(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態1]
図1は、内視鏡10の外観図である。本実施の形態の内視鏡10は、上部消化管向けの軟性鏡である。内視鏡10は、操作部20および挿入部30を有する。操作部20は、起上操作レバー21、チャンネル入口22および湾曲ノブ23を有する。操作部20は、図示しないビデオプロセッサ、光源装置および表示装置等に接続されている。
【0011】
挿入部30は長尺であり、一端が操作部20に接続されている。挿入部30は、操作部20側から順に軟性部12、湾曲部13およびキャップ50を有する。軟性部12は、軟性である。湾曲部13は、湾曲ノブ23の操作に応じて湾曲する。キャップ50は、湾曲部13に連続する硬性の先端部31(
図2参照)を覆っている。キャップ50は、本実施の形態の内視鏡用キャップの一例である。
【0012】
本実施の形態の内視鏡10は、キャップ50を先端部31から着脱することが可能である。キャップ50は、外装部材であるカバー52および起上台80(
図2参照)を有する。キャップ50の構造の詳細については後述する。
【0013】
以後の説明では、挿入部30の長手方向を挿入方向と記載する。同様に、挿入方向に沿って操作部20に近い側を操作部側、操作部20から遠い側を先端側と記載する。
【0014】
図2は、挿入部30の先端の斜視図である。
図3は、挿入部30の先端から処置具先端部41が突出した状態を示す説明図である。
図1から
図3を使用して、本実施の形態の内視鏡10の構成を説明する。
【0015】
湾曲部13の先端に配置された先端部31は、一方の側に挿入方向に沿って並んだ観察窓36および照明窓37を有する。照明窓37は、観察窓36よりも先端側に配置されている。先端部31は、他方の側の操作部側に、チャンネル出口35を有する。チャンネル出口35の先端側に、起上部83が配置されている。先端部31を覆うカバー52は、観察窓36、照明窓37および起上部83に対応する部分に略長方形の窓部53を有する。
【0016】
照明窓37は、図示しない光源装置から出射した照明光を照射する。観察窓36を通して、照明光により照らされた範囲を光学観察することが可能である。本実施の形態の内視鏡10は、光学観察が可能な視野方向が挿入方向に対して交差する方向である、いわゆる側視型である。内視鏡10は、視野方向が若干先端側に傾いた前方斜視型、または視野方向が若干操作部側に傾いた後方斜視型であっても良い。
【0017】
チャンネル入口22とチャンネル出口35との間は、軟性部12および湾曲部13の内部を通るチャンネル34により接続されている。チャンネル入口22から処置具40を処置具先端部41側から挿入することにより、チャンネル出口35から処置具先端部41を突出させることができる。
【0018】
図3に実線で示すように、処置具先端部41は起上部83の上で緩く曲がりながら突出する。
図1に矢印で示すように、起上操作レバー21を操作すると、後述するようにレバー60が動き、レバー60に連動して起上台80が動く。起上台80が動くことにより、
図1および
図3に矢印で示すように、起上台80の上の処置具先端部41が操作部20側に屈曲する。処置具先端部41の動きは、観察窓36を介して図示しない撮像素子等により撮影され、図示しない表示装置に表示される。
【0019】
処置具40は、たとえば高周波ナイフ、鉗子または造影チューブ等の処置用の機器である。なお、チャンネル34に挿入する機器は処置用の機器に限定されない。たとえば、超音波プローブ、極細内視鏡等の観察用の機器をチャンネル34に挿入して使用する場合もある。以後の説明では、観察用の機器も含めて処置具40と記載する。
【0020】
図4は、キャップ50の斜視図である。
図4は、キャップ50を内視鏡10への取付側から見た斜視図である。キャップ50は、カバー52、台座70および起上台80を有する。カバー52は、一端に開口端部56を、他端に底を有する有底筒型である。カバー52は、窓部53の開口端部56側に、内側に向けて突出する突出部49を有する。
【0021】
台座70は、カバー52の窓部53に対向する内面から窓部53に向けて立ち上がる第1壁77および第1壁77のカバー52側からカバー52の内面に沿って延びる第2壁78を有する。第1壁77は、広面がカバー52の軸方向と平行である板状である。
【0022】
台座70は、第1壁77を貫通する起上台取付孔76を有する。台座70は、起上台取付孔76に起上台80を回動可能に取り付けた状態で、カバー52の内面に接着または溶着等により固定されている。回動は、所定の角度の範囲内での回転運動を意味する。
【0023】
図5は、起上台80の斜視図である。
図4および
図5を使用して、起上台80の構成を説明する。起上台80は、起上台軸82、起上部83およびレバー連結部81を有する。起上台軸82は、割り溝を有する円柱形の軸である。起上台軸82は、端部に一回り太い抜け止めを有する。起上台軸82の中心軸と交差する方向に、起上部83が配置されている。起上部83は、一面に起上台軸82から遠い側が広くなったスプーン状の窪み部84を有する。
【0024】
起上部83の起上台軸82側に、レバー連結部81が設けられている。レバー連結部81は、起上台軸82と同軸の円筒面の内面に、起上台軸82と交差する向きに設けられた丸穴である。さらに具体的には、起上台軸82の中心線と、レバー連結部81の中心線とは直交する。レバー連結部81は、角穴、楕円形穴等でも良い。レバー連結部81は、起上部83を貫通しても良いし、貫通しなくても良い。以後の説明では、凹状のレバー連結部81を連結凹部と記載する場合がある。
