特許第6967569号(P6967569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967569
(24)【登録日】2021年10月27日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】折り畳み支持脚
(51)【国際特許分類】
   A47B 3/06 20060101AFI20211108BHJP
   A47B 13/02 20060101ALI20211108BHJP
   A47B 91/02 20060101ALI20211108BHJP
   A47B 9/16 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   A47B3/06 D
   A47B13/02
   A47B91/02
   A47B9/16 Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-195198(P2019-195198)
(22)【出願日】2019年10月28日
(65)【公開番号】特開2021-65578(P2021-65578A)
(43)【公開日】2021年4月30日
【審査請求日】2019年10月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】591218972
【氏名又は名称】株式会社美工
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 明彦
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−031842(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 3/06
A47B 13/02
A47B 91/00−91/02
A47B 9/16
A47F 5/00− 8/02
F16M 11/00
日本意匠分類 D7−140、D7−191
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚と脚とが互いに交差し、この交点を支点として開閉可能に連結された3つ以上のX字型の脚部と、平面より見て環状に配置された前記脚部の隣り合う前記脚の上端同士を各々連結する取り換え可能な上側連結具と、
環状に配置された前記脚部の隣り合う脚の下端同士を各々連結する取り換え可能な下側連結具と、を有する天板を支持する折り畳み支持脚において、
前記上側連結具及び/または前記下側連結具には、前記脚が当接して前記脚部の最大開き角度を所定の角度に規定する角度固定部が備えられており、
前記上側連結具及び/または前記下側連結具を取り換えることにより、折り畳み支持脚の高さ調節が可能となることを特徴とする折り畳み支持脚。
【請求項2】
前記角度固定部を有する前記上側連結具は、前記天板を係止する上側連結具本体と前記角度固定部が備えられた角度固定部材とを有し、前記角度固定部を有する前記下側連結具は、接地する下側連結具本体と前記角度固定部が備えられた角度固定部材とを有していることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み支持脚。
【請求項3】
前記角度固定部材は、前記上側連結具本体または前記下側連結具本体と前記脚とを軸支する軸体と同一の軸心を有する螺子によって、前記上側連結具本体または前記下側連結具本体に取り付けられている請求項2に記載の折り畳み支持脚。
【請求項4】
脚と脚とが互いに交差し、この交点を支点として開閉可能に連結された3つ以上のX字型の脚部と、平面より見て環状に配置された前記脚部の隣り合う前記脚の上端同士を各々連結する上側連結具と、
環状に配置された前記脚部の隣り合う脚の下端同士を各々連結する下側連結具と、を有する天板を支持する折り畳み支持脚において、
前記上側連結具及び/または前記下側連結具と別体であり、かつ、前記上側連結具及び/または前記下側連結具に前記脚が当接して前記脚部の最大開き角度を規定する所定の角度固定部が備えられ、
前記最大開き角度が所定の角度となるように前記角度固定部を配設することにより、折り畳み支持脚の高さ調節が可能となることを特徴とする折り畳み支持脚。
【請求項5】
【請求項5】
前記角度固定部は、一端部に回転の中心となる基端側ピンを備え、他端部に最大開き角度を決めるための先端側ピンを備え、前記上側連結具及び/または前記下側連結具は、前記基端側ピンが貫入する基端側穴があけられ、さらに、前記先端側ピンが貫入する2つ以上の先端側穴があけられている請求項4に記載の折り畳み支持脚。

【請求項6】
