【文献】
Pantech,Considerations on Scheduler Architecture for dual connectivity,3GPP TSG-RAN WG2#81bis R2-131095,2013年04月05日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2基地局のトリガ遮断PHRタイマー値が満了し前記第2基地局と関連付けられた経路損失変化が前記第2しきい値を超過した場合、前記PHRを前記第2基地局に伝送するステップをさらに含み、
前記第1基地局は第1MAC(medium access control)エンティティと関連付けられ、前記第2基地局は第2MACエンティティと関連付けられる請求項1に記載の方法。
前記第1基地局の周期的遮断PHRタイマー値が満了した場合、前記PHRを前記第1基地局に伝送するステップと、前記第2基地局の周期的遮断PHRタイマー値が満了した場合、前記PHRを前記第2基地局に伝送するステップと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付された図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明を説明するに当たって、関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にする可能性があると判断された場合、その詳細な説明は省略する。また、後述される用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これはユーザ、運用者の意図または慣例などによって異なることがある。したがって、その定義は本明細書全般にわたる内容に基づいて行われるべきである。
【0023】
下記の説明及び特許請求の範囲で使用される用語及び単語は書誌的な意味に限定されず、むしろ発明の明瞭かつ一貫した理解を可能にするためだけに発明者によって使用される。したがって、本発明の様々な実施形態に対する以下の説明は請求項及びそれらの等価物によって定義された本発明を制限する目的でなく、単なる例示の目的で提示されたものであることは当業者に明白である。
【0024】
単数形の表示は文脈上明確に表示されない限り複数の指示物を含むことが理解できる。したがって、例えば、「コンポーネント表面」に対する言及はその表面の中の1つ以上のものに対する言及を含む。
【0025】
以下、本発明の様々な実施形態では、1つの端末が複数の基地局に対する複数のリンクを同時に使用する場合、アップリンク伝送電力を效率的に利用するための方法を提案する。
【0026】
以下、本明細書は一部の実施形態を様々な図面を介して詳しく説明する。各図面の構成要素に符号を付する にあたって、互いに異なる図面上に表示されても同じ構成要素に対してはなるべく同じ符号を有するようにしていることに留意すべきである。また、本明細書の実施形態を説明するにあたって、関連した公知構成又は機能についての具体的な説明が本明細書の要旨を不明確にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0027】
また、本明細書の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用する場合がある。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質がシーケンス又は順序(order)などに限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結または接続されることができるが、各構成要素の間にさらに別の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されることもできると理解されるべきである。
【0028】
また、本明細書は、無線通信ネットワークを対象に説明し、無線通信ネットワークで行われる作業は該当無線通信ネットワークを管轄するシステム(例えば、基地局)でネットワークを制御しデータを送信する過程で行われることもでき、該当無線ネットワークに結合した端末で作業が行われることもできる。
【0029】
本発明の実施形態による無線通信システムは、複数の基地局(Base Station、BS)を含む。各基地局は、特定の地理的領域(一般に、セル(cell)と称する)に対して通信サービスを提供する。セルは、さらに複数の領域(又はセクタと称する)に分かれることができる。
【0030】
端末(mobile station、MS)は、固定される場合も移動性を有する場合もあり、UE(User Equipment)、MT(mobile terminal)、UT(user terminal)、SS(subscriber station)、無線デバイス(wireless device)、PDA(personal digital assistant)、無線モデム(wireless modem)、携帯機器(handheld device)等の他の用語で呼ばれる場合もある。
【0031】
基地局は、一般に端末と通信する固定された地点(fixed station)を意味し、eNB(evolved−NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)等の他の用語で呼ばれる場合もある。セルは、基地局がカバーする一部の領域を示す包括的な意味で解釈されるべきであって、メガセル、マクロセル、マイクロセル、ピコセル、フェムトセルなどのような様々なカバレッジ領域をすべて包括する意味である。
【0032】
以下、ダウンリンク(downlink)という用語は、基地局から端末への通信を意味し、アップリンク(uplink)という用語は、端末から基地局への通信を意味する。ダウンリンクにおいて、送信機は基地局の一部である場合があり、受信機は端末の一部である場合がある。アップリンクにおいて、送信機は端末の一部である場合があり、受信機は基地局の一部である場合がある。
【0033】
図1は、本発明の実施形態によるマクロセルとスモールセルが共存する無線通信システムを示している。
【0034】
図1に示すように、本発明の実施形態では、互いに異なるセルサイズを有する複数の基地局が共存する無線通信システムを例に挙げて説明する。例えば、マクロセル100とスモールセル110が共存する無線通信システムを例に挙げて説明する。しかし、以下で説明される実施形態は同じセルサイズを有する複数の基地局を含む無線通信システムで、端末が複数の基地局に対する無線接続を同時にサポートする場合にも同じ方式で適用されることができる。
【0035】
また、以下、本発明の実施形態では、1つのユーザ端末120が2つの基地局に対する無線接続をサポートする場合、すなわち、デュアルコネクティビティ(dual connectivity)をサポートする場合を例に挙げて説明する。例えば、ユーザ端末120が1つのマクロセル100の基地局(以下、「マクロ基地局」と称する)と1つのスモールセル110の基地局(以下、「スモール基地局」と称する)に対して同時に無線リンクを形成する場合を例に挙げて説明する。しかし、以下、本発明は、複数のマクロ基地局に対する複数の無線リンクを形成する場合、複数のスモール基地局に対する複数の無線リンクを形成する場合、1つのマクロ基地局と複数のスモール基地局に対する複数の無線リンクを形成する場合、又は複数のマクロ基地局と1つのスモール基地局に対する複数の無線リンクを形成する場合にも同じ方式で適用され得る。ここで、端末120が複数の基地局に対する無線接続をサポートする状態又は複数の基地局に対する無線リンクを形成する状態とは、端末120が複数の基地局それぞれから制御チャネル及び/又はデータチャネルを介してサービスを受けられる状態を示すことができる。
【0036】
また、以下の説明では、ユーザ端末が接続中のマクロ基地局及びスモール基地局のうちマクロ基地局がマスター基地局として動作してシステム内の他のスモール基地局を制御する状況を仮定し、ユーザ端末がマスター基地局からパワーヘッドルーム報告に関連する制御情報を受信する場合を例に挙げて説明する。しかし、設計方式によってはスモール基地局の独立した制御で動作することもでき、この場合、ユーザ端末は、スモール基地局からパワーヘッドルーム報告に関連する制御情報を受信することもできる。
【0037】
一般に、無線通信技術を使用する端末の最大伝送電力は制限されている。無線通信技術を使用する端末はその最大使用電力が各国の政府規制などによって制限され、最大使用電力値は各国の規制によって異なるように設定されることができる。したがって、端末は制限された電力内でマクロ基地局及びスモール基地局と通信するために、端末がパワーヘッドルーム(Power headroom:PH)量を媒体アクセス制御(Medium Access Control:MAC)層の制御要素(Control Element)を介してサービング基地局に報告し、基地局は端末のパワーヘッドルーム量に基づいてアップリンクスケジューリングを行う。ここで、パワーヘッドルーム量は現在、端末がアップリンク伝送に使用する電力以外に追加的に使用可能な余分の電力を意味する。例えば、端末の最大伝送電力が200mWで、現在、端末が10MHzの周波数帯域で180mWの電力を使用する状況を仮定すると、端末のパワーヘッドルームは20mWになる。
【0038】
本発明の実施形態では、端末がマクロ基地局及びスモール基地局に無線リンクを形成しているので、マクロ基地局及びスモール基地局はいずれも端末のパワーヘッドルーム量に関する情報を必要とする。したがって、本発明の実施形態では、端末が無線接続中のマクロ基地局及びスモール基地局にパワーヘッドルーム量を報告する方法に対して説明する。
【0039】
図2Aは、本発明の一実施形態による無線通信システムにおける端末のパワーヘッドルーム情報を伝送する手順を示している。
【0040】
図2Aを参照すると、ユーザ端末(User Equipment:UE)120は、動作200にて、パワーヘッドルーム報告(Power headroom Report:PHR)イベントの発生を感知する。例えば、ユーザ端末120は、無線リンクが接続された2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティ(entity)によって経路損失(path loss)の変化、P−MPR(Maximum Power Reduction)、Scell追加及び電力バックオフの中の少なくとも1つを感知してパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントを感知できる。また、ユーザ端末120は、周期的タイマー、遮断タイマー又は経路損失値に基づいてパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したかを感知できる。ここで、周期的タイマーは、パワーヘッドルーム報告が周期的にトリガされることができるように制御するタイマーを意味し、遮断タイマーは、パワーヘッドルーム報告がトリガされないように制御するタイマーを意味する。周期的タイマーは新しい伝送のためのアップリンクリソースが現在伝送時間の間隔(Transmission Time interval、TTI)に割り当てられた場合、又は割り当てられたアップリンクリソースが論理チャネル優先順位の結果としてサブヘッダを含むPHR MAC制御要素を収容できる場合、又はパワーヘッドルーム報告がトリガされる場合に開始(又は駆動、start)又は再開(又は再駆動、restart)され得る。また、パワーヘッドルーム報告トリガのための周期的タイマー及び遮断タイマーは、各MACエンティティ(entity)が該当PHRを伝送する際に開始することができる。周期的タイマー及び遮断タイマーの値は、サブフレームの個数で表されることができる。例えば、周期的タイマーの値が10の場合、端末は10個のサブフレームごとにパワーヘッドルーム報告をトリガさせることができる。一方、遮断タイマーの値が10の場合、端末は10個のサブフレームの間にパワーヘッドルーム報告のトリガを遮断させることができ、この場合、10個のサブフレームが経過して遮断タイマーが満了すると、パワーヘッドルーム報告をトリガさせることができる機会を得ることができる。
【0041】
動作200にて、ユーザ端末120がパワーヘッドルーム報告イベントの発生を感知する場合を例に上げると、ユーザ端末120は、予め設定された周期的タイマー(periodic timer又はperiodic PHR timer)が満了した場合、パワーヘッドルーム報告イベントを感知できる。別の例として、ユーザ端末120は、マクロ基地局100に対して推定された経路損失値がしきい値以上変更された場合、パワーヘッドルーム報告イベントを感知できる。別の例として、ユーザ端末120は、無線リンクが接続された2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティによって経路損失(path loss)の変化、P−MPR(Maximum Power Reduction)、Scell Activation及び電力バックオフの中の少なくとも1つに基づいてパワーヘッドルーム報告イベントを感知できる。ここで、周期的タイマー、遮断タイマー及び経路損失に対するしきい値は、マクロ基地局100から下記表1に示すようなRRC(Radio Resource Control)メッセージを受信して獲得できる。また、経路損失値はマクロ基地局100から受信される基準シンボルの受信パワーに基づいて測定できる。他の実施形態によれば、周期的タイマー、遮断タイマー及び経路損失に対するしきい値は、スモール基地局110から下記表1に示すようなRRC(Radio Resource Control)メッセージを受信して獲得されることもでき、経路損失値は、スモール基地局110から受信される基準シンボルの受信パワーに基づいて測定されることもできる。
【0042】
ユーザ端末120は、パワーヘッドルームを推定し、動作210にて、マクロ基地局100に推定されたパワーヘッドルームを報告する。本明細書で、パワーヘッドルームはパワーヘッドルーム量を意味する場合がある。パワーヘッドルームP
PHは、ユーザ端末120に予め設定された最大伝送電力P
maxとアップリンク伝送に対して推定された電力P
estimatedの差値で定義されることができ、dBで表されることができる。実施形態によれば、ユーザ端末120は、dBで表される伝送電力量値を報告することもでき、伝送電力量をnビットで量子化して報告することもできる。例えば、パワーヘッドルームを−23dBから+40dBの範囲内に表すことができ、パワーヘッドルームを示すために6ビットが用いられる場合、6ビットを用いて2
