(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管は、前記制御ユニットを前記プローブと接続する第1の部品と、前記リザーバを前記制御ユニットと接続する第2の部品と、を含み、前記第1の部品及び前記第2の部品のそれぞれは、ガス伝達チューブ及び洗腸液伝達チューブを含む、請求項3に記載のカテーテルシステム。
【背景技術】
【0002】
カテーテル及びカテーテルシステムは多くの種類の医療処置で使用されている。いくつかのカテーテルシステムでは、使用中、患者/ユーザの体に挿入されているときにカテーテルを定位置に保持するための保持部材がカテーテルに備えられている。そのようなカテーテル用の一般的な種類の保持部材は、カテーテルの挿入可能端部の近傍に配置される拡張可能なバルーンなどの拡張可能な保持部材である。外部源からカテーテルの長さにわたって、拡張のために拡張流体を拡張可能な保持部材へと移送するための、並びに拡張可能な保持部材の収縮中、拡張流体を逆にしかしカテーテルの長さ移送するための別個のルーメンがカテーテル内に配置されている。拡張可能な保持部材は、空気、水又は生理食塩水などの流体によって適切な直径に拡張される。
【0003】
拡張流体用に使用されるルーメンに加えて、直腸カテーテルの場合は糞便又は留置尿カテーテルの場合は尿などの液体等を体腔等から排出するために、例えば洗腸液を体腔に送達するための第2のルーメンが設けられてもよい。
【0004】
拡張可能な保持部材は、カテーテルの遠位端を好ましくは取り囲み、完全に拡張したときにトロイダル形状を好ましくは有する。
【0005】
しかしながら、拡張可能な保持部材を使用するシステムは、保持バルーンが過拡張すれば体の直腸組織に過大な圧をかける可能性があるため、慎重に使用しなければならない。従って、そのようなカテーテルシステムは全て、各製造業者が安全であると定めた保持バルーンの指示最大体積を有していなければならない。しかしながら、拡張可能な保持部材を過拡張させることによってこの最大体積を超過し、保持部材の周囲の軟組織を損傷することとなる場合がある。特に、拡張可能な保持部材が破裂するレベルまでの過拡張は有害であり且つ痛みを伴う場合があり、重篤な場合では、致命的な結果を及ぼす場合もある。しかしながら、破裂がなくても、拡張した保持部材は、拡張可能な保持部材の近傍の組織に過大な圧をかけることによる不快感、痛み、又は更には、損傷を引き起こす可能性がある。
【0006】
そのような拡張可能な保持部材の拡張をいかにしてより適切に制御するかについての解決策を提案する様々な試みが長年にわたってなされてきた。しかしながら、これら提案された解決策のほとんどは非常に複雑であり、且つ製造コストが高い。更に、これら既知のシステムは、拡張を制御すると同時に過拡張を確実に回避する適切な可能性を、ユーザに依然として提供できていない。
【0007】
例えば、同一出願人による米国特許出願公開第2016/193403号は、バルーンの拡張が予め設定された拡張レベルに従い制御される洗腸システムについて開示している。しかしながら、拡張させたバルーンのサイズはユーザ毎に、また、同じユーザでも時として異なる場合がある。更に、欧州特許第2683424号は、拡張可能なバルーンの拡張が圧力センサによって制御され得る電動経肛門洗腸システムについて開示している。また更に、米国特許出願公開第2014/0052063号は、拡張可能なバルーンを備えるカテーテルを含む洗腸システムについて開示している。バルーンの過拡張の防止用に制御システムが提供される。このために、システムは、バルーンが充填される際のバルーン内の流体圧力、又はバルーンに供給される流体の量のいずれかを監視する。また、国際公開第2016/095929号は、電動直腸洗腸システムについて開示している。同出願は、バルーンの拡張用の電気ポンプの使用について開示しており、圧送は、所要時間又はポンプの回転数に基づき制御される。
【0008】
このため、直腸洗腸システムだけでなく、尿カテーテルシステム、気管内挿管システム等などの、拡張可能な保持部材を有する他のカテーテルシステムにおける、拡張可能な保持部材を有するカテーテルの拡張の制御を改良することに対する需要がある。特に、安全、簡単且つ便利に使用することができ、洗腸液の自己投与のための改良された制御性を備え、また、好ましくはコスト効率的に製造することができる洗腸デバイスに対する需要がある。
【発明の概要】
【0009】
上述の需要に鑑み、本発明の全般的な目的は、先行技術の上述の課題を軽減し、上述の需要を少なくとも一部満たす方法及びシステムを提供することである。
【0010】
この目的及び他の目的は、添付の特許請求の範囲による方法及びシステムによって達成される。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、カテーテル内の拡張可能な保持部材の拡張をコントローラによって自動制御する方法であって、
複数の所定の拡張レベルを提供することと、
各前記所定の拡張レベルに対して、圧送時間閾値及び圧力レベル閾値を設けることと、
前記拡張可能な保持部材内の圧力を連続的に測定することと、
選択された拡張レベル選択された形態前記複数の拡張レベルの入力を受け取ることと、
前記拡張可能な保持部材を拡張させるために電気ポンプを動作させることと、を含み、
電気ポンプを前記動作させることは、前記選択された拡張レベルの圧送時間閾値及び圧力レベル閾値のうちの1つに到達するまで継続される、
方法が提供される。
【0012】
「圧送時間(pumping time)」とは、本明細書では、圧送が連続的に起こるか1つ又はいくつかの中断を有するかどうかを問わず、ポンプが動作している間の合計時間を意味する。従って、「圧送時間」は、圧送が開始されてからの時間であるが、ポンプがアイドルである間の時間を除く。
【0013】
「連続的な測定(continuous measuring)」とは、全拡張工程の間、ポンプがアクティブである全時間の間、全洗腸プロセスの間、常時等など、ある時間にわたって連続する測定を意味する。
【0014】
拡張可能なバルーンなどの拡張可能な保持部材を有するカテーテルは、使用中、カテーテルを、挿入された位置において保持する必要がある多くの医療処置で使用されている。例えば、そのようなカテーテルは、直腸への挿入を意図したカテーテル、例えば肛門洗腸システムで使用するためのいわゆる直腸カテーテル、及び尿道から尿を排出するための留置尿カテーテルに一般に使用されている。
【0015】
適切な拡張レベルは、使用中、カテーテルが定位置に留まるようなレベルとすべきであるが、ユーザに不必要な不快感及び害を生じさせないようなレベルともすべきであり、特に、拡張可能な保持部材は、拡張可能な保持部材のバースト又は破裂の危険性がある程度まで過拡張されるべきではない。
【0016】
拡張可能な保持部材の適切な拡張レベルは使用の種類並びにカテーテルのサイズ及びタイプに依存するため、前もって決定することは困難である。適切な拡張レベルはユーザの好みにも依存する。一部のユーザは拡張可能な保持部材が拡張したときに非常に大きくなることを望むが、他のユーザはより敏感であり、比較的小さな拡張サイズで既に不快さを感じる。更に、これはまた、時間の経過とともに、同一のユーザにおいて、例えば、結腸の状態、ユーザの全身状態等に応じて変化する場合がある。
【0017】
本発明は、ユーザ又はオペレータがいくつかの所定の拡張レベルの中から選択することを可能にする。これによって、異なる拡張レベルが、特定のユーザ、使用されるカテーテルのタイプ及びサイズ、ユーザの現在の状態等に基づいて選択され得る。
【0018】
拡張可能な保持部材に供給される量に対応する均一な圧送時間、及び拡張可能な保持部材の圧力レベルの両方が、拡張可能な保持部材の拡張レベルの決定に関連し、両方が拡張可能な保持部材のサイズに相関することが本願発明者によって見出された。しかしながら、これらパラメータのいずれも、それら自体では適切な拡張レベルを決定するのに十分ではないことも見出された。カテーテルのサイズ、尿道又は直腸などユーザの条件等によっては、拡張可能な保持部材のサイズと圧送時間及び圧力レベルとの間の対応は複雑な関係であることが見出された。例えば、直腸内の筋収縮は、相当に小さな体積であっても保持部材内の高い圧力をもたらす場合がある。同様に、気管においては、呼吸サイクル中、高い圧力の周期がある。また、小さな拡張サイズでは、圧力変化が非常に小さく、拡張サイズを、圧力レベルだけを基にして適切に制御することを非常に困難にする。圧送時間だけに依存しないことにより、ポンプの許容差等に対する感度が低くなり、これによってシステム全体の性能に影響を及ぼすことなくポンプの較正等を実施する頻度を低下させることができる。
【0019】
