特許第6967591号(P6967591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライテン・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6967591-マイクロ波化学処理 図000002
  • 特許6967591-マイクロ波化学処理 図000003
  • 特許6967591-マイクロ波化学処理 図000004
  • 特許6967591-マイクロ波化学処理 図000005
  • 特許6967591-マイクロ波化学処理 図000006
  • 特許6967591-マイクロ波化学処理 図000007
  • 特許6967591-マイクロ波化学処理 図000008
  • 特許6967591-マイクロ波化学処理 図000009
  • 特許6967591-マイクロ波化学処理 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6967591
(24)【登録日】2021年10月27日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】マイクロ波化学処理
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/24 20060101AFI20211108BHJP
   C01B 3/24 20060101ALI20211108BHJP
   C01B 32/184 20170101ALI20211108BHJP
   C01B 32/154 20170101ALI20211108BHJP
   C01B 32/15 20170101ALI20211108BHJP
   C01B 32/18 20170101ALI20211108BHJP
   C01B 32/16 20170101ALI20211108BHJP
【FI】
   H05H1/24
   C01B3/24
   C01B32/184
   C01B32/154
   C01B32/15
   C01B32/18
   C01B32/16
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-525844(P2019-525844)
(86)(22)【出願日】2017年10月23日
(65)【公表番号】特表2019-537826(P2019-537826A)
(43)【公表日】2019年12月26日
(86)【国際出願番号】US2017057892
(87)【国際公開番号】WO2018093537
(87)【国際公開日】20180524
【審査請求日】2020年10月20日
(31)【優先権主張番号】15/351,858
(32)【優先日】2016年11月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519124844
【氏名又は名称】ライテン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LYTEN, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ストウェル,マイケル・ダブリュ
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−218949(JP,A)
【文献】 特開2006−269151(JP,A)
【文献】 特開2005−235464(JP,A)
【文献】 特表2003−506300(JP,A)
【文献】 特表2016−522083(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0256272(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/24
C01B 3/24
C01B 32/184
C01B 32/154
C01B 32/15
C01B 32/18
C01B 32/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さを有する導波管を通してパルス化されたマイクロ波放射を供給することであって、前記マイクロ波放射は前記導波管に沿った方向に伝搬する、前記供給することと、
前記導波管の長さに沿った第1の位置で前記導波管に供給ガスを提供することであって、前記供給ガスの大部分は前記マイクロ波放射伝搬の方向に流れる、前記提供することと、
前記導波管の長さの少なくとも一部の中の前記供給ガスでプラズマを生成することと、
前記第1の位置から下流の第2の位置で前記導波管にプロセスガスを追加することであって、前記プロセスガスの大部分は5slmより大きい流速で前記マイクロ波伝搬の方向に流れる、前記追加することと、
前記プラズマの平均エネルギーを制御することであって、
前記パルス化されたマイクロは放射のパルシング周波数であって、500Hzより大きい前記パルシング周波数と、
前記パルス化されたマイクロ波放射のデューティサイクルであって、90%より小さい前記デューティサイクルと
からなる群の少なくとも1つを制御することによって前記プロセスガスを分離成分に変換する、前記制御することとを含み、
前記導波管の中の圧力が少なくとも0.1気圧であり、
前記プロセスガスがメタンであり、前記分離成分が水素及びナノ微粒子炭素を含む、方法。
【請求項2】
前記ナノ微粒子炭素がグラフェン、グラファイト、炭素ナノオニオン、フラーレンまたはナノチューブの1つ以上の形態を含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記マイクロ波放射の前記パルシング周波数が500Hzから1000kHzである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プラズマの前記平均エネルギーが0.8eVから20eVである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記導波管の中の前記圧力が0.9気圧から10気圧である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マイクロ波放射が100kW未満の電力で前記導波管に供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前駆体ガスが前記第1の位置で前記供給ガスに追加され、前記前駆体ガスは水素または希ガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記分離成分がHを含み、
