特許第6968256号(P6968256)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6968256
(24)【登録日】2021年10月28日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】電気アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20211108BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20211108BHJP
   F16H 61/00 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   H05K1/18 U
   H05K5/02 L
   F16H61/00
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-503979(P2020-503979)
(86)(22)【出願日】2018年6月14日
(65)【公表番号】特表2020-528672(P2020-528672A)
(43)【公表日】2020年9月24日
(86)【国際出願番号】EP2018065890
(87)【国際公開番号】WO2019020272
(87)【国際公開日】20190131
【審査請求日】2020年1月24日
(31)【優先権主張番号】102017212796.1
(32)【優先日】2017年7月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベアント−ギュンター ジッペル
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ツヴァイグレ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート デリンガー
(72)【発明者】
【氏名】フランコ ツェレニー
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ カッツェンヴァーデル
(72)【発明者】
【氏名】イェンス ホフマン
【審査官】 黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−144823(JP,A)
【文献】 特開2013−002523(JP,A)
【文献】 特開2013−096438(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0347819(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/18
H05K 5/02
F16H 61/00
H05K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車伝動装置用の電気アセンブリ(1)であって、
前記電気アセンブリ(1)は、
少なくとも1つの実装側(21)を有する回路基板(2)と、
前記実装側(21)に配置されている少なくとも2つのコンタクト面(23)と、
それぞれが回路基板側の第1の端部部分(41)を以て前記コンタクト面(23)のうちの1つと電気的に接続されている少なくとも2つのコンタクト部材(4)と、
前記回路基板(2)の前記実装側(21)に配置されておりかつ前記コンタクト部材(4)が部分的に埋設されている封止コンパウンド(8)と、
を備えており、
前記封止コンパウンド(8)は、前記コンタクト面(23)及び前記コンタクト部材(4)の回路基板側の前記第1の端部部分(41)と直接的に接触しており、かつ、前記コンタクト面(23)を完全に被覆しており、
前記コンタクト部材(4)は、前記回路基板(2)側とは反対側の第2の端部部分(42)を以て前記封止コンパウンド(8)から突出している、
電気アセンブリ(1)において、
前記電気アセンブリ(1)は、剥片保護フレーム(5)を含み、前記剥片保護フレーム(5)は、前記回路基板(2)と対向する部分(51)を以て前記回路基板(2)の前記実装側(21)に配置されており、かつ、前記回路基板(2)側とは反対側の部分(52)を以て前記封止コンパウンド(8)から外側に向かって突出しており、前記剥片保護フレーム(5)の、前記封止コンパウンド(8)から外側に向かって突出した前記部分(52)は、前記コンタクト部材(4)それぞれに対応付けられた、前記封止コンパウンド(8)で充填されていない複数のコンタクトチャンバ(6)を形成し、かつ、各コンタクトチャンバ(6)内には、それぞれ、前記コンタクト部材(4)の第2の端部部分(42)のみが配置されており、
