(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記2n+1個の磁極群のうちの少なくとも一部の磁極群は、前記ビームガイドレールに可動に取り付けられ、任意の隣接する2つの前記磁極群間のピッチは調整可能であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載のシステム。
前記2n+1個の磁極群のうちの最初の磁極群と最後の磁極群とのピッチは異なり、前記ビーム通路における前記電子ビームのドリフト空間の長さは異なることを特徴とする、
請求項3に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、明細書の図面及び具体的な実施例を参照しながら、本願の技術的解決手段を更に詳しく説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施例は、電子照射システムを提供する。前記装置は、
電子ビームを発射して加速するように構成される電子加速器と、
前記電子照射システムの後端に位置する電子ビーム集束装置と、を備え、前記電子ビーム集束装置は、
前記電子ビームが通過するためのビーム通路を形成するビームガイドレールと、
前記ビームガイドレールに取り付けられ、且つ前記ビーム通路の異なる箇所に分布する2n+1個の磁極群であって、第n個の磁極群は、前記電子ビームを第1方向で集束するように構成され、第n+1個の磁極群は、前記電子ビームを第2方向で集束するように構成され、前記第2方向は、前記第1方向に垂直であり、nは正整数である、前記2n+1個の磁極群と、を備える。
【0028】
本実施例で提供される電子照射システムは、電子ビームを発射できる加速器を備える。
電子加速器は、電子ビームを発射して加速することで高速ビームを形成する。電子加速器の後端に位置する電子ビーム集束装置は、奇数群の磁極群により、電子ビームに対して、異なる方向から奇数回の集束を行うことで、前の1つの磁極群の集束方向の該磁極群によるデフォーカス効果を少なくとも部分的に相殺し得る。これにより、電子ビーム集束装置の集束効果を向上させ、電子ビームの集束性能を最終的に向上させる。
【0029】
図2から
図6に示すように、本実施例は、電子ビーム集束装置を提供する。前記装置は、
前記電子ビームが通過するためのビーム通路を形成するビームガイドレールと、
前記ビームガイドレールに取り付けられ、且つ前記ビーム通路の異なる箇所に分布する2n+1個の磁極群であって、第n個の磁極群は、前記電子ビームを第1方向で集束するように構成され、第n+1個の磁極群は、前記電子ビームを第2方向で集束するように構成され、前記第2方向は、前記第1方向に垂直であり、nは正整数である、前記2n+1個の磁極群と、を備える。
【0030】
本実施例で提供される電子ビーム集束装置により電子ビームを集束することで、電子ビームのデフォーカスにより引き起こされた、電子ビームで形成されたビームスポットが集束しないことにより面積が大きすぎるという現象を減少させる。
【0031】
本実施例で提供される前記電子ビーム集束装置は、照射加工システムに適用可能である。該電子ビーム集束装置は、照射加工システムに含まれる場合、電子加速器の後端に位置し、照射加工装置の前端に位置する。電子加速器から前記電子ビームは発生し、前記電子ビーム集束装置で形成されたビーム通路により集束されてから、照射加工装置で加工される製品に均一に到着する。
【0032】
本実施例において、前記ビームガイドレールは、複数であってもよく、前記ビーム通路の両側に分布する。前記ビームガイドレールの分布方向は、前記ビーム通路の延在方向と一致する。
図2において、前記ビームガイドレールは、表面にネジ山を持つ柱体であってもよく、異なる箇所のナットにより前記磁極群を固定することができる。
【0033】
図2及び
図3に3つの磁極群が示される。
【0034】
例えば、電子ビームは、ビーム通路の第1端からビーム通路の第2端へ運動する。前記ビームガイドレールの分布方向も、前記第1端から前記第2端へ延びる。
【0035】
前記電子ビームは電子からなる。電子自体は、帯電粒子である。
【0036】
前記磁極群は、磁界を形成する。前記帯電粒子は、磁界において運動する場合、磁界力による作用を受ける。本実施例において、2n+1個の磁極群を利用して電子ビームに磁界力を印加し、磁界力の制約により、電子ビームのデフォーカス効果を低下させ、電子ビームを集束させる。
【0037】
本実施例において、前記磁極群は、複数の磁石を含み、これらの磁石は互いに作用することで、前記電子ビームを集束する磁界を形成する。
【0038】
本実施例において、前記磁極群は、奇数群であり、前記ビーム通路の異なる箇所に分布し、少なくとも2つの方向から前記電子ビームを集束するように構成される。任意選択的に、該2つの方向は互いに垂直である。
【0039】
例えば、隣接する2つの磁極群のうちの前の磁極群は、第1方向で電子ビームを集束し、後の磁極群は、第2方向で電子ビームを集束する。
【0040】
本実施例において、磁極群は奇数個である。2つのみの磁極群を利用して集束を行う場合、後の磁極群は、電子ビームを集束する過程において、電子ビームを前の磁極群の集束方向でデフォーカスするという悪影響を発生することがある。これに比べて、本実施例において、電子ビームを異なる方向で集束する後の磁極群は更に集束することで、電子ビームを1つの方向で集束する場合にもう1つの方向で発生した悪影響を低減させることができる。これにより、2n+1個の磁極群を含む電子ビーム集束装置によれば、電子ビーム集束効果が高く、形成された電子ビームのビームスポットの、第1方向及び第2方向での寸法は、いずれも所望の寸法に達することができる。
【0041】
本実施例におけるnの値は、任意の正整数であってもよい。具体的に、任意選択的には、nの値は、1から5であり、更に、任意選択的に、nの値は1から3であってもよい。
【0042】
nが1であると、前記電子ビーム集束装置は、3個の磁極群を備える。該3個の磁極群は、間隔を取るようにビーム通路の異なる箇所に分布し、それぞれ前記電子ビームに対して、対応する方向での集束を行う。
【0043】
幾つかの実施例において、第m個の磁極群及び第m+2個の磁極群は、電子ビームを同一の方向で集束する磁極群である。ここで、mは、nより小さい正整数である。第m+2個の磁極群による第m+1個の磁極群の電子ビームに対する異なる方向での集束効果を減らすために、第m+2個の磁極群により形成された磁界強度は、前記第m個の磁極群又は第m+1個の磁極群により形成された磁界強度より低くてもよい。
【0044】
勿論、別の幾つかの実施例において、第m個の磁極群により形成された磁界強度は、第m+2個の磁極群により形成された磁界強度と同じであってもよく、又は、第m個の磁極群により形成された磁界強度は、第m+1個の磁極群により形成された磁界強度も同じであってもよい。
【0045】
任意選択的に、前記2n+1個の磁極群は、
前記電子ビームを前記第1方向で一次集束するように構成される第1磁極群と、
