特許第6968576号(P6968576)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6968576
(24)【登録日】2021年10月29日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】超音波診断装置及び超音波診断支援装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20211108BHJP
【FI】
   A61B8/14
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-105577(P2017-105577)
(22)【出願日】2017年5月29日
(65)【公開番号】特開2018-198856(P2018-198856A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2020年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】武内 俊
【審査官】 門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−502729(JP,A)
【文献】 特開2011−104066(JP,A)
【文献】 特開2016−042960(JP,A)
【文献】 特開2017−159027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送受信する超音波プローブと、
前記超音波プローブを保持し、被検体の体表面に沿って前記超音波プローブを移動させるロボットアームと、
前記ロボットアームによる前記超音波プローブの移動を制御するロボット制御部と、
前記ロボットアームによる前記超音波プローブの移動の手順に応じて設定された指示情報に基づいて、前記被検体に対する指示を出力するように制御する出力制御部と、
を備える、超音波診断装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、診断プロトコルごとに対応付けられた前記指示情報に基づいて、前記被検体に対する指示を出力する、請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記被検体に対する前記ロボットアームの位置に応じた指示情報に基づいて、前記被検体に対する指示を出力する、請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記被検体及び前記ロボットアームを撮影した映像と、予め記憶された被検体とロボットアームとの位置関係を示す参照画像とを比較することで、前記被検体に対して指示を出力するか否かを解析する解析部をさらに備え、
前記出力制御部は、前記解析部による解析結果に基づいて、前記被検体に対する指示を出力する、請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記ロボットアームに保持された前記超音波プローブによって前記被検体から収集された超音波画像と、被検体に対するロボットアームの位置ごとに予め対応付けて記憶された超音波画像とを比較することで、前記被検体に対して指示を出力するか否かを解析する解析部をさらに備え、
前記出力制御部は、前記解析部による解析結果に基づいて、前記被検体に対する指示を出力する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記出力制御部は、音声又は表示情報によって、前記被検体に対して指示を出力する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記被検体に対して動作するサポートアームをさらに備え、
前記ロボット制御部は、さらに、前記サポートアームによる前記被検体に対する動作を制御する、請求項1〜6のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記被検体からの入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記ロボット制御部は、前記入力部が前記被検体から入力を受け付けた場合に、前記ロボットアームの移動を停止させる、請求項1〜7のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
【請求項9】
超音波を送受信する超音波プローブを保持し、被検体の体表面に沿って前記超音波プローブを移動させるロボットアームと、
前記ロボットアームによる前記超音波プローブの移動を制御するロボット制御部と、
前記ロボットアームによる前記超音波プローブの移動の手順に応じて設定された指示情報に基づいて、前記被検体に対する指示を出力する出力制御部と、
を備える、超音波診断支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超音波診断装置及び超音波診断支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波診断は、技師または医師が超音波プローブを被検体の体表上で操作して、人体内部の組織構造、血流等の情報を得ることによって実施される。例えば、技師や医師は、診断部位や診断内容に応じて、超音波を送受信する超音波プローブを体表上で操作することによって被検体内を超音波で走査して、組織構造を示す超音波画像や、血流等の情報を示す超音波画像を収集する。
【0003】
このような超音波診断において、近年、ロボットによる走査が提案されている。例えば、超音波プローブがロボットアームによって把持され、被検体の体表上で操作されることにより、組織構造を示す超音波画像や、血流等の情報を示す超音波画像が収集される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−82333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ロボットによる走査において、安定した超音波診断を可能にする超音波診断装置及び超音波診断支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の超音波診断装置は、超音波プローブと、ロボットアームと、ロボット制御部と、出力制御部とを備える。超音波プローブは、超音波を送受信する。ロボットアームは、前記超音波プローブを保持し、被検体の体表面に沿って前記超音波プローブを移動させる。ロボット制御部は、前記ロボットアームによる前記超音波プローブの移動を制御する。出力制御部は、超音波診断に関する指示情報に基づいて、前記被検体に対する指示を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の外観図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る対応情報の一例を示す図である。