前記分離成分の前記Hの少なくとも一部を前記第1の位置へ戻して再利用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記供給ガスがHを含み、前記プラズマが水素プラズマを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記導波管に金属フィラメントを提供することをさらに含み、前記金属フィラメントは前記プラズマを生成するための点火電圧を減らす役割を果たす、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記導波管に電子を供給するように構成される電子源を提供して、このことにより前記プラズマを生成するための点火電圧を減らすことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記導波管に結合された一対の電極を提供することをさらに含み、前記電極は前記生成されたプラズマにエネルギーを追加するように構成される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2016年11月15日に出願された「Microwave Chemical Processing」と題する米国の本特許出願第15/351,858号に優先権を主張し、それは完全に本明細書において援用したものとする。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波プラズマは、ガスの工業化学処理で使われる。これは、マイクロ波放射が容器に結合されてプラズマを生成する間に、ガスを流して細長い容器を通して反応を起こすことによって通常達成される。プラズマは、ガス分子を成分化学種に分解する。マイクロ波化学処理システムは、マイクロ波プラズマが低いイオンエネルギーで比較的高い電力結合効率で作動するので効果的であり、種々のガス反応、例えばメタンの水素及び炭素微粒子への変換、二酸化炭素の酸素及び炭素への変換をサポートすることができ、そして微粒子及び他のシード材料を機能付与及び複雑層状物質のための他の層及び凝集体処理でコーティングすることができる。
【0003】
化学ガス処理の典型的システムはプロセスガスが流れるクォーツ反応チャンバ及び、導波管を通して反応チャンバに結合したマイクロ波マグネトロン源を含む。入力マイクロ波放射は、持続波であるかまたはパルス化したものであり得る。システムは、反応チャンバへのマイクロ波放射の効果的な結合及び反応チャンバの中のガスフローを制御して、流動ガスによってエネルギー吸収を改善するように設計されている。システムは、小領域の中で電界に集中するために、マイクロ波導波管がクォーツ反応チャンバと交差する所に置かれるウェッジを含むことが多く、導波管導電性壁は処理されるガスにさらされない。
【0004】
化学処理の1つの例は、水素を生産するメタンのマイクロ波処理である。メタンは、プラズマによってCHラジカル及びH原子に分解することができる。このようなシステムが連続モードで作動されるときに、H原子密度は、主にマイクロ波出力密度に直接関連があるガス温度によって、そして、場合によっては拡散過程によって制御される。CHラジカル密度は、同様に、ガス温度及びH原子濃度によって制御される。あるいは、このようなシステムがパルス化されたモードで作動されるときに、H原子及びCHラジカル生成はパルス内出力密度及びその関連する、より高い、ガス温度及び熱離を制御するプラズマ運動のエネルギーによって制御される。通常、プラズマがオフのとき、H原子は再結合して、消費される。短いデューティサイクルを使用して一定の時間平均電力に対するパルス内出力を上昇させ、短いプラズマ無し時間を使用してH原子再結合を制限する。したがって、パルス方式は、持続波システムより効率的に(すなわち、使用する時間平均入力電力をより少なくして)メタンを水素及び他の炭化水素ラジカルに分解する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の方法で、パルス化されたマイクロ波放射は、マイクロ波放射が導波管に沿った方向において伝搬する長さを有する導波管を通して供給される。導波管の中の圧力は、少なくとも0.1気圧である。供給ガスは導波管の長さに沿った第1の位置で導波管に提供されて、そこで、供給ガスの大部分はマイクロ波放射伝搬の方向に流れる。プラズマは導波管の長さの少なくとも一部にある供給ガスで生成されて、プロセスガスは第1の位置の下流の第2の位置で導波管に追加される。プロセスガスの大部分は、5slmより大きい速度で、マイクロ波伝搬の方向に流れる。プラズマの平均エネルギーは、i)パルス化されたマイクロ波放射の、500Hzより大きいパルシング周波数及び、ii)パルス化されたマイクロ波放射の、90%未満のデューティサイクルの少なくとも1つを制御することによって、プロセスガスを分離成分に変換するように制御される。
【0006】
本発明の実施形態のガス処理システムで、システムは、第1のガス入口、第1のガス入口の下流に第2のガス入口及び長さを有する、導波管を含む。第1の入口は供給ガスを受信するように構成されて、第2の入口はプロセスガスを受信するように構成される。パルス化されたマイクロ波放射源は導波管に連結して供給ガスのプラズマを生成して、そこで、マイクロ波放射は導波管の長さに沿った方向に伝搬してプロセスガスと反応する。マイクロ波放射源は、500Hzから1000kHzまでの周波数で、かつ90%未満のデューティサイクルでマイクロ波放射のパルスをオン/オフするように構成される。供給ガスのフローの大部分及びプロセスガスのフローの大部分はマイクロ波伝搬の方向と平行である。プロセスガスのフローは5slmより大きく、導波管は少なくとも0.1気圧の圧力に適応するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】従来のマイクロ波化学処理システムの立断面図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態によるマイクロ波ガス処理システムの立断面図である。
図3】本開示のさらなる実施形態によるマイクロ波ガス処理システムの立断面図である。
図4】本開示の実施形態による反応チャンバの中のプラズマ温度の時間変動のグラフである。
図5】パルシング期間が図4のそれより短い場合の反応チャンバの中のプラズマ温度の時間変動のグラフである。
図6】本開示の実施形態による、前駆体ガス入力を有するマイクロ波ガス処理システムの立断面図である。
図7】本開示の実施形態による、フィラメントを有するマイクロ波ガス処理システムの立断面図である。
図8】本開示の実施形態による、電子源及び電極が表されるマイクロ波ガス処理システムの立断面図である。
図9】本開示の実施形態による、ガスのマイクロ波処理のための方法の例示のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで本開示の発明の実施形態を参照し、その1つ以上の例が添付の図面に図示される。各例は、本発明の技術の制限ではなく、本発明の技術の説明として設けられている。事実、修正及び変更がその範囲を逸脱せずに本発明の技術でなされ得ることは、当業者にとって明らかである。例えば、一実施形態の一部として例示されるかまたは記載されている特徴は、別の実施形態によってさらに他の実施形態を産み出すために用いることができる。したがって、本発明の内容が添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内ですべてのそのような修正及び変更を包含することが意図されている。
【0009】
本開示は、炭化水素ガスのマイクロ波プラズマ化学処理に関する。より具体的には、本開示はマイクロ波放射のパルシングを含む種々の技術を用いてプラズマのエネルギーを制御する、炭化水素ガスのマイクロ波プラズマ化学処理に関する。プラズマのエネルギーを制御する能力によって、特定の分離成分への炭化水素ガスの変換の1つ以上の反応径路の選択が可能となる。パルス化されたマイクロ波放射は、プラズマが点火するときに作られる短期高エネルギーの化学種が各新しいパルスの開始時に再生成され得るので、プラズマのエネルギーを制御するために用いることができる。プラズマエネルギーは、従来技術より低いが、目標とされる化学反応が高いガスフロー及び高い圧力で発生することを可能にするのに十分な高いレベルである、平均イオンエネルギーを有するように制御される。
【0010】
