【実施例】
【0095】
用語「周囲温度」及び「室温」は、互換的に用いて、約20℃の温度を指定する。
原則として、調製した化合物については
1H-NMR及び/又は質量スペクトルを得た。
塩基性又は酸性基を有する以下に報告する中間体及び実施例は、用いた精製方法及び条件に応じて対応塩又は中性化合物として得られる。塩は、当業者に周知の標準手順によってそれらの中性対応物に変換可能である。
生成物の特徴づけに用いた分析HPLCパラメーター(TFAはトリフルオロ酢酸を表す):
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
中間体1
trans-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル
【0100】
【化17】
【0101】
工程1:2-ブロモ-5-ビニル-ピラジン
室温で撹拌子、2,5-ジブロモ-ピラジン(1.00g)、カリウムビニルトリフルオロボラート(0.56g)、テトラヒドロフラン(6mL)、及びトルエン(2mL)を入れたフラスコにNa
2CO
3溶液(水中2mol/L、5.3mL)を加える。混合物をArで5分間パージした後に1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-ジクロロパラジウム(II)(0.15g)を加える。混合物を80℃で一晩撹拌する。室温に冷ました後、水及び酢酸エチルを加え、結果として生じる混合物を濾過する。有機相を分離して慎重に濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル49:1→7:3)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 185/187 (Br) [M+H]
+。
工程2:trans-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル
ジアゾ酢酸エチル(ジクロロメタン中13%;2.2mL)、2-ブロモ-5-ビニル-ピラジン(0.45g)、及びキシレン(5mL)の混合物を100℃で4時間撹拌する。室温に冷ました後、1M HCl水溶液を加え、結果として生じる混合物を15分間激しく撹拌する。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル49:1→4:1)してラセミtrans配置表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 271/273 (Br) [M+H]
+。
【0102】
中間体2及び中間体3
(1S,2S)-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(中間体2)及び(1R,2R)-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(中間体3)
【0103】
【化18】
【0104】
工程1:2-ブロモ-5-オキシラニル-ピラジン
室温で撹拌子、2-ブロモ-5-ビニル-ピラジン(2.50g)、tert-ブタノール(18mL)、及び水(38mL)を入れたフラスコにN-ブロモスクシンイミド(NBS、2.51g)を加える。混合物を55℃で1.5時間撹拌する。室温に冷ました後、混合物を氷浴内で冷却し、NaOH溶液(水中4mol/L、10mL)を滴加する。混合物を冷却浴内で15分間撹拌した後に水、Na
2S
2O
3水溶液、及びジエチルエーテルを加える。有機相を分離し、水で洗浄し、乾燥させる(Na
2SO
4)。溶媒を慎重に除去し、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル49:1→3:1)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 201/203 (Br) [M+H]
+。
工程2:trans-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル
室温で撹拌子、トリエチルホスホノアセタート(3.3mL)、及びトルエン(50mL)を入れたフラスコにナトリウムtert-ペンタオキシドの溶液(2-メチルテトラヒドロフラン中30%、6.9mL)を滴加する。混合物を約35℃で20分間撹拌した後にトルエン(15mL)中の2-ブロモ-5-オキシラニル-ピラジン(3.20g)を加える。混合物を105℃で1時間撹拌する。室温に冷ました後、混合物を1M H
3PO
4水溶液及びブラインで洗浄し、乾燥させる(MgSO
4)。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル49:1→7:3)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 271/273 (Br) [M+H]
+。
エナンチオマーのクロマトグラフ分離:
キラル相上でSFC分離するとラセミ混合物から純粋なエナンチオマーが得られる(カラム:LUX(登録商標)Amylose-2(Phenomenex Inc.)、5μm、250mm×20mm;溶出剤:scCO
2/メタノール95:5、40℃、150バール、60mL/分):
(1S,2S)-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル:t
R = 2.26分
(1R,2R)-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル: t
R = 2.00分
【0105】
中間体4
(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル
【0106】
【化19】
【0107】
工程1:5-クロロ-ピラジン-2-カルボニルクロリド
室温で撹拌子、5-クロロ-ピラジン-2-カルボン酸(13.17g)、塩化チオニル(25mL)、及びトルエン(200mL)を入れたフラスコにN,N-ジメチルホルムアミド(1滴)を加える。混合物を60℃で一晩撹拌する。室温に冷ました後、混合物を濃縮し、トルエンとのエバポレーションを3回繰り返して残留物から揮発性残渣を取り除く。
工程2:2-クロロ-1-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-エタノン
氷浴内で冷却したテトラヒドロフラン中の5-クロロ-ピラジン-2-カルボニルクロリド(11.80g)の撹拌溶液にトリメチルシリルジアゾメタン(ヘキサン中2mol/L、50mL)を3.5時間にわたって滴加する。出発物質の完全な消失後(TLC又はHPLC)、混合物を約-15℃に冷却し、1,4-ジオキサン中のHCl(4mol/L、50mL)を1分以内に加える。混合物を10分間撹拌した後に水を加える。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(80mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機相を水及びNaHCO
3水溶液で中性になるまで洗浄し、乾燥させる(MgSO
4)。混合物を濾過し、乾燥剤を酢酸エチル(80mL)で洗浄して表題化合物の混合溶液を得、そのまま次反応工程で使用する。
【0108】