しかしながら、拡張を圧送時間及び圧力レベルの両方に対して制御することによって、様々な拡張レベルにおいて非常に効率的且つ予測可能なサイズを得ることができると同時に、過拡張を確実になくすことができ、拡張可能な保持部材のバースト又は破裂の危険性が確実になくなる。
【0020】
このために、各拡張レベルは、圧送時間閾値及び圧力レベル閾値の両方と関連付けられ、所望の選択された拡張レベルまでの圧送は、これら閾値のいずれかに到達するまで継続される。従って、まれなケースでは、圧送は、圧送時間閾値及び圧力レベル閾値の両方に到達したとき、これが同時に起こる場合には、停止させてもよい。しかしながら、ほとんどの場合、これら閾値の1つに最初に到達し、もう一方のパラメータが設定閾値を下回るときに圧送を中断する。
【0021】
本発明はまた、様々なカテーテルサイズを同一の制御ユニット及び同一の制御設定を用いて制御することを可能にする。これはカテーテルシステムに接続され得る様々なサイズのカテーテルがある場合に特に重要である。なぜなら、製造業者はその場合、ユーザがそれぞれの機会にどのカテーテルを使用するかを知ることは困難な場合があるからである。
【0022】
2つの閾値による制御はまた、結腸の逆圧の変化など状況関連の変化中であっても適切な拡張を確実にする。
【0023】
本発明の拡張方法はまた、実施、設置、及び動作が比較的簡単なため、得られる方法/システムをコスト効率的且つ使い勝手のよいものにする。
【0024】
電気ポンプは、非常に容易に動作させることができるため特に洗腸システムにおいてかなり有利であり、器用さが低いユーザにとって特に有利である。ユーザに手の筋力が不足している場合、例えばフォイルポンプ(foil-pump)を握るよりもむしろ電気ポンプを動作させる方がより簡単であり得る。電気ポンプはまた、異なる使用タイプ、異なるユーザのタイプ等に合わせて容易に調整及びカスタマイズすることができる。
【0025】
好ましくは、複数の所定の拡張レベルは、少なくとも3つの異なる拡張レベル、好ましくは少なくとも5つの異なる拡張レベルを含む。3つのレベルの場合、拡張レベルは、例えば、1、2及び3;A、B及びC;S、M及びL等と表記され得る、又は3つの異なるサイズのバルーンの概略図によって示される。ユーザは、所望の拡張レベルを様々な手法で、例えば、特定の拡張レベルに専用のボタン又はキーを使用すること、メニュー等においてレベルを選択すること、現在のレベルを増加及び減少させるために+ボタン及び−ボタンを使用すること等によって選択してもよい。
【0026】
複数の所定の拡張レベルは、好ましくは最小拡張レベルから最大拡張レベルまでの範囲である。いくつかの実施形態では、圧送時間閾値又は圧力レベル閾値は、2つの連続する拡張レベルにおいては同じであってもよい。しかしながら、好ましくは圧送時間閾値及び圧力レベル閾値の両方は、最小拡張レベルから最大拡張レベルまでの各所定の拡張レベル間において段階的に増加する。従って、圧力レベルの閾値と圧送時間の閾値の組み合わせは各所定の拡張レベルに特有であり、好ましくは、各レベルの両閾値は特有である。
【0027】
圧送時間閾値は、好ましくは全て0.1〜60秒の範囲内であり、好ましくは0.5〜30秒の範囲内であり、最も好ましくは1〜15秒の範囲内である。例えば、3つの所定の圧送レベルが使用される場合、所定の圧送時間は、1秒、5秒及び10秒に設定されてもよく、又は5つの所定の圧送レベルが使用される場合、1秒、3秒、5秒、7秒、及び10秒に設定されてもよい。正確な圧送時間閾値は、使用されるカテーテルのタイプ、ポンプの圧送性能等に基づいて設定されてもよい。しかしながら、有利には、精密制御が本発明の方法及びシステムによって提供され、異なるカテーテルサイズに対して異なるレベルを設定する必要はもはや全くない。その代わり、カテーテルサイズに関わらず同じ閾値レベルを使用してもよく、これにより方法/システムの使用がユーザにとってかなり容易になり、セットアップ時の不注意によるエラーのリスクが限定される。
【0028】
圧力レベル閾値は全て、好ましくは1〜500mbarの範囲内、好ましくは2〜300mbarの範囲内である。本明細書で使用する場合、mbarは、ゲージ圧、又はいわゆるbar(g)又は単にbarg、すなわち周囲圧力又は大気圧を超えるbarにおける圧力を示す。
【0029】
拡張可能な保持部材内の圧力の連続的な測定は、拡張可能な保持部材内に又は拡張可能な保持部材と直接連通する導管内に直接配置された圧力センサによって好ましくは行われる。従って、一実施形態では、圧力センサは、拡張可能な保持部材の内部に配置されてもよく、例えば、電線等によって制御ユニットに接続されていてもよい。別の実施形態では、圧力センサは、拡張可能な保持部材から距離を置いてはいるものの、拡張可能な保持部材に通じるルーメン内に、又はこのルーメンに接続された導管内に、しかし一方向弁等などの圧力に影響を及ぼす任意の障害物よりも先に配置されている。1つより多い圧力センサを使用すること、及び圧力センサを異なる位置に配置することも可能である。
【0030】
本発明の方法及びシステムは、カテーテルが意図した位置に配置されているとき、拡張可能な保持部材の拡張中に制御を提供し、圧送時間及びバルーン内の圧力の両方を監視することによって、拡張可能な保持部材が所望のサイズ及び体積に拡張することを確実にする。しかしながら、この拡張プロセス中、例えば、カテーテルのわずかな位置変更が必要な場合等に、一時的に収縮させることも可能であってよい。そのような収縮中、収縮時間は監視されてもよく、所定の関係に従い、対応する負の圧送時間に変換される。従って、収縮中、測定される全体的な圧送時間は、ポンプがバルーンを収縮前と同じ大きさに再拡張するのにかかる時間に対応する時間、結果的に減少されてもよい。例えば、1つにおいて、収縮中、解放バルブを通る流量が圧送中に得られる流量のC倍であり、拡張プロセスが1つ又はいくつかの拡張Ti、及び1つ又はいくつかの収縮周期Tdを伴うことが決定されている場合、圧送時間閾値と比較される総圧送時間Ttotは、以下のように得られ得る。
Ttot=Ti−C*Td
【0031】
更に、本発明は、拡張可能な保持部材の拡張を制御するのに特に有用である。しかしながら、初期拡張後、制御システムは総圧送時間及びバルーン内の圧力レベルの両方の監視を継続し、使用中にバルーンの拡張レベルを連続的に調整してもよい。例えば、肛門洗腸中の結腸内の全体的な圧力は洗腸プロセス中に変化する場合があり、拡張可能な保持部材内部の圧力にも影響する。
【0032】
従って、一実施形態によれば、本発明の方法/システムは、カテーテルの使用中、圧力レベル及び圧送時間を監視し続け、圧力が圧力レベル閾値を下回るとき及び圧送時間が圧送時間閾値を下回るときの両方において拡張可能な保持部材の拡張を継続し、閾値のいずれかが所定値[UL1]を超えた又は超えたときに、拡張可能な保持部材を収縮させる工程を更に含む。これによって、圧送時間は、収縮中、上述の手法で好ましくは低減されるが、収縮中に圧送時間を低減する他の手法もまた企図され得る。従って、例えば、使用中にバルーン内の圧力が低下し、総圧送時間に未だ到達していない場合、閾値のいずれかに再度到達するまで拡張は再開される。同様に、使用中にバルーン内の圧力が増加し、圧力レベル閾値を超える場合、又は閾値をX%又はYmbar超えるなど、閾値を特定の値超える場合、解放バルブを動作させて、圧力レベルが再度閾値レベルになるまでバルーンを収縮させてもよい。同時に、総圧送時間は対応する時間値によって減少する。
【0033】
本発明の別の態様によれば、
拡張可能な保持部材を有するカテーテルと、
前記拡張可能な保持部材の拡張のために流体を圧送するための電気ポンプと、
拡張可能な保持部材内の圧力を連続的に検知する圧力センサと、
前記電気ポンプを自動制御するためのコントローラであって、コントローラは、拡張レベルのセットを記憶するメモリを含み、各レベルは、圧力レベル閾値及び圧送時間閾値に関連付けられている、コントローラと、
選択された拡張レベルの入力選択された形態複数の所定の拡張レベルを受け取るように構成されたユーザインタフェースと、を含み、
コントローラは、前記選択された拡張レベルの圧送時間閾値及び圧力レベル閾値のうちの1つに到達するまで電気ポンプを動作させるように構成されている、
カテーテルシステムが提供される。
【0034】
この態様によって、第1の態様に関して上述したものと同様の利点が得られる。
【0035】
コントローラは、圧力センサから連続的に入力を取得し、電気ポンプをリアルタイムで制御するように好ましくは構成されている。
【0036】
複数の所定の拡張レベルは、好ましくは、最小拡張レベルから最大拡張レベルまでの範囲であり、圧送時間閾値及び圧力レベル閾値の両方は、最小拡張レベルから最大拡張レベルまでの各所定の拡張レベル間において段階的に増加する。
【0037】
洗腸システムは更に、ハウジングを有する制御ユニットを好ましくは含み、前記ハウジングは、前記コントローラ、前記電気ポンプ、及び前記圧力センサを収容している。
