特許第6967524号(P6967524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967524
(24)【登録日】2021年10月27日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】取り外し可能な手関節
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/08 20060101AFI20211108BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   B25J9/08
   B25J3/00 Z
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-548715(P2018-548715)
(86)(22)【出願日】2017年3月16日
(65)【公表番号】特表2019-509906(P2019-509906A)
(43)【公表日】2019年4月11日
(86)【国際出願番号】US2017022763
(87)【国際公開番号】WO2017161150
(87)【国際公開日】20170921
【審査請求日】2020年2月5日
(31)【優先権主張番号】62/309,834
(32)【優先日】2016年3月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507388465
【氏名又は名称】デラウェア・キャピタル・フォーメイション・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Delaware Capital Formation Incorporated
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ギーセン, アイザック エム.
【審査官】 杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】 特許第2733848(JP,B2)
【文献】 特開昭63−102886(JP,A)
【文献】 特開昭61−30396(JP,A)
【文献】 特開昭55−54189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/08
B25J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニピュレータの遠隔アームであって
先端部を有するブーム管(170)であって、前記ブーム管(170)が、機械的連通チェーン(800)を収納するブーム管(170)と、
前記ブーム管(170)に結合された浮動式ギヤボックス組立体(210)であって、前記浮動式ギヤボックス組立体(210)が、
前記ブーム管(170)の前記先端部に強固に結合された外枠体(500)と、
前記外枠体(500)により保持された内枠体(604)であって、前記内枠体(604)が、前記外枠体(500)に対して前記遠隔アームの長手方向軸線を中心として回転可能である内枠体(604)と、
前記内枠体(604)内に配置された駆動ギヤ(608)であって、前記駆動ギヤ(608)が、前記機械的連通チェーン(800)と機械的に連通する駆動ギヤ(608)と
を備える浮動式ギヤボックス組立体(210)と、
手関節ハウジング(402)と、前記手関節ハウジング(402)内に配置された出力ギヤ(408)とを有する手関節(220)であって、前記手関節ハウジング(402)が、前記外枠体(500)に着脱可能に結合するように構成され、かつ前記出力ギヤ(408)は、前記手関節ハウジング(402)が前記外枠体(500)に結合されたときに前記駆動ギヤ(608)と機械的に連通するように構成される手関節(220)
を備える、遠隔アーム。
【請求項2】
前記駆動ギヤ(608)が、前記内枠体(604)に固定される軸(609)を備える、請求項1に記載の遠隔アーム。
【請求項3】
前記手関節ハウジング(402)が差込コネクタ(404)を画定し、かつ前記外枠体(500)が嵌合差込コネクタを画定し、それにより、前記手関節(220)および前記外枠体(500)が着脱可能に結合する、請求項1〜2のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
【請求項4】
前記内枠体(604)と前記手関節ハウジング(402)とにより相互に画定された整合インターフェースを更に備え、前記整合インターフェースが、前記内枠体(604)と前記手関節(220)との径方向の整合を可能にする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
【請求項5】
前記整合インターフェースが、タイミングピン(616)とタイミングピン受部(416)とを備える、請求項に記載の遠隔アーム。
【請求項6】
前記手関節(220)に結合されて前記出力ギヤ(408)と機械的に連通するエンドエフェクタ(167)を更に備え、前記エンドエフェクタ(167)が、回転運動を機械的仕事に変換するように構成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
【請求項7】
前記エンドエフェクタ(167)が、前記出力ギヤ(408)の回転に応答して互いに接近する方向および互いに離れる方向に枢動するように構成されたジョーを備えるトングである、請求項に記載の遠隔アーム。
【請求項8】
前記エンドエフェクタ(167)が、前記出力ギヤ(408)の回転に応答して回転するように構成されるトングである、請求項に記載の遠隔アーム。
【請求項9】
前記エンドエフェクタ(167)が、前記出力ギヤ(408)の回転に応答して回転するように構成されたねじ回しである、請求項に記載の遠隔アーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全ての指定国に対する出願人である米国国内企業Delaware Capital Formation,Inc.および全ての指定国に対する発明者である米国国民Isaac M.Giesenの名義で2017年3月16日にPCT国際特許出願として出願されており、2016年3月17日に出願された米国仮特許出願第62/309,834号明細書の優先権を主張するものであり、これらの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に開示する技術は、概して手関節に関し、より詳細には、取り外し可能な手関節に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の産業では、周囲条件から隔離された環境において仕事、試験、組み立てなどを行うことが好ましい。例えば、いくつかの医療および医薬用途では、外部の屑片および細菌がクリーン環境における条件に実質的に影響を及ぼす可能性のない、実質的によりクリーンな環境でかかる活動が行われることが好ましいことがある。