工程3:(R)-1-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-2-クロロ-エタノール
(1S,2S)-Cp
*RhCl(TsNCHPhCHPhNH
2)(0.33g;例えば、Organometallics 2009, 28, 1435-1446又はChem. Commun. 2015, 52, 362-365に記載のように(1S,2S)-(+)-N-(4-トルエンスルホニル)-1,2-ジフェニルエチレンジアミン及びペンタメチル-シクロペンタジエニル-ロジウムクロリド二量体から調製され;或いは、この触媒は、反応フラスコ内で2成分を混ぜ合わせることによってインサイツ調製される)を工程2で調製される2-クロロ-1-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-エタノンの溶液に加え、結果として生じる混合物を-30℃に冷却する。この混合物に、トリエチルアミン(45mL)をギ酸(12mL)に室温で加えて混合物を5分間撹拌することによって調製されるトリエチルアミンとギ酸の混合物を滴加する。混合物を室温に戻しながら一晩撹拌する。1M NaHCO
3水溶液を加え、混合物を激しく撹拌する。セライトで混合物を濾過し、濾液の有機相を分離する。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を混ぜ合わる。有機相を水及びブラインで洗浄し、乾燥させる(MgSO
4)。溶媒を蒸発させて表題化合物を得、そのまま次反応工程で使用する。
【0109】
工程4:(R)-2-クロロ-5-オキシラニル-ピラジン
室温で撹拌子、(R)-1-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-2-クロロ-エタノール(12.9g)、テトラヒドロフラン(80mL)を入れたフラスコにNaOH水溶液(4mol/L、20mL)を加える。混合物を一晩撹拌する。混合物を酢酸エチルで希釈し、結果として生じる混合物を1M H
3PO
4水溶液及びブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(石油エーテル/酢酸エチル)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 157/159 (Cl) [M+H]
+。
工程5:(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル
氷浴内で冷却した、撹拌子及びトリエチルホスホノアセタート(125mL)を入れたフラスコにナトリウムtert-ペンタオキシド(70g)のテトラヒドロフラン(250mL)中の溶液を15分かけて加える。混合物を冷却しながら15分間撹拌し、室温で30分間撹拌する。次に、90℃でトルエン(125mL)中の(R)-2-クロロ-5-オキシラニル-ピラジン(34.3g)の溶液に45分にわたって混合物を滴加する。混合物を90℃でさらに15分間撹拌してから室温で1時間撹拌する。混合物を1M H
3PO
4水溶液でわずかに酸性にする(pH約5〜6)。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(石油エーテル/酢酸エチル)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 227/229 (Cl) [M+H]
+。
【0110】
中間体5
(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸
【0111】
【化20】
【0112】
室温で撹拌子、(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(27.2g)、及びテトラヒドロフラン(160mL)を入れたフラスコに4M NaOH水溶液(45mL)を加える。混合物を室温で一晩撹拌する。水(80mL)を加えて大部分のテトラヒドロフランを蒸発させる。水性残渣をジエチルエーテルで洗浄してから4M HCl水溶液を用いてpH値を4〜5に調整する。混合物を30分間撹拌し、生成沈殿物を濾過により分離し、水で洗浄し、デシケーター内で乾燥させて第1バッチの表題化合物を得る。水性濾液のpH値を4M HCl水溶液で1に調整し、酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して第2バッチの表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
-): m/z = 197/199 (Cl) [M-H]
-。
中間体4から得られ、上述したように加水分解される中間体5のバッチのエナンチオマー純度(ee)は、一般的に40%〜80%である。
【0113】
中間体5のバッチのエナンチオマー純度は、下記手順を利用することによって>95%eeに上昇し得る。
80℃でイソプロパノール(270mL)中の(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸(18.1g)の溶液に(S)-1-フェニルエチルアミン(11.6mL)を加える。溶液を80℃で15分間撹拌してから室温で撹拌せずに一晩静置する。沈殿物を濾過により分離し、イソプロパノールで洗浄し、40℃で乾燥させて(S)-1-フェニルエチルアンモニウム(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボキシラートを得る(アンモニウム塩のジアステレオマー純度が十分でない場合、沈殿物を再びイソプロパノールから再結晶させる)。
(S)-1-フェニルエチルアンモニウムカルボキシラート(14.8g)を酢酸エチル(60mL)に懸濁させ、1M HCl水溶液(47mL)を加える。全ての固体が溶けるまで混合物を撹拌する。有機相を分離し、ブラインで洗浄する。有機相を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮する。残渣をジエチルエーテル/ペンタンから再結晶させて、エナンチオマー的に純粋な形態までの(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパン-カルボン酸を得る。
【0114】
中間体6
(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミン
【0115】
【化21】
【0116】
工程1:(S)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-オール
室温で撹拌子、(S)-4-ブロモ-インダン-1-オール(2.5g;調製についてはWO2013/144098参照)、ビス(ピナコラト)二ホウ素(3.3g)、及び1,4-ジオキサン(50mL)を入れたフラスコに酢酸カリウム(2.0g)を加える。混合物をArで5分間パージした後に1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(0.4g)を加える。混合物を100℃で一晩撹拌する。室温に冷ました後、混合物を酢酸エチルで希釈し、NH
4Cl水溶液及びブラインで洗浄し、乾燥させる(MgSO
