特許第6968545号(P6968545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6968545
(24)【登録日】2021年10月29日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】近接センサ
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20211108BHJP
【FI】
   H01H36/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-16901(P2017-16901)
(22)【出願日】2017年2月1日
(65)【公開番号】特開2018-125184(P2018-125184A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年12月6日
【審判番号】不服2021-4602(P2021-4602/J1)
【審判請求日】2021年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】三田 貴章
【合議体】
【審判長】 平田 信勝
【審判官】 中村 大輔
【審判官】 尾崎 和寛
(56)【参考文献】
【文献】 実開平5−17890(JP,U)
【文献】 特開2009−48902(JP,A)
【文献】 特開2000−208013(JP,A)
【文献】 特開昭57−168440(JP,A)
【文献】 実開平4−18947(JP,U)
【文献】 特開昭57−168439(JP,A)
【文献】 米国特許第4738504(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00-36/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルを保持するコアと、
近接検知回路が実装された基板と、
前記コアに対して前記基板を固定する樹脂製の固定部材であって、前記コイルと前記基板に設けられた配線とを電気的に接続する導通パターンが設けられた固定部材と
を備え、
前記コアの前記固定部材と当接する側の面には、当該コアの中心軸を中心とする穴が形成されており、
前記基板は、切り欠きが形成された端部を有し、
前記固定部材は、
前記穴に嵌合する突起部と、
前記切り欠きに嵌合する窪み部と、
を有し、
前記突起部と、前記窪み部とは、樹脂製のリブを有しており、
前記穴および前記突起部は、多角形又は楕円形であることを特徴とする近接センサ。
【請求項2】
前記固定部材と前記コアとの接続、および、前記固定部材と前記基板との接続が、圧入嵌合によって行われることを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項3】
前記コアにおいて、前記固定部材に圧入嵌合されている部分の形状が、当該コアの中心軸に対称な形状となっていることを特徴とする請求項2に記載の近接センサ。
【請求項4】
前記導通パターンは、前記基板に設けられたグランド配線と前記コアとを接続する配線をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の近接センサ。
【請求項5】
前記導通パターンは、前記基板の周囲に設けられるシールド配線と前記コアとを接続する配線をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の近接センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、近接センサの内部においてコアに基板を固定する場合に、コアに窪みを付けて基板の突起を差し込むことにより、位置決めを行っていた。例えば、特許文献1には、近接センサにおいて、シールドフィルムに突出部を設け、突出部の端部に電極を設けるとともに、開口によってプリント基板の突起部を貫通させてコアの直線状溝に嵌合する構成が開示されている。
【0003】
ところが、コア及び基板は公差が大きいため、組立精度が必要になるので、高精度治具を用いてXY方向の軸出しを行っていた。しかしながら、治具にも設計上、公差が発生するので、精密な軸出し設計を行うことは難しい。
【0004】
前記によれば、近接センサの内部においてコアに基板を固定する場合に、現物ごとの合わせ込みが多くなる。その結果、経年的な治具の劣化による歩留まりの低下、部品の型更新による歩留まりの低下等の問題が発生する。すなわち、近接センサの安定的な量産が難しいという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−055153号公報(1997年02月25日公開)
【特許文献2】特開2009−048902号公報(2009年03月05日公開)
【特許文献3】特開2004−170389号公報(2004年06月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、コア及び基板の組み立て時にグランド(GND)接続を行う必要がある。そのような電気的接続のためだけでなく、半田部により組立時の基板にかかる応力をキャンセルするためにも、フレキ基板を、コアと、基板との間に挟む技術がある。
【0007】
例えば、特許文献2には、近接センサにおいて、コアおよび検出コイルを含むコイル組立体と、検出コイルに電気的に接続される処理回路が設けられた第1プリント基板と、検出コイルと処理回路との電気的な接続の中継を行なう第2プリント基板(前記フレキ基板に対応する)とを備える構成が開示されている。
