特許第6968384号(P6968384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日建リース工業株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社テクノジャパンの特許一覧 ▶ 株式会社ピカコーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許6968384-吊り下げステップ 図000002
  • 特許6968384-吊り下げステップ 図000003
  • 特許6968384-吊り下げステップ 図000004
  • 特許6968384-吊り下げステップ 図000005
  • 特許6968384-吊り下げステップ 図000006
  • 特許6968384-吊り下げステップ 図000007
  • 特許6968384-吊り下げステップ 図000008
  • 特許6968384-吊り下げステップ 図000009
  • 特許6968384-吊り下げステップ 図000010
  • 特許6968384-吊り下げステップ 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6968384
(24)【登録日】2021年10月29日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】吊り下げステップ
(51)【国際特許分類】
   E04G 3/24 20060101AFI20211108BHJP
【FI】
   E04G3/24 302H
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-71363(P2019-71363)
(22)【出願日】2019年4月3日
(65)【公開番号】特開2020-169490(P2020-169490A)
(43)【公開日】2020年10月15日
【審査請求日】2020年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】592192907
【氏名又は名称】日建リース工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519119747
【氏名又は名称】株式会社テクノジャパン
(73)【特許権者】
【識別番号】000136170
【氏名又は名称】株式会社ピカコーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】関山 正勝
(72)【発明者】
【氏名】浅見 浩之
(72)【発明者】
【氏名】江副 真仁
(72)【発明者】
【氏名】加納 耕輔
(72)【発明者】
【氏名】藤村 雄次
【審査官】 松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−147016(JP,A)
【文献】 特開平07−062854(JP,A)
【文献】 実開昭59−138650(JP,U)
【文献】 実開平05−031654(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0121407(US,A1)
【文献】 米国特許第4211307(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0163001(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 3/24
E06C 1/00−9/14
E01D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の支柱(3)の上部と上下中途部とを上連結材(4)と中途連結材(5)とで連結しかつ上部にフック形状の引っ掛け材(6)を設けた支持枠(A)と、この支持枠(A)の上下中途部に連結されたステップ具(B)とを有する吊り下げステップであって、
前記ステップ具(B)は、後部が中途連結材(5)に連結されかつ上面がステップ面(7a)になっているステップ部材(7)と、中途連結材(5)より下方で両端部が左右支柱(3)に嵌脱自在に装着される装着部材(8)と、この装着部材(8)と前記ステップ部材(7)の前部とを連結する支え部材(9)とを有しており、
前記左右支柱(3)の下部に装着部材(8)の上下位置を複数段に設定する位置設定部(C)を形成していることを特徴とする吊り下げステップ。
【請求項2】