4)。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(石油エーテル/酢酸エチル)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 243 [M-OH]
+。
工程2:(S)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-オール
室温で撹拌子、(S)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-オール(0.10g)、5-(4-ブロモ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-メチル-2H-テトラゾール(0.12g;調製についてはWO2013/144097参照)、及びトルエン(2mL)を入れたフラスコにジシクロヘキシル-(2',6'-ジメトキシ-ビフェニル-2-イル)-ホスファン(SPhos、30mg)及びK
3PO
4(水中2M、0.8mL)を加える。混合物をArで5分間パージした後に酢酸パラジウム(II)(8mg)を加える。混合物を100℃で1時間撹拌する。室温に冷ました後、混合物をジエチルエーテルで希釈し、NH
4Cl水溶液で洗浄し、乾燥させる(MgSO
4)。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(石油エーテル/酢酸エチル)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 321 [M+H]
+。
【0117】
工程3:2-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イル}-イソインドール-1,3-ジオン
氷浴内で冷却した、撹拌子、(S)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-オール(0.72g)、フタルイミド(0.37g)、トリ-n-ブチル-ホスフィン(0.67g)、及びテトラヒドロフラン(10mL)を入れたフラスコにジ-tert-ブチル-アゾジカルボキシラート(0.70g)を加える。氷浴を除去し、混合物を室温で一晩撹拌する。混合物を酢酸エチルで希釈し、NaHCO
3水溶液で洗浄し、乾燥させる(MgSO
4)。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(石油エーテル/酢酸エチル)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 450 [M+H]
+。
工程4:(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミン
室温で撹拌子、2-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イル}-イソインドール-1,3-ジオン(0.81g)、及びメタノール(5mL)を入れたフラスコにヒドラジン水和物(0.83g)を加える。混合物を室温で一晩撹拌する。混合物を酢酸エチルで希釈し、濾過する。溶媒を蒸発させ、残渣をHPLC(アセトニトリル/水/アンモニア)で精製して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 303 [M-NH
2]
+。
【0118】
中間体7
4-[4-((R)-1-アミノ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール
【0119】
【化22】
【0120】
工程1:(S)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-オール
表題化合物は、(S)-4-ブロモ-インダン-1-オール(調製についてはWO2013/144098参照)及び4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニルボロン酸(調製についてはWO2015/44073参照)から、中間体6の工程2に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 323 [M-NH
2]
+。
工程2:2-{(R)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イル}-イソインドール-1,3-ジオン
表題化合物は、(S)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-オール及びフタルイミドから、中間体6の工程3に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 452 [M-NH
2]
+。
工程3:4-[4-((R)-1-アミノ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール
表題化合物は、2-{(R)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イル}-イソインドール-1,3-ジオンから、中間体6の工程4に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 323 [M-NH
2]
+。
【0121】
中間体8
(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミン
【0122】
【化23】
【0123】
工程1:(S)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-オール
表題化合物は、(S)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-7-フルオロ-インダン-1-オール((S)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-オールから中間体6の工程1に記載の手順を用いて得られる)及び5-(4-ブロモ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-メチル-2H-テトラゾールから、中間体6の工程2に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 339 [M+H]
+。
工程2:5-[4-((R)-1-アジド-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェニル]-2-メチル-2H-テトラゾール
氷浴内で冷却した、撹拌子、(S)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-オール(3.45g)、1.8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(2.35mL)、及びトルエン(75mL)を入れたフラスコにジフェニルホスホリルアジド(2.3mL)を2時間にわたって添加する。冷却浴を除去し、混合物を室温で一晩撹拌する。混合物を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥させる(Na
2SO
4)。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル9:1→3:2)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 364 [M+H]