6=64個のインデックスを示すことができるので、−23dBから+40dBを64ステップに区分して示すことができる。すなわち、パワーヘッドルームが−23dBより大きいまたは同じで−22dBより小さい場合は000001を報告し、パワーヘッドルームが−22dBより大きいまたは同じで−21dBより小さい場合は000010を報告し、パワーヘッドルームが−21dBより大きいまたは同じで−20dBより小さい場合は000011を報告し、…、パワーヘッドルームが40dBより大きいまたは同じ場合は111111を報告できる。ここで、周期的なパワーヘッドルーム報告トリガ又は再構成(reconfiguration)によるパワーヘッドルーム報告はそれぞれのMACエンティティから独立してへトリガを感知し、該当基地局にPHRを伝送できる。
【0043】
ユーザ端末120からパワーヘッドルーム報告を受けたマクロ基地局100は、ユーザ端末120がスモール基地局110に同時に接続中であることを確認し、動作220にて、スモール基地局110とユーザ端末120のパワーヘッドルーム情報を交換できる。この時、マクロ基地局100及びスモール基地局110は、X2インタフェースを介してパワーヘッドルーム情報を交換できる。スモール基地局110は、マクロ基地局100を介してユーザ端末120のパワーヘッドルーム情報を獲得し、得られたパワーヘッドルーム情報に基づいてユーザ端末120に対するアップリンクスケジューリングを行うことができる。
【0044】
図2Bは、本発明の一実施形態による無線通信システムにおける端末のパワーヘッドルーム情報を伝送する詳細な手順を示している。
【0045】
図2Bを参照すると、マクロ基地局100は、動作230にて、ユーザ端末120へのRRC構成メッセージ伝送イベントを感知し、動作232にて、MACエンティティ別情報を含むRRC構成メッセージをユーザ端末120に伝送できる。マクロ基地局100は、端末とのRRC接続設定(RRC connection setup)、RRC接続再構成(RRC connection reconfiguration)、又はRRC接続再設定(RRC connection reestablishment)のためにRRC構成メッセージを伝送すべき必要性を感知できる。マクロ基地局100は、基地局別PHR関連制御情報を含むRRC構成メッセージを伝送できる。ここで、基地局別PHR関連制御情報は、基地局別周期的タイマー、基地局別遮断タイマー、基地局別経路損失に対するしきい値などを含むことができる。例えば、マクロ基地局100は、マクロ基地局100に対する周期的タイマー、遮断タイマー、及び経路損失しきい値を含むRRC構成メッセージを伝送できる。別の例として、マクロ基地局100は、マクロ基地局及び複数のスモール基地局それぞれに対する周期的タイマー、遮断タイマー、及び経路損失しきい値を含むRRC構成メッセージを伝送することができる。ここで、マクロ基地局100がマクロ基地局100に対する周期的タイマー、遮断タイマー、及び経路損失に対するしきい値のみを含むRRC構成メッセージを伝送する場合、スモール基地局110−i乃至110−kに対する周期的タイマー、遮断タイマー、及び経路損失に対するしきい値は、スモール基地局それぞれでRRCメッセージを介して伝送されることもできる。本発明の実施形態によれば、図示していないが、ユーザ端末120は、マクロ基地局100及び少なくとも1つのスモール基地局110−i乃至110−kそれぞれに対して伝送リンクを形成した場合を仮定する。これにより、ユーザ端末100は、マクロ基地局100及びスモール基地局110−i乃至110−kそれぞれのRRCメッセージを介して該当基地局に対するPHR関連制御情報を受信することもできる。ここで、マクロ基地局のPHR関連制御情報及びスモール基地局のPHR関連制御情報は、互いに異なる場合もあり、同じ場合もある。
【0046】
ユーザ端末120は、動作234にて、伝送リンクが形成された複数の基地局のうち特定の基地局のMACエンティティに対する周期的タイマーが満了したか否かを感知し、パワーヘッドルーム報告(Power headroom Report:PHR)イベントの発生を感知する。ここでは、i番目のスモール基地局110−iに対応するMACエンティティに対する周期的タイマーが満了した場合を仮定する。ユーザ端末120は、周期的タイマーの満了によってパワーヘッドルーム報告イベントの発生を感知し、動作236にて、i番目のスモール基地局110−iにアップリンクリソース割り当てを要求するスケジューリング要求メッセージを伝送し、動作238にて、i番目のスモール基地局110−iからアップリンクリソース割り当て情報を含むUL grantメッセージを受信する。ユーザ端末120は、動作240にて、割り当てられたアップリンクリソースを用いてi番目のスモール基地局110−iにユーザ端末100のパワーヘッドルーム情報を含むパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送する。
【0047】
パワーヘッドルーム報告メッセージを伝送したユーザ端末100は、動作242にて、遮断タイマーをリセットする。例えば、ユーザ端末100は、i番目のスモール基地局110−iに対応するMACエンティティでパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送する時、i番目のスモール基地局110−iに対する遮断タイマーを初期化して再開する。
【0048】
以降、ユーザ端末100は、動作244にて、PHRトリガリングイベント条件によってPHRトリガイベントが発生したか否かを感知する。例えば、ユーザ端末120は、無線リンクが接続された複数の基地局のうち少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティ(entity)によって経路損失(path loss)の変化、P−MPR(Maximum Power Reduction)、Scell Activation及び電力バックオフの中の少なくとも1つを感知してパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントを感知できる。より詳細な例として、ユーザ端末120は、少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティ(entity)によって経路損失(path loss)の変化量がしきい量より大きい場合、PHRトリガリングイベントの発生を感知できる。経路損失値はMACエンティティ(entity)に対応する基地局から受信される基準シンボルの受信パワーに基づいて測定できる。別の例として、ユーザ端末120は、P−MPR(Maximum Power Reduction)変化量がしきい量より大きい場合、PHRトリガリングイベントの発生を感知できる。さらに別の例として、ユーザ端末120は、Scellがactivationされる場合、PHRトリガリングイベントの発生を感知できる。
【0049】
動作244にて、ユーザ端末120がパワーヘッドルーム報告イベントの発生を感知した場合、ユーザ端末は、動作246にて、遮断タイマーが満了したか否かを検査する。遮断タイマーが満了した場合、ユーザ端末120は、パワーヘッドルーム報告が可能な状況であると決定し、動作248にて、マクロ基地局100にアップリンクリソース割り当てを要求するスケジューリング要求メッセージを伝送し、動作250にて、マクロ基地局100からアップリンクリソース割り当て情報を含むUL grantメッセージを受信する。
【0050】
ユーザ端末120は、動作252にて、割り当てられたアップリンクリソースを用いてマクロ基地局100にユーザ端末100のパワーヘッドルーム情報を含むパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送する。この時、ユーザ端末120は、リンクが形成された複数の基地局それぞれに対するパワーヘッドルームを推定し、各基地局に関するパワーヘッドルーム情報を含むパワーヘッドルーム報告メッセージをマクロ基地局100に伝送できる。例えば、ユーザ端末120は、動作244のPHRトリガイベントがどの基地局によって感知されたかにかかわらず、パワーヘッドルーム報告メッセージをマクロ基地局100に伝送できる。また、ユーザ端末100は、動作254にて、パワーヘッドルーム報告を行った基地局に該当する遮断タイマーをリセットする。例えば、ユーザ端末100は、マクロ基地局100に対応するMACエンティティでパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送する際、マクロ基地局100に対する遮断タイマー及びパワーヘッドルーム報告を行う対象基地局に対する遮断タイマーを初期化して再開できる。
【0051】
ユーザ端末120からパワーヘッドルームを報告を受けたマクロ基地局100は、ユーザ端末120が少なくとも1つのスモール基地局110−i乃至110−kに同時に接続中であることを確認し、動作256にて、該当スモール基地局110−i,110−kにユーザ端末120のパワーヘッドルーム情報を伝送できる。この時、マクロ基地局100は、X2インタフェースを介してパワーヘッドルーム情報をスモール基地局110−i乃至110−kに伝送できる。
【0052】
上述の説明で、周期的タイマー満了及び他のPHRイベントトリガ条件によるPHRトリガイベント感知の順序は例示的なもので、PHRトリガイベント感知順序は変更され得る。例示的には、動作244のPHRトリガリングイベントが先に感知され、動作234の周期的タイマーによるPHRトリガリングイベントが後で感知される場合もある。さらに別の例として、動作244のPHRトリガリングイベントが感知されなかった場合、動作234の周期的タイマーによるPHRトリガリングイベントが繰り返して感知される場合もある。
【0053】
上記のように、特定の基地局が他の基地局に端末のパワーヘッドルーム情報を伝送する方式は、基地局間を接続するバックホールの種類によって最大60msecの遅延が発生する場合もあり、このような遅延時間の間にユーザ端末120のパワーヘッドルームは変更され得る。この場合、スモール基地局110−i乃至110−kはユーザ端末120のパワーヘッドルームが変更されることを直ちに認識することができず、以前のパワーヘッドルームを用いてアップリンクスケジューリングを行うようになり、これによってシステムの伝送エラー又は無線リソースの効率が劣化する問題点が発生する場合がある。
【0054】
したがって、本明細書では、別の実施形態として、ユーザ端末が接続された複数個の基地局のうち特定の基地局のアップリンクスケジューリングによってユーザ端末のパワーヘッドルームが変更される場合、ユーザ端末が変更されたパワーヘッドルームを特定の基地局及び他の基地局に報告する方式を提案する。
【0055】
図3Aは、本発明の他の実施形態による無線通信システムにおけるユーザ端末が無線接続中の複数の基地局にパワーヘッドルーム報告を行う信号の流れを示している。
【0056】
図3Aを参照すると、ユーザ端末(User Equipment:UE)300は、動作310にて、パワーヘッドルーム報告(Power headroom Report:PHR)イベントの発生を感知する。ユーザ端末300は、周期的タイマー、遮断タイマー、経路損失値、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値及びパワーヘッドルーム変更に対するタイマーに基づいてパワーヘッドルーム報告イベントが発生したかを感知できる。別の例として、ユーザ端末300は、無線リンクが接続された2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティ(entity)を介して経路損失(path loss)の変化、P−MPR(Maximum Power Reduction)、Scell Activation及び電力バックオフの中の少なくとも1つを感知してパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したことを感知できる。別の例として、ユーザ端末300は、2つの基地局それぞれに対応するMACエンティティを介して、各基地局に対する周期的パワーヘッドルーム報告又は再構成によるパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したことを感知できる。ここで、周期的タイマー、遮断タイマー及び経路損失値は、
図2A及び
図2Bで説明したとおりである。また、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値は、基地局のアップリンクスケジューリングによってユーザ端末のパワーヘッドルームが所定量以上変更される時、パワーヘッドルーム報告がトリガされることができるように制御する値を意味する。例えば、ユーザ端末のパワーヘッドルームが200mWの状態で、ユーザ端末が基地局のアップリンクスケジューリングによって200mWのパワーヘッドルームのうち70mWの伝送電力を使用する場合、パワーヘッドルーム量は70mWだけ減少するようになり130mWになる。この時、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値が20mWであれば、パワーヘッドルーム変更量70mWがしきい値20mWより大きいので、ユーザ端末はパワーヘッドルーム報告をトリガさせることができる。さらに別の例として、ユーザ端末のパワーヘッドルームが130mWの状態で、ユーザ端末が基地局のアップリンクスケジューリングによって130mWのパワーヘッドルームのうち10mWの伝送電力を追加的に使用する場合、パワーヘッドルーム量は10mWだけ減少するようになり120mWになる。この時、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値が20mWであれば、パワーヘッドルーム変更量10mWがしきい値20mWより小さいので、ユーザ端末はパワーヘッドルーム報告がトリガされないように制御できる。加えて、パワーヘッドルーム変更に対するタイマーは基地局のアップリンクスケジューリングによってユーザ端末のパワーヘッドルームが所定量以上変更される状況が所定時間以上維持される場合、パワーヘッドルーム報告がトリガされることができるように制御する値を意味する。例えば、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値が20mWでパワーヘッドルーム変更に対するタイマーが5の場合、ユーザ端末はパワーヘッドルームが基地局のアップリンクスケジューリングによって150mWから、150mWより20mW以上小さい値(すなわち、130mWより小さいまたは同じ値)に変更された後、5つのサブフレームの間にパワーヘッドルームが130mWより小さいまたは同じ値に維持された場合、パワーヘッドルーム報告をトリガさせることができる。別の例として、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値が20mWでパワーヘッドルーム変更に対するタイマーが5の場合、ユーザ端末はパワーヘッドルームが基地局のアップリンクスケジューリングによって150mWから、150mWより20mW以上小さい値(130mWより小さいまたは同じ値)に変更されたが、5つのサブフレームの間にパワーヘッドルームが130mWより小さいまたは同じ値に維持されなかった場合、パワーヘッドルーム報告をトリガさせないように制御できる。
