(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、設置箇所に人がいる前記換気装置の風量を増加させる空気質重視モードと、設置箇所に人がいる前記換気装置の風量を減少させる静音性重視モードとのいずれかを設定可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の換気システム。
前記制御装置は、ホームエネルギーマネージメントシステムのコントローラを介して取得した前記換気対象空間に設置された空気調和機の運転情報を前記室内環境とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の換気システム。
前記制御装置は、複数の前記換気装置の設置箇所の前記室内環境を記憶し、前記室内環境が定期的に風量増加の条件を満たす場合は、前記室内環境が風量増加の条件を満たすのに先だって前記換気装置の換気量を最大風量に設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の換気システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態に係る換気システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る換気システムの構成を示す図である。実施の形態1に係る換気システム80は、三台の換気装置11,12,13と制御装置20とを備える。換気装置11,12,13と制御装置20とは通信可能である。換気装置11,12,13と制御装置20との接続形態は、有線接続であっても無線接続であってもよい。換気装置11,12,13は、換気対象空間である事務室50に設置される。
図1において、制御装置20は、事務室50の外に設置されているが、事務室50内に設置されてもよい。ここで、事務室50の必要換気総風量は、540m
3/hであるとする。
【0013】
換気装置11は、換気流を形成する換気扇111と、室内環境を検知する環境検知センサ部121と、換気扇111を制御する制御回路131とを有している。環境検知センサ部121は、人の存在を検知する人感センサ61と、室温を検知する温度センサ62と、湿度を検知する湿度センサ63と、空気中の微粒子の含有量を測定する浮遊物質センサ64と、空気中に含まれる特定のガス成分の濃度を検出するガスセンサ65とを備えている。すなわち、実施の形態1において、室内環境とは、人の有無、温度、湿度、浮遊物質含有量及びガス濃度の上昇である。浮遊物質センサ64が検出する微粒子は、PM(Particulate Matter)2.5と称される粒子径2.5μm以下の固体又は液体の粒子及び花粉を例示できる。ガスセンサ65には、CO
2センサ及び臭気センサを例示できる。制御回路131は、環境検知センサ部121の各種センサの検知結果を制御装置20に送信する機能と、換気風量設定情報を制御装置20から受信する機能とを備えている。
【0014】
換気装置12,13は、換気装置11と同様に、換気扇211,311、環境検知センサ部221,321及び制御回路231,331を備えている。換気装置12,13の環境検知センサ部221,321は、図示は省略するが、換気装置11の環境検知センサ部121と同様に各種センサを備えている。
【0015】
換気装置11,12,13は、強、弱及び微弱の三段階の換気強度設定が可能である。ここで、換気強度が強の設定での換気量は250m
3/h、弱の設定での換気量は180m
3/h、微弱の設定での換気量は40m
3/hである。上記のように、事務室50の必要換気総風量は、540m
3/hであるため、換気装置11,12,13の換気強度を弱に設定すれば必要換気総風量は確保される。換気対象空間の必要換気総風量は、床面積又は居住人数に合わせて定めることが一般的であり、最大風量で運転する換気装置11,12,13が換気対象空間に一台も無くても必要換気総風量が確保されるように、換気装置11,12,13の設置台数は三台に決定されている。
【0016】
制御装置20は、換気装置11,12,13の換気強度を設定する制御部21を備えている。制御部21は、換気装置11,12,13の制御回路131,231,331から送られてくる室内環境の検知結果が風量増加の条件を満たす場合に、換気装置11,12,13の換気風量を平常時よりも増加させる。実施の形態1においては、制御部21は、換気装置11,12,13の換気強度を強に設定し、換気風量を平常時よりも増加させるものとする。ただし、換気装置11,12,13の換気風量を平常時よりも増加させるにあたって、換気風量を最大に設定する必要はなく、換気装置11,12,13の運転ノッチが5段階であれば、2番目に風量が多い換気強度に設定して風量を平常時よりも増加させてもよい。換気風量を平常時よりも増加させる風量増加の条件には、人が存在すること、温度が下限値以下又は上限値以上であること、湿度が下限値以下又は上限値以上であること、ガス成分の濃度が基準値以上であること、微粒子の含有量が基準値以上であることを例示できる。