+。
工程3:(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミン
5-[4-((R)-1-アジド-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェニル]-2-メチル-2H-テトラゾール(2.33g)、10%パラジウム炭素(0.4g)、及びエタノール(75mL)を入れたフラスコを水素雰囲気(3バール)下で室温にて7時間振盪させる。混合物を濾過し、濾液を濃縮して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 338 [M+H]
+。
【0124】
中間体9
4-[4-((R)-1-アミノ-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール
【0125】
【化24】
【0126】
工程1:(S)-7-フルオロ-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-オール
表題化合物は、(S)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-オール(調製についてはWO2013/144097参照)及び4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニルボロン酸(調製についてはWO2015/44073参照)から、中間体6の工程2に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 341 [M-OH]
+。
工程2:4-[4-((R)-1-アジド-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール
表題化合物は、(S)-7-フルオロ-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-オールから、中間体8の工程2に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 406 [M+Na]
+。
工程3:4-[4-((R)-1-アミノ-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール
表題化合物は、4-[4-((R)-1-アジド-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オールから、中間体8の工程3に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 341 [M-NH
2]
+。
【0127】
中間体10
(R)-7-フルオロ-4-トリメチルシラニル-インダン-1-イルアミン
【0128】
【化25】
【0129】
工程1:(S)-7-フルオロ-4-トリメチルシリル-インダン-1-オール
-75℃に冷却した、撹拌子、(S)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-オール(10.0g)、及びテトラヒドロフラン(80mL)を入れたフラスコにn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6mol/L;60mL)を滴加する。混合物を-70℃未満で45分間撹拌した後にクロロトリメチルシラン(12mL)を加える。混合物を一晩で室温に戻す。混合物を-50℃に冷却し、4M HCl水溶液(25mL)で処理し、室温に温める。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル3:1→2:3)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 207 [M-OH]
+。
工程2:((R)-1-アジド-7-フルオロ-インダン-4-イル)-トリメチル-シラン
表題化合物は、(S)-7-フルオロ-4-トリメチルシラニル-インダン-1-オールから、中間体8の工程2に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 207 [M-N
3]
+。
工程3:(R)-7-フルオロ-4-トリメチルシリル-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、((R)-1-アジド-7-フルオロ-インダン-4-イル)-トリメチル-シランから、中間体8の工程3に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 224 [M+H]
+。
【0130】
中間体11
(1S,2S)-2-{5-[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イルアミノ]-ピラジン-2-イル}-シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
【0131】
【化26】
【0132】
工程1:(1S,2S)-2-[5-((R)-7-フルオロ-4-トリメチルシリル-インダン-1-イルアミノ)-ピラジン-2-イル]-シクロプロパンカルボン酸
撹拌子、(R)-7-フルオロ-4-トリメチルシリル-インダン-1-イルアミン(4.35g)、(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸(3.58g)、及び2-メチル-2-ブタノール(50mL)を入れたバイアルをArで10分間パージする。クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(BRETTPHOS Pd G1 メチル-tert-ブチルエーテル付加体;0.58g)及びナトリウムtert-ペンタオキシド(7.78g)を加え、混合物を85℃で2時間撹拌する。室温に冷ました後、酢酸(3.9mL)及びTHFを加え、混合物を激しく撹拌する。混合物を水及び酢酸エチルで希釈し、セライトで濾過する。濾液の有機相を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させる(MgSO
4)。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 386 [M+H]
+。
【0133】
工程2:(1S,2S)-2-[5-((R)-7-フルオロ-4-トリメチルシリル-インダン-1-イルアミノ)-ピラジン-2-イル]-シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
(1S,2S)-2-[5-((R)-7-フルオロ-4-トリメチルシリル-インダン-1-イルアミノ)-ピラジン-2-イル]-シクロプロパンカルボン酸(6.43g)、K
2CO
3(2.65g)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)の混合物に室温でヨウ化メチル(1.3mL)を加える。混合物を室温で6時間撹拌する。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(石油エーテル/酢酸エチル4:1→1:1)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 400 [M+H]