プラズマのエネルギーを制御して非常に高い分解効率(90%を上回る)を有する、パルス化されたマイクロ波放射を用いたマイクロ波プラズマ化学処理システムが開発されている。しかしながら、これらの従来システムは、プラズマの中で、1毎分標準リットル(slm)未満の低い流速、及び少ないガス容積を使用し、結果として、生産速度が低くて、生産コストが高くなる。高周波の(例えば、およそ100Hzを超える)マイクロ波パルシングを使用する間、これらの従来システムはプラズマの中でガス流速及びガス容積を増加させることができず、なぜなら、大容積で高流量のガスが使われるときにプラズマがパルスに追随するのに十分急速には点火することができないからである。
【0011】
マイクロ波ガス処理システム
本開示において、マイクロ波プラズマは供給及び/またはプロセスガスにおいて生成されることができて、プラズマのエネルギーは分離成分をプロセスガス分子から形成するのに十分である。いくつかの実施形態では、マイクロ波放射のソースは反応チャンバに連結され、プラズマは反応チャンバの長さの第1の部分に沿って生成され、プロセスガスは反応チャンバの長さの第2の部分に沿って成分に分離される。いくつかの実施形態では、マイクロ波放射は、従来方法のような誘電体壁を通してではなく、プラズマに直接連結される。
【0012】
図1は、従来のマイクロ波化学処理システムを例示する。図1に示すように、説明を簡単にするため示していない他の要素の中でとりわけ、マイクロ波化学処理システム100は、反応チャンバ101、反応チャンバに流れ込むプロセスガスを受けるように構成される1つ以上のガス入口102、反応チャンバ101からの分離された生成物を集めるように構成される1つ以上の出口103及び導波管105を通して反応チャンバに連結するマイクロ波放射源104を一般に含む。マイクロ波放射109は、反応チャンバ101内にマイクロ波プラズマ106を引き起こして、反応を起こすためのエネルギーを提供する。マイクロ波エミッタ回路107は、マイクロ波放射源104から発されるマイクロ波放射109を持続波またはパルス化された状態のいずれかに制御することができる。ふさわしい状態を与えれば、プラズマのエネルギーは分離成分をプロセスガス分子から形成するのに十分である。
【0013】
平行伝搬マイクロ波ガス処理システム
図2及び3は本開示のマイクロ波ガス処理システムの実施形態を示し、そこでは、マイクロ波源に結合された導波管は反応チャンバとしての役割を果たす。マイクロ波放射の伝搬の方向は供給ガス及び/またはプロセスガスのフローの大部分と平行で、マイクロ波放射は分離成分が生成される導波管の部分の上流で導波管に入る。
【0014】
図2に示すように、マイクロ波化学処理システム200は、いくつかの実施形態によれば、説明を簡単にするため示していない他の要素の中でとりわけ、導波管205、導波管205に流れ込む供給ガス及び/またはプロセスガス208aを受けるように構成される1つ以上のガス入口202及び導波管205に連結するマイクロ波放射源204を一般に含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、マイクロ波回路207は、マイクロ波放射源204からのマイクロ波放射209がパルス化されるパルシング周波数を制御する。いくつかの実施形態では、マイクロ波放射源204からのマイクロ波放射209は、持続波である。
【0016】
導波管205は、長さLを有する。プラズマが生成されるところより前の部分Lにおいて、導波管205の断面積は、マイクロ波伝搬のパスに沿って減少する。面積のこの減少は電界を集中するのに役立ち、したがって、マイクロ波エネルギー密度を増加させ、それと共にそれでも従来システムと比較してプラズマが形成されることができるかなりの量の領域を提供する。例えば、ガス入口202が配置される部分Lの減少した断面積は、2.45GHzのマイクロ波放射周波数を使用するときに、0.75インチ×3.4インチの寸法の矩形の断面を有することができる。この断面積は、プラズマ生成領域が通常、1平方インチ未満である従来システムより非常に大きい。導波管205の寸法は、適切に導波管として機能するために、マイクロ波周波数に従ってセットされる。
【0017】
従来のガス処理システムでは、プラズマが生ずることができる限られた領域、例えば上記のような1平方インチ未満は、ガス反応が発生することができる容積を限定する。また、従来システムでは、マイクロ波放射は、ウィンドウ(通常クォーツ)を通って反応チャンバに入る。これらのシステムにおいて、誘電材料(例えば、微粒炭素)は、経時的に電力配送が次第に少なくなっていく処理の間、ウィンドウ上に被覆されている。これは、これらの分離成分がマイクロ波放射を吸収する場合、それらはマイクロ波放射がプラズマを生成するために反応チャンバに結合するのを妨げ得るので、非常に問題を含むことになり得る。したがって、ガス反応から生産される炭素粒子などの副産物の急速な蓄積が発生して、処理装置の実行時間を制限する。本発明の実施形態において、後述するシステム200及び他の実施形態は、ウィンドウを用いずに設計され、すなわち、放射が反応から上流に入る平行伝搬/ガス流通システムを使用する。その結果、より多くのエネルギー及び電力が、マイクロ波放射源からプラズマに連結され得る。従来システムの限られた反応チャンバ容積と比較して、導波管205の中のより大きな容積は、実行時間の制限を引き起こす粒子蓄積の問題を大幅に低減し、したがって、マイクロ波処理システムの生産能率を改善する。
【0018】
図2のマイクロ波放射209は、導波管205の長さの第1の部分Lの中に、供給ガス及び/またはプロセスガスのマイクロ波プラズマ206を発生させる。いくつかの実施形態では、プロセスガスと異なる供給ガスが、マイクロ波プラズマ206を生成するために用いられる。供給ガスは、例えば、水素、ヘリウム、アルゴンなどの希ガスまたは2種類以上のガスの混合物でもよい。他の実施形態では、供給ガスは、プロセスガスと同じで、その場合、プロセスガスは分離成分がそこから作成されるガスである。いくつかの実施形態では、Lは、供給及び/またはプロセスガス208aが導波管205に入る位置の下流の導波管に沿った位置から、導波管205の端まで、または、供給及び/またはプロセスガスの入口と導波管205の端の間の位置まで伸びる。いくつかの実施形態では、Lは、供給及び/またはプロセスガス208aが導波管205に入る位置から、導波管205の端まで、または、供給及び/またはプロセスガスの入口と導波管205の端の間の位置まで伸びる。生成されたプラズマ206は、導波管205の第2の部分201の中のプロセスガス208bで反応が起こるようにするエネルギーを提供し、第2の部分201は長さLを有する。いくつかの実施形態では、Lは、プロセスガス208aが導波管205に入る場所から、導波管205の端まで、または、プロセスガスの入口と導波管205の端の間の位置まで伸びる。ふさわしい状態を与えれば、プラズマ206のエネルギーは分離成分をプロセスガス分子から形成するのに十分である。1つ以上の出口203は、反応がプロセスガス208bで生じる導波管の部分201の下流に導波管205から分離された生成物を集めるように構成される。図2に示される例において、マイクロ波放射209の伝搬方向は供給及び/またはプロセスガスフロー208bの大部分と平行で、マイクロ波放射209は分離成分が生成される導波管の部分201の上流の導波管205に入る。
【0019】
いくつかの実施形態では、プラズマ逆転防止装置(図示せず)がシステムに含まれて、プラズマがマイクロ波放射源204またはガス入口(複数可)202に伝搬するのを妨げる。いくつかの実施形態では、プラズマ逆転防止装置は、マイクロ波放射がプラズマ逆転防止装置を通過することができるようにしながら、しかしプラズマ化学種の大部分が通過するのを防止する穴を有するセラミックまたは金属フィルタである。いくつかの実施形態では、穴が高アスペクト比を有して、プラズマ化学種はそれらが穴の側壁に当たる時に再結合するので、プラズマ化学種の大部分はプラズマ逆転防止装置を通過することができない。いくつかの実施形態では、プラズマ逆転防止装置は、部分LとLの間に、または、部分Lの上流でかつ、ガス入口(複数可)202の下流の部分L(ガス入口202が部分Lの中にある実施形態で)、及びマイクロ波放射源204に置かれる。
