(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アセンブリの高さは、前記設備ユニットが前記タワーセクション内の最終鉛直位置に設置されると、前記ヨークガイドがそのそれぞれの係合ガイドに隣接して位置するようになっている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の設備パッケージ。
前記設備ユニットは、少なくとも1つのカメラシステムを備え、該カメラシステムは、前記アセンブリが前記タワーセクションに向かって下降される間に、前記係合ガイドのうちの少なくとも1つを含む画像を捕捉するように構成及び配向され、それにより、前記ユニットガイドのうちの少なくとも1つの、対応する係合ガイドに対する位置決めを補助する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の設備パッケージ。
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、風力タービンタワーの設置に用いるアセンブリであって、該アセンブリは、
前記風力タービンタワーのタワーセクション内に設置する設備ユニットであって、該設備ユニットは、周方向に離間した複数のユニットガイドを備え、該ユニットガイドのそれぞれは、該アセンブリを前記タワーセクション内に下降させる間にガイドするために、前記タワーセクションの上側内縁部上の又は該上側内縁部に隣接した対応する係合ガイドに係合するように構成される、設備ユニットと、
前記設備ユニットに解除可能に接続されるとともに、周方向に離間した複数のヨークガイドを備えるヨークであって、前記ヨークガイドのそれぞれは、該アセンブリを前記タワーセクション内に下降させる間にガイドするために、前記タワーセクションの前記上側内縁部上の又は該上側内縁部に隣接した対応する係合ガイドに係合するように構成される、ヨークと、
を備え、
該アセンブリは、該アセンブリが下降される間、前記ユニットガイド及び/又は前記ヨークガイドのうちの少なくとも1つが、該アセンブリが前記タワーセクションに入るときから該アセンブリが前記タワーセクション内の設置位置に達するまで、前記係合ガイドと実質的に連続的に係合するように構成される、アセンブリが提供される。
【0008】
前記アセンブリは、ヨークガイドと同数のユニットガイドを備えることができ、該ユニットガイドのそれぞれは、前記ヨークガイドのうちの対応する1つと鉛直方向に位置合わせされる。
【0009】
前記設備ユニットは、電気構成要素を保持するフレームを備えることができ、前記ユニットガイドは、前記フレームの径方向外部を含むことができる。
【0010】
前記フレームは、鉛直に延在する複数のフレーム部材を備えることができ、各ユニットガイドは、前記フレーム部材のうちの1つの径方向外縁部を含む。
【0011】
前記フレームは、平面における多角形の部分を有することができ、その場合、前記フレーム部材のそれぞれは、前記多角形の頂点と鉛直方向に位置合わせされる。
【0012】
前記フレームは、平面における矩形の部分を有することができ、その場合、前記フレーム部材のそれぞれは、前記矩形のコーナーと鉛直方向に位置合わせされる。
【0013】
前記アセンブリの高さは、前記設備ユニットが前記タワーセクション内の最終鉛直位置に設置されると、前記ヨークガイドがそのそれぞれの係合ガイドに隣接して位置するようにすることができる。
【0014】
前記設備ユニットは、少なくとも1つのカメラシステムを備えることができ、該カメラシステムは、前記アセンブリが前記タワーセクションに向かって下降される間に、前記係合ガイドのうちの少なくとも1つを含む画像を捕捉するように構成及び配向され、それにより、前記ユニットガイドのうちの少なくとも1つの、対応するユニットガイドに対する位置決めを補助する。
【0015】
前記又は各カメラシステムは、前記設備ユニットに取外し可能に取り付けることができ、前記設備ユニットが設置された後、前記又は各カメラの撤去が可能である。
【0016】
前記アセンブリは、前記捕捉された画像を遠隔装置上で見るために送信する少なくとも1つの無線通信インターフェースを備えることができる。
【0017】
本発明によれば、風力タービンの設備パッケージであって、該設備パッケージは、
上述したアセンブリと、
風力タービンタワーセクションであって、前記アセンブリを該タワーセクション内に下降させる間にガイドするために、該タワーセクションの上側内縁部上に又は該上側内縁部に隣接して複数の係合ガイドを備える、風力タービンタワーセクションと、
を備える、設備パッケージが提供される。
【0018】