前記電子ビームを前記第2方向で集束するように構成される第2磁極群と、
前記電子ビームを前記第1方向で二次集束するように構成される第3磁極群と、を備える。
【0046】
本実施例において、nは1であり、磁極群の総数は3である。該3個の磁極群は、それぞれ前記第1磁極群、第2磁極群及び第3磁極群である。第1磁極群及び第3磁極群は、第奇数個の磁極群であり、第2磁極群は、第偶数個の磁極群である。第3磁極群が電子ビームを集束する方向は、第1磁極群が電子ビームを集束する方向と同じであり、第2磁極群が電子ビームを集束する方向と逆である。
【0047】
本実施例において、第1磁極群が電子ビームを第1方向で一次集束した後、第2磁極群は、電子ビームを第2方向で集束する場合、電子ビームに第1方向でデフォーカスを発生させる可能性がある。第1方向での、電子ビームの十分な集束を更に確保するために、第3磁極群を利用して電子ビームを第1方向で二次集束することで、電子ビームを第1方向で集束する場合に発生する第2磁極群による悪影響を少なくとも部分的に相殺し得る。
【0048】
例えば、前記2n+1個の磁極群のうちの少なくとも一部の磁極群は、前記ビームガイドレールに可動に取り付けられ、任意の隣接する2つの前記磁極群間のピッチは調整可能である。
【0049】
本実施例において、全て又は一部の隣接する2つの磁極群間のピッチは調整可能である。従って、磁極群の数が決定された場合、隣接する2つの磁極群間のピッチが調整可能であるため、最初の磁極群と最後の磁極群とのピッチを調整可能にすることができる。これにより、磁極群により形成された電子ビームのドリフト空間を調整可能にすることで、異なる電子ビームドリフト空間の需要に応えられる。
【0050】
本実施例において、前記磁極群が前記ビームガイドレールに可動に取り付けられることは、下記少なくとも1つを含んでもよい。
【0051】
磁極群は、係合構造により、前記ビームガイドレールに取り付けられ、該係合構造は第1状態及び第2状態を有する。第1状態で、該係合構造は、対応する磁極群をビームガイドレールに固定する。第2状態で、該係合構造と前記ビームガイドレールとの間に少なくとも1つの自由端が存在する。この場合、磁極群及び係合構造は、一体としてビームガイドレール上で移動することができる。例えば、スライド可能である。
【0052】
磁極群は、ネジにより、ビームガイドレールに可動に取り付けられる。ビームガイドレールの異なる箇所に、前記ネジの捻込みと捻戻しに供するネジ穴が設けられる。ネジを異なるネジ穴と螺合させることにより、前記ビームガイドレール上での前記磁極群の位置を調整することができる。これにより、隣接する2つの磁極群間のピッチの調整を実現させる。
【0053】
幾つかの実施例において、2n+1個の磁極群のうちの全ての磁極群は、前記ビームガイドレールに可動に取り付けられ、いずれか1つの磁極群の前記ビームガイドレールにおける位置は、調整可能である。
【0054】
別の幾つかの実施例において、2n+1個の磁極群のうちの一部の磁極群のみは、ビームガイドレールに可動に取り付けられる。例えば、最初の磁極群は、ビームガイドレールに固定的に取り付けられ、残りの2n+1個の磁極群は、ビームガイドレールに可動に取り付けられる。最初の磁極群は、ビームガイドレールの第1端に固定的に取り付けられ、該第1端は、ビームガイドレールと電子加速器との接続箇所であってもよい。従って、最初の磁極群を固定的に取り付けることで、ビームガイドレールと電子加速器との接続の安定性に寄与する。
【0055】
別の幾つかの実施例において、前記2n+1個の磁極群のうちの第2磁極群及び/又は前記第3磁極群は、前記ビームガイドレールに可動に取り付けられ、
前記第2磁極群の前記ビームガイドレールにおける位置は異なり、前記第2磁極群と前記2n+1個の磁極群のうちの第1磁極群との第1ピッチは異なり、
及び/又は、
前記第3磁極群の前記ビームガイドレールにおける位置は異なり、前記第3磁極群と前記第2磁極群との第2ピッチは異なる。
【0056】
nが1である場合、3つの磁極群のうちの第1磁極群は、ビームガイドレールに固定的に取り付けられ、第2磁極群及び第3磁極群は、ビームガイドレールに可動に取り付けられる。従って、第2磁極群と第1磁極群との第1ピッチは調整可能であり、第3磁極群と第2磁極群との第2ピッチも調整可能である。
【0057】
従って、前記2n+1個の磁極群のうちの最初の磁極群と最後の磁極群とのピッチは異なり、前記ビーム通路における前記電子ビームのドリフト空間の長さは異なる。
【0058】
本実施例において、前記磁極群は、四極磁極群である。
【0059】
前記四極磁極群は、4つの磁石を含む磁極群である。
【0060】
前記磁石は、電磁石及び永久磁石を含むが、これらに限定されない。
【0061】
幾つかの実施例において、前記四極磁極群は、永久磁石からなる。永久磁石を用いるため、磁極群を充電しなくても磁界を形成することもできると共に、通電により導入されるリード線及び電力消費を低減させることができる。
【0062】
例えば、前記四極磁極群は、
N極を前記ビーム通路の中心位置に向ける第1磁石と、
前記第1磁石に隣接し、S極を前記ビーム通路の中心位置に向ける第2磁石と、
前記第2磁石に隣接し、第2磁石が第1磁石と第3磁石との間に位置し、N極を前記ビーム通路の中心位置に向ける第3磁石と、
前記第3磁石及び前記第1磁石にそれぞれ隣接し、第3磁石と第1磁石との間に位置し、S極を前記ビーム通路の中心位置に向ける第4磁石と、を備える。
【0063】
幾つかの実施例において、前記永久磁石の材質は、ネオジウム鉄ボロンである。
【0064】
幾つかの実施例において、前記2n+1個の磁極群の永久磁石は、ヨークリングを介して前記ビームガイドレールに取り付けられる。
【0065】
ヨークリングは、1つ又は複数のヨークからなる。本実施例において、前記ヨークリングは、円形リング又は矩形リングなどであってもよい。勿論、別の幾つかの実施例において、前記ヨークリングは、正六角形リングであってもよい。
【0066】
幾つかの実施例において、前記ヨークリングを構成するヨークは、DT4を含むが、これに限定されない。
【0067】
幾つかの実施例において、前記ヨークリングは、複数のヨークを接続して構成されたものであり、隣接する2つのヨーク間の接続箇所は異なり、前記ヨークリングによるリング径は異なる。
【0068】
ヨークに、隣接するヨークに接続される複数の箇所が設けられる。隣接する2つのヨーク間の接続箇所を調整することで、ヨークリングのリング径を変動させることができる。従って、同一のヨークリングに位置する異なる磁石間のピッチを調整可能にすることで、前記ビーム通路における、電子ビームが通過することができる横断面積を調整する。
【0069】
例えば、前記ヨークリングは、矩形リングであり、4つの直線型ヨークからなる。矩形リングは、2つのヨーク群を含む。前記ヨーク群は、前記矩形リングの一組の対辺に対応するヨークからなる。前記矩形リングの少なくとも1つのヨーク群は、可動である。これにより、もう1つのヨーク群との接続箇所を調整することで、前記ビーム通路の横断面積を調整する。