【0020】
図3は、供給ガス及びプロセスガスが異なる位置に注入されるマイクロ波化学処理システム300の別の実施形態を示す。マイクロ波化学処理システム300は、いくつかの実施形態によれば、説明を簡単にするため示していない他の要素の中でとりわけ、導波管305、導波管305に流れ込む供給ガス308aを受けるように構成される1つ以上の供給ガス入口302、プロセスガス311aを受けるように構成される1つ以上のプロセスガス入口310及び導波管305に連結するマイクロ波放射304のソースを一般に含む。プロセスガス入口310の位置は、供給ガス入口302の位置の下流であり、ここで下流とは、マイクロ波伝搬の方向と定義される。
【0021】
いくつかの実施形態では、マイクロ波回路307は、マイクロ波放射源304からのマイクロ波放射309がパルス化されるパルシング周波数を制御する。いくつかの実施形態では、放射源304からのマイクロ波放射は、持続波である。
【0022】
導波管305は長さLを有する。マイクロ波放射309が入る導波管の長さLは、図2に関して上記で説明したように、マイクロ波伝搬の方向に沿って断面積が減少している。マイクロ波放射309は、導波管305の長さLの第1の部分Lの中で、供給ガス308bにマイクロ波プラズマ306を発生させる。いくつかの実施形態では、Lは、供給ガス308aが導波管305に入る位置の下流の導波管に沿った位置から、導波管305の端まで、または、供給ガスの入口と導波管305の端の間の位置まで伸びる。いくつかの実施形態では、Lは、供給ガス308aが導波管305に入る場所から、導波管305の端まで、または、供給ガスの入口と導波管305の端の間の位置まで伸びる。1つ以上の追加のプロセスガス入口310は、供給ガス入口(複数可)302の下流の第2のセットの位置で導波管に流れ込むプロセスガスを受けるように構成される。生成されたプラズマ306は、導波管305の第2の部分301の中で反応が起こるようにするエネルギーを提供し、第2の部分301は長さLを有する。いくつかの実施形態では、Lは、プロセスガス311aが導波管305に入る場所から、導波管305の端まで、または、プロセスガスの入口と導波管305の端の間の位置まで伸びる。ふさわしい状態を与えれば、プラズマのエネルギーは分離成分をプロセスガス分子から形成するのに十分である。1つ以上の出口303は、反応が生じる部分301の下流に導波管305から分離された生成物を集めるように構成される。図3に示される例示システム300において、マイクロ波放射309の伝搬方向は供給ガスフロー308b及びプロセスガスフロー311bの大部分と平行で、マイクロ波放射309は分離成分が生成される導波管の部分301の上流の導波管305に入る。
【0023】
上述の通り、導波管(例えば、図2の205及び図3の305)は、全長L、プラズマが生成される全長の一部L及びプロセスガスが分離成分に変換される全長の一部Lを有する。いくつかの実施形態では、導波管の全長Lは、1cmから1000cmである。いくつかの実施形態では、導波管の長さLは、1cmから100cmである。いくつかの実施形態では、導波管の長さLは、1cmから100cmである。いくつかの実施形態では、導波管の長さLは、1cmから1000cmである。いくつかの実施形態では、導波管の全長Lは、30cmから60cmである。いくつかの実施形態では、導波管の長さLは、10cmから40cmである。いくつかの実施形態では、導波管の長さLは、10cmから30cmである。いくつかの実施形態では、導波管の長さLは、5cmから20cmである。いくつかの実施形態では、長さLは、導波管の長さLの、10%を超えるか、20%を超えるか、30%を超えるか、40%を超えるか、50%を超えるか、60%を超えるか、70%を超えるか、80%を超えるか、または、10%〜90%であるか、20%〜80%であるか、もしくは30%から70%である。いくつかの実施形態では、長さLは、導波管の長さLの、5%を超えるか、10%を超えるか、15%を超えるか、20%を超えるか、25%を超えるか、30%を超えるか、35%を超えるか、40%を超えるか、45%を超えるか、50%を超えるか、55%を超えるか、60%を超えるか、または、1%〜90%であるか、1%〜70%であるか、1%〜50%であるか、10%〜50%であるか、10%〜40%であるか、または20%〜40%である。
【0024】
いくつかの実施形態では、導波管(例えば、図2の205及び図3の305)は、0.1気圧〜10気圧か、0.5気圧〜10気圧か、0.9気圧〜10気圧か、または0.1気圧より大きいか、0.5気圧より大きいか、または0.9気圧より大きい気圧を維持するように構成される。多くの従来システムにおいて、マイクロ波化学処理は真空で作動される。しかしながら、プラズマが導波管の中で生成される本発明の実施形態では、陽圧環境で作動することが、生成されたプラズマがマイクロ波エミッタ源204、304の中へフィードバックするのを妨げるのを助ける。
【0025】
導波管(例えば、図2の205及び図3の305)は、長さLの中で0.75インチ×3.4インチの寸法の矩形の断面を有することができ、2.45GHzのマイクロ波放射周波数に対応する。他のマイクロ波周波数に対しては他の寸法が可能であり、導波管モードに依存してこれは3〜6インチであることができる。導波管はあらゆる本来導電性の材料で、または入って来る電力の90%を超えて伝播する十分な導電性被覆層を有する材料でできていてもよい。導波管材のいくつかの例は、ステンレス鋼、導電層(例えば、Al、Ni、AuまたはNi/Au合金)でおおわれているステンレス鋼、アルミニウムライナーを有するステンレス鋼または導電層でコーティングしたセラミック材料である。とりわけ、この導波管は、むしろ従来システムのような別々の導波管及びクォーツ反応チャンバを有することよりも、プラズマが生成されてプロセスガス反応が起きるチャンバとして役立つ。導波管に反応器チャンバとしての役割を果たすようにさせることで、ガス反応を起こすことができる非常により大きい容積(例えば、最高1000L)を提供する。これは、従来システムで起こる炭素微粒子の蓄積によって制限されずに、処理されるプロセスガスの高い流速を可能にする。例えば、入口(例えば、図2の202及び図3の310)を通る導波管(例えば、図2の205及び図3の305)へのプロセスガス流速は、1slm(分当たりの標準リットル)から1000slm、または、2slmから1000slm、または、5slmから1000slm、または1slmより大きいか、または2slmより大きいか、または5slmより大きいものであり得る。入口(例えば、図2の202及び図3の302)を通る導波管(例えば、図2の205及び図3の305)への供給ガス流速は、例えば、1slmから1000slm、または、2slmから1000slm、または、5slmから1000slm、または1slmより大きいか、または2slmより大きいか、または5slmより大きいものであり得る。結果として十分なプラズマ密度(例えば、二次電子発光係数)になるガスプラズマ特性に依存して、フローは、1slmから1000slmで、そして、圧力が14気圧までであり得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、プロセスガスは、炭化水素、例えばC、C、Cである。いくつかの実施形態では、プロセスガスはメタンで、分離成分は水素及びナノ微粒子炭素である。いくつかの実施形態では、プロセスガスは水を有する二酸化炭素で、分離成分は酸素、炭素及び水である。いくつかの実施形態では、プロセスガスはHSで、分離成分は水素ガス及び硫黄である。いくつかの実施形態では、プロセスガスは、二酸化炭素を含まない。いくつかの実施形態では、プロセスガスは、複合ガスベースの材料、例えばSiH、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、メタクリル酸グリシジル(GMA)、SF、ならびに金属及び誘電体の堆積及びエッチングのために半導体産業で用いられる他の材料である。