別の例では、内部の廃棄物が外部の条件に実質的に影響を及ぼさないように、ホットセルまたはホットラボなどの、実質的に汚れた環境に活動を封じ込めることが好ましい可能性がある。環境の隔離自体を破らずに隔離環境の内部の装置、構成要素などを隔離環境の外部から操作する能力を有することがしばしば必要である。種々の事例では、かかる活動を行うために遠隔マニピュレータが使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遠隔マニピュレータは、概して、機械的に、電気的に、もしくは油圧的に、またはこれらの3つの組み合わせを使用して、遠隔アームに連結される指令アームを有する。遠隔アームは隔離環境の内部に位置決めされ、かつ指令アームは隔離環境の外部に位置決めされる。遠隔アームは通常、エンドエフェクタを有し、このエンドエフェクタは、例えば、隔離環境の内容物と境界を接するトングとすることができる。操作者は、指令アームを操作することにより遠隔アームの運動を引き起こして制御するとともに、多くの事例では、そのような装置を使用して極めて複雑な作業を実行することができる。そのような装置では、エンドエフェクタを交換することが必要である場合が多い。エンドエフェクタの交換は、いくつかの事例では、異なるタイプのエンドエフェクタを使用する必要性に起因するかもしれず、また他の事例では、現在使用中のエンドエフェクタの保守を実行する必要性に起因することがある。現行の設計では、1つまたは複数のツールの使用と隔離環境にアクセスする使用者との両方が必要となるので、通常、エンドエフェクタにアクセスしてこれを交換することは、時間がかかりかつ骨の折れるプロセスである。多くの場合、隔離環境にアクセスして第1の遠隔マニピュレータシステムのエンドエフェクタを交換するために、第2の遠隔マニピュレータシステムが使用されるが、第2の遠隔マニピュレータシステムの使用は、コスト制限と空間制限を含む多くの理由から実現が困難である場合がある。それゆえ、使用者が隔離環境を破る必要またはエンドエフェクタを交換するために別のマニピュレータシステムを使用する必要のないように、比較的簡単に交換可能であるエンドエフェクタを備えた遠隔マニピュレータを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、先端部を有するとともに機械的連通チェーンを収納するブーム管を有する、マニピュレータ用の遠隔アームに関する。浮動式ギヤボックス組立体は、ブーム管に結合され、かつブーム管の先端部に強固に結合された外枠体を有する。内枠体は、外枠体により保持され、かつ外枠体に対して回転可能である。駆動ギヤは、機械的連通チェーンと機械的に連通する、内枠体内に配置される。手関節は手関節ハウジングを有し、かつ出力ギヤは、手関節ハウジング内に配置され、手関節ハウジングは、外枠体に着脱可能に結合するように構成される。出力ギヤは、手関節ハウジングが外枠体に結合されたときに駆動ギヤと機械的に連通するように構成される。
【0006】
現行の技術のいくつかの実施形態は、エンドエフェクタをマニピュレータの遠隔アームに結合する方法に関する。遠隔アームの浮動式ギヤボックス組立体の第1の結合インターフェースは、エンドエフェクタの第2の結合インターフェースと略軸方向に整合した状態で位置決めされる。浮動式ギヤボックス組立体の第1の結合インターフェースは、エンドエフェクタにより画定された第2の結合インターフェースに接触するように延出させる。浮動式ギヤボックス組立体の第1の結合インターフェースは、浮動式ギヤボックス組立体およびエンドエフェクタが相互に係合するようにエンドエフェクタの第2の結合インターフェースに対して回転させる。他の実施形態も説明する。
【0007】
本技術は、添付図面との関連で本技術の種々の実施形態の以下の詳細な説明を考慮してより完全に理解され評価され得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
マニピュレータの遠隔アームであって
先端部を有するブーム管であって、機械的連通チェーンを収納する前記ブーム管と、
前記ブーム管に結合された浮動式ギヤボックス組立体であって、
前記ブーム管の前記先端部に強固に結合された外枠体と、
前記外枠体により保持された内枠体であって、前記外枠体に対して回転可能である前記内枠体と、
前記内枠体内に配置された駆動ギヤであって、前記機械的連通チェーンと機械的に連通する前記駆動ギヤと
を備える、前記浮動式ギヤボックス組立体と、
手関節ハウジングと、前記手関節ハウジング内に配置された出力ギヤとを有する手関節であって、前記手関節ハウジングが、前記外枠体に着脱可能に結合するように構成され、かつ前記出力ギヤは、前記手関節ハウジングが前記外枠体に結合されたときに前記駆動ギヤと機械的に連通するように構成される、前記手関節と
を備える、遠隔アーム。
(項目2)
前記駆動ギヤが、前記内枠体に固定される軸を備える、項目1および3〜9のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
(項目3)
前記手関節ハウジングが差込コネクタを画定し、かつ前記外枠体が嵌合差込コネクタを画定し、それにより、前記手関節および前記外枠体が着脱可能に結合する、項目1〜2および4〜9のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
(項目4)
前記内枠体と前記手関節ハウジングとにより相互に画定された整合インターフェースを更に備え、前記整合インターフェースが、前記内枠体と前記手関節との径方向の整合を可能にする、項目1〜3および5〜9のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
(項目5)
前記整合インターフェースが、タイミングピンとタイミングピン受部とを備える、項目1〜4および6〜9のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
(項目6)
前記手関節に結合されて前記出力ギヤと機械的に連通するエンドエフェクタを更に備え、前記エンドエフェクタが、回転運動を機械的仕事に変換するように構成される、項目1〜5および7〜9のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
(項目7)
前記エンドエフェクタが、前記出力ギヤの回転に応答して互いに接近する方向および互いに離れる方向に枢動するように構成されたジョーを備えるトングである、項目1〜6および8〜9のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
(項目8)
前記エンドエフェクタが、前記出力ギヤの回転に応答して回転するように構成されるトングである、項目1〜7および9のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
(項目9)
前記エンドエフェクタが、前記出力ギヤの回転に応答して回転するように構成されたねじ回しである、項目1〜8のいずれか一項に記載の遠隔アーム。
(項目10)