折り畳み支持脚を備える展示台であって、当該折り畳み支持脚が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の展示台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、天板等を支持する折り畳み支持脚に関する。
【背景技術】
【0002】
収納時はコンパクトにたたむことができ、使用時には簡単に脚部を開いて天板を支持してテーブル等とすることができる折り畳み式の支持脚は多くの用途に使用されている。例えば、特許文献1に記載の支持脚は、卓上工具用折り畳み式スタンドであり、安定性を向上させるものである。特許文献2に記載の支持脚は、ビーチパラソル等を安定的に支持するための支持脚であり、風等でぐらつかないように安定さを向上させるものである。特許文献3に記載の支持脚は、コンパクトなロール状に収納できる野外テーブル用のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−131780号公報
【特許文献2】特登3646986号公報
【特許文献3】特開2000−135120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1及び特許文献2に記載の折り畳み支持脚は、収納時は支持脚を閉じてコンパクトな形にすることができ、使用時には最大に開いてテーブル等の天板を支持する構造となっている。図12は、特許文献2に記載の支持脚を示している。
【0005】
特許文献2の支持脚は、図12に示すように脚110と脚110とが互いに交差し、この交点を支点として開閉可能に連結された4つのX字型脚部100と、環状に配置されたX字型脚部100の隣り合う脚110の上端同士を各々連結する上側連結具210と、環状に配置されたX字型脚部100の隣り合う脚の下端同士を各々連結する下側連結具220と、X字型脚部100の支点上に各々取り付けられる中部連結具300と、環状に配置されたX字型脚部100の中心線上に配置された頂部連結具510と、環状に配置されたX字型脚部100の中心線上であり且つ頂部連結具510の下方位置に配置された底部連結具520と、中部連結具300と頂部連結具510との間を繋ぐ上側支持棒410と、中部連結具300と底部連結具520との間を繋ぐ下側支持棒420を備える構造となっている。
【0006】
特許文献1に記載の支持脚も同様であるが、図12に示す支持脚では、使用時の支持脚の開状態は、脚を最大に開いた状態であり、パイプ710によってX字型脚部100の開き角度は規定され、支持脚の上に載置される天板の支持脚下面からの高さは一定となる。百貨店やショッピングモール内の店舗で使用される広告用の商品展示台などでは、見栄えの観点から種々の高さを有する商品展示台を多用してレイアウトを行う場合が多い。そのような用途では、特許文献1や特許文献2の折り畳み式支持脚では、種々の高さを有する支持脚を多種類用意しなければならない。
【0007】
特許文献3に記載の折り畳み式支持脚を図13に示す。この支持脚では、テーブルを高くセットする場合、X字状の脚部の幅は狭くなるので、上部の連結部材810の上端の係合のための突起は、連結棒803の下面の所定の係合孔に係入されると共に、天板801の下面の係合突起が連結棒803の上面の連結孔に係入される。又、テーブルの高さを低くすると、X字状の脚部の幅は広くなるので、上部の連結部材810の上端の係合にための突起は、連結棒803の下面の所定の係合孔に係入される。このようにして、連結棒803の所定位置にあけられた複数の穴と連結部材810の上端の係合にための突起とを係合させることでテーブルの高さを調節している。
【0008】
特許文献3に記載の方法でテーブルの高さを調節しようとすると、所定の長さを有する連結棒803という部材を必要とし、テーブルの天板の大きさが連結棒803の長さよりも小さな辺であるような板の場合、天板の下から連結棒が水平方向に飛びだしてしまい、商品展示台として見栄えが悪くなるという問題が生じる。
【0009】
本発明の目的は、商品展示台等に用いられる折り畳み式支持脚において、容易かつ安価に高さを自由に変えることができる折り畳み式支持脚を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明(1)は、脚と脚とが互いに交差し、この交点を支点として開閉可能に連結された3つ以上のX字型の脚部と、平面より見て環状に配置された前記脚部の隣り合う前記脚の上端同士を各々連結する上側連結具と、環状に配置された前記脚部の隣り合う脚の下端同士を各々連結する下側連結具と、を有する天板を支持する折り畳み支持脚において、前記上側連結具及び/または前記下側連結具には、前記脚が当接して前記脚部の最大開き角度を規定する角度固定部が備えられていることを特徴とする折り畳み支持脚である。
