(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出庫口情報は、前記保管対象物品をいずれの出庫ステーションへ優先的に移動させるかに関する希望出庫口条件または前記保管対象物品をいずれの出庫ステーションへ移動させないかに関する拒否出庫口条件を含む、もしくは、前記出庫日時情報は、いつ前記保管対象物品を出庫ステーションへ優先的に移動させるかに関する希望日時条件またはいつ前記保管対象物品を出庫ステーションへ移動させないかに関する拒否日時条件を含むものである請求項1記載の自動倉庫の制御装置。
前記走行型移載装置は、前記保管対象物品を前記入庫ステーションから前記保管棚へ配置する機能に加えて、前記保管対象物品が保管されている保管棚から別の保管棚に当該保管対象物品を再配置する機能を備えており、
前記移動先決定部は、前記保管対象物品が再配置される際に、前記付加情報に基づいて、前記走行型移載装置が前記保管対象物品をいずれの保管棚に移動させるかを決定するものであり、
前記出庫日時情報は、どの時間帯に前記保管対象物品を出庫ステーションへ優先的に移動させるかに関する希望時間帯条件またはどの時間帯に前記保管対象物品を出庫ステーションへ移動させないかに関する拒否時間帯条件を含むものである請求項1、2、3または4記載の自動倉庫の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、
図1〜
図5を用いて説明する。本実施形態は、自動倉庫の制御装置2を、自動倉庫型の物品一時預かり装置1の制御装置2に適用したものであり、具体的には、駅前やコンビニエンスストア等の店舗横に設置されたロッカーとして用いられるものである。
【0011】
本実施形態では、
図1及び
図2に示すように、自動倉庫型の物品一時預かり装置1に預ける保管対象物品Gの差出人H1と、この保管対象物品Gを物品一時預かり装置1に入庫する入庫者H2と、物品一時預かり装置1から保管対象物品Gを出庫する出庫者H3と、その保管対象物品Gを受け取る受取人H4がいる状態を前提としている。以下、差出人H1、入庫者H2、出庫者H3及び受取人H4をまとめて「保管対象物品Gの関係者」と呼ぶことがある。差出人H1と入庫者H2が同一人物である場合、出庫者H3と受取人H4が同一人物である場合、または、これら全てが同一人物である場合、その他種々のパターンが考えられる。本実施形態では、ロッカーを宅配便の受取口として利用する一例を示すため、差出人H1が商店、入庫者H2が宅配業者、出庫者H3と受取人H4が当該保管対象物品Gの依頼者(一個人)である場合について説明する。
【0012】
自動倉庫型の物品一時預かり装置1は、
図1及び
図2に示すように、入庫ステーション31と、出庫ステーション32と、保管棚43と、走行型移載装置とを備える。具体的には、複数の保管棚43を有する対をなす固定ラック4と、固定ラック4間の走行レール51に沿って走行可能なスタッカークレーン5(走行型移載装置)と、一方の固定ラック41に設けられた入庫ステーション31と出庫ステーション32とを兼ねる複数の入出庫ステーション31、32とを備える。また、この自動倉庫型の物品一時預かり装置1は、入出庫ステーション31、32で予め待機しているバケットB内に入庫者H2が保管対象物品Gを入れた後、当該保管対象物品GをバケットBごと自動倉庫内部で一時的に保管するものである。この自動倉庫は、壁6で仕切られた構造となっており、その内部空間7にスタッカークレーン5の走行レール51に沿って配置される複数の保管棚43を備える。自動倉庫は、この保管棚43が垂直方向及び水平方向に多数備えられた一対の固定ラック4がスタッカークレーン5の走行レール51の両側に配置されている。
【0013】
各固定ラック4は、
図1及び
