【実施例】
【0079】
以下に提供される実施例は、例示目的のためのものであり、TFMCBの連続生成を実証するのみのためである。
【0080】
実施例1〜5の一般的背景
ステンレス鋼パイプ状反応器(24×1.25インチ又は24×1.0インチ)に、Monel(合金400、0.16インチ)又はニッケル(合金200、サイズ0.24インチ)Propak(登録商標)蒸留カラムパッキングを充填した。この管状反応器は、安全性のための破裂ディスクアセンブリ(適切な圧力を定格にする)、並びに内部熱センサ(5点)を装備していた。反応器の上端部(垂直方向)をプレミキサーに接続し、底端部を背圧調節器に接続して、所定の圧力を維持した。管状反応器を加熱テープか、又は炉内に反応器を配置することのいずれかによって、必要な温度まで加熱した。管状反応器の加熱域は、以下に記載の全ての実施例において、長さ12インチであった。それぞれの試料ポートから試料を収集することにより、供給物と生成物との混合物をGCにより監視した。液体生成物、主にTFMCBは、反応器の底部に取り付けられたステンレス鋼シリンダ内で収集され、純度について、GCによって分析される。
【0081】
実施例1
Monel(合金400)パッキングによる、エチレンとHFPとの連続反応
エチレン(質量流量制御装置を介して245sccm)及び液体HFP(液体ポンプを介して0.61mL/分)の混合物を、760〜810psig及び335℃で3時間(接触時間約10分)、Monel Propak(登録商標)を充填したステンレス鋼製管状反応器(24×1.25インチ)に常に供給した。反応物質は、主反応器に通過させる前に、150〜180℃でプレミキサー(静的ミキサーで12×0.75インチ)を通過させた。これらの条件下で、GCによる出口ガスの分析は、HFPのTFMCBへの変換17%、及び選択性79%を示した。
【0082】
実施例2
ニッケル(合金200)パッキングによるエチレン及びHFPの連続反応
反応は、Monelの代わりに合金200(ニッケル)パッキングを使用したことを除いて、実施例1と同じ様式で実施した。これらの条件下で、GCによる出口ガスの分析では、HFPのTFMCBへの変換16%及び選択性86%を示した。
【0083】
比較例3
触媒を含まないエチレン及びHFPの連続反応
触媒パッキングを使用しなかったことを除いて、実施例1と同じ様式で反応を実施した。これらの条件下で、GCによる出口ガスの分析は、HFPのTFMCBへの変換率5%未満及び選択率85%を示した。
【0084】
実施例4
Monelパッキングによる5時間にわたるエチレンとHFPとの連続反応
エチレン(21g/時)及びHFP(84.8g/時)を、335℃及び760〜810psigで5時間、Monelパッキングを充填したステンレス鋼管状反応器(24×1.25インチ、加熱域12インチ)に連続的に供給した。接触時間は約10分であった。出口ガスのGC分析は、HFPのTFMCBへの変換14%を示した。5時間かけて、合計509gのHFPを反応器に通過させ、GCにより80% TFMCBを含有する83gの液体生成物を収集し、HFPの変換に基づいて収率80%を収集した。
【0085】
実施例5
重合阻害剤を用いたエチレン及びHFPの連続反応
エチレン(245sccm)、液体HFP(0.61mL/分)及び重合阻害剤(2,2,6,6,−テトラメチルピペリジニル−1−オキシル(TEMPO)の入ったドデカン(〜500ppm)を、361℃及び760〜810psigで3時間、Monelパッキングを充填したステンレス鋼管状反応器(24×1.25インチ、加熱域12インチ)に連続的に供給した。反応終了時に、55% TFMCBを含有する80.4gの液体を収集した。
【0086】
異なる重合阻害剤、すなわちt−ブチルカテコールを含むトルエン(〜500ppm)を349℃で阻害剤として使用することにより、前述の反応を繰り返した。反応の終了時に、TFMCBを61%含む粗生成物59gを収集した。
【0087】
実施例6〜8の一般的背景
a)供給システム:エチレンは、Bronkhost(商標)質量流量制御装置(mass flow controller、MFC)を介して、圧力差(ΔP〜50psig)により、圧縮ガスシリンダから反応に供給した。C
2H
4シリンダ上のレギュレータを、動作圧力よりも高い約50psigの圧力に設定した。MFCを、ステンレス鋼編組線で供給マニホールドに接続した。使用されていないときは、供給マニホールド内の弁により、エチレン供給を隔離した。第2のエチレンシリンダを使用して、事前にシステムのパッド付けを行い、所望の動作圧力よりもわずかに低くなるように(10〜20psig)して、起動時間を短縮した。一酸化窒素(窒素中2%)は、レギュレータ及びBronkhorst質量流量制御装置(MFC)を通って供給マニホールドに供給された。