【0038】
制御ユニットには、ディスプレイと、選択された拡張レベルの入力を受け取るための前記ユーザインタフェースと、が更に設けられている。
【0039】
本発明の1つの態様によれば、直腸及び/又はストーマ洗腸のための上述及び以下のようなカテーテルシステムの使用に関する。
【0040】
本発明の方法及びシステムは、直腸又は肛門洗腸システムはもとより、ストーマ洗腸で使用するのに特に有用である。しかしながら、本発明の方法/システムはまた、尿カテーテルシステム、気管内挿管システム等などの、拡張可能な保持部材を有する他のカテーテルシステムで使用可能である。
【0041】
直腸又は肛門洗腸において、洗腸液は排便を誘発するために患者の直腸及び下腸に導入される。そのような処置の必要性は、随意排便調節が障害された特定の身体的疾患に罹患している患者において、又は例えば、結腸鏡検査又は外科手術前に腸を洗浄する必要がある場合に典型的には生じる。このため、洗腸システムは、例えば、脊髄損傷、脊髄披裂、又は多発性硬化症に罹患している人々によって使用され得る。そのようなユーザにとって、洗腸は、便秘を防止し、腸を空にする処置に費やされる時間を低減し、大便失禁を低減し、独立性及び全般的な生活の質を高めることによって、生活の質を向上させることができる。
【0042】
本発明の洗腸方法/システムは、携帯可能であり、サイズが限定されており、器用さが低いユーザのにも使用及び制御が比較的簡単である。このことによって、自己投与、すなわち、洗腸が患者の自宅など、医療関係者の付き添いのある施設の外で実施され、患者自身によって実施される場合に非常に好適となる。更に、入院していない又は寝たきりでない障害者には、洗腸システムの携帯性は、可能な限り通常の生活を送ろうとする場合に重要である。これは彼らが自宅から離れて例えば他の人の家に行く場合、又はホテルに滞在する場合には特に重要である。このような状況において、彼らは自身の腸機能に容易に対処できる必要がある。
【0043】
従って、新たな洗腸システムは、特に、器用さの低いユーザの動作を容易にする。洗腸手順全体がこれによってより簡単になり、より迅速になり、制御がより容易になると同時に、全体的な安全性が高まり、特に、拡張可能な保持部材の破裂のリスクが阻止される。
【0044】
直腸又は肛門洗腸システムとして使用される場合、カテーテルは直腸カテーテルであり、好ましくは、洗腸システムは、
洗腸液用のリザーバと、
前記リザーバと前記カテーテルとの間に流体連通を設ける管と、
リザーバからプローブに前記管を通じて洗腸液を間接的に圧送するための電気式ポンプであって、前記電気式ポンプは、拡張可能な保持部材の拡張用の流体を圧送するための電気ポンプ、又は第2のポンプのいずれかと同一である、電気式ポンプと、を更に含む。
【0045】
管は、制御ユニットをプローブと接続する第1の部品と、リザーバを制御ユニットと接続する第2の部品と、を含んでもよく、第1の部品及び第2の部品のそれぞれは、ガス伝達チューブ及び洗腸液伝達チューブを含む。これによって、ガスを制御ユニット内の電気ポンプからリザーバに圧送することができ、洗腸液は電気作動式バルブを通じてリザーバから洗腸プローブに移送されてもよく、ガスは制御ユニットからプローブの拡張可能な保持部材に圧送されてもよい。
【0046】
洗腸液を圧送するための電気ポンプは、洗腸液を間接圧送するように好ましくは構成されている。これによって、ポンプは空気などの異なる流体をリザーバに圧送し、それによりリザーバ内の圧力を増加させ、その結果、洗腸液をリザーバから強制的に出し、プローブを通じて排出させる。例えば、電気ポンプは、ガス、好ましくは空気をリザーバに圧送し、リザーバから洗腸液を変位させて洗腸液をプローブに供給するための圧力をリザーバ内に生成するように構成されてもよい。
【0047】
管は、制御ユニットがリザーバ及びプローブの両方から距離をあけて配置され、管を介してそれぞれリザーバ及びプローブに接続されるように好ましくは配置されている。これにより、リザーバを制御ユニットから距離をあけて、例えば、床に置くことが可能になり、それでもなおユーザに対する良好な動作位置を提供することが可能になる。
【0048】
制御ユニットは更に、洗腸システムの動作用の制御要素を好ましくは含む。好ましくは、制御ユニットは、洗腸液の圧送用、並びに拡張可能な保持部材の拡張及び収縮用の制御要素を含む。制御ユニットはまた、所望の拡張レベルを設定するように動作可能な制御要素を含む。しかしながら、代替的に、所望の拡張レベルはリモートコントロール等を介して設定されてもよい。
【0049】
制御ユニットは更に、ディスプレイを好ましくは含む。ディスプレイは、所望の拡張レベルの選択を支援及び確認するために使用されてもよい。従って、ディスプレイは、選択のために利用可能な異なる拡張レベルを示すために使用されてもよく、また、選択がなされると、選択された拡張レベルを示すために使用されてもよい。
【0050】
更に、ディスプレイは、ユーザに対し、圧送済みの量、現在の流量、手順開始からの経過時間、又は推定残り時間等などの洗腸手順の進行状況に関する情報を表示するために使用されてもよい。更に、ディスプレイは、設定等の点においてどの選択が必要であるか、制御要素の現在の機能等に関してユーザに案内するために使用されてもよい。
【0051】
また更に、ディスプレイは、システムにデータを入力するためにも利用可能なタッチスクリーンであってもよい。例えば、制御要素は、タッチスクリーン上の領域として実現されてもよい。制御ユニットがリモートコントロール又は他のリモートユニットに無線接続されている場合、このデバイスのディスプレイは情報を表示するためにも使用されてよい。従って、リモートコントロール又は他のリモートユニットのディスプレイが制御ユニットのディスプレイの代わりに、又は制御ユニットのディスプレイを補完して使用されてもよい。
【0052】
好適な実施形態では、制御ユニットは、収縮のために保持部材から流体を放出させるためのバルブ、好ましくは電気作動式バルブを含み、前記バルブは制御要素、好ましくは制御ボタンによって制御可能である。
【0053】
拡張可能な保持部材の拡張は様々な手法で実施されてもよい。一実施形態では、拡張はユーザによって、例えば、ボタン又はキーなどの制御要素を押すことによって開始され、その後、拡張は、選択された拡張レベルに到達する、すなわち、圧送時間及び/又は圧力レベルの閾値に到達するまで自動的に進行する。
【0054】
あるいは、拡張はボタン又はキーなどの専用の制御要素が押下されたときにのみ起こることでデッドマンハンドルとして機能し、これにより、制御要素の手動操作が中断されると、電気式ポンプが圧送しないように制御される作動停止状態に即座に戻る。従って、拡張圧送は、ユーザ又はオペレータによっていつでも中断され得る。しかしながら、任意の時点で圧送が再開されると、自動圧送が中断された状態から継続される。従って、コントローラは時間をカウントし続け、圧送がそれまでに行われた時間を加え、拡張可能な保持部材内の圧力に関する情報を受け取り続ける。従って、コントローラは、選択された拡張レベルにおける合計圧送時間が圧送時間閾値を超える、圧力センサによって検知された圧力が圧力レベル閾値を超える、又は圧送のための制御要素が解放されるとすぐに圧送が停止することを確実にする。制御要素の解放によって圧送が中断された場合、制御要素が再度作動されたときに圧送は再開され、プロセスは以前のように継続される。
【0055】
同様に、洗腸液を圧送するための制御要素は、別個の制御要素として配置されてもよく、また、デッドマン機能に割り当てられてもよい。
【0056】
このデッドマンハンドル機能によって、制御要素が解放されると圧送を即座に中断することが確実となる。これは、制御要素が解放されると、この解放が故意であるか偶発的であるかを問わず、圧送作用が即座に停止されることを意味する。例えば、圧送は制御要素が偶発的に落下した場合に即座に停止する。更に、解放による停止は非常に直感的且つ迅速な操作方法であり、人間工学的に好ましく且つ素早い。従って、洗腸液の圧送を制御するための制御要素及び拡張可能部材の拡張用の流体を圧送するための制御要素のうちの少なくとも1つ及び好ましくは両方は、デッドマンハンドルとして好ましくは機能し、これにより、制御要素の手動操作が中断されると、電気式ポンプが圧送しないように制御される作動停止状態に即座に戻る。
【0057】
制御要素は、所定の状態を適用して制御要素を作動状態にすることによって動作可能であり、所定の状態は、好ましくは、押下、ねじり、回転、引くこと、及び押すことのうちの少なくとも1つである。制御ボタンが使用される場合、所定の状態は好ましくは押下であり、制御ボタンはそれを押下することによって作動され、それを解放することによって作動停止される。しかしながら、回転可能なつまみ、切換レバー等など別のタイプの制御要素もまた使用されてもよい。所定の状態が終了したときの作動停止状態への自動復帰は、手動操作により加えられる力に対する反力を与えるように動作可能な、例えば、ばね、弾性要素等により達成され得る。制御ボタンなどの制御要素は、ハウジングの表面に配置されていてもよい。制御要素は、例えば、タッチスクリーン上の領域として実現されてもよい。