【0070】
図2から
図7に示すように、3つの磁極群は、矩形のヨークリングによりビームガイドレールに固定される。
図2にヨークリングI、ヨークリングII及びヨークリングIIIが示される。
【0071】
図4に示すヨークリングIに固定される最初の四極磁極群は、磁石1、磁石2、磁石3及び磁石4を含む。
【0072】
図5に示すヨークリングIIに固定される2番目の四極磁極群は、磁石5、磁石6、磁石7及び磁石8を含む。
【0073】
図6に示すヨークリングIIIに固定される3番目の四極磁極群は、磁石9、磁石10、磁石11及び磁石12を含む。
【0074】
ヨークリングに貫通孔が設けられる。該貫通孔は、ビームガイドレールが通過するためのものである。続いて、ネットを利用してヨークリングをビームガイドレールの特定箇所に固定する。例えば、
図3に示す調整ネジ13、調整ネジ14、調整ネジ15及び調整ネジ16を利用してヨークリングIをビームガイドレールに固定する。
図6に示すように、ヨークリングIIIに貫通孔17、貫通孔18、貫通孔19及び貫通孔20が設けられる。これらによりヨークリングIIIをビームガイドレールに固定する。
【0075】
以下、上記任意の実施例を参照しながら、2つの具体的な例を提供する。
【0076】
例1:
照射用電子加速器により加速された電子ビームの集束装置を提供する。パラメータの異なる3組の永久磁石とドリフト空間を組み合わせることで、照射用電子加速器による集束能力を向上させ、ビームエンベロープを小さくし、ビームスポットを小さくする。
【0077】
電子ビーム集束装置であって、3組の永久磁石を備える。
【0078】
各組の永久磁石の磁極はいずれも4つであり、四極磁石と呼ばれる。
【0079】
第1組の四極磁石の主な機能は、電子ビームを横方向であるX方向で集束することであり、
第2組の四極磁石の主な機能は、電子ビームを横方向であるY方向で集束することであり、
第3組の四極磁石の機能は、電子ビームを横方向であるX方向で再び集束することである。四極磁石の集束原理によれば、第2組の四極磁石は、電子ビームを横方向であるY方向で集束するとき、電子ビームに対して横方向であるX方向において必然的にデフォーカスの作用を与える。従って、電子ビームを横方向であるX方向で二次集束することで、第2組の磁石による横方向でのデフォーカスの作用を補う必要がある。従って、3組の永久磁石がビームに対して横の2つの方向での集束を同時に実現させ、ビームスポットを小さくすることができる。
【0080】
該3組の磁石により形成された磁界とドリフト空間の長さを適切に組み合わせることで、電子加速器ビームの横のX方向及びY方向での集束を同時に行うことを実現させる。
【0081】
前記磁極の材質は、ネオジウム鉄ボロンである。
【0083】
本例において、3組の永久磁石を用いるため、電力消費がなく、構造が簡単で、コストが低い。また、電源装置の故障による付加的なコスト及び低運転効率を避ける。該ビーム集束システムの集束性能が高く、得られるビームの品質が高い。
【0084】
本実施例は、もう1つの電子ビーム検出装置を提供する。前記装置は、
電子収集ホルダ106と、
前記電子収集ホルダ106に可動に取り付けられ、駆動力の作用下で前記電子収集ホルダ106に沿って運動するように構成される電子収集装置101と、
前記電子収集装置101に接続され、運動に必要な前記駆動力を前記電子収集装置101に供給するように構成される第1駆動装置と、を備える。
【0085】
本発明の実施例で提供される電子ビーム検出装置において、電子収集装置101は、電子収集ホルダ106に可動に取り付けられ、且つ電子収集ホルダ106に沿って運動することができる。従って、電子収集装置101は、異なる箇所で電子収集を行い、電子ビームの照射強度及び/又は均一度の採集を行う。
【0086】
電子収集装置101は、電子収集ホルダ106に対して移動可能である。それは、異なる箇所における電子ビームを検出することができる。従って、電子収集装置101の数を減少させ、ハードウェアコストを低減させる。
【0087】
本実施例において、前記電子収集装置101は、ファラデーカップ又はアルミニウム棒などを含むが、これらに限定されない。
【0088】
前記第1駆動装置は、電気駆動、油圧駆動又は気圧駆動の形態であってもよい。前記電気駆動は、例えばステッピングモータ、リニア移動モータのような様々なタイプのモータを含んでもよい。
【0089】
前記電子収集ホルダ106は、前記電子収集装置101の取り付け場所を供給する。一方で、前記電子収集装置101の運動範囲を制限する。
【0090】
本実施例において、前記電子収集ホルダは、電子収集ガイドレール107を備え、該電子収集装置101は、該電子収集ガイドレール107に吊り下げられてもよく、該電子収集ガイドレール107は、ガイドレール溝を備えてもよく、前記電子収集装置101は、前記ガイドレール溝上で運動する。又は、前記電子収集ガイドレール107は、ガイドレールレバーであってもよく、前記電子収集装置101は、前記ガイドレールレバーに嵌設されて運動する。
【0091】
幾つかの実施例において、前記電子収集ホルダ106は、クロスフレーム又は矩形リングホルダであってもよく、前記電子収集装置101は、前記電子が収集される2つの次元で運動することができ、該2つの次元は、互いに垂直であってもよく、又は非垂直な角度をなしてもよい。
【0092】
図2から
図12に示すように、前記電子収集ホルダ106は、
電子収集ガイドレール107を含み、
前記電子収集装置101は、前記電子収集ガイドレール107に可動に取り付けられ、前記電子収集ガイドレール107に沿って少なくとも一次元運動を行うことができる。
【0093】
電子収集ホルダ106に、前記電子収集装置101が運動するための専用の電子収集ガイドレール107が設けられる。
【0094】
幾つかの実施例において、前記電子収集装置101は、二次元運動、三次元運動又は一次元運動を行うことができる。例えば、電子収集装置101は、1つの平面内のx方向及びy方向で運動することができ、ここで、x方向は、y方向に垂直である場合、このような運動は、二次元運動である。また、例えば、電子収集装置101は、三次元空間内で運動することができ、具体的には、x方向、y方向、及びz方向で運動する。x向、y方向、及びz方向のうちのいずれか2つの方向は互いに垂直である。
【0095】
本実施例において、前記電子収集装置101に、電子収集装置101の一次元運動のための電子収集ガイドレール107が設けられる。前記電子収集ガイドレール107は、直線型ガイドレールである。具体的には、直線型溝又は直線型ガイドレバーを含んでもよい。
【0096】
幾つかの実施例において、前記電子収集ホルダ106は、可動ホルダであり、
前記可動ホルダは、前記可動ホルダの取付箇所に対して第1位置にある場合、前記電子収集装置101は、第1領域内で運動可能であり、
前記可動ホルダは、前記可動ホルダの取付箇所に対して第2位置にある場合、前記電子収集装置101は、第2領域内で運動可能である。
【0097】