【0057】
ここで、ユーザ端末は、周期的タイマー、遮断タイマー、経路損失に対するしきい値、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値及びパワーヘッドルーム変更に対するタイマーを下記表1に示すように、マクロ基地局100からRRC(Radio Resource Control)メッセージを介して受信することができる。下記表1に対する説明は
図2A及び
図2Bにも同様に適用され得る。
【0059】
ここで、PHR−Configは、RRCメッセージでPHRに関連する制御情報を含むフィールドを意味し、periodic PHR−Timerは、パワーヘッドルーム報告が周期的にトリガされることができるように制御する周期的タイマーを意味し、prohibit PHR−Timeは、パワーヘッドルーム報告がトリガされないように制御する時間区間を意味する。この時、prohibit PHR−Timeは、遮断タイマーの測定時間に設定されることができる。また、dl−PathlossChangeは、経路損失に対するしきい値を意味し、Ch_PH−Thresholdは、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値を意味し、Ch_PH−Timerは、パワーヘッドルーム変更に対するタイマーを意味する。別の例として、ユーザ端末は、周期的タイマー、遮断タイマー、経路損失に対するしきい値、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値及びパワーヘッドルーム変更に対するタイマーをスモール基地局304からRRC(Radio Resource Control)メッセージを介して受信することができる。例えば、パワーヘッドルーム報告トリガイベントを感知するために利用される各種パラメータは、マクロ基地局及びスモール基地局それぞれから受信されることができる。
【0060】
ユーザ端末300は、パワーヘッドルームを推定し、動作320にて、マクロ基地局304に推定されたパワーヘッドルームを報告する。この時、マクロ基地局304は、ユーザ端末300のパワーヘッドルーム情報に基づいてユーザ端末がサポート可能なアップリンク最大送信電力(Maximum Transmission power)を推定し、推定されたアップリンク最大送信電力から逸脱しない範囲内で伝送電力制御(Transmit Power Control:TPC)、変調及びコーディングレベル(Modulation and Coding Scheme:MCS)、及び帯域幅などのようなアップリンクスケジューリングを行うことができる。
【0061】
ユーザ端末300は、動作330にて、マクロ基地局304のアップリンクスケジューリングによって変更されるパワーヘッドルームを感知する。以降、ユーザ端末300は、動作340にて、パワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのパワーヘッドルーム報告イベントの発生を感知する。ここで、ユーザ端末300は、周期的タイマー、遮断タイマー、経路損失値、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値及びパワーヘッドルーム変更に対するタイマーに基づいてパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したかを感知できる。例えば、ユーザ端末300は、マクロ基地局304のスケジューリングによってパワーヘッドルームが変更される量がCh−PH−Thresholdより大きいまたは同じ場合、パワーヘッドルーム報告イベントの発生を感知してパワーヘッドルーム報告をトリガさせることができる。別の例として、ユーザ端末300は、マクロ基地局304のスケジューリングによってCh_PH−Timer以上の時間の間パワーヘッドルームの変更量がCh−PH−Thresholdより大きいまたは同じ値が維持される場合、パワーヘッドルーム報告イベントの発生を感知してパワーヘッドルーム報告をトリガさせることができる。ここで、ユーザ端末300は、マクロ基地局304のパワーヘッドルーム報告がトリガされた時点のパワーヘッドルームを計算し、計算されたパワーヘッドルームを示すパワーヘッドルーム報告メッセージを生成する。別の例として、ユーザ端末300は、Ch_PH−Timerに対応する時間の間のパワーヘッドルームに対する平均値を計算し、平均パワーヘッドルームを示すパワーヘッドルーム報告メッセージを生成できる。
【0062】
ユーザ端末300は、動作350にて、パワーヘッドルーム報告メッセージをスモール基地局302に伝送する。追加的には、ユーザ端末300は、動作360にて、マクロ基地局304にパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送することもできる。例えば、ユーザ端末300は、動作340にて生成されたパワーヘッドルーム報告メッセージをスモール基地局302及びマクロ基地局304の両方に伝送することもでき、スモール基地局302及びマクロ基地局304の中のいずれか1つにのみ伝送することもできる。
【0063】
図3Bは、本発明の他の実施形態による無線通信システムにおけるユーザ端末が無線接続中の複数の基地局にパワーヘッドルーム報告を行う詳細な信号の流れを示している。ここで、
図3Bの動作370乃至386の動作は、
図2Bの動作230乃至246と同じであるため、説明の便宜のためにこれに関連した説明は省略する。
【0064】
図3Bを参照すると、ユーザ端末300は、動作386の検査の結果、遮断タイマーが満了した場合、ユーザ端末300は、パワーヘッドルーム報告が可能な状況であると決定し、動作388にて、無線接続中の複数の基地局302−i乃至302−k,304それぞれにアップリンクリソース割り当てを要求するスケジューリング要求メッセージを伝送し、動作390にて、複数の基地局302−i乃至302−k,304それぞれからアップリンクリソース割り当て情報を含むUL grantメッセージを受信する。
ユーザ端末300は、動作392にて、複数の基地局302−i乃至302−k,304それぞれから割り当てられたアップリンクリソースを用いて複数の基地局302−i乃至302−k,304それぞれにユーザ端末300のパワーヘッドルーム情報を含むパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送する。この時、ユーザ端末300は、複数の基地局それぞれに対するパワーヘッドルームを推定し、各基地局別に該当基地局に関するパワーヘッドルーム情報を含むパワーヘッドルーム報告メッセージを生成して伝送できる。また、ユーザ端末300は、動作394にて、遮断タイマーをリセットする。例えば、ユーザ端末300は、MACエンティティでパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送する際、MACエンティティに対応する少なくとも1つの基地局に対する遮断タイマーを初期化して再開できる。
【0065】
図4Aは、本発明の他の実施形態による無線通信システムにおけるユーザ端末が無線接続中の複数の基地局にパワーヘッドルーム報告を行う動作手順を示している。
【0066】
図4Aを参照すると、ユーザ端末300は、動作401にて、RRCメッセージによる初期接続を行う。この時、ユーザ端末は、マクロ基地局304及びスモール基地局302それぞれに対して初期接続手順を行い、2つの基地局302,304に対する2つの伝送リンクを形成できる。この時、ユーザ端末300は、マクロ基地局及びスモール基地局それぞれのRRCメッセージを介して上記表1に示したような、PHR関連制御情報を受信することができる。ここで、マクロ基地局のPHR関連制御情報及びスモール基地局のPHR関連制御情報は、互いに異なる場合もあり、同じ場合もある。
【0067】
以降、ユーザ端末300は、動作403にて、周期的PHRイベントが発生したか否かを感知する。例えば、ユーザ端末300は、マクロ基地局及びスモール基地局の中の少なくとも1つのRRCメッセージからperiodic PHR−Timer及びprohibit PHR−Timeを確認し、周期的タイマー及び遮断タイマーを設定し、周期的タイマー及び遮断タイマーによるパワーヘッドルーム報告トリガ条件が満足するか否かを検査する。ここで、周期的タイマー及び遮断タイマーは、基地局別に異なる場合もあり、同じ場合もある。もし、周期的タイマー及び遮断タイマーが基地局別に異なる場合、ユーザ端末300は、マクロ基地局の周期的タイマー及び遮断タイマーによるパワーヘッドルーム報告トリガ条件を満足するか、スモール基地局の周期的タイマー及び遮断タイマーによるパワーヘッドルーム報告トリガ条件を満足するか否かを検査できる。周期的タイマー及び遮断タイマーは、それぞれのMACエンティティがパワーヘッドルーム報告を伝送する際に開始又は再開できる。
【0068】
周期的PHRイベントが発生した場合、ユーザ端末300は、動作405に進み、基地局304にパワーヘッドルーム報告を行う。例えば、周期的PHRイベントが発生した場合、ユーザ端末300は、周期的PHRイベントを発生させた基地局にパワーヘッドルーム報告を行う。さらに詳しくは、周期的PHRイベントがマクロ基地局の周期的タイマーによって発生した場合、ユーザ端末300は、マクロ基地局にパワーヘッドルーム報告を行い、周期的PHRイベントがスモール基地局の周期的タイマーによって発生した場合、ユーザ端末300は、スモール基地局にパワーヘッドルーム報告を行うことができる。
【0069】
以降、ユーザ端末300は、動作407にて、伝送リンクが形成された基地局のうち特定の基地局のアップリンクチャネル状況が変更されることを感知する。例えば、ユーザ端末は、マクロ基地局のアップリンクスケジューリングによってパワーヘッドルームが変更されたことを感知したり、スモール基地局のアップリンクスケジューリングによってパワーヘッドルームが変更されたことを感知できる。ここで、ユーザ端末300は、特定の基地局に対する経路損失(path loss)の変化、P−MPR、Scell Activation、電力バックオフの変更などによってパワーヘッドルームが変更されることを感知できる。
【0070】
以降、ユーザ端末300は、動作409にて、チャネル状況によるパワーヘッドルームの変更量がしきい値以上であるか否かを検査する。例えば、ユーザ端末300は、特定の基地局からのRRCメッセージを介して受信されたPHR関連制御情報からパワーヘッドルーム変更に対するしきい値を確認し、特定の基地局のアップリンクスケジューリングによるパワーヘッドルームの変更量(又は変更幅)がしきい値以上であるか否かを確認する。例えば、アップリンクスケジューリング以前の時点のパワーヘッドルームが150mWで、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値が20mWの場合、ユーザ端末は、パワーヘッドルームがマクロ基地局304のアップリンクスケジューリングによって150mWから、150mWより20mW以上小さい値(すなわち、130mWより小さいまたは同じ値)に変更されたか否かを確認する。追加的には、ユーザ端末300は、特定の基地局からのRRCメッセージを介して受信されたPHR関連制御情報からパワーヘッドルーム変更に対するタイマーを確認し、タイマーに対応する時間の間にパワーヘッドルームの変更量がしきい値以上を維持するか否かを確認することができる。例えば、アップリンクスケジューリング以前の時点のパワーヘッドルームが150mWで、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値が20mWで、パワーヘッドルーム変更に対するタイマーが5の場合、ユーザ端末は、パワーヘッドルームがスモール基地局302のアップリンクスケジューリングによって150mWから、150mWより20mW以上小さい値(すなわち、130mWより小さいまたは同じ値)に変更された後、5つのサブフレームの間にパワーヘッドルームが130mWより小さいまたは同じ値に維持されるを確認する。
【0071】
もし、パワーヘッドルームの変更量がしきい値以上でない場合、ユーザ端末300は、動作403に戻り、以下の動作を再度行う。例えば、アップリンクスケジューリング以前の時点のパワーヘッドルームが150mWで、パワーヘッドルーム変更に対するしきい値が20mWの場合、ユーザ端末は、パワーヘッドルームがマクロ基地局304のアップリンクスケジューリングによって150mWから、150mWより10mWだけ小さい140mWに変更された場合、パワーヘッドルーム変更量がしきい値以上でないと判断し、周期的PHRイベントが発生したか否かを確認する。
【0072】