エンドエフェクタをマニピュレータの遠隔アームに結合する方法であって、
前記遠隔アームの浮動式ギヤボックス組立体の第1の結合インターフェースをエンドエフェクタの第2の結合インターフェースと略軸方向に整合した状態で位置決めすることと、
前記エンドエフェクタにより画定された第2の結合インターフェースに接触するように前記浮動式ギヤボックス組立体の前記第1の結合インターフェースを延出させることと、
前記浮動式ギヤボックス組立体および前記エンドエフェクタが相互に係合するように前記浮動式ギヤボックス組立体の前記第1の結合インターフェースを前記エンドエフェクタの前記第2の結合インターフェースに対して回転させるために、前記マニピュレータの指令側から前記遠隔アームに延びる機械的連通チェーンを通じて指示運動および指示入力のうちの1つを伝達することと
を含む、方法。
(項目11)
前記第1の結合インターフェースおよび前記第2の結合インターフェースが、差込連結部を画定する、項目10および12〜17のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
更に、前記浮動式ギヤボックス組立体の前記第1の結合インターフェースを前記エンドエフェクタに対して回転させることにより、前記浮動式ギヤボックス組立体と前記エンドエフェクタとにより相互に画定された整合インターフェースがさらに結合される、項目10〜11および13〜17のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記整合インターフェースが、タイミングピンとタイミングピン受部とを備える、項目10〜12および14〜17のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記整合インターフェースが、前記浮動式ギヤボックス組立体の内枠体により相互に画定され、かつ前記整合インターフェースを結合することにより、前記内枠体が前記エンドエフェクタに対して回転することが防止される、項目10〜13および15〜17のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記浮動式ギヤボックス組立体が、前記第1の結合インターフェースを画定する外枠体を更に備え、かつ前記浮動式ギヤボックス組立体および前記エンドエフェクタが相互に係合するように前記浮動式ギヤボックス組立体の前記第1の結合インターフェースを回転させることが、前記外枠体を前記内枠体に対して回転させることを含む、項目10〜14および16〜17のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記第1の結合インターフェースを位置決めして前記第1の結合インターフェースを延出させるために前記指令側からの指示運動および指示入力からなる群における少なくとも1つの指示を受けることを更に含む、項目10〜15および17のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
前記エンドエフェクタが、回転運動を機械的仕事に変換するように構成される、項目10〜16のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、例示的な遠隔マニピュレータの概略図である。
図2図2は、例示的な遠隔手関節の斜視図である。
図3図3は、別の視点から見た図2の例示的な手関節の斜視図である。
図4図4は、図3の例示的な手関節の斜視断面図である。
図5図5は、本明細書に開示する技術と一致する手関節の斜視図である。
図6図6は、別の視点から見た図6の手関節の斜視図である。
図7図7は、本明細書に開示する技術と一致するブーム管および浮動式ギヤボックス組立体の斜視図である。
図8図8は、部分的な浮動式ギヤボックス組立体の斜視図である。
図9図9は、本明細書に開示する技術と一致する浮動式ギヤボックス組立体の底面図である。
図10図10は、拘束固定具に挿入された図2の遠隔手関節の斜視図である。
図11図11は、別の視点から見た、拘束固定具に挿入された遠隔手関節の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、例示的な遠隔マニピュレータである。かかる遠隔マニピュレータ100は、種々の実施形態において本出願を通じて開示する技術と一致する。遠隔マニピュレータ100は広義には、3つの主要な構成要素、すなわち、指令アーム140と、遠隔アーム160と、指令アーム140を遠隔アーム160に連結するシール管150とを有する。遠隔アーム160は、隔離環境110内の内容物を操作する目的で隔離環境110内にある。指令アーム140は、隔離環境110の外部に、より具体的には、概して使用者がアクセスできる二次環境120内にある。隔離環境110と二次環境120とは、遠隔アーム160を指令アーム140に連結するためにシール管150が貫通する壁130により隔てられる。壁130は、二次環境120から隔離環境110内の構成要素を視認できる窓135を画定することができる。
【0010】
隔離環境110は、様々な実施形態では、ガス、屑片などが、シール管150および窓135の周囲を含む、一方の環境から他方の環境に移ることができないように、二次環境120から切り離される。いくつかの他の実施形態では、隔離環境110は、二次環境120から切り離されない。隔離環境110は、例えば、ホットセルとすることができる。
【0011】
遠隔マニピュレータ100は、指令アーム140が二次環境120内において特定の方式(「指示運動」)で操作されたときに、遠隔アーム160が、隔離環境110内において実質的に対応する移動(「応答運動」)により応答するように構成される。指令アーム140は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、およびZ軸方位方向のうちの1つまたは複数の方向に導くことができる。X軸運動は、Y軸線を中心とする指令アーム140の回転により規定される。Y軸運動は、X軸線を中心とする指令アーム140の回転により規定される。Z軸運動は、指令アーム140の長手方向軸線l1に沿った直線運動により規定される。Z軸方位方向は、指令アーム140の長手方向軸線l1を中心とする回転である。
【0012】
指令アーム140は、指示運動を更に容易にするために、指令手関節145と指令ハンドル147とを有する。指令アーム140は、指示入力としての役割を果たす任意の数の指令のための様々なトリガ、ボタン、スイッチなどを内蔵することができる。そのようなトリガ、ボタン、スイッチなどは、指令ハンドル147上に配置することができる。いくつかの実施形態において、指令ハンドル147は、係合されたときに、遠隔アーム160において把持応答運動をもたらすトリガを内蔵する。指令手関節145は、指令ハンドル147と指令アーム140の先端部との間に位置決めされ、かつ指令手関節145により画定された軸線を中心とする回転運動と指令手関節145を中心とする指令ハンドル147の枢動の一方または両方などの複雑な指示運動を可能にする。種々の実施形態では、指令手関節145を中心とする指令ハンドル147の枢動により、指令ハンドル147が指令アーム140に対して僅かに持ち上がる。指令手関節145により可能とされる二重運動は、本出願の目的のために以下まとめて「上昇/捻り」運動と称される。
