(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6968105
(24)【登録日】2021年10月28日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】表示装置、ダッシュボード、車両、および空気偏向方法
(51)【国際特許分類】
B60H 1/34 20060101AFI20211108BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
B60H1/34 611Z
B60H1/34 651B
B60K35/00 Z
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-562606(P2018-562606)
(86)(22)【出願日】2017年6月7日
(65)【公表番号】特表2019-524526(P2019-524526A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(86)【国際出願番号】EP2017063793
(87)【国際公開番号】WO2018010895
(87)【国際公開日】20180118
【審査請求日】2020年5月7日
(31)【優先権主張番号】16179577.8
(32)【優先日】2016年7月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513121384
【氏名又は名称】ベステル エレクトロニク サナイー ベ ティカレト エー.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】オカル, オミュア
(72)【発明者】
【氏名】キリスケン, バルバロス
【審査官】
町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第102014011119(DE,A1)
【文献】
特許第2658290(JP,B2)
【文献】
独国特許出願公開第10043623(DE,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第02045541(EP,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第02535655(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0226352(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/34
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚情報を表示するためのスクリーン(105)と、
空気源から前記スクリーン(105)に空気を伝導するための空気伝導手段(102)と、を少なくとも有し、
前記空気伝導手段(102)は、前記スクリーン(105)に沿って、少なくとも部分的に空気を吹き出す構成であり、
前記スクリーン(105)に沿って少なくとも部分的に吹き出される前記空気の少なくとも一部を偏向するための偏向面を持つ、少なくとも一つの偏向手段(104)を有し、
前記スクリーン(105)の一部を偏向状態と非偏向状態とに切り替えるために、変形手段(106)が前記スクリーン表面の一部の下方に配置され、
前記偏向手段(104)は、前記変形手段(106)によって引き起こされる前記スクリーン表面の変形によって変形可能であり、
前記偏向状態において、少なくとも前記スクリーン表面の一部は、前記偏向面が突出部を有する前記偏向手段(104)として変形し、
前記非偏向状態において、前記スクリーン表面の前記変形は、前記偏向状態と比較して小さく、具体的には、前記スクリーンの一部は平坦であることを特徴とする表示装置(100)。
【請求項2】
空気流パラメータ、具体的には、気流速度、気流方向、及び/又は気流温度を調整するための空気流調整手段が設けられ、
前記変形手段(106)は、前記調整に対応する信号に応じて前記偏向手段(104)の大きさ、及び/又は形状、及び/又は位置を変形し、もしくは前記空気流調整手段によって実施される調整と独立して、前記偏向手段の前記大きさ、及び/又は前記形状、及び/又は前記位置を設定するために、前記変形手段が、偏向調整手段によって駆動可能であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置(100)。