一方、パワーヘッドルームの変更量がしきい値以上の場合、ユーザ端末300は、動作411に進み、変更されたパワーヘッドルームを示すパワーヘッドルーム報告メッセージを接続中のマクロ基地局304及びスモール基地局302の中の少なくとも1つに伝送する。例えば、アップリンクスケジューリング以前の時点のパワーヘッドルームが150mWで、マクロ基地局のパワーヘッドルーム変更に対するしきい値が20mWの場合、ユーザ端末は、パワーヘッドルームがマクロ基地局のアップリンクスケジューリングによって150mWから、150mWより20mW以上小さい値である110mWに変更された場合、変更された110mWを示すパワーヘッドルーム報告メッセージを生成してマクロ基地局及びスモール基地局302に伝送できる。別の例として、アップリンクスケジューリング以前の時点のパワーヘッドルームが200mWで、スモール基地局のパワーヘッドルーム変更に対するしきい値が10mWの場合、ユーザ端末は、パワーヘッドルームがスモール基地局のアップリンクスケジューリングによって200mWから、200mWより10mW以上小さい値である180mWに変更された場合、変更された180mWを示すパワーヘッドルーム報告メッセージを生成してマクロ基地局及びスモール基地局302に伝送できる。以降、ユーザ端末300は、動作403に戻り、以下の動作を再度行う。
【0073】
図4Bは、本発明の他の実施形態による無線通信システムにおけるユーザ端末からパワーヘッドルーム報告を受信する基地局の動作手順を示している。
【0074】
図4Bを参照すると、マクロ基地局304は、動作421にて、RRCメッセージを用いてユーザ端末300との初期接続を行う。この時、RRCメッセージは上記表1に示すような、PHR関連制御情報を含むことができる。
【0075】
以降、マクロ基地局304は、動作423にて、ユーザ端末300からパワーヘッドルーム報告メッセージを受信したか否かを検査する。パワーヘッドルーム報告メッセージが受信された時、マクロ基地局304は、動作425にて、該当ユーザ端末に対するアップリンクスケジューリングを行う。例えば、マクロ基地局304は、端末のパワーヘッドルーム情報に基づいて端末がサポート可能なアップリンク最大送信電力を推定し、推定されたアップリンク最大送信電力から逸脱しない範囲内で伝送電力制御(TPC)、変調及びコーディングレベル(MCS)、及び帯域幅などのようなアップリンク制御を行うことができる。
【0076】
以降、マクロ基地局304は、動作427にて、アップリンクスケジューリング情報をユーザ端末300に伝送し、動作423に戻り、以下の動作を再度行う。
【0077】
上記
図3、
図4A及び
図4Bの実施形態では、ユーザ端末がアップリンクスケジューリングによるパワーヘッドルーム変更量及び/又はパワーヘッドルーム変更量が満足される時間に基づいてパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したかを感知することについて説明した。しかし、様々な実施形態によれば、ユーザ端末は、2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティを介して経路損失(path loss)の変化、P−MPR(Maximum Power Reduction)、Scell Activation及び電力バックオフの中の少なくとも1つに基づいてパワーヘッドルーム報告トリガのためのイベントを感知できる。さらに別の実施形態によれば、ユーザ端末は、特定の基地局に対応するMACエンティティを介して、 該当基地局に対する周期的パワーヘッドルーム報告又は再構成によるパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが独立して発生することを感知することもできる。また、実施形態によれば、ユーザ端末は、複数の基地局の中の少なくとも1つによって感知されたパワーヘッドルーム報告トリガイベントに基づいて生成されたパワーヘッドルーム報告メッセージを該当基地局にのみ伝送したり、該当基地局と少なくとも1つの他の基地局に同時に伝送することができる。
【0078】
また、上記
図3、
図4A及び
図4Bのように、本発明の実施形態では、アップリンクスケジューリングによるパワーヘッドルーム変更量及び/又はパワーヘッドルーム変更量が満足される時間をパワーヘッドルーム報告トリガイベントの条件として用いることによって、特定の基地局の伝送電力の割り当てによるユーザ端末のパワーヘッドルーム変更状況を他の基地局に報告できる。しかし、このような方式は、ユーザ端末が接続された基地局のうちどの基地局に先にパワーヘッドルーム報告を行うかによってその結果が異なる場合がある。したがって、上述した実施形態は、全ての伝送リンクに対して最適の性能を得ることが難しい問題点がある。
【0079】
したがって、以下の実施形態では、全ての伝送リンクに対して最適の性能を得るために、端末の最大伝送電力を端末に接続中の複数の基地局それぞれに対して予め配分し、複数の基地局に対するチャネル状態及びアップリンクバッファのデータ量に基づいてそれぞれの基地局に配分された伝送電力を調節する方式について説明する。
【0080】
図5Aは、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおけるユーザ端末が無線接続中の複数の基地局に対して最大伝送電力を配分する例を示している。
【0081】
図5Aに示すように、本発明の実施形態では、ユーザ端末のアップリンク最大伝送電力P
max500を決定し、最大伝送電力500をスモール基地局に対する最大伝送電力P
s502とマクロ基地局に対する最大伝送電力P
m504に分割する。すなわち、スモール基地局に対する最大伝送電力502は、ユーザ端末が複数の基地局と伝送リンクを形成している状況で特定のスモール基地局に対する伝送リンクに利用可能な最大伝送電力を意味する。また、マクロ基地局に対する最大伝送電力504は、ユーザ端末が複数の基地局と伝送リンクを形成している状況で特定のマクロ基地局に対する伝送リンクに利用可能な最大伝送電力を意味する。
【0082】
スモール基地局に対する最大伝送電力P
s502とマクロ基地局に対する最大伝送電力P
m504は、接続中の複数の基地局それぞれに対するAMBR(Aggregated maximum bitrate)、経路損失(path loss)、アップリンクチャネル状態品質(Chaanel Quality)、帯域幅(bandwidth)、及び/又は重み因子(weight factor)のようなパラメータに基づいて配分されることができる。
【0083】
ユーザ端末のアップリンク最大伝送電力は、それぞれのパラメータに基づいて下記の方式で配分されることができる。
【0084】
1)AMBR(Aggregated maximum bitrate)
ユーザ端末は、各基地局に対するアップリンク伝送リンク別AMBRに基づいて、各伝送リンクに対する最大伝送電力を決定できる。この時、ユーザ端末は、AMBRの高い伝送リンクの基地局により多い最大伝送電力を配分することができる。すなわち、ユーザ端末は、伝送リンクのAMBR値に比例するように最大伝送電力を決定できる。例えば、ユーザ端末は、下記式1に表したように伝送電力を配分することができる。
【0086】
ここで、P
mは、マクロ基地局に対する最大伝送電力で、P
sは、スモール基地局に対する最大伝送電力で、AMBR
mは、マクロ基地局に対するAMBRで、AMBR
sは、スモール基地局に対するAMBRで、P
maxは、ユーザ端末のアップリンク最大伝送電力を意味する。例えば、ユーザ端末の最大伝送電力が200mWで、マクロ基地局に対する伝送リンクはVoIPトラフィックをサービスして頻繁なハンドオフにもQoSサービスが可能にし、スモール基地局に対する伝送リンクにはbest effortの容量が大きいファイルを伝送する状況で、マクロ基地局に対する伝送リンクのAMBRが1Mbpsでスモール基地局に対する伝送リンクのAMBRが4Mbpsと仮定すると、マクロ基地局に対する最大伝送電力は、40(=(1/(1+4))×200)に決定し、スモール基地局に対する最大伝送電力は、160(=(4/(1+4))×200)に決定できる。
【0087】
2)経路損失(path loss)又はチャネル状態品質情報
ユーザ端末は、各基地局に対するアップリンク伝送リンク別経路損失又はチャネル状態品質情報に基づいて、各伝送リンクに対する最大伝送電力を決定できる。一般に、無線通信システムでは、基地局の伝送領域が小さいほどユーザからの距離が近くチャネル環境が優れているので、これを反映してアップリンク最大伝送電力を配分する。ユーザ端末は、伝送リンクの経路損失値に反比例するように最大伝送電力を決定できる。
【0088】
3)帯域幅(bandwidth)
ユーザ端末は、各基地局の伝送リンクに使用されるスペクトル帯域幅(spectrum bandwidth)に基づいて、各伝送リンクに対する最大伝送電力を決定できる。ユーザ端末は、各基地局に対する伝送リンクの帯域幅に比例するように最大伝送電力を決定できる。例えば、マクロ基地局の伝送リンクに使用される帯域幅が10MHzで、スモール基地局の伝送リンクに使用される帯域幅が40MHzの場合、ユーザ端末の最大伝送電力200mWを10:40の比率である40mWと160mWにそれぞれ配分することができる。
【0089】
4)重み因子(weight factor)
ユーザ端末は、各基地局リソースの希少性及び/又は接続端末の数(又はネットワーク密度)などを考慮して各基地局の伝送リンクに対する重み因子を決定し、伝送リンク別重み因子に基づいて伝送リンク別最大伝送電力を決定できる。例えば、ユーザ端末は、各基地局のリソース利用時に発生するコストを考慮して重み因子を決定できる。別の例として、ユーザ端末は、各基地局別同時接続されたユーザ端末の数(ネットワーク密度)を考慮して重み因子を決定できる
【0090】
本発明の実施形態によれば、ユーザ端末は、上述したパラメータのうち2つ以上のパラメータを考慮して、各基地局に対して最大伝送電力を配分することができる。
【0091】
例えば、ユーザ端末は、下記式2に示すように、AMBRと重み因子を同時に反映して伝送電力を配分することができる。
【0093】
ここで、P
mは、マクロ基地局に対する最大伝送電力で、P
sは、スモール基地局に対する最大伝送電力で、AMBR
mは、マクロ基地局に対するAMBRで、AMBR
sは、スモール基地局に対するAMBRで、P
maxは、ユーザ端末のアップリンク最大伝送電力を意味する。また、w
mは、マクロ基地局の重み因子で、w
sは、スモール基地局の重み因子を意味する。一例として、ユーザ端末の最大伝送電力が200mWで、マクロ基地局に対する伝送リンクのAMBRが1Mbpsで、スモール基地局に対する伝送リンクのAMBRが4Mbpsで、マクロ基地局の重み因子w
mが1で、スモール基地局の重み因子w
sが5であると仮定すると、マクロ基地局に対する最大伝送電力は10(=(1×1/(1×1+4×5))×200)に決定し、スモール基地局に対する最大伝送電力は190(=(4×5/(1×1+4×5))×200)に決定できる。
【0094】
さらに別の例として、ユーザ端末は、下式3のようにAMBR、チャネル状態情報、帯域幅及び重み因子を同時に反映して伝送電力を配分することができる。
【0096】
ここで、P
mは、マクロ基地局に対する最大伝送電力で、P
sは、スモール基地局に対する最大伝送電力で、AMBR
mは、マクロ基地局に対するAMBRで、AMBR
sは、スモール基地局に対するAMBRで、P
maxは、ユーザ端末のアップリンク最大伝送電力を意味する。また、w
mは、マクロ基地局の重み因子で、w
sは、スモール基地局の重み因子を意味し、h
mは、マクロ基地局のチャネル状態情報を示し、h
sは、スモール基地局のチャネル状態情報を示し、BW
mは、マクロ基地局の帯域幅を示し、BW
sは、スモール基地局の帯域幅を示す。
【0097】
一例として、ユーザ端末の最大伝送電力が200mWで、マクロ基地局に対する伝送リンクのAMBRが1Mbpsで、スモール基地局に対する伝送リンクのAMBRが4Mbpsで、マクロ基地局の重み因子w
mが1で、スモール基地局の重み因子w
sが5で、マクロ基地局の伝送リンクに使用される帯域幅が10MHzで、スモール基地局の伝送リンクに使用される帯域幅が40MHzで、マクロ基地局及びスモール基地局のチャネル状態情報及び/又は経路損失(path loss)値の比率が1:64の場合を仮定すると、マクロ基地局に対する最大伝送電力は88(=1×64×1×1/(1×64×1×1+4×1×4×5))×200)に決定し、スモール基地局に対する最大伝送電力は112(=(4×1×4×5/(1×64×1×1+4×1×4×5))×200)に決定できる。
また、上述した本発明の実施形態では、AMBR、経路損失、アップリンクチャネル状態品質、帯域幅、及び/又は重み因子のようなパラメータを用いて各基地局に対して最大伝送電力を配分する場合を例に挙げて説明したが、最大伝送電力配分は上述したパラメータに限定されず、一般的な無線リソース割り当てのために使用されるパラメータを用いて行うことができる。
【0098】
本発明の実施形態では、上記
図5Aのように、ユーザ端末が接続中の複数の基地局に対してアップリンク最大伝送電力を配分した後、PHRトリガイベントの条件を満足する場合、各基地局に対するチャネル状態及びアップリンクバッファの状態を反映して各基地局に対して配分された最大伝送電力を調節できる。ここで、PHRイベントのトリガ条件を満足するか否かは、2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティ(entity)を介して経路損失(path loss)の変化、P−MPR(Maximum Power Reduction)、Scell activation及び電力バックオフの中の少なくとも1つに基づいて決定されることができる。また、PHRイベントのトリガ条件を満足するか否かは、2つの基地局それぞれに対応するMACエンティティを介して、周期的タイマー又は再構成イベントに基づいて独立して決定されることができる。
【0099】
図5Bは、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおけるユーザ端末が無線接続中の複数の基地局に対して配分された伝送電力を調節する例を示している。
【0100】
図5Bに示すように、ユーザ端末は、各基地局に対するチャネル状態及びアップリンクバッファの状態に基づいてユーザ端末の全最大伝送電力P
max510をスモール基地局にのみ割り当てる(P
s=P
max)520か、マクロ基地局にのみ割り当て(P
m=P
max)ことができる。また、各基地局に配分された最大伝送電力の比率を530及び540のように調節することもできる。
【0101】
例えば、マクロ基地局に対するアップリンクバッファのデータ量が第1しきい値より小さいまたは同じで、マクロ基地局に対するアップリンクバッファのデータ量が第1しきい値より小さいまたは同じ状態がしきい時間以上持続すると、ユーザ端末は、マクロ基地局に配分された最大伝送電力の全体又は一部をスモール基地局に割り当てることができる。