【0011】
従来の折り畳み支持脚では、支持脚の上に載置する天板の高さは同一の支持脚を用いて天板の大きさいかんにかかわらず自由に高さを調節することは困難であったが、本発明(1)のような構造とすることによって、特許文献3の連結棒のような部材を用いず、同ーの脚部を用いて、所定の角度の角度固定部を備える上側連結具及び/または前記下側連結具を取り換えることで容易かつ安価に折り畳み支持脚の高さを変えることができる。これにより、本発明の折り畳み支持脚を商品展示のための台等に利用することによって、所有する展示台の高さの種類に制限されることなく自由に展示レイアウトを設計することができる。なお、この折り畳み支持脚は、展示台以外にも種々のテーブル(台)に用いることはもちろんである。
【0012】
本発明(2)は、前記角度固定部を有する前記上側連結具は、前記天板を係止する上側連結具本体と前記角度固定部が備えられた角度固定部材とを有し、前記角度固定部を有する前記下側連結具は、接地する下側連結具本体と前記角度固定部が備えられた角度固定部材とを有していることを特徴とする本発明(1)に記載の折り畳み支持脚である。
【0013】
本発明(2)では、角度固定部を有する上側連結具が、上側連結具本体と角度固定部が備えられた角度固定部材の少なくとも2つのパーツに分かれているので、最大開き角度を変更する場合は、角度固定部材のみを交換するだけで済むことになる。角度固定部を有する下側連結具の場合も同様である。
【0014】
本発明(3)は、前記角度固定部材が、前記上側連結具本体または前記下側連結具本体と前記脚とを軸支する軸体と同一の軸心を有する螺子によって、前記上側連結具本体または前記下側連結具本体に取り付けられている本発明(2)の折り畳み支持脚である。
【0015】
本発明(3)では、角度固定部材が、前記上側連結具本体または前記下側連結具本体と前記脚とを軸支する軸体と同一の軸心を有する螺子によって、前記上側連結具本体または前記下側連結具本体に取り付けられているので、構造を簡便とすることができる。
【0016】
本発明(4)は、前記角度固定部が、前記上側連結具及び/または前記下側連結具と別体であり、かつ、取付け及び取り外しが可能であって、前記最大開き角度を調整することができる本発明(1)の折り畳み支持脚である。
【0017】
本発明(4)の折り畳み支持脚では、最大開き角度を決めるための角度固定部が上側連結具及び/または下側連結具と別体であり、かつ、取付け及び取り外しが可能であり、最大開き角度を調整することができるので、変更する手間が省けて、簡単な部品で可能となる。
【0018】
本発明(5)は、前記角度固定部は、一端部に回転の中心となる基端側ピンを備え、他端部に最大聞き角度を決めるための先端側ピンを備え、前記上側連結具及び/または前記下側連結具は、前記先端ピンが貫入する基端側穴があけられ、さらに、前記先端側ピンが貫入する2つ以上の先端側穴が前記基端側穴を中心として同一円周上にあけられている本発明(4)の折り畳み支持脚である。
【0019】
本発明(5)の折り畳み支持脚では、前記角度固定部が、一端部に回転の中心となる基端側ピンを備え、他端部に最大開き角度を決めるための先端側ピンを備え、前記上側連結具及び/または前記下側連結具において、前記先端ピンが貫入する基端側穴があけられ、さらに、前記先端側ピンが貫入する2つ以上の先端側穴が前記基端側穴を中心として同一円周上にあけられている構造をしているので、構造が簡単で、安価な部品で高さ調整が可能な折り畳み支持脚が可能となる。
【0020】
本発明(6)は、折り畳み支持脚を備える展示台であって、当該折り畳み支持脚が、本発明(1)〜(5)のいずれかの展示台である。
【0021】
本発明(6)の展示台では、本発明(1)〜(5)のいずれかの折り畳み支持脚を備えているので、容易かつ安価に高さを自由に変えることができる展示台とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明の折り畳み支持脚によると、商品展示台等に用いられる折り畳み式支持脚において、比較的小さな部品を取り換えることによって、容易かつ安価に高さを自由に変えることができる折り畳み式支持脚を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】この発明による折り畳み支持脚の実施例1の斜視図を示す。
図2】この発明による実施例1の折り畳み支持脚に用いられる下側連結具の斜視図を示す。
図3】この発明による実施例1の折り畳み支持脚に用いられる上側連結具の斜視図を示す。
図4】この発明による実施例2の折り畳み支持脚に用いられる下側連結具本体とこの連結具本体に取り付けられる角度固定部材の斜視図を示す。