【0013】
遠隔アーム160の応答運動は、同様に、x軸方向、y軸方向、z軸方向、およびz軸方位方向のうちの1つまたは複数における運動である。遠隔アーム160は、本実施形態ではトングである、エンドエフェクタ167と、指令アーム140の指示運動およびまたは指示入力に対する応答運動を容易にする遠隔手関節220とを有する。遠隔手関節220は、遠隔アーム160の先端部とエンドエフェクタ167との間に配置される。エンドエフェクタ167の回転運動は、遠隔手関節220により画定された軸線を中心に可能とされる。エンドエフェクタ167の枢動運動は、遠隔手関節220を中心に可能とされる。指令ハンドル147に関して上述したように、遠隔手関節220を中心とするエンドエフェクタ167の枢動により、エンドエフェクタ167が遠隔アーム160に対して僅かに持ち上がる。この場合もまた、遠隔手関節220により可能とされる二重運動は、本出願の目的のために以下まとめて「上昇/捻り」運動と称される。
【0014】
種々の実施形態において、遠隔アーム160は、シール管150と交換可能でありかつシール管150と結合する遠隔操作で取り外し可能な独立したユニットである。いくつかの実施形態において、遠隔アーム160は、隔離環境110と二次環境120との間のシールを破壊せずにシール管150に結合しかつシール管150から分離される。かかる実施形態において、遠隔アーム160は、隔離環境110の外部から遠隔操作で遠隔アーム160をシール管150に結合するかまたはシール管150から分離するための自己整合/自己係止機構を含むことができる。エンドエフェクタ167はまた、遠隔操作で取り外し可能でありかつ他のタイプのエンドエフェクタと交換可能であるものとすることができる。
【0015】
遠隔手関節220および指令手関節145は、概して、当技術分野で知られる様々な手段により達成可能である上で説明したような上昇/捻り運動を可能にするように構築される。種々の実施形態において、手関節は、2つのギヤおよび1つのヨークを内蔵し、上昇/捻り運動が、それらを通過するチェーンにより駆動される。
【0016】
指令アーム140は、隔離環境110のシールを破壊せずにシール管150に結合しかつシール管150から分離される交換可能で取り外し可能な独立したユニットとすることができる。いくつかの実施形態において、指令アーム140は、指令アーム140と遠隔アーム160の両方のための1つまたは複数のX軸、Y軸、およびZ軸運動釣り合い錘を内蔵する。
【0017】
指令ハンドル147は、概して、使用者により機械的に係合されてエンドエフェクタ167の応答把持運動を生じさせるように構成される。いくつかの実施形態において、機械的係合とは、ハンドル上に配置されたトリガを押圧するかまたは指令ハンドル147上のハンドル握持面を枢動させることなどを通じてのあるハンドル構成要素の別のハンドル構成要素に対する変位である。指令ハンドル147は、エンドエフェクタ167の把持を維持するために指令ハンドルの係合を維持することが可能なラチェット装置または係止装置を有することができる。ラチェットを内蔵したいくつかの例示的な実施形態において、ラチェットは、係合状態で係止されるかまたは係合解除状態で係止されることが可能である。いくつかの実施形態において、指令ハンドル147は、種々の幅の物体を取り扱うためにエンドエフェクタ167の把持のサイズを調整するための調整ねじを有する。複数の実施形態において、指令ハンドル147は、指令ハンドル147を操作する使用者の握持サイズ感覚に対応するように、指令ハンドル147により画定される1つまたは複数の握持面のサイズを調整するための調整ねじを有する。
【0018】
シール管150は、隔離環境110を隔離した状態に保ちながら二次環境120から隔離環境110に指示運動を伝達することが可能な密封ユニットである。様々な実施形態において、1つまたは複数のシールは、シール管150の指令端部側のシール管150内に配置される。いくつかの例示的な実施形態において、各シール対の間の空間にはグリースが充填される。
【0019】
少なくとも1つの実施形態において、シール管150は、二次環境120から壁130の少なくとも一部分を貫通して隔離環境110に密封可能に延びる壁管155により隔離環境110を切り離す。様々な実施形態において、シール管150は、壁管155内に密封可能に配置される。例として、シール管150は、二次環境120側の壁管155の端部側に封着される1つまたは複数のニトリルゴム製のばね負荷式リップシールなどのシールを用いて壁管155内に密封可能に配置することができる。複数のシールが使用される場合、シール間の空間にはグリースを充填することができる。このような構成は、密封隔離環境110の隔離を維持しながら、シール管150が壁管155内で回転することを可能にする。シール管150は、特定の用途の要求に合うように様々であり得る様々な異なる構成を有する、遠隔アームと指令アームとを係合させるように構成することができる。
【0020】
実施形態において、シール管150は、壁130の二次環境120側に封着する。シール管150の隔離された端部に位置する、シール管150と壁管155との間に汚染バリアが存在する可能性がある。かかる汚染バリアは、当技術分野で知られる汚染バリアと一致し得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、シール管150は、壁管155の二次環境120側に向かって壁管155の内径に装着され封着する。このようなシールは、例えば、軸方向に圧縮されて、シール管150組立体を壁管155の内径に封着するように膨張する、1対のネオプレンリング、ニトリルリング、および/またはバイトンリングとすることができる。
【0022】
全てではないが、いくつかの実施形態において、マニピュレータ100は、モータに係合することにより遠隔アーム160に指示入力を与える二次環境120内の手動操作スイッチを通じてアクセスされるX、YおよびZ方向のモータ駆動による移動を有する。このようなモータ駆動による移動を「割り出し」と称することができる。モータは電気モータとすることができるが、他のタイプのモータも確実に考慮される。X軸運動は、Y軸線を中心とする遠隔アーム160の回転により規定される。いくつかの実施形態において、遠隔アーム160は、指令アーム140に対していずれかのX軸方向に45°まで割り出すことができる。Y軸運動は、X軸線を中心とする遠隔アーム160の回転により規定される。いくつかの実施形態において、遠隔アーム160は、X軸線とY軸線とにより画定された平面に直交する遠隔アーム160の位置に対して90°〜−15°まで割り出すことが可能であり、正の角度は、壁130から離れる方向への移動として規定される。Z軸運動は、遠隔アーム160の長手方向軸線l2に沿った直線運動により規定される。遠隔アーム160の向きに応じて、遠隔アーム160の長手方向軸線l2に沿った遠隔アーム160の延出または後退は、必ずしも空間内でZ軸線と整合されるとは限らない。しかしながら、本出願の目的のために、長手方向軸線l2に沿った遠隔アーム160の延出または後退は、Z方向におけるものと称されるものとする。いくつかの実施形態において、モータは、100ポンド(45kg)を持ち上げることが可能である。
