各重鎖は、N末端HCVR及び重鎖定常領域(「HCCR」)からなる。各軽鎖は、LCVR及び軽鎖定常領域(「LCCR」)からなる。特定の生体系で発現される場合、天然のヒトFc配列を有する抗体は、Fc領域においてグリコシル化される。典型的には、高度に保存されたN−グリコシル化部位で抗体のFc領域にグリコシル化が起こる。N−グリカンは、典型的にはアスパラギンに結合する。抗体は、他の位置でもグリコシル化され得る。
【0078】
任意で、本発明の抗体は、Fc受容体媒介性炎症メカニズムに関与または補体を活性化する能力の低下によりヒトIgGFc領域から誘導されたFc部分を含有し、エフェクタ機能の低下をもたらす。
【0079】
S228P突然変異は、半抗体形成(IgG抗体における半分子の動的交換の現象)を防止するヒンジ突然変異である。F234A及びL235A突然変異は、既に低いヒトIgGアイソタイプのエフェクタ機能をさらに低減する。
【0080】
HCVR及びLCVR領域は、フレームワーク領域(「FR」)と称される、より保存された領域が散在する、相補性決定領域(「CDR」)と称される、超可変性を有する領域にさらに細分することができる。各HCVR及びLCVRは、アミノ末端からカルボキシ末端まで、次の順番、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置された、3つのCDR及び4つのFRからなる。本明細書では、重鎖の3つのCDRは「HCDR1、HCDR2、及びHCDR3」と称され、軽鎖の3つのCDRは「LCDR1、LCDR2、及びLCDR3」と称される。CDRは、抗原と特異的な相互作用を形成する残基の大部分を含む。配列描写には、現在、抗体のCDR割り当ての3つのシステムが使用されている。KabatのCDR定義(Kabat et al.,“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))は、抗体配列可変性に基づく。ChothiaのCDR定義(Chothia et al.,“Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins”,Journal of Molecular Biology,196,901−917(1987);Al−Lazikani et al.,“Standard conformations for the canonical structures of immunoglobulins”,Journal of Molecular Biology,273,927−948(1997))は、抗体の三次元構造及びCDRループの形態に基づく。ChothiaのCDR定義は、HCDR1及びHCDR2を除いては、KabatのCDR定義と同一である。NorthのCDR定義(North et al.,“A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations”,Journal of Molecular Biology,406,228−256(2011))は、多数の結晶構造との親和性伝播クラスタリングに基づく。本発明の目的には、NorthのCDR定義が使用される。
【0081】
HCVR領域をコードする単離DNAは、HCVRをコードするDNAを、重鎖定常領域をコードする別のDNA分子に動作可能に結合することにより、全長重鎖遺伝子に変換することができる。ヒト、及び他の哺乳動物の、重鎖定常領域遺伝子の配列は、当該技術分野において知られている。これらの領域を包含するDNA断片は、例えば、標準的なPCR増幅により得ることができる。
【0082】
LCVR領域をコードする単離DNAは、LCVRをコードするDNAを、軽鎖定常領域をコードする別のDNA分子に動作可能に結合することにより、全長軽鎖遺伝子に変換してもよい。ヒト、及び他の哺乳動物の、軽鎖定常領域遺伝子の配列は、当該技術分野において知られている。これらの領域を包含するDNA断片は、例えば、標準的なPCR増幅により得ることができる。軽鎖定常領域は、カッパまたはラムダ定常領域であり得る。
【0083】
本発明のポリヌクレオチドは、配列が発現制御配列に動作可能に結合した後で宿主細胞において発現されることになる。発現ベクターは、典型的には、エピソーム、または宿主染色体DNAの不可欠な部分のいずれかとして宿主生物中で複製可能である。一般的に、発現ベクターは、選択マーカー、例えば、テトラサイクリン、ネオマイシン、及びジヒドロ葉酸還元酵素を含有し、所望のDNA配列で変換された細胞の検出を可能にするだろう。
【0084】
本発明の抗体は、CHO、NS0、HEK293、またはCOS細胞のような哺乳動物細胞において、容易に産生することができる。宿主細胞は、当該技術分野において周知の技術を使用して培養される。
【0085】
対象のポリヌクレオチド配列(例えば、抗体のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及び発現制御配列)を含有するベクターは、細胞宿主のタイプに応じて変わる周知の方法により、宿主細胞に移入することができる。
【0086】
タンパク質精製の様々な方法を用いてもよく、このような方法は、当該技術分野において知られ、例えば、Deutscher,Methods in Enzymology 182:83−89(1990)及びScopes,Protein Purification:Principles and Practice,3rd Edition,Springer,NY(1994)において記載されている。