【0088】
ヘキサフルオロプロペン(HFP)は、高性能液体定量ポンプ(Eldex Optos 2HM)を介してマニホールドに液体として供給した。HFPを含む2つの1リットルステンレス鋼製シリンダ(それぞれ〜1000g)には、〜400psigになるまで窒素を加えた。3方向弁により、HFPの供給を、供給源シリンダ間で切り替えることができた。Swagelok(商標)15マイクロメートルのフィルタ及び逆止弁は、ライン内にあった。ポンプへの入口管を冷却機(〜0℃)で冷却した。HFPは、エチレン及び阻害剤入口弁のわずかに前方の供給マニホールドに入った。
【0089】
供給マニホールドは、静的ミキサーを備えた3/4インチスケジュール80ステンレス鋼管から入った。静的ミキサーアセンブリを加熱テープで150℃〜200℃の温度まで加熱し、繊維ガラス布断熱材で包み、熱損失を制限した。単一点型「J」熱電対を静的ミキサーの開始部及び終了部に挿入した。温度データは、HP DataLinkシステムで収集した。システム圧力は、静的ミキサーの直前に供給マニホールドに配置された2000psigステンレス鋼圧力計から監視した。
【0090】
b)反応器システム:予熱済みの供給材料は、静的ミキサーから出て、縦型反応器に向かって流れた。反応器は、24インチ長である、1インチスケジュール80ステンレス鋼管である。使用された全てのパイプ継手は、スケジュール80であった。安全対策として、反応器の頂部に、1/2インチInconel 1500psig破裂ディスクを装備した。全ての嵌合部、パイプ、管、及び装置は、1500psigを超える圧力を定格とした。
【0091】
反応器に、154cm
3の合金200、0.24インチPro−Pak(登録商標)突出金属パッキングを充填した。熱電対の活性域は、154cc触媒床にある。管状反応器内の内部温度の読み取り値は、触媒床(それぞれ1/2インチ、3インチ、6インチ、9インチ、及び12インチ)に沿って3インチ離れたところにセンサを有する5点型「J」熱電対(36インチ×1/4インチステンレス鋼)に接続されたHP DataLinkシステムにより収集した。触媒は、触媒床の頂部及び底部に、少量のニッケルメッシュで定位置に保持した。熱損失を制限するためにファイバーガラス布地で包まれた加熱テープによって反応器を所望の温度まで加熱し、その温度に維持した。ドレイン弁として機能する、反応器の底部に1/4インチSwagelok(商標)ボール弁が存在した。これは、維持中のみ使用され、他の時間は全て閉じたままであった。反応器内の圧力を、Equilibar(商標)ダイヤフラム型の背圧調節器(BPR)で制御/維持した。
【0092】
c)生成物の収集:BPRから出て、ステンレス鋼Pro−Pak(登録商標)が充填された30インチジャケット付きステンレス鋼カラムによって1/2インチに入った。カラムを0℃まで冷却した。より多くの副生成物を濃縮し、250ccのステンレス鋼製の2重端シリンダ(doubled ended cylinder)内で収集し、所望であれば反応中に分離させて排出させることができる。蒸気は、圧力計及びシリンダの半分の点まで延在するディップチューブを装備している1ガロンのドライアイストラップまで続く。TFMCB及びHFPの大部分をここで収集した。第2のトラップ(1L、圧力計を有する)は、第1のトラップから逃れたあらゆるHFPを収集した。典型的には、エチレンは排気されたか、又は液体窒素トラップ内で凝縮され得る。
【0093】
d)試料採取:蒸気試料を2つの別個の点で採取した。供給混合物の試料は、静的ミキサーの後であるが、反応器の直前に採取することができる。2つの弁の間に少量の材料を捕捉するために、1対の1/4インチステンレス鋼Swagelok(商標)ボール弁を順に使用した。第2の弁を開いて、材料を300立方センチメートルのステンレス鋼シリンダに通した。
【0094】
分析のために、気相中の反応生成物を収集し、デジタル圧力計を有するステンレス鋼シリンダをBPR後に試料採取ループ内に設置した。所望であれば、1/4インチステンレス鋼Swagelok(商標)ボール弁を閉じて、試料シリンダを通る流出を導くことができる。試料採取シリンダの出口弁を閉じ、圧力が〜20psigに達するまでシリンダを充填した。次いで、上流弁を閉じ、1/4インチステンレス鋼Swagelok(商標)ボール弁を再び開き、流路を復元した。