【請求項3】
前記偏向手段(104)の数は、前記空気流調整手段又は前記偏向調整手段によって設定され、又は変更され、及び/又は前記変形手段は、少なくとも一つのマイクロ流体を含み、前記マイクロ流体は少なくとも二つの異なる位置間を移動することができ、前記位置間の前記マイクロ流体の移動は、前記偏向状態と前記非偏向状態との変化を引き起こすことを特徴とする請求項2に記載の表示装置(100)。
【請求項4】
前記スクリーンはタッチスクリーンであり、
前記空気流調整手段は、前記タッチスクリーン上に画定される領域として少なくとも視覚的に表示可能であり、前記タッチスクリーンを介して命令を入力することによって調整を行うことができ、
前記偏向調整手段は、前記タッチスクリーン上に画定される領域として少なくとも視覚的に表示可能であり、前記タッチスクリーンを介して命令を入力することによって調整を行うことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の表示装置(100)。
【請求項5】
前記空気伝導手段(102)は、前記非偏向状態における前記スクリーン表面に対して30°より小さい角度で、特に、15°、又は10°、又は5°、又は平行に、前記空気を吹き出すことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の表示装置(100)。
【請求項6】
前記空気伝導手段(102)は、少なくとも、スクリーン表面に隣接して出口のようなスリット又は管を形成し、
前記スクリーン表面は前記表示装置(100)の前面を定義し、及び/又は、
前記空気伝導手段(102)は入口も形成し、
前記入口は、前記表示装置の背面、具体的には、前記表示装置の前記背面に隣接して配置され、
空気は、前記入口と前記出口を介して、前記表示装置の前記背面から前記表示装置(100)の前記前面まで、前記空気伝導手段(102)によって伝導可能であることが好ましいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置(100)。
【請求項7】
複数の出口が前記スクリーン表面の外部領域に配置され、対応する数の偏向手段が前記変形手段(106)によって変形可能であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置(100)。
【請求項8】
前記スクリーン表面は、前記偏向手段が空気流調整手段によって選択された状態を恒久的に、独立して具現化されるように形成される、又は、
前記偏向手段(104)が可逆的に又は不可逆的に前記スクリーン表面に接続され、前記偏向手段(104)が少なくとも人が見える光、具体的には、380nmと780nmとの間の波長の光に対して透明である、請求項1に記載の表示装置(100)。
【請求項9】
少なくとも、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の表示装置(100)を含むダッシュボード(201)。
【請求項10】
少なくとも、請求項9に記載のダッシュボード、又は請求項1乃至8のいずれか一項に記載の表示装置(100)を含む車両(200)。
【請求項11】
少なくとも、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の表示装置(100)を設け、又は請求項9に記載のダッシュボード(201)を設け、又は請求項10に記載の車両(200)を設ける工程と、
前記空気伝導手段(102)によって空気を伝導する工程と、
偏向手段(104)が前記伝導された空気の少なくとも一部を偏向する工程と、を含む空気偏向方法。
【請求項12】
前記スクリーン表面の複数の部分の一つに前記空気を吹き出すように前記空気伝導手段(102)を制御し、
前記変形手段(106)が、前記空気の流路の中で、少なくとも一つの偏向手段(104)を変形し、又は
前記変形手段(106)が、少なくとも一つの偏向手段(104)を変形し、
前記変形手段(106)によって形成された前記偏向手段(104)に前記空気を吹き出すように、前記空気伝導手段(102)を制御することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