【0025】
起上台軸82は、起上台取付孔76に挿入されている。起上台80は、起上台軸82まわりに台座70に対して回動可能である。起上台軸82の端部に設けられた抜け止めが、一旦挿入された起上台軸82が起上台取付孔76から外れることを防止する。窪み部84は、窓部53に対向して配置されている。
【0026】
図4および
図5を使用して、キャップ50の組立方法について説明する。まず、起上台80を台座70に回動可能に取り付ける。具体的には、起上台取付孔76に起上台軸82を挿入する。次に、台座70をカバー52の内面に固定する。具体的には、第2壁78の一面に接着剤を塗布した台座70を、開口端部56側からカバー52の内面に挿入する。第2壁78の接着剤を塗布した面を、カバー52の内面に押し付けた状態で、接着剤を硬化させる。起上台軸82を起上台取付孔76に挿入する際の方向と、台座70をカバー52に挿入する方向とは交差している。
【0027】
図6は、キャップ50取付前の挿入部30の先端の斜視図である。先端部31は、略円柱形状であり、中心からずれた位置に先端側から操作部側に向けて設けられた溝により、光学収容部33とレバー室69とに分かれている。チャンネル出口35は、溝の底に開口している。チャンネル出口35の近傍に棒状の起上台連結部61が露出している。起上台連結部61については後述する。
【0028】
先端部31は、挿入部30の長手方向に沿った第1平面部321を有する。第1平面部321の光学収容部33側には、観察窓36および照明窓37が配置されている。観察窓36の操作部側には、観察窓36に水および空気を噴射して清掃するノズル38が設けられている。光学収容部33の外側には、第2平面部322が設けられている。
【0029】
レバー室69は中空である。レバー室69は、光学収容部33側に支持壁68を有する。先端部31は、操作部側の外周にキャップ固定溝39を有する。
【0030】
図7は、キャップ50取付前の挿入部30の先端の斜視図である。
図7は、レバー室蓋67(
図11参照)を外し、レバー室69の内部をみえるようにした状態を示す。レバー室69の内部に、回動連結部64およびワイヤ固定部65が収容されている。ワイヤ固定部65は、起上ワイヤ24の端部に連結されている。
【0031】
起上ワイヤ24は、挿入部30を通って起上操作レバー21(
図1参照)に連結されている。さらに具体的には、起上ワイヤ24は、起上ワイヤ24の外径よりも若干太い内径を有する図示しない案内管に挿通されている。図示しない案内管は、挿入部30を長手方向に貫通する。そのため、起上操作レバー21の操作に連動して起上ワイヤ24の先端が進退する。起上ワイヤ24は、本実施の形態の回動部の一例である。起上ワイヤ24は、起上操作レバー21により遠隔操作される。
【0032】
図8は、レバー60の斜視図である。レバー60は、レバー軸63、起上台連結部61、回動連結部64、ワイヤ固定部65および2個のOリング62を有する。
【0033】
レバー軸63は、円柱形の軸である。レバー軸63の側面からレバー軸63の中心軸と交差する方向に、円柱形の起上台連結部61が突出している。レバー軸63の端部から、レバー軸63の中心軸と交差し、かつ、起上台連結部61の突出方向とは異なる方向に、回動連結部64が突出している。回動連結部64の端部に割り溝を有するワイヤ固定部65が設けられている。レバー軸63の、起上台連結部61と回動連結部64とに挟まれた部分に、2個のOリング62が固定されている。
【0034】
図9は、レバー60の分解斜視図である。起上台連結部61は、一端に雄ねじを有する。レバー軸63は、側面に雌ねじを有する。Oリング62を通したレバー軸63を、支持壁68に設けた孔に通した後に、起上台連結部61の雄ねじとレバー軸63の雌ねじとを結合することにより、レバー60が支持壁68に回動可能に支持される。起上台連結部61の端部に設けられた平面部をラジオペンチ等の工具で保持して回すことにより、起上台連結部61とレバー軸63とを強固に結合することができる。
【0035】
図10は、挿入部30の先端の側面図である。
図10は、キャップ50を取り付けた挿入部30の先端を、窓部53側から見た図である。キャップ50は、先端部31の先端側から押し込むことにより、挿入部30に固定されている。レバー室69の先端側の端面は、キャップ50の底に当接する。窓部53内に、観察窓36、照明窓37および起上部83がみえる。
【0036】
図11は、
図10のXI−XI線による挿入部30の断面図である。レバー室69は、レバー室蓋67により封止されている。レバー軸63が支持壁68を貫通する孔は、2個のOリング62により封止されている。以上の構造により、レバー室69の内部への水等が浸入が防止されている。
【0037】
図11中の観察窓36の下側には、レンズ等の観察光学系が配置されている。観察光学系を介して図示しない撮像素子が撮影した映像は、図示しないビデオプロセッサで処理されて、表示装置に表示される。
【0038】
図11中の観察光学系の下側には、ライトガイドファイバ371が配置されている。ライトガイドファイバ371は、照明窓37に接続されている。ライトガイドファイバ371は、図示しない光源装置から照明窓37に照明光を導く。
【0039】
カバー52は、第2平面部322に対応する平面部を内面に有する。第2平面部322とカバー52の平面部が当接することにより、キャップ50の回転を防止する。
【0040】
図12は、
図11のXII−XII線による挿入部30の断面図である。XII−XII断面は、レバー軸63の中心軸および起上台軸82の中心軸を通り、挿入部30の長手方向に沿った断面である。