前記電気アセンブリ(1)は、さらに電気構成素子(3)を含み、前記電気構成素子(3)は、前記回路基板(2)と対向する側(32)に、少なくとも2つの対向コンタクト(33)を有しており、前記対向コンタクト(33)は、前記コンタクト部材(4)の前記第2の端部部分(42)とそれぞれ接触接続されており、
前記剥片保護フレーム(5)は、外周方向に延在する外周フレーム(53)と、前記外周フレーム(53)によって包囲される前記回路基板(2)の前記実装側(21)の領域を複数のチャンバに分割する中間壁(54)とを含み、前記複数のチャンバは、それぞれ前記コンタクトチャンバ(6)を包含し、
前記電気構成素子(3)は、前記回路基板(2)と対向する側(32)において、張り出した壁(34)及び/又は陥凹した溝(35)から成る保護構造(37)であって、前記中間壁(54)を保護するための保護構造(37)を有する、
ことを特徴とする、電気アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記電気構成素子(3)は、前記剥片保護フレーム(5)の、前記封止コンパウンド(8)から外側に向かって突出した前記部分(52)に係合することを特徴とする、請求項に記載の電気アセンブリ。
【請求項3】
前記保護構造(37)と前記剥片保護フレーム(5)との間において前記コンタクトチャンバ(6)と流体接続された中間空間がU字状の偏向チャネル(7)を形成するように、前記保護構造(37)は、前記剥片保護フレーム(5)の、前記封止コンパウンド(8)から外側に向かって突出した前記部分(52)と錯綜的に係合することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気アセンブリ。
【請求項4】
前記電気構成素子(3)は、センサ構成素子(38)であることを特徴とする、請求項乃至のいずれか一項に記載の電気アセンブリ。
【請求項5】
前記電気構成素子(3)は、前記剥片保護フレーム(5)と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気アセンブリ。
【請求項6】
前記電気構成素子(3)は、前記対向コンタクト(33)が形成されている調整可能な調整手段(36)であって、前記コンタクト部材(4)の前記第2の端部部分(42)への前記対向コンタクト(33)の押し付けを調整可能な調整手段(36)を備えたコンタクトシュー(39)を有していることを特徴とする、請求項に記載の電気アセンブリ。
【請求項7】
前記剥片保護フレーム(5)は、プラスチック、金属又はプラスチック金属化合物から製造されていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の電気アセンブリ。
【請求項8】
前記電気アセンブリ(1)は、自動車伝動装置の伝動装置制御モジュール(100)又はセンサモジュール(101)の一部であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の電気アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動車技術においては、伝動装置を駆動制御するための電子モジュールが伝動装置上又は伝動装置内に組み付けられる。電子モジュールは、例えば、伝動装置制御モジュールとして設計することができ、回路基板上に配置されている制御回路の外に、例えば、コネクタ部品、センサ、及び、アクチュエータとの接触接続インタフェースを付加的に有することもできる。そのような電子モジュールは、オイルで満たされた伝動装置内部空間に組み付けなければならない電気アセンブリを有している。例えば、電子制御回路は、侵食性の伝動装置流体から保護されなければならない。このために、封止コンパウンドも使用され、この封止コンパウンドは、電子制御回路を保護するために回路基板に被着される。例えば、独国特許出願公開第102011085629号明細書からは、電子伝動装置制御モジュールが公知であり、この電子伝動装置制御モジュールは、金属製のカップ状ケーシングと、そのカップ状ケーシング内に配置されておりかつ電子構成素子が実装されている回路担体と、を有している。カップ状ケーシング内の侵食性の伝動装置流体、及び、そこに含有されている金属剥片から保護するために、回路担体には封止コンパウンドが注がれている。コンタクト部材は、封止コンパウンドから突出しており、かつ、部分的に、給電部、ECモータ、センサ、及び/又は、LINバス若しくはCANバスに接続するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011085629号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の開示