前記係合ガイドは、前記風力タービンタワーセクションから取外し可能とすることができる。
【0019】
本発明によれば、風力タービンタワーのタワーセクションにおける設備ユニットの設置の方法であって、該方法は、
アセンブリを前記タワーセクションの開放端部の上方に吊り上げることであって、前記アセンブリは、
周方向に離間した複数のユニットガイドを備える、前記タワーセクション内に設置する設備ユニットと、
前記設備ユニットに解除可能に接続されるとともに、周方向に離間した複数のヨークガイドを備えるヨークと、
を備えることと、
前記アセンブリを、複数の係合ガイドを備える前記開放端部内に下降させることと、
を含み、
前記ユニットガイドのそれぞれは、前記係合ガイドのうちの少なくとも1つに係合するように構成及び配置され、それにより、前記アセンブリが前記開放端部に入り、該開放端部内に下降される間に、前記タワーセクションに対する所定の位置に前記アセンブリを維持するようになっており、
前記ヨークガイドのそれぞれは、前記係合ガイドのうちの少なくとも1つに係合するように構成及び配置され、それにより、前記アセンブリが前記開放端部内に更に下降される際に、前記セクションに対する所定の位置に前記アセンブリを維持し続けるようになっている、方法が提供される。
【0020】
前記方法は、前記アセンブリを前記開放端部内に下降させるのに先立って、前記係合ガイドを前記セクションに、前記開放端部において又は該開放端部に隣接して一時的に取り付けることを含むことができる。
【0021】
前記方法は、前記設備ユニットがその最終位置に達すると、前記ヨークの接続を前記設備ユニットから解除し、前記ヨークを前記セクションから引き上げることを含むことができる。
【0022】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して、単に例として記載する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
全ての図面は、概略図であり、必ずしも一定縮尺ではない。
【0025】
図1を参照すると、風力タービン100が示されている。風力タービン100は、基礎104又は一時的な支持体に取り付けられた概ね鉛直のタワー102を含む。タワー102は、ナセル106を支持する。ローター108は、風力を回転エネルギーに変換するために、水平軸の周りに回転するナセル106に取り付けられる。ナセル106は、タービン(図示せず)とともに、回転エネルギーを電気エネルギーに変換するのを補助する他の機械システム及び電気システムを収容する。
【0026】
風力タービン100の高さに応じて、風力タービンタワーは、単一のセクションから、又は複数のセクションを積み重ねて接合することによって構築することができる。例えば、
図1に示されている風力タービン100のタワー102は、下側セクション110及び上側セクション112を有する。
【0027】
より大規模な風力タービンに共通して見られるように、タワー102(並びにセクション110及び112)は中空である。多くの場合、更なる機器がタワー102内に設置される。例えば、
図2は、
図1の風力タービンの構築中の下側セクション110を示している。下側セクション110は、基礎104に配置されている。下側セクション110の設置が完了した後、設備ユニット114が、例えば、クレーン(図示せず)によって適所に下降される。ストラット116等の内部支持体は、設備ユニット114を下側セクション110内の適所に鉛直に保持する。
【0028】
設備ユニット114の一例が
図2Aに示されている。設備ユニット114は、変換器電子装置、電圧スイッチギア、及び変圧器等の電気機器120を支持するユニットフレーム118を備える。保持する必要がある機器の量に応じて、設備ユニット114は、電気機器120がボルト、ブラケット、溶接、又は他の好適な手段によって取り付けられる1つ又は複数の床122を備えることができる。
【0029】
図3及び
図4を参照すると、第1のセクション110の上端部は、内部フランジ124を有する。フランジは、軸方向に延在する複数の貫通穴126を有する。上側セクション112は、その下端部に、同様に配置された穴を有する対応するフランジ(図示せず)を有する。上側セクション112を下側セクション110上にそれぞれの穴の位置を合わせて配置した後、ボルト(図示せず)を穴に挿通し、ナット(図示せず)を用いて上側セクション及び下側セクションをともにクランプする。慣例的に、各フランジにおける穴は、周方向(例えば、時計回り)に連続的に付番される。基準インジケーター128により、タワーの設置を行う技術者に、タワーセクションに対する穴番号の開始位置を示すことが可能である。