図11および
図12に示すように、レバー軸63の中心軸と、起上台軸82の中心軸とは、同軸に配置されている。レバー60は、内視鏡10の挿入部30の先端に、レバー軸63まわりに回動可能に設けられている。
【0041】
起上台連結部61が、レバー連結部81に挿入されている。起上台連結部61とレバー連結部81とにより、レバー60と起上台80とが連結されている。すなわち、レバー軸63を中心としてレバー60が回動する場合には、起上台80もレバー60と一体になって回動する。レバー軸63の中心軸と、起上台軸82の中心軸とが、同軸に配置されているため、起上台80はレバー60と滑らかに連動する。
【0042】
以上に説明したように、キャップ50を内視鏡10の先端部31に装着した際、起上台80はレバー60に連結される。ここで連結は、レバー60が回動した場合に、起上台80がレバー60と共に回動する状態を意味する。
【0043】
以後の説明では、
図12に示すような突起状の起上台連結部61を起上突起と記載する場合がある。起上突起は、
図5を使用して説明した連結凹部に挿入可能な形状である。
【0044】
カバー52は、内面に開口端部56の縁に沿って延びる取付突起55を有する。取付突起55は、開口端部56側の方が、カバー52の底側に比べてなだらかな傾斜を有する。取付突起55は、先端部31の外周部に設けられたキャップ固定溝39と係合する。
【0045】
開口端部56側の傾斜がゆるやかであるので、挿入部30の先端にキャップ50を押し込む際には、比較的容易に取付突起55がキャップ固定溝39に入る。一方、底側の傾斜が急であるので、一旦固定されたキャップ50は、挿入部30から外れにくい。なお、挿入部30の先端にキャップ50を押し込んだ後、キャップ50の開口端部56および挿入部30に医療用テープ等を巻きつけても良い。このようにすることにより、キャップ50をさらに強固に固定することができる。
【0046】
図13は、
図10のXIII−XIII線によるカバー52の断面図である。
図13においては、カバー52以外の部材は図示を省略する。突出部49の、カバー52の中心側を向く面は平面である。第1平面部321と突出部49とが当接することにより、キャップ50の回転を防止する。
【0047】
カバー52は、内面に略三角形断面の切欠部54を有する。
図10に破線で示すように、切欠部54は、窓部53の縁と、開口端部56との間にわたって形成された溝である。
【0048】
図14は、キャップ50を挿入部30の先端に取り付ける工程を説明する断面図である。起上操作レバー21を操作して、起上台連結部61を挿入部30の先端側に向ける。キャップ50内の起上台80も、レバー連結部81を開口端部56側に向ける。
【0049】
この状態で、キャップ50を先端部31に先端側から押し込む。カバー52が一時的に拡がり、取付突起55がキャップ固定溝39に係合する。これにより、キャップ50が先端部31に固定される。起上台連結部61がレバー連結部81に入ることにより、レバー60と起上台80とが一体になって回動可能になる。前述のように、レバー室69の先端側の端面とカバー52の底、第1平面部321と突出部49、および第2平面部322とカバー52の内面に設けられた平面がそれぞれ当接する。この構造により、キャップ50の回転およびがたつきが防止される。
【0050】
図15は、
図10のXV−XV線による挿入部30の断面図である。
図16は、起上台80を起上した内視鏡10の断面図である。
図15および
図16を使用して、起上台80の動きを説明する。
【0051】
図15に示す状態では、起上台80はカバー52の内側に収容されている。窪み部84は、チャンネル出口35から突出した処置具先端部41を
図15の上方向にゆるやかに曲げることが可能な位置に配置されている。
【0052】
起上操作レバー21が動くことにより、起上操作レバー21に接続された起上ワイヤ24が操作部側に引っ張られる。起上ワイヤ24に引っ張られて、レバー60がレバー軸63を軸として回動する。起上台連結部61がレバー連結部81と連結しているため、起上台80もレバー60と一体となって、立ち上がるように回動する。その結果、起上台80と窓部53との間の距離が変化する。
【0053】
図16は、起上台80が回動した状態を示す。起上台80に押されて、チャンネル出口35から突出した処置具先端部41が操作部側に屈曲する。
図16に示すように、起上台80が立ち上がるように回動することを、以下の説明では「起上台80が起上する」と表現する場合がある。起上した起上台80に押されて処置具先端部41が屈曲することを、以下の説明では「処置具40が起上する」と表現する場合がある。起上操作レバー21の操作により、処置具40の起上の程度を調整することができる。
【0054】
本実施の形態の内視鏡10の使用方法の概要を説明する。内視鏡10は、キャップ50を外し、洗浄等を行った状態で保管されている。キャップ50は、滅菌パックに入った状態で提供される。ユーザは、滅菌パックからキャップ50を取り出し、内視鏡10の先端部31に取り付ける。
【0055】
ユーザは、挿入部30を検査対象者の口から挿入する。観察窓36を介して撮影した映像を見ながら、ユーザは挿入部30の先端を目的部位に誘導する。ユーザは、目的に応じた処置具40等をチャンネル入口22から挿入する。処置具先端部41が挿入部30の先端から突出し、目的部位の近傍に位置することを確認した後に、ユーザは起上操作レバー21を操作して、処置具先端部41を目的部位に誘導する。必要な処置等を行った後に、ユーザは処置具40をチャンネル34から抜去する。ユーザは内視鏡10を検査対象者から抜去して、検査または処置を終了する。