本発明は、電気アセンブリに関し、特に、自動車伝動装置内又は自動車伝動装置上に組み付けるための電気アセンブリに関し、この電気アセンブリは、少なくとも1つの実装側を有する回路基板と、この実装側に配置されている少なくとも2つのコンタクト面と、それぞれが回路基板側の第1の端部部分を以てコンタクト面のうちの1つと電気的に接続されている少なくとも2つのコンタクト部材と、回路基板の実装側に配置されておりかつコンタクト部材が埋設されている封止コンパウンドとを備えており、封止コンパウンドは、コンタクト面及びコンタクト部材の回路基板側の端部部分と直接的に接触しておりかつコンタクト面を完全に被覆しており、コンタクト部材は、回路基板側とは反対側の第2の端部部分を以て封止コンパウンドから突出している。
【0004】
本発明によれば、電気アセンブリに剥片保護フレームを設けることが提案され、この剥片保護フレームは、回路基板と対向する部分を以て回路基板の実装側に配置されており、かつ、回路基板側とは反対側の部分を以て封止コンパウンドから外側に向かって突出しており、剥片保護フレームの、封止コンパウンドから外側に向かって突出した部分は、コンタクト部材それぞれに対応付けられた、封止コンパウンドで充填されていない複数のコンタクトチャンバを形成し、かつ、各コンタクトチャンバ内には、それぞれ、コンタクト部材の第2の端部部分のみが配置されている。
【0005】
発明の利点
有利には、本発明で提案される電気アセンブリによって、回路基板と、回路基板上に配置されている電気構成素子との間の電気的な接触接続部を、例えば、侵食性の伝動装置流体、及び、そこに含有されている金属剥片から効果的に保護することが達成される。電気的な接続手段、乃至、回路基板と電気構成素子、例えばセンサ素子との間のコンタクト部材は、可撓性に構成された領域を有することができ、これらの領域は、所要の弾性又は可動性を維持するために、封止コンパウンド内に完全に埋設させてはならない。何故ならば、完全に埋設されてしまうと、例えば温度変動時に、永続的な電気的な接触接続が保証されないからである。従って、コンタクト部材は、回路基板側とは反対側にありかつ封止コンパウンドから突出した第2の端部部分を有することが必要になる。封止コンパウンドから突出したこの端部部分においては、異なる電位を有する種々の端子の電気導体が必然的に露出している。本発明による解決手段によって、伝動装置オイル内の金属剥片又は導電性の反応生成物によって生じる可能性がある、それらの端部部分間の短絡が有利にも回避される。
【0006】
剥片保護フレームの、封止コンパウンドから外側に向かって突出した部分が、コンタクト部材それぞれに対応付けられた、封止コンパウンドで充填されていない複数のコンタクトチャンバを形成し、かつ、各コンタクトチャンバ内には、それぞれ、コンタクト部材の第2の端部部分だけが配置されていることによって、この第2の端部部分の効果的な保護が達成される。コンタクト部材の第2の端部とそれぞれ接触接続されている少なくとも2つの対向コンタクトを、回路基板と対向する側に有している電気構成素子が回路基板に実装されている場合には、コンタクト部材の第1の端部が封止コンパウンド内に埋設されることによって下側の領域が保護されており、かつ、反対側では実装された電気構成素子がある程度の保護を示すので、金属剥片は、回路基板表面に対して平行にコンタクト部材の方向にしか進むことができない。封止コンパウンド上方の剥片保護フレームによって形成されたコンタクトチャンバは、回路基板表面に対して平行に、コンタクト部材の方向に進む金属剥片及び他の侵食性の物質に対する効果的な保護を示す。
【0007】
本発明の有利な構成及び発展形態は、従属請求項に含まれる特徴によって実現される。
【0008】
剥片保護フレームの、封止コンパウンドから外側に向かって突出した部分に電気構成素子が係合することによって、進行する金属剥片に対する効果的な保護措置が成される。電気構成素子と剥片保護フレームとの間に残存する間隙においては、金属剥片が何度も方向を変えなければならないので、回路基板表面に対して平行な方向においてコンタクトチャンバを単純に直線的に進行して流れることは不可能である。
【0009】
有利には、電気構成素子は、回路基板と対向する側において、張り出した壁及び/又は陥凹した溝から成る保護構造を有することができ、この保護構造によって、コンタクトチャンバ間においても、移動する金属剥片に対する効果的な保護が行われる。