タッチスクリーンによって入力される命令に応じて、1つ以上の前記偏向手段(104)の前記変形、及び/又は前記形状、及び/又は前記位置を引き起こすことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記空気の流路に複数の偏向手段(104)を形成し、
前記偏向手段(104)は異なって形成され、具体的には、第1の偏向手段の後ろの、前記空気の流れる方向に形成される第2の偏向手段は、前記第1の偏向手段より高く延伸することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の表示装置、請求項11に記載のダッシュボード、請求項11に記載の車両、及び請求項13に記載の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両における換気システムは、ユーザーの必要に応じて、車両の内部の空間を加温することや、冷却することが必要とされている。ますます多くの車両がダッシュボードの中央に情報を表示するためのスクリーンを搭載するため、そのようなスクリーンによって換気システムのための空間は塞がれる。そのため、もはや十分な換気ができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、特に、制限された空間を有する領域において、空気の換気を強化するための表示装置、ダッシュボード、車両、及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、請求項1に記載の表示装置によって解決される。本発明の表示装置は、少なくとも、視覚情報を表示するスクリーンと、ソースからスクリーンに空気を伝導するための空気伝導手段と、を含むことが好ましい。
【0005】
伝導手段は、スクリーン表面に沿って、少なくとも部分的に空気を吹き出す構成であることが好ましい。本発明によれば、少なくとも一つの偏向手段が生成され、配置され、供給され、引き起こされ、又は形成され、前記偏向手段は、スクリーンに沿って、少なくとも部分的に吹き出された空気の一部を偏向する偏向面を有する。
【0006】
人、具体的には、ユーザーに情報を視覚化するため用いられる領域において、空気流をそれぞれ偏向するので、この解決策は有益である。さらに、空気流がスクリーン表面から埃又は埃同様の粒子を除去するので、表示装置の全体的な外観が改善される。
【0007】
有利な実施形態は、任意の請求項及び/又は以下の明細書の部分に応じて構成されてもよい。
【0008】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、スクリーンの一部が偏向状態と非偏向状態とを切り替えるために、スクリーン表面の一部の下方に変形手段が配置され、前記変形手段によって引き起こされるスクリーン表面の変形によって前記偏向手段を形成することが可能であり、偏向状態において、少なくともスクリーン表面の一部が突出する偏向面を有する偏向手段として変形し、非偏向状態において、スクリーン表面の変形は小さく、具体的には、スクリーンの前記一部は偏向状態と比較して平らである。少なくともスクリーンサイズの10%、又はスクリーンサイズの20%、又はスクリーンサイズの30%、又はスクリーンサイズの40%、又はスクリーンサイズの50%、又はスクリーンサイズの60%、又はスクリーンサイズの70%、又はスクリーンサイズの80%、又はスクリーンサイズの90%、又はスクリーンサイズの95%、又はスクリーンサイズの10%、又はスクリーンサイズの99%を有するスクリーン表面部において、スクリーンの形状、偏向手段が引き起こされるように変形手段を設計することができる。
【0009】
さらに好ましい実施形態によれば、空気流パラメータ、具体的には、風速、風向及び/又は気流温度を調整するための空気流調整手段が設けられる。変形手段は、調整に対応する信号に応じて、偏向手段の大きさ及び/又は形状及び/又は位置を形成することが好ましい。あるいは、空気流調整手段によって実行された調整と独立して、偏向手段の大きさ及び/又は形状及び/又は位置を設定し、又は変更するための偏向調整手段によって、変形手段が駆動可能であることが好ましい。ユーザーの快適性を異なる方法で向上することができるので、この実施形態は有益である。