【0030】
図5〜
図7を参照すると、第1のセクション110が基礎104又は一時的な支持体上に設置された後、係合ガイド130がフランジ124上に設置される。
図6A及び
図6Bに最もよく示されているように、各係合ガイド130は、収束ランプ135をともに形成する傾斜面132及び134を有することができる。このランプ135と設備ユニット114との設置中の相互作用は、より詳細に後述する。各係合ガイド130は、図示の例では、2つの貫通穴137を有するブラケット部131を有する。
【0031】
図6A、
図6B、及び
図7に示されているように、各係合ガイド130は、穴126及び137の重なり合う対を介して、フランジ124にボルト留めすることができる(わかりやすくするために、
図6Aではボルトは示されていない)。係合ガイド130は、特定の穴126を基準にフランジ124上に配置され、その穴126の位置は、基準インジケーター128から数えることで求めることができる。
【0032】
係合ガイド130の数は、特定の設置の必要に基づいて選択することができる。(平面図における)矩形のフレーム又はフットプリントを有する設備ユニット114が用いられる場合、例えば、4つの係合ガイド130を設置することができる。
図5及び
図6に示されているように、係合ガイドは、それぞれの間に十分なクリアランスを有し、設備ユニット(点線131で示されている)がこの間を滑り抜けるように配置される。
【0033】
図6A及び
図6Bに示されているように、各係合ガイド130は、設置されると、フランジ124から径方向内方に延在するとともに、フランジ124の上方にも延在する。
【0034】
図8を参照すると、設備ユニット114及びヨーク136が示されている。ヨーク136は、クランプ、ボルト、フック、又は当業者に既知の他の取付け機構(図示せず)等の任意の好適な手段によって、設備ユニット114に解除可能に接続される。この接続は、設備ユニット114及びヨーク136が現場に搬送される前、又は(より多くの場合)現場で設置が行われる直前等の任意の好適な時点で行うことができる。ヨーク136の目的は、設備ユニット114上の好適な強化点に吊上げ力を分散しながら、クレーンのフック又はクランプへの連結をもたらすことである。これにより、設備ユニット114を、破損又は歪曲のリスクを伴わずに、タワーにおける設置のために安全に吊り上げることができることが確実になる。
【0035】
図9は、風力タービンタワーの設置に用いられるアセンブリ139を形成するために設備ユニット114に解除可能に接続されるヨーク136を示している。
【0036】
設備ユニット114のユニットフレーム118は、設備ユニット114の(平面図における)各コーナー/頂点に配置される4つの鉛直フレーム部材138を備える。フレーム部材138の位置関係は、図示の実施形態では、設備ユニット114に矩形のフットプリント又はフォームファクターを与えるが、異なる数のフレーム部材により、異なる形状、例えば、三角形又は五角形のフットプリントを与える他の実施形態も想定されることが理解されるであろう。フットプリントの形状は、多角形又は他の任意の好適な形状であってもよい。フットプリントが多角形の場合、フレーム部材は、多角形の1つ以上の頂点と鉛直方向に位置合わせすることができる。
【0037】
図8及び
図9に示されている実施形態では、設備ユニット114には、フレーム部材138の径方向外縁部の形態のユニットガイド140が設けられる。より詳細に後述するように、ユニットガイド140のそれぞれは、設備ユニット114を下側セクション110に設置する間、対応する係合ガイド130に係合するように構成される。
【0038】
ヨーク136は、ヨークフレーム142を備え、ヨークフレーム142は、設備ユニットのフレームと同様に、ヨーク136の(平面図における)各コーナー/頂点に配置された4つの鉛直フレーム部材144を備える。
図8及び
図9に示されている実施形態では、ヨーク136には、フレーム部材144の径方向外縁部の形態のヨークガイド146が設けられる。より詳細に後述するように、ヨークガイド146のそれぞれは、下側セクション110における設備ユニット114の設置中に、対応する係合ガイド130に係合するように構成される。また、ヨーク136及び設備ユニット114が接続されている間、各ヨークガイド146は、ユニットガイド140のうちの対応する1つと鉛直方向に位置合わせされる。鉛直方向に位置合わせされたヨークガイド146及びユニットガイド140の各対は、比較的連続的な鉛直ガイド148を効果的に形成する。換言すれば、ヨークフレーム142は、4つの鉛直ガイド144によって画定されるフットプリント又はフォームファクターを有し、このフットプリント又はフォームファクターは、設備ユニット114のフットプリントに実質的に対応又は合致する。事実上、ヨークフレーム142は、設備ユニット114の連続する部分である。