図2に示すように、上下方向及び横方向に複数の保管棚43を備える。一方の固定ラック41は、外面側が壁に接しており、内面側から前記スタッカークレーン5がアクセス可能なものである。他方の固定ラック42は、外面側が利用者の通行可能な通路に面しており、内面側から前記スタッカークレーン5がアクセス可能なものである。他方の固定ラック42の保管棚43の一部は、スタッカークレーン5から見た背面側を開閉可能としておくことで、入出庫ステーション31、32として使用される。すなわち、入出庫ステーション31、32として使用される保管棚43の外面側は扉31を備えており、外部から保管棚43にアクセス可能なものである。また、それ以外の保管棚43の外面側は外部から保管棚43にアクセスできないように壁32が形成されている。
【0014】
各保管棚43は、
図1及び
図2に示すように、所定の深さを有した同一種類のバケットBを使用して保管対象物品Gを保管するものである。各バケットBは、各保管棚43に着脱可能な係止部(図示しない)を備えており、スタッカークレーン5が保管棚43にアクセスしてバケットBを取り出すときに前記保管棚43から係止部の係着状態を解除するとともに、スタッカークレーン5が保管棚43にバケットBを移動させるときに前記保管棚43に係止部を係着させるように構成されている。前記バケットBは、前記入庫ステーション31、前記出庫ステーション32及び前記保管棚43の間のみで使用されるものであり、内部に何も入っていない空バケットBEとして使われる場合と、内部に前記保管対象物品Gの入った実バケットBFとして使われる場合がある。
【0015】
スタッカークレーン5は、
図1〜
図3に示すように、入出庫ステーション31、32と保管棚43との間を移動して保管対象物品Gを移載するものである。このスタッカークレーン5は、前記保管対象物品Gを前記入庫ステーション31から前記保管棚43へ配置する機能、及び、前記保管対象物品Gを前記保管棚43から出庫ステーション32へ配置する機能に加えて、前記保管対象物品Gが保管されている保管棚43から別の保管棚43に当該保管対象物品Gを再配置する機能を備えている。
【0016】
本実施形態のスタッカークレーン5は、
図1〜
図3に示すように、前記保管対象物品GをバケットBごと移動させるものであり、バケットBを保持するフォーク部分(図示しない)を備えている。また、このスタッカークレーン5は、前記空バケットBEを保持するストック部(図示しない)を備えており、このストック部にもフォーク部分を備えている。これらのフォーク部分は互いに個別に駆動されるものである。そして、入庫要求または再配置要求があった際に、前記実バケットBFを前記入庫ステーション31または前記保管棚43から取り出した後、前記ストック部から空バケットBEを前記入庫ステーション31または前記保管棚43に供給する。
【0017】
この自動倉庫型の物品一時預かり装置1は、
図3に示すような制御装置2により制御される。制御装置2は、汎用的なパーソナルコンピュータやワークステーション等のように、CPU、メインメモリ、補助記憶デバイス、通信インターフェース等のハードウェア資源を備え、これらがコントローラにより制御されて制御されるものである。
【0018】
制御装置2は、スタッカークレーン5を制御するために必要なプログラムがインストールされており、これらプログラムによりハードウェア資源を作動して、
図3に示す情報受付部21、物品情報記憶部22、移動先決定部23、情報書換部24、出庫履歴情報記憶部25、移動先再検討部26としての機能を発揮する。
【0019】
情報受付部21は、
図3に示すように、前記自動倉庫型の物品一時預かり装置1に隣接して設けられた操作端末機器D2から送信されたデータや、前記保管対象物品Gの関係者がそれぞれ使用する一または複数の関係者用機器D1から送信されたデータを受信するものである。
【0020】
物品情報記憶部22は、基本情報8と、付加情報9とを記憶する。基本情報8は、
図3及び