【0095】
e)分析−GC:気相試料をCryo GC[モデルHP5890A、FID装備、及びRestek(商標)RTX1カラム105m長動作条件:初期温度−55℃、ランプ15℃/分、150℃(保持なし)及び25℃/分〜180℃(5分間保持)及び実行時間、29.37分]で分析した。TFMCBの液体試料を、通常のGC[モデルHP5890A、FID装備及びRestek(商標)RTX1カラム105m長;条件は以下のとおり:初期温度=60℃で1分、ランプ7℃/分〜200℃(200℃で5.5分間保持)及び総実行時間=27.5分]で実行した。気相GC成分は、BRL分析部門によって体積/モル%に正規化/較正されたことに留意されたい。粗液体生成物中のTFMCBのGC純度%を、重量測定(蒸留)及びNMR(
1H及び
19F)分析により検証した。
【0096】
実施例6
オリゴマー化/重合(OP)阻害剤の非存在下でのHFP及びエチレンの連続反応
ヘキサフルオロプロペン(HFP)及びエチレンを、重合阻害剤を使用せずに、触媒床[触媒=合金200、温度=343℃、圧力=800〜850psig、HFP対エチレン比=1:2、及び接触時間=10分]上の加熱管に連続的に10時間通過させた。これらの条件下で、選択性84%、変換率34%でTFMCBを生成した。精度3%内の質量収支が観察された。
【0097】
実施例7
重合触媒の存在下でのHFP及びエチレンの連続反応
ヘキサフルオロプロペン(HFP)及びエチレンを、オロゴマー化(ologomerization)/重合(OP)阻害剤(一酸化窒素)と共に、触媒床[触媒=合金200、温度=330℃、圧力=800〜850psig、HFP対エチレン比=1:2、及び接触時間=15分]上の加熱管に連続的に、それぞれ3時間及び10時間通過させた。これらの条件下で、選択性は91〜94%の範囲であり、変換率9〜11%であった。したがって、選択性は、気相オリゴマー化/重合(OP)阻害剤の使用により改善することができる。
【0098】
実施例8
HFP及びエチレンの連続反応−4.5日間にわたるTFMCBの連続生成
ヘキサフルオロプロペン(HFP)及びエチレンを、オリゴマー化/重合(OP)阻害剤(一酸化窒素)と共に、触媒床[触媒=合金200、温度=322℃、圧力=840〜850psig、HFP対エチレン比=1:1.5、及び接触時間=12分]上の加熱管に、連続して4.5日間通過させた。選択性91%、変換率12%でTFMCBを得た。
【0099】
比較例9
TFMCBの非触媒バッチ生成。
1000mLのステンレス鋼シリンダに、0.6gのt−ブチルカテコールを入れ、窒素を用いてシリンダを3回排気させる。次に、52.0gのHFP及び11.6gのエチレン(モル比1/1.19)をシリンダで縮合させた。シリンダを72時間、242℃〜250℃まで加熱し、反応終了時に内側圧力を600psi〜500psiまで低下させた。未反応のHFP及びエチレンを別個のシリンダ(39.6g)で回収し、真空によって反応器から19.6gの生成物を取り除いた。GC分析は、96.58%純粋なTFMCBを示した。
【0100】
比較例10
TFMCBの非触媒バッチ生成。
2Lのステンレスシリンダに1.01gのt−ブチルカテコールを入れ、窒素によりシリンダを3回排気した。次に、50.0gのHFP及び56.5gのエチレンをシリンダで縮合させた。シリンダを1時間、320℃〜329℃まで加熱し、反応終了時に内圧を700psi〜500psiまで低下させた。未反応のHFP及びエチレンを別個のシリンダ中で回収し(75.8g)、TFMCB生成物(29.4g)を反応器からデカントした。
【0101】
GC分析は、94.34%純度(HFPに基づいて収率46.2%)を示した。カラムを通して更に蒸留して、99.8%純粋な1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−シクロブタン(TFMCB)を得た。
1H−NMR(CDCl
3)2.62ppm(m,1H),2.45ppm(m,2H),2.24ppm(m,1H);
19F−NMR(CDCl
3)−80.70ppm(dt,J=9.3,2.5Hz,CF
3)、−101.0ppm(dm,J=212.9Hz,1F)、−114.73ppm(dtm,J=211.9,16.2Hz,1F)、−176.37ppm(m,1F)。
【0102】
比較例11
TFMCBの非触媒バッチ生成。