【0039】
以下、設備ユニット114の下側セクション110内への設置が、
図9〜
図15を参照して記載される。
【0040】
図9に示されているように、設備ユニット114に解除可能に接続されるヨーク136を備えるアセンブリ139を、クレーンフック150に取り付けることができる。
【0041】
図10に示されているように、クレーンフック150(
図9を参照)が取り付けられたクレーン(図示せず)は、ヨーク136を吊り上げ、それにより、アセンブリ139を、下側セクション110の真上の位置に置く。ガイドロープ又は他の安定化/ガイドステー(図示せず)を用いて、各ユニットガイド140の下端部152が係合ガイド130のうちの対応する1つと鉛直方向に位置合わせされるまで、設備ユニット114を回転及び並進させることができる。係合ガイド130の位置及び空間は、対応する係合ガイド130に対する各下端部152の位置合わせにおいていくらかの公差が存在するようになっている。
【0042】
次に、クレーンは、係合ガイド130との係合に向けてアセンブリ139を慎重に下降させることができる。
図11に最もよく示されているように、ユニットガイド140の下端部152とその対応する係合ガイド130との間に位置ずれが存在する場合でも、下端部152のうちの少なくとも1つが傾斜面132及び134の一方又は双方に係合する。アセンブリ139が下降を続けるうち、下端部152と傾斜面132及び134との相互作用により、アセンブリ139が係合ガイド130と位置合わせされるとともに、アセンブリ139が係合ガイド130内で中心合わせされるまで、必要に応じて、アセンブリ139を徐々に回転させる。
【0043】
係合ガイド130に対するアセンブリ139のこの位置合わせにより、
図12に示されているようにアセンブリ139が更に下降される際、下側セクション110の内部に対してアセンブリ139が正確に位置決めされることが確実になる。加えて、鉛直方向に位置合わせされたヨークガイド146及びユニットガイド140の各対によって形成される比較的連続的なガイド148により、設備ユニット114が下側セクション110内に下降される際、及び係合ガイド130とユニットガイド140との間の係合がヨークガイド146との係合に置き換わる際に、設備ユニット114が正確な向き及び位置に維持されることが確実になる。
【0044】
「係合する(engaging)」、「係合(engagement)」、及び関連する用語に対する参照は、潜在的な係合を含むものとして理解しなければならない。例えば、設置中に風がなく、アセンブリ139が直接下側セクション110に向かって下側セクション110内に下降される際に、アセンブリ139が完璧に鉛直であり正確に位置決めされる場合、ユニットガイド140又はヨークガイド146は、係合ガイド130のいずれとも実際に接触しない場合がある。位置ずれが存在する場合でも、いくつかの状況では、ユニットガイド140又はヨークガイド146のサブセットのみが、係合ガイド130のいずれかに実際に接触する場合がある。したがって、当業者であれば、「係合する」、「係合」、及び関連する用語は、特定の設置状況に応じて何らかの形態の意図的なガイド接触を行うことができる任意の関係を包含するように意図されることを理解するであろう。
【0045】
最終的に、
図13に示されているように、下端部152は、ストラット116に達する。ストラット116は、下端部ガイド154を備えることができ、各下端部ガイド154は、下端部152のうちの1つを受け、設備ユニット114が最終位置へと下降される際にその下端部152をガイドするように構成される。アセンブリ139が最終位置に達した後、技術者は、設備ユニット114をストラット116に(例えば、ボルト留めによって)接続し、及び/又は、設備ユニット114を安定させるために下側セクション110の内面に係合する当接部材等の更なる支持体を設置することができる。この前又は後に、
図14に示されているように、ヨーク136の接続を設備ユニット114から解除し、クレーンを用いてヨーク136を取り外すことができる。
【0046】
その後、
図15に示されているように、係合ガイド130を取り外すことができる。次いで、上側セクション112(又は、更なるタワーセクションが必要とされない場合にはナセル)を、上述したように、下側セクション110の頂部に設置することができる。
【0047】