【0023】
エンドエフェクタ167における応答運動は、指令ハンドル147で生じた指示運動をエンドエフェクタ167に伝達する機械的連通チェーンを通じて開始される。上で説明した概ね割り出される移動である、指示入力は、指令アーム140上に配置することができるが、概して、指令ハンドル147からアクセス可能であり、したがって、本出願の目的のために指令ハンドル147から入力されるものと称される。更に、本出願の目的のために、指令ハンドル147の指示運動および指示入力に応答してエンドエフェクタ167の応答運動に寄与する要素の組み合わせは、機械的連通チェーンと称される。種々の実施形態において、機械的連通チェーンは、電子的要素を内蔵することができる実質的に機械的なシステムである。いくつかの実施形態において、機械的連通チェーンは、機械的要素を内蔵した実質的に電子的なシステムである。かかる機械的連通チェーンは、概して、指令ハンドル147における指示運動または指示入力から始まり、最終的にエンドエフェクタ167の対応する応答運動をもたらす。
【0024】
機械的連通チェーンは、エンドエフェクタ167の応答運動を引き起こすために指令ハンドル147から指示運動および指示入力を受け取るように構成される様々なギヤ、プーリ、チェーン、ケーブル、テープ、ベルト、ドラム、モータ、リンクなどを有する。本出願の目的のために、材料の連続ループを使用して回転発生源から回転受け部に動力を伝達する任意の手段はテープと称され、かつ、そのようなテープと機械的に連通することが可能な任意の発生源または受け部はドラムと称される。テープの例としては、チェーン、ケーブル、ロープ、紐、ベルト、テープなどが挙げられる。ドラムの例としては、プーリ、歯車、ギヤ、スプロケット、ドラムなどが挙げられる。
【0025】
概して、エンドエフェクタ167が利用可能な運動の各軸線は、それに関連付けられる特定の機械的連通チェーンを有する。第1の機械的連通チェーンは、指令ハンドル147の指示運動に応答してエンドエフェクタ167を第1の軸線に沿って導くように構成される。第1の軸線は、複数の実施形態では、X軸線とすることができる。更に、第2の機械的連通チェーンは、指令ハンドル147の指示運動に応答してエンドエフェクタ167を第2の軸線に沿って導くように構成される。種々の実施形態において、第2の軸線はY軸線である。第3の機械的連通チェーンは、指令ハンドル147の指示運動に応答してエンドエフェクタ167を、Z軸線とすることができる、第3の軸線に沿って導くように構成される。第4の機械的連通チェーンは、Z軸方位応答運動に対応することができる、指令ハンドル147の指示に応答してエンドエフェクタ167を第3の軸線の周りに導くように構成される。
【0026】
X、Y、およびZ方向の電気駆動式割り出しに関連付けられる移動は、モータに係合することにより指示入力を与える指令ハンドル147から手動操作スイッチを通じてアクセスすることができる。種々の実施形態において、モータは電気モータである。モータは、指令ハンドル147の少なくとも1つのスイッチ、トグル、トリガなどの指示入力からエンドエフェクタ167の応答運動を引き起こすための少なくとも1つの機械的連通チェーンにおける構成要素である。
【0027】
いくつかの例示的な実施形態において、シール管150の指令端部は、各機械的連通チェーンに当接する1つまたは複数の密封構成要素を保持する、例えば、内部に装着される分割シール板を備える。いくつかの実施形態において、密封構成要素は、機械的連通チェーン毎に1対のニトリルゴム製のばね負荷式リップシールである。
【0028】
図2は、本明細書に開示する実施形態と一致する遠隔アーム160の例示的な先端部の斜視図を示しており、かつ図3は、異なる視点から見た遠隔アーム160の先端部を示している。遠隔アーム160の先端部は、ブーム管170と、浮動式ギヤボックス組立体210と、手関節220と、エンドエフェクタ167とを有する。本実施形態において、浮動式ギヤボックス組立体210は、ブーム管170に固定され、かつエンドエフェクタ167は、遠隔手関節220に固定される。様々な実施形態において、遠隔手関節220は、浮動式ギヤボックス組立体210に取り外し可能に結合される。
【0029】
ブーム管170は、様々な構成を有することができるが、概して、遠隔アーム160の先端部からシール管に向かって延びる(図1参照)。ブーム管170は、概して、指令ハンドル147からエンドエフェクタ167に延びる機械的連通チェーンの各々の長さを収納するように構成される。ブーム管170は、単一の構成要素とすることができ、または互いに接合された複数の構成要素とすることができる。
【0030】
エンドエフェクタ167は、概して、隔離環境に封じ込められる材料と境界を接する構成要素である。エンドエフェクタ167は、材料を把持するように構成することができるジョー168を有することができる。エンドエフェクタ167は、遠隔手関節220および/または他の構成要素に対する応答運動を実行するように構成することができる。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ167は、遠隔手関節220に対して回転する能力を有する。多くの実施形態では、エンドエフェクタは、本明細書で説明しているように、トングであり、いくつかの実施形態では、エンドエフェクタはツールとすることができる。例えば、エンドエフェクタは、出力ギヤの回転に応答して回転するように構成されたねじ回しとすることができる。別の例において、エンドエフェクタは、レンチとすることができる。種々の実施形態において、エンドエフェクタは、ギヤ回転などの回転運動を機械的仕事に変換するように構成される。
【0031】
手関節220は、エンドエフェクタ167の応答運動を引き起こすためにエンドエフェクタ167に延びる1つまたは複数の機械的連通チェーンを収納する手関節ハウジング402を有する。例えば、いくつかの実施形態では、手関節220は、機械的移動を変換して、指令ハンドル147における指示運動または指示入力から開始されたエンドエフェクタ167の把持応答運動をもたらす。いくつかの実施形態において、手関節220は、指令ハンドル147における指示運動または指示入力から開始されたエンドエフェクタ167のZ軸方位運動を伝達する。
【0032】