【0010】
特に有利には、保護構造と剥片保護フレームとの間においてコンタクトチャンバと流体接続された中間空間がU字状の偏向チャネルを形成するように、保護構造は、剥片保護フレームの、封止コンパウンドから外側に向かって突出した部分と錯綜的に(ラビリンス式に:labyrinthartig)係合することができる。
【0011】
本発明の一変形実施形態においては、電気アセンブリが、剥片保護フレームと一体的に形成されている電気構成素子を有することができる。特に、電気構成素子は、対向コンタクトが形成されている調整可能な調整手段を備えたコンタクトシューであってよい。有利には、この変形実施形態を、電気的なモータの大電流端子を保護するために使用し、これによってコンタクト部材の種々の電位を電気的に相互に分離することができる。
【0012】
剥片保護フレームは、簡単かつ廉価な方法により、プラスチック、金属又はプラスチック金属化合物から製造することができる。
【0013】
電気アセンブリは、自動車伝動装置内又は自動車伝動装置上に組み付けられる電子的な伝動装置制御モジュール又はセンサモジュールの一部として、特に有利に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】電気アセンブリの第1の実施例の部分断面図を示す。
図2】電気アセンブリの第2の実施例の部分断面図を示す。
図3】電気アセンブリの第3の実施例の部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の実施の形態
図1は、電気アセンブリ1の第1の実施例の部分断面図を示している。アセンブリ1は、自動車伝動装置内又は自動車伝動装置上に組み付けられ、従って、伝動装置流体に晒されている、例えば電子制御モジュール100の一部、特に自動車伝動装置の伝動装置制御モジュールの一部、又は、例えばセンサモジュール101の一部であると考えられる。
【0016】
電気アセンブリ1は、回路基板2を含む。回路基板2として、例えば、1つ以上の層内に配置されている銅導体路を備えた、ガラス繊維強化エポキシ樹脂から成る従来のFR4回路基板が考えられる。回路基板2は、実装側21として設けられた第1の側と、この第1の側とは反対側の第2の側22とを有している。実装側21には、複数のコンタクト面23が配置されているが、図1においては、これらのコンタクト面23のうち2つが図示されている。コンタクト面23は、銅から形成することができ、回路基板2の導体路を用いて、回路基板2の図示していない構成素子と、例えば電子制御回路の電子構成素子又は他の構成素子と接続することができる。各コンタクト面23には、それぞれ1つの金属製のコンタクト部材4が配置されている。各コンタクト部材4は、対応付けられたコンタクト面23に載置するための実装面が設けられている、回路基板側の第1の端部部分41を有している。第1の端部部分41は、例えば、コンタクト面23にはんだ付けすることができる。さらに各コンタクト部材4は、電気構成素子3との接触接続に使用される、第1の端部部分側とは反対側の第2の端部部分42をそれぞれ有している。第2の端部部分42は、図1に示唆されているように、特に弾性的に構成することができる。
【0017】
さらに、電気アセンブリ1は、剥片保護フレーム5を含む。剥片保護フレーム5は、プラスチック又は金属又はプラスチック金属化合物から形成することができる。剥片保護フレーム5は、外周方向に延在するフレーム53を有しており、このフレーム53は、中間壁54によって複数のチャンバに分割されている。剥片保護フレーム5は、回路基板2と対向する部分51を以て回路基板2の実装側21に配置されている。剥片保護フレーム5の仮固定は、必要に応じて、熱カシメによって行うことができる。
【0018】
回路基板2の実装側21には、封止コンパウンド8が供給されている。封止コンパウンド8は、熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂であってよい。封止コンパウンド8は、例えば、いわゆるダム&フィル法によって供給することができる。この場合、先ず、例えば粘性のダム材料から成る周方向に延在するダムが実装側21に供給され、続いて、封止コンパウンド8が、ダムによって画定された領域内で実装側21に供給される。封止コンパウンド8は、実装側21における図示していない電気構成素子を完全に被覆することができる。剥片保護フレーム5の領域においては、封止コンパウンド8が、周方向に延在するフレーム53内に供給され、これは例えば、調量装置を用いて容易に実施することができる。