前記位置設定部(C)は、ステップ部材(7)のステップ面(7a)に対して左右支柱(3)が略垂直になる位置に装着部材(8)の上下位置を設定する第1の位置設定部(C1)と、ステップ部材(7)のステップ面(7a)に対して左右支柱(3)の上部が挟角95〜135度になる位置に装着部材(8)の上下位置を設定する第2の位置設定部(C2)とを有することを特徴とする請求項1に記載の吊り下げステップ。
【請求項3】
前記位置設定部(C)は、中途連結材(5)より下方の左右各支柱(3)の下部に、環状突起を上下間隔をおいて複数箇所に形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り下げステップ。
【請求項4】
前記ステップ具(B)において、ステップ部材(7)の後部は中途連結材(5)に嵌脱自在に連結されるステップフック部(7f)を有し、装着部材(8)の両端部は左右支柱(3)に嵌脱自在に嵌合する装着フック部(8f)を有し、支え部材(9)の後下部は装着部材(8)に嵌脱自在に嵌合する支えフック部(9f)を有し、支え部材(9)の前上部はステップ部材(7)の前部と回動可能に連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吊り下げステップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁桁下の足場工、防護工を構築するのに利用できる吊り下げステップに関する。
【背景技術】
【0002】
鋼橋現場塗装工、橋梁補修補強工、橋梁の上下面増厚工等においては、橋梁桁下に足場工、防護工を構築する必要があり、この足場にパネル式ユニットを並べて、作業床や作業側壁を構築している。そして、前記パネル式ユニットを空中で並べかつ連結する設置作業のためには、ケーブルやパイプ枠体を空中に仮設し、そのケーブルやパイプ枠体に足場工作業用のステップ(足場)を吊り下げる必要がある。
【0003】
このような吊り下げるステップに利用可能な作業用足場として、特許文献1の技術がある。この作業用足場は、「壁面に複数のステップが設けられた場所で使用する作業用足場であって、前記ステップの一部に取り付け可能なフックを有する支持フレームと、この支持フレームの一面に対して回転中心を中心として回動して開閉自在に設置される作業板と、支持フレームと作業板とを連結させた綱材と、この綱材が巻き付けられて前記支持フレームと前記作業板とを閉じた状態にする滑車と、を備え、前記支持フレームは、補助用フックをさらに備え、前記補助用フックは、前記支持フレームの前記作業板の設置面とは反対側に位置する一面に突出するように設けられ、その突出長さ及びその突出角度の少なくとも一方は調整自在となっており、前記フック及び補助用フックを前記ステップの一部に取り付けて、前記滑車を回転させて前記綱材が緩むように繰り出すことにより、前記作業板を前記支持フレームに対して所定角度に開いた状態で設置するとともに、前記支持フレームの前記作業板の設置面とは反対側に位置する一面を前記複数のステップに当接させた状態で使用することを特徴とする(請求項1)」としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4505433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術においては、支持フレームは上部のフックを仮設のケーブルやパイプ枠体に引っ掛けて鉛直姿勢にし、その支持フレームに対して作業板を垂直にして、作業板の上面を略水平姿勢にすることができ、また、綱材で支持フレーム上部と作業板の挟角を垂直より小さくすることができるが、支持フレーム上部と作業板の挟角を垂直より広くすることはできなく、仮設のケーブルやパイプ枠体が鉛直姿勢から傾斜している場合には、作業用足場を吊り下げ利用するとこは困難になっている。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした吊り下げステップを提供することを目的とする。
本発明は、ステップ部材の水平なステップ面に対して支持枠を垂直姿勢から広い挟角の傾斜した姿勢にも設定できる吊り下げステップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、左右一対の支柱3の上部と上下中途部とを上連結材4と中途連結材5とで連結しかつ上部にフック形状の引っ掛け材6を設けた支持枠Aと、この支持枠Aの上下中途部に連結されたステップ具Bとを有する吊り下げステップであって、