浮動式ギヤボックス組立体210および手関節220は、相互に可逆的に係合するように構成される。浮動式ギヤボックス組立体210は、ブーム管170と手関節220との間のインターフェースとしての役割を果たす。浮動式ギヤボックス組立体210および手関節220は、様々な代替手段により相互に係合することができる。いくつかの実施形態において、浮動式ギヤボックス組立体210および手関節220は、相互に係合するように構成される嵌合特徴部を有する。例として、浮動式ギヤボックス組立体210および手関節220は、回転時に相互に係合するように構成されるねじ付き面を画定する。別の例として、浮動式ギヤボックス組立体210および手関節220は、互いに対する圧力の印加により互いを締め付けるように構成される。更に別の例として、浮動式ギヤボックス組立体210および手関節220は、圧力の印加により係合するようにスナップ嵌めを形成する。
【0033】
いくつかの実施形態において、手関節220は、差込式連結部により浮動式ギヤボックス組立体210に取り外し可能に結合される。かかる実施形態では、浮動式ギヤボックス組立体210を手関節220に対して第1の方向に回転させ、遠隔アーム160をZ方向に後退させることでギヤボックス組立体210を手関節220から軸方向に離れる方向に平行移動させることにより連結部を外すことができる。いくつかの実施形態では、浮動式ギヤボックス組立体210を手関節220に対して第1の方向とは反対の第2の方向に回転させ、浮動式ギヤボックス組立体210を手関節220に向けて軸方向内方に平行移動させることにより、手関節220と浮動式ギヤボックス組立体210との連結部を係合させることができる。手関節220を浮動式ギヤボックス組立体210と取り外し可能に結合する他の手段を使用することができる。構成要素の迅速かつ簡単な結合を可能にする種々のタイプの連結部が考慮される。
【0034】
図4は、浮動式ギヤボックス組立体210およびブーム管170の一部が除去された、図3と同じ視点から見た遠隔アーム160の断面斜視図である。浮動式ギヤボックス組立体210は、外枠体500と浮動式ギヤボックス600とを有する。浮動式ギヤボックス600は、外枠体500内に配置される。浮動式ギヤボックス600は、1つまたは複数の機械的連通チェーンの少なくとも一部分を画定する。いくつかの実施形態において、機械的連通チェーンは、駆動ギヤ608と連通する入力テープドラム700を有する。入力テープドラム700は、アイドラギヤ704を通じて駆動ギヤ608と連通する。浮動式ギヤボックス600は、浮動式ギヤボックス組立体210の外枠体500内で回転可能である内枠体604を有する。軸受は、内枠体604と外枠体500との相対回転を可能にするために内枠体604と外枠体500との間に配置することができる。
【0035】
内枠体604内に配置された駆動ギヤ608は、内枠体604に固定される軸609を有する。同様に、内枠体604内に配置された入力テープドラム700は、内枠体604に固定された軸を有する。また、内枠体604内に配置されたアイドラギヤ704は、内枠体604に固定された軸を有する。様々な実施形態において、回転構成要素は、共通の軸を共有することができる。
【0036】
浮動式ギヤボックス組立体210の外枠体500は、概して、ブーム管170に固定される。浮動式ギヤボックス組立体210の外枠体500は、手関節220を取り外し可能に受け入れるように構成される。外枠体500および手関節220は、概して、結合インターフェースを画定する。様々な実施形態において、手関節220は、差込コネクタ406を画定する手関節ハウジング402を有し、かつ外枠体は、手関節220および外枠体500が着脱可能に結合するように嵌合差込コネクタ504を画定する。差込コネクタ406は、外枠体500により画定された対応する差込突起504を受け入れるように構成される1つまたは複数の差込受部である。いくつかの実施形態において、差込コネクタは、外枠体500により画定された対応する受部により受け入れられるように構成される1つまたは複数の差込突起である。他のタイプのインターフェースを画定することもできる。
【0037】
浮動式ギヤボックス組立体210と手関節220とが結合されたときに、浮動式ギヤボックス600の駆動ギヤ608は、手関節220の出力ギヤ408、412と整合するように構成される。エンドエフェクタ167がトングである、いくつかの実施形態において、手関節220の出力ギヤ408、412は、エンドエフェクタの上昇/捻り運動に影響を及ぼす少なくとも上昇/捻りギヤの出力ギヤ408および/またはトングのジョーの把持運動に影響を及ぼす把持ギヤ412である。本出願の目的のために、本明細書で使用される「ギヤ」とは、指令ハンドル147とエンドエフェクタ167との間の機械的連通チェーンに沿って運動を伝達することが可能な任意の構造を指す。例として、ギヤは、歯付車または歯車付車、摩擦車などとすることができる。
【0038】
様々な実施形態において、手関節ハウジング402および浮動式ギヤボックス組立体210は、手関節ハウジング402および浮動式ギヤボックス組立体210およびこれらの対応する機械的連通チェーンの適切な整合を確実にするために整合インターフェースを相互に画定する。整合インターフェースは、様々な構成を有することができる。いくつかの実施形態において、手関節ハウジング402および浮動式ギヤボックス組立体210の内枠体604の一方はタイミングピンを画定し、かつ手関節ハウジング402および浮動式ギヤボックス組立体210の内枠体604の他方はタイミングピン受部を画定する。整合インターフェースは、特に、内枠体604と手関節220との径方向の整合を可能にすることができる。
【0039】
図4に描かれている実施形態において、手関節220は、タイミングピン受部416を画定する。タイミングピン受部416は、浮動式ギヤボックス組立体210からタイミングピン(図示せず)を受け入れるように構成される。タイミングピン受部416は、タイミングピン受部416内の係合および整合位置に向けてタイミングピンを案内するように構成される、孔、先細り孔、スロット、先細りスロット、または他の凹状幾何学的形状とすることができる。タイミングピン受部416の使用については、以降の図の説明において更に詳細に述べる。
【0040】
タイミングピン受部416によりタイミングピンを完全に係合させたときに、手関節ハウジング402と浮動式ギヤボックス組立体210とが結合される。タイミングピン受部416によりタイミングピンを完全に係合させたときに、浮動式ギヤボックス600が手関節ハウジング402および外枠体500に対してZ軸線を中心に回転することが防止される。タイミングピン受部416によりタイミングピンを完全に係合させたときに、浮動式ギヤボックス600の駆動ギヤ608は、手関節220の対応するギヤと機械的に連通するように構成される。
【0041】
浮動式ギヤボックス600の入力テープドラム700は、機械的連通チェーンを通じて指令ハンドル147(図1に描かれている)と機械的に連通するように構成される。いくつかの実施形態では、ドラム上に延ばされたテープにより機械的連通チェーンを少なくとも部分的に画定することができる。そのようなものとして、ブーム管170から浮動式ギヤボックス600を経て手関節220に延びる機械的連通チェーンは、浮動式ギヤボックス600の入力テープドラム700とブーム管170内の隣接するドラムとの不整合に対する許容度の比較的高いものとすることができる。いくつかの実施形態において、テープは、機械的連通チェーンにおける隣接するドラムと相対的に整合されるように浮動式ギヤボックス600のテープドラム700を付勢することができる。