【0010】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、空気流調整手段又は偏向調整手段によって偏向手段の数を設定し、又は変更することができる。異なる数の偏向手段であるため、この実施形態は有益である。追加的に又は代替的に、変形手段は、少なくとも1つのマイクロ流体を含み、マイクロ流体は、具体的には、
ポンプユニットを用いて、少なくとも2つの異なる位置の間を移動することができ、前記位置間の前記マイクロ流体の移動は、少なくとも1つの偏向手段における偏向状態と非偏向状態と変化を引き起こす。
【0011】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、スクリーンはタッチスクリーンであり、空気流調整手段は、タッチスクリーン上の画定された領域として少なくとも視覚的に表示可能であり、タッチスクリーンを介した命令を入力することによって調整を行うことができ、及び/又は偏向調整手段は、タッチスクリーン上の画定された領域として少なくとも視覚的に表示可能であり、タッチスクリーンを介した命令を入力することによって調整を行うことができる。ユーザーが情報を見て視覚化された情報に関する命令を入力することができるため、この実施形態は有益である。前記スクリーンはタッチスクリーンであってもよく、又は非タッチスクリーンであってもよい。
【0012】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、伝導手段は、非偏向状態におけるスクリーン表面に対して30°未満、具体的には、15°、又は10°又は5°未満もしくは平行に、空気流を吹き出す。スクリーン表面に対して小さな角度で流れる空気流を偏向手段によって変更することができ、その結果、ユーザーの好みに応じて個別の換気方式を設定することができるため、この実施形態は有益である。制御装置を設けることもできる。制御装置は、換気方式を保存することが好ましく、一度保存された換気方式は保存データに基づいて設定することができる。ユーザーの属性(例えば、年齢及び/又は性別及び/又は身長)及び/又は周囲の条件(温度及び/又は湿度及び/又は気圧)のように、特定なユーザーに関して、もしくは定義された特性に関して、換気方式を保存することもできる。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、伝導手段は、少なくともスクリーン表面に隣接する出口のようなスリット又は管を形成し、スクリーン表面は表示装置の前面側を定義し、及び/又は伝導手段は入口も形成し、入口部は表示装置の背面側、具体的には、表示装置の背面側に隣接して配置され、空気が、入口と出口を介して表示装置の背面側から表示装置の前面側に伝導手段によって伝導可能であることが好ましい。伝導手段の出口は、好ましくは、変形手段の最大の高さと同じ高さを有する。あるいは、出口の高さは、10%、又は20%、又は30%、又は40%、又は50%よりも高く、偏向手段の最大の高さよりも小さいことも可能である。好ましくは、複数の偏向手段が設けられ、又は形成可能である。複数の偏向手段の場合、全ての偏向手段は同じ最大高さに偏向されることが好ましい。複数の偏向手段が異なる高さで偏向される場合には、平均最大高さを計算し、伝導手段の出口が、好ましくは、変形手段の平均最大高さと同じ高さを有する。あるいは、出口の高さが、10%、又は20%、又は30%、又は40%、又は50%よりも高く、偏向手段の平均最大高さよりも小さいことも可能である。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、スクリーン表面の外部領域に、複数の出口を配置し、対応する偏向手段の数は、変形手段によって形成可能である。複合送風、スクリーンの前面側の隣接する空間の複数の部分への送風を行うことができるため、この発明は有益である。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、偏向手段が空気流調整手段によって選択された状態を恒久的に、独立して具現化されるように、又は偏向手段が可逆的に又は不可逆的にスクリーン表面に接続されるように、及び/又は偏向手段が少なくとも人が見える光、具体的には、380nmと780nmとの間の波長の光に対して透明であるように、スクリーン表面を形成する。いかなる変形手段を設ける必要がなく、スクリーン表面に沿って吹き出された空気を偏向するようにスクリーンを変更することができるため、この発明は有益である。いかなる変形手段を設ける必要がないため、スクリーン全体が薄く、複雑ではなく、また、安価である。