【0102】
別の例として、スモール基地局に対するアップリンクバッファのデータ量が第1しきい値より小さいまたは同じで、スモール基地局に対するアップリンクバッファのデータ量が第1しきい値より小さいまたは同じ状態がしきい時間以上持続すると、ユーザ端末はスモール基地局に配分された最大伝送電力の全体又は一部をマクロ基地局に割り当てることができる。
【0103】
さらに別の例として、マクロ基地局に対するアップリンクバッファのデータ量が第1しきい値より大きく、スモール基地局に対するアップリンクバッファのデータ量がしきい値より大きい場合、ユーザ端末は、2つの基地局に対するチャネル状態情報値がしきい時間の間に第2しきい値以上変更されたか否かを検査し、2つの基地局に対するチャネル状態情報値がしきい時間の間に第2しきい値以上変更された場合、2つの基地局に配分された最大伝送電力をアップリンクバッファのデータ量及びチャネル状態情報値を考慮して調節できる。一方、2つの基地局に対するチャネル状態情報値がしきい時間の間に第2しきい値以上変更されなかった場合、ユーザ端末は、2つの基地局に配分された最大伝送電力を変更せず初期配分された最大伝送電力を維持できる。
【0104】
図6は、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおけるユーザ端末が無線接続中の複数の基地局に対して最大伝送電力を配分及び調節し、これを基にパワーヘッドルーム報告を行う信号の流れを示している。
【0105】
図6に示すように、ユーザ端末(User Equipment:UE)600及びマクロ基地局602は、動作610にて、初期接続設定を行う。この時、マクロ基地局602は、下記表2に示すようにPHRに関連する制御情報を含むRRCメッセージをユーザ端末600に伝送できる。
【0107】
ここで、PHR−Configは、RRCメッセージでPHRに関連する制御情報を含むフィールドを意味し、periodic PHR−Timerは、パワーヘッドルーム報告が周期的にトリガされることができるように制御する周期的タイマーを意味し、prohibit PHR−Timeは、パワーヘッドルーム報告がトリガされないように制御する時間区間を意味する。この時、prohibit PHR−Timeは、遮断タイマーの測定時間に設定されることができる。また、dl−PathlossChangeは経路損失に対するしきい値を意味し、Buffer_Thresholdは、各基地局に配分された最大伝送電力の調節が必要か否かを判断するために、各基地局のアップリンクバッファデータ量と比較される値を意味する。また、Buffer−Timerは、各基地局に配分された最大伝送電力の調節が必要か否かを判断するために、各基地局のアップリンクバッファデータ量がしきい値以上維持される時間と比較される値を意味する。例えば、ユーザ端末は、各基地局のアップリンクバッファデータ量とBuffer_Thresholdを比較して各基地局に配分された最大伝送電力の調節が必要か否かを判断できる。さらに別の例として、ユーザ端末は、各基地局のアップリンクバッファデータ量がBuffer_Thresholdより小さい状態で持続する時間を測定し、測定された時間をBuffer−Timerの時間と比較し、各基地局に配分された最大伝送電力の調節が必要か否かを判断できる。
【0108】
ユーザ端末600は、初期接続設定が完了すると、動作620にて、ユーザ端末600の最大伝送電力を接続中のマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに配分する固定的決定(Static Decision)動作を行う。この時、ユーザ端末600は、上記
図5Aのように、AMBR、チャネル状態情報、帯域幅、及び重み因子パラメータの中の少なくとも1つに基づいて最大伝送電力をマクロ基地局602に対する伝送電力とスモール基地局604に対する伝送電力に配分することができる。実施形態によれば、、ユーザ端末600は、AMBR、チャネル状態情報、帯域幅、及び重み因子パラメータのうちマクロ基地局602が指示するパラメータを用いて最大伝送電力を配分することができる。例えば、マクロ基地局602は、上記表2のようなRRCメッセージに、最大伝送電力の配分に用いられるパラメータを追加してユーザ端末600に伝送できる。
【0109】
以降、ユーザ端末600は、630動作にて、パワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知する。例えば、ユーザ端末600は、表2に示すように、RRCメッセージに含まれたPHRに関連する制御情報に基づいてパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。別の例として、ユーザ端末600は、無線リンクが接続された2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティ(entity)を介して経路損失(path loss)の変化、P−MPR(Maximum Power Reduction)、Scell activation及び電力バックオフの中の少なくとも1つを感知してパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したことを感知できる。さらに別の例として、ユーザ端末300は、2つの基地局それぞれに対応するMACエンティティを介して、各基地局に対する周期的パワーヘッドルーム報告又は再構成によるパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したことを感知できる。より具体的な例として、ユーザ端末600は、RRCメッセージに含まれたperiodic PHR−Timerパラメータ及びprohibit PHR−Timeパラメータの中の少なくとも1つに基づいて周期的なパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。さらに別の例として、ユーザ端末600は、接続中の複数の基地局それぞれに対する経路損失を周期的に測定して経路損失変更量を計算し、計算された経路損失変更量がRRCメッセージに含まれたdl−PathlossChangeパラメータより大きい場合、パワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。
【0110】
パワーヘッドルーム報告トリガイベントが発生したことを感知したユーザ端末600は、動作640にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対して初期配分された伝送電力量を調節する適応的スケーリング動作を行う。この時、ユーザ端末600は、接続中の複数の基地局それぞれに対するアップリンクバッファデータ量を周期的にモニターし、少なくとも1つの基地局に対するアップリンクバッファデータ量がRRCメッセージに含まれたBuffer_Thresholdより小さくなる場合、又は接続中の少なくとも1つの基地局に対するアップリンクバッファデータ量がRRCメッセージに含まれたBuffer_Thresholdより小さい状態をRRCメッセージに含まれたBuffer−Timerの時間の間維持される場合、固定的決定動作によって初期に各基地局に配分された伝送電力の比率を調整する。さらに別の例として、ユーザ端末600は、接続中の複数の基地局に対するアップリンクバッファデータ量がRRCメッセージに含まれたBuffer_Thresholdより大きいが、少なくとも1つの基地局に対するチャネル状態変更量が予め設定されたしきい値以上の場合、固定的決定動作によって初期に各基地局に配分された伝送電力の比率を調整することができる。具体的には、ユーザ端末600は、各基地局に対するチャネル状態及びアップリンクバッファのデータ量に基づいてユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがスモール基地局604にのみ割り当てられる(P
s=P
max)ように調節したり、ユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがマクロ基地局602にのみ割り当てられる(P
m=P
max)ように制御できる。また、ユーザ端末600は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに配分された最大伝送電力の比率を調節することもできる。
【0111】
ユーザ端末600は、動作650にて、適応的スケーリング動作によって調節されたマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれの伝送電力に基づいてマクロ基地局602及びスモール基地局604に対するパワーヘッドルーム報告メッセージを生成する。ユーザ端末600は、動作660及び動作662にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに該当パワーヘッドルーム報告メッセージを伝送する。
【0112】
ここでは、説明の便宜のために、動作610にて、ユーザ端末600とマクロ基地局602の間の初期接続設定のみに対して説明した。しかし、本発明の実施形態を適用するためには、ユーザ端末600とスモール基地局604の間の初期接続設定が動作620以前(固定的決定動作を行う以前)に行われるべきであることは当然である。
【0113】
図7Aは、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおけるユーザ端末が無線接続中の複数の基地局に対して最大伝送電力を配分及び調節し、これを基にパワーヘッドルーム報告を行う動作手順を示している。
【0114】
図7Aを参照すると、ユーザ端末600は、動作701にて、RRCメッセージを用いた初期接続設定を行う。この時、ユーザ端末600は、表2に示すように、PHRに関連する制御情報を含むRRCメッセージをマクロ基地局602から受信することができる。ここでは、説明の便宜のために、ユーザ端末600がスモールセル602と予め接続を設定した状況であることを仮定する。
【0115】
ユーザ端末600は、初期接続設定が完了すると、動作703にて、ユーザ端末のアップリンク最大伝送電力を配分するために必要なパラメータを計算する。例えば、ユーザ端末は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対して、上記
図5Aのように、AMBR、チャネル状態情報、帯域幅、及び重み因子パラメータの中の少なくとも1つを計算できる。実施形態によれば、ユーザ端末600は、RRCメッセージを介して基地局が指示する最大伝送電力配分方式を確認し、確認された最大伝送電力配分方式に対応する少なくとも1つのパラメータをマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対して計算できる。
【0116】
動作705にて、ユーザ端末600は、計算されたパラメータに基づいて最大伝送電力を接続中の複数の基地局、すなわち、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対して配分する。例えば、ユーザ端末600は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれのAMBRに比例するようにマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに伝送電力を配分することができる。さらに別の例として、ユーザ端末600は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれのチャネル状態情報に反比例するようにマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに伝送電力を配分することができる。さらに別の例として、ユーザ端末600は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれの帯域幅に比例するようにマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに伝送電力を配分することができる。さらに別の例として、ユーザ端末600は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれのサービスコスト及び同時接続ユーザ数を考慮して伝送電力を配分することができる。
【0117】
以降、ユーザ端末600は、動作707にて、パワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したか否かを感知する。例えば、ユーザ端末600は、表2に示すように、RRCメッセージに含まれたPHRに関連する制御情報に基づいてパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。別の例として、ユーザ端末600は、無線リンクが接続された2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティ(entity)を介して経路損失(path loss)の変化、P−MPR(Maximum Power Reduction)、Scell activation及び電力バックオフの中の少なくとも1つを感知してパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したことを感知できる。さらに別の例として、ユーザ端末300は、2つの基地局それぞれに対応するMACエンティティを介して、各基地局に対する周期的パワーヘッドルーム報告又は再構成によるパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したことを感知できる。より具体的な例として、ユーザ端末600は、RRCメッセージに含まれたperiodic PHR−Timerパラメータ及びprohibit PHR−Timeパラメータの中の少なくとも1つに基づいて周期的なパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。さらに別の例として、ユーザ端末600は、接続中の複数の基地局それぞれに対する経路損失を周期的に測定して経路損失変更量を計算し、計算された経路損失変更量がRRCメッセージに含まれたdl−PathlossChangeパラメータより大きい場合、パワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。