【0056】
カバー52は、切欠部54を利用して破断することにより、容易に取り外すことができる。たとえば、ユーザは窓部53から指等を差し込み、切欠部54に沿って開口端部56に向けてカバー52を外側に捲りあげるようにして、カバー52を破断する。本実施の形態のキャップ50は、いわゆるシングルユースであり、一回使用した後に廃棄される。
【0057】
ユーザは、キャップ50を外した後の内視鏡10に対して、次回の使用に備えて洗浄等の処理を行う。
図6に示すように、キャップ50を外した後の内視鏡10には起上台80が付いていない。起上台80を固定する際に用いる起上台連結部61は、
図6に示すように、先端部31に露出している。レバー室69は、レバー室蓋67およびOリング62により封止されているので、起上ワイヤ24の経路には体液等が付着しない。
【0058】
以上により、起上台80および起上ワイヤ24付近の複雑な構造を洗浄するための特別な洗浄作業等が不要であるので、症例間の処理時間が短く、効率良く運用することができる内視鏡10を提供することができる。
【0059】
本実施の形態の内視鏡10は、起上台80を備えており側視型であるので、十二指腸および膵胆管領域の診断および処置用に適している。特に、ERCP(Endoscopic Retrograde Cholangio Pancreatography)、EST(Endoscopic Sphincterotomy)、EBD(Endoscopic Biliary Drainage)等の手技を実施する場合には、本実施の形態の内視鏡10が適している。これらの手技では、十二指腸壁にある十二指腸乳頭部および十二指腸乳頭部に開口する膵管および総胆管等の内部に処置具40を誘導して、処置等を行うためである。
【0060】
なお、側視型の内視鏡10を、側視内視鏡と呼ぶ場合がある。同様に、十二指腸および膵胆管領域の診断等に適した内視鏡10を、十二指腸内視鏡と呼ぶ場合がある。
【0061】
本実施の形態によると、使用後にカバー52を破断して挿入部30から取り外すので、誤って再使用することを防止できるキャップ50を提供することができる。本実施の形態によると、起上台80およびキャップ50を着脱可能な内視鏡10を提供することができる。本実施の形態によると、起上台80を備えない通常の内視鏡と同様の手順で洗浄等の処理を行うことが可能な、起上台80を備える内視鏡10を提供することができる。
【0062】
本実施の形態によると、台座70とカバー52とが別体であるので、それぞれの形状が単純である。そのため、たとえば射出成形等により安価に製造することが可能である。
【0063】
回動部には、起上ワイヤ24の代わりに伸縮可能なSMA(Shape memory alloy)アクチュエータを使用しても良い。このようにする場合には、SMAアクチュエータの一端をワイヤ固定部65に、他端を先端部31に固定する。SMAアクチュエータの周囲にヒータを配置する。ヒータは、起上操作レバー21の動きに連動して作動するようにする。
【0064】
ヒータが作動してSMAアクチュエータが縮むことにより、レバー60および起上台80が回動する。回動部には、その他任意のリニア型のアクチュエータを使用することができる。
【0065】
回動部には、小型モータ等の回動型のアクチュエータを使用しても良い。小型モータをレバー室69に配置し、モータ軸とレバー軸63とを連結することにより、レバー60を回動させることが可能である。
【0066】
回動部にアクチュエータを使用する場合には、たとえば音声制御等のユーザの手を使わない手段を用いて起上台80を操作しても良い。
【0067】
キャップ50は、レバー連結部81を開口端部56の側に向けた状態で、起上台80とカバー52または台座70とを粘着材等により仮固定した状態で提供されても良い。このようにすることにより、キャップ50を挿入部30に取り付ける前に起上台80の向きを確認する手間を省き、簡便に使用できるキャップ50を提供することができる。
【0068】
仕様の異なる複数の種類のキャップ50から、ユーザが手技に応じた仕様のキャップ50を選択して使用するようにしても良い。たとえば、起上台80の回動可能範囲を狭く制限するストッパを設けたキャップ50が提供されても良い。回動可能範囲を狭くすることにより、たとえば超音波プローブまたは極細内視鏡等の高価で精密な機器を組み合わせて使用する場合に、過剰な屈曲による機器の破損を防止することができる。
【0069】
窪み部84が、処置具先端部41の外径に沿う形状である場合には、起上時に処置具40が左右にぶれにくく、操作しやすい傾向がある。窪み部84の形状の異なる起上台80を有する複数の種類のキャップ50が提供されても良い。たとえば、細い処置具40を保持しやすい形状の窪み部84を備えるキャップ50を使用することにより、ガイドワイヤ等の細い処置具40を精密に操作しやすくなる。
【0070】
このようにすることにより、用途に適したキャップ50をユーザが選択して使用することが可能な内視鏡10を提供することができる。
【0071】
内視鏡10は、先端に超音波振動子を備えるいわゆる超音波内視鏡でも良い。この場合には、キャップ50は、底に超音波振動子を挿通する孔を有することが望ましい。内視鏡10は、下部消化管向けの内視鏡でも良い。内視鏡10は、硬性の挿入部30を備えるいわゆる硬性鏡でも良い。内視鏡10は、エンジンおよび配管等の検査等に使用する、いわゆる工業用内視鏡でも良い。
【0072】
レバー連結部81が突起状であり、起上台連結部61がレバー連結部81に対応する凹部であっても良い。
【0073】
[実施の形態2]