前記ステップ具Bは、後部が中途連結材5に連結されかつ上面がステップ面7aになっているステップ部材7と、中途連結材5より下方で両端部が左右支柱3に嵌脱自在に装着される装着部材8と、この装着部材8と前記ステップ部材7の前部とを連結する支え部材9とを有しており、
前記左右支柱3の下部に装着部材8の上下位置を複数段に設定する位置設定部Cを形成していることを特徴とする。
【0008】
第2に、前記位置設定部Cは、ステップ部材7のステップ面7aに対して左右支柱3が略垂直になる位置に装着部材8の上下位置を設定する第1の位置設定部C1と、ステップ部材7のステップ面7aに対して左右支柱3の上部が挟角100〜135度になる位置に装着部材8の上下位置を設定する第2の位置設定部C2とを有することを特徴とする。
第3に、前記位置設定部Cは、中途連結材5より下方の左右各支柱3の下部に、環状突起を上下間隔をおいて複数箇所に形成していることを特徴とする。
【0009】
第4に、前記ステップ具Bにおいて、ステップ部材7の後部は中途連結材5に嵌脱自在に連結されるステップフック部7fを有し、装着部材8の両端部は左右支柱3に嵌脱自在に嵌合する装着フック部8fを有し、支え部材9の後下部は装着部材8に嵌脱自在に嵌合する支えフック部9fを有し、支え部材9の前上部はステップ部材7の前部と回動可能に連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ステップ部材の水平なステップ面に対して支持枠を垂直姿勢から広い挟角の傾斜した姿勢にも設定でき、支持枠を傾斜姿勢で吊り下げておくことができる。
即ち、請求項1に係る発明は、左右支柱3の下部に装着部材8の上下位置を複数段に設定する位置設定部Cを形成しているので、装着部材8の上下位置を変更して、支え部材9の後下部の高さを変更する、即ち、ステップ部材7のステップ面7aに対する左右支柱3の垂直姿勢と傾斜姿勢とを変更することができ、支持枠Aを鉛直姿勢だけでなく鉛直から広い挟角の傾斜姿勢でも設定でき、支持枠Aを傾斜姿勢で吊り下げることができる。
【0011】
請求項2に係る発明は、位置設定部Cは、ステップ部材7のステップ面7aに対して左右支柱3が略垂直になる位置に装着部材8の上下位置を設定する第1の位置設定部C1と、ステップ部材7のステップ面7aに対して左右支柱3の上部が挟角95〜135度になる位置に装着部材8の上下位置を設定する第2の位置設定部C2とを有するので、ステップ部材7のステップ面7aに対する左右支柱3の垂直姿勢以外の傾斜姿勢にも変更することができ、支持枠Aを鉛直姿勢だけでなく鉛直から傾斜した姿勢でも吊り下げることができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、位置設定部Cは、中途連結材5より下方の左右各支柱3の下部に、環状突起を上下間隔をおいて複数箇所に形成しているので、位置設定部Cを2段、3段に簡単に形成することができる。
請求項4に係る発明は、ステップ具Bは、ステップ部材7の後部にステップフック部7fを有し、装着部材8の両端部に装着フック部8fを有し、支え部材9の後下部に支えフック部9fを有するので、支え部材9を支持枠Aと別個に構成して支持枠Aに着脱することができ、支え部材9の前上部はステップ部材7の前部と回動可能に連結されているので、支え部材9とステップ部材7との挟角を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態を示す全体斜視図である。
図2】吊り下げステップの六面図であって、図2(A)は正面図、図2(B)は右側面図、図2(C)は左側面図、図2(D)は背面図、図2(E)は平面図、図2(F)は底面図である。
図3】吊り下げステップの要部を示しており、図3(A)は正面図、図3(B)は右側面図である。
図4図2(B)のX−X線断面図である。
図5図2(A)のY−Y線断面図である。
図6図2(A)のZ−Z線断面図である。
図7図2(A)のW−W線断面図である。
図8】支持枠が傾斜姿勢の吊り下げステップを示す正面図である。
図9】支持枠が鉛直姿勢で長いステップ具を備えた吊り下げステップの正面図である。
図10】支持枠が傾斜姿勢で長いステップ具を備えた吊り下げステップの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜8において、橋梁桁下にパネル式ユニットを並べて、作業床や作業側壁を構築するために、上下ケーブル(又はパイプ枠体)13U、13Dを空中に仮設し、その上ケーブル13Uに吊り下げた吊り下げステップ1を示している。