【0027】
いくつかの実施形態では、分離成分の1つは、ナノ微粒子炭素であり、例えば、限定するものではないが、カーボンブラック、炭素ナノオニオン(CNO)、ネック構造CNO、炭素ナノスフェア、グラファイト、熱分解グラファイト、グラフェン、グラフェンナノ微粒子、グラフェン小板、フラーレン、ハイブリッドフラーレン、単層ナノチューブ及び多層ナノチューブである。これらのナノ微粒子炭素の1つ以上が、特定のプロセスの実行中に作られ得る。
【0028】
マイクロ波ガス処理システムのマイクロ波エネルギー調整
異なるプロセスガスは、異なる分離成分に反応するために異なる量のエネルギーを必要とする。本開示において、利用できる反応径路は、プラズマの平均エネルギーを変えることによって選択することができる。いくつかの実施形態では、プラズマに結合されたマイクロ波放射はパルス化されて、プラズマの平均エネルギー、したがってまた反応径路は、マイクロ波放射パルス持続時間及び周波数、デューティサイクル、形状及び時間平均出力電力レベルを制御することによって選択される。図4及び5は、本開示のシステム及び方法におけるマイクロ波放射のパルシングのため発生するガス温度の時間変動を示す。
【0029】
図4は、反応チャンバに連結されるマイクロ波放射がパルス化されるときの反応チャンバの中での、プラズマ温度の典型的時間変動を示す。図4において、時間tは第1のパルス周期の始まりを示して、時間tは第1のパルス周期の終わり及び第2のパルス周期の初めを示す。第1のパルス周期の中で、時間t〜tはマイクロ波放射がオンであるパルス周期の第1の持続時間を示し、時間t〜tは、マイクロ波放射がオフであるか、または、マイクロ波電力がオンである持続時間の間よりも低い電力であるパルス周期の第2の持続時間を示す。この例でのデューティサイクルは、パーセンテージとして表すと、(t−t)/(t−t)×100である。例えば、30%のデューティサイクルは、マイクロ波放射が各パルス周期の30%はオンであることを示す。第1のパルスの開始に応じて、プラズマ温度は、プラズマの高エネルギー化学種の励起のため、短時間で上昇する。しかしながら、パルスの開始時につくられる高エネルギー化学種の寿命は比較的短く、プラズマ温度はプラズマの中で定常状態に達するまで低下する。時間tは、反応チャンバのプラズマの中で平衡状態に達する時間を示す。
【0030】
プラズマのエネルギーは、プラズマ温度(単位はeV)として表すことができて、プラズマのラジカル化学種のエネルギーを記述する。プラズマからのエネルギーがガスへ移動されるので、反応チャンバまたは導波管のガス温度はプラズマのエネルギーにも関連がある。プラズマ効率はプラズマエネルギーとこれらの温度の関係に影響を及ぼす1つの特性であり、それは生来のガスプラズマ特性、例えば二次電子射出係数及び電子対生成によるガス混合気及びタイプによって支配される。したがって、時間tとt間のプラズマの平均エネルギーは、平衡状態(時間tとtの間)で、プラズマの平均エネルギーより高い。パルス周期全体が短縮するにつれて、高エネルギー化学種が各パルス周期以内に存在する時間のより大きな分率がある。
【0031】
本発明の実施形態に従って、図5は、図4において表される例示のパルスより短い期間を有するパルスの例示のグラフを示す。パルシングは、例えば、500Hzより大きく、100kHzより大きく最高1000kHzなどでもよい。パルス周期全体がより短いが、高エネルギー化学種が存在するパルス周期以内の継続時間が同じなので、高エネルギー化学種が存在する時間の分率、(t−t)/(t−t)は、それが図4に示される例に対してよりも、図5に示される例に対してはより大きい。マイクロ波放射の高周波パルシングから生じているより高いエネルギーレベルが、反応速度機構に加えて増加した熱分解を利用することによって、プロセスガス分子のより効果的な分解を可能にする。熱分解のさらなる貢献の結果として必要とされる投入電力がより少なくなり、したがってまた、使われるプロセスガスのより高い流速を可能にする。いくつかの実施形態では、パルスの立ち上がり時間及び立ち下がり時間は、5nS〜1000mS、または、5nS〜10mSである。
【0032】
いくつかの実施形態では、プラズマの平均エネルギーは、パルシング周波数を所望のプラズマエネルギーを達成するように選ぶことにより、パルス周期を変えることによって制御される。加えて、いくつかの実施形態では、プラズマの平均エネルギーは、デューティサイクルを制御することによって制御される。これは、時間平均入力電力及びパルス周期の両方が一定の状態に保たれてデューティサイクルは変化する状況を考察することによって理解することができる。より短いデューティサイクルは、マイクロ波放射がオンであるときにチャンバに結合される電力の大きさを上昇させる。これは、時間平均電力が一定に保持されてかつ電力がオンである持続時間(すなわち、デューティサイクル)がより短いからである。いくつかの実施形態では、パルス周期の第1の持続時間の間に反応チャンバに結合されたより高い電力は、プラズマの平均温度及び平均エネルギーを増加させる。前述したように、プラズマのエネルギーを制御することは、プロセスガスからの分離成分の作成のための所与の反応径路を選択するために用いることができる。したがって、いくつかの実施形態では、反応径路は、反応チャンバに結合されるマイクロ波放射のデューティサイクルを制御することによって選択することができる。これは、比較的低い電力量(すなわち、時間平均電力)を用いて、持続波においては同じ電力で容易にするのが不可能である反応径路から反応生成物を生成することができるので、好都合である。
【0033】
いくつかの実施形態では、反応径路は、プラズマへの時間平均電力を制御することによって選択することができる。例えば、デューティサイクル及びパルス周波数が一定の状態に保たれ、そして、マイクロ波発振器への電力入力が増加する場合、プラズマのエネルギーは増加する。別の例として、デューティサイクル及びパルス周波数が一定に保たれ、そして電力が反応チャンバにより効果的に連結される場合、プラズマのエネルギーは増加する。
【0034】
いくつかの実施形態では、反応径路は、マイクロ波放射パルスの形状を制御することによって選択することができる。いくつかの実施形態では、マイクロ波パルスは矩形波であり、そこで、電力はマイクロ波がオンであるパルス周期の持続時間中に一定である。いくつかの実施形態では、パルス電力はマイクロ波電力がオンであるパルス周期の持続時間中に一定でない。いくつかの実施形態では、マイクロ波パルスは、三角波または台形波である。いくつかの実施形態では、パルスは、短時間で(例えば、図5の時間tで)値E1まで上昇し、次に、いくらかの期間にわたって(例えば、図5の時間tからtで)値E2まで増加する。いくつかの実施形態では、パルスは、短時間で(例えば、図5の時間tで)値E1まで上昇して、次に、いくらかの期間にわたって(例えば、図5の時間tからtで)値E2まで直線的に増加する。いくつかの実施形態では、パルスは、短時間で(例えば、図5の時間tで)値E1まで上昇して、次に、いくらかの期間にわたって(例えば、図5の時間tからtで)値E2まで増加して、そして次に、短時間で(例えば、図5の時間tからtまでで)、E1未満でかつマイクロ波電力がオフであるときのエネルギーの値より大きい、低い値E0に減少する。プラズマは、高エネルギー化学種がより高い分率で(すなわち、パルスの始まりでプラズマが平衡に達する前に)存在するとき期間は、拡散性と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、マイクロ波エネルギーはプラズマが拡散性である期間にわたって増加し、それはプラズマの高エネルギー化学種の時間平均分率を増加させる。