【0087】
本発明の別の実施形態では、抗体、またはそれをコードする核酸は、単離形態で提供される。本明細書で使用される「単離」という用語は、細胞環境において見られるその他の高分子種を含まない、または実質的に含まないタンパク質、ペプチド、または核酸を指す。本明細書で使用される「実質的に含まない」という用語は、対象のタンパク質、ペプチド、または核酸が、存在する高分子種の80%超(モル基準)、好ましくは90%超、より好ましくは95%超を含むことを意味する。
【0088】
本発明の抗体、またはそれを含む薬学的組成物は、非経口経路により(例えば、皮下及び静脈内)投与してもよい。本発明の抗体は、患者に、単独で、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と、単回または複数回で投与してもよい。本発明の薬学的組成物は、当該技術分野において周知の方法(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19th ed.(1995),A.Gennaro et al.,Mack Publishing Co.)により調製することができ、本明細書において開示されている抗体、及び1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む。
【0089】
「治療すること」(または「治療する」もしくは「治療」)という用語は、既存の症状、障害、状態、または疾患の進行または重症度を遅らせること、妨げること、抑えること、止めること、低減すること、または回復に向かわせることを指す。
【0090】
本明細書においてヒトPD−1についての抗体の親和性に関して使用される「結合」とは、特に指示のない限り、本質的に本明細書において記載されているような37℃での表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサーの使用を含む、当該技術分野において知られている一般的な方法により決定される、約1×10−9M未満、好ましくは、約2×10−10M未満のKを意味することを意図している。
【0091】
本開示の目的には、「高親和性」という用語は、ヒトPD−1について約150pM未満のKを指す。K値は、アッセイの節にある「結合反応速度及び親和性」において記載されているように、結合反応速度により構築される。
【0092】
本発明はさらに、安全かつ有効量の本発明のポリペプチドまたはそのアゴニストと、薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む薬学的組成物を提供する。これらの担体としては(限定されないが)、生理食塩水、緩衝液、グルコース、水、グリセリン、エタノールまたはそれらの組み合わせが挙げられる。薬学的製剤は、投与方法に適合するものでなければならない。本発明の薬学的組成物は、注入用の剤形に調製することができ、例えば生理食塩水またはグルコース水溶液または他の助剤と共に従来法により調製できる。錠剤及びカプセル剤などの薬学的組成物は、従来法によって、調製できる。注入用、溶液状、タブレット状及びカプセル状の薬学的組成物は、好ましくは無菌条件において、製造され得る。有効成分の投与量は治療的有効量であり、例えば、1日あたり約1μg/kg(体重)〜5mg/kg(体重)である。さらに、本発明のポリペプチドはさらに、他の治療薬と共に使用できる。
【0093】
「有効量」とは、研究者、医師、または他の臨床家により求められている、組織、システム、動物、哺乳動物、またはヒトの、生物学的もしくは医学的応答、またはそれに対する所望の治療効果を引き出す、本発明の抗体または本発明の抗体を含む薬学的組成物の量を意味する。抗体の有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、及び体重、ならびに個体において所望の応答を引き出す抗体の能力のような因子に従って変化し得る。有効量はまた、抗体の毒性または有害な効果を治療上有益な効果が上回る量である。
【0094】
本発明を、下記の実施例によりさらに例示する。これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例における実験方法においては、その具体的な条件を具体的に示さないが、それらは、Sambrook. et al., in Molecular Cloning: A Laboratory Manual, New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2012などに記載のルーチン的な条件、または製造業者による取扱説明の記載に従い実施される。特に明記しない限り、パーセンテージ及び部は、重量百分率及び重量部を指す。
【0095】
本発明の大きな利点:
xd−16 B、xd−16 C、xd−16 D及びxd−16 Eは、一価の、及び特異的(avid)な結合様式において、ペンブロリズマブ及びニボルマブより高い親和性でヒトPD−1に結合する。各濃度の抗体xd−16 Bは、免疫細胞活性化アッセイにおいて、ニボルマブ及びペンブロリズマブと同等に、またはそれらより良好に、IFN−γのIL−2を増加させた。
【実施例】
【0096】
実施例1:抗体発現及び精製
重鎖及び軽鎖の可変領域のポリペプチド、抗体A〜抗体Iの完全重鎖及び軽鎖アミノ酸配列、ならびにそれをコードするヌクレオチド配列を、下で「アミノ酸及びヌクレオチド配列」と題されている節において列挙する。また、抗体A〜抗体Iの軽鎖、重鎖、軽鎖可変領域、及び重鎖可変領域の配列番号を、表1に示す。