ここで、封止コンパウンド8は、コンタクト部材4の第1の端部部分41を完全に被覆しており、例えば、剥片保護フレーム5外の封止コンパウンド8の充填高さに相当し得る充填高さまで、周方向に延在するフレーム53内の空間に充填される。図1において、剥片保護フレーム5の、封止コンパウンド8から外側に向かって突出した部分52は、例えば、2つのコンタクト部材4それぞれに対応付けられており、封止コンパウンド8が充填されていない2つのコンタクトチャンバ6を形成している。コンタクト部材4の、封止コンパウンド8と直接的に接触している第1の端部部分41は、封止コンパウンド8に埋設されており、また、回路基板2側とは反対側の第2の端部部分42は、封止コンパウンド8から外側に向かって突出している。封止コンパウンド8から突出している領域は、例えば、弾性部材として形成することができる。2つのコンタクトチャンバ6のそれぞれには、コンタクト部材4の第2の端部部分42のみが配置されている。2つより多くのコンタクト部材4及び2つより多くのコンタクトチャンバ6を設けることもできると解される。同様に、2つ以上の離隔壁54を設けることも、交差する離隔壁を設けることもできる。外周方向に延在するフレーム53は、その内部に配置されている、各コンタクト部材4のためのすべての離隔壁54と共に、それぞれ1つのコンタクトチャンバ6を形成し、このコンタクトチャンバ6は、それぞれの第2の端部部分42の周囲を取り囲み、これによって第2の端部部分42を保護する。さらに封止コンパウンド8によって、剥片保護フレーム5が回路基板2に、機械的に確実に固定される。
【0019】
図1においてさらに見て取れるように、電気構成素子3は、剥片保護フレーム5の、封止コンパウンド8から外側に向かって突出した部分52に係合する。電気構成素子3として、例えば、センサ構成素子38が考えられる。電気構成素子3は、回路基板2と対向する側32に、少なくとも2つの対向コンタクト33を有しており、これらの対向コンタクト33は、コンタクト部材4の第2の端部部分42とそれぞれ接触接続されている。この際、第2の端部部分42は、それぞれの対向コンタクト33に弾性的に押し付けられる。電気構成素子3は、回路基板2と対向する側32において、保護構造37、例えば張り出した2つの壁34を有しており、それら2つの壁34の間において、剥片保護フレーム5の中央離隔壁54が距離を置いて係合する。図1においては、保護構造37と剥片保護フレーム5との間においてコンタクトチャンバ6と流体接続された中間空間がU字状の偏向チャネル7を形成するように、保護構造37が、剥片保護フレーム5の、封止コンパウンド8から外側に向かって突出した部分52と錯綜的に係合することが見て取れる。偏向チャネル7は、図1においては、例えば金属剥片が、左側のコンタクトチャンバ6から右側のコンタクトチャンバに到達することを阻止する。
【0020】
図2は、剥片保護フレーム5が金属から形成されている第2の実施例を示している。さらに、中間壁54を取り囲むように射出成形が行われ、プラスチックから成る肉厚部が形成されている。電気構成素子3は、この実施例において、回路基板2と対向する側32において、例えば陥凹した溝35から成る保護構造37を有しており、この溝35に剥片保護フレーム5の中央離隔壁54が係合し、それによって、ここでもまた、U字状の偏向チャネル7が形成される。
【0021】
図3は、実施形態に変更が加えられた実施例を示している。ここでは、電気構成素子3として、コンタクトシュー39が回路基板2に配置されている。コンタクトシュー39は、対向コンタクト33が形成されている調整可能な調整手段36を有している。調整手段36として、例えば、ねじが考えられる。図3において見て取れるように、電気構成素子3は、この実施例において、剥片保護フレーム5と一体的に形成されている。各コンタクトチャンバ6を隣接するコンタクトチャンバから流体的に離隔させることができるが、しかしながら、それは必須ではない。回路基板2に封止コンパウンド8を供給する際に、封止コンパウンド8を例えば、図示していない閉鎖可能な開口部を介して、剥片保護フレーム5内の領域に突入させ、コンタクト部材4と直接的に接触させることができる。ここで、コンタクト部材4は、大電流を流すことができ、また、封止コンパウンド8によって側面が直接的に包囲され又は側面が封止コンパウンド8と接する、小型の金属ベース部によって形成される。ここでもまた、コンタクト部材4の第2の端部部分42は、コンタクトチャンバ6内にそれぞれ配置されている封止コンパウンド8から突出している。対向コンタクト33は、調整可能な調整手段36を用いて、コンタクト部材4の第2の端部部分42に押し付けることができる。
図1
図2
図3