【0008】
しかしながら、フレキ基板(例えば、特許文献2の第2プリント基板)は、電気的接続時の作業性が悪く、組立工程の自動化に対する障壁となっている。
【0009】
また、特許文献2および特許文献3に記載されている構成では、コアの底面に対して基板を垂直に立てる際に、半田によって固定を行っている。この構成の場合、上記と同様に、治具の精度によって精密な軸だし設計を行うことは難しいという問題がある。また、半田での固定の場合、コアの底面に対して基板が曲がった状態で固定されるリスクもある。
【0010】
本発明の一態様は、組み立て時の作業性が良好でかつ組み立て精度に優れた近接センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る近接センサは、コイルを保持するコアと、近接検知回路が実装された基板と、前記コアに対して前記基板を固定する樹脂製の固定部材であって、前記コイルと前記基板に設けられた配線とを電気的に接続する導通パターンが設けられた固定部材とを備えている。
【0012】
前記の構成によれば、固定部材が樹脂製であるため固定部材の設計精度を高めることができる。そして、この設計精度の高い固定部材を介してコアと基板とを接続するので、コアに対して基板を精度よく固定できる。また、固定部材が樹脂製であるため、組立時のハンドリングが容易であり、コアと基板とが曲がった状態で固定されるリスクを低減することができる。すなわち、近接センサの組立時の作業性を良好にすることができるとともに、近接センサの組立精度を向上させることができる。
【0013】
また、固定部材には導通パターンが設けられているため、コイルと基板とを電気的に接続する配線を別途設ける必要がない。よって、構成の簡素化および組立工程の容易化を図ることができる。
【0014】
本発明の一態様に係る近接センサにおいて、前記固定部材と前記コアとの接続、および、前記固定部材と前記基板との接続が、圧入嵌合によって行われる。
【0015】
前記の構成によれば、圧入嵌合の場合、両者のサイズの誤差が多少あっても、その誤差を吸収して嵌合し、両者の接続固定を容易に実現できる。この圧入嵌合は、固定部材が樹脂であれば容易に実現できる。
【0016】
本発明の一態様に係る近接センサにおいて、前記コアにおいて、前記固定部材に圧入嵌合されている部分の形状が、当該コアの中心軸に対称な形状となっている。
【0017】
前記の構成によれば、コアの形成において、圧入嵌合されている部分の形状の中心位置の公差を比較的小さくすることができる。よって、コアの中心軸と固定部材の中心軸との位置合わせ誤差を小さくすることができ、精度の高い軸出しが可能となる。
【0018】
本発明の一態様に係る近接センサにおいて、前記コアの前記固定部材と当接する側の面には、当該コアの中心軸を中心とする穴が形成されており、前記基板は、切り欠きが形成された端部を有し、前記固定部材は、前記穴に嵌合する突起部と、前記切り欠きに嵌合する窪み部と、を有する。
【0019】
前記の構成によれば、コアと固定部材との固定、および固定部材と基板との固定を容易に精度よく実現することができる。
【0020】
本発明の一態様に係る近接センサにおいて、前記導通パターンは、前記基板に設けられたグランド配線と前記コアとを接続する配線をさらに含む。
【0021】
前記の構成によれば、基板と、コアとのグランドに関する電気的な接続を容易に実現することができる。
【0022】
本発明の一態様に係る近接センサにおいて、前記導通パターンは、前記基板の周囲に設けられるシールド配線と前記コアとを接続する配線をさらに含む。
【0023】
前記の構成によれば、シールド配線と、コアとの電気的な接続を容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、近接センサの組立時の作業性を良好にすることができるとともに、近接センサの組立精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態1に係る近接センサの構造を示す図である。
図2】本発明の実施形態1に係る近接センサの部品構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態1に係る中間部品の形状を示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る近接センサにおける電気的接続を示す図である。
図5】本発明の実施形態1に係る近接センサの組立工程を示す図である。
図6】本発明の実施形態2に係る近接センサの構造を示す図である。
図7】本発明の実施形態3に係るコア及び中間部品の形状を示す図である。
図8】本発明の実施形態4に係る近接センサの構造を示す図である。
図9】本発明の実施形態5に係る近接センサの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、図1図5に基づいて、詳細に説明する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る近接センサ1の構造を示す図である。図1に示すように、近接センサ1は、コイル2、コア3、中間部品(固定部材)4、プリント基板(基板)5、回路パターン(導通パターン)6、シールドフィルム7、ケースコイル8、筐体9、クランプ10、及び、ケーブル11を備えている。
【0028】
コイル2は、円周状に束になるように形成されており、プリント基板5と導通することにより磁界を発生させる。コア3は、コイル2を保持する。コア3は、コイル2を覆う位置にあってもよい。中間部品4は、コア3にプリント基板5を固定する樹脂製の固定部材であって、回路パターン6が設けられた固定部材である。