前記電子収集ホルダ106自体も可動ホルダであり、該可動ホルダは、その取付箇所に対して可動である。前記可動ホルダは、直線運動又は回転を行うことができる。
【0098】
本実施例において、前記可動ホルダは、回転可能な回転ホルダであってもよい。
【0099】
本実施例において、可動ホルダは、その取付箇所に対して第1位置及び第2位置にある場合、前記電子収集装置101を牽引して前記第1領域に出入りさせることができる。従って、前記電子収集装置101は簡単な一次元運動のみを実行できるが、可動ホルダ自体が運動するため、電子収集装置101の空間内における多次元運動を実現することができる。
【0100】
幾つかの実施例において、前記第1領域は、照射製品の加工領域であり、前記第1領域は、前記加工領域以外の領域である。
【0101】
本実施例において、前記第1領域は、照射加工により製品を加工する加工領域である。これにより、電子収集装置101は、前記第1領域から離れることで、照射加工を行う場合に照射加工を妨害しないようにすることができ、照射加工の電子ビーム検出を行う場合、第1領域に入って照射電子ビーム検出を行う。
【0102】
幾つかの実施例において、前記L字状の可動ホルダは、固定端及び前記固定端に対向する自由端を含み、前記固定端は前記取付箇所に固定される第1ホルダ体と、前記第1ホルダ体の自由端に接続され、前記電子収集装置101に可動に接続される第2ホルダ体と、を備える。
【0103】
本実施例において、前記可動ホルダは、L字状の回転直角であり、該可動ホルダは、自由端及び固定端を備え、固定端は、可動ホルダの取付箇所に固定されてもよく、自由端は、固定端を回転中心として回転することができる。
【0104】
本実施例において、可動ホルダは、L字状である。該可動ホルダは、第1ホルダ及び第2ホルダであり、且つ第1ホルダと第2ホルダとは、90度又はほぼ90度の直角をなす。従って、該可動ホルダは、直線型ホルダに比べて、1つの次元における占用空間を減少させ、工場内の設備を柔軟に配置することに寄与する。一方で、可動ホルダには2つのホルダが含まれ、2つのホルダは90度であり、可動ホルダの全体の回転角度を減少させる上で、前記電子収集装置101が容易に前記第1領域に出入りすることを可能にし、大きな回転角度に必要な大空間を減少させ、工場内の設備を柔軟に配置することに寄与する。
【0105】
幾つかの実施例において、前記可動ホルダが前記第1位置から前記第2位置に切り替えられる場合、前記可動ホルダはその固定端を中心として90度回転する。
【0106】
別の幾つかの実施例において、前記システムは、
前記可動ホルダに接続され、前記可動ホルダのために駆動力を供給するように構成される第2駆動装置を更に備える。
【0107】
該第2駆動装置は、可動ホルダを駆動して回転させるための装置である。同様に、電気駆動又は油圧駆動の形態であってもよい。
【0108】
幾つかの実施例において、
図2及び
図3に示すように、電子収集装置101は、電子ビーム加速器と共にシールド室内に位置し、電子ビーム加速器からの照射電子ビームの強度を検出して第1信号を得るように構成され、
サンプリングボックスは、前記シールド室内に位置し、前記電子収集装置101に接続され、前記第1信号を受信して前記第1信号を、前記電子ビーム照射の均一度を表すための光信号形態の第2信号に変換するように構成され、
通信ボックス103は、前記シールド室外に位置し、光ファイバー105を介して前記サンプリングボックスに接続され、前記光ファイバー105を介して前記第2信号を受信し、前記第2信号を電気信号形態の第3信号に変換するように構成され、
コントローラ104は、前記シールド室外に位置し、前記通信ボックス103に接続され、前記第3信号を受信し、前記電子ビームに対する検出制御を実現するように構成される。
【0109】
本発明の実施例で提供される電子ビーム検出装置は、照射加工技術の高電流照射加工に適用可能である。
【0110】
前記電子収集装置101は、ファラデーカップ又はアルミニウム棒を含むが、これらに限定されない。前記電子収集装置101の内部に中空チャンバーが設けられる。前記中空チャンバーは、入射された帯電粒子の数を検出することができる。これにより、時間軸上の単一時点での前記電子ビームの電子ビーム強度を検出する。
【0111】
本実施例において、前記第1信号は、単一の時間点で前記電子収集装置101に入射された電子数に正比例する。
【0112】
本実施例の目的は、大強度電子ビームがコントローラ104などの装置の作動に干渉を与えて、電子ビーム照射の均一度の検出精度が低くなるという問題を軽減させることにある。
【0113】
本実施例において、前記電子ビーム検出装置にシールド室を導入し、電子収集装置101及びサンプリングボックスをシールド室内に設ける。これにより、大強度電子ビームにより発生した大電流をシールド室内に隔離する。大電流がエアをブレークダウンするリスク、又は深さが大きい環境下で、通信ボックス103及びコントローラ104等が干渉を受けることによって故障が発生するという問題を軽減させる。
【0114】
本実施例において、サンプリングボックスで形成されたサンプリング信号がシールド室内で大強度電子ビームによる干渉を減少させるために、サンプリングボックスは、第1信号を得た後、光信号形態の第2信号に直接的に変換する。光信号は、ブロードキャストにより伝達され、電圧又は電流等の電気形態の電気信号ではないため、大強度電子ビームによる干渉を受けない。従って、コントローラ104自体は干渉を受けることがない。それと共に、信号が伝送する過程において受けた干渉はより小さくなり、電子ビームの検出正確度を向上させる。
【0115】
本実施例において、前記サンプリングボックスは、所定の時間間隔で前記電子収集装置101における電流をサンプリングし、電流サンプリング信号を得ることができる。該所定の時間間隔のうちの任意の時間間隔は同じであると、前記サンプリングボックスは、前記電子収集装置101における電流信号を周期的にサンプリングする。前記所定の時間間隔のうち、少なくとも2つの時間間隔が異なると、前記サンプリングボックスは、所定の時間間隔の時系列のみに応じて前記電子収集装置101における電流信号を間欠的に収集する。
【0116】
本実施例において、前記通信ボックス103は、光信号を電気信号に変換する光電変換装置であってもよい。
【0117】
幾つかの実施例において、前記通信ボックス103と前記コントローラ104とは、一体の装置であってもよい。つまり、前記通信ボックス103及び前記コントローラ104は、1つの筐体内に位置し、同一の物理的装置に属する。例えば、光信号送受信能力を持つサーバ等に属する。
【0118】
別の幾つかの実施例において、前記通信ボックス103及び前記コントローラ104は、互に独立した物理的装置であってもよい。
【0119】
本実施例において、シールド室を利用し、ケーブルの代わりに光ファイバー105により信号伝送を行うことで、大電流電子ビームが検出に与える信号干渉を低減させ、電子ビーム検出の正確度を向上させる。
【0120】