【0017】
また、制御装置20は、事務室50の必要換気総風量を記憶する必要換気量記憶部22を備えている。急速に換気を行う必要があるエリアを要換気箇所と定義する場合、制御部21は、換気装置11,12,13の設置箇所の中に要換気箇所が一つでもあれば、要換気箇所に設置されている換気装置11,12,13の換気強度を風量が最大となる強に設定する。また、制御部21は、要換気箇所以外に設置されている換気装置11,12,13には、換気装置11,12,13による総換気量が必要換気総風量以上で最小になる組み合わせとなるように換気強度を設定する。ただし、制御部21は、要換気箇所以外に設置されている換気装置11,12,13の運転強度を強には設定しないものとする。なお、上記条件を満たす組み合わせが複数存在する場合には、制御部21は、換気風量の偏差が小さくなるように換気装置11,12,13の換気強度を設定する。
【0018】
具体例を挙げて説明すると、換気装置11,12,13のうちのいずれか二台の設置箇所が要換気箇所となっている場合、制御部21は、要換気箇所に設置されている二台の換気強度を強に設定する。必要換気総風量540m
3/hのうち、換気強度が強に設定される二台が250×2=500[m
3/h]を分担することから、残りの必要換気風量は540−(250×2)=40[m
3/h]となる。したがって、制御部21は、要換気箇所以外に設置されている一台の換気強度を微弱に設定する。また、換気装置11,12,13のうちのいずれか一台の設置箇所が要換気箇所となっている場合、制御部21は、要換気箇所に設置されている一台の換気強度を強に設定する。必要換気総風量540m
3/hのうち、換気強度が強に設定される一台が250m
3/hを分担することから、残りの必要換気風量は540−250=290[m
3/h]となる。換気強度が弱及び微弱の組み合わせで換気量が290m
3/h以上となるのは、二台とも換気強度を弱に設定する場合であるため、制御部21は、要換気箇所以外に設置されている二台の換気強度を弱に設定する。
【0019】
また、制御装置20は、室内環境の優先順位の情報を記憶する優先順位記憶部23を備えている。室内環境の優先順位とは、環境検知センサ部121,221,321が有する各種センサによる検知のうち、人の有無、室温上昇、室温の低下、室内の過加湿、室内の乾燥、浮遊物質の増加及びガス濃度の上昇のうち、どれを優先して風量を増加させるかを表す。以下の説明においては、換気装置11,12,13が設置されたエリアに人が存在することよりも室温が閾値以上であることの方が高い優先順位に設定されているものとする。また、換気装置11,12,13が設置されたエリアに人が存在することよりも、浮遊物質量が閾値以上であることの方が高い優先順位に設定されているものとする。制御部21は、優先順位が上位の室内環境から順番に風量増加の条件を満たすか否かを判断し、換気装置11,12,13の全てが風量増加の条件を満たさない場合に、次順位の室内環境が風量増加の条件を満たすか否かの判断を行う。
【0020】
図2は、実施の形態1に係る換気システムの制御装置が換気装置の風量を制御する動作の流れを示すフローチャートである。ステップS1において、制御部21は、各換気装置11,12,13の制御回路131,231,331から室内環境情報を受信する。ステップS2において、制御部21は、まだ風量増加の判断の対象にしていない室内環境の中で、優先順位が最上位の室内環境について、風量増加の条件を満たす換気装置11,12,13が存在するか否かを判断する。換気装置11,12,13のいずれかの室内環境が風量増加の条件を満たす場合、ステップS2でYesとなり、ステップS3において、制御部21は、風量増加の条件を満たす換気装置11,12,13の制御回路131,231,331に換気風量を平常時よりも増加させる換気風量設定情報を送信し、室内環境が風量増加の条件を満たす換気装置11,12,13の運転強度を強める。ステップS3ののち、処理を終了する。
【0021】