アセンブリ139は、ユニットガイド及び/又はヨークガイドのうちの少なくとも1つが、アセンブリ139が下側セクション110に入るときからアセンブリ139が下側セクション110内の設置位置に達するまで、少なくとも1つの対応する係合ガイド130に実質的に連続的に係合するように構成されていることがわかるであろう。当業者であれば、「実質的に連続的に係合する」というのは、アセンブリが下降される際に、ヨークガイド146及び/又はユニットガイド140とそのそれぞれの係合ガイド130との間の潜在的な係合において、僅かな又は短い不連続性が許容可能である場合があることを意味することを理解するであろう。上記不連続性とは、例えば、ヨーク136と設備ユニット114との間に小さな隙間が存在することであり得る。
【0048】
図示の実施形態では、また
図13に最もよく示されているように、ヨークガイド146は、アセンブリ139がストラット116上に置かれていても、係合ガイド130の平面内に留まる。これにより、設備ユニット114は、下降中のいずれの時点でも、クレーンケーブルによって回転又は横方向に動くことができないことが確実になる。加えて、ヨーク136の接続が解除された後、ヨーク136は係合ガイド130によって位置合わせされた状態を保っており、下側セクション110から吊り上げる前の再位置合わせ及び中心合わせが必要ないため、ヨーク136を容易に引き上げることができる。
【0049】
記載の実施形態におけるユニットガイドは、設備ユニットのフレームの鉛直部材の外縁部によって形成されるが、他の形態のユニットガイドを使用してもよいことが理解されるであろう。例えば、各ユニットガイドは、設備ユニットにボルト留め、ねじ留め、クランプ、溶接、接合、又は他の方法で取り付けられるレール又は他の細長い剛性構造体の形態をとることができる。この取付けは、設備ユニット114のフレーム、床、又は他の任意の好適な点に対するものとすることができる。
【0050】
記載の実施形態におけるユニットガイド140及びヨークガイド146は、鉛直方向に細長い単一のガイド148を効果的に形成し、タワーにおける比較的小型の係合ガイド130と協働するように構成される。そのようなユニットガイド140及びヨークガイド146は、鉛直方向に細長い係合ガイド(図示せず)と係合することもできる。目下好ましい一実施形態において、ユニットガイド140とヨークガイド146とを組み合わせた長さ(すなわち、鉛直高さ)は、係合ガイドの垂直平面及びアセンブリをタワーの下側セクション110内の適所に支持するストラット116の垂直平面からの距離を超えることができる。このようにして、係合、ひいてはガイド機能は、設置の間、常に確保される。
【0051】
複数のユニットガイド及び/又はヨークガイドが、互いに対して鉛直方向に離間した各位置に存在してもよい。隣り合うユニットガイド及び/又はヨークガイド間には隙間が存在する場合がある。任意のこのような隙間は、係合ガイドがユニットガイド及び/又はヨークガイドのうちの少なくとも1つに常に係合するように、対応する細長い係合ガイドによって架け渡すことができる。代替的に、ユニットガイド及び/又はヨークガイド並びに対応する係合ガイドの鉛直方向の空間を、ユニットガイド及び/又はヨークガイドのうちの少なくとも1つが対応する係合ガイドに常に係合するように選択することができる。
【0052】
記載の実施形態における係合ガイド130は、収束ランプ135をともに形成する傾斜面132及び134を有する。代替的に、係合ガイドは、そのような傾斜面を有する必要がなく、又は収束ランプを形成する必要がない。その場合、係合ガイドは、単に、設備ユニットが設置される際の設備ユニットに対する特定の位置及び向きを規定するのみである。その場合、技術者が設備ユニットを係合ガイドと位置合わせするのをより容易にするために、より大きな公差を許容することができる。
【0053】
記載の実施形態における係合ガイド130は、設備ユニットが設置されるとフランジ124から取り外し可能である。代替的に、係合ガイドは、タワーの常設部分とすることができる。これは、係合ガイドが2つのセクション(又はセクション及びナセル)間の境界部及び取付け部に干渉することなく、任意の更なるセクション(又は、当該セクションが最後のセクション又は唯一のセクションである場合にはナセル)を、当該セクションの頂部に配置することができるようにして、係合ガイドをタワーにボルト留め、ねじ留め、クランプ、溶接、接合、又は他の方法で取り付けることによって達成することができる。代替的に、係合ガイドは、タワー自体の一体部分を形成することができ、例えば、フランジ124上又はフランジ124内等の、タワーの開放端部の付近に形成することができる。
【0054】