幾つかの実施例において、前記通信ボックス103及び前記コントローラ104は、制御室内に位置し、前記制御室と前記シールド室との間に、金属シールド壁が設けられ、
前記金属シールド壁に、前記光ファイバー105を通過させるための貫通孔が設けられる。
【0121】
本実施例において、前記シールド室は、少なくとも1つのシールド壁を備え、該シールド壁は、前記通信ボックス103及び前記コントローラをシールド室外に位置する。例えば、前記シールド室は、1つのシールド壁を持つか又は複数のシールド壁を持つ。例えば、シールド室は、2つから4つのシールド壁を持つ。
【0122】
前記シールド壁に金属板が敷設されているか又は金属粉末などが塗布されており、金属シールド層を形成する。従って、電気信号は、金属により地上に導入される。又は、金属シールド層は、交流大電流電子ビームにより交互に発生する電磁界をシールド室内に隔離し、このような交互に発生する電磁界が制御室内の通信ボックス103及び/又はコントローラ104に与える干渉を減少させる。
【0123】
幾つかの実施例において、
図4に示すように、前記サンプリングボックスは、
前記電子収集装置101に接続され、前記第1信号としての電流信号を受信し、前記電流信号を電圧信号に変換するように構成される電流電圧変換回路と、
前記電流電圧変換回路に接続され、アナログ信号としての前記電圧信号をデジタル信号に変換するように構成されるデジタルアナログ変換器と、
前記デジタルアナログ変換器に接続され、前記デジタル信号を、前記電子ビーム照射の均一度を表すための第3信号に変換するように構成されるサンプリングチップと、
前記サンプリングチップに接続され、前記第3信号を前記光信号形態の前記第2信号に変換するように構成される光電変換回路と、を備える。
【0124】
本実施例において電流電圧変換回路は、電子収集装置101に接続されるため、電子収集装置101が電子ビーム照射を受ける場合に、前記電子収集装置101に侵入して形成された電流を前記サンプリングボックスに導入する。電流電圧変換回路は、電流信号の電流値に応じて、対応する電圧値の電圧信号に変換する。本実施例において、該電圧信号を他の電圧信号と区別するために、電圧信号と呼ぶ。ここで、前記電圧信号における「第1」は実際の意味を持たず、前記電流電圧変換回路が前記電子収集装置101から受信した電流信号を広義に指す。
【0125】
ここで、前記電圧変換回路で形成された前記電圧信号はアナログ信号である。
【0126】
本実施例において、前記サンプリングボックスは、デジタルアナログ変換器を更に備え、該デジタルアナログ変換器は、アナログ信号を離散化してデジタル信号を得ることができる。サンプリングチップは、サンプリングボックスを、信号サンプリングを行うように制御することができると共に、サンプリングボックスによる信号変換を制御することもできる。
【0127】
本実施例において、前記サンプリングチップは、プログラマブルアレイを含んでもよい。該プログラマブルアレイは、フィールドプログラマブルアレイ及び/又は複雑なプログラマブルアレイを含むが、これらに限定されない。
【0128】
前記サンプリングチップは、マイクロプロセッサ又は特定用途向けの集積回路を含んでもよい。すなわち、前記サンプリングチップは、前記サンプリングボックスに位置する様々な形態のマイクロコントローラ104又はマイクロ制御回路であってもよい。信号調整機能により、時間領域上の単一時点での信号強度を、複数の単一時点での信号強度に変換して比較することで、前記複数の単一信号の時間帯における前記電子ビームの照射均一度を得る。
【0129】
幾つかの実施例において、前記サンプリングチップは、信号増幅、干渉信号濾過等の役割を果たす。信号増幅により、エネルギーが低い信号をエネルギーが高い信号に変換することで、信号伝送過程における減衰による信号損失の現象を減少させる。
【0130】
それと共に、前記サンプリングチップは、干渉信号濾過の機能を持つ。信号周波数の差により、干渉信号を濾過して、信号の信号対雑音比を向上させ、後続の検出結果の正確度を更に向上させる。
【0131】
本実施例において、前記サンプリングボックスは、光電変換回路を更に備える。該サンプリングチップは、単一の時点で収集されたデジタル信号から、所定の期間内での前記電子ビームの照射均一度を評価する第3信号を得る。第3信号は、電圧パルスなどの信号であってもよい。前記光電変換回路は、該電気信号を受信した後、変換を行って光信号を得る。該光信号は、第2電気信号と呼ばれてもよい。第2電気信号は、光ファイバー105で前記通信ボックス103に伝送される。
【0132】
本実施例において、前記光ファイバー105は、シングルモード光ファイバー105又はマルチモード光ファイバー105を含むが、これらに限定されない。前記光ファイバー105の数は、1本又は複数本であってもよい。前記光ファイバー105の帯域幅は、具体的には、伝送データ量の需要に応じて設定されてもよい。
【0133】
すなわち、本発明の実施例において、前記電子収集ホルダ106は、照射加工ラインに可動に取り付けられる。可動に取り付けられることにより、前記電子収集ホルダ106は、前記照射加工ラインで運動することができる。例えば、前記電子収集ホルダ106は、自体の運動により、前記電子収集装置101を位置Aから位置Bまでに運動させる。本実施例において、前記電子収集装置101は、前記電子収集ホルダ106により動かされ、前記加工製品の加工位置に出入りすることができる。電子収集装置101は、前記加工位置に入ると、加工製品の代わりに電子ビームの照射を受ける。前記加工位置から離れると、前記加工位置が空き、加工製品を配置して、照射加工を継続することができる。
【0134】
幾つかの実施例において、前記電子収集ホルダ106は、前記電子収集装置101を動かして運動させるマニピュレータアームであってもよいが、マニピュレータアームに限定されない。
【0135】
例2:
本例は、照射加工業界に適用される電子ビーム集束装置である。該装置は、3組の永久磁石を備え、第1組の永久磁石の4つの磁極1から4は、ヨークIに固定される。ヨークIはガイドレールに固定される。その役割は、入射されたビームを横方向であるX方向で集束することである。第2組の永久磁石の4つの磁極5〜8は、ヨークIIに固定される。ヨークIIは、調整ネジ13から16によって、貫通孔17から20を通過するガイドレールに合わせって、該組の磁石の位置を前後に調整することができる。その役割は、入射されたビームを横方向であるY方向で集束することである。第3組の永久磁石の4つの磁極9〜12は、ヨークIIIに固定される。ヨークIIIは、調整ネジ13から16によって、貫通孔17から20を通過するガイドレールに合わせって、四極磁石の位置を前後に調整することができる。
【0136】
第2及び第3組の永久磁石の位置を調整することで、ビームドリフト空間の長さを変更することができる。長さの異なるドリフト空間と永久磁石の位置との組み合わせにより、パラメータの異なる電子ビームの集束を実現させる。
【0137】