【0097】
限定されないが、抗体A〜抗体Iを含む、本発明の抗体は、本質的に下記のように作製及び精製することができる。HEK293またはCHOのような適切な宿主細胞は、最適な所定のHC:LCベクター比(例えば、1:3または1:2)またはHC及びLCの両方をコードする単一ベクター系を用いて、抗体を分泌するための発現系で一時的または安定的にトランスフェクトすることができる。抗体が分泌された清澄化培地は、多くの一般的に使用されている技術のいずれかを使用して精製してもよい。例えば、培地は、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)のような相溶性バッファで平衡化した、MabSelectカラム(GE Healthcare)、またはFab断片用のKappaSelectカラム(GE Healthcare)に便利に適用してもよい。カラムは、洗浄し、非特異的な結合成分を除去してもよい。結合抗体は、例えば、pH勾配(例えば、20mMトリスバッファpH7から10mMクエン酸ナトリウムバッファpH3.0まで、またはリン酸緩衝生理食塩水pH7.4から100mMグリシンバッファpH3.0まで)により溶出され得る。抗体画分は、例えばSDS−PAGEにより検出され、その後プールされ得る。意図する使用に応じて、さらなる精製は任意選択的である。抗体は、一般的な技術を用いて濃縮及び/または無菌濾過され得る。可溶性の凝集体及び多量体は、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、マルチモーダル、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む一般的な技術により、効率的に除去され得る。これらのクロマトグラフィーステップ後の抗体の純度は、95%を上回る。産生物は、直ちに−70℃で凍結してもよく、凍結乾燥してもよい。
【0098】
【表1】
【0099】
アッセイ
結合反応速度及び親和性
ヒトPD−1の反応速度及び平衡解離定数(K)を、本発明の抗体について、MSD、表面プラズモン共鳴(Biacore)、バイオライト(bio−light)干渉(ForteBio)アッセイ法を使用して決定する。
【0100】
本明細書で使用されるニボルマブとは、Proposed INN:List107からの重鎖及び軽鎖配列を利用する293HEK細胞(CAS♯946414−94−4)において一時的に発現されたヒトIgG4 PD−1抗体である。本明細書で使用されるペンブロリズマブとは、Proposed INN:List72からの重鎖及び軽鎖配列を利用する293HEK細胞において一時的に発現されたヒトIgG4 PD−1抗体である。
【0101】
MSDアッセイ
平衡親和性測定を、以前記載されているように実施する(Estep,P.,et al.,MAbs,2013.5(2):p.270−8)。溶液平衡滴定(SET)を、抗原(b−PD−1単量体)が10〜100pMで一定に保持され、5〜100nMから開始するFabまたはmAbsの3〜5倍連続希釈物と共にインキュベートされる、PBS+0.1%IgGフリーBSA(PBSF)中で実施する(実験条件は試料依存的である)。PBS中で20nMに希釈した抗体を、標準的な結合MSD−ECLプレート上に4℃で一晩、または室温で30分間コーティングする。プレートを、700rpmで振盪しながら、BSAで30分間ブロックする。プレートを次に洗浄バッファ(PBSF+0.05%Tween20)で3回洗浄する。SET試料を適用し、プレート上で150秒間700rpmで振盪しながらインキュベートした後、1回の洗浄を行う。プレート上に捕捉した抗原を、PBSF中の250ng/mLのスルホタグ標識ストレプトアビジンで、プレート上での3分間のインキュベーションにより検出する。プレートを洗浄バッファで3回洗浄した後、界面活性剤を含む1倍読み取りバッファTを使用してMSD Sector Imager 2400装置上で読み取る。遊離型抗原パーセントをPrismにおいて滴定抗体の関数としてプロットし、二次方程式に当てはめてKDを抽出する。スループットを向上させるため、SET試料調製を含むMSD−SET実験全体を通して、液体ハンドリングロボットを使用する。
【0102】
本質的にこのアッセイにおいて記載されているように実施された実験では、IgG1形式の、酵母で発現されたxd−16 B、xd−16 C、xd−16 D及びxd−16 Eは、それぞれ45pM、50pM、93pM及び150pMのKでヒトPD−1に結合する。ペンブロリズマブ及びニボルマブは、それぞれ130pM及び640pMのKでPD−1に結合する。xd−16 B、xd−16 C、xd−16 D及びxd−16 Eの場合の結合活性の測定の結果、それぞれ約0.9pM、2.5pM、1.3pM及び0.9pMのKである。ペンブロリズマブ及びニボルマブは、それぞれ約3pM及び5pMのKでヒトPD−1に結合する。
【0103】
【表2】
【0104】
バイオライト(Bio−light)干渉法