図4A図4Aは、第1の実施形態に係る出力制御機能によって出力される出力情報の一例を示す図である。
図4B図4Bは、第1の実施形態に係る出力制御機能によって出力される出力情報の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の処理の手順を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の処理の手順を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、第3の実施形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
図9図9は、第4の実施形態に係る超音波診断支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本願に係る超音波診断装置及び超音波診断支援装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本願に係る超音波診断装置及び超音波診断支援装置は、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。また、以下の説明において、同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る超音波診断装置について説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の外観図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波プローブ2と、モニタ3と、入力装置4と、装置本体5と、ロボットアーム6とを有する。
【0010】
超音波プローブ2は、プローブ本体及びケーブルを有し、ケーブルを介して装置本体5と接続される。そして、超音波プローブ2は、後述する送受信回路から供給される駆動信号に基づいて、プローブ本体に含まれる複数の圧電振動子から超音波を発生させて被検体内に送信し、送信した超音波が被検体内で反射された反射波を受信する。ここで、第1の実施形態に係る超音波プローブ2は、プローブ本体がロボットアーム6によって保持され、被検体の体表に沿って移動される。
【0011】
モニタ3は、超音波診断装置1の操作者が入力装置4を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体5において生成された各種画像などを表示したりする。また、モニタ3は、装置本体5による制御に基づいて、被検体に対する指示情報を出力する。例えば、モニタ3は、被検体に対して文字やアニメーション等の指示情報を表示する。また、例えば、モニタ3は、内蔵するスピーカーから音声による指示情報を出力する。なお、被検体に対する指示情報については後に詳述する。
【0012】
入力装置4は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、トラックボール、ジョイスティック、マイク等を有し、超音波診断装置1の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体5に対して受け付けた各種設定要求を転送する。また、入力装置4は、被検体からの要求を受け付け、装置本体5に対して受け付けた要求を転送する。なお、被検体による要求については、後に詳述する。
【0013】
装置本体5は、超音波診断装置1の全体を制御する。例えば、装置本体5は、超音波プローブ2が受信した反射波信号に基づいて超音波画像を生成する。また、装置本体5は、入力装置4によって受け付けられた要求に対して各種処理を実行する。
【0014】
ロボットアーム6は、超音波プローブ2のプローブ本体を保持する保持部(プローブホルダー)と、超音波プローブ2(プローブ本体)を被検体の体表上の所望の位置に移動させるための機構部とを有する。すなわち、ロボットアーム6は、保持部によって保持した超音波プローブ2を、機構部の動きによって所望の位置に移動させる。例えば、ロボットアーム6は、図1に示すように、装置本体5の上面に取り付けられ、装置本体5の制御に応じて、超音波プローブ2を移動させる。ここで、装置本体5は、予め設定されたプログラムに基づいてロボットアーム6を移動させることにより、超音波プローブ2の被検体の体表に沿った移動を可能にする。
【0015】
上述したように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波プローブ2をロボットアーム6によって保持し、予め設定されたプログラムに応じてロボットアーム6を移動させることで、被検体における対象部位を走査して、超音波画像を生成する。以下、超音波診断装置1の詳細な構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波プローブ2と、モニタ3と、入力装置4と、ロボットアーム6とが装置本体5に接続される。
【0016】
超音波プローブ2は、装置本体5に含まれる送受信回路51に接続される。超音波プローブ2は、例えば、プローブ本体に複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、送受信回路51から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ2は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ2は、プローブ本体において、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ2は、装置本体5と着脱自在に接続される。例えば、超音波プローブ2は、セクタ型、リニア型又はコンベックス型などの超音波プローブである。