【0042】
図5および図6は、図2図4と一致する例示的な手関節220の斜視図である。手関節220は、手関節ハウジング402を有する。手関節ハウジング402は、1つまたは複数の差込コネクタ404を画定する。本実施形態において、差込コネクタ404は、対応する差込突起を受け入れるように構成される複数の差込受部406である。いくつかの実施形態において、差込コネクタは、対応する差込受部により受け入れられるように構成される差込突起を画定することができる。いくつかの例において、手関節ハウジング402は、差込コネクタの代わりに、浮動式ギヤボックス組立体210と結合するためのねじ山または他のコネクタ手段を画定することができる。
【0043】
手関節220は、浮動式ギヤボックス組立体210の駆動ギヤと機械的に連通するように構成される1つまたは複数の出力ギヤ408、412を有する。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の出力ギヤは、手関節の上昇/捻り出力ギヤ408である。この例において、手関節220は、2つの上昇/捻り出力ギヤ408を有する。互いに対しかつ手関節ハウジング402に対する出力ギヤ408の運動は、エンドエフェクタ167の上昇/捻り運動に影響を及ぼす。特に、手関節220の上昇/捻り出力ギヤ408の運動は、機械的連通チェーンを通じてエンドエフェクタ167に伝達される(図5)。本実施形態において、この機械的連通チェーンは、エンドエフェクタ167のベベルギヤ418と回転連通する対応する中間伝達ギヤ419(図5では1つのみが視認可能である)を有する。ベベルギヤ418は、エンドエフェクタ167の上昇/捻りを引き起こす。特定の代替構成も考慮される。
【0044】
本実施形態において、少なくとも1つの出力ギヤは、把持ギヤ412である。把持ギヤ412は、浮動式ギヤボックス組立体210における駆動ギヤと境界を接するように構成される。手関節ハウジング402に対する把持ギヤ412の運動は、エンドエフェクタ167のジョーの開閉に影響を及ぼす。種々の実施形態において、把持ギヤ412の運動は、把持運動で開閉するように機械的連通チェーンを通じてエンドエフェクタ167のジョー168に伝達される。この特定の実施形態において、この機械的連通チェーンは、把持ギヤ412と連通するとともにベベルギヤ418を通ってエンドエフェクタ167に延びる出力ケーブル422を有する。出力ケーブル422は、ベベルギヤにおいて分かれることができ、出力ケーブル422の各端部は、対応するジョープーリ169(図2参照)を介して各ジョー168に延びることができる。出力ケーブル422は、把持運動で開閉するようにエンドエフェクタ167のジョー168を駆動する。特定の代替構成も考慮される。
【0045】
図7は、マニピュレータのブーム管170および浮動式ギヤボックス組立体210の斜視図であり、かつ図8は、浮動式ギヤボックス600の斜視断面図である。図9は、浮動式ギヤボックス組立体210の底面図である。浮動式ギヤボックス組立体210は、外枠体500と、外枠体500内に配置された浮動式ギヤボックス600とを有する。外枠体500は、浮動式ギヤボックス600を覆って外枠体500内に浮動式ギヤボックス600を保持する略円筒管である。外枠体500は、手関節220の嵌合差込コネクタを受け入れるように構成された差込コネクタを画定する。本実施形態において、差込コネクタは、手関節220により画定された複数の差込受部406に対応する複数の径方向内向き差込突起504である。いくつかの例において、浮動式ギヤボックス組立体210は、差込突起504の代わりに、対応する手関節220と嵌合するためのねじ山または他の構造を有することができる。
【0046】
浮動式ギヤボックス600は、内枠体604と、内枠体604内に配置された1つまたは複数の機械的連通チェーン800の少なくとも一部分とを有する。いくつかの例において、浮動式ギヤボックスハウジング500は、ねじなどの結合金具を用いて接合される2つの半体またはクラムシェルを有する。浮動式ギヤボックスハウジング500は、手関節220のタイミングピン受部416(図6参照)により受け入れられるように構成される、浮動式ギヤボックスハウジング500から延びるタイミングピン616を有する。タイミングピン616は、浮動式ギヤボックス組立体210が手関節220に結合されたときにタイミングピン受部416と嵌合するように構成される。
【0047】
浮動式ギヤボックス600は、外枠体500とは比較的独立に方位方向に自由に回転することができる。様々な実施形態において、1つまたは複数の軸受は、外枠体500と浮動式ギヤボックス600との間に配置される。いくつかの実施形態において、ブーム管170および浮動式ギヤボックス600のテープドラムを通って延びるテープは、概して、ブーム管170に対して剛性である。テープは、対抗するより大きな力が加えられるまで入力テープドラム700および浮動式ギヤボックス600の位置をブーム管170および外枠体500に対して保持するのに十分な張力を受けることができる。
【0048】
浮動式ギヤボックス600は、2つのギヤが結合状態にあるときに手関節220の上昇/捻り出力ギヤ408および把持ギヤ412と機械的に連通するように構成される複数の駆動ギヤ608を有する。各駆動ギヤ608は、タイミングピン616およびタイミングピン受部416により、差込コネクタにより、または他の手段により2つの構成要素を適切に整合させたときに、手関節220における対応する1つの出力ギヤと機械的に連通するように構成される。駆動ギヤは各々、1つまたは複数の機械的連通チェーンを通じて指令ハンドル147と機械的に連通する。
【0049】
図10および図11は、拘束固定具300に内に配置された図2の(エンドエフェクタなしの)手関節220を描いている。拘束固定具300は、手関節220および浮動式ギヤボックス組立体210に対する結合および分離を容易にする目的でエンドエフェクタおよび取り付けられた手関節220を拘束するために使用される。固定具300は、エンドエフェクタ167および手関節220によりアクセス可能な位置に隔離環境110(図1)内に配置される。使用者は、エンドエフェクタ167および手関節220が実質的に拘束されるようにエンドエフェクタ167を固定具内に導き、このことは、エンドエフェクタ167および手関節220がXおよびY方向に平行移動することとZ軸方位方向に回転することが防止されることを意味する。使用者は、マニピュレータの指令側の指示運動/入力を通じて手関節220と浮動式ギヤボックス組立体210とを分離することができ、第1のZ軸方位方向へのエンドエフェクタ167の回転をもたらす。手関節220が固定具300により保持されるので、浮動式ギヤボックス組立体210の外枠体500に加わるトルクは、手関節220から外れるような方式で手関節220に対して回転する。ブーム管170から浮動式ギヤボックス600内のテープドラムに延びるテープが、回転させた外枠体500に対してテープドラムが整合されたままとなるように浮動式ギヤボックス600を付勢できるので、浮動式ギヤボックス600に対する外枠体500の多少の回転も生じる可能性がある。