【0058】
制御ユニットは、制御ボタンなどの少なくとも2つの制御要素、好ましくは少なくとも3つの制御要素を好ましくは含む。2つの又は好ましくは3つの制御要素は、制御ユニットの非常に簡単な操作を可能にすると同時に、多くの入力選択肢を提供する。制御要素の少なくとも1つは、異なる動作状態において異なる機能を有する多目的制御要素であることが更に好ましい。これによって、制御要素は、例えば、開始/セットアップ時、及び動作使用時に異なる機能を制御するように割り当てられ得る。
【0059】
1つ又はいくつかの制御要素はまた、制御ユニットから離れて配置されていてもよく、例えば、ワイヤによって制御ユニットと接続されていてもよく、それによって、電気ポンプ等に物理的に接続されていてもよい。あるいは、制御要素は、洗腸システムの残部に無線接続されたリモートコントロール上に配置されていてもよい。リモートコントロールは、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、及びラップトップコンピュータのうちの少なくとも1つであり得る。組み込み式制御要素を有する制御ユニットをリモートコントロールと組み合わせることも可能であり、ユーザは、洗腸プロセスを制御するために、組み込み式制御ユニット又はリモートコントロール又はこの両方を使用するかどうかを選択してもよい。
【0060】
リモートコントロールの使用によって、制御ユニットは、例えば、床又は任意の他の載置位置に配置されてもよく、代わりとして、洗腸中、リモートコントロールを介して操作されてもよい。このことは、洗腸システムの取り扱いを容易にし、システムをいかに使用するかという点で自由の拡大をユーザに提供する。リモートコントロールは、洗腸システムを制御するように特に構成された専用のリモートコントロールであってもよい。しかしながら、リモートコントロールはまた、制御ユニット内の受信機にワイヤレス制御信号を送信することができる一般的な無線デバイスであってもよい。1つの好適な実施形態では、リモートコントロールは、携帯電話、好ましくはスマートフォンである。加えて又はあるいは、リモートコントロールは、ラップトップコンピュータ又はタブレットコンピュータであってもよい。このため、特別なアプリケーションをスマートフォン/ノート型パソコン/タブレットコンピュータにダウンロードし、デバイスの適切なインターフェイスを提供し、適切な制御信号を制御ユニットに送信することを可能にしてもよい。
【0061】
制御ユニットとリモートコントロール又はリモートユニットとの間の無線通信は、当該技術分野において本質的に周知のように、赤外線(IR)、超音波通信、Bluetoothなどの高周波(RF)通信等などによる多くの手法で得られてもよい。
【0062】
制御ユニットには更に、電気ポンプを駆動するためのバッテリーが好ましくは設けられていてもよい。
【0063】
制御ユニットは、少なくとも前記バッテリーを取り囲む好ましくは防水ハウジングを更に含んでもよい。更に、洗腸システムの電気システムは、洗腸システムの外部から直流的に絶縁されてもよく、バッテリーは誘導充電によって充填可能である。防水ハウジング、及び電気系統と周囲環境との間の直流分離はシステムを非常にロバストにする。これによって、例えば、水漏れ、又は更には制御ユニット等の水中への偶発的な浸漬に耐えることができる。洗腸システムは、通常、水及び他の液体に密に関係して使用されることから、これは、多くの場合、利点である。これにより、システム、又はシステムの構成要素をより長時間使用することも可能にし、より良好な全体的なコスト効率性を提供する。しかしながら、多くの種類の用途では、防水ハウジング及び/又は直流的に絶縁された電気系統は必要のない場合がある。
【0064】
しかしながら、従来の有線充電によるバッテリーの充電も実施可能である。使用中、通常の電源システムに差し込まれるなど、外部源から洗腸システムへの給電も実施可能である。この場合、バッテリーは省略すらされてもよい。
【0065】
コントローラは好ましくはプログラム可能である。例えば、コントローラは、所定の拡張レベルを設定するように、及び所望の拡張レベルを選択するようにプログラム可能であってもよい。更に、コントローラは、拡張可能な保持部材の最大充填レベルを設定するようにプログラム可能であってもよい。最大充填レベルは、製造元、医師等によって定義された固定レベルであってもよい。拡張可能な保持部材の不注意による過剰充填がこれによって更に一層回避され得ることから、これにより洗腸システムの安全性が高まる。
【0066】
更に、コントローラは、流量及び/又は排出される総洗腸液量を設定するようにプログラム可能であってもよい。コントローラは、いくつかのプログラムで予めプログラムされていてもよい、又は制御要素若しくは外部リモートコントロール等を介してプログラムされてもよい。コントローラは、既定のプログラムを自動的に実行するようにプログラム可能であってもよい。肛門洗腸を頻繁に使用するユーザは、洗腸プロセス実行の好ましい手法を経験することがあるしそこで、洗腸プロセスが毎回最も好ましい手法で行われるように、コントローラにこのようにプログラムすることができると有利である。更に、介護者は、最適なプロセスに関する特定の経験を有することができ、これをコントローラにプログラムすることができる。これにより、エラーが減少する。
【0067】
上述の方法/システムは非常に信頼性が高く、拡張可能な保持部材が所望のサイズに常に自動的に拡張することを確実とするとともに、過拡張が起こらないことを確実とする。しかしながら、追加の安全対策として、洗腸システムは、好ましくはハードウェアで実現され、コントローラから分離されており、圧力センサに接続されている安全要素を更に含んでもよく、安全要素は、拡張可能な保持部材内の検知された圧力が所定の最大安全値に到達する又は超えると、ポンプを停止するように構成されている。これによって、例えば、コントローラのエラーという起こりそうにないイベントにおいても圧送が自動的に停止することを確実とする。安全要素は、好ましくはハードウェアで実現され、圧力が所定の最大値に到達する又は超える場合、自動的に作動されてポンプをオフにするスイッチ又はブレーカとして機能する。
【0068】
好ましくは、例えば、プローブ/カテーテルは頻繁に交換することができ、通常、1度のみ使用され得る一方で、制御ユニット、電気システム、及び洗腸液リザーバなどシステムの他の部品は数か月間又は更には数年間使用され得るように、洗腸システムの全ての構成要素は個々に交換可能である。
【0069】
本発明の洗腸システムは、長期間にわたって再使用され得る、比較的少数の、複雑でない構成要素を含み、洗腸システムの製造を比較的容易に且つコスト効率的にする。更に、洗腸システムは、自動又は半自動製造に十分に適している。
【0070】
本発明の洗腸システムは、また、洗腸液の自己投与に非常に適している。制御ユニット上の制御要素はまた、片手のみでポンプにアクセスし、異なる圧送モード等の間で切り換えることを容易にする。典型的には、この構成によって、例えば、洗腸システムを1本の指、例えば、親指で操作することが可能である。これにより、洗腸システムの非常に便利且つ精密な制御性を提供する。
【0071】
拡張可能な保持部材は、好ましくはガスによって、最も好ましくは空気によって拡張させる。しかしながら、拡張可能な保持部材はまた、水などの液体で拡張させてもよい。従って、別法として、ポンプは、任意の他のそのような拡張流体を拡張可能な保持部材に直接的又は間接的に圧送するように構成されていてもよい。
【0072】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかとなり、以下に記載される実施形態を参照して説明される。
【0073】
図面の簡単な説明
例示のために、本発明を、添付の図面に示されるその実施形態を参照して以下でより詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0075】
ここで、本発明を、本発明の現在の好ましい実施形態を示す添付の図面を参照して以下でより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書中に説明する実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これら実施形態は徹底性及び完全性のために提供され、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるものである。同様の参照符号は全体を通して同様の要素を意味する。更に、以下では、直腸洗腸に特に有用な洗腸システムについて説明する。しかしながら、当業者には、同じ制御システム及び制御方法を他の種類の洗腸システムはもとより他の種類のカテーテルシステム等にも使用してよいことは認識されよう。