図7は、本例は、エネルギーが発射された電子ビームであることに適用される場合、ビームが本装置を通過する時のβパラメータの変動を示す。βパラメータは、ビーム伝送過程における振幅のエンベロープであり、ビームの集束性能を表すことができる。本例において、3組の永久磁石とドリフト空間との組み合わせにより、横方向であるX方向及びY方向で、いずれもビーム集束を実現させたことが明らかである。
【0138】
図7において、横軸は、電子ビームドリフト空間の長さであり、単位はmである。縦軸は、電子ビームドリフトのβパラメータである。
図7において、X方向のβパラメータはβxである。
図7において、Y方向のβパラメータはβyである。
図7から分かるように、X方向であるかY方向であるかを問わず、βパラメータは小さく、望ましいビーム効果(即ち、集束効果)を達成する。
【0139】
幾つかの実施例において、前記電子照射システムは、前記電子ビームを検出するように構成される電子ビーム検出装置を更に備える。
【0140】
図8及び
図9に示すように、本実施例は、電子ビーム検出装置を提供する。前記装置は、
電子ビーム加速器と共にシールド室内に位置し、電子ビーム加速器からの照射電子ビームの強度を検出して第1信号を得るように構成される電子収集装置101と、
前記シールド室内に位置し、前記電子収集装置101に接続され、前記第1信号を受信して前記第1信号を、前記電子ビーム照射の均一度を表すための光信号形態の第2信号に変換するように構成されるサンプリングボックス102と、
前記シールド室外に位置し、光ファイバー105を介して前記サンプリングボックス102に接続され、前記光ファイバー105を介して前記第2信号を受信し、前記第2信号を電気信号形態の第3信号に変換するように構成される通信ボックス103と、
前記シールド室外に位置し、前記通信ボックス103に接続され、前記第3信号を受信し、前記電子ビームに対する検出制御を実現するように構成されるコントローラ104と、を備える。
【0141】
本願の実施例で提供される電子ビーム検出装置は、照射加工技術における高電流照射加工に適用可能である。
【0142】
前記電子収集装置101は、ファラデーカップ又はアルミニウム棒を含むが、これらに限定されない。前記電子収集装置101の内部に中空チャンバーが設けられる。前記中空チャンバーは、入射された帯電粒子の数を検出することができる。これにより、時間軸上の単一時点での前記電子ビームの電子ビーム強度を検出する。
【0143】
本実施例において、前記第1信号は、単一の時間点で前記電子収集装置101に入射された電子数に正比例する。
【0144】
本実施例の目的は、大強度電子ビームがコントローラ104などの装置の作動に干渉を与えて、電子ビーム照射の均一度の検出精度が低くなるという問題を軽減させることにある。
【0145】
本実施例において、前記電子ビーム検出装置にシールド室を導入し、電子収集装置101及びサンプリングボックス102をシールド室内に設ける。これにより、大強度電子ビームにより発生した大電流をシールド室内に隔離する。大電流がエアをブレークダウンするリスク、又は深さが大きい環境下で、通信ボックス103及びコントローラ104等が干渉を受けることによって故障が発生するという問題を軽減させる。
【0146】
本実施例において、サンプリングボックスで形成されたサンプリング信号がシールド室内で大強度電子ビームによる干渉を減少させるために、サンプリングボックス102は、第1信号を得た後、光信号形態の第2信号に直接的に変換する。光信号は、ブロードキャストにより伝達され、電圧又は電流等の電気形態の電気信号ではないため、大強度電子ビームによる干渉を受けない。従って、コントローラ104自体は干渉を受けることがない。それと共に、信号が伝送する過程において受けた干渉はより小さくなり、電子ビームの検出正確度を向上させる。
【0147】
本実施例において、前記サンプリングボックス102は、所定の時間間隔で前記電子収集装置101における電流をサンプリングし、電流サンプリング信号を得ることができる。該所定の時間間隔のうちの任意の時間間隔は同じであると、前記サンプリングボックス102は、前記電子収集装置101における電流信号を周期的にサンプリングする。前記所定の時間間隔のうち、少なくとも2つの時間間隔が異なると、前記サンプリングボックス102は、所定の時間間隔の時系列のみに応じて前記電子収集装置101における電流信号を間欠的に収集する。
【0148】
本実施例において、前記通信ボックス103は、光信号を電気信号に変換する光電変換装置であってもよい。
【0149】
幾つかの実施例において、前記通信ボックス103と前記コントローラ104とは、一体の装置であってもよい。つまり、前記通信ボックス103及び前記コントローラ104は、1つの筐体内に位置し、同一の物理的装置に属する。例えば、光信号送受信能力を持つサーバ等に属する。
【0150】
別の幾つかの実施例において、前記通信ボックス103及び前記コントローラ104は、互に独立した物理的装置であってもよい。
【0151】
本実施例において、シールド室を利用し、ケーブルの代わりに光ファイバー105により信号伝送を行うことで、大電流電子ビームが検出に与える信号干渉を低減させ、電子ビーム検出の正確度を向上させる。
【0152】
幾つかの実施例において、前記通信ボックス103及び前記コントローラ104は、制御室内に位置し、前記制御室と前記シールド室との間に、金属シールド壁が設けられ、
前記金属シールド壁に、前記光ファイバー105を通過させるための貫通孔が設けられる。
【0153】
本実施例において、前記シールド室は、少なくとも1つのシールド壁を備え、該シールド壁は、前記通信ボックス103及び前記コントローラをシールド室外に位置する。例えば、前記シールド室は、1つのシールド壁を持つか又は複数のシールド壁を持つ。例えば、シールド室は、2から4つのシールド壁を持つ。
【0154】
前記シールド壁に金属板が敷設されているか又は金属粉末などが塗布されており、金属シールド層を形成する。従って、電気信号は、金属により地上に導入される。又は、金属シールド層は、交流大電流電子ビームにより交互に発生する電磁界をシールド室内に隔離し、このような交互に発生する電磁界が制御室内の通信ボックス103及び/又はコントローラ104に与える干渉を減少させる。
【0155】
幾つかの実施例において、前記サンプリングボックス102は、
前記電子収集装置101に接続され、前記第1信号としての電流信号を受信し、前記電流信号を電圧信号に変換するように構成される電流電圧変換回路と、
前記電流電圧変換回路に接続され、アナログ信号としての前記電圧信号をデジタル信号に変換するように構成されるデジタルアナログ変換器と、
前記デジタルアナログ変換器に接続され、前記デジタル信号を、前記電子ビーム照射の均一度を表すための第3信号に変換するように構成されるサンプリングチップと、
前記サンプリングチップに接続され、前記第3信号を前記光信号形態の前記第2信号に変換するように構成される光電変換回路と、を備える。
【0156】