2Lのステンレスシリンダに1.10gのt−ブチルカテコールを入れ、窒素によりシリンダを3回排気した。次に、算出された量のHFP及びエチレンをシリンダで縮合させた。シリンダを様々な期間、指定温度まで加熱した。結果を以下の反応表Iに列挙した。
【0103】
【表I】
【0104】
比較例12
TFMCBの非触媒バッチ生成
1ガロンのステンレスシリンダに、60mgのt−ブチルカテコール(200ppm)を入れ、窒素を用いてシリンダを3回排気させる。次に、140.7gのHFP及び159.0gのエチレン(モル比1/6.05)をシリンダで縮合させた。シリンダを1時間320℃〜329℃まで加熱し、反応終了時に内圧を800psi〜600psiまで低下させた。未反応のHFP及びエチレンを別個のシリンダ(174.5g)で回収し、121.7gの生成物を反応器からデカントした。GC分析は、78.10%のTFMCBを示し、GC及びGCMS分析によれば、エチレンオリゴマーからの副生成物は21.40%であった。
【0105】
実施例13
TFMCBの熱分解
蒸留TFMCB(495g、99.6%)の熱分解を炉内の加熱ステンレスパイプ反応器内で実施した(表IIを参照されたい)。反応器を800℃で30分間加熱して、平衡化させ、窒素でフラッシュした。液体1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−シクロブタンを、プログラムされたシリンジポンプを用いて加熱域(100℃)に導入した。
【0106】
シクロブタンの流れが開始されると、窒素流をオフに切り替えて、熱分解を連続モードで行った。得られた熱分解生成物を、冷却された1ガロンのステンレス鋼シリンダ内に収集した。GCによる生成物の監視を反応の開始及び終了時に行った。詳細を以下の表IIに要約する。
【0107】
【表II】
【0108】
表IIに示すように、直径0.375インチ及び長さ12インチの寸法を有し、10.85cm
3の加熱域のある実験室規模の反応器をステンレス鋼から作製した。示されるように、TFMCBの流量は、熱分解反応のために5秒の接触時間とした。収集容器も、ステンレス鋼から作製され、反応生成物混合物の収集中に液体窒素で冷却した。
【0109】
反応器は、生成することを目的として、非常に多量のTFMCBに熱分解反応を実施するために好適な構造材料を使用しており、非常に大きくなる。反応温度は、実験室規模の反応器で用いられるものと異なってもよい。1234yf/VDFのHFP/エチレンに対する生成物組成は変化しないが、TFMCBの変換は、動作温度の変化によって影響されることが予想される。生成プラントでは、キャリアガスは使用されないことが予想される。最後に、生成プロセスにおいて、収集容器は非常に大きくなり、冷却は、冷水などの代替手段によってもたらされる。生成プラントでは、反応器から出た生成物ガスは、蒸留又は更なる処理の前に、加圧された貯蔵容器内に圧縮されることが予想される。
【0110】
比較例14A及び14B
1A.実施例13の精製TFMCB(3.0g)を、加熱したステンレス管状反応器に800℃、0.5mL/分で、通過させた。反応管は、13.0cmの反応域長を有する1.5cmの直径を有し、6.8gのInconel 625メッシュで充填した。ヘリウムキャリアガス(66.7mL/分)との接触時間は、14.1秒であり、3.0gの生成ガスが収集された。GC分析では、エチレン3.8%、VDF 48.7%、HFP 3.3%、及び1234yf 44.2%を示した。
【0111】
1B.反応温度を750℃まで下げ、3.79gのTFMCBを、接触時間32.4秒で管に通過させた。3.78gの生成物を回収した。GC分析では、エチレン3.8%、VDF 48.9%、HFP 3.2%、及び1234yf 44.1%を示した。
【0112】
実施例15
様々な温度及び接触時間で多数の反応を実施した。典型的には、反応は、未希釈の1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−シクロブタンを、加熱炉内に配置させたステンレス管/パイプ反応器に通過させることによって実施した。これらの結果を以下の表IIIに示す。
【0113】
【表III】
【0114】
表IIIに示すように、VDFとHFPとの比は比較的一定であり、約2〜5%の未反応のHFP及びエチレンが残った。