図4に示すように、例えば、差出人情報82、入庫者情報83、出庫者情報84、受取人情報85等の関係者情報、保管対象物品Gの内容情報86、入庫時刻87等である。差出人情報82は、例えば、前記保管対象物品Gを前記入庫ステーション31に入庫するよう依頼した差出人H1に関するIDや連絡先等の情報である。入庫者情報83は、例えば、前記入庫ステーション31に前記保管対象物品Gを入庫する入庫者H2に関するIDや連絡先等の情報である。出庫者情報84は、例えば、前記出庫ステーション32から前記保管対象物品Gを出庫する出庫者H3に関するIDや連絡先等の情報である。受取人情報85は、例えば、前記保管対象物品Gの受取人H4に関するIDや連絡先等の情報である。
【0021】
付加情報9は、
図3及び
図5に示すように、前記保管対象物品Gの保管を依頼する依頼者が当該保管対象物品Gと関連付けて付与するものである。具体的には、付加情報9は、一または複数の出庫口情報91、もしくは、一または複数の出庫日時情報92である。
【0022】
出庫口情報91は、
図3及び
図5に示すように、前記保管対象物品Gを前記保管棚43からいずれの出庫ステーション32へ移動させるかに関するものである。前記出庫口情報91は、希望出庫口条件または拒否出庫口条件を含む。希望出庫口条件は、前記保管対象物品Gをいずれの出庫ステーション32へ優先的に移動させるかに関するものである。拒否出庫口条件は、前記保管対象物品Gをいずれの出庫ステーション32へ移動させないかに関するものである。
【0023】
出庫日時情報92は、
図3及び
図5に示すように、いつ前記保管棚43から出庫ステーション32へ前記保管対象物品Gを移動させるかに関するものである。前記出庫日時情報92は、希望日時条件または希望時間帯条件、もしくは、拒否日時条件または拒否時間帯条件を含む。希望日時条件は、いつ前記保管対象物品Gを出庫ステーション32へ優先的に移動させるかに関するものである。希望時間帯条件は、どの時間帯に前記保管対象物品Gを出庫ステーション32へ優先的に移動させるかに関するものである。拒否日時条件は、いつ前記保管対象物品Gを出庫ステーション32へ移動させないかに関するものである。拒否時間帯条件は、どの時間帯に前記保管対象物品Gを出庫ステーション32へ移動させないかに関するものである。
【0024】
移動先決定部23は、
図3に示すように、入庫ステーション31に前記保管対象物品Gが入庫される際に、前記付加情報9に基づいて、スタッカークレーン5が前記保管対象物品Gをいずれの保管棚43に移動させるかを決定するものである。また、移動先決定部23は、前記保管対象物品Gが再配置される際に、前記付加情報9に基づいて、スタッカークレーン5が前記保管対象物品Gをいずれの保管棚43に移動させるかを決定するものである。
【0025】
情報書換部24は、
図3に示すように、後述する書換データに基づいて前記物品情報記憶部22に格納された前記付加情報9を書き換えるものである。
【0026】
出庫履歴情報記憶部25は、
図3に示すように、前記保管対象物品Gの関係者の過去に使用した出庫口または過去に出庫した日時を含む出庫履歴情報が記憶されたものである。
【0027】
移動先再検討部26は、
図3に示すように、前記出庫履歴情報記憶部25で記憶している情報に基づいて、前記移動先決定部23での決定に対する再検討を行うものである。
【0028】
また、この自動倉庫の制御装置2は、
図3に示すように、関係者がそれぞれ使用する複数の関係者用機器D1や、当該自動倉庫に付帯して設けられた操作端末機器D2と通信可能なものである。前記保管対象物品Gの関係者がそれぞれ使用する一または複数の関係者用機器D1に前記保管対象物品Gと関連付けられた基本情報8を出力または送信する。一例としては、プリンタ等への出力が挙げられる。
【0029】
前記保管対象物品Gの各関係者は、それぞれが使用可能な関係者用機器D1を有している。関係者用機器D1は、携帯電話機器、スマートフォン、携帯情報機器、汎用的なパーソナルコンピュータやワークステーション、ビデオゲーム機等のように、CPU、メインメモリ、補助記憶デバイス、操作入力デバイス、通信インターフェース、ディスプレイ等のハードウェア資源を備え、これらがコントローラにより制御されるものである。通信インターフェースは、電気通信回線を経由した情報通信を行うためのデバイスであり、NICや無線LANデバイス等に代表される。各関係者用機器D1は、電気通信回線を通じて前記基本情報等の情報を受信する。