【0029】
プリント基板5は、近接検知回路が実装され、コイル2に導通して電気を流す。回路パターン6は、中間部品4に設けられ、コイル2と、プリント基板5に設けられた配線とを電気的に接続する。回路パターン6は、プリント基板5に設けられたグランド配線とコア3とを接続する配線をさらに含む。回路パターン6は、プリント基板5の周囲に設けられるシールド配線とコア3とを接続する配線をさらに含む、
シールドフィルム7は、先端のランドを中間部品4のランドに導電テープ又は導電接着剤を介して固定し、接続する。シールドフィルム7は、プリント基板5の周囲に巻き付けられて、外部からのノイズ浸入を防止する。ケースコイル8は、コイル2、コア3、プリント基板5、及び、シールドフィルム7を収容する筒状のケースである。ケースコイル8は、コイル2及びコア3を外力から保護する。
【0030】
筐体9は、ケースコイル8の外側に配置される。筐体9は、円筒状のケースであって、設備に取り付けるためのネジタップが切られている。クランプ10は、樹脂製の部材であって、ケーブル11を保持するものである。
【0031】
なお、図1に示すように、コイル2と、プリント基板5のランドとの間は、半田12により接続されて、導通する。
【0032】
図2は、本実施形態に係る近接センサ1の部品構成を示す図である。図2(a)は、近接センサ1全体の部品構成を示す。図2(b)は、近接センサ1の部品のうち、コイル2からプリント基板5までの構成を示す。
【0033】
図2(a)に示すように、近接センサ1は、ケースコイル8、コイル2、コア3、シールドフィルム7、プリント基板5、ケーブル11、筐体9、及び、クランプ10に分かれている。図2(b)に示すように、さらに、近接センサ1は、部品として、コイル2、コア3、中間部品4、及び、プリント基板5を備えている。
【0034】
図2(b)に示すように、コア3と中間部品4との固定、及び、中間部品4とプリント基板5との固定は、圧入嵌合によって行われる。コア3において、中間部品4に圧入嵌合されている部分の形状が、当該コア3の中心軸に対称な形状となっている。コア3の中間部品4と当接する側の面には、当該コア3の中心軸を中心とする穴31が形成されている。一例として、コア3の平面の中央に円形状の穴31が設けられる。プリント基板5は、切り欠き51が形成された端部を有する。
【0035】
コア3、及び、プリント基板5は、それぞれの中心軸を基準に設計される。そのため、コア3、及び、プリント基板5が固定された場合に、両者の中心軸同士の位置ずれはほとんどないものになる。コア3と中間部品4との固定は、圧入嵌合と、導電テープ又は導電接着剤とによって行われる。中間部品4とプリント基板5との固定は、圧入嵌合と、半田付け、導電テープ又は導電接着剤とによって行われる。
【0036】
図3は、本実施形態に係る中間部品4の形状を示す図である。図3(a)は、中間部品4の斜視図である。図3(b)は、中間部品4の正面図である。図3(c)は、中間部品4の側面図である。図3(d)は、中間部品4と、コア3との嵌合部分を示す図である。図3(e)は、中間部品4と、プリント基板5との嵌合部分を示す図である。
【0037】
図3(a)及び(c)に示すように、中間部品4は、穴31に嵌合する突起部41と、切り欠き51に嵌合する窪み部42及び43とを有する。
【0038】
図3(d)及び(e)に示すように、中間部品4の突起部41と、窪み部42及び43とは、樹脂製のリブを有する。このリブにより、コア3にプリント基板5を固定する場合に、中心軸出しがさらに確実に実現される。
【0039】
図4は、本実施形態に係る近接センサ1における電気的接続を示す図である。図4(a)は、コア3と、中間部品4との電気的接続を示す図である。図4(b)は、プリント基板5と、中間部品4とに電気的接続を示す図である。
【0040】
樹脂表面にグランド回路の引かれた中間部品4がコア3およびプリント基板5に嵌合されることにより、コア3およびプリント基板5が中間部品4を介して導通する。図4(a)に示すように、コア3と、中間部品4との間は、導電テープ又は導電接着剤により導通する。図4(b)に示すように、プリント基板5と、中間部品4との間は、導電テープ、導電接着剤又は半田により導通する。
【0041】
図5は、本実施形態に係る近接センサ1の組立工程を示す図である。
【0042】
(ステップS1)
コア3と、コイル2とを組み合わせる。
【0043】
(ステップS2)
コア3の天面に導電テープを貼り付ける。導電体を両面テープで貼り付けてもよいし、導電接着剤を用いてもよい。
【0044】
(ステップS3)
中間部品4の突起部41をコア3の穴31に圧入する。
【0045】
(ステップS4)
プリント基板5を中間部品4に圧入する。
【0046】
(ステップS5)
中間部品4及びプリント基板5に導電テープを貼り付ける。導電体を両面テープで貼り付けてもよいし、導電接着剤を用いてもよい。
【0047】
(ステップS6)
コイル2及びプリント基板5を半田付けする。
【0048】
(ステップS7)
シールドフィルム7をプリント基板5の周囲に巻き付けて固定する。
【0049】
(ステップS8)
ケースコイル8に1次樹脂を入れて、コアASSYを押し込む。
【0050】
(ステップS9)
1次樹脂を硬化させる。
【0051】
(ステップS10)
プリント基板5の端部にケーブル11を半田付けする。
【0052】
(ステップS11)
1次ASSYに筐体9を圧入する。
【0053】
(ステップS12)