【0115】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数形を含む。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は上方の好ましい値と下方の好ましい値との列挙のいずれかとして与えられるとき、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の上限範囲又は上方の好ましい値と任意の下限範囲又は下方の好ましい値との任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示しているものとして理解されるべきである。数値の範囲が本明細書に列挙されている場合、特に明記しない限り、範囲は、その端点、並びに範囲内の全ての整数及び端数を含むことが意図される。本発明の範囲は、範囲を定義するときに列挙される特定の値に限定されることを意図するものではない。
【0116】
以上から、例示の目的のために具体的な実施例が記載されてきたが、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。したがって、前述の発明を実施するための形態は、限定ではなく例示的なものとみなされることが意図されており、これは、特許請求される主題を特に指摘し明確に請求することを意図した全ての等価物を含む、以下の特許請求の範囲であることを理解されたい。
本明細書は以下の発明の態様を包含する。
[1]
1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)シクロブタン(TFMCB)を生成するためのプロセスであって、
ヘキサフルオロプロペン及びエチレンを反応容器に導入する工程と、
前記ヘキサフルオロプロペン及びエチレンを、少なくとも1つのオリゴマー化/重合(OP)阻害剤及び少なくとも1つの金属触媒の存在下において前記反応容器内で反応させる工程と、を含む、プロセス。
[2]
前記プロセスが連続プロセスであり、前記反応させる工程後、追加の工程である、
前記反応容器からTFMCB生成物を取り出す工程と、
前記導入する工程、反応させる工程、及び取り出す工程(a)〜(c)を繰り返す工程と、を更に含む、[1]に記載のプロセス。
[3]
前記反応させる工程後、追加の工程である、
前記反応容器から未反応のヘキサフルオロプロペン及び未反応のエチレンのうちの少なくとも1つを取り出す工程と、
未反応のヘキサフルオロプロペン及び未反応のエチレンのうちの前記少なくとも1つを前記反応容器に戻して再循環させる工程と、を更に含む、[1]に記載のプロセス。
[4]
前記反応させる工程後、追加の工程である、
前記反応容器から未反応のヘキサフルオロプロペン及び未反応のエチレンを取り出す工程と、
前記未反応のヘキサフルオロプロペン及び未反応のエチレンを前記反応容器に戻して再循環させる工程と、を更に含む、[1]に記載のプロセス。
[5]
前記金属触媒が、ニッケル及びニッケル系合金からなる群から選択される、[1]に記載のプロセス。
[6]
前記オリゴマー化/重合(OP)阻害剤が、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO
2)、一酸化炭素(CO)及び二酸化硫黄(SO
2)からなる群から選択される少なくとも1つの気相化合物を含む、[1]に記載のプロセス。
[7]
前記オリゴマー化/重合(OP)阻害剤が、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシルである、[1]に記載のプロセス。
[8]
前記オリゴマー化/重合(OP)阻害剤が、カテコール及びカテコール誘導体、テルペン、キノン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]に記載のプロセス。
[9]
前記オリゴマー化/重合(OP)阻害剤が、前記反応容器中の反応組成物の総重量に基づいて、約50重量ppm〜約2,000重量ppmで存在する、[1]に記載のプロセス。
[10]
前記オリゴマー化/重合(OP)阻害剤が、前記反応容器中の反応組成物の総重量に基づいて、約500ppm〜約1,000ppmで存在する、[1]に記載のプロセス。
[11]
前記反応させる工程が、600psig〜1500psigの圧力で実施される、[1]に記載のプロセス。
[12]
前記反応させる工程が、800psig〜1200psigの圧力で実施される、[1]に記載のプロセス。
[13]
前記反応させる工程が、300℃〜500℃の温度で実施される、[1]に記載のプロセス。
[14]
前記反応させる工程が、300℃〜400℃の温度で実施される、[1]に記載のプロセス。
[15]
前記反応させる工程中、前記ヘキサフルオロプロペン及びエチレンが、1:1〜1:6のモル比で存在する、[1]に記載のプロセス。