【0016】
また、本発明は、少なくとも請求項のいずれかに記載の表示装置を含むダッシュボードに関する。そのため、本発明は、好ましくは車のダッシュボードの換気口の配置に関する。空気はスクリーンのフレームから吹き出されることが好ましく、前記スクリーンは車のインフォテインメントシステムに属することが好ましく、空気が伝導されることが好ましく、具体的には、スクリーンの表面に対して最も好適には平行に吹き出されることが好ましい。スクリーン上には、好ましくは、マイクロ流体コーティング又はガラスが用いられ、変形手段として機能することが好ましい。空気流の方向を変えるために、マイクロ流体の表面はエネルギーを与えられ、具体的には、透明である1つ以上のバンプが形成され、それが偏向手段として機能している。偏向手段のバンプの角度及びサイズのそれぞれは制御装置によって制御された電子調整システムによって決定されることが好ましく、運転手及び/又は乗客を流れる空気流は、偏向手段のバンプの大きさ及び形状並びに空気流の速度に応じて調整される。換気口は車のエアコン及び換気において最も重要な部品である。一般的に、換気口は車のダッシュボード(計器盤)の左/右及び中央に配置される。7インチ又は10インチまでのインフォテインメントスクリーンであれば、換気口を中央に配置することは複雑ではない。小さなインフォテインメントスクリーンであれば、多くの可能な配置を行うことができる。しかし、最近の車載インフォテインメントシステムやコンピュータはダッシュボードに17インチまでの非常に大きなスクリーンを持つ。そのため、非常に大きなスクリーンを持つ場合における換気口の配置は重要な問題となる。従来技術では、同様の特徴を持つ隠れた換気法を与えるような解決策は先行技術には存在しない。それゆえ、スクリーンが空気流を再吹き出し、偏向するために用いられ、スクリーンが換気口の不可欠な部分として機能するので、本発明は有益である。本発明によれば、表示装置は、ダッシュボードの中央内部のインフォテインメントスクリーンの位置とは異なる位置に表示装置を設け、配置することができ、また、車内の任意の位置に新規システムを配置することもできる。
【0017】
また、本願発明は、少なくとも請求項10に記載のダッシュボード、又は請求項1から9のいずれかに記載の表示装置を含む乗物、具体的には、車両、鉄道、船舶、飛行機に関する。
【0018】
また、表示装置は、加温装置及び/又は空調装置としても機能し、又は制御し、空気流は冷却され又は加温された空気からなるものであってもよいことが理解されなければならない。
【0019】
また、本発明は、空気を偏向する方法に関する。本発明の方法は、少なくとも、請求項1から9までのいずれかに記載の表示装置を設け、又は請求項9に記載のダッシュボードを設け、又は請求項10に記載の車両を設ける工程と、伝導手段によって空気を伝導させる工程と、偏向手段が伝導された空気の少なくとも一部を偏向する工程と、を含むことが好ましい。
【0020】
さらに好ましい本発明の実施形態によれば、スクリーン表面の複数の区画の一つに空気を吹き出す伝導手段を制御することが実施できる工程と、空気の流路の中で、変形手段が少なくとも一つの偏向手段を変形することが行われる工程と、を含む。空気流の事前調整に応じて偏向手段を設けることが好ましいため、これらのステップは有益である。あるいは、変形手段によって形成される偏向手段に伝導手段を制御して空気を吹き出すために、変形手段は少なくとも一つの偏向手段を形成することを引き起こす。偏向手段の形成は、偏向手段のパラメータをもって空気流の調整となるので、この工程もまた有益である。そのようなパラメータは、例えば、偏向手段の位置及び/又は形状及び/又は高さとすることができる。
【0021】
タッチスクリーンによって入力された命令に応じて、1つ以上の偏向手段の形成、及び/又は形状、及び/又は位置を引き起こす工程は、本発明のさらに好ましい工程である。タッチスクリーンは多くの人に知られている幅広く普及している装置であり、この工程は装置の使用を容易にするので、この工程は有益である。
【0022】
空気の流路に複数の偏向手段を形成することは、本発明のさらに好ましい工程であり、複数の偏向手段は異なって形成されることが好ましく、具体的には、第1の偏向手段の後ろの、空気流の方向に形成される第2の偏向手段は、第1の偏向手段より高く延伸する。個々の偏向手段の位置、及び/又は高さ、及び/又は形状によって多数の換気方式を設定できるため、この工程は有益である。