【0035】
上述の通り、パルス周波数、デューティサイクル及びパルス形状を調整することは、所与の時間平均入力電力に対して、プラズマの中で、より高いエネルギー化学種のより高い分率の作成を可能にすることができる。より高いエネルギー化学種は、それがなければエネルギー的に有利でないであろう、追加の反応径路を可能にすることができる。
【0036】
上記の技術は、例示のプロセスガスとして水素及びナノ微粒子炭素に分離されるメタン(CH)を用いることにより、さらに理解することができるであろう。通常、メタン(CH)を分離するために4〜6eVが必要であるが、しかしながら、プラズマエネルギーは、通常最初の点火エネルギースパイクの後に約1.5eVで定着する。マイクロ波をパルス化することによって、平均プラズマエネルギー(すなわち時間平均プラズマエネルギー)はより高いレベルに維持されて、そこで、パルシングの周波数及び持続時間は平均プラズマエネルギーを制御する。具体的には、パルシングパラメータ、例えば周波数及びデューティサイクルは、4〜6eVの平均プラズマエネルギーを提供してメタンの特定の解離反応を選択するように制御することができる。マイクロ波エネルギーをパルス化する別の利点は、マイクロ波が入力されているチャンバの全体にわたってエネルギーがより多く分配されるということである。従来システムにおいて、平衡状態で、プラズマはマイクロ波入力の位置に向かってイオン化化学種の緻密層をチャンバに形成して、それが入って来るマイクロ波放射を吸収して、したがってさらなるマイクロ波放射がチャンバの中により深く浸透するのを防止する。本開示の高周波パルシングは時間のより大きな分率に対して非平衡状態のプラズマを維持して、イオン化化学種の緻密層は時間のより小さい分率に対して存在し、それにより、マイクロ波放射がチャンバの中により深く浸透してプラズマがチャンバの中でより大きい容積で生成されることを可能にする。
【0037】
続けてメタンを例にとると、プロセスガスに印加される最も低いエネルギーでは、1つの水素原子だけが取り除かれて、CHラジカル及び遊離H原子を生成する。より多くのエネルギーが印加されると、メタンを含んでいるプロセスガスは、CHラジカル及び遊離H原子に、そして、CHプラスHに反応を起こすことができる。さらにより高いエネルギーでは、メタンを含んでいるプロセスガスは、CHラジカル及び遊離H原子に、そして、CHプラスHに、そして、CHラジカルプラスHに反応を起こすことができる。さらにより高いエネルギーでは、メタンを含んでいるプロセスガスは、CHラジカル及び遊離H原子に、そして、CHプラスHに、そして、CHラジカルプラスHに、そして、CプラスHに反応を起こすことができる。プラズマに追加されるエネルギー量を制御することによって、異なる反応径路を選択することができて、異なる生成物を集めることができる。
【0038】
さらに一般的にいえば、本開示の種々の実施形態で、パルス周期の持続時間全体の上のプラズマの平均エネルギーは、0.9eV〜20eV、または、0.9eV〜10eV、または、1.5eV〜20eV、または、1.5eV〜10eVであるか、または0.9eVより大きいか、または1.5eVより大きいものであり得る。プラズマエネルギーが調整される特定の値は、利用されているプロセスガスのタイプに依存する。
【0039】
上記のマイクロ波処理システムで、マイクロ波放射源は、放射源から発されるマイクロ波放射を持続波であるかパルス化したものかのいずれかであるように制御することができるマイクロ波エミッタ回路(例えば、図2の207及び図3の307)によって制御される。いくつかの実施形態では、マイクロ波エミッタ回路は、マグネトロンを、例えば、915MHz、2.45GHzまたは5.8GHzで用いることによりマイクロ波放射を生じる。マイクロ波放射の出力電力を制御するために、マイクロ波エミッタ回路は、種々の周波数及びデューティサイクルでマグネトロンをパルス化することができる。各マイクロ波エミッタ回路はパルシング周波数、デューティサイクル、形状及び出力電力レベルの特定範囲のために設計されて、そこで、これらのパラメータの特定の値の選択はプロセスガスの化学反応径路を調整するために用いる。
【0040】
いくつかの実施形態では、マイクロ波制御回路で可能となるパルス周波数は、500Hz〜1000kHz、または、1kHz〜1000kHz、または、10kHz〜1000kHz、または、40kHz〜80kHz、または、60〜70kHzであるか、または、10kHzより大きいか、または50kHzより大きいか、または100kHzより大きい。いくつかの実施形態では、マイクロ波源は、1〜100kWの時間平均電力を有する持続波またはパルス化されたマイクロ波放射を発する。パルス周期は、マイクロ波電力がオンである第1の持続時間及び、マイクロ波放射がオフであるか、第1の持続時間の間よりも低い電力である第2の持続時間を有する。いくつかの実施形態では、第2の持続時間は、第1の持続時間より長い。所与のシステムに対する最適デューティサイクルは、マイクロ波電力、パルス周波数及びパルス形状を含む多くの要因に依存する。いくつかの実施形態では、デューティサイクル(すなわち、パーセンテージとして表される、マイクロ波放射がオン状態であるパルス期間の分率)は、1%〜99%、または、1%〜95%、または、10%〜95%、または、20%〜80%、または、50%〜95%、または、1%〜50%、または、1%〜40%、または、1%〜30%、または、1%〜20%、または、1%〜10%、または99%未満、または95%未満、または80%未満、または60%未満、または50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または10%未満である。
【0041】
高流量マイクロ波ガス処理におけるイオンエネルギーコントロール
マイクロ波放射パルシングの種々のパラメータを調整してどの化学反応径路がプロセスガスで起こるかについて制御することに加えて、プラズマエネルギーに影響を及ぼすこともできて、したがって化学反応を調整することができる他の技術をここで論じる。
【0042】
図6は1つ以上の前駆体ガスの添加によってプラズマのイオンエネルギーを制御することを例示しており、そこで、前駆体ガスはプロセスガスが導波管チャンバに流されるところから上流に挿入される。前駆体ガスは、種々のイオン化電位の化学種を追加することによって、分解効率を改善する。すなわち、異なるガスは異なるイオン化エネルギーを有し、それは原子または分子からの電子を取り除くために必要なエネルギー量である。加えて、種々のガスは、異なる電子対生成(イオン当たりのどれだけ多くの電子が生成されることができるか)及び二次電子放出特性(帯電粒子が表面にぶつかるときの電子の放出)を有する。したがって、本開示で、前駆体ガスの使用は、プラズマのエネルギーに影響を及ぼすために利用される。
【0043】