本実施例において電流電圧変換回路は、電子収集装置101に接続されるため、電子収集装置101が電子ビーム照射を受ける場合に、前記電子収集装置101に侵入して形成された電流を前記サンプリングボックス102に導入する。電流電圧変換回路は、電流信号の電流値に応じて、対応する電圧値の電圧信号に変換する。本実施例において、該電圧信号を他の電圧信号と区別するために、電圧信号と呼ぶ。ここで、前記電圧信号における「第1」は実際の意味を持たず、前記電流電圧変換回路が前記電子収集装置101から受信した電流信号を広義に指す。
【0157】
ここで、前記電圧変換回路で形成された前記電圧信号はアナログ信号である。
【0158】
本実施例において、前記サンプリングボックス102は、デジタルアナログ変換器を更に備え、該デジタルアナログ変換器は、アナログ信号を離散化してデジタル信号を得ることができる。サンプリングチップは、サンプリングボックス102を、信号サンプリングを行うように制御することができると共に、サンプリングボックス102による信号変換を制御することもできる。
【0159】
本実施例において、前記サンプリングチップは、プログラマブルアレイを含んでもよい。該プログラマブルアレイは、フィールドプログラマブルアレイ及び/又は複雑なプログラマブルアレイを含むが、これらに限定されない。
【0160】
前記サンプリングチップは、マイクロプロセッサ又は特定用途向けの集積回路を含んでもよい。すなわち、前記サンプリングチップは、前記サンプリングボックス102に位置する様々な形態のマイクロコントローラ104又はマイクロ制御回路であってもよい。信号調整機能により、時間領域上の単一時点での信号強度を、複数の単一時点での信号強度に変換して比較することで、前記複数の単一信号の時間帯における前記電子ビームの照射均一度を得る。
【0161】
幾つかの実施例において、前記サンプリングチップは、信号増幅、干渉信号濾過等の役割を果たす。信号増幅により、エネルギーが低い信号をエネルギーが高い信号に変換することで、信号伝送過程における減衰による信号損失の現象を減少させる。
【0162】
それと共に、前記サンプリングチップは、干渉信号濾過の機能を持つ。信号周波数の差により、干渉信号を濾過して、信号の信号対雑音比を向上させ、後続の検出結果の正確度を更に向上させる。
【0163】
本実施例において、前記サンプリングボックス102は、光電変換回路を更に備える。該サンプリングチップは、単一の時点で収集されたデジタル信号から、所定の期間内での前記電子ビームの照射均一度を評価する第3信号を得る。第3信号は、電圧パルスなどの信号であってもよい。前記光電変換回路は、該電気信号を受信した後、変換を行って光信号を得る。該光信号は、第2電気信号と呼ばれてもよい。第2電気信号は、光ファイバー105で前記通信ボックス103に伝送される。
【0164】
本実施例において、前記光ファイバー105は、シングルモード光ファイバー105又はマルチモード光ファイバー105を含むが、これらに限定されない。前記光ファイバー105の数は、1本又は複数本であってもよい。前記光ファイバー105の帯域幅は、具体的には、伝送データ量の需要に応じて設定されてもよい。
【0165】
幾つかの実施例において、
図11及び
図12に示すように、前記システムは、
電子収集ホルダ106と、
前記電子収集装置101に接続され、前記電子収集装置101に駆動力を供給するように構成される駆動装置と、を更に備え、
前記電子収集装置101は、前記電子収集ホルダ106に取り付けられ、前記駆動力による駆動で、前記電子収集ホルダ106に基づいて運動することができる。
【0166】
本実施例において前記システムは、一つの電子収集ホルダ106を備える。該電子収集ホルダに前記電子収集装置101が取り付けられる。該電子収集装置101は、駆動装置により供給される駆動力で運動することができる。従って、電子収集ホルダ106の異なる箇所に複数の電子収集装置101が設けられることに相当する。本実施例において、複数の電子収集装置101の代わりに、1つの可動な電子収集装置101を利用して異なる箇所の電子ビームの照射強度を収集することで、電子収集装置101の数を減少させ、前記システムのハードウェアコストを低減させる。
【0167】
幾つかの実施例において、前記電子収集ホルダ106は、クロスフレーム又は矩形リングホルダであってもよく、前記電子収集装置101は、前記電子が収集される2つの次元で運動することができ、該2つの次元は、互いに垂直であってもよく、又は非垂直な角度をなしてもよい。
【0168】
幾つかの実施例において、前記電子収集ホルダ106は、
電子収集ガイドレール107を含み、
前記電子収集装置101は、前記電子収集ガイドレール107に可動に取り付けられ、前記電子収集ガイドレール107に沿って一次元運動を行うことができる。
【0169】
本実施例において、前記電子収集ホルダは、電子収集ガイドレール107を備え、該電子収集装置101は、該電子収集ガイドレール107に吊り下げられてもよく、該電子収集ガイドレール107は、ガイドレール溝を備えてもよく、前記電子収集装置101は、前記ガイドレール溝上で運動する。又は、前記電子収集ガイドレール107は、ガイドレールレバーであってもよく、前記電子収集装置101は、前記ガイドレールレバーに嵌設されて運動する。
【0170】
幾つかの実施例において、前記システムは、
ステッピングモータを含む駆動装置を更に備える。
【0171】
幾つかの実施例において、前記駆動装置は、電気駆動装置、油圧駆動装置、又は気圧駆動装置などであってもよい。
【0172】
本実施例において、前記駆動装置は、電気駆動装置であり、且つステッピングモータである。ステッピングモータは、構造が簡単でハードウェアコストが低いという特徴を有する。
【0173】
幾つかの実施例において、前記電子収集ホルダ106は、照射加工ラインの取付位置に可動に取り付けられ、
前記電子収集ホルダが第1位置にある場合、前記電子収集装置101は、前記照射加工ラインの製品加工の加工位置に位置し、照射加工の電子ビームの強度を検出するように構成され、
前記電子収集ホルダが第2位置にある場合、前記電子収集装置101は、前記加工位置外に位置する。
【0174】
本実施例において、前記電子収集ホルダ106は、照射加工ラインに可動に取り付けられる。可動に取り付けられることにより、前記電子収集ホルダ106は、前記照射加工ラインで運動することができる。例えば、前記電子収集ホルダ106は、自体の運動により、前記電子収集装置101を位置Aから位置Bまでに運動させる。本実施例において、前記電子収集装置101は、前記電子収集ホルダ106により動かされ、前記加工製品の加工位置に出入りすることができる。電子収集装置101は、前記加工位置に入ると、加工製品の代わりに電子ビームの照射を受ける。前記加工位置から離れると、前記加工位置が空き、加工製品を配置して、照射加工を継続することができる。
【0175】
幾つかの実施例において、前記電子収集ホルダ106は、前記電子収集装置101を動かして運動させるマニピュレータアームであってもよいが、マニピュレータアームに限定されない。
【0176】