+。
工程3:(1S,2S)-2-[5-((R)-7-フルオロ-4-ヨード-インダン-1-イルアミノ)-ピラジン-2-イル]-シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
氷浴内で冷却したジクロロメタン(20mL)中の(1S,2S)-2-[5-((R)-7-フルオロ-4-トリメチルシリル-インダン-1-イルアミノ)-ピラジン-2-イル]-シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(3.00g)の溶液に一塩化ヨウ素(ジクロロメタン中1mol/L;15mL)を1時間にわたって添加する。溶液を冷却浴内で1時間撹拌する。1,3,5-トリメトキシベンゼン(1.89g)を加え、混合物を室温で1時間撹拌する。混合物をジクロロメタンで希釈し、NaHCO
3飽和水溶液で洗浄する。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(石油エーテル/酢酸エチル/メタノール4:1:0→0:4:1)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 454 [M+H]
+。
工程4:(1S,2S)-2-{5-[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イルアミノ]-ピラジン-2-イル}-シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
表題化合物は、(1S,2S)-2-[5-((R)-7-フルオロ-4-ヨード-インダン-1-イルアミノ)-ピラジン-2-イル]-シクロプロパンカルボン酸メチルエステから、中間体6の工程1に記載の手順に類似の手順に従って調製し;PdCl
2(dppf)及び1,4-ジオキサンに代えてPd(PPh
3)
4及びジメチルスルホキシドを使用する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 454 [M+H]
+。
【0134】
中間体12
((R)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-イル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
【0135】
【化27】
【0136】
工程1:2-((R)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-イル)-イソインドール-1,3-ジオン
表題化合物は、(S)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-オール及びフタルイミドから、中間体6の工程3に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 360/362 (Br) [M+H]
+。
工程2:(R)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、2-((R)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-イル)-イソインドール-1,3-ジオンから、中間体6の工程4に記載の手順に類似の手順に従って調製し;この化合物は、酢酸エチル中HCl(イソプロパノール中5mol/L)で処理して塩化水素塩に変換し得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 230/232 (Br) [M+H]
+。
工程3:((R)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-イル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
室温でテトラヒドロフラン(100mL)中の(R)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-イルアミン(8.70g)の塩化水素塩の溶液にトリエチルアミン(9.3mL)及び二炭酸ジ-tert-ブチル(7.12g)を加える。溶液を室温で一晩撹拌する。水を加え、結果として生じる混合物を酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 273/275 (Br) [M-tert-ブチル]
+。
工程4:[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル
表題化合物は、((R)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-イル)-カルバミン酸tert-ブチルエステルから、中間体6の工程1に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 322 [M-tert-ブチル]
+。
【0137】
中間体13
(3R,4R)-4-[4-((R)-1-アミノ-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-テトラヒドロフラン-3-オール
【0138】
【化28】
【0139】
工程1:[(3R,4R)-4-(4-ブロモ-3,5-ジメチル-フェノキシ)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン
室温で撹拌子、2-ブロモ-5-ヨード-m-キシレン(2.00g)、(3R,4R)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-テトラヒドロフラン-3-オール(1.72g)、Cs
2CO
3(4.11g)、及びトルエン(10mL)を入れたフラスコにCuI(0.12g)及び1,10-フェナントロリン(0.23g)を加える。混合物を115℃で一晩撹拌する。室温に冷ました後、水を加え、結果として生じる混合物を酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた抽出物を1M HCl水溶液で洗浄し、乾燥させる(MgSO
4)。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル49:1)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 401/403 (Br) [M+H]
+。
工程2:((R)-4-{4-[(3R,4R)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ]-2,6-ジメチル-フェニル}-7-フルオロ-インダン-1-イル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
撹拌子、[(3R,4R)-4-(4-ブロモ-3,5-ジメチル-フェノキシ)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(0.80g)、[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル(0.64g)、K