図6において、マイクロ波ガス処理システム600は、以前の実施形態と類似のマイクロ波放射源604、導波管605及びマイクロ波エミッタ回路607を含む。図6の図は、明確にするため以前の図と比較して簡略化した図面である。供給ガス入口602は、供給ガス(図示せず)を補充して導波管のプラズマを作る前駆体ガス620を受ける。種々の実施形態において、前駆体ガス620は、1つ以上の水素、アルゴン、ヘリウムまたは種々の希ガスを含むことができる。プロセスガス入口610は、以前の実施形態と同様に、反応を起こすことになるプロセスガスを受けるように構成される。システムの所望出力生成物でない前駆体ガス(例えば、メタンの処理のアルゴン前駆体ガス)については、前駆体ガスは後処理ステップにおいて出口603から出力される分離成分630及び632から除去される。
【0044】
いくつかの実施形態では、プロセスガスの分離成分の1つ以上は、導波管605に入っている供給ガス及び/またはプロセスガスの中へと戻して、再利用される。図6に示すように、導波管605のガス反応は、分離成分630及び632を生成する。例えば、プロセスガスとしてのメタンについては、第1の分離成分630はCHでもよく、第2の分離成分632は出口603で集められる前に再結合してHガスを形成する原子状水素Hでもよい。あるいは、第1の分離成分630はCHでもよく、第2の分離成分632は水素ガスHでもよい。分離成分632は、導管640を通して供給ガス入口602へ戻り、導波管605の中に戻して、再利用される。したがって、再利用された分離成分632が、前駆体ガス620として使われる。生成された分離成分を反応システムに戻すことは直観に反しているが、成分の再利用がプラズマにエネルギーを追加して、いくつかの実施形態では、再利用された成分がガス処理の間にすでに加熱されているので、プロセスガスの熱分解に寄与することもできる。いくつかの実施形態では、例えば、導波管605の中へと戻して再利用される分離成分632は、合計150〜200slmのHが生成されるプロセスに対しては、2〜10slmのHとすることができる。分離成分632の他の量または部分は、プロセスガスの流速及び/または、目標とされた化学経路を開始するためにプロセスに追加するのが望ましいエネルギー量などの要因の判断に従って、再利用することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、供給ガスの一部またはすべては、プロセスガスの1つ以上の再利用された分離成分を含む。例えば、供給ガスは水素であることができて、プロセスガスは水素及び炭素を形成するために反応を起こすメタンであることができて、メタンから生成される水素の少なくとも一部が再利用されて、供給ガスとして用いることができる。生成された水素を再利用することは、水素から形成されるプラズマがプロセスガス分子の炭化水素結合を分解することで非常に効率的であるので、有益に全体のガス処理の効率を改善する。加えて、いくつかの実施形態では、再利用されたHはすでに高温であることで、熱分解エネルギーを達成するのに必要なエネルギー入力はより少ない。いくつかの実施形態では、供給ガスは外部ソースにより提供されるHであり、それに、再利用されたH2が追加される。このような実施形態において、生成されたプラズマは、水素プラズマである。
【0046】
図7は、フィラメントを用いることにより化学経路を制御する別の技術を例示する。図7の実施形態において、マイクロ波処理システム700は、以前の実施形態と類似のマイクロ波放射源704、導波管705及びマイクロ波エミッタ回路707を含む。マイクロ波放射709はマイクロ波放射源704によって供給されて、導波管705の長さLの方向において伝搬する。本実施形態において、供給ガス入口702は、以前の実施形態で例示された部分Lへの入口よりはむしろ、部分Lの入口の近くに配置される。1つ以上の金属フィラメント720は導波管705の中に配置されて、プラズマの点火及び/またはプラズマの中のより高いエネルギー化学種の励起を支援する。本実施形態において、金属フィラメント720は、第1のガス入口702の下流で、一定の断面積を有する部分Lへの入口の近くにある。他の実施形態では、フィラメント720は導波管705の全長Lの部分Lの中の他の位置に配置することができ、ここで、Lは以前の実施形態を参照して記載されているように、プラズマが形成される導波管の領域である。いくつかの実施形態では、フィラメント720は部分Lの中で、そして、プロセスガス入口710の上流に配置されて、そのため、それは反応が起こっていて、フィラメントを反応が起きた化学種でコーティングすることができる部分L図2及び3に示される)の外側に配置される。フィラメント720の存在は、マイクロ波放射709の電界を集中させることにより点火場所を提供することによって、プラズマ点火電圧を減らすことができる。加えて、フィラメント720は加熱されることができて、熱電子放射によって電子を発することができ、それはプラズマ点火電圧を減らすことにさらに貢献する。フィラメント720が本実施形態においては単一ワイヤとして例示されるが、フィラメント720はコイルまたは複数のフィラメントなどの他の構成を取ってもよい。いくつかの実施形態では、フィラメント720は、タングステンである。いくつかの実施形態では、フィラメントは、能動的に通電する(電力を受ける)ことができるかまたは、受動的でもよい。いくつかの実施形態では、フィラメント720は、ヒータコイルに隣接した(例えば、プレート、またはコイル、または他の形状として構成される)オスミウムフィラメントである。いくつかの実施形態では、フィラメント720は、誘導コイルの分野の鉄の材料である。いくつかの実施形態では、フィラメント720は、能動部品(例えば加熱源部品)が導波管705の外側に配置されて、加熱されているフィラメント材料は導波管705の中にある場合、能動的に加熱される。
【0047】
図8は、電子源を用いることによってプラズマエネルギーを制御するさらに他の技術を例示する。マイクロ波処理システム800は、供給ガス入口802、導波管805及び以前の実施形態のようなマイクロ波放射809を供給するマイクロ波放射源804を含む。マイクロ波処理システム800は1つ以上の電子源820も含んで、プラズマの点火及び/またはプラズマの中のより高いエネルギー化学種の励起も支援する。電子源820は導波管805に電子を注入するように構成され、それにより、プラズマに点火するために必要な初期エネルギーの量を減少させる。したがって、プラズマの点火レベルは、存在する電子の量を制御することによって制御され得る。いくつかの実施形態では、電子は導波管805の全長Lの部分Lに注入され、ここで、Lはプラズマが上記の通りに形成される導波管の領域である。例えば、本実施形態において、電子源820は、第1のガス入口802の下流で導波管805に電子を供給するように構成される。いくつかの実施形態では、電子源820は、電界放射源である。いくつかの実施形態では、電子源820は、ヒータコイルに隣接してオスミウム元素を含む。いくつかの実施形態では、電子源820は、誘導コイルの分野の鉄の材料を含む。いくつかの実施形態では、電子源820は上述のようなフィラメントを含んで、生成された電子は高圧電場を使用して部分Lに注入される。いくつかの実施形態では、電子源820は、代わりに、イオンのソースである。
【0048】
導波管の中でフィラメント720及び/または電子源820を使用する利点は、それらはプラズマが速いマイクロ波パルシング周波数(例えば、500Hzより大きい、または、1kHzより大きい周波数)に、また高いガスフロー(例えば、5slmより大きい)にも、そして大きいガス容積(例えば、最高1000L)に追随するのに十分短時間で生ずることを可能にするということである。これは特に高圧(例えば、0.9気圧より大きいか、1気圧より大きいか、または2気圧より大きい)で重要であり、なぜなら、高エネルギー化学種が高圧気圧では短時間で消え、そしてプラズマが十分に急速に点火することができない場合、高圧でパルス化されたプラズマでは高エネルギーの化学種(すなわち、経時的に集積される)の分率が減るからである。