図5】この発明による実施例2の折り畳み支持脚に用いられる上側連結具本体とこの連結具本体に取り付けられる角度固定部材の斜視図を示す。
図6】この発明による実施例2の折り畳み支持脚に用いられる下側連結具本体、角度固定部材及び脚を組み立てる状況を模式的に示す。
図7】この発明による実施例2の折り畳み支持脚に用いられる上側連結具本体、角度固定部材及び脚を組み立てる状況を模式的に示す。
図8】この発明による実施例2の折り畳み支持脚に用いられる下側連結具、角度固定部材及び脚を組み立てた状態の断面を示す。
図9】この発明による実施例3の折り畳み支持脚に用いられる下側連結具を斜視的に示す。
図10】この発明による実施例3の折り畳み支持脚に用いられる下側連結具及び角度固定具の断面を示す。
図11】この発明による実施例1の折り畳み支持脚を閉じた状態と最大限に開いた状態とその中間の状態を斜視的に示す。
図12】特許文献2に記載の折り畳み支持脚を示す。
図13】特許文献3に記載の折り畳み支持脚において、高さが変化している状況を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。以下の説明において、上下は、図の上下をいうものとする。この「上下」は便宜的なもので、設置に際しては、上下が逆になったり、水平になったりすることもある。
【0025】
図1は、本発明の実施例1の折り畳み支持脚1を最大に開いた状態を斜視的に示すものである。2本の脚11で構成される脚部10が4つあり、この4つの脚部が平面視で環状に配置されている。2本の脚11は、X字状となるように中間連結具12によって自在に動くように係止されている。実施例1では、脚部10は4つであるが、脚部10の数は3つ以上であれば台を支持する支持脚とすれば倒れることはない。
【0026】
脚部10の下部には図1に示すように、隣り合う脚部10の脚11の下端同士を各々連結する下側連結具20が4つ備えられ、隣り合う脚部10の脚11の上端同士を各々連結する上側連結具本30が4つ備えられている。
【0027】
図2は、実施例1の折り畳み支持脚1に用いられる下側連結具20の斜視図であり、接地する底板21、上方に立設する立設板22を備え、立設板22の中央には補強のための支え板24が底板21と立設板22に固定されている。立設板22は、L字状に曲げられ、立設板右壁22aと立設板左壁22bとからなり、立設板右壁22aと立設板左壁22bには、脚11を軸支するための貫通孔23があけられている。立設板右壁22aと立設板左壁22bのそれぞれには、最大開き角度を規定するための角度固定部25が形成され、角度固定部25の上面25aに脚11が当接することによって最大開き角度が決定される。従って、垂線(2点鎖線)と角度固定部25とがなす角度θが小さければ最大開き角度は小さくなって、折り畳み支持脚1の高さは高くなり、θが大きくなると折り畳み支持脚1の高さは低くなる。
【0028】
図3は、実施例1の折り畳み支持脚1に用いられる上側連結具30の斜視図であり、天板を支持する天板支持プレート31、上方に突出して天板を係止する上方突出棒34を備えている。天板支持プレート31の下方にある本体部32は、L字状に曲げられ、本体部右壁32aと本体部左壁32bとからなり、本体部右壁32aと本体部左壁32bには、脚11を軸支するための貫通孔33があけられている。本体部右壁32aと本体部左壁32bのそれぞれには、最大開き角度を規定するための角度固定部35が形成され、角度固定部35の下面35aに脚11が当接することによって最大開き角度が決定される。従って、垂線(2点鎖線)と角度固定部25とがなす角度θが小さければ最大開き角度は小さくなって、折り畳み支持脚1の高さは高くなり、θが大きくなると折り畳み支持脚1の高さは低くなる。
【0029】
図4は、実施例2の折り畳み支持脚1に用いられる下側連結具本体40とこの連結具に取り付けられる角度固定部材60の斜視図を示し、図の下側に下側連結具本体40、上側に角度固定部材60を示している。
【0030】
下側連結具本体40は、底板41を有し、その上面に立設板42が上方に向けて立設している。立設板42はL字状に曲げられ、立設板右壁42aと立設板左壁42bとからなっている。立設板42の中央には補強のための支え板44が底板41と立設板42に固定されている。立設板右壁42aと立設板左壁42bのそれぞれには貫通孔43があけられている。
【0031】
角度固定部材60も、L字状に90度曲げられた本体部62を有し、本体部右壁62aと本体部左壁62bとからなっている。本体部右壁62aと本体部左壁62bのそれぞれには貫通孔63があけられている。本体部右壁62aと本体部左壁62bには、水平方向に張り出した下部連結具合わせ部64が形成され、下部連結具20と角度固定部材60を組み立てる際の基準とされる。