クランプ10を圧入する。
【0054】
(ステップS13)
2次樹脂を注入する。
【0055】
(ステップS14)
2次樹脂を硬化させる。
【0056】
なお、ステップS3と、ステップS4及びS5との順序を入れ替えてもよい。ステップS6をステップS4の次に行ってもよい。ステップS10と、ステップS11との順序を入れ替えてもよい。
【0057】
前記の構成によれば、中間部品4が樹脂製であるため中間部品4の設計精度を高めることができる。そして、この設計精度の高い中間部品4を介してコア3とプリント基板5とを接続するので、コア3に対してプリント基板5を精度よく固定できる。また、中間部品4が樹脂製であるため、組立時のハンドリングが容易であり、コア3とプリント基板5とが曲がった状態で固定されるリスクを低減することができる。すなわち、近接センサ1の組立時の作業性を良好にすることができるとともに、近接センサ1の組立精度を向上させることができる。
【0058】
また、中間部品4には回路パターン6が設けられているため、コイル2とプリント基板5とを電気的に接続する配線を別途設ける必要がない。よって、構成の簡素化および組立工程の容易化を図ることができる。
【0059】
次に、圧入嵌合の場合、コア3及びプリント基板5のサイズの誤差が多少あっても、その誤差を吸収して嵌合し、コア3及びプリント基板5の接続固定を容易に実現できる。この圧入嵌合は、中間部品4が樹脂であれば容易に実現できる。また、コア3の形成において、圧入嵌合されている部分の形状の中心位置の公差を比較的小さくすることができる。よって、コア3の中心軸と中間部品4の中心軸との位置合わせ誤差を小さくすることができ、精度の高い軸出しが可能となる。
【0060】
さらに、前記の構成によれば、コア3と中間部品4との固定、および中間部品4とプリント基板5との固定を容易に精度よく実現することができる。次に、プリント基板5と、コア3とのグランドに関する電気的な接続を容易に実現することができる。また、シールド配線と、コア3との電気的な接続を容易に実現することができる。
【0061】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0062】
図6は、本実施形態に係る近接センサ1の構造を示す図である。図6に示すように、プリント基板5の下に部品13が実装されている。実装高さは、プリント基板5の中心線から部品13の最頂点までの垂直距離である。中間部品高さは、プリント基板5の中心線(すなわち、中間部品4の中心線)から中間部品4の円周までの垂直距離である。図6に示すように、中間部品高さは、実装高さよりも大きい。
【0063】
前記の構成によれば、中間部品高さが実装高さよりも大きいので、シールドフィルム7をプリント基板5の周囲に巻き付ける際の干渉がなくなるため、組立のばらつきを抑制することができる。
【0064】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0065】
図7は、本実施形態に係るコア3及び中間部品4の形状を示す図である。図7に示すように、コア3の穴31、及び、中間部品4の突起部41が台形の形状になっている。穴31及び突起部41の形状は、台形に限らず、多角形であってもよいし、楕円形であってもよい。
【0066】
前記の構成によれば、コア3と、中間部品4との嵌合部分が多角形、又は、楕円形であるので、コア3、及び、プリント基板5に対する回転方向の位置決めが可能になる。
【0067】
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0068】
図8は、本実施形態に係る近接センサ1の構造を示す図である。図8(a)は、導電テープ、導電接着剤又は半田の位置を示す。図8(b)は、樹脂部材による絶縁距離を示す。
【0069】
図8(a)に示すように、中間部品4と、プリント基板5との間の電気的接続は、任意の箇所で可能であり、例えば、プリント基板5の先端中央において導電テープ、導電接着剤又は半田を用いて行ってもよい。
【0070】
図8(b)に示すように、プリント基板5は、樹脂部材によりプリント基板5の両側面を保持することにより固定される。また、プリント基板5の側面に、所定のサイズを有する樹脂部材を設ける。プリント基板5の周囲には、シールドフィルム7が覆われ、さらに金属製の筐体9が覆われる。
【0071】
前記の構成によれば、プリント基板5の側面と、プリント基板5の周囲を覆う金属製の筐体9との間に、樹脂部材による絶縁距離を確保するので、耐電圧性能を上げることができ、そのため、内部の樹脂を不要とすることができる。
【0072】
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5について、図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0073】
図9は、本実施形態に係る近接センサ1の構造を示す図である。図9に示すように、ケースコイル8の記載はなく、ケースコイルは筐体9と一体化されている。
【0074】
この場合、図5の、ステップS8〜S10は、筐体9の内部で行われる。
【0075】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1 近接センサ
2 コイル
3 コア
4 中間部品(固定部材)
5 プリント基板(基板)
6 回路パターン(導通パターン)
31 穴
41 突起部
42、43 窪み部
51 切り欠き
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9