【0050】
浮動式ギヤボックス組立体210に対する手関節220の再結合は、取り外しと同様の方式で実行することができる。使用者は、(1)浮動式ギヤボックス組立体210を手関節と略軸方向に整合した状態にし、(2)浮動式ギヤボックス組立体210を手関節220上に軸方向に下降させ、次いで、(3)浮動式ギヤボックス組立体210および手関節220が互いに係合するように浮動式ギヤボックス組立体210を(第1のZ軸方位方向とは反対の)第2のZ軸方位方向に回転させるために、マニピュレータの指令側に指示運動/入力を与える。
【0051】
熟練した操作者は、浮動式ギヤボックス組立体210が手関節220とほぼ整合されるように浮動式ギヤボックス組立体210を位置決めすることができるが、概して、浮動式ギヤボックス組立体210の駆動ギヤ608(例えば、図8参照)と手関節220の嵌合出力ギヤ408、412(例えば、図6参照)との、認識することが困難である、多少の不整合が生じる。そのようなものとして、浮動式ギヤボックス600のタイミングピン616(図8および図9)および手関節220のタイミングピン受部416(図6)は、浮動式ギヤボックス組立体210と手関節220との適切な整合時に嵌合するように構成される。いくつかの実施形態において、浮動式ギヤボックス組立体210および手関節220は、浮動式ギヤボックス組立体210のギヤと手関節220のギヤとの適切な整合をもたらすような方式で相互に係合するように構成される。
【0052】
様々な実施形態では、タイミングピン616(図8)がタイミングピン受部416(図6)の外周領域に配置されたときに、浮動式ギヤボックス組立体210と手関節220とを結合することができる。操作者は、浮動式ギヤボックス組立体210が手関節220の嵌合面に接触するまでブーム管170をZ方向(ならびに必要に応じてXおよびY方向)に下方に延出させる。タイミングピン616がタイミングピン受部416の外周領域に接触しない場合、操作者は、タイミングピン616がタイミングピン受部416の外周領域内に位置決めされるまでZ軸方位方向への指示入力を与える。タイミングピン616が手関節220とブーム管170との間で加圧下にある場合に、タイミングピン受部416の外周領域は、タイミングピン616をタイミングピン受部416の内側領域に向けて案内するように構成される。一例において、タイミングピン616は、タイミングピン受部416の中心開口に向かう外周領域の先細り形状に追従する。プロセスのこの時点は、ピン捕捉と称される。いくつかの実施形態において、タイミングピン616は、タイミングピン受部416により受け入れられた時点で捕捉されている。
【0053】
ピンがうまく捕捉された後に、操作者は、上で説明した方式と一致する方式で外枠体500と手関節220との連結部を係合させる。操作者は、浮動式ギヤボックス組立体210の差込コネクタが手関節220の差込コネクタと整合されるまでブーム管170を方位方向に回転させるための指示運動/入力を与える。浮動式ギヤボックス600は、捕捉されたタイミングピン616が、浮動式ギヤボックス604の回転に対抗する力をブーム管170とテープとに与えるので、手関節220との整合を維持する。いくつかの実施形態において、操作者は、手関節220により画定された差込受部406により外枠体500の差込突起504が受け入れられるように、浮動式ギヤボックス組立体600を下降させて回転させる。次いで、操作者は、差込突起504が差込受部406に完全に係合するまでブーム管を第2のZ軸方位方向に回転させる。差込連結部の係止により、浮動式ギヤボックス600が手関節220上に完全に下降し、次いで、タイミングピン616がタイミングピン受部416と完全に係合する。タイミングピン受部416とのタイミングピン616の完全な係合により、浮動式ギヤボックス600が手関節220とブーム管170内の機械的連通チェーンとに適切に整合した状態となる。浮動式ギヤボックス組立体を手関節220に係合させたときに、エンドエフェクタ167と指令ハンドル147(図1)との間に1つまたは複数の機械的連通チェーンが完成する。
【0054】
1つまたは複数の固定具を隔離環境内に配置することにより、エンドエフェクタの取り外しおよび交換は、比較的迅速にかつ別のマニピュレータシステムを使用せずに実行することができる。いくつかの実施形態において、異なるエンドエフェクタに対応する異なる固定具は、使用時に特定の要求を満たすエンドエフェクタに使用者が選択的に結合することを可能にする。いくつかの使用例では、迅速な保守を実行するために使用者が隔離環境にアクセスする必要なしにマニピュレータの動作が継続できるように、使用者は、保守を必要とするエンドエフェクタを取り外して複数の利用可能なエンドエフェクタのうちの1つに結合する必要がある場合がある。いくつかの実施形態では、特定の機能性を有するエンドエフェクタを、異なる機能性を有する異なるタイプのエンドエフェクタと交換することが望ましい可能性がある。例えば、トングは、例として、ねじ回し、ラチェット、またはレンチと交換することができる。種々の実施形態において、各固定具は、類似のまたは全く異なる設計の1つまたは複数のエンドエフェクタを拘束することができる。
【0055】
また、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「構成される(configured)」という語句が、特定の作業を実行するかまたは特定の構成を採用するように構築または構成されるシステム、装置または他の構造を説明することにも留意すべきである。「構成される(configured)」という語句は、「配設される(arranged)」、「配設および構成される(arranged and configured)」、「構築および配設される(constructed and arranged)」、「構築される(constructed)」、「製造および配設される(manufactured and arranged)」などの他の同様の語句と交換可能に使用することができる。
【0056】
本明細書における全ての刊行物および特許出願は、本技術が属する技術分野における通常の技術水準を示すものである。全ての刊行物および特許出願は、あたかも各個別の刊行物または特許出願が参照により具体的かつ個別に示されているのと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
本出願は、本主題の応用例または変形例を網羅することが意図されている。上記の説明は、例示的であり、限定的ではないように意図されていることを理解されたい。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11