【0076】
図1は、例示的実施形態による、洗腸液用のリザーバ1と、ユーザ内に配置するためのプローブ又はカテーテル2と、制御ユニット3と、を含む、洗腸システムを開示する。管9は、リザーバ1を制御ユニット3と接続し、制御ユニット3をカテーテル2と接続するように構成されている。
【0077】
リザーバは様々な手法で実現されてもよい。例えば、リザーバは、剛性、半剛性、又は可撓性材料によって形成されてもよい。半剛性又は可撓性材料が使用される場合、リザーバは、使用前に洗腸システムをよりコンパクトにするために、折り畳み可能又は折り曲げ可能であってもよい。リザーバは、蓋11によって閉じられる、リザーバの充填用の開口部を備えている。リザーバを洗腸システムの残部に接続する管は、蓋11を通じて、又はリザーバ上の他のアクセスポイントを通じて提供されてもよい。
【0078】
一実施形態として、リザーバは米国特許出願公開第2015/335529号に開示されている種類の折り畳み可能なリザーバであってもよく、前記文書はその全体が参照によって援用される。
【0079】
洗腸システムを可能な限り携帯可能にするために、容器は、好ましくは5リットル未満、より好ましくは3リットル未満、最も好ましくは2リットル未満の容量を有する。しかしながら、システムが数回の洗腸に使用される場合、より大きな容量の容器が必要な場合がある。
【0080】
リザーバは、所定の最大圧力を超える圧力の解放を可能にするための過圧解放バルブを含んでもよい。更に、リザーバは、洗腸液に対して不透過性ではあるものの、空気はリザーバに入れ、リザーバから出ないようにする、疎水性フィルタなどのフィルタ12を好ましくは含む。そのようなフィルタは、洗腸液がリザーバから圧出されるとき、リザーバがその形状を維持することを確実とする。これはリザーバをより安定させるため有利である。リザーバを製造する際により安価な材料及びより剛性の低い容器を使用することも可能にし、それによって製造をよりコスト効率的にする。このことは、洗腸中、リザーバが安定したままであることを確実にする。しかしながら、これを達成するための別の手段もまた実現可能である。例えば、リザーバに単に、空気入口が備えられていてもよく、空気入口には、洗腸液が入口に到達した場合に洗腸液の流出を防ぐための逆止弁が可能であれば備えられている。
【0081】
カテーテル2は、ここでは、直腸カテーテルとして具現化される。プローブには、カテーテルを体腔内に固定するための、拡張可能なバルーンなどの拡張可能な保持部材21が備えられている。拡張可能なバルーンは、拡張したときにトロイダル形状として好ましくは突出し、収縮させたときにカテーテルの壁に対して本質的に面一である。拡張可能な保持部材はバルーンとも呼ばれてよく、挿入可能先端部の近傍ではあるが端部からいくらかの距離をあけて配置される。先端部とバルーンとの間に、洗腸液などの液体を供給するための、又は体から液体を排出するための開口部が設けられていてもよい。拡張可能な保持部材は、PVC、ラテックス、TPE又はPUなどの任意の適切な材料で作製されていてもよい。しかしながら、類似の性質をもたらす他の材料も同様に使用され得る。
【0082】
更に、プローブには、深すぎる挿入を妨げるための当接部を提供する後方拡大部分22が備えられていてもよい。プローブには、2つのルーメンが好ましくは備えられていてもよく、1つのルーメンはプローブ内における洗腸液の移送、前方端部における排出のためのものであり、1つのルーメンはバルーンの拡張及び収縮のためのものである。
【0083】
プローブは国際公開第2014/154635号に開示されている種類のものであってもよく、前記文書はその全体が参照によって援用される。
【0084】
管は、リザーバ、制御ユニット、及びプローブを互いに接続するように構成されている。
【0085】
洗腸液は、目的の体腔を洗腸することができる任意の液体であり得る。排便を促すために、適切な洗腸液は、水、高張塩類水溶液、ビサコジル若しくはフェノールフタレインなど瀉下薬の溶液又は懸濁液、及び鉱油を含む。
【0086】
ここで
図2を参照すると、洗腸液を圧送するための第1の電気ポンプ4は、ここでは、制御ユニット3内に設けられているが、また、制御ユニットの境界及びハウジングの外に配置されていてもよい。ポンプは、ポンプをとりわけバッテリー5に接続する、洗腸システムの電気システムの好ましくは一部である。ポンプは、リザーバ内の洗腸液をプローブ2に強制的に移送させる過圧を生成するためにガス、例えば空気をリザーバ1に圧送するように好ましくは構成されている。そのようなシステムは、例えば、米国特許第7914505号に開示されており、前記文書はその全体が参照によって援用される。
【0087】
制御ユニットは、ここでは、一体型の手持式ユニットとして実現される。制御ユニットは、ディスプレイ33と、例えば、1つ又はいくつかの制御要素を含むシステムに入力を提供するためのユーザインタフェースと、を含んでもよい。
図2の例では、3つの制御要素34、35及び36が設けられている。制御要素は、押下可能な制御ボタンとして好ましくは実現される。制御ユニットは好ましくは防水である。制御要素は、従って、多数回の押しに耐えるように設計された、厚く柔軟なプラスチック等で実現されてもよい。制御ユニットの更なる詳細及び機能については以下でより詳細に説明する。
【0088】
この実施形態では、カテーテル2の拡張可能な保持部材21に流体を圧送するための別のポンプ8が配置されている。このポンプもまた電気ポンプである。しかしながら、代替的に、ポンプ4及びポンプ8のいずれかを、洗腸液の圧送及び拡張可能な保持部材の拡張両方のための単一ポンプとして使用してもよい。従って、第2のポンプ8(又は第1のポンプ4)は拡張のためにバルーン21に空気を圧送する。空気はバルブ81を通じて解放可能であり、バルブ81は、例えば制御要素の1つ、例えば制御要素34によって制御可能であってもよい。
【0089】
制御要素35及び制御要素36は、ここでは、拡張可能な保持部材の拡張/収縮のために、及び/又は洗腸のためプローブを通じて洗腸液を移送するために(制御要素36)、並びに過圧を解放する及び/又はシステムから残りの液体を排出するために(制御要素35)、ポンプを作動させるために使用されてもよい。保持部材の拡張及び収縮を洗腸と独立して、例えば同時に行うことができるように、洗腸及び拡張のために別個の制御要素も提供されてよい。
【0090】
洗腸システムの電気システムについて、
図2を引き続き参照し、ここでより詳細に説明する。電気システムは制御ユニット3のハウジング内に配置されており、前に開示したような、バッテリー5とマイクロプロセッサなどのコントローラ31とに接続された電気ポンプ4を含む。コントローラ31は更に、ディスプレイ33と、制御要素34〜36によって作動されるスイッチとに接続されている。
【0091】
コントローラ31は、1つ又はいくつかの中央処理装置、CPUを含むマイクロプロセッサ、MCUであってもよい。しかしながら、コントローラはまた、当該技術分野において本質的に周知の他の手法で実現されてもよい。更に、コントローラ31には、
図2に示されるように、コントローラに組み込まれて配置されている、又はコントローラに接続された別個の構成要素として配置されている、のいずれかである1つ又はいくつかのメモリ37が好ましくは備えられていてもよい。メモリは、EPROM若しくはEEPROMなどのROMメモリ、又はフラッシュメモリなどのRAMメモリであってもよい。しかしながら、当該技術分野において本質的に周知のように、多くの他の種類のメモリも使用してよい。
【0092】
更に、コントローラは、任意選択的に、リモートユニット6からデータを送信及び受信するように適合された無線トランシーバ32に接続されている。これによって、リモートユニットは、制御ユニットの遠隔制御のために、コントローラ31に制御データを提供してもよい。加えて又はあるいは、コントローラは、洗腸手順に関するデータをリモートユニットに送信してもよい。リモートユニット6は、例えば、リモートコントロール、スマートフォン等であってもよい。
【0093】
バッテリー5は更に、充電ステーション7から誘導充電を受けるように、又は接続された導体から直接充電を受けるように適合された充電回路51に接続されている。電気システムの全ての要素は電線によって接続されている。上記のように、電気システムは洗腸システムの残部及び周囲から直流的に絶縁されてもよい。
【0094】