図10に示すように、電子収集装置は、調整可能なテーブルに取り付けられて、電子収集ホルダにおける電子収集ガイドレールに合わせて一次元運動を行うことができる。前記サンプリングボックスは、I−V変換回路(前記電流電圧変換回路に対応する)、デジタルアナログ変換器(A/D)、フィールドプログラマブルアレイ(FPGA)、及び光電変換モジュールを備え、サンプリングボックス内の信号サンプリング回路を構成し、光ファイバーからなる光ファイバー通信リンクにより、制御室内のマンマシンインタラクション端末(前記コントローラに対応する)とデータインタラクションを行う。例えば、光ファイバー通信リンクにより伝送されたデータは、光電変換モジュールにより電気信号に変換された後、データベースに記憶される。
【0177】
以下、上記任意の実施例を参照しながら、具体的な例を提供する。
【0178】
本例は、大強度電子ビーム照射均一度のオンライン検出装置を提供する。
図8から
図14に示すように、主に電子収集プラットフォーム、ローカルサンプリングボックス、通信ボックス、マンマシンインタラクション端末、及び関連接続光ファイバーで構成される。電子収集プラットフォーム、ローカルサンプリングボックスは、シールド室内に配置され、他の部材は、制御室内に配置され、それらは、壁を通過する光ファイバーにより接続される。
【0179】
大強度電子ビーム照射均一度のオンライン検出は具体的には以下のとおりである。
【0180】
(1)準備作業において、マンマシンインタラクション端末からの命令に応じて電子収集プラットフォーム、電子ビーム照射プローブを降ろす。
(2)走査作業において、プローブの一次元走査運動を起動する。
(3)処理作業において、ローカルサンプリングボックスにより電気信号を処理し、デジタル信号に変換し、通信ボックスによりマンマシンインタラクション端末に伝送する。
(4)表示作業において、マンマシンインタラクション端末は、情報をディスプレイに表示する。
【0181】
該連続的な液体封止照射装置のコア部材は、5つである。その構造は
図10に示すとおりである。主に、ビームを電気信号に変換する電子収集装置と、プローブの位置を制御し、オンライン測定の運動制御を行う調整可能な一次元運動テーブルと、プローブ信号を処理し、増幅させ、フィルタリングを行う信号収集回路と、ビーム集束セクションの高圧を隔離し、測定信号を伝送する光ファイバー通信リンクと、便利なマンマシンインタラクションインタフェースを提供し、収集プロセスを制御し、測定データを取得するマンマシンインタラクション端末と、を備える。
【0182】
オンライン測定を実現させるために、システムは
図11から
図14に示すような調整可能な一次元運動テーブルを用いる。電子収集装置は、ネジにより一次元ガイドレールに固定され、ガイドレールは、ステッピングモータの制御により、1つの方向における往復運動を実現させ、一次元運動テーブルは、反転ホルダに固定され、反転ホルダは、大トルクモータを介して走査ボックスに接続され、操舵装置を制御することで、ホルダの反転を実現させる。正常に運転する場合、全体は、走査ボックスの側面に反転され、測定を必要とする場合、操舵装置を反転するように遠隔制御し、装置を走査ボックスの下方に配置する。
【0183】
従って、
図13に示すように、作動状態にある場合、反転ホルダ(可動ホルダの1つ)は、反転により、電子収集装置を、照射生産ラインの照射製品の加工位置に配置する。待機状態にある場合、反転ホルダは、反転により、電子収集装置を、照射製品の加工位置から退避させる。これにより照射加工を正常に行うことを実現させる。
【0184】
図14に示す電子ビーム検出装置は、
電子ビームを加速するように構成される加速器走査ボックスと、
反転ホルダと、
反転ホルダに接続され、前記反転ホルダに反転のための駆動力を提供するように構成される大トルク操舵装置と、
一次元ガイドレールであって、反転ホルダに設けられる電子収集ガイドレールの1種であり、電子収集装置を前記一次元ガイドレールに沿って一次元直線運動させる、前記一次元ガイドレールと、
一次元ガイドレールに可動に取り付けられる電子収集装置と、
電子収集装置の運動のための駆動装置の1種であり、自体の回転により電気エネルギーを機械的エネルギーに変換し、電子収集装置を運動させるように駆動するステッピングモータと、を備える。
【0185】
本願で提供される幾つかの実施例において、開示される装置及び方法は、他の方式によって実現できることを理解すべきである。例えば、以上に記載した装置の実施例は単に例示的なもので、例えば、前記ユニットの分割は単にロジック機能の分割の一種であって、実際に実現する時は他の分割方式によってもよい。例えば、複数のユニット又は組立体を組み合わせてもよいし、別のシステムに組み込んでもよい。又はいくつかの特徴を無視してもよいし、実行しなくてもよい。また、示した或いは検討した相互間の結合、又は直接的な結合、又は通信接続は、幾つかのインターフェイス、装置、又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的、または他の形態であってもよい。
【0186】
分離部材として説明した上記ユニットは、物理的に別個のものであってもよく、そうでなくてもよい。ユニットとして示された部材は、物理的なユニットであってもよく、そうでなくてもよい。即ち、同一の場所に位置してもよく、複数のネットワークに分布してもよい。実際の需要に応じてそのうちの一部又は全てのユニットにより本実施例の方策の目的を実現することができる。
【0187】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは一つの処理ユニットに集積されてもよく、各ユニットが物理的に別個のものとして存在してもよく、2つ以上のユニットが一つのユニットに集積されてもよい。上記集積したユニットはハードウェアとして実現してもよく、ハードウェアとソフトウェア機能のユニットとの組み合わせで実現してもよい。
【0188】
上記各方法に係る実施例の全部又は一部のステップはプログラム命令に係るハードウェアにより実現され、前記プログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、該プログラムが実行される時、上記方法の実施例におけるステップが実行され、前記記憶媒体は、携帯型記憶装置、読み出し専用メモリ(Read-only Memory:ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体を含むことは、当業者であれば理解すべきである。
【0189】
以上は本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護の範囲はそれらに制限されるものではなく、当業者が本発明に開示された技術範囲内で容易に想到しうる変更や置換は、いずれも、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本発明の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。