【0032】
本体部右壁62aと本体部左壁62bの上部には、角度固定部61が下方内側に向けて傾いて設置されている。傾き角度は、左右に形成された角度固定部61において同一角度をなしている。脚11は、これらの角度固定部61の上面61aに当接することによって、脚部10の最大開度が決定される。垂直線に対する角度固定部61の上面61aのなす角度が小さいと折り畳み支持脚1の高さは高くなり、垂直線に対する角度固定部61の上面61aのなす角度が大きいと折り畳み支持脚1の高さは低くなる。角度固定部材60のみを取り換えることによって折り畳み支持脚1の高さを自在に調整することができる。角度固定部材60は、ストッパーの役割を果たすものであり、樹脂製でもよく、射出成型法によって一体で作成することもできる。
【0033】
図5は、実施例2の折り畳み支持脚1に用いられる上側連結具本体50とこの連結具に取り付けられる角度固定部材70の斜視図を示し、図の下側に上側連結具本体50、上側に角度固定部材70を示している。
【0034】
上側連結具本体50は、天板支持プレート51を有し、その上面に上方突出棒54が上方に向けて立設している。この上方突出棒54が、天板にあけられた貫通孔または凹部に嵌入して天板を係止する。天板支持プレート51の下面に本体部52が接続している。本体部52はL字状に90度曲げられた本体部右壁52aと本体部左壁52bとからなっている。本体部右壁52aと本体部左壁52bのそれぞれには貫通孔53があけられている。
【0035】
角度固定部材70も、L字状に90度曲げられた本体部72を有し、本体部右壁72aと本体部左壁72bとからなっている。本体部右壁72aと本体部左壁72bのそれぞれには貫通孔73があけられている。本体部右壁72aと本体部左壁72bには、水平方向に張り出した上部連結部合わせ部74が形成され、上部連結具50と角度固定部材70を組み立てる際の基準とされる。
【0036】
本体部右壁72aと本体部左壁72bの上部には、角度固定部71が下方外側に向けて傾いて設置されている。傾き角度は、左右に形成された角度固定部71において同一角度をなしている。脚11は、これらの角度固定部71の下面71aに当接することによって、脚部10の最大開度が決定される。垂直線に対する角度固定部71の下面71aのなす角度が小さいと折り畳み支持脚1の高さは高くなり、垂直線に対する角度固定部71の下面71aのなす角度が大きいと折り畳み支持脚1の高さは低くなる。角度固定部材70のみを取り換えることによって折り畳み支持脚1の高さを自在に調整することができる。角度固定部材70は、ストッパーの役割を果たすものであり、樹脂製でもよく、射出成型法によって一体で作成することもできる。
【0037】
下部連結部本体40に合わせる角度固定部材60と、上部連結部本体50に合わせる角度固定部材70とは、必ずしも両方必要とするものではなく、いずれか片方のみでもよい。脚部10の開度は、いずれかのみでも規制することが可能だからである。もちろん、下部連結部本体40と上部連結部本体50の両方に角度固定部材60、70をそれぞれ備えても良い。
【0038】
図6は、脚11、下部連結部本体40及び角度固定部材60の組み立てを模式的に示している。脚11の下端部に脚端部13が形成され、この脚端部13には貫通孔14が形成されている。この貫通孔14に、脚11を軸支するための部材の1つであるキャップ15の小径部が入れられる。右側の脚11の貫通孔14と、立設板右壁42aの貫通孔43と、本体部右壁62aの貫通孔63とが合わせられる。左側の脚11の貫通孔14と、立設板左壁42bの貫通孔43と、本体部左壁62bの貫通孔63とが合わせられる。
【0039】
図7は、脚11、上部連結部本体50及び角度固定部材70の組み立てを模式的に示している。脚11の上端部に脚端部13が形成され、この脚端部13には貫通孔14が形成されている。この貫通孔14に、脚11を軸支するための部材の一つであるキャップ15の小径部が入れられる。右側の脚11の貫通孔14と、本体部右壁52aの貫通孔53と、本体部右壁72aの貫通孔73とが合わせられる。左側の脚11の貫通孔14と、本体部左壁52bの貫通孔53と、本体部左壁72bの貫通孔73とが合わせられる。
【0040】
図8は、脚11の脚端部13と、立設板42と、本体部62とが螺子80とキャップ15とで接続する1つの方法を示している。左方から挿入される螺子80は、螺子ヘッド81、螺子第1シャフト82、螺子第1雄ねじ83、螺子第2シャフト84及び螺子第3シャフト85が図に示すように形成されている。右方から挿入されるキャップ15は、キャップ本体15aに雄ねじが形成されている。この雄ねじが、脚端部13にあけられた貫通孔14に切られた雌ねじ13aとねじ合わされて、キャップ本体15aは、脚端部13に固定される。