また、換気装置11,12,13のいずれも室内環境が風量増加の条件を満さない場合、ステップS2でNoとなり、ステップS4において、制御部21は、まだ風量増加の判断の対象にしていない室内環境があるか否かを判断する。まだ風量増加の判断の対象にしていない室内環境があれば、ステップS4でYesとなり、ステップS2に進む。まだ風量増加の判断の対象にしていない室内環境が無ければ、ステップS4でNoとなり、処理を終了する。
【0022】
制御装置20による換気装置11,12,13の風量の制御例について以下に説明する。
【0023】
図3は、実施の形態1に係る換気システムが設置された事務室の見取り図である。換気装置11は、事務机エリアに設置されており、換気装置12は、打合机エリアに設置されており、換気装置13は、受付エリアに設置されている。なお、事務室50内の室温、湿度、浮遊物質量及びガス濃度は、基準値以下であるとする。
【0024】
事務机エリアには空気調和機2が設置されている。事務室50は、空気調和機2が一台だけ設置されているため、空気調和機2が稼働しても、室温が不均一になりやすい状況となっている。
【0025】
図3に示すように、換気装置11,12,13の設置箇所に人がいない場合は、制御回路131,231,331から制御部21に、人がいないことを示す室内環境情報が送信される。制御部21は、要換気箇所が一つも無いと判断し、換気強度を弱とする換気風量設定情報を制御回路131,231,331に送信する。換気風量設定情報を受信した制御回路131,231,331は、弱ノッチで換気扇111,211,311を運転する。換気装置11,12,13の換気強度を弱に設定することで、事務室50内の必要換気総風量540m
3/hが満足される。
【0026】
図4は、
図3に示した事務室に人が入室した状態を示す図である。
図4に示すように、換気装置11,12の設置箇所に人がおり、換気装置13の設置箇所に人がいない場合は、制御回路131,231からは、人がいることを示す室内環境情報が制御部21に送信される。一方、制御回路331からは、人がいないことを示す室内環境情報が制御部21に送信される。制御部21は、換気装置11,12が設置されたエリアが要換気箇所であると判断し、換気強度を強とする換気風量設定情報を制御回路131,231に送信する。また、制御部21は、換気装置11,12,13による総換気量が必要換気量以上で最小になる組み合わせとなるように換気強度を微弱とする換気風量設定情報を制御回路331に送信する。換気風量設定情報を受信した制御回路131,231は、強ノッチで換気扇111,211を運転し、換気風量設定情報を受信した制御回路331は、微弱ノッチで換気扇311を運転する。換気装置11,12,13による換気総風量は540m
3/hとなり、過換気の抑制となるため、省エネルギー性能が維持しつつ要換気箇所の換気を行える。
【0027】
なお、人がいる箇所の静音性が求められることもあるため、実施の形態1に係る換気システム80は、設置箇所に人が在室する場合に換気強度を弱又は微弱にする静音性重視モードと、設置箇所に人が在室する場合に換気強度を強にする空気質重視モードとを選択可能となっている。静音性重視モードの場合、人がいるエリアが一箇所であれば、人がいるエリアに設置されている換気装置11,12,13の換気強度が微弱となり、人がいないエリアに設置されている換気装置11,12,13の換気強度が強となることで、省エネルギー性能が維持される。
【0028】
図5は、
図4に示した人が在室中の事務室の空気質が悪化した状態を示す図である。花粉の侵入などによって浮遊物質が増加して換気装置13の設置箇所の空気質が悪化すると、制御回路131,231からは、浮遊物質量が閾値未満であることを示す室内環境情報が制御部21に送信される。一方、制御回路331からは、浮遊物質量が閾値以上であることを示す室内環境情報が制御部21に送信される。人が在室することよりも浮遊物質量が閾値以上であることの方が高い優先順位に設定されているため、制御部21は、換気装置13が設置されたエリアのみが要換気箇所であると判断し、換気強度を強とする換気風量設定情報を制御回路331に送信する。また、制御装置20は、換気装置11,12,13による総換気量が必要換気量以上で最小になる組み合わせとなるように換気強度を弱とする換気風量設定情報を制御回路131,231に送信する。換気風量設定情報を受信した制御回路131,231は、弱ノッチで換気扇111,211を運転し、換気風量設定情報を受信した制御回路331は、強ノッチで換気扇311を運転する。換気装置11,12,13による換気総風量は、610m
3/hとなるため、事務室50は過換気状態となる。
【0029】