【0030】
以下、制御装置2により制御された自動倉庫型の物品一時預かり装置1の動作の一例を説明する。
【0031】
初期状態では、入出庫ステーション31、32を含むすべての保管棚43に空バケットBEが収容してあり、スタッカークレーン5のストック部にも空バケットBEが1つ保持されている。すなわち、自動倉庫型の物品一時預かり装置1内の空バケットBEの総数は、「保管棚43の全数+1」個である。
【0032】
この状態から入庫者H2が操作端末機器D2を用いて、保管対象物品Gに関する基本情報8と付加情報9とを入力すると、それらの情報が情報受付部21を介して物品情報記憶部22に蓄積される。例えば、基本情報8として、差出人H1(商店)のIDと連絡先、入庫者H2(宅配業者)のIDと連絡先、出庫者H3及び受取人H4(依頼者)のIDと連絡先、保管対象物品Gの品名と常温/冷蔵での保管方法の別が記憶される。付加情報9として、出庫口の番号と希望条件(その出庫口であることをどのくらい希望するか)や拒否条件(その出庫口であることがどのくらい拒否するか)、出庫日時または時間帯と希望条件(その日時や時間帯にどのくらい出庫する可能性があるか)や拒否条件(その日時や時間帯にどのくらい出庫しない可能性があるか)等が記憶される。
【0033】
入庫者H2による一連の情報入力が終了すると、入出庫ステーション31、32の一つの扉31が開き、入庫者H2が当該入出庫ステーション31、32に予め用意されているバケットBの中に保管対象物品Gを入れ、扉31を閉めることで入庫作業が完了する。言い換えれば、入庫者H2が操作端末機器D2で入庫要求をした後、複数ある入庫ステーション31のうちどの入庫ステーション31に入庫するかを報知する。そして、入庫者H2がその場所まで行き、保管棚43(入出庫ステーション31、32)の外側開閉扉31を開けてから保管対象物品Gを保管棚43内に収容する。
【0034】
この状態から自動倉庫型の物品一時預かり装置1の制御装置2は、スタッカークレーン5を次のように制御する。すなわち、操作端末機器D2から入庫要求があった際に、スタッカークレーン5が前記実バケットBFを前記入庫ステーション31から取り出す。その後、スタッカークレーン5が上下方向に移動し、当該スタッカークレーン5のストック部から空バケットBEを前記入庫ステーション31に供給する。
【0035】
その後、スタッカークレーン5は、実バケットBFを保管すべき保管棚43に移動させる。その際、前記付加情報9に基づいて、すなわち、どの出庫口から出庫させたいかや、どの日時に出庫させたいか等の情報に基づいて、前記保管対象物品G(実バケットBF)を移動させる保管棚43を決定する。具体的には、一の出庫口の近傍の保管棚43に、その出庫口から出庫すべき日時が近い実バケットBFを配置する。逆に、拒否日時条件等の設定によりしばらく出庫する予定のないものは、出庫口から離れた位置に保管しておけばよい。
【0036】
なお、基本的には、入庫者H2が操作端末機器D2で入力した付加情報9に基づいて、保管対象物品Gを移動させるべき保管棚43を決定するが、関係者用機器D1から送信される書換データに基づいて付加情報9が書き換えられ、その書き換えられた付加情報9に基づいて保管棚43の移動先を決定する場合や、出庫履歴情報記憶部25で記憶している過去のデータに基づいて保管棚43の移動先を決定する場合も考えられる。
【0037】