本実施の形態は、台座70とカバー52とを一体に形成したキャップ50に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0074】
図17は、実施の形態2の挿入部30の断面図である。
図17は、
図10に示すXI−XI線と同様の位置で切断した断面を示す。本実施の形態においては、台座70は、カバー52の内面に一体に形成されている。
【0075】
たとえば、3Dプリンタを使用することにより、この種のカバー52を製作することが可能である。複数の材料を印刷することが可能な3Dプリンタを使用することにより、台座70およびカバー52と、台座70に対して回動可能な起上台80とを同時に製作することも可能である。
【0076】
本実施の形態によると、使用する部品の数が少ないキャップ50を提供することができる。
【0077】
[実施の形態3]
本実施の形態は、カバー52の外面に切欠部54を有するキャップ50に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0078】
図18は、実施の形態3のカバー52の断面図である。
図18は、
図10に示すXIII−XIII線と同様の位置で切断した断面を示す。カバー52は、外面に略三角形断面の切欠部54を有する。切欠部54は、窓部53の縁と開口端部56との間にわたって形成された溝である。
【0079】
本実施の形態によると、ユーザは、切欠部54の位置を視覚および触覚により確認することができる。そのため、カバー52を破断可能な場所をユーザが容易に発見することが可能なキャップ50を提供することができる。なお、実施の形態1のように切欠部54をカバー52の内面に設ける場合には、カバー52の表面に切欠部54の位置を示すマークを入れることにより、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
[実施の形態4]
本実施の形態は、カバー52の内面および外面に切欠部54を有するキャップ50に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0081】
図19は、実施の形態4のカバー52の断面図である。
図19は、
図10に示すXIII−XIII線と同様の位置で切断した断面を示す。カバー52は、第1切欠部541および第2切欠部542の2本の切欠部54を有する。
【0082】
第1切欠部541は、カバー52の外面に設けられた略三角形断面の溝である。第2切欠部542は、カバー52の内面に設けられた略三角形断面の溝である。第1切欠部541および第2切欠部542は、窓部53の縁と開口端部56との間との間にわたって形成された溝である。第1切欠部541の溝の底と第2切欠部542の溝の底とは近接している。
【0083】
本実施の形態によると、ユーザは、第1切欠部541の位置を視覚および触覚により確認することができる。第1切欠部541の先端近傍でカバー52の肉厚が薄くなっている。そのため、ユーザがさらに容易にカバー52を破断して取り外すことができるキャップ50を提供することができる。
【0084】
[実施の形態5]
本実施の形態は、窓部53の縁に切欠部54を有するキャップ50に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0085】
図20は、実施の形態5の挿入部30の先端の側面図である。
図20は、キャップ50を取り付けた挿入部30の先端を、窓部53側から見た図である。本実施の形態のカバー52は、窓部53の開口端部56側の縁に、略三角形の切欠部54を有する。
【0086】
切欠部54が、カバー52と先端部31とを結合する取付突起55(
図12参照)を横切らないため、内視鏡10の使用中にはキャップ50の固定強度が高い。一方、内視鏡10の使用終了後に、ユーザが、窓部53の縁を広げる方向に力を加えることにより、切欠部54の先端を基点にカバー52が破断する。これにより、キャップ50を容易に取り外すことができる。
【0087】
本実施の形態によると、固定強度が高く、使用後は容易に破断して取り外すことが可能なキャップ50を提供することができる。
【0088】
[実施の形態6]
本実施の形態は、窓部53の縁およびカバー52の外面に切欠部54を有するキャップ50に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0089】
図21は、実施の形態6の挿入部30の先端の側面図である。
図21は、キャップ50を取り付けた挿入部30の先端を、窓部53側から見た図である。本実施の形態のカバー52は、第1切欠部541および第3切欠部543の2つの切欠部54を有する。
【0090】
第1切欠部541は、カバー52の外面に設けられた略三角形断面の溝である。第1切欠部541の幅は、開口端部56近傍で広くなっている。第1切欠部541は、窓部53の縁と開口端部56との間にわたって形成された溝である。
【0091】
第3切欠部543は、窓部53の開口端部56側の縁に設けられた略三角形の切欠きである。第3切欠部543は、第1切欠部541と重なる位置に設けられている。
【0092】
本実施の形態によると、ユーザが、窓部53の縁を広げる方向に力を加えることにより、第3切欠部543の先端を基点にして、第3切欠部543に連続する第1切欠部541に沿ってカバー52が破断する。これにより、キャップ50をさらに容易に取り外すことができる。そのため、ユーザが容易にカバー52を破断して取り外すことができるキャップ50を提供することができる。
【0093】
[実施の形態7]