換気装置13の設置箇所の浮遊物質量が閾値未満となると、制御回路131,231,331から浮遊物質量が閾値未満であることを示す室内環境情報が制御部21に送信される状態となる。このとき、制御回路131,231からは、人がいることを示す室内環境情報が制御部21に送信されており、制御回路331からは、人がいないことを示す室内環境情報が制御部21に送信されるため、制御部21は、換気装置11,12が設置されたエリアが要換気箇所であると判断し、換気強度を強とする換気風量設定情報を制御回路131,231に送信する。また、制御部21は、換気装置11,12,13による総換気量が必要換気総風量以上で最小になる組み合わせとなるように換気強度を微弱とする換気風量設定情報を制御回路331に送信する。換気風量設定情報を受信した制御回路131,231は、強ノッチで換気扇111,211を運転し、換気風量設定情報を受信した制御回路331は、微弱ノッチで換気扇311を運転する。
【0030】
空気質の悪化を検出した際に、一時的に事務室50を過換気状態にして空気質の改善を優先することにより、空気質の改善に要する時間を短縮することができる。また、空気質の悪化を検出した換気装置13の換気強度を強にすることにより、空気質が悪化した空気が他の箇所へ流入することを抑制できる。
【0031】
図6は、
図4に示した人が在室中の事務室の室温が高くなった状態を示す図である。なお、室温が高くなっている状態とは、室温が温度閾値以上になっている状態である。換気装置11,12,13の設置箇所において、室温が高くなっているため、制御回路131,231,331から制御部21に、室温が温度閾値以上になっていることを示す室内環境情報が送信される。制御部21は、換気装置11,12,13の設置箇所が全て要換気箇所であると判断し、換気強度を強とする換気風量設定情報を制御回路131,231,331に送信する。換気風量設定情報を受信した制御回路131,231,331は、強ノッチで換気扇111,211,311を運転する。換気装置11,12,13による換気総風量は、750m
3/hとなるため、事務室50は過換気状態となる。
【0032】
換気装置11,12,13の設置箇所の室温が低下すると、制御回路131,231,331から室温が閾値未満であることを示す室内環境情報が制御部21に送信される状態となる。このとき、制御回路131,231からは、人がいることを示す室内環境情報が制御部21に送信されており、制御回路331からは、人がいないことを示す室内環境情報が制御部21に送信されるため、制御部21は、換気装置11,12が設置されたエリアが要換気箇所であると判断し、換気強度を強とする換気風量設定情報を制御回路131,231に送信する。また、制御部21は、換気装置11,12,13による総換気量が必要換気総風量以上で最小になる組み合わせとなるように換気強度を微弱とする換気風量設定情報を制御回路331に送信する。換気風量設定情報を受信した制御回路131,231は、強ノッチで換気扇111,211を運転し、換気風量設定情報を受信した制御回路331は、微弱ノッチで換気扇311を運転する。
【0033】
室温が高くなっていることを検出した際に、一時的に事務室50を過換気状態にして室温の低下を優先することにより、室温を下げるのに要する時間を短縮することができる。また、空気調和機2の運転に先立って事務室50を換気して室温を下げることにより、空調負荷を低減して省エネルギー化を図ることができる。
【0034】
図7は、実施の形態1に係る換気システムが設置された事務室の室温が高くなっている時に空気調和機を運転した状態を示す図である。事務机エリアは空調により室温が閾値未満となっている一方、打合机エリア及び受付エリアでは空調された空気が行き届かず室温が閾値以上となっている。換気装置12,13の設置箇所の室温が高くなっているため、制御回路231,331から制御部21に、室温が温度閾値以上になっていることを示す室内環境情報が送信される。制御部21は、換気装置12,13が設置されたエリアが要換気箇所であると判断し、換気強度を強とする換気風量設定情報を制御回路231,331に送信する。また、制御部21は、換気装置11,12,13による換気総風量が必要換気総風量以上で最小になる組み合わせとなるように換気強度を微弱とする換気風量設定情報を制御回路131に送信する。換気風量設定情報を受信した制御回路131は、微弱ノッチで換気扇111を運転し、換気風量設定情報を受信した制御回路231,331は、強ノッチで換気扇211,311を運転する。これにより、室温が閾値以上である打合机エリア及び受付エリアでは排熱を継続し、事務机エリアの空調された快適温空気が排気されることを抑制する。また、強の換気強度に設定される換気装置12,13に向かって快適温度空気の流れができるため、事務室50内の温度ムラが改善される。