【0023】
本発明は、さらに、本明細書に記載される方法の1つ以上を実行するためのコンピュータプログラム製品、又はプログラムコード、又はシステムに関する。
【0024】
本発明のさらなる利点、目的、及び特徴は、以下の明細書の記載、及び本発明の例示的構成が開示される明細書に添付した図面によって説明される。少なくとも実質的に機能に関して一致する本発明の装置及び方法の構成は、同一の参照符号で記すことができ、そのような構成を全ての図面で記し、又は説明する必要はない。
【0025】
以下において、本発明は、添付の図面について例示的に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】車両のダッシュボードにおける本発明の実施例を示す。
【
図3】本発明の構成を配置するための一例の概略側面図を示す。
【
図4a】使用状態にある本発明のさらなる概略例の上面図を示す。
【
図4b】使用状態にある本発明のさらなる概略例のさらなる上面図を示す。
【
図5】本発明の効果を変化させる可能性を概略的に示す。
【
図8】空気流を停止し、又はシステムを切り替える場合において、スクリーン表面の好ましい構成を示す。
【
図9】特定の使用状況におけるスクリーンを概略的に示す。
【
図10】特定の使用状況における本発明の表示装置の断面図を概略的に示す。
【
図11】本発明に係る表示装置の一例の上面図を示す。
【
図12】要求に応じて生成され得る偏向手段を持つスクリーンデザインの状態を示す。
【
図13】
図12と比較してより大きな偏向手段を有するさらなるスクリーンデザインの状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、表示装置100を示す。表示装置100は、スクリーン、特に、インフォテインメントスクリーン105及び空気伝導手段102を含む。気流伝導手段102により、空気は、ソース又は第1の場所からフレーム及び/又は管のような構成(伝導手段)を通ってスクリーン105の前面に伝導される。好ましくは、一つ以上のパラメータ、具体的には、速度、スループット、及び/又は温度、及び/又は出口領域によって、空気流を調整することができる。調整は、好ましくは、ソースによって、又はソースを利用して行われることが好ましい。さらに、
図1は、複数の偏向手段104a、104b、104cを示す。偏向手段104は、所望の数、及び/又は大きさ、及び/又は位置で配置することができる。そのため、
図1に示した構成に代えて、3つより多い又は少ない偏向手段104を設けることができる。伝導手段は、スクリーン表面に沿って空気を伝導するための1つ又は多数の出力を有することが好ましい。各開口部は、好ましくは、僅か数ミリメートルのサイズを有する。具体的には、開口部の大きさは偏向手段104の最大の大きさ/高さと対応する。好ましい実施形態によれば、開口部の大きさ/高さは偏向手段104の最大の大きさより低い。開口部は高架フレーム102によって配置されることが好ましい。コクピットの参照番号101によれば、偏向手段104はスクリーンに沿って流れる空気を偏向している。偏向手段104は、
図12、
図13及び
図14に示すバンブ(bumbs)のように設計することができる。変形手段は、スクリーンの複数の表面部分を偏向する構成であるので、一度に及び/又は一列に、複数の「パターン」(1つ又は複数の偏向手段の特定の配置)を設定することができる。
【0028】
図2は、車両200の一部を示す。車両200のダッシュボード201は、好ましくは7インチ、又は10インチ、又は13インチ、又は15インチより大きいスクリーン105を含む。スクリーン105は、1つ、又は1つよりも多く、具体的には、2つ、3つ、又は4つのフレーム部分102の間に配列されることが好ましい。空気吹出口が画定された領域の中にのみに設けられ、例えば、スクリーンの特定領域の中にのみ送風できるように、フレーム102を構成することができる。好ましくは、フレーム102は、スクリーンのほとんどの表面部分に空気を吹き出すための、具体的には、表面部分の50%より大きく、又は75%よりも大きく、又は90%よりも大きく、99%よりも大きい部分に空気を吹き出すための複数の吹出口を含む。このような場合には、選択された又は設定された送風と一致する部分のみが送風されるように、伝導手段を調整することができる。