前者の場合、自動倉庫の制御装置2は、前記保管対象物品Gの関係者がそれぞれ使用する複数の関係者用機器D1に前記保管対象物品Gと関連付けられた基本情報8を送信する。例えば、差出人H1の関係者用機器D1に入庫者情報83と入庫時刻87とを送信する。また、出庫者H3の関係者用機器D1に差出人情報82、入庫者情報83、内容情報86と入庫時刻87とを送信する。これらの情報を受け取った出庫者H3は、関係者用機器D1から付加情報9を書き換えることができる。具体的には、出庫者H3が使用する関係者用機器D1から送信された希望出庫口条件や希望日時条件等の書換データを自動倉庫の制御装置2が受信した場合には、当該書換データに基づいて前記物品情報記憶部22に格納された前記付加情報9を書き換える。
【0038】
後者の場合、自動倉庫の制御装置2は、前記出庫履歴情報記憶部25で記憶している情報に基づいて、前記移動先決定部23での決定に対する再検討を行う。例えば、付加情報9が入力されなかった場合に、当該出庫者H3の過去の利用頻度が多い出庫口番号や出庫日時のデータを元に、保管対象物品Gを適切な保管棚43に移動させる。
【0039】
さらに別の場合として、自動倉庫の制御装置2は、当該自動倉庫近傍の天候に関する情報や、沿線の列車の運行状況に関する情報に基づいて、移動先決定部23での決定に対する再検討を行うことも考えられる。
【0040】
出庫の希望時間に近付いてきたら、出庫要求の前に予め、スタッカークレーン5が実バケットBFを保管棚43から出庫口に移動させておいてもよい。
【0041】
本実施形態では、操作端末機器D2から出庫要求があった際に、スタッカークレーン5が前記実バケットBFを保管棚43から出庫ステーション32へ移動させる。具体的には、出庫者H3が操作端末機器D2で出庫要求をした後、スタッカークレーン5が前記空バケットBEを前記出庫ステーション32から取り出す。その後、スタッカークレーン5が上下方向に移動し、当該スタッカークレーン5から実バケットBFを前記出庫ステーション32に供給する。そして、自動倉庫の制御装置2は、複数ある出庫ステーション32のうちどの出庫ステーション32から出庫されるかを報知する。出庫者H3がその場所まで行き、保管棚43(入出庫ステーション31、32)の外側開閉扉31を開けることで、保管対象物品Gを取り出すことができる。
【0042】
出庫作業完了後、自動倉庫の制御装置2は、前記保管対象物品Gの関係者がそれぞれ使用する複数の関係者用機器D1に前記保管対象物品Gと関連付けられた基本情報8を送信する。例えば、差出人H1の関係者用機器D1に出庫者情報84と出庫時刻とを送信する。また、入庫者H2の関係者用機器D1に出庫者情報84と出庫時刻とを送信する。
【0043】
本実施形態の自動倉庫の制御装置2は、入庫ステーション31と、複数の出庫ステーション32と、複数の保管棚43と、これらの間を移動して保管対象物品Gを移載するスタッカークレーン5とを備える自動倉庫型の物品一時預かり装置1の制御装置2であって、前記保管対象物品Gの保管を依頼する依頼者が当該保管対象物品Gと関連付けて付与した付加情報9を記憶する物品情報記憶部22と、前記入庫ステーション31に前記保管対象物品Gが入庫される際に、前記付加情報9に基づいて、前記スタッカークレーン5が前記保管対象物品Gをいずれの保管棚43に移動させるかを決定する移動先決定部23を備えており、前記付加情報9は、前記保管対象物品Gを前記保管棚43からいずれの出庫ステーション32へ移動させるかに関する一または複数の出庫口情報91と、いつ前記保管棚43から出庫ステーション32へ前記保管対象物品Gを移動させるかに関する一または複数の出庫日時情報92のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0044】
本実施形態では、宅配便等の一時預かりロッカーとして自動倉庫を利用するものであり、保管対象物品Gが入庫されるごとに当該保管対象物品Gに基本情報8や付加情報9を紐付けるようにしている。すなわち、出庫設定ごとに複数の出庫ステーション32を指定可能なものである点で従来のものとは異なるため、スペース効率や利便性を高めることができる。また特に、一時的に多くの人が収受を行う際の混雑に対応することができる。さらに、本実施形態の自動倉庫は、入出庫ステーション31、32を複数備えているので、自動倉庫型の物品一時預かり装置1に入出庫される保管対象物品Gの処理量を飛躍的に高めることができる。なお、入庫作業や出庫作業がない時間帯には、スタッカークレーン5は、すでに入庫されている保管対象物品Gの再配置作業を行うことができるのは言うまでもない。