吊り下げステップ1は大別して、左右一対の支柱3の上部と上下中途部とを上連結材4と中途連結材5とで連結しかつ上部にフック形状の引っ掛け材6を設けた支持枠Aと、この支持枠Aの上下中途部に連結されたステップ具Bとを有する。
【0015】
なお、一対の支柱3は上下方向に長く配置され、左右に見て左右一対と称し、ステップ具Bは支柱3側を後部、支柱3から離れた端部を前部と称する。
前記支持枠Aの左右各支柱3は円筒材(パイプ材)で形成され、その上部を上連結材4で連結し、この上連結材4の背面に台板14を介して左右一対の引っ掛け材6を固定(溶着)している。
【0016】
左右各支柱3の下部(中途部でもよい。)には下ケーブル13D等に当接する当接体15が設けられ、上下方向中途部には上連結材4と平行な中途連結材5が固着されている。この中途連結材5は水平な円柱16aの両端に軸線が縦方向の円筒16bを固着し、この両円筒16bを左右支柱3に嵌合して固定されている。
前記支持枠Aの左右各支柱3の下部には上下方向複数段の位置設定部C(C1,C2,C3)が形成されている。
【0017】
前記ステップ具Bは、後部が中途連結材5に連結されかつ上面がステップ面7aになっているステップ部材7と、中途連結材5より下方で両端部が左右支柱3に嵌脱自在に装着される装着部材8と、この装着部材8と前記ステップ部材7の前部とを連結する支え部材9とを有している。
前記ステップ具Bのステップ部材7は、上面が断面鋸形状の型材17a、17bを前後に隣接し、両型材17a、17bの左右両端に断面コ字部材17cを嵌合し、型材17a及び断面コ字部材17cの後部にアングル材17dを宛がって平板状に構成し、アングル材17dの背面に、中途連結材5に嵌脱自在に連結される左右一対のステップフック部7fを固定している。前記断面コ字部材17cは上下面及び外面が長手方向に沿うリブによって凹凸形状になっている。
【0018】
図3、4に示すごとく、ステップ部材7の上面のステップ面7aは中途連結材5の円柱16aの上面より低く、又は略同一高さになっており、ステップフック部7fのフック深さは円柱16aの直径に略等しく、ステップ部材7に水平方向の力が加わっても、ステップフック部7fが円柱16aから離脱しないようになっている。
前記ステップ部材7の前部下面にはブラケット18を介して支持軸19が設けられ、この支持軸19に支え部材9の前上部が回動可能に連結され、ステップ部材7と支え部材9とは挟角が変更自在、即ち、水平に配置させるべきステップ部材7に対して支え部材9の角度が変更可能であり、支持枠Aからステップ具Bを離脱した場合に、ステップ部材7と支え部材9とを折り畳んでおけるようになっている。
【0019】
前記支え部材9の後下部には装着部材8に嵌脱自在に嵌合する支えフック部9fを固定しており、この支えフック部9fも前記ステップフック部7fと同様に、フック深さは装着部材8の直径に略等しく、支え部材9に長手方向材の力が加わっても、支えフック部9fが装着部材8から離脱しないようになっている。
装着部材8は水平な円筒の両端に左右支柱3に嵌脱自在に嵌合する装着フック部8fを固定しており、この両装着フック部8fは支柱3の直径と略等しいフック深さを有し、支柱3に前側から嵌合して、上下方向で位置設定部C(C1,C2,C3)に当接して、下方向の移動が阻止される構成となっている。
【0020】
左右各支柱3の下部の位置設定部C1,C2,C3は、支柱3に円筒材(パイプ材)を嵌合して固着(溶着)して環状突起としたものであり、環状突起の上下間隔は装着フック部8fが入る寸法であり、環状突起の上面が装着フック部8fと当接することにより、装着フック部8fの下降を阻止する。
装着部材8の装着フック部8fを第1の位置設定部C1に当接させた状態は、図1〜7に示すごとく、上下ケーブル(又はパイプ枠体)13U、13Dに吊り下げて鉛直姿勢になった支持枠Aに対して、ステップ具Bのステップ部材7のステップ面7aは垂直になり、水平に配置されるべきステップ部材7から見て、支柱3の上部の挟角は略90度となる。
【0021】
上下ケーブル13U、13Dが水平方向にずれている場合、前記挟角90度の吊り下げステップ1では、ステップ部材7のステップ面7aは水平姿勢にならなく、作業員は乗ることは困難になる。
装着部材8の装着フック部8fを嵌脱して第2の位置設定部C2に当接させると、図8に示すごとく、支持枠Aは鉛直姿勢から傾斜し、水平に配置されるべきステップ部材7から見て、支柱3の上部の挟角は90度より広い角度、例えば、挟角略100度となり、支持枠Aを傾斜させることになる。
【0022】