本実施の形態は、窓部53の縁と開口端部56との間に一列にならんだ小孔状の切欠きの列を有するキャップ50に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0094】
図22は、実施の形態7の挿入部30の先端の側面図である。
図22は、キャップ50を取り付けた挿入部30の先端を、窓部53側から見た図である。本実施の形態のカバー52は、第3切欠部543および第4切欠部544の2つの切欠部54を有する。
【0095】
第3切欠部543は、窓部53の開口端部56側の縁に設けられた略三角形の切欠きである。第4切欠部544は、第3切欠部543の先端部近傍と開口端部56との間に一列にならんだ小孔状の切欠きの列である。第4切欠部544は、たとえばレーザ光を用いてカバー52に孔を空けるレーザ加工により製作することができる。
【0096】
本実施の形態によると、ユーザが、窓部53の縁を広げる方向に力を加えることにより、第3切欠部543の先端を基点に第4切欠部544に沿ってカバー52が破断する。これにより、キャップ50を容易に取り外すことができる。そのため、ユーザが容易にカバー52を破断して取り外すことができるキャップ50を提供することができる。
【0097】
第4切欠部544は、2列以上にならんだ切欠きの列でも良い。第4切欠部544は、カバー52を貫通しない切欠きの列でも良い。
【0098】
[実施の形態8]
本実施の形態は、カバー52の外面および開口端部56の縁に切欠部54を有するキャップ50に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0099】
図23は、実施の形態8の挿入部30の先端の側面図である。
図23は、キャップ50を取り付けた挿入部30の先端を、窓部53側から見た図である。本実施の形態のカバー52は、第1切欠部541および第5切欠部545の2つの切欠部54を有する。
【0100】
第1切欠部541は、カバー52の外面に設けられた略三角形断面の溝である。第1切欠部541の幅は、開口端部56近傍で広くなっている。第1切欠部541は、窓部53の縁と開口端部56との間にわたって形成された溝である。
【0101】
第5切欠部545は、開口端部56側の縁から窓部53に向けて設けられた略三角形の切欠きである。第5切欠部545は、第1切欠部541と重なる位置に設けられている。
【0102】
本実施の形態によると、ユーザが、開口端部56側から第5切欠部545の縁を広げる方向に力を加えることにより、第5切欠部545の先端を基点に第1切欠部541に沿ってカバー52が破断する。これにより、キャップ50をさらに容易に取り外すことができる。そのため、ユーザがさらに容易にカバー52を破断して取り外すことができるキャップ50を提供することができる。
【0103】
[実施の形態9]
本実施の形態は、レバー連結部81を開口端部56の側に向けた状態で、起上台80とカバー52または台座70とを仮固定した状態で提供されるキャップ50に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0104】
図24は、実施の形態9の挿入部30の拡大断面図である。
図24は、
図11に示すXII−XII線と同様の位置で切断した断面の、起上台80付近における拡大図を示す。起上台80は、仮止体86により台座70に固定されている。
【0105】
仮止体86は、たとえばシリコーン系、または、シアノアクリル系等の接着剤である。仮止体86は、キャップ50を組み立てる際にたとえば精密ディスペンサ等により、所定の位置に、所定の量だけ塗布される。その後、仮止体86は所定の硬化条件により硬化させられる。
【0106】
仮止体86は、キャップ50の輸送中に外れない程度の接着強度を有し、輸送中の振動等による起上台80の回動を抑止する。そのため、ユーザは、キャップ50を挿入部30に取り付ける前に起上台80の向きを確認および調整する手間を掛けることなく、容易に取り付けることができる。
【0107】
さらに仮止体86は、起上操作レバー21の操作により外れる程度の接着強度を有する。すなわち、仮止体86は、使用前の起上台80を仮止めすることにより、挿入部30に取り付ける前の起上台80の回動を抑止する機能を有する。
【0108】
ユーザは、キャップ50を挿入部30に取り付けた後、窓部53を下に向けた状態で、起上操作レバー21を操作する。これにより仮止体86が外れ、起上台80が回動可能になる。外れた仮止体86は、窓部53から外に出る。その後、ユーザはキャップ50を取り付けた内視鏡10を使用する。
【0109】
仮止体86は、水あるいは湯に浸すと容易に溶ける水性の接着剤であっても良い。ユーザは、キャップ50を挿入部30に取り付けた後、内視鏡の先端部を水または湯に漬けることにより、仮止体86を外すことができる。
【0110】
本実施の形態によると、ユーザが容易に内視鏡10に取り付けられるキャップ50を提供できる。
【0111】
なお、仮止体86は、起上台80とカバー52または台座70とを固定し、起上台の回動を抑止可能な任意の場所に配置することができる。
【0112】
[実施の形態10]
本実施の形態は、起上台軸82と起上台取付孔76との間を仮固定した状態で提供されるキャップ50に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0113】
図25は、実施の形態10のキャップ50の斜視図である。
図25は、キャップ50を内視鏡10への取付側から見た斜視図である。
【0114】