【0118】
パワーヘッドルーム報告トリガイベントが発生したことを感知したユーザ端末600は、動作709にて、接続中の複数の基地局それぞれに対するアップリンクバッファデータ量に基づいて各基地局に対する伝送電力を調節する。この時、ユーザ端末600は、接続中の複数の基地局それぞれに対するアップリンクバッファデータ量を周期的にモニターし、少なくとも1つの基地局に対するアップリンクバッファデータ量がRRCメッセージに含まれたBuffer_Thresholdより小さくなる場合、又は接続中の少なくとも1つの基地局に対するアップリンクバッファデータ量がRRCメッセージに含まれたBuffer_Thresholdより小さい状態をRRCメッセージに含まれたBuffer−Timerの時間の間維持される場合、固定的決定動作によって初期に各基地局に配分された伝送電力の比率を調整する。さらに別の例として、ユーザ端末600は、接続中の複数の基地局に対するアップリンクバッファデータ量がRRCメッセージに含まれたBuffer_Thresholdより大きいが、少なくとも1つの基地局に対するチャネル状態変更量が予め設定されたしきい値以上の場合、固定的決定動作によって初期に各基地局に配分された伝送電力の比率を調整することができる。具体的には、ユーザ端末600は、各基地局に対するチャネル状態及びアップリンクバッファのデータ量に基づいてユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがスモール基地局604にのみ割り当てられる(P
s=P
max)ように調節したり、ユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがマクロ基地局602にのみ割り当てられる(P
m=P
max)ように制御できる。また、ユーザ端末600は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに配分された最大伝送電力の比率を調節することができる。ここで、伝送電力を調節する方式は、下記
図7Cで詳細に説明する。
【0119】
動作711にて、ユーザ端末600は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対して調節された伝送電力に基づいてマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対するパワーヘッドルーム報告メッセージを生成し、生成されたパワーヘッドルーム報告メッセージをマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに伝送する。以降、ユーザ端末600は、動作707に戻り、以下の動作を再度行う。
【0120】
図7Bは、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおけるユーザ端末からパワーヘッドルーム報告を受信する基地局の動作手順を示している。
【0121】
図7Bを参照すると、マクロ基地局602は、動作721にて、RRCメッセージを用いてユーザ端末600との初期接続を行う。この時、RRCメッセージは、上記表2に示すような、PHR関連制御情報を含むことができる。
以降、マクロ基地局602は、動作723にて、ユーザ端末600からパワーヘッドルーム報告メッセージを受信したか否かを検査する。パワーヘッドルーム報告メッセージを受信した場合、マクロ基地局602は、動作725にて、該当ユーザ端末に対するアップリンクスケジューリングを行う。例えば、マクロ基地局602は、端末のパワーヘッドルーム情報に基づいて端末がサポート可能なアップリンク最大送信電力を推定し、推定されたアップリンク最大送信電力から逸脱しない範囲内で伝送電力制御(TPC)、変調及びコーディングレベル(MCS)、及び帯域幅などのようなアップリンク制御を行うことができる。
【0122】
以降、マクロ基地局602は、動作727にて、アップリンクスケジューリング情報をユーザ端末600に伝送し、動作723に戻り、以下の動作を再度行う。
【0123】
図7Cは、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおけるユーザ端末が無線接続中の複数の基地局に対するアップリンク伝送電力配分を調節する詳細な動作手順を示している。
【0124】
図7Cに示すように、ユーザ端末600は、動作751にて、マクロ基地局602に対するアップリンクバッファのデータ量BSR_mが表2に示すようにRRCメッセージを介して受信されたバッファしきい値(Buffer_Threshold)Thr_2より小さいか否かを検査する。
【0125】
もし、マクロ基地局602に対するアップリンクバッファのデータ量がバッファしきい値Thr_2より小さい場合、ユーザ端末600は、動作753にて、ユーザ端末の全最大伝送電力P
max をスモール基地局604に割り当てることができる。追加的には、ユーザ端末600は、マクロ基地局602に対するアップリンクバッファのデータ量がバッファしきい値Thr_2より小さい状態を維持する時間を測定し、測定された時間が表2に示すバッファタイマー(Buffer_Timer)Time 3より大きいまたは同じか否かを検査し、ユーザ端末の全最大伝送電力P
maxをスモール基地局604に割り当てる(P
s=P
max)ことができる。
【0126】
一方、マクロ基地局602に対するアップリンクバッファのデータ量がバッファしきい値Thr_2より大きいまたは同じ場合、ユーザ端末600は、動作755にて、スモール基地局604に対するアップリンクバッファのデータ量がバッファしきい値Thr_2より小さいか否かを検査する。
【0127】
もし、スモール基地局604に対するアップリンクバッファのデータ量がバッファしきい値Thr_2より小さい場合、ユーザ端末600は、動作757にて、ユーザ端末の全最大伝送電力P
maxをマクロ基地局602に割り当てることができる。追加的には、ユーザ端末600は、スモール基地局604に対するアップリンクバッファのデータ量がバッファしきい値Thr_2より小さい状態を維持する時間を測定し、測定された時間が表2に示すバッファタイマー(Buffer_Timer)Time 3より大きいまたは同じか否かを検査し、ユーザ端末の全最大伝送電力P
maxをマクロ基地局602に割り当てる(P
m=P
max)ことができる。
【0128】
一方、スモール基地局604に対するアップリンクバッファのデータ量がバッファしきい値Thr_2より大きいまたは同じ場合、すなわち、マクロ基地局602に対するアップリンクバッファのデータ量及びスモール基地局604に対するアップリンクバッファのデータ量がいずれもバッファしきい値Thr_2より大きいまたは同じ場合、ユーザ端末600は、動作759にて、2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局のチャネル状態情報が予め設定されたしきい値以上変更したか否かを検査する。もし、2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局のチャネル状態情報が予め設定されたしきい値以上変更された場合、ユーザ端末600は、動作761にて、マクロ基地局602に現在配分された伝送電力P
m及びスモール基地局604に現在配分された伝送電力P
sを変更する。
【0129】
一方、2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局のチャネル状態情報が予め設定されたしきい値以上変更されなかった場合、ユーザ端末600は、動作763にて、各基地局に対する伝送電力を変更せず維持することを決定する。
【0130】
上記
図5A乃至
図7Cでは、ユーザ端末が自らのアップリンク最大伝送電力を接続中の各基地局に対して配分する固定的決定動作と、各基地局に配分された伝送電力を調節する適応的スケーリング動作を行うことに対して説明したが、アップリンク最大伝送電力を配分する動作及び/又は調節する動作は、基地局で行われることもできる。
【0131】
例えば、
図8乃至
図9Bに示すように、マクロ基地局が固定的決定動作を行い、端末が適応的スケーリング動作を行うこともできる。さらに別の例として、
図10に示すように、マクロ基地局で固定的決定動作及び適応的スケーリング動作をすべて行うこともできる。さらに別の例として、
図11に示すように、ユーザ端末が固定的決定動作を行い、マクロ基地局が適応的スケーリング動作を行うこともできる。
【0132】
図8は、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおける基地局が端末の最大伝送電力を配分し、ユーザ端末が無線接続中の複数の基地局にパワーヘッドルーム報告を行う信号の流れを示している。
【0133】
図8に示すように、ユーザ端末600及びマクロ基地局602は、動作810にて、初期接続設定を行う。この時、マクロ基地局602は、表2に示すようにPHRに関連する制御情報を含むRRCメッセージをユーザ端末600に伝送できる。以降、ユーザ端末600は、動作820にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対してチャネルを推定し、チャネル推定結果をマクロ基地局602にフィードバックする。例えば、チャネル推定結果は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対するAMBR及びチャネル状態情報を含むことができる。
【0134】
ユーザ端末600からチャネル推定結果を受信したマクロ基地局602は、動作830にて、ユーザ端末600の最大伝送電力をマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに配分する固定的決定(Static Decision)動作を行う。この時、マクロ基地局602は、上記
図5Aのように、AMBR、チャネル状態情報、帯域幅、及び重み因子パラメータの中の少なくとも1つに基づいてユーザ端末600の最大伝送電力をマクロ基地局602に対する伝送電力とスモール基地局604に対する伝送電力に配分することができる。
【0135】
以降、マクロ基地局602は、動作840にて、RRC再構成メッセージを用いて各基地局に対する伝送電力配分情報をユーザ端末600に伝送する。この時、伝送電力配分情報は、マクロ基地局602に配分された伝送電力とスモール基地局604に配分された伝送電力の比率で表されることができる。例えば、マクロ基地局602は、下記表3に示すように、PHRに関連する制御情報を含むRRC再構成メッセージをユーザ端末600に伝送できる。
【0137】
ここで、PHR−Configは、RRCメッセージでPHRに関連する制御情報を含むフィールドを意味し、periodic PHR−Timerは、パワーヘッドルーム報告が周期的にトリガされることができるように制御する周期的タイマーを意味し、prohibit PHR−Timeは、パワーヘッドルーム報告がトリガされないように制御する時間区間を意味する。この時、prohibit PHR−Timeは、遮断タイマーの測定時間に設定されることができる。また、dl−PathlossChangeは、経路損失に対するしきい値を意味し、P
m_vs_P
s_ratioは、マクロ基地局602に配分された伝送電力とスモール基地局604に配分された伝送電力の比率を意味する。
【0138】
以降、ユーザ端末600は、動作850にて、パワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知する。すなわち、ユーザ端末600は、表2に示すように、RRCメッセージに含まれたPHRに関連する制御情報に基づいてパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。ここで、ユーザ端末600がパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知する動作は、上述した動作630と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
【0139】
パワーヘッドルーム報告トリガイベントが発生したことを感知したユーザ端末600は、動作860にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対して初期配分された伝送電力量を調節する適応的スケーリング動作を行う。この時、ユーザ端末600は、各基地局に対するチャネル状態及びアップリンクバッファのデータ量に基づいてユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがスモール基地局604にのみ割り当てられる(P
s=P
max)ように調節したり、ユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがマクロ基地局602にのみ割り当てられる(P
m=P
max)ように制御できる。また、ユーザ端末600は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに配分された最大伝送電力の比率を調節することもできる。
【0140】
ユーザ端末600は、動作870にて、適応的スケーリング動作によって調節されたマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれの伝送電力に基づいてマクロ基地局602及びスモール基地局604に対するパワーヘッドルーム報告メッセージを生成する。ユーザ端末600は、動作890及び動作892にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに該当パワーヘッドルーム報告メッセージを伝送する。
【0141】
ここでは、説明の便宜のために、動作810にて、ユーザ端末600とマクロ基地局602の間の初期接続設定に対してのみ説明した。しかし、本発明の実施形態を適用するためには、ユーザ端末600とスモール基地局604の間の初期接続設定が動作820以前(ユーザ端末600が複数の基地局に対するチャネルを推定する以前)に行われるべきであることは当然である。
【0142】
図9Aは、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおける基地局から受信される最大伝送電力配分情報に基づいて、ユーザ端末が無線接続中の複数の基地局にパワーヘッドルーム報告を行う動作手順を示している。