【0041】
キャップ本体15aにあけられたキャップ本体貫通孔15cを貫通する螺子第3シャフト85の先端部には螺子第2雄ねじ86が切られ、この雄ねじ66と、キャップ本体蓋15bの凹部であるキャップ本体蓋凹部15eの内周面に切られたキャップ本体蓋雌ねじ15dと螺合して、キャップ本体蓋15bは取り付けられ、脚端部13と立設板42とは外れなくなる。
【0042】
螺子80とキャップ15とが、角度固定部材60と側連結具本体40と脚11とを軸支する軸体となる。螺子80の螺子第1シャフト82と螺子第2シャフト84の間に切られた螺子第1雄ねじ83と、立設板42の貫通孔43の内周面に切られた雌ねじ43aとがねじあわされて、本体部62が立設板42に固定される。この固定は、軸体と同軸で行われるので、別途他の方法で同軸でない方法で行われる場合と比べて組み立てが単純化され、別部品を必要としないので、構造を簡便とすることができる。
【0043】
図9は、この発明による実施例3の折り畳み支持脚に用いられる下側連結具90を斜視的したもので、最大開き角度が、パーツの取り換えなしで行うことができるタイプのものである。底板91、立設板92、貫通孔93、支え板94、立設板右壁92a、立設板左壁92bおよび下面95aについては、実施例1のものと同様であるので説明を省略する。
【0044】
角度固定部95は、一端部である基端部95bに基端側ピン95dが備えられ(図10参照)、他端部である先端部95cに先端側ピン95eが備えられている(図10参照)。立設板92には、基端側ピン95dが貫入する基端側穴92dがあけられ、先端側ピン95eが貫入する先端側穴92cがあけられている。基端側ピン95d及び/または先端側ピン95eは、基端側穴92d及び先端側穴92cのそれぞれに取り換え可能な程度に圧入して挿入することが、使用中の脱落防止のために好ましい。また、ピンと穴との間にスナップロック方式の係合構造を設けるとより脱落しにくくなるのでさらに好ましい。
【0045】
図11は、折り畳み支持脚1を閉じているところ(I)、開度100%で開いているところ(III)及びその中間(II)を斜視的に示している。(II)の場合は(III)の場合と比べて折り畳み支持脚1の高さは高くなっている。(II)の状態で、角度固定部25、35の傾斜角度を所定の角度にして、脚部10がそれ以上に開かないようにしておくと高さの高い折り畳み支持脚とすることができる。実施例2及び実施例3についても同様である。このようにして、容易かつ安価に、高さを自由に変えることができる折り畳み支持脚1を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明による折り畳み支持脚は、容易かつ安価に高さを自由に変えることができることから、種々の目的の商品展示台等に利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1:折り畳み支持脚
10:脚部
11:脚
12:中間連結具
13:脚端部
14:貫通孔
15:キャップ
15a:キャップ本体
15b:キャップ本体蓋
15c:キャップ本体貫通孔
15d:キャップ本体蓋雌ねじ
15e:キャップ本体蓋凹部
20:下側連結具
21:底板
22:立設板
22a:立設板右壁
22b:立設板左壁
23:貫通孔
24:支え板
25:角度固定部
25a:上面
30:上側連結部
31:天板支持プレート
32:本体部
32a:本体部右壁
32b:本体部左壁
33:貫通孔
34:上方突出棒
35:角度固定部
35a:下面
40:下側連結具本体
41:底板
42:立設板
42a:立設板右壁
42b:立設板左壁
43:貫通孔
43a:雌ねじ
44:支え板
50:上側連結具本体
51:天板支持プレート
52:本体部
52a:本体部右壁
52b:本体部左壁
53:貫通孔
54:上方突出棒
60:角度固定部材
61:角度固定部
61a:上面
62:本体部
62a:本体部右壁
62b:本体部左壁
63:貫通孔
64:下部連結具合わせ部
70:角度固定部材
71:角度固定部
71a:下面
72:本体部
72a:本体部右壁
72b:本体部左壁
73:貫通孔
74:上部連結部合わせ部
80:螺子
81:螺子ヘッド
82:螺子第1シャフト
83:螺子第1雄ねじ
84:螺子第2シャフト
85:螺子第3シャフト
86:螺子第2雄ねじ
90:下側連結具
91:底板
92:立設板
92a:立設板右壁
92b:立設板左壁
92c:先端側穴
92d:基端側穴
93:貫通孔
94:支え板
95:角度固定部
95a:下面
95b:基端部(一端部)
95c:先端部(他端部)
95d:基端側ピン
95e:先端側ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13