3PO
4(0.96g)、水(4.3mL)、及び1,4-ジオキサン(13mL)を入れたバイアルをArで10分間パージする。ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(PdCl
2(Amphos)
2;0.10g)を加え、混合物を80℃で1時間撹拌する。室温に冷ました後、水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせ抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して粗生成物を得、そのまま次工程で使用する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 516 [M+H]
+。
工程3:(3R,4R)-4-[4-((R)-1-アミノ-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-テトラヒドロフラン-3-オール
室温で1,4-ジオキサン(5mL)中の((R)-4-{4-[(3R,4R)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ]-2,6-ジメチル-フェニル}-7-フルオロ-インダン-1-イル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.56g)の溶液にHCl溶液(1,4-ジオキサン中4mol/L、10mL)を加える。溶液を室温で1時間撹拌してから濃縮する。残渣をHPLC(アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸)で精製して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 341 [M-NH
2]
+。
【0140】
中間体14
(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-メタンスルホニル-プロポキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミン
【0141】
【化29】
【0142】
工程1:{(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-メタンスルホニル-プロポキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル
表題化合物は、2-ブロモ-5-(3-メタンスルホニル-プロポキシ)-1,3-ジメチル-ベンゼン(調製についてはWO2013/178575参照)及び[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イル]-カルバミン酸tert-ブチルエステルから、中間体13の工程2に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 436 [M-tert-ブチル]
+。
工程2:(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-メタンスルホニル-プロポキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、{(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-メタンスルホニル-プロポキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イル}-カルバミン酸tert-ブチルエステルから、中間体13の工程3に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 375 [M-NH
2]
+。
【0143】
中間体15
2-((R)-4-ブロモ-インダン-1-イル)-イソインドール-1,3-ジオン
【0144】
【化30】
【0145】
表題化合物は、(S)-4-ブロモ-インダン-1-オールから、中間体6の工程3に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 342/344 (Br) [M+H]
+。
【0146】
中間体16
(R)-4-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-インダン-1-イルアミン
【0147】
【化31】
【0148】
工程1:2-[(R)-4-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-インダン-1-イル]-イソインドール-1,3-ジオン
撹拌子、2-((R)-4-ブロモ-インダン-1-イル)-イソインドール-1,3-ジオン(0.50g)、3-フルオロ-4-メトキシ-フェニルボロン酸(0.28g)、ジシクロヘキシル-(2',6'-ジメトキシ-ビフェニル-2-イル)-ホスファン(30mg)、K
3PO
4(水中2mol/L、4.5mL)、及びトルエン(10mL)を入れたバイアルをArで10分間パージする。Pd(OAc)
2(8mg)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌する。室温に冷ました後、混合物ををセライトで濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた抽出物を1M H
3PO
4水溶液及びブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して粗生成物を得、そのまま次工程で使用する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 388 [M+H]
+。
工程2:(R)-4-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、2-[(R)-4-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-インダン-1-イル]-イソインドール-1,3-ジオンから、中間体6の工程4に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 241 [M-NH
2]
+。
【0149】
中間体17
(R)-4-[4-(5-メトキシ-ピラジン-2-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミン
【0150】
【化32】
【0151】
工程1:2-{(R)-4-[4-(5-メトキシ-ピラジン-2-イル)-フェニル]-インダン-1-イル}-イソインドール-1,3-ジオン
表題化合物は、2-((R)-4-ブロモ-インダン-1-イル)-イソインドール-1,3-ジオン及び4-(5-メトキシ-ピラジン-2-イル)-フェニルボロン酸から、中間体16の工程1に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 448 [M+H]
+。