起上台軸82の端面と、起上台取付孔76の内面とを繋ぐように、仮止体86が配置されている。仮止体86は、粘度の高い接着剤である。仮止体86は、2箇所以上に設けられていても良い。仮止体86は、起上台軸82の端面の縁に沿って円周状に設けられていても良い。仮止体86は、起上台軸82の端面を覆うように設けられていても良い。
【0115】
ユーザは、キャップ50を挿入部30に取り付けた後、起上操作レバー21を操作する。これにより仮止体86が外れ、起上台80が回動可能になる。外れた仮止体86は、台座70と、内視鏡10の先端部31との間の空間に留まる。
【0116】
本実施の形態によると、ユーザが容易に内視鏡10に取り付けられるキャップ50を提供できる。本実施の形態によると、仮止体86は、使用後にキャップ50を内視鏡10から取り外すまで、キャップ50の内部に留まる。したがって、内視鏡検査の準備を行う段階で仮止体86を散らかすことのないキャップ50を提供できる。
【0117】
[実施の形態11]
本実施の形態は、仮止体86がテープ状であるキャップ50に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0118】
図26は、実施の形態11の挿入部30の先端の側面図である。
図26は、キャップ50を取り付けた直後の挿入部30の先端を、窓部53側から見た図である。
図27は、
図26のXXVII−XXVII線による挿入部30の断面図である。
【0119】
本実施の形態の仮止体86は、テープ状の紙または樹脂等の基材の片面に粘着材が塗布された、いわゆる粘着テープである。以後の説明では、粘着材が塗布された側の面を粘着面861という。なお、仮止体86は、機材と粘着材との間にスポンジ等の緩衝材を有しても良い。粘着材は、発泡体になっていても良い。
【0120】
仮止体86は、内視鏡10にキャップ50を取り付けた場合の挿入方向に沿って窓部53の一部分を覆う。仮止体86の両端の粘着面861は、カバー52の表面に粘着固定されている。起上部83の端部は、粘着面861に粘着固定されている。したがって、起上台80の回動が抑止される。
【0121】
ユーザは、キャップ50を挿入部30に取り付けた後、仮止体86をキャップ50から剥がす。これにより、起上台80が回動可能になる。
【0122】
本実施の形態によると、仮止体86を外した事をユーザが容易に認識できるキャップ50を提供できる。
【0123】
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0124】
以上の実施の形態1から11を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0125】
(付記1)
内視鏡の挿入部の先端に回動可能に設けられたレバーと、該レバーを回動させる回動部とを備える内視鏡に着脱可能な内視鏡用キャップにおいて、
開口端部を有する有底筒型のカバーと、
前記カバーの内側に回動可能に支持されており、前記内視鏡の前記カバーへの装着時に前記レバーに連結され、該レバーの回動に応じて回動する起上台と
を備える内視鏡用キャップ。
【0126】
(付記2)
前記カバーは、側面に窓部を有し、
前記起上台は、前記カバーに回動可能に支持された起上台軸および前記開口端部側に設けられており、前記レバーに連結可能なレバー連結部を備える
付記1に記載の内視鏡用キャップ。
【0127】
(付記3)
前記起上台は、前記窓部との間の距離が変化する方向に回動可能である付記2に記載の内視鏡用キャップ。
【0128】
(付記4)
前記カバーは、前記窓部に連続する切欠部を有する付記2または付記3に記載の内視鏡用キャップ。
【0129】
(付記5)
前記カバーの内側に固定された台座を有し、
前記起上台軸は、前記台座を介して前記カバーの内側に回動可能に支持されている付記2から付記4のいずれか一つに記載の内視鏡用キャップ。
【0130】
(付記6)
挿入部の先端の一部から挿入方向に突出し、挿入方向に沿った支持壁を備える中空のレバー室と、
前記支持壁を貫通するレバー軸および前記レバー室の外側に設けられて表面に露出する起上台連結部を有し、前記レバー軸周りに回動可能なレバーと
を備える内視鏡。
【0131】
(付記7)
開口端部を有する有底筒型のカバーと、前記カバーの内側に回動可能に支持されており、前記内視鏡の前記カバーへの装着時に前記起上台連結部と連結され、該レバーの回動に応じて回動する起上台とを含む内視鏡用キャップを備える付記6に記載の内視鏡。
【0132】
(付記8)
台座に、起上台軸を有する起上台の前記起上台軸を挿入し、
開口端部を有する有底筒型のカバーに、前記開口端部側から、前記台座を前記起上台と共に挿入し、
前記カバーと前記台座とを固定する
内視鏡用キャップの製造方法。
【0133】
(付記9)
内視鏡の挿入部の先端に回動可能に設けられたレバーと、該レバーを回動させる回動部とを備える内視鏡を用意し、
開口端部を有する有底筒型のカバーと、前記カバーの内側に回動可能に支持されており、前記内視鏡の前記カバーへの装着時に前記レバーに連結され、該レバーの回動に応じて回動する起上台とを有する内視鏡用キャップを前記内視鏡に取り付ける
内視鏡用キャップの使用方法。
【0134】
(付記10)
前記カバーに設けられた切欠部を通じて、該カバーを破断し、
破断後に前記内視鏡用キャップを前記内視鏡から取り外す
付記9に記載の内視鏡用キャップの使用方法。
【0135】
(付記11)
内視鏡の挿入部の先端に着脱することが可能なカバーと、
前記カバーに設けられた切欠部とを備え、
前記切欠部から前記カバーを破断することにより前記カバーを前記内視鏡から外すことが可能な内視鏡用キャップ。
【0136】
(付記12)
前記カバーの内側に配置された起上台を備える