【0045】
前記出庫口情報91は、前記保管対象物品Gをいずれの出庫ステーション32へ優先的に移動させるかに関する希望出庫口条件または前記保管対象物品Gをいずれの出庫ステーション32へ移動させないかに関する拒否出庫口条件を含む、もしくは、前記出庫日時情報92は、いつ前記保管対象物品Gを出庫ステーション32へ優先的に移動させるかに関する希望日時条件またはいつ前記保管対象物品Gを出庫ステーション32へ移動させないかに関する拒否日時条件を含むものである。そのため、例えば、帰宅途上や出勤途上の都合のよい出庫口/出庫口群を指定する等して、出庫者H3の出庫口での待ち時間を少なくすることができる。また、拒否出庫条件や拒否日時条件を利用して、出庫口から離れた位置にある保管棚43も有効活用することができる。
【0046】
前記保管対象物品Gの関係者がそれぞれ使用する一または複数の関係者用機器D1に前記保管対象物品Gと関連付けられた基本情報8を出力または送信するものであり、前記基本情報8は、前記保管対象物品Gを前記入庫ステーション31に入庫するよう依頼した差出人情報82、前記入庫ステーション31に前記保管対象物品Gを入庫する入庫者情報83、前記出庫ステーション32から前記保管対象物品Gを出庫する出庫者情報84、前記保管対象物品Gの受取人情報85、前記保管対象物品Gの内容情報86のうち少なくとも一の情報と入庫時刻87とを含むことを特徴とする。そのため、関係者が必要な情報を受け取ることができる。
【0047】
前記保管対象物品Gの関係者がそれぞれ使用する一または複数の関係者用機器D1から送信された書換データを受信する情報受付部21と、前記書換データに基づいて前記物品情報記憶部22に格納された前記付加情報9を書き換える情報書換部24を備える。そのため、予定変更等に合わせてタイムリーに希望出庫口条件や希望日時条件等の変更を遠隔操作により行うことができる。
【0048】
前記保管対象物品Gの関係者の過去に使用した出庫口または過去に出庫した日時を含む出庫履歴情報が記憶された出庫履歴情報記憶部25を備え、少なくとも前記出庫履歴情報記憶部25で記憶している情報に基づいて、前記移動先決定部23での決定に対する再検討を行う、または、前記移動先決定部23での決定に対する影響を与える。そのため、今回の付加情報9に加えて、または、この付加情報9に替えて、従来の受け取りパターンから推測される出庫口や出庫日時の予測情報を用いることで、スタッカークレーン5の動きを最適化させることができる。
【0049】
前記バケットBは、自動倉庫型の物品一時預かり装置1の内部空間7のみで使用されるものである。そのため、保管対象物品Gの形状がどのようなものであっても適切にスタッカークレーン5で運ぶことができる。
【0050】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0051】
上述した実施形態では、本発明の自動倉庫の制御装置をロッカーに適用した場合について説明したが、ホテルのフロントでの荷物の一時預かりや、工場での組み立てに用いられる部品の一時保管にも適用できる。ホテル(催し物会場)のフロントでの荷物の一時預かりは、催し物の終了時間帯に荷物の受け取りが集中することになるが、上述したロッカーに準じた自動倉庫の制御装置を用いれば、一時的に多くの人が収受を行う際の混雑に対応することができる。また、製造工場においては、製品番号別、または作業別に都合の良い日時に出庫ステーションへ該当保管対象物品を集合させて作業効率を向上させることができる。さらに、ロッカーの場合も、上述した実施形態のようなものに限られず、例えば入出庫口が引き出し式に形成されているものを用いる等種々変更可能である。