電気ポンプ4は、流体、好ましくは空気などのガスを、導管を通じてリザーバに圧送するように構成されている。それによって、リザーバ内の圧力が増加し、洗腸液を、別の導管を通じて制御ユニットに圧送する。この導管は電気作動式バルブ41、及び任意選択的に、フローセンサ(図示せず)を通過し、ユーザに洗腸液を供給するためのプローブに続いている。コントローラがバルブの開口の程度を制御することができるように、バルブ41はコントローラ31に接続されている。フローセンサが設けられる場合、フローセンサからの入力は、コントローラがバルブ41を調整するために使用してもよい。
【0095】
バルブ41は、完全に開放された状態又は完全に閉鎖された状態のみをとるように構成されたオン/オフバルブであってもよい。しかしながら、バルブはまた、中間位置を提供してもよく、例えば、これら終端に達した状態(end states)の間で徐々に制御可能であってもよい。そのような電気作動式バルブは、当該技術分野において本質的に周知のように多くの手法で実現され得る。例えば、電気作動式バルブは、電気式ポンプとプローブとの間に通じるチューブに対し、制御可能なクランプ/ピンチ作用を与えるクランプ又はピンチバルブであってもよい。例えば、バルブは、同一出願人によって米国特許出願公開第2006/0114148号に開示されている種類のものであってもよく、前記文書はその全体が参照によって援用される。
【0096】
制御ユニットからプローブに通じる別の導管を通じて空気を圧送し、拡張可能な保持部材21を拡張させるために別のポンプ8が配置されている。例示された実施形態では、洗腸及び拡張のために異なるポンプが使用される。しかしながら、既に説明したように、1つのポンプがこれら両方の目的のために使用されてもよい。
【0097】
ポンプ8はコントローラ31によって制御される。このため、コントローラは、ポンプを始動及び停止することで拡張を開始及び停止してもよく、ポンプの動作速度の制御も可能であってよい。好ましくは、ポンプはバルーンの拡張のために空気を圧送する。しかしながら、バルーンはまた、他のガス及び水などの液体によって拡張させてもよい。このため、代替的に、ポンプは、任意の他のそのような流体を拡張可能な保持部材に直接的に又は間接的に圧送するように構成されてもよい。
【0098】
ポンプ8は空気(又は他の拡張流体)を、一方向弁83を通じて、拡張可能な保持部材21に圧送する。一方向弁83は空気がバルーンから戻るのを防ぐ。その代わり、別個のバルブ81が収縮用に配置されている。このバルブ81もまた、コントローラ31によって制御される。一方向弁は、ボールバルブ、フラップバルブ、ダックビルバルブ、又はアンブレラバルブなどの当該技術分野において本質的に周知の任意の種類の逆止弁であってもよい。
【0099】
バルーン21内の圧力を測定するために圧力センサ82が更に配置されている。圧力センサは、バルーン内部、又は拡張可能な保持部材と直接連通する導管内に配置されてもよい。図示する例では、圧力センサは、制御ユニット3内、及び拡張可能な保持部材と一方向弁83との間の導管内に配置されている。
【0100】
圧力センサは、任意の種類の本質的に周知の圧力センサであってもよい。好ましくは、圧力センサは、大気圧に対する圧力を測定するゲージ式圧力センサであり、例えば、ピエゾ抵抗式ひずみゲージなどのピエゾ抵抗式センサ、容量センサ、電磁センサ、光センサ等であってもよい。しかしながら、他の種類の圧力センサもまた使用してもよい。
【0101】
以下でより詳細に説明するように、センサ82からの測定出力はコントローラ31に送られ、その後、コントローラ31はこれに従いポンプ8の動作を制御してもよい。
【0102】
加えて、圧力センサ82は安全要素84にも接続されてよく、安全要素84は更にはポンプ8に接続されている。安全要素は好ましくはハードウェアで実現され、圧力が所定の最大値に到達する又は超える場合、自動的に作動されてポンプ8をオフにするスイッチ又はブレーカとして機能する。これによって、更なる安全性がもたらされ、ポンプは、コントローラ31の制御が停止するという起こりそうにないイベントにおいても停止する。
【0103】
コントローラ31は2つ以上の所定の拡張レベルを利用可能であり、これらは、例えば、メモリ37に記憶されてもよい。ユーザは、例えば、制御要素34〜36のうちの1つ以上の動作によって、又はリモートユニット6を介して、前記所定の拡張レベルのうちの所望の拡張レベルを選択してもよい。例えば、所定の拡張レベルはディスプレイ上に記号として又は文字一覧で提示されてもよく、この一覧内を移動するために制御要素35及び制御要素36を使用してもよく、その一方で、拡張レベルのうちの1つを選択するために制御要素34を使用してもよい。しかしながら、当業者には明らかなように、拡張レベルを選択するための他の方法も使用してよい。
【0104】
図3に示される図では、2つの所定の拡張レベルを有する単純なケースが示される。第1の最小拡張レベルは、圧送時間閾値T1、例えば5秒、及び圧力レベル閾値P1、例えば200mbarを有する。第2のより大きな拡張レベルは、圧送時間閾値T2、例えば10秒、及び圧力レベル閾値P2、例えば300mbarを有する。
【0105】
2つの異なるカテーテルの圧力時間曲線が示される。1つは通常サイズの直腸カテーテル(実線)に関し、1つはより小さなサイズの直腸カテーテル(破線)に関する。示され得るように、通常サイズのカテーテルは、小さなサイズのカテーテルよりも遅れて上昇する曲線を有する。ユーザが第1の所定の拡張レベルを選択した場合、通常サイズのカテーテルは、圧力レベル閾値に到達する前に圧送時間閾値に到達し、その時点でポンプをオフにする。小さなサイズのカテーテルが使用される場合、圧送時間閾値に同じく最初に到達することでポンプをオフに切り換えることになるが、その到達は圧力レベル閾値に到達する直前である。ユーザが第2の所定の拡張レベルを選択した場合、通常サイズのカテーテルはまた圧送時間閾値に最初に到達し、圧力レベル閾値に到達する前にポンプが停止することになる。しかしながら、小さなサイズのカテーテルでは、その代わり、圧力レベル閾値に最初に到達し、圧送時間閾値に到達する前にポンプが停止することになる。
【0106】
しかしながら、これは単なる例である。当然、3つ又は5つのレベルなどの2つを超える拡張レベルを代わりに使用してもよい。更に、他の種類及びサイズのカテーテルにおいて圧力時間曲線は異なるように見えてもよい。
【0107】
バルーンの拡張のための圧送は、制御要素34〜36のうちの1つの押下などスイッチ等の作動時に開始してもよい。一旦作動されると、その後、コントローラ31が閾値のいずれかに到達したと判断するまで圧送は自動的に進行してもよい。この場合、圧送時間を決定するためには、圧送が開始されたときからの時間をカウントすることで十分である。しかしながら、圧送はまた、制御要素が作動状態に維持されているときにのみ行われてもよい。このため、圧送は制御要素を停止することによって停止されてもよく、その後、再度作動状態になるとすぐに再始動してもよい。この場合、圧送時間は、ポンプがアイドルである間の時間を無視し、圧送が実際に行われている間の総圧送時間として決定される。しかしながら、閾値のいずれかに到達すると、圧送は、前述の実施形態と同様の手法で、コントローラ31によって即座に中断される。
【0108】
制御要素が作動状態にあるときにのみ圧送を実施することで、デッドマンハンドル機能を提供する。従って、制御要素はそれに対する所定の状態の連続的な適用によって作動状態にされ、所定の状態の適用が停止されると即座に作動停止状態にされ、これにより圧送を中断する。そのようなデッドマンハンドル機能は、洗腸液の圧送、バルーンの拡張、又はこれら両方で使用されてもよい。所定の状態が停止したときの作動停止状態への自動復帰は、手動操作によって加えられる力に対する反力を与えるように動作可能な、例えば、ばね、弾性要素等により達成され得る。
【0109】
図4に、拡張可能な保持部材の拡張をコントローラによって制御するための概略的な方法が示される。第1の工程S20において、ユーザは利用可能な所定の拡張レベルのうちの1つを選択し、選択は、ユーザインタフェースを介してコントローラにより受信される。第2の工程S21において、選択された拡張レベルに関連付けられた圧送時間閾値及び圧力レベル閾値がメモリから取得される。バルーン内の圧力レベルが、その後、連続的に測定される(工程S22)。圧送が、その後、ユーザインタフェースから入力を再度受け取ることによって開始される(工程S23)。コントローラは、その後、ポンプがアイドルである間のあらゆる時間を無視し、ポンプがアクティブである間の総圧送時間の記録をとる(工程S24)。その後、工程S25において、第1の閾値、例えば圧送時間閾値に到達したかどうかを判定する。はいであれば、圧送は即座に一時停止される(工程S27)。いいえであれば、次いで、第2の閾値、例えば圧力レベル閾値に到達したかどうかを判定する。はいであれば、圧送は即座に一時停止される(工程S27)。いずれの閾値にも到達していない場合、プロセスは反復プロセス内の工程S24に戻る。