記載の実施形態におけるユニットガイド及びヨークガイドは、鉛直方向に位置合わせされた対を形成し、それにより、各対が同じ係合ガイドに係合することが可能である。代替的に、ヨークガイドのうちの1つ以上がユニットガイドのうちのいくつか又は全てから角度オフセットされる場合があり、またその逆の場合もある。その場合、対応するヨークガイド及び/又はユニットガイドと鉛直方向に位置合わせされていない各ユニットガイド及び/又はヨークガイドには、更なる係合ガイドが必要である。
【0055】
ヨークガイド146は、ユニットガイド140と比べて比較的短いものとして示されているが、他の実施形態では、ヨークガイド146は、特定の設置においてアセンブリ139が下降される際に、ヨークガイド146が対応する係合ガイド130との係合を維持することを確実にするために、ユニットガイドと同じ長さ又はユニットガイドよりも長くすることができる。
【0056】
ガイドのうちの任意のものは、ユニットガイド及び/又はヨークガイド(複数の場合もある)と対応する係合ガイド(複数の場合もある)との間の係合を緩衝するように、弾性部を有することができる。これは、ガイドのうちの任意のものを、板ばね、コイルばね等の上に弾性的に取り付けるか、又はエラストマー等の弾性材料を介して取り付けることによって達成することができる。ガイドのうちの任意のものは、1つ以上のホイールを備え、それにより、ガイドと対応するガイドとの間の低摩擦運動を可能にすることができる。例えば、係合ガイドは、ユニットガイド及び/又はヨークガイドに係合するように構成されたホイールを備えることができる。
【0057】
アセンブリの下降に先立って、ガイドのうちの任意のもの又は全てを、損傷の機会を低減するために、好適な潤滑剤によって潤滑してもよい。
【0058】
記載の実施形態は、二つのセクションの風力タービンの下側セクションに設置される設備ユニットを示している。当業者であれば、設備ユニットは、下側セクション、中間セクション、又は上側セクションを含む、風力タービンの任意のセクションに設置することができることを理解するであろう。いくつかの場合、タワーに対して単一のセクションのみが存在する場合もある。
【0059】
設備ユニットは、典型的には、平面図において概ね矩形のフレームを備えているが、設備ユニット及びそのフットプリントは、任意の好適な形状又はフォームファクターを有することができる。同様に、風力タービンタワーのセクションは概ね円錐台形であることが通常であるが、このセクションは、他の任意の好適な形状及び/又は断面を有することができる。
【0060】
設備ユニットが係合ガイドを通って動くために与えられるクリアランスの量は、各設置の特定の要件に従って選択することができる。一例として、矩形のフットプリント又はフォームファクターを有する設備ユニットが用いられる場合、矩形の各対角線にわたって30mmのクリアランスが好適とすることができる。取外し可能な係合ガイドが用いられる場合、このクリアランスの現場での調整が可能であるように、係合ガイドの位置を設置時に調整可能とすることができる。その場合、通常、クリアランスは、設備ユニットの現場での測定に基づいて決定(又は少なくとも確認)される。代替的に又は加えて、ヨークガイド及び/又はユニットガイドは、必要なクリアランスを提供するために調整可能とすることができる。加えて、アセンブリをタワー内に下降させる際にクリアランスの低減をもたらすように、ガイドのうちの1つ以上に角度を付けることができる。
【0061】
図16を参照すると、設備ユニット114は、少なくとも1つのカメラシステムを任意に備えることができる。図示の例では、カメラシステム158は、フレーム部材138のそれぞれの下端部の付近に設けられる。各カメラシステム158は、アセンブリ139がタワーセクション110に向かって下降される間に、係合ガイド130のうちの少なくとも1つを含む画像を捕捉するように構成及び配向されている。技術者は、捕捉された画像を用いて、ユニットガイド140のうちの少なくとも1つの、対応する係合ガイド130に対する位置決めを補助することができる。
【0062】
通常、各カメラシステム158は、カメラシステムが取り付けられるフレーム部材138のユニットガイド140の少なくとも一部の画像を捕捉するとともに、そのユニットガイドの対応する係合ガイド130の少なくとも一部の画像を捕捉するように配置される。カメラシステム158のそれぞれからの画像を検討することで、技術者は、各ユニットガイド140及びその対応する係合ガイド130の相対位置の明確な理解を得ることができ、それにより、設備ユニット114と係合ガイド130とを互いに接触させる前に、その素早く正確な位置合わせを達成するのに役立つ。
【0063】