図2は、さらに、フレーム102までの異なる距離を有する位置に配置された偏向手段104を示す。そのため、この状況では、偏向手段の上部が運転手又は交替運転手の頭に近い経路上に空気を偏向し、偏向手段の下部が運転手又は交替運転手の頭からより離れた経路上に空気を偏向し、それぞれは車の中心に近い。本発明によれば、好ましくは、任意の組合せ又は偏向手段の任意の数の配置を生成することができる。
【0029】
図3は、スクリーンの概略側面図であり、伝導手段及びフレームエレメント102のそれぞれを示す。フレームエレメント102は複数の開口103、具体的には、好ましくは円形又はスリットのような形状の分配された穴を備える。それぞれの開口は、流れるように空気源と連結されることが好ましい。好ましくは、1つ又は複数の開口103を通る空気流を選択的に有効又は無効にするためのバルブを設ける。バルブは、一つ、具体的には特定の一つ、又は複数、具体的には特定の複数の開口を通る空気流を減少するように構成されていてもよい。
図3は、さらに空気の流路の中に、又は下方に、又は部分的に中に、偏向手段を配置し、又は生成することができる。
【0030】
図4aは、
図2で示したものと同様の表示装置100を示す。参照番号401は、ユーザーが現在又は将来の設定についての情報を取得できるように、スクリーンによって可視化することができる領域を示す。さらに、スクリーンがタッチスクリーンである場合には、前記領域は、命令を挿入するために、具体的には、温度及び/又は空気流速及び/又は空気流方向のような送風パラメータを調整するために用いることができる。領域401は、あらゆる所望の形状及び大きさに生成することができる。さらに、領域の位置は任意に選択できることが好ましい。
【0031】
図4bは、偏向手段104を、参照番号104eによる設定で配置することができることを示す。そのため、複数の偏向手段104は、それぞれ横に又は後方に、具体的には、一列に並んで配置することができる。そのような配置(104eのような)において、個々の偏向手段104の形状又は大きさは異なることができ、偏向手段の大きさは、個々の偏向手段104がスクリーン105の中心に近づくにつれて大きくなることが好ましい。
【0032】
図5は、フレーム及び開口502のそれぞれの大きさは、様々な使用状況に応じて異なっていてもよく、又は同一であってもよい。また、導管は、それぞれの使用状況に対しての大きさとすることができる。同様の点は、変形手段に適用するので、個々の又は全ての偏向手段の幅及び/又は高さを、設定し、又は調整することができる。そのため、
図5は例示的で、最も可能性のある一般的な調整を示すが、これに限定されない。他のあらゆる調整も、本発明の技術的範囲内にある。
【0033】
図6は、別の形状及び別の数の偏向手段601、それぞれの偏向器601を示す。典型的な場合として、鋸刃形状及び4つの偏向器が与えられる。しかし、あらゆる他の数の偏向器が可能である。
図6の偏向手段601はマイクロ流体要素によって生成され、又は全体として又は個別にスクリーン表面に付着させることができる。
【0034】
図7は、固定された偏向手段、具体的には、プレキシガラスのようなプラスチック又はガラスで作られ、スクリーンに付着され又は付着可能である透明偏向バンプによる実施形態を示す。調整の面での複雑さを軽減し、かつ、スクリーンデザインの複雑さを軽減することによってコストが安くなるので、この実施形態は有益である。
【0035】
図8は、車のAC又は換気がオフであるときに、送風又は表示装置がそれぞれオフとなり、停止している好ましいケースを示す。その場合、偏向手段は、何も表示されないことが好ましい。偏向手段は、具体的には、マイクロ流体バンプであり、平坦であることが好ましい。
【0036】
図9は、本発明の表示装置100のさらなる例を示す。しかし、偏向手段、具体的には、マイクロ流体バンプは、ほとんどが又は完全に透明であることが好ましいが、完全に不可視ではなく、スクリーン上の画像を適度に乱していてもよい。また、それらは静電容量式タッチに完全に適していることが好ましいが、タッチスクリーンの使用中にユーザーを困らせることができる。
【0037】