【0035】
実施の形態1に係る換気システム80は、過換気抑制又は空調負荷削減による省エネルギー性向上及び在室者の快適性向上を実現できる。
【0036】
なお、実施の形態1に係る換気システム80は、環境検知センサ部121,221,321が検知した室内環境を制御装置20が記憶し、定期的な空気汚染が発生する場合は制御部21が事前に換気装置11,12,13の換気強度設定を切り替え、室内環境が悪化することを予防する制御仕様とすることもできる。また、実施の形態1に係る換気システム80は、ホームエネルギーマネージメントシステム(Home Energy Management System, HEMS)のコントローラを介し空気調和機2といった他の電気機器と連携する制御仕様としてもよい。
【0037】
また、実施の形態1に係る換気システム80は、制御装置20が換気装置11,12,13を制御したが、換気装置11,12,13のいずれかがマスタとなり、他がスレーブとなることにより、マスタとなった換気装置11,12,13の制御回路131,231,331がスレーブとなった換気装置11,12,13を制御してもよい。
【0038】
実施の形態1に係る換気システム80は、換気装置11,12,13の設置箇所の室内環境を検知する環境検知センサ部121,221,321を換気装置11,12,13に設けているが、環境検知センサ部121,221,321の一部又は全部の機能を換気装置11,12,13の外部に設けても良い。
【0039】
上記の実施の形態1に係る制御装置20の制御部21の機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアであっても、記憶装置に格納されるプログラムを実行する処理装置であってもよい。
【0040】
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
図8は、実施の形態1に係る制御装置の制御部の機能をハードウェアで実現した構成を示す図である。処理回路29には、制御部21の機能を実現する論理回路29aが組み込まれている。
【0041】
処理回路29が処理装置の場合、制御部21の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
【0042】
図9は、実施の形態1に係る制御装置の制御部の機能をソフトウェアで実現した構成を示す図である。処理回路29は、プログラム29bを実行するプロセッサ291と、プロセッサ291がワークエリアに用いるランダムアクセスメモリ292と、プログラム29bを記憶する記憶装置293を有する。記憶装置293に記憶されているプログラム29bをプロセッサ291がランダムアクセスメモリ292上に展開し、実行することにより、制御部21の機能が実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラム言語で記述され、記憶装置293に格納される。プロセッサ291は、中央処理装置を例示できるがこれに限定はされない。記憶装置293は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、又はEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった半導体メモリを適用できる。半導体メモリは、不揮発性メモリでもよいし揮発性メモリでもよい。また記憶装置293は、半導体メモリ以外にも、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disc)を適用できる。なお、プロセッサ291は、演算結果といったデータを記憶装置293に出力しても記憶させてもよいし、ランダムアクセスメモリ292を介して不図示の補助記憶装置に当該データを記憶させてもよい。
【0043】
処理回路29は、記憶装置293に記憶されたプログラム29bを読み出して実行することにより、制御部21の機能を実現する。プログラム29bは、制御部21の機能を実現する手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
【0044】
なお、処理回路29は、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
【0045】
このように、処理回路29は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0046】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。