付記11に記載の内視鏡用キャップ。
【0137】
(付記13)
前記内視鏡は、挿入部の先端に回動可能に設けられたレバーと、該レバーを回動させる回動部とを備え、
前記カバーの内側に固定されており、起上台取付孔を有する台座を備え、
前記カバーは、開口端部、および、側面に開口する窓部を有し、前記開口端部を前記内視鏡の挿入部の先端に着脱することが可能な有底筒型であり、
前記切欠部は、前記窓部に連続し、
前記起上台は、前記カバーの内側に配置されており、前記起上台取付孔に挿入された起上台軸と、前記起上台軸と交差する方向に突出する起上部と、前記起上部の前記開口端部側に配置され前記レバーに連結するレバー連結部とを有し、前記台座に対して前記起上台軸周りに回動可能である
付記12に記載の内視鏡用キャップ。
【0138】
(付記14)
前記起上台は、前記窓部との間の距離が変化する方向に回動可能である付記13に記載の内視鏡用キャップ。
【0139】
(付記15)
前記カバーは、前記台座と一体に形成されている、付記13または付記14に記載の内視鏡用キャップ。
【0140】
(付記16)
前記切欠部は、前記窓部の縁に連続して前記開口端部側に向けて設けられた三角形の切欠きである、付記13から付記15のいずれか一つに記載の内視鏡用キャップ。
【0141】
(付記17)
前記切欠部は、前記開口端部と前記窓部との間との間にわたって形成された溝状の切欠である付記13から付記16のいずれか一つに記載の内視鏡用キャップ。
【0142】
(付記18)
前記切欠部は、前記カバーの外面に設けられている付記17に記載の内視鏡用キャップ。
【0143】
(付記19)
前記切欠部は、前記カバーの内面に設けられている付記17に記載の内視鏡用キャップ。
【0144】
(付記20)
前記切欠部は、前記カバーの内面および外面に設けられている付記17に記載の内視鏡用キャップ。
【0145】
(付記21)
前記カバーは、前記開口端部側の内面の縁に沿って延びる取付突起を有する付記13から付記20のいずれか一つに記載の内視鏡用キャップ。
【0146】
(付記22)
内視鏡の挿入部の先端に回動可能に設けられたレバーと、該レバーを回動させる回動部とを備える内視鏡に着脱可能な内視鏡用キャップにおいて、
筒型のカバーと、
前記カバーの内側に回動可能に支持されており、前記レバーに連結されて、該レバーの回動に応じて回動する起上台と、
前記内視鏡用キャップが前記内視鏡に装着される前には前記起上台の回動を抑止するように仮止めする仮止体と
を備える内視鏡用キャップ。
【0147】
(付記23)
前記仮止体は、前記起上台と前記カバーとを固定する
付記22に記載の内視鏡用キャップ。
【0148】
(付記24)
前記仮止体は、前記レバーの回動により前記起上台または前記カバーから外れる
付記22または付記23に記載の内視鏡用キャップ。
【0149】
(付記25)
1回の症例に使用された後に、前記内視鏡から外されて廃棄される、付記13から付記24のいずれか一つに記載のシングルユース用の内視鏡用キャップ。
【0150】
(付記26)
挿入部の先端の一部から挿入方向に突出し、挿入方向に沿った支持壁を備える中空のレバー室と、
前記レバー室の外側から遠隔操作される回動部と、
前記支持壁を貫通するレバー軸、前記レバー軸に連続して設けられており、前記レバー室内に収容され前記回動部に連結された回動連結部および前記レバー室の外側に設けられて表面に露出する起上台連結部を有し、前記レバー軸周りに回動可能なレバーと
を備える内視鏡。
【0151】
(付記27)
開口端部および側面に設けられた窓部と、前記窓部に連続する切欠部とを有し、前記開口端部を内視鏡の挿入部の先端に着脱することが可能な有底筒型のカバーと、前記カバーの内側に固定されており、起上台取付孔を有する台座と、前記カバーの内側に配置されており、前記起上台取付孔に挿入された起上台軸と、前記起上台軸と交差する方向に突出しする起上部と、前記起上部の前記開口端部側に配置されたレバー連結部とを有し、前記台座に対して前記起上台軸周りに回動可能な起上台とを含む内視鏡用キャップを備え、
前記開口端部を前記挿入部の先端に取り付けた場合に、
前記起上台連結部は、前記レバー連結部に連結し、
前記起上台軸は、前記レバー軸と同軸に配置されている
付記26に記載の内視鏡。
【0152】
(付記28)
前記レバー連結部は、前記開口端部側に開口する凹部であり、
前記起上台連結部は、前記レバー連結部に対応する突起である
付記27に記載の内視鏡。
【0153】
(付記29)
前記レバー連結部は、前記開口端部側に突出する突起であり、
前記起上台連結部は、前記レバー連結部に対応する凹部である
付記27または付記28に記載の内視鏡。
【0154】
(付記30)
前記回動連結部は、前記レバー軸と交差する方向に突出する付記27から付記29のいずれか一つに記載の内視鏡。
【0155】
(付記31)
前記回動部は、前記挿入部を貫通する起上ワイヤである付記30に記載の内視鏡。
【0156】
(付記32)
台座に設けられた起上台取付孔に、起上台軸、前記起上台軸と交差する方向に突出する起上部および前記起上部の前記起上台軸側に配置されたレバー連結部を有する起上台の前記起上台軸を挿入し、
開口端部および側面に設けられた窓部と、前記窓部に連続する切欠部とを有し、内視鏡の挿入部の先端に着脱することが可能な有底筒型のカバーに、前記開口端部側から、前記台座を前記起上台と共に挿入し、
前記カバーと前記台座とを固定する
内視鏡用キャップの製造方法。
【0157】
(付記33)
前記起上台軸の挿入方向は、前記台座の挿入方向と交差する、付記32に記載の内視鏡用キャップの製造方法。