【0143】
図9Aを参照すると、ユーザ端末600は、動作901にて、マクロ基地局602とRRCメッセージを用いた初期接続設定を行う。この時、ユーザ端末600は、表2に示すように、PHRに関連する制御情報を含むRRCメッセージをマクロ基地局602から受信することができる。ここでは、説明の便宜のために、ユーザ端末600がスモールセル602と予め接続を設定した状況であることを仮定する。
【0144】
ユーザ端末600は、初期接続設定が完了すると、動作903にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604に対するチャネルを推定し、チャネル推定結果をフィードバックする。ここで、ユーザ端末600は、チャネル推定を介してユーザ端末のアップリンク最大伝送電力を配分するために必要な少なくとも1つのパラメータを計算し、計算された少なくとも1つのパラメータを含むチャネル推定結果をマクロ基地局602にフィードバックできる。
【0145】
以降、ユーザ端末600は、動作905にて、表3に示すように、RRC再構成メッセージを介して伝送電力配分情報を受信したか否かを検査する。もし、RRC再構成メッセージを介して伝送電力配分情報を受信した場合、ユーザ端末600は、動作907にて、伝送電力配分情報に基づいてユーザ端末600の最大伝送電力をマクロ基地局602及びスモール基地局604に配分する。例えば、ユーザ端末600の最大伝送電力が200mWで、伝送電力配分情報が「P
m:P
s=1:4」の場合、ユーザ端末600はマクロ基地局602に40mWの伝送電力を割り当て、スモール基地局604に160mWの伝送電力を割り当てることができる。
【0146】
以降、ユーザ端末600は、動作909にて、パワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したか否かを感知する。例えば、ユーザ端末600は、表2に示すように、RRCメッセージに含まれたPHRに関連する制御情報に基づいてパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。別の例として、ユーザ端末600は、無線リンクが接続された2つの基地局の中の少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティ(entity)を介して経路損失(path loss)の変化、P−MPR(Maximum Power Reduction)、Scell activation及び電力バックオフの中の少なくとも1つを感知してパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したことを感知できる。さらに別の例として、ユーザ端末300は、2つの基地局それぞれに対応するMACエンティティを介して、各基地局に対する周期的パワーヘッドルーム報告又は再構成によるパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したことを感知できる。より具体的な例として、ユーザ端末600は、RRCメッセージに含まれたperiodic PHR−Timerパラメータ及びprohibit PHR−Timeパラメータの中の少なくとも1つに基づいて周期的なパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。さらに別の例として、ユーザ端末600は、接続中の複数の基地局それぞれに対する経路損失を周期的に測定して経路損失変更量を計算し、計算された経路損失変更量がRRCメッセージに含まれたdl−PathlossChangeパラメータより大きい場合、パワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。
【0147】
パワーヘッドルーム報告トリガイベントが発生したことを感知したユーザ端末600は、動作911にて、接続中の複数の基地局それぞれに対するアップリンクバッファデータ量に基づいて各基地局に対する伝送電力を調節する。この時、ユーザ端末600は、接続中の複数の基地局それぞれに対するアップリンクバッファデータ量を周期的にモニターし、少なくとも1つの基地局に対するアップリンクバッファデータ量がRRCメッセージに含まれたBuffer_Thresholdより小さくなる場合、又は接続中の少なくとも1つの基地局に対するアップリンクバッファデータ量がRRCメッセージに含まれたBuffer_Thresholdより小さい状態をRRCメッセージに含まれたBuffer−Timerの時間の間維持される場合、固定的決定動作によって初期に各基地局に配分された伝送電力の比率を調整する。さらに別の例として、ユーザ端末600は、接続中の複数の基地局に対するアップリンクバッファデータ量がRRCメッセージに含まれたBuffer_Thresholdより大きいが、少なくとも1つの基地局に対するチャネル状態変更量が予め設定されたしきい値以上の場合、固定的決定動作によって初期に各基地局に配分された伝送電力の比率を調整することができる。具体的には、ユーザ端末600は、各基地局に対するチャネル状態及びアップリンクバッファのデータ量に基づいてユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがスモール基地局604にのみ割り当てられる(P
s=P
max)ように調節したり、ユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがマクロ基地局602にのみ割り当てられる(P
m=P
max)ように制御できる。また、ユーザ端末600は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに配分された最大伝送電力の比率を調節することもできる。ここで、伝送電力を調節する方式は
図7Cで説明したものと同じ場合がある。
【0148】
動作913にて、ユーザ端末600は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対して調節された伝送電力に基づいてマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対するパワーヘッドルーム報告メッセージを生成し、生成されたパワーヘッドルーム報告メッセージをマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに伝送する。以降、ユーザ端末600は、動作909に戻り、以下の動作を再度行う。
【0149】
図9Bは、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおける基地局がユーザ端末の最大伝送電力を配分し、パワーヘッドルーム報告を受信する動作手順を示している。
【0150】
図9Bを参照すると、マクロ基地局602は、動作921にて、RRCメッセージを用いてユーザ端末600との初期接続を行う。この時、RRCメッセージは上記表2に示すような、PHR関連制御情報を含むことができる。
【0151】
以降、マクロ基地局602は、動作923にて、端末からチャネル推定結果を受信することができる。この時、チャネル推定結果は、ユーザ端末のアップリンク最大伝送電力を配分するために必要な少なくとも1つのパラメータを含むことができる。マクロ基地局602は、動作925にて、ユーザ端末のアップリンク最大伝送電力を配分するために必要な追加パラメータを計算できる。例えば、マクロ基地局602は、各基地局に対するAMBR及びチャネル状態情報はユーザ端末600から受信し、各基地局に対する帯域幅及び/又は重み因子を直接計算できる。この時、マクロ基地局602は、ユーザ端末600から受信されたチャネル推定結果に基づいてスモール基地局604に対する帯域幅及び/又は重み因子を計算することもでき、スモール基地局604と事前に情報を交換して帯域幅及び重み因子を計算することもできる。
【0152】
動作927にて、マクロ基地局602は、計算されたパラメータに基づいてユーザ端末の最大伝送電力を該当ユーザ端末が接続中の複数の基地局、すなわち、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対して配分する。ここで、最大伝送電力を配分する方式は上述した固定的決定方式と同じであろう。
【0153】
以降、マクロ基地局602は、動作929にて、端末に伝送電力配分情報を伝送する。この時、マクロ基地局602は、表3に示すように、RRCメッセージに伝送電力配分情報を含めて伝送できる。
【0154】
以降、マクロ基地局602は、動作931にて、端末からパワーヘッドルーム報告メッセージを受信したか否かを検査する。パワーヘッドルーム報告メッセージを受信した場合、マクロ基地局602は、動作933にて、該当ユーザ端末に対するアップリンクスケジューリングを行う。例えば、マクロ基地局602は、端末のパワーヘッドルーム情報に基づいて端末がサポート可能なアップリンク最大送信電力を推定し、推定されたアップリンク最大送信電力から逸脱しない範囲内で伝送電力制御(TPC)、変調及びコーディングレベル(MCS)、及び帯域幅などのようなアップリンク制御を行うことができる。
【0155】
以降、マクロ基地局602は、動作935にて、アップリンクスケジューリング情報をユーザ端末600に伝送し、動作931に戻り、以下の動作を再度行う。
【0156】
図10は、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおける基地局が端末の最大伝送電力を配分及び調節し、これを基にユーザ端末が無線接続中の複数の基地局にパワーヘッドルーム報告を行う動作手順を示している。
【0157】
図10を参照すると、ユーザ端末600及びマクロ基地局602は、動作1010にて、初期接続設定を行う。この時、マクロ基地局602は、表2に示すように、PHRに関連する制御情報を含むRRCメッセージをユーザ端末600に伝送できる。以降、ユーザ端末600は、動作1020にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対してチャネルを推定し、チャネル推定結果をマクロ基地局602にフィードバックする。例えば、チャネル推定結果は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対するAMBR及びチャネル状態情報を含むことができる。
【0158】
ユーザ端末600からチャネル推定結果を受信したマクロ基地局602は、動作1030にて、ユーザ端末600の最大伝送電力をマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに配分する固定的決定(Static Decision)動作を行う。この時、マクロ基地局602は、上記
図5Aのように、AMBR、チャネル状態情報、帯域幅、及び重み因子パラメータの中の少なくとも1つに基づいてユーザ端末600の最大伝送電力をマクロ基地局602に対する伝送電力とスモール基地局604に対する伝送電力に配分することができる。
【0159】
一方、ユーザ端末600は、動作1040にて、パワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知する。すなわち、ユーザ端末600は、表2に示すように、RRCメッセージに含まれたPHRに関連する制御情報に基づいてパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。ここで、ユーザ端末600がパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知する動作は、上述した動作630と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
【0160】
パワーヘッドルーム報告トリガイベントが発生したことを感知したユーザ端末600は、動作1050にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対するチャネル推定を行い、チャネル推定結果をマクロ基地局602に伝送し、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対するアップリンクバッファのデータ量を示すバッファ状態報告メッセージをマクロ基地局602に伝送する。
【0161】
以降、マクロ基地局602は、動作1060にて、初期配分された伝送電力量を調節する適応的スケーリング動作を行う。この時、マクロ基地局602は、ユーザ端末600から受信されたチャネル推定結果及びバッファ状態報告メッセージに基づいてユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがスモール基地局604にのみ割り当てられる(P
s=P
max)ように調節したり、ユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがマクロ基地局602にのみ割り当てられる(P
m=P
max)ように制御できる。また、マクロ基地局602は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに配分された最大伝送電力の比率をユーザ端末600から受信されたチャネル推定結果及びバッファ状態報告メッセージに基づいて調節することもできる。
【0162】
動作1070にて、マクロ基地局602は、適応的スケーリング動作によって調節されたマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれの伝送電力に関する情報をユーザ端末600に伝送する。この時、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれの伝送電力に関する情報は、RRCメッセージを介して伝送されることができる。
【0163】
動作1080にて、ユーザ端末600は、受信されたマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれの伝送電力情報に基づいてマクロ基地局602及びスモール基地局604に対するパワーヘッドルーム報告メッセージを生成する。ユーザ端末600は、動作1090及び動作1092にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに該当パワーヘッドルーム報告メッセージを伝送する。