工程2:(R)-4-[4-(5-メトキシ-ピラジン-2-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、2-{(R)-4-[4-(5-メトキシ-ピラジン-2-イル)-フェニル]-インダン-1-イル}-イソインドール-1,3-ジオンから、中間体6の工程4に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI
+): m/z = 301 [M-NH
2]
+。
【0152】
実施例1
trans-2-(5-{(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸(シクロプロパンに関してtrans-ジアステレオマーの約1:1混合物)
【0153】
【化33】
【0154】
撹拌子、ナトリウムtert-ブトキシド(41mg)、4-[4-((R)-1-アミノ-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール(61mg)、trans-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(45mg)、及び1,4-ジオキサン(3mL)を入れたバイアルをArで5分間パージする。クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(BRETTPHOS Pd G1 メチル-tert-ブチルエーテル付加体;7mg)を加え、混合物を100℃で1時間撹拌する。室温に冷ました後、KOH水溶液(4mol/L、2mL)を加え、混合物を室温で2時間撹拌する。4M HCl水溶液を加え、酸性化混合物を酢酸エチルで抽出する。抽出物を濃縮し、クロマトグラフ処理(HPLC;溶出剤としてアセトニトリル、水及びトリフルオロ酢酸)して表題化合物を得る。LC (方法1): t
R = 1.07分;質量スペクトル(ESI
+): m/z = 520 [M+H]
+。
【0155】
実施例2
(1S,2S)-2-(5-{(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸
【0156】
【化34】
【0157】
撹拌子、4-[4-((R)-1-アミノ-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール(0.18g)、(1S,2S)-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸(0.14g)、[(2,6-ジメチルフェニル)カルバモイル]ギ酸(19mg)、K
3PO
4(0.21g)、及びジメチルスルホキシド(0.5mL)を入れたフラスコをArで10分間パージする。CuI(9mg)を加え、混合物を100℃で18時間撹拌する。室温に冷ました後、4M NaOH水溶液(3mL)を加え、混合物を室温で一晩撹拌する。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで1回抽出する。水相を4M HCl水溶液で酸性にし(pH<4)、酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた抽出物を濃縮し、残渣をクロマトグラフ処理(HPLC;溶出剤として水、アセトニトリル、及びアンモニア)して表題化合物を得る。LC (方法1): t
R = 1.06分;質量スペクトル(ESI
+): m/z = 520 [M+H]
+。
これとは別に、表題化合物は、以下のように得られる:
撹拌子、4-[4-((R)-1-アミノ-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール(0.80g)、(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸(0.55g)、及び2-メチル-2-ブタノール(20mL)を入れたバイアルをArで10分間パージする。クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(BRETTPHOS Pd G1 メチル-tert-ブチルエーテル付加体;60mg)及びナトリウムtert-ペンタオキシド(1.40g)を加え、混合物を100℃で45分間撹拌する。室温に冷ました後、酢酸(0.6mL)を加え、混合物を激しく撹拌する。水を加え、結果として生じる混合物を酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(ジクロロメタン/メタノール)して表題化合物を得る。
【0158】
実施例3
(1R,2R)-2-(5-{(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸
【0159】
【化35】
【0160】
表題化合物は、4-[4-((R)-1-アミノ-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール及び(1R,2R)-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸から、実施例2について述べた手順(CuIを使用する手順)に類似の手順に従って調製する。LC (方法1): t
R = 1.07分;質量スペクトル(ESI
-): m/z = 518 [M-H]
-。
【0161】
実施例4
(1S,2S)-2-(5-{(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-メタンスルホニル-プロポキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸
【0162】
【化36】
【0163】
表題化合物は、(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-メタンスルホニル-プロポキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミン及び(1S,2S)-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸から、実施例2について述べた手順(CuIを用いる手順)に類似の手順に従って調製する。LC (方法1): t
R = 1.00分;質量スペクトル(ESI
+): m/z = 554 [M+H]
+。
【0164】
実施例5
(1R,2R)-2-(5-{(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-メタンスルホニル-プロポキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸
【0165】
【化37】
【0166】
表題化合物は、(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-メタンスルホニル-プロポキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミン及び(1R,2R)-2-(5-ブロモ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸から、実施例2について述べた手順(CuIを用いる手順)に類似の手順に従って調製する。LC (方法1): t
R = 1.00分;質量スペクトル(ESI
+): m/z = 554 [M+H]
+。
【0167】