ForteBio親和性測定を、一般的には以前記載されているように実施した(Estep, P., et al., High throughput solution−based measurement of antibody−antigen affinity and epitope binning. MAbs, 2013. 5(2): p. 270−8.)。簡潔に、ForteBio親和性測定を、IgGをオンラインでAHQセンサー上に負荷することにより実施した。センサーをオフラインでアッセイバッファにおいて30分間平衡化した後、ベースライン構築のためにオンラインで60秒間モニタリングした。免疫グロブリンGを負荷したセンサーを100nMの抗原に5分間曝露し、その後オフレート測定のためにそれらをアッセイバッファに5分間移した。1:1結合モデルを使用して反応速度を分析した。
【0105】
本質的にこのアッセイにおいて記載されているように実施された実験では、Fab形式での、酵母で発現されたIgG1から産生されたxd−16 B、xd−16 C、xd−16 D及びxd−16 Eは、PD−1_Fcがセンサーチップ上にあった場合、ヒトPD−1_Fcに、ニボルマブ及びペンブロリズマブより約2倍から3倍低いKで結合する。抗体がセンサーチップ上にあった場合、IgG1形式の、酵母で発現されたxd−16 B、xd−16 C、xd−16 D及びxd−16 Eは、ヒトPD−1_Hisに、ニボルマブ及びペンブロリズマブより約3倍から4倍低いKで結合する。Fab形式での、酵母で発現されたIgG1から産生されたxd−16 B、xd−16 C、xd−16 D及びxd−16 Eは、cynoPD−1_Fcに、ニボルマブ及びペンブロリズマブと同様のKで結合する。
【0106】
【表3】
【0107】
CHO細胞上でのヒトPD−1への結合
ヒトPD−1に対する本発明の抗体の結合は、フローサイトメトリーアッセイにおいて測定され得る。
【0108】
CHO細胞(0.2×106個)を、200nMから19回、2倍で0.3815pMの最低濃度までの滴定される実験用抗体と共に30分間、PBS1%BSA中、氷上でインキュベートする。細胞を次に3回洗浄し、二次抗体(PE標識、5μg/mlの最終濃度)と共に、PBS1%BSA中、30分間、氷(光から保護)上でインキュベートする。細胞を3回洗浄し、フローサイトメトリーによって分析する。Accuri C6システム(BD Biosciences)上でフローサイトメトリーを実施し、C6ソフトウェア上でMFIを計算する。Graphpadソフトウェア上でEC50を計算する。
【0109】
本質的にこのアッセイにおいて記載されているように実施された実験では、xd−16 B(IgG4 S228P)は、PD−1に用量依存的に1.461nMのEC50値(n=1)で結合し、xd−16 D(IgG4 S228P)は、PD−1に用量依存的に1.471nMのEC50値(n=1)で結合し、ニボルマブ(IgG4 S228P)は、PD−1に用量依存的に1.311nMのEC50値(n=1)で結合する。本質的にこのアッセイにおいて記載されているように実施された実験では、xd−16 B及びxd−16 Dは、これらの条件下、ニボルマブと同様のEC50でヒトPD−1に結合する。
【0110】
【表4】
【0111】
CHO細胞におけるPD−L1及びPD−L2に対するヒトPD−1のブロッキング。
PD−L1及びPD−L2に対するヒトPD−1の結合をブロックする本発明の抗体の能力は、フローサイトメトリーにより測定され得る。
【0112】
CHO細胞0.2×10個を、実験抗体(100nM)と共に、30分間、PBS1%BSA中、氷上でインキュベートする。細胞を次に3回洗浄し、NHS−FIuorescein(Promega)と関連したPD−L2と共に、PBS1%BSA中、30分間、氷(光から保護)上でインキュベートする。細胞を3回洗浄し、フローサイトメトリーによって分析する。Accuri C6システム(BD Biosciences)上でフローサイトメトリーを実施し、C6ソフトウェア上でMFIを計算する。Graphpadソフトウェア上でEC50を計算する。
【0113】
本質的にこのアッセイにおいて記載されているように実施された実験では、xd−16 B、xd−16 C、xd−16 D及びxd−16 E(IgG1形式、酵母で発現された)は、ヒトPD−L2−FITCの結合をブロックし、182,959.1のMFIをもたらした対照IgGと比較して、それぞれ26,445.9、26,524.8、39,983.1及び40,867.9のMFIをもたらした。ペンブロリズマブ及びニボルマブは、それぞれ46,245.9及び54,509.8のMFIをもたらした。
【0114】
【表5】
【0115】
混合リンパ球反応
本発明の抗体によるPD−1シグナルのブロッキングは、T細胞活性化中の阻害シグナルの放出を測定することにより評価され得る。
【0116】
2×10個のPBMCを、完全T細胞培地において、6ウェル組織培養プレート中の各ウェルまたはT25組織培養フラスコに分注する。細胞を2〜3時間インキュベートし、単球を付着させる。付着が不十分である場合、無血清培地を使用する。新鮮な3倍培地と共にフラスコを穏やかに旋回させることにより、非付着細胞を除去する。
【0117】
1%AB血清、10mMのHEPES、50μMのβ−Me、IL−4(1000U/ml)、及びGM−CSF(1000U/ml)、または25〜50ng/mlの各々を含有するX−VIVO15培地においてPBMCから単球(1×10個/ml)を培養することにより、未成熟骨髄DCを産生する。2日後、IL−4及びGM−CSFを補足した新鮮な培地を添加する。5日目、細胞を凍結するか、または、rTNFa(1000U/ml)、IL−1b(5ng/ml)、IL−6(10ng/ml)、及び1μMのPGEを含有する刺激カクテルを2日間3×10個/mlの細胞密度で添加することにより、成熟を誘導する。