【0164】
ここでは、説明の便宜のために、動作1010にて、ユーザ端末600とマクロ基地局602の間の初期接続設定に対してのみ説明した。しかし、本発明の実施形態を適用するためには、ユーザ端末600とスモール基地局604の間の初期接続設定が動作1020以前(固定的決定動作を行う前)に行われるべきであることは当然である。
【0165】
図11は、本発明のさらに他の実施形態による無線通信システムにおける基地局が端末の最大伝送電力を配分及び調節し、これを基にユーザ端末が無線接続中の複数の基地局にパワーヘッドルーム報告を行う動作手順を示している。
【0166】
図11を参照すると、ユーザ端末600及びマクロ基地局602は、動作1110にて、初期接続設定を行う。この時、マクロ基地局602は、表2に示すように、PHRに関連する制御情報を含むRRCメッセージをユーザ端末600に伝送できる。
【0167】
ユーザ端末600は、初期接続設定が完了すると、動作1120にて、ユーザ端末600の最大伝送電力を接続中のマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに配分する固定的決定(Static Decision)動作を行う。この時、ユーザ端末600は、上記
図5Aのように、AMBR、チャネル状態情報、帯域幅、及び重み因子パラメータの中の少なくとも1つに基づいて最大伝送電力をマクロ基地局602に対する伝送電力とスモール基地局604に対する伝送電力に配分することができる。実施形態によれば、、ユーザ端末600は、AMBR、チャネル状態情報、帯域幅、及び重み因子パラメータのうちマクロ基地局602が指示するパラメータを用いて最大伝送電力を配分することができる。例えば、マクロ基地局602は、上記表2のようなRRCメッセージに、最大伝送電力配分に用いられるパラメータを追加してユーザ端末600に伝送できる。
【0168】
以降、ユーザ端末600は、動作1130にて、パワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知する。すなわち、ユーザ端末600は、表2に示すように、RRCメッセージに含まれたPHRに関連する制御情報に基づいてパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知できる。ここで、ユーザ端末600がパワーヘッドルーム報告トリガイベントの発生を感知する動作は、上述した動作630と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
【0169】
パワーヘッドルーム報告トリガイベントが発生したことを感知したユーザ端末600は、動作1140にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対するチャネル推定を行い、チャネル推定結果をマクロ基地局602に伝送し、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに対するアップリンクバッファのデータ量を示すバッファ状態報告メッセージをマクロ基地局602に伝送する。追加的には、ユーザ端末600は、動作1140にて、マクロ基地局602とスモール基地局604に対する伝送電力配分情報をマクロ基地局602に伝送できる。
【0170】
以降、マクロ基地局602は、動作1150にて、初期配分された伝送電力量を調節する適応的スケーリング動作を行う。この時、マクロ基地局602は、ユーザ端末600から受信されたチャネル推定結果及びバッファ状態報告メッセージに基づいてユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがスモール基地局604にのみ割り当てられる(P
s=P
max)ように調節したり、ユーザ端末の全最大伝送電力P
maxがマクロ基地局602にのみ割り当てられる(P
m=P
max)ように制御できる。また、マクロ基地局602は、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに配分された最大伝送電力の比率をユーザ端末600から受信されたチャネル推定結果及びバッファ状態報告メッセージに基づいて調節することもできる。
【0171】
動作1160にて、マクロ基地局602は、適応的スケーリング動作によって調節されたマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれの伝送電力に関する情報をユーザ端末600に伝送する。この時、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれの伝送電力に関する情報はRRCメッセージを介して伝送されることができる。
【0172】
動作1170にて、ユーザ端末600は、受信されたマクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれの伝送電力情報に基づいてマクロ基地局602とスモール基地局604に対するパワーヘッドルーム報告メッセージを生成する。ユーザ端末600は、動作1180及び動作1182にて、マクロ基地局602及びスモール基地局604それぞれに該当パワーヘッドルーム報告メッセージを伝送する。
【0173】
ここでは、説明の便宜のために動作1110にて、ユーザ端末600とマクロ基地局602の間の初期接続設定に対してのみ説明した。しかし、本発明の実施形態を適用するためには、ユーザ端末600とスモール基地局604の間の初期接続設定が動作1120以前(固定的決定動作を行う前)に行われるべきであることは当然である。
【0174】
追加的には、上記
図6乃至
図11の実施形態で、パワーヘッドルーム報告メッセージは、マクロ基地局及びスモール基地局に対する伝送電力情報をすべて含むように生成されることもでき、マクロ基地局及びスモール基地局の中のいずれか1つの基地局に対する伝送電力情報のみを含むように生成されることができる。また、ユーザ端末は、マクロ基地局にマクロ基地局の伝送電力に関する情報を含むパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送することもでき、マクロ基地局にスモール基地局の伝送電力に関する情報を含むパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送することもできる。同様に、ユーザ端末は、スモール基地局にスモール基地局の伝送電力に関する情報を含むパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送することもでき、スモール基地局にマクロ基地局の伝送電力に関する情報を含むパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送することもできる。
【0175】
図12は、本発明の実施形態による無線通信システムを構成する端末と基地局のブロック構成を示している。
【0176】
図12に示すように、端末1200は、複数の基地局1250−1,1250−2乃至1250−iに接続される。
【0177】
特に、端末1200は、ダウンリンク受信部1202、トリガ遮断部1204、パワーヘッドルーム報告生成部1206及びアップリンク伝送部1208を含んで構成されることができ、それぞれの基地局1250−1乃至1250−iは、アップリンク受信部1252、RRC生成部1254、スケジューリング部1256、及びダウンリンク伝送部1258を含んで構成されることができる。
【0178】
まず、端末1200の構成を見ると、端末のダウンリンク受信部1202は、複数の基地局1250−1乃至1250−iとの無線接続リンクを形成する。ダウンリンク受信部1202は、複数の基地局1250−1乃至1250−iからアップリンクスケジューリング情報を示すアップリンクグラントを受信することができ、複数の基地局1250−1乃至1250−iからRRCメッセージを受信することができる。特に、ダウンリンク受信部1202は、少なくとも1つの基地局から表1、表2又は表3に示すようなRRCメッセージを受信することができる。
【0179】
トリガ遮断部1204は、端末1200のパワーヘッドルーム報告がトリガされることを遮断する。すなわち、トリガ遮断部1204は、RRCメッセージに含まれたprohibit PHR−Timeを用いて遮断タイマーを設定し、遮断タイマーが動作する間にパワーヘッドルーム報告がトリガされないように制御できる。トリガ遮断部1204は、遮断タイマーが満了した際、パワーヘッドルーム報告をトリガさせることができる機会が生じたことを感知し、パワーヘッドルーム報告トリガイベントが発生したか否かを感知する。例えば、トリガ遮断部1204は、RRCメッセージからPHRに関連する制御パラメータを抽出し、抽出されたパラメータに基づいてパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したか否かを感知できる。別の例として、トリガ遮断部1204は、端末1200と無線リンクが形成された複数の基地局の中の少なくとも1つの基地局に対応するMACエンティティ(entity)を介して経路損失(path loss)の変化、P−MPR(Maximum Power Reduction)、Scell activation、及び電力バックオフの中の少なくとも1つを感知してパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したことを感知できる。さらに別の例として、トリガ遮断部1204は、複数の基地局それぞれに対応するそれぞれのMACエンティティを介して、各基地局に対する周期的パワーヘッドルーム報告又は再構成によるパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントが発生したことを感知できる。
【0180】
パワーヘッドルーム報告生成部1206は、トリガ遮断部1204によってパワーヘッドルーム報告をトリガさせるためのイベントの発生が感知された時、パワーヘッドルーム報告メッセージを生成できる。パワーヘッドルーム報告生成部1206は、端末1200が接続中の複数の基地局のうち特定の基地局のアップリンクスケジューリングによってパワーヘッドルームがしきい値以上変更された場合、変更されたパワーヘッドルームを示すパワーヘッドルーム報告メッセージを生成し、少なくとも1つの他の基地局に伝送するための機能を制御する。また、パワーヘッドルーム報告生成部1206は、端末1200の最大伝送電力を接続中の複数の基地局それぞれに配分する固定的決定動作を行うことができ、複数の基地局それぞれに配分された伝送電力を調節する適応的スケーリング動作を行うことができる。ここで、固定的決定動作及び適応的スケーリング動作は、上記
図5A乃至
図11に示すように行うことができる。パワーヘッドルーム報告生成部1206は、適応的スケーリング動作によって調節された複数の基地局それぞれの伝送電力に基づいて複数の基地局それぞれに対するパワーヘッドルーム報告メッセージを生成できる。
【0181】
アップリンク伝送部1208は、複数の基地局1250−1乃至1250−iとの無線接続リンクを形成する。アップリンク伝送部1208は、複数の基地局1250−1乃至1250−iそれぞれに対するチャネル推定結果を特定の基地局に報告でき、複数の基地局1250−1乃至1250−iそれぞれにパワーヘッドルーム報告メッセージを伝送できる。追加的には、アップリンク伝送部1208は、複数の基地局1250−1乃至1250−iそれぞれに対するアップリンクバッファのデータ量を示すバッファ状態報告メッセージを特定の基地局に伝送できる。
【0182】
次に、複数の基地局1250−1乃至1250−iそれぞれの構成を見ると、まずアップリンク受信部1252は、端末1200との無線接続リンクを形成する。アップリンク受信部1252は、端末1200から複数の基地局1250−1乃至1250−iそれぞれに対するチャネル推定結果を受信することができ、基地局自らに対するパワーヘッドルーム報告メッセージを受信することができる。追加的には、アップリンク受信部1252は、端末1200から複数の基地局1250−1乃至1250−iそれぞれに対するアップリンクバッファのデータ量を示すバッファ状態報告メッセージを受信することができる。
【0183】
RRC生成部1254は、端末1200との接続のためのRRCメッセージを生成する。特に、本発明の実施形態によれば、RRC生成部1254は、上記表1、表2又は表3に示すようなRRCメッセージを生成できる。
【0184】
スケジューリング部1256は、パワーヘッドルーム報告メッセージに基づいて端末に対するスケジューリングを行う。また、スケジューリング部1256は、端末1200の最大伝送電力を該当端末1200が接続中の複数の基地局それぞれに配分する固定的決定動作を行うことができ、複数の基地局それぞれに配分された伝送電力を調節する適応的スケーリング動作を行うことができる。ここで、固定的決定動作及び適応的スケーリング動作は、上記
図5A乃至
図11に示すように行うことができる。
【0185】
ダウンリンク伝送部1258は、端末1200との無線接続リンクを形成する。ダウンリンク伝送部1258は、該当端末1200に対するスケジューリング部1256のスケジューリング結果を示すアップリンクグラントを伝送でき、RRC生成部1254によって生成されたRRCメッセージを伝送できる。
【0186】
上述の説明では、端末と基地局それぞれのダウンリンク受信部とアップリンク伝送部を区分して説明したが、これは説明の便宜のための例示的なものであって、受信部及びアップリンク伝送部は1つの送受信部で構成されることができる。また、端末のトリガ遮断部1204及びパワーヘッドルーム報告生成部1206は1つのモジュール(例:パワーヘッドルーム報告制御部)で構成されることができる。また、基地局のRRC生成部1254 及びスケジューリング部1256は、1つのモジュールで構成されることができる。
【0187】
一方、本発明の詳細な説明では具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない限度内で様々な変形が可能である。したがって、本発明の範囲は説明された実施形態に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲のみでなくこの特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。