実施例6
(1S,2S)-2-(5-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸
【0168】
【化38】
【0169】
撹拌子、(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミン(75mg)、(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸(78%ee;50mg)、及び1,4-ジオキサン(2mL)を入れたバイアルをArで10分間パージする。クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(BRETTPHOS Pd G1 メチル-tert-ブチルエーテル付加体;9mg)、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル(6mg)、及びナトリウムtert-ブトキシド(0.10g)を加え、混合物を85℃で90分間撹拌する。室温に冷ました後、酢酸(60μL)及びTHFを加え、混合物を激しく撹拌する。混合物をセライトで濾過し、濾液をクロマトグラフ処理(HPLC;水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸)して表題化合物を得る。LC (方法1): t
R = 1.05分;質量スペクトル(ESI
+): m/z = 482 [M+H]
+。
【0170】
実施例7
(1S,2S)-2-(5-{(R)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸
【0171】
【化39】
【0172】
表題化合物は、(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸(78%ee)及び4-[4-((R)-1-アミノ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オールから、実施例6について述べた手順に類似の手順に従って調製する。LC (方法1): t
R = 1.06分;質量スペクトル(ESI
+): m/z = 502 [M+H]
+。
【0173】
実施例8
(1S,2S)-2-{5-[(R)-4-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-インダン-1-イルアミノ]-ピラジン-2-イル}-シクロプロパンカルボン酸
【0174】
【化40】
【0175】
撹拌子、(R)-4-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-インダン-1-イルアミン(0.17g)、(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸(78%ee;0.10g)、及び2-メチル-2-ブタノール(6mL)を入れたバイアルをArで10分間パージする。クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(BRETTPHOS Pd G1 メチル-tert-ブチルエーテル付加体;25mg)及びナトリウムtert-ペンタオキシド(0.30g)を加え、混合物を85℃で90分間撹拌する。室温に冷ました後、酢酸(0.15mL)及びTHFを加え、混合物を激しく撹拌する。混合物をセライトで濾過し、濾液をクロマトグラフ処理(HPLC;水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸)して表題化合物を得る。LC (方法1): t
R = 1.04分;質量スペクトル(ESI
+): m/z = 420 [M+H]
+。
【0176】
実施例9
(1S,2S)-2-(5-{(R)-4-[4-(5-メトキシ-ピラジン-2-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸
【0177】
【化41】
【0178】
表題化合物は、(1S,2S)-2-(5-クロロ-ピラジン-2-イル)-シクロプロパンカルボン酸(78%ee)及び(R)-4-[4-(5-メトキシ-ピラジン-2-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミンから、実施例6について述べた手順に類似の手順に従って調製する。LC (方法1): t
R = 1.10分;質量スペクトル(ESI
+): m/z = 480 [M+H]
+。
この後の表に編集する下記化合物は、(1S,2S)-2-{5-[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イルアミノ]-ピラジン-2-イル}-シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(又はその対応ボロン酸)及びそれぞれのカップリング相手の臭化物(又は塩化物若しくはヨウ化物)から、中間体6の工程2、中間体13の工程2、及び中間体16の工程1に記載の主要手順に従い、エステル基の加水分解を伴って、或いは加水分解後に得ることができる。
【0179】
下表の化合物の合成の典型的手順:
撹拌子、(1S,2S)-2-{5-[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イルアミノ]-ピラジン-2-イル}-シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(0.11mmol、1当量)、臭化物、塩化物、又はヨウ化物としてのカップリング相手(0.17mmol、1.5当量)、K
3PO
4(0.14mLの水中0.28mmol、2.5当量)、及び1,4-ジオキサン(1.5mL)を入れたバイアルをArで10分間パージする。ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II) (PdCl
2(Amphos)
2、1〜5mol%;或いは、触媒としてPd-PEPPSI-IHept Clを使用する)を加え、混合物を80℃で2〜16時間撹拌する。室温に冷ました後、メタノール(1.5mL)及びNaOH溶液(水中4mol/L、0.5mL、18当量)を加え、混合物を室温で一晩撹拌する。混合物を50%トリフルオロ酢酸で中和し、クロマトグラフ処理(HPLC;アセトニトリル/水/水酸化アンモニウム)して表題化合物をアンモニウム塩として得、これを場合によっては標準手段でその遊離酸形態に変換する。
下表中の実施例は、(1S,2S)-2-{5-[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イルアミノ]-ピラジン-2-イル}-シクロプロパンカルボン酸メチルエステルと(1R,2R)-2-{5-[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イルアミノ]-ピラジン-2-イル}-シクロプロパンカルボン酸メチルエステルの約73:27ジアステレオマー混合物(前のジアステレオマーが優勢)から得る。カップリング後の少量のジアステレオマーは、通常はクロマトグラフィーによって分離されず、結果として出発物質のジアステレオマー比に匹敵するジアステレオマー比の生成物混合物となる。
【0180】
【化42】