【0118】
Untouched CD4+T細胞単離キット(Invitrogen)において、製造業者の指示に従ってT細胞単離を実施する。1.5mlチューブラックを備え付けた磁石を使用し、望ましくない磁性ビーズ(QIAGEN)を除去する。
【0119】
96丸底組織培養プレートにおいて、100,000〜200,000個の単離T細胞を10,000〜20,000個の同種異系moDCと、200μlの総体積で4〜5日間37℃で混合する。陽性対照として3:1(細胞:ビーズ)の比で抗CD3/CD28DynaBeadsを使用してT細胞を刺激し、ビーズは製造業者の指示に従って用意する。試験抗体をMLRの初期に添加し、培養期間全体を通してインキュベートする。
【0120】
製造業者の指示(eBioscience)に従ってIL−2及びIFN−γの検出を実施する。OD測定値をMultiskan FCシステム(Thermo)上で決定する。
【0121】
本質的にこのアッセイにおいて記載されているように実施された実験では、抗体xd−16 Bは、各濃度で、ニボルマブ及びペンブロリズマブに相当してIFN−γのIL−2を増加させた。
【0122】
【表6】
【0123】
【表7】
【0124】
本発明に記載のすべての参照文献は、それらの各々が本願明細書で個々に引用されるのと同様に、参照により本願明細書に組み込まれる。さらに、当業者であれば、上記の内容を読んだ後、本発明に様々な修飾または変更を施すことができることを理解すべきである。すべてのこれらの均等物も、本願に添付される特許請求の範囲により定義される範囲内に含まれる。
また、本発明は以下を提供する。
[1]
ヒトPD−1(配列番号1)に結合する抗体であって、軽鎖(LC)及び重鎖(HC)を含み、
前記軽鎖がそれぞれ配列番号10、11及び12に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記重鎖が重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、
HCDR1が配列番号2に示されるアミノ酸配列からなり、
HCDR2が配列番号3、4、5、6または7に示されるアミノ酸配列からなり、
HCDR3が配列番号8または9に示されるアミノ酸配列からなる、抗体。
[2]
HCDR1、HCDR2、及びHCDR3がそれぞれ配列番号2、配列番号3、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列からなる、[1]に記載の抗体。
[3]
HCDR1、HCDR2、及びHCDR3がそれぞれ配列番号2、配列番号4、及び配列番号9に示されるアミノ酸配列からなる、[1]に記載の抗体。
[4]
HCDR1、HCDR2、及びHCDR3がそれぞれ配列番号2、配列番号5、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列からなる、[1]に記載の抗体。
[5]
HCDR1、HCDR2、及びHCDR3がそれぞれ配列番号2、配列番号6、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列からなる、[1]に記載の抗体。
[6]
HCDR1、HCDR2、及びHCDR3がそれぞれ配列番号2、配列番号7、及び配列番号9に示されるアミノ酸配列からなる、[1]に記載の抗体。
[7]
1つまたは2つの軽鎖(LC)及び1つまたは2つの重鎖(HC)を含む抗体であって、前記軽鎖の各々が軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記重鎖の各々が重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、または配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する、抗体。
[8]
前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する、[7]に記載の抗体。
[9]
前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する、[7]に記載の抗体。
[10]
前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する、[7]に記載の抗体。
[11]
前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する、[7]に記載の抗体。
[12]
前記LCVRが配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する、[7]に記載の抗体。
[13]
前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCVRが配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、または配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、[7]に記載の抗体。
[14]
前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号19に示されるアミノ酸配列を有する、[13]に記載の抗体。
[15]
前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号20に示されるアミノ酸配列を有する、[13]に記載の抗体。