【0049】
図8は、制御化学経路の別の技術として、本発明のシステムにおける電極830の実施形態も例示する。電極830は、図6の前駆体ガス620、図7のフィラメント720または図8の電子源820と独立して、またはそれと結合して、用いることができる。いくつかの実施形態では、システム800は電極830の1つ以上のセットを含んで、プラズマにエネルギーを加える。電極は導波管805の全長Lの部分Lの中で電界を生成するように構成され、ここで、Lはプラズマが上記の通りに形成される導波管の領域である。電極830は、逆電荷の一対の共面電極として、図8で具体化されており、これはプラズマ806が生成される導波管805の部分の外側のそれの対向側にある。電極は特定の電圧に付勢されて所望程度にプラズマの中で荷電化学種を加速することができて、したがって、プラズマエネルギーを制御する。電極は、特にパルス化されたマイクロ波入力と結合すると効果的である。電極及び持続マイクロ波放射による従来システムにおいて、電極間のプラズマは平衡状態で(例えば、電極の近くで)局所化して、電極から電界を遮蔽し、それはプラズマにエネルギーを追加する電極の能力を制限する。しかしながら、マイクロ波がパルス化されると、プラズマは時間のより大きい分率に対して非平衡状態で存在して、電極の電界を遮蔽する時間の分率がより小さくなる。
【0050】
いくつかの実施形態では、本開示のガス処理システムは、磁石(図示せず)を含んでプラズマを制限し、点火電圧を減らす。いくつかの実施形態では、磁石は、永久磁石であるかまたは、電磁石である。磁石はプラズマ密度分布が制御され得るように配置することができる。いくつかの実施形態では、磁石は部分Lのプラズマ密度を増加させ、それはプロセスガスがプラズマによって分離される効率を改善する。
【0051】
前述したように、パルス化されたマイクロ波放射、高いガスフロー(例えば、5slmより大きい)、大容積のプラズマ(例えば、最高1000L)、高圧(例えば、0.1気圧より大きいか、または0.9気圧より大きいか、または2気圧より大きい)、各パルスの開始時にプラズマ点火で支援するフィラメントまたは電子源のいずれか、及び/またはプラズマにさらにエネルギーを追加する電極の組合せは、低いエネルギー入力要件を有する費用効果的な高い生産性の化学ガス処理システムを可能にすることができる。
【0052】
上記の特徴を有するガス処理システムは、例えば図2、3、6、7及び8で表される例などのように、プラズマが生成され、プロセスガスが導波管それ自体の中で成分に分離されるような方法で構成される。このようなシステムでは、マイクロ波放射は分離成分を生成している反応の上流でシステムに入り、したがって、分離成分が反応器のマイクロ波入力ウィンドウ上に蓄積して、マイクロ波放射がプラズマを生成することができる前にそれを吸収することの問題は軽減される。分離成分が生成される導波管の部分は反応チャンバとして作用して、反応チャンバを通る供給ガスフロー及び/またはプロセスガスフローはマイクロ波放射の伝搬方向と平行である。マイクロ波放射は、分離成分が生成される反応チャンバの部分の上流で反応チャンバに入る。
【0053】
いくつかの実施形態では、ガス再利用、フィラメント及び電子源が、持続波(CW)マイクロ波放射を利用しているマイクロ波ガス処理システムで使用可能である。CWマイクロ波放射による実施形態において、ガス再利用、フィラメント及び電子源はさらに、システムのガス処理効率を改善し、プラズマの点火電圧を減らし、プラズマの密度分布を制御するために有益である。
【0054】
いくつかの実施形態では、分離成分は、導波管の反応容積が大容積であるにもかかわらず、分離成分を生成している反応の下流で、導波管の壁に付着し得る。これはプラズマが生成されるのを妨げないが、それはなお生成物の損失及びシステムの汚染源を表す。したがって、いくつかの実施形態では、供給ガス及びプロセスガスのガスフローは、堆積の領域の近くでプラズマを生成して、導波管壁(または反応チャンバ壁)上に堆積する分離された生成物を除去するように設計することができる。いくつかの実施形態では、供給ガス及び/またはプロセスガスの追加の入口は、堆積の領域にガスの方向を定めて、導波管壁(または反応チャンバ壁)上に堆積する分離された生成物を除去するように構成することができる。
【0055】
マイクロ波ガス処理の方法
図9は、高効率ガス反応の化学制御を用いてガスのマイクロ波処理のための方法を表す例示のフローチャート900である。ステップ910において、マイクロ波放射は長さを有する導波管を通して供給されて、ここで、マイクロ波放射は導波管に沿った方向に伝搬する。マイクロ波放射は、パルス化されているかまたは連続波でもよい。いくつかの実施形態では、マイクロ波放射は、100kV未満の電力で導波管に供給される。導波管の中の圧力は、最低0.1気圧であり、例えば0.9気圧から10気圧である。ステップ920において、供給ガスは導波管の長さに沿った第1の位置で導波管に提供され、そこで、供給ガスの大部分はマイクロ波放射伝搬の方向に流れている。ステップ930において、プラズマは、導波管の長さの少なくとも一部の中の供給ガスで生成される。プロセスガスは、ステップ940で、第1の位置の下流の第2の位置において導波管に追加される。プロセスガスの大部分は、5slmより大きい流速で、マイクロ波伝搬の方向に流れる。
【0056】
ステップ950において、プラズマの平均エネルギーは、プロセスガスを分離成分に変換するために制御される。平均エネルギーは、例えば、0.8eV〜20eVでもよい。いくつかの実施形態では、パルシング周波数が制御されて、そこでは、パルシング周波数は500Hzより大きい。例えば、マイクロ波放射のパルシング周波数は、500Hzから1000kHzであってもよい。いくつかの実施形態では、パルス化されたマイクロ波放射のデューティサイクルは、パルシング周波数に加えて、または、それの代わりに制御されて、そこでは、デューティサイクルは50%より小さい。
【0057】
いくつかの実施形態では、プロセスガスはメタンであり、分離成分は水素及びナノ微粒子炭素を含む。例えば、ナノ微粒子炭素は、グラフェン、グラファイト、炭素ナノオニオン、フラーレンまたはナノチューブの1つ以上の形態を含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、前駆体ガスは、第1の位置で供給ガスに追加され、前駆体ガスは水素または希ガスを含んでいる。いくつかの実施形態では、分離成分はHを含み、分離成分Hの少なくとも一部は第1の位置へ戻して再利用される。このような実施形態では、供給ガスはHを含み、プラズマは水素プラズマを含む。
【0059】
種々の実施形態において、方法は導波管に金属フィラメントを提供することを含み、金属フィラメントはプラズマを生成するための点火電圧を減らすのに役立つ。種々の実施形態において、方法は導波管に結合された一対の電極を提供することを含み、電極は生成されたプラズマにエネルギーを追加するように構成される。
【0060】
仕様を本発明の特定の実施形態に関して詳述してきたが、当業者が、前述の内容の理解を達成する際に、これらの実施形態に対する変更、変形、及び等価物を容易に考えつくことができることが理解されよう。本発明に対するこれらの、そしてまた他の、修正及び変形は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者によって行うことができる。さらに、当業者は、前述の説明が例だけとしてあるもので、本発明を限定することを目的としないことを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9