【0110】
制御要素の数及び制御ユニットの構成は、当然、異なるようにしてもよい。他の種類の制御ユニットを使用すること、及び例えば、他の種類及び構成の制御要素に対する流量制御を実施することも可能である。制御ユニットの1つのそのような別の実施形態は
図5に示される。
【0111】
図5の制御ユニットにおいて、制御ユニット31’には、ここでは、それぞれ洗腸及びプローブ上のバルーンの拡張/収縮のための、制御ボタンの形態の別個の制御要素が備えられている。
【0112】
例えば、3つの状態、すなわち、拡張、収縮、及び非動作を有するロッカーレバー等を使用することによって、プローブの拡張及び収縮の両方に対して同一の制御要素を使用することが可能である。非動作状態をデフォルトとすべきであり、上記のように、非動作状態は制御要素が解放されるとすぐに好ましくは自動的に再開されるべきである。しかしながら、好ましくは、ボタンなどの別個の制御要素がそれぞれ拡張及び収縮のために使用される。図示される例では、第1のボタン41がバルーンの収縮のために使用され、第2のボタン42がバルーンの拡張のために使用される。この場合も、ボタンは押下されたときにのみ動作してもよく、ボタンの解放によって拡張/収縮プロセスを即座に停止してもよい。
【0113】
同様に、洗腸は1つ又はいくつかの制御要素によって制御される。すなわち、洗腸では、ポンプを作動させ、プローブを通じてユーザに移送される洗腸液を供給するために1つの動作のみを通常必要とする。これは、図示される例と同様に、制御ボタン44によって制御されてもよい。上記のように、洗腸は、好ましくは、ボタン44が解放されると即座に中断される。逆作動のために、例えば、洗腸が完了したときにチューブ及びプローブから洗腸液を排出するために、及び/又は洗腸液リザーバから過圧を解放するために、更なる制御ボタン43が設けられていてもよい。この制御要素にも好ましくは、デッドマンハンドル機能が備えられている。あるいは、ロッカーレバーなどの、いくつかの動作状態を有する単一制御要素もここで使用してよい。
【0114】
一方ではバルーン、他方では洗腸を制御するための別個の制御要素を配置することは、いくつかの利点を呈する。例えば、制御ユニットはよりシンプルになり、製造コストが低下する。更に、動作がユーザにとってよりわかりやすく且つ制御可能になる。
【0115】
バルーン及び洗腸の制御要素をそれぞれ一度に1つのみ動作可能にすること、すなわち、1つの制御要素が使用されているときにもう一方の制御要素をロックすることは可能である。しかしながら、一実施形態において、バルーン及び洗腸の制御要素はそれぞれ同時に動作可能である。これにより、洗腸中、拡張又は収縮によってユーザがバルーンの充填を調整することを可能にする。
【0116】
本発明の使用によって、肛門洗腸が一連の工程によって実施され得る。一連の工程については、ここで
図6に示されるような可能なディスプレイ表示の概略図を参照して説明する。
【0117】
ここでは、1つは減少を示す「−」として示され、1つは増加を示す「+」で示され、1つは確認、承諾を示す
【数1】
で示される3つの制御ボタンが使用される。これらボタンは以下では、それぞれ「減少」、「増加」及び「確認」と呼ばれる。
【0118】
第1の工程S1において制御ユニットは作動され、開始スキームに入るかどうか、又は洗腸手順を急速始動するかどうかの選択が行われる(S2)。これがユーザが洗腸システムを使用する初回である場合、開始スキームが好ましくは必要とされるが、洗腸システムの再始動又は再使用においては、急速始動経路を選択してもよい。しかしながら、開始スキームは初回の後にも、設定等の変更のために使用してよい。
【0119】
開始スキームにおいて、ディスプレイはまず、パラメータ設定モードに入ったことを示す(S3)。次の工程S4において、拡張レベルが決定され、加えて、洗腸に使用される洗腸液の量が決定されてもよい。所望の拡張レベル及び任意の量は、増加ボタン及び減少ボタンによって設定される。次の工程S5において、設定された量が確認ボタンを押すことによって承認される。しかしながら、この工程はまた省略されてもよく、この場合、プロセスは即座に次の工程に進む。次の工程S6において、所望の流量が決定されてもよい。これもまた増加及び減少によって行われる。流量は、好ましくは、所定の数の予め選択された流体流量の中から選択可能である。例えば、3つ、4つ、5つ、又はこれより多くの異なる流量レベルが提供されてもよい。次の工程S7において、選択されたレベルが確認される。
【0120】
ユーザの設定は好ましくは記憶され、次の洗腸で再使用される。パラメータ設定は、例えば、総洗腸液量、洗腸液の流量、及び拡張可能な保持部材を拡張させるための流体量、のうちの1つ又はいくつかを含んでもよい。いくつかのパラメータ設定を記憶し、又は更には、行われる各洗腸プロセスのパラメータ設定を記憶し、これら記憶されたパラメータ設定のいずれかを再使用のために選択し、取り出すことも可能である。
【0121】
ユーザは、次いで、工程S8において、決定された設定を承認するかどうかを尋ねられる。この段階で確認を押すとユーザは次の段階に進む一方で、例えば増加を押すことによる否定的確認はユーザを設定段階である工程S3に戻す。しかしながら、工程S8はまた、省略されてもよく、プロセスは工程S1から工程S9に即座に進んでもよい。この場合、別個の「設定」ボタンを作動させることによって、又はモードを変更するために使用可能な任意の他の手段によってパラメータ設定プロセスに到達してもよい。
【0122】
開始を完了すると、ユーザは、工程S9において、水などの液体をリザーバに充填するように要求される。これが行われるとき、この工程の完了を確認するために確認が押される。しかしながら、確認は任意であり、省略されてもよい。この場合、プロセスは確認を要求することなく即座に次の工程に進む。任意選択的に、この段階において、充填された液体の温度検査を行うことができ、温度が高すぎる又は低すぎる場合、ユーザに警報が与えられてもよい。
【0123】
次の工程S10において、ユーザは、システムのプライミングを行うべきであることを確認するように求められる。プライミングは、例えば、管に液体等を充填するための洗腸の圧送を含んでもよい。この段階において、プローブはそのパッケージ内に留まっていてもよい。プローブに親水性コーティングが備えられている場合、洗腸液はまた、親水性コーティングが適切に湿潤し、活性化されることを確実にするために圧送されてもよい。しかしながら、確認はこの場合も省略されてもよく、その場合、プライミング工程は確認の要求なく実施される。更に、いくつかの用途では、プライミング工程全体が省略されてもよい。
【0124】
プライミングが完了すると、ユーザは工程S11において、プローブを動作位置に挿入するように求められる。これが行われると、これは確認を押すことによって確認される。ユーザは、その後、バルーン充填の準備が完了していることを確認するように求められる。しかしながら、前記確認工程は両方とも省略されてもよく、この場合、プロセスは確認を要求することなく次の工程に即座に進む。
【0125】
バルーンの充填は、
図4を参照して上述した方法に従い、いくつかの所定の充填レベルのうちの1つまで好ましくは行われる。ここでは、工程S13において増加ボタンを1回押すと、閾値の1つに到達してコントローラが圧送を即座に中断するまでバルーンが自動的に拡張する自動手順が開始されてもよい。しかしながら、バルーンを充填する別の手法も実現可能である。例えば、充填は、閾値のいずれにも到達していない限り、増加ボタンが押下されている間は連続的に実施されてもよい。
【0126】
更なる工程S14において、ユーザは、ここで洗腸の準備が完了していることを確認するように要求される。この段階において、確認ボタンの連続的な押下が要求される。洗腸の進行状況が、プログレスバー、圧送済みの量又は残りの量、残り時間等の表示としてディスプレイ上に示されてもよい。工程S15において、洗腸の完了前に確認ボタンが解放されたと判断されると、プロセスは安全対策として工程S12に戻される。このため、ポンプの作動は、意図的でないことが起こった場合に洗腸が即座に中断されるように、「デッドマンハンドル」として機能する。
【0127】
洗腸プロセスが中断されない場合、洗腸は所定の量の洗腸液が排出されるまで継続する。洗腸が完了すると、ユーザは減少を押すことによってバルーンを収縮させるように求められる(工程S16)。これが行われ、プローブが除去されると、ユーザは確認を押すことによって、システムを乾燥させることを求められ、管内に残った洗腸液が圧出される(工程S17)。次いで、制御ユニットはオフにされてもよく、洗腸は完了する(工程S18)。