図10は、偏向手段1001が、好ましくはスクリーン表面に取り付けられた配置を示す。偏向手段1001は、長手方向の物体として形成されることが好ましい。偏向手段1001は、フレーム102又は伝導手段に沿って、隣接して延伸することが好ましい。偏向手段1001は、フレーム102に平行に延伸することが好ましい。偏向手段1001は、透明材料で作られることが好ましい。偏向手段は、スクリーンの中心までよりもフレームに近く配置されることが好ましい。偏向手段の中心は、フレーム102から50mm未満、又は40mm未満、又は30mm未満、又は20mm未満、又は15mm未満離れて配置されることが好ましい。
【0038】
図11は、スクリーンが1つ以上の偏向手段1001a及び1001bが搭載されることができることを示す。偏向手段1001a及び1001bの両方は、
図10で説明した偏向手段1001の特性を有していてもよい。
【0039】
図12及び13は、人工の配置の状態を示し、本発明のより良い理解のために役立つ。
【0040】
したがって、さらに好ましい実施形態において、制御装置及びシステムのそれぞれは、偏向手段、具体的には、偏向バンプの位置から離れて重要な制御要素及び重要な情報を変更する。偏向手段の場合、その手段は、命令を挿入するための機能的な部分として用いられ、及び/又は制御装置が偏向装置と機能う部分が同じ位置であることを制御装置が検出する表示情報に用いられる位置に配置される。制御部は、機能的部分をスクリーンの偏向装置を有しない他の部分に再配置する。
【0041】
したがって、本発明は、新規な表示装置に関する。表示装置は、少なくとも視認情報を表示するためのスクリーン、及びソースからスクリーンまで空気を伝達するための空気伝導手段を含み、伝導手段は、スクリーンに沿って少なくとも部分的に空気を吹き出す構成とすることが好ましい。表示装置は、少なくとも、スクリーンに沿って少なくとも部分的に吹き出された空気の一部を偏向するための偏向面を有することを特徴とする。
【0042】
したがって、本発明は、表示装置及び空気換気法、具体的には、隠れた空気換気法に関連する。車内のインフォテインメントシステムのフレームは、スクリーン上で、数ミリメートル、具体的には、少なくとも1mm以下、又は少なくとも2mm以下、又は少なくとも3mm以下、又は少なくとも4mm以下、又は少なくとも5mm以下、又は少なくとも6mm以下、又は少なくとも7mm以下、又は少なくとも8mm以下、又は少なくとも9mm以下、又は少なくとも10mm以下に持ち上げられることが好ましい。空気は、スクリーンの表面に、具体的には、小さな角度で又は平行に、整列して送風されることが好ましい。好ましくは、空気流の方向を変更するために、スクリーン表面の上及び下方に、具体的には、偏向手段を形成する透明マイクロ流体が用いられる。換気がオフの時に、偏向手段、具体的には、マイクロ流体バンプが消失し、又はその大きさを減少させることが好ましい。空気が流れ始める時、又は制御装置によって又はユーザーによって入力された特定の命令に応じて、偏向手段、具体的には、マイクロ流体バンプが現れることが好ましい。偏向手段の大きさ(高さ及び/又は幅)及び/又は位置及び/又は形状は、具体的には、自動で又は手動で、特に、タッチスクリーンとの相互作用によって調整可能であることが好ましい。偏向手段の大きさ(高さ及び/又は幅)及び/又は位置及び/又は形状によって、空気流方向が調整可能である。偏向手段、具体的には、マイクロ流体偏向バンプは、直接それを見た時に、ほとんど不可視(ほとんど透明)であることが好ましい。制御方法はさまざまであるが、偏向手段、具体的には、マイクロ流体偏向バンプは、電気的に制御されることが好ましい。偏向は、高さを固定する又は調整可能なあらゆる透明材料を用いることができる。
【0043】
このような方法によって、例えば、特に大きな車載インフォテインメントスクリーン向けに隠れた換気を設けることができるが、これに限定されない。
【符号の説明】
【0044】
100:表示装置、 101:コクピットへの空気、 102:高架フレーム、 103:フレーム内側に向けられた空気流、 104:マイクロ流体透明偏向バンプ、 104a:第1偏向バンプ、 104b:第2偏向バンプ、 104c:第N偏向バンプ、 104d:偏向器の上面図、 105:インフォテインメントスクリーン、 106:偏向手段、 200:車両、 201:ダッシュボード又はダッシュ、 202:コクピット、 401:タッチスクリーン上で空気通気(AC)が可能、 501:空気管の調整、 502:フレーム大きさの調整、 503:バンプ高さの調整、 504:バンプ幅の調整、 601:別の形状(鋸刃)と別の数の偏向器、 901:不可欠なタッチ制御、 1001a及びb:スクリーンに沿ったマイクロ流体偏向バンプ