[16]
前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号21に示されるアミノ酸配列を有する、[13]に記載の抗体。
[17]
前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する、[13]に記載の抗体。
[18]
前記LCが配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記HCが配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、[13]に記載の抗体。
[19]
2つの軽鎖及び2つの重鎖を含み、各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、または配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、[13]に記載の抗体。
[20]
各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号19に示されるアミノ酸配列を有する、[19]に記載の抗体。
[21]
各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号20に示されるアミノ酸配列を有する、[19]に記載の抗体。
[22]
各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号21に示されるアミノ酸配列を有する、[19]に記載の抗体。
[23]
各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する、[19]に記載の抗体。
[24]
各軽鎖が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、各重鎖が配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する、[19]に記載の抗体。
[25]
前記重鎖のうちの1つが前記軽鎖のうちの1つと鎖間ジスルフィド結合を形成し、他の重鎖が他の軽鎖と鎖間ジスルフィド結合を形成し、前記重鎖のうちの1つが他の重鎖と2つの鎖間ジスルフィド結合を形成する、[19]〜[24]のいずれか一項に記載の抗体。
[26]
前記抗体がグリコシル化されている、[1]〜[24]のいずれか一項に記載の抗体。
[27]
配列番号24のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列及び配列番号20のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む哺乳動物細胞であって、配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖及び配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体を発現することができ、好ましくはCHO細胞である哺乳動物細胞。
[28]
配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖及び配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体の産生プロセスであって、[27]に記載の哺乳動物細胞を前記抗体が発現されるような条件下で培養すること、及び前記発現された抗体を回収することを含む、プロセス。
[29]
[28]に記載のプロセスにより産生された、抗体。
[30]
[1]〜[26]のいずれか一項に記載の抗体、及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
[31]
がんの治療方法であって、治療を必要とする対象に、有効量の[1]〜[26]のいずれか一項に記載の抗体を投与するステップを含む、方法。
[32]
前記がんが黒色腫、肺がん、頭頚部がん、結腸直腸がん、膵臓がん、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、または肝がんである、[31]に記載の方法。
[33]
1つ以上の抗腫瘍剤を同時に、別々に、または連続して投与することをさらに含む、[31]または[32]に記載の方法。
[34]
療法における使用のための、[1]〜[26]のいずれか一項に記載の抗体。
[35]
がんの治療における使用のための、[1]〜[26]のいずれか一項に記載の抗体。
[36]
前記がんが、黒色腫、肺がん、頭頚部がん、結腸直腸がん、膵臓がん、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、または肝細胞癌である、[35]に記載の使用のための抗体。
[37]
がんの治療における組み合わせた使用のための、1つ以上の抗腫瘍剤との同時の、別々の、または連続した組み合わせでの、[1]〜[26]のいずれか一項]に記載の抗体。
[38]
前記がんが、黒色腫、肺がん、頭頚部がん、結腸直腸がん、膵臓がん、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、または肝細胞癌である、[37]の組み合わせた使用のための抗体。

【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]