上記又は各カメラシステム158は、設備ユニット114が下側セクション110内に設置された後、上記又は各カメラシステム158の撤去を可能にするように、設備ユニット114に取外し可能に取り付けることができる。この取付けは、ストラップ、ロープ、クランプ、ねじ、ボルト、又はカメラシステム158を設備ユニット114に一時的に取り付ける他の任意の好適な機構によるものとすることができる。これを補助するために、カメラシステムは、1つ以上のブラケット(図示せず)を備えることができる。上記又は各カメラシステム158は、カメラシステム158(及びカメラシステム158の取付けに用いる任意の取付け機構)が係合ガイド130のいずれにも干渉しないように取り付けられるべきである。
【0064】
捕捉された画像を遠隔装置(図示せず)上で見るために送信する少なくとも1つの無線通信インターフェースを、アセンブリ上又はアセンブリ内に設けることができる。各カメラシステム158には、固有の無線通信インターフェース(図示せず)を設けることができるか、又は、各カメラシステム158は、捕捉された画像を送信する中央無線インターフェース(図示せず)と通信することができる。無線インターフェースがカメラシステム158とは別個である場合、設備ユニット114の設置が完了した後、無線インターフェースは取外し可能とすることができる。一実施形態において、捕捉された画像は、有線接続を介して送信することができる。
【0065】
アセンブリ(例えば、アセンブリ139)と、風力タービンタワーセクション(例えば、下側セクション110)とを備える、風力タービンの設備パッケージを提供することができる。タワーセクションは、アセンブリをタワーセクション内に下降させる間にガイドするために、タワーセクションの上側内縁部上に又は上側内縁部に隣接して複数の係合ガイド(例えば、係合ガイド130)を備える。
【0066】
図17を参照すると、風力タービンタワーのタワーセクション(例えば、下側セクション110)において設備ユニット(例えば、設備ユニット114)を設置する方法が示されている。本方法は、必要に応じて、係合ガイド(例えば、係合ガイド130)をタワーセクションに、タワーセクションの開放端部において又は開放端部に隣接して一時的に取り付ける(160)ことを含む。代替的に、係合ガイドは、上述したように、セクション上に恒久的に取付け又は形成することができる。
【0067】
ステップ162において、アセンブリを、タワーセクションの開放端部の上方に(通常、クレーンを用いて)吊り上げることができる。上述したように、アセンブリは、タワーセクション内に設置する設備ユニットを備え、設備ユニットは、周方向に離間した複数のユニットガイド(例えば、ユニットガイド140)を備える。アセンブリは、ヨーク(例えば、ヨーク136)も備え、ヨークは、設備ユニットに解除可能に接続され、周方向に離間した複数のヨークガイド(例えば、ヨークガイド146)を備える。
【0068】
次に、ステップ164において、アセンブリは、開放端部内に下降させることができる。ユニットガイドのそれぞれは、係合ガイドのうちの少なくとも1つに係合するように構成及び配置され、それにより、アセンブリが開放端部に入り、開放端部内に下降される間、アセンブリをタワーセクションに対する所定の位置に維持するようになっている。ヨークガイドのそれぞれは、係合ガイドの水平平面内に入ると、係合ガイドのうちの少なくとも1つに係合するように構成及び配置され、それにより、アセンブリが開放端部内に更に下降される際に、アセンブリを上記セクションに対する所定の位置に維持し続けるようになっている。
【0069】
次に、ステップ166において、ヨークは、設備ユニットがその最終位置に達すると、設備ユニットとの接続を解除し、上記セクションから引き上げることができる。
【0070】
上述した選択肢及び代替形態のうちの任意のもの又は全てを、
図17のフローチャートに示されている方法に関して必要に応じて使用することができる。
【0071】
本発明は、特定の実施形態を参照して記載したが、本発明は、これらの実施形態にいかようにも限定されるものとして解釈すべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。特許請求の範囲に関して、「備える、含む("comprising" or "comprises")」という用語は、他の可能な要素又はステップを除外しない。また、数量を特定しないものは、単数及び複数を含むものと解釈されるべきである。さらに、異なる請求項において言及される個々の特徴は、場合によっては有利に組み合わせることができ、異なる請求項におけるこれらの特徴の言及は、特徴の組合せが可能で有利であることを除外しない。