橋梁桁下に作業側壁を構築するための仮設吊り下げステップ1は、支持枠Aを鉛直姿勢にするよりも、支柱3の上部がステップ面7aから離れる挟角略100度程度の方が、ステップ面7a上での作業がし易く、また乗り降りも容易になる。
前記ステップ部材7のステップ面7aに対する左右支柱3の上部の挟角は100度以外の95〜135度に設定することができ、希望の挟角になるように、第1の位置設定部C1に対して第2の位置設定部C2の位置が決定される。
【0023】
また、前記挟角を90度、100度、110度等と3段階に設定することもでき、その場合は、挟角110度を設定する位置設定部C3を第3の位置設定部とする。
前記ステップ具Bは作業の内容等によって、ステップ面7aが前後に短い(狭い)のがよい場合と長い(広い)のがよい場合とがある。例えば、240x285mmの短いステップ部材7を採用した実施形態を前記図1〜8に示しており、400x285mmの長いステップ部材7を採用した変形例を図9〜10に示している。
【0024】
図9〜10において、ステップ具Bはステップ部材7が前後に長い400x285mmであり、それに伴って、支え部材9も前記実施形態のものよりも長いものが採用されている。支持枠A、ステップ具Bの装着部材8、ステップフック部7f、装着フック部8f等は前記実施形態と同一である。
図9において、支持枠Aは前記実施形態と同一であり、ステップ部材7及び支え部材9が長くなっているので、鉛直姿勢の左右支柱3の上部に対してステップ部材7のステップ面7aが垂直(挟角略90度)になるように、支え部材9の後下部の支えフック部9fは位置設定部C2に当接しており、この位置設定部C2が第1の位置設定部(垂直設定部)となっている。
【0025】
そして、支え部材9の後下部の支えフック部9fを位置設定部C2から離脱させて、位置設定部C3(第2の位置設定部となる)に嵌合することにより、ステップ部材7のステップ面7aを略水平に維持した状態で支柱3の上部がステップ面7aに対して傾斜姿勢(挟角略100度)になり、支持枠Aは鉛直姿勢から傾斜した姿勢で上下ケーブル(又はパイプ枠体)13U、13Dに吊り下げることができる。
【0026】
従って、ステップ面7aが短いステップ具Bと長いステップ具Bとを用意しておけば、支持枠Aを共通利用することができる。
なお、前記長いステップ部材7及び支え部材9を使用する場合において、支え部材9の後下部の支えフック部9fを位置設定部C1に嵌合することもでき、その場合は、ステップ面7aを略水平に維持した状態で支柱3の上部がステップ面7aに対して挟角略88度になり、吊り下げステップ1として使用することは可能である。
【0027】
前記ステップ部材7に対して支持枠Aを垂直姿勢から傾斜させる組立は、地上において、支持枠Aを鉛直姿勢にしておいて支え部材9の支えフック部9fを嵌脱して、ステップ部材7を傾斜させてセットし、吊り下げステップ1を上下ケーブル13U、13Dに吊り下げる。この吊り下げ状態で始めて、ステップ面7aが水平になる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
【0028】
例えば、ステップ部材7を1種類の長さのものしか使用しない場合は、位置設定部Cを2箇所にしたり、ステップ部材7の後部を中途連結材5に軸を介して枢支連結したりしてもよい。
左右支柱3の下部の位置設定部Cを、支柱3に円筒体を上下位置変更自在に嵌合しかつボルト固定可能に構成し、前記円筒体の上下位置を変更して位置設定部C1,C2,C3を形成するようにしてもよい。
【0029】
支持枠Aは、上連結材4と中途連結材5との間に、梯子の踏み桟になる横桟を複数本設けたり、左右支柱3の下部を横桟で連結したりしてもよい。
一対の引っ掛け材6を左右各支柱3の上端に取り付けたり、中途連結材5を水平なパイプで形成したりしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 吊り下げステップ
3 支柱
4 上連結材
5 中途連結材
6 引っ掛け材
7 ステップ部材
7a ステップ面
7f ステップフック部
8 装着部材
8f 装着フック部
9 支え部材
9f 支えフック部
13D 下ケーブル
13U 上ケーブル
14 台板
15 当接体
16a 円柱
16b 円筒
17a、17b 型材
17c 断面コ字部材
17d アングル材
18 ブラケット
19 支持軸
A 支持枠
B ステップ具
C(C1、C2、C3) 位置設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10