【0052】
走行型移載装置は、上述したスタッカークレーンには限られない。すなわち、走行型移載装置は、予め決められたルートを直線的に移動するものの他に、無人搬送車のようなものであってもよい。また、走行型移載装置は、保管対象物品をバケットごと移動させるものには限られない。
【0053】
上述した走行型移載装置は、前記保管対象物品を前記入庫ステーションから前記保管棚へ配置する機能に加えて、前記保管対象物品が保管されている保管棚から別の保管棚に当該保管対象物品を再配置する機能を備えていた。この場合、前記移動先決定部が、前記保管対象物品が再配置される際に、前記付加情報に基づいて、前記走行型移載装置が前記保管対象物品をいずれの保管棚に移動させるかを決定するものであり、前記出庫日時情報は、どの時間帯に前記保管対象物品を出庫ステーションへ優先的に移動させるかに関する希望時間帯条件またはどの時間帯に前記保管対象物品を出庫ステーションへ移動させないかに関する拒否時間帯条件を含むものが好ましい。このようなものであれば、出庫希望時間帯に合わせて出庫ステーション近傍の保管棚を有効に利用することができ、出庫口での混雑を緩和することができる。宅配ロッカーの場合には、各出庫者の希望する引取時間を勘案して再配置すればよいし、ホテルのフロントの場合には、各催し物の終了時間を勘案して再配置すればよい。
【0054】
入庫ステーションと出庫ステーションは、それぞれ別々に設けられてもよい。また、保管棚以外の場所に設けられるものであってもよい。また、入庫ステーションは少なくとも1つあればよく、出庫ステーションは複数あることが好ましいが、入庫ステーション、出庫ステーションの数や配置も種々変更可能である。
【0055】
自動倉庫のラックの配置については、図示したものに限られず、種々変更可能である。例えば、下層階と上層階とにわたってラックが形成されるものであってもよい。
【0056】
物品情報記憶部に記憶される情報は、基本情報及び付加情報以外のものであってもよい。また、これら基本情報、付加情報のさらに細かい内容についても種々変更可能である。差出人情報、内容情報、入庫者情報、出庫者情報、受取人情報、希望出庫口条件、拒否出庫口条件、希望日時条件、拒否日時条件等は、関係者により入力/指定されない項目があってもよい。
【0057】
自動倉庫の制御装置と関係者用機器とは、互いに電気回線を通じて送受信を行えるものであってもよいし、有線方式で入出力を行うものであってもよい。
【0058】
付加情報を書き換える書換データの受信や、出庫履歴情報記憶部で記憶している過去の情報に基づく保管対象物品の移動は、必須の構成ではない。
【0059】
自動倉庫の制御装置は、出庫履歴情報記憶部で記憶している情報に基づいて、前記移動先決定部での決定に対する影響を与えるようなものであってもよい。なお、入庫ステーションに保管対象物品が入庫される際の他、保管対象物品が再配置される際にも、このような移動先決定部での決定に対する影響を与える、または移動先決定部での決定に対する再検討を行うような制御を適用することができる。
【0060】
上述した実施形態では、宅配ロッカーの一例として、差出人が商店、入庫者が宅配業者、出庫者と受取人が一個人(依頼者)である場合について説明したが、これ以外の様々な場面が想定されるものであり、例えば、差出人と入庫者が一個人(依頼者)、出庫者が宅配業者、受取人が商店または依頼者もしくは依頼者以外の一個人という場面も考えられる。なお、出庫口情報が、保管対象物品を入庫した自動倉庫型の物品一時預かり装置とは異なる場所に設けられた別の自動倉庫型の物品一時預かり装置の出庫口/出庫口群を指定可能なものであってもよい。このようなものであれば、宅配業者等により一から他の自動倉庫に保管対象物品を移動してもらうことにより希望する場所で保管対象物品を受け取ることが可能となる。
【0061】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。