【0128】
当業者には明らかなように、上述の洗腸プロセスは、当然、様々に変更することができる。例えば、工程のいくつかは省略されてもよく、組み合わされてもよく、異なる順序で実行されてもよい。例えば、手順が、工程のいくつかをユーザから確認を要求することなく自動的に実施することができるように、確認工程のいくつかは省略されてもよい。デフォルトの手順においては開始/パラメータ設定段階もまた省略されてもよく、その代わり、要求時に別々にアクセス可能である。これは、例えば、パラメータ設定が主に医師等によって行われ、ユーザが通常、パラメータ設定を変更することを目的としない用途において有利である。しかしながら、更なる確認の工程、パラメータ設定等もまた、プロセスに付加してもよい。
【0129】
実現可能な処置の工程の変更形態の更なる説明として、より少ない工程を伴うプロセスを示す別の実施形態についてもここで
図7を参照して説明する。理解を容易にするために、
図6に対して上述したものと同一の又は類似の工程には同一又は類似の参照符号を割り当てる。
【0130】
第1の工程S1において、制御ユニットは作動される。
【0131】
作動後、プロセスはプライミング工程S10’に即座に進む。プライミングは、例えば、管に液体等を充填するための洗腸の圧送を含んでもよい。この段階では、プローブはそのパッケージ内に留まっていてもよい。プローブに親水性コーティングが備えられている場合、洗腸液はまた、親水性コーティングが適切に湿潤し、活性化されることを確実にするために圧送されてもよい。前述の実施形態と同様に、確認工程は省略されてもよい。
【0132】
プライミングが完了すると、ユーザは工程S11において、プローブを動作位置に挿入するように求められる。これが行われると、これは確認を押すことによって確認される。前述の実施形態と同様に、確認工程は省略されてもよい。
【0133】
次に続くのは、バルーン拡張/収縮工程S12’である。この工程は、
図6に関して上述したバルーン拡張/収縮と同一であってもよい。ここでは、増加ボタンが押下されているとき、バルーンは連続的に拡張される。更に、バルーンの充填は、ボタンの押下が停止されるとすぐに、また、選択された拡張レベルに対応する閾値のいずれかに到達したときに好ましくは即座に中断される。同様に、バルーンは、増加ボタンが押下されているとき、連続的に収縮される。更に、バルーンの収縮はボタンの押下が停止されるとすぐに好ましくは即座に中断される。これによって、ユーザは、所望の充填レベルが得られるまで増加ボタンを押下したままにし、その後、ボタンを解放することによって、バルーンを所望のレベルに容易に拡張させることができる。
【0134】
この工程S14’では、確認ボタン、あるいは増加ボタンの押下によってカテーテル内における洗腸液の圧送を作動させる。洗腸の進行状況が、プログレスバー、圧送済みの量又は残りの量、残り時間等の表示としてディスプレイ上に示されてもよい。圧送はボタンが押下され続けている限り継続する。しかしながら、前述と同様に、ボタンが解放されるとすぐに圧送は即座に中断される。このため、ポンプの作動は、意図的でないことが起こった場合に洗腸が即座に中断されるように、「デッドマンハンドル」として機能する。圧送はまた、洗腸液を保持するリザーバが空になったと判断された場合に、ボタンが押下されているにもかかわらず、任意選択的に自動的に中断されてもよい。圧送はまた、所定の洗腸量が灌注されたと判断された場合に、ボタンが押下されているにもかかわらず、任意選択的に自動的に中断されてもよい。
【0135】
圧送が停止又は中断された場合、プロセスは、圧送が中断されたことをユーザに知らせる及び/又はバルーン拡張のレベルを提示する工程S15’に進んでもよい。他の情報もまた、この工程において、ユーザに提示されてもよい。更に、この工程はまた、省略されてもよい。
【0136】
所定時間の後、又はユーザによる、例えば確認ボタンを押下することによる確認後、あるいは、洗腸液の圧送の中断直後(工程S15’が省略される場合)、プロセスは工程S12’に戻る。ここでは、ユーザは上述のように増加ボタン及び減少ボタンを使用することによってバルーンの充填レベルを再調整してもよい。ユーザはまた、バルーン圧力が満足なものであることを確認してもよく、再び、確認ボタンを押下することによって洗腸工程S14’に進んでもよい。しかしながら、洗腸液を保持するリザーバが空になった及び/又は所定の洗腸量が灌注されたと判断される若しくは判断された場合、工程S14’に進むことは、任意選択的に、阻止されてもよい。
【0137】
工程S12’において、洗腸の完了後、又はユーザが完了前に手順を中断したいとき、カテーテルの抜去のためにバルーンを更に収縮させてもよい。収縮は減少ボタンの連続的な押下によって行われる。バルーンが収縮すると、ユーザは確認ボタンの押下によってこれを確認し、プロセスは、次いで、工程S18において終了する。
【0138】
しかしながら、洗腸プロセスは更に簡略化されてもよい。非常に簡単なプロセスでは、洗腸システムは以下のように動作される。
・洗腸システムはオンにされる。
・洗腸システムは、プライミングのために、プローブ内に洗腸液を圧送するように動作される。
・プローブはユーザ内の動作位置に挿入される。
・所定の充填レベルが得られるように拡張可能な保持部材を拡張させる。
・所定の総量が圧送されるまで洗腸液が圧送される。
・拡張可能な保持部材を収縮させる。
・プロセスを終了する。
【0139】
上記の簡略化された手順、又は
図7に関して説明した簡略化された手順においても、拡張レベルを選択するための、及びまた、例えば、バルーンを拡張/収縮させるための及び/又は洗腸液等を圧送するための圧送速度を調整するために、洗腸に使用される所定の洗腸量を決定するためのパラメータ設定モード等が提供される。パラメータ設定モードは、制御ボタンの2つ以上の同時押下によって、更なる制御ボタンの作動によって、制御ユニットを外部デバイスに接続すること等によって入力されてもよい。
【0140】
従って、例えば、上述のパラメータ設定モードにおいて、洗腸前に所望の流量はユーザにより様々な手法で設定及び入力されてもよい。しかしながら、所望の流量はまた、リモートコントロール等などを通じて他の手法で入力されてもよい。
【0141】
更に、洗腸手順中、所望の流量の調整を可能にすることもできる。例えば、圧送用のスイッチを、ユーザにより制御要素に加えられる圧力レベルも検知し、例えば、決定された圧力レベルに従い所望の流量値を適応させるために使用することは可能である。例えば、洗腸工程S14又は洗腸工程S14’の間に、確認ボタンに加えられる圧力が特定の閾値レベルを超えるかどうかを判断してもよく、超える場合は高い流量値を使用し、超えない場合は低い流量値を使用する。2つを超える低レート値もまた提供されてもよい。圧送はまた、洗腸液を保持するリザーバが空になったと判断された場合に、ボタンが押下されているにもかかわらず、任意選択的に自動的に中断されてもよい。
【0142】
更に、所望の流量は加えられる圧力に直接相関して変化してもよい。
【0143】
あるいは、ユーザは、「増加」、「減少」及び「確認」に関連する2つ以上の専用制御ボタンを設けることによって所望の流量を直接決定する機会を与えられてもよい。ユーザは、その後、特定の行為に対して高い流量又は低い流量を使用するかどうかを選択してもよく、また、使用中、所望の流量を調整するためにこれらボタンを使用してもよい。
【0144】
当業者であれば、本発明は好適な実施形態に限定されないことを認識している。例えば、所望の拡張レベルを選択する多くの手法を実施可能である。更に、制御要素は機械的な制御ボタン、直流的に絶縁された接触ボタン、タッチスクリーン上の領域等など多くの異なる手法で実現されてもよい。加えて又はあるいは、制御要素はまた、リモートコントロール上に配置されてもよい。また、多くの種類の電気作動式バルブが流量制御のために使用されてもよい。
【0145】
そのような及び他の明らかな修正は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であるとみなされなければならない。上述の実施形態は本発明を限定するのではなく説明するものであり、当業者であれば、多くの別の実施形態を添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく設計することができることに留意されたい。特許請求の範囲において、括弧間に配置されたあらゆる参照符号はクレームを限定するものと解釈されるものではない。「含む(comprising)」という語は、クレーム内に列挙されたもの以外の要素又は工程の存在を排除しない。要素に先行する「a」又は「an」という語は、複数のそのような要素の存在を排除しない。更に、単一のユニットはクレーム内に列挙するいくつかの手段の機能を実施してもよい。