【0017】
超音波プローブ2から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ2が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
【0018】
なお、本実施形態は、複数の圧電振動子が一列で配置された1次元超音波プローブである超音波プローブ2により、被検体Pを2次元でスキャンする場合であっても、1次元超音波プローブの複数の圧電振動子を機械的に揺動する超音波プローブ2や複数の圧電振動子が格子状に2次元で配置された2次元超音波プローブである超音波プローブ2により、被検体Pを3次元でスキャンする場合であっても、適用可能である。
【0019】
ロボットアーム6は、図2に示すように、機構部61と、センサ62とを有する。機構部61は、例えば、図1に例示するように、複数のアーム部と複数の関節とを有し、アーム部間が関節によって連結される。ここで、機構部61は、例えば、各関節にアクチュエータが備えられ、装置本体5による制御のもとアクチュエータが動作することで、超音波プローブ2を被検体の体表上の所望の位置に移動させる。なお、関節の数や、各関節に備えられるアクチュエータの種類や数は、任意である。すなわち、ロボットアーム6における関節の自由度は任意に設定することができる(例えば、6軸以上等)。一例を挙げると、機構部61は、図1に示すように、3つの関節を有し、関節の屈曲、伸展、及び、アーム部の長手方向を軸とした回旋を行うためのアクチュエータが、各関節に備えられる。
【0020】
センサ62は、超音波プローブ2に加わる3次元方向の力を検出する力センサと、ロボットアーム6の位置を検出する位置センサとを含む。力センサは、例えば、ひずみゲージ式や、圧電式等の力センサであり、被検体の体表面からの超音波プローブ2に対してかかる反力を検出する。また、位置センサは、例えば、磁気式、角度式、光学式、回転式等の位置センサであり、ロボットアーム6の位置を検出する。一例を挙げると、位置センサは、各関節の駆動状態を検知することで、ロボットアーム6における保持部の位置(超音波プローブ2の位置)を検出する。すなわち、位置センサは、ロボットアーム6の3次元の可動範囲における超音波プローブ2の位置を検出する。
【0021】
また、例えば、位置センサは、基準位置に対する位置センサの位置を検知することで、ロボットアーム6における保持部の位置(超音波プローブ2の位置)を検出する。一例を挙げると、位置センサがロボットアーム6の保持部に配置され、位置センサが、超音波診断を実施する空間において設けられた基準位置に対する位置センサの位置を検出することで、超音波診断を実施する空間における超音波プローブ2の位置を検出する。なお、上述したセンサはあくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、ロボットアーム6の位置情報を取得することができるセンサであれば、どのようなセンサを用いる場合であってもよい。
【0022】
装置本体5は、図2に示すように、送受信回路51と、Bモード処理回路52と、ドプラ処理回路53と、記憶回路54と、処理回路55とを有する。図2に示す超音波診断装置1においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路54へ記憶されている。送受信回路51、Bモード処理回路52、ドプラ処理回路53、及び、処理回路55は、記憶回路54からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の各回路は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
【0023】
送受信回路51は、パルス発生器、送信遅延回路、パルサ等を有し、超音波プローブ2に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延回路は、超音波プローブ2から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ2に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
【0024】
なお、送受信回路51は、後述する処理回路55の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
【0025】
また、送受信回路51は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延回路、加算器等を有し、超音波プローブ2が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延回路は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延回路によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
【0026】
Bモード処理回路52は、送受信回路51から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
【0027】
ドプラ処理回路53は、送受信回路51から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。本実施形態の移動体は、血管内を流動する血液や、リンパ管内を流動するリンパ液等の流体である。
【0028】
なお、Bモード処理回路52及びドプラ処理回路53は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理回路52は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理回路53は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。3次元のBモードデータは、3次元走査範囲の各走査線上で設定された複数の点(サンプル点)それぞれに位置する反射源の反射強度に応じた輝度値が割り当てられたデータとなる。また、3次元のドプラデータは、3次元走査範囲の各走査線上で設定された複数の点(サンプル点)それぞれに、血流情報(速度、分散、パワー)の値に応じた輝度値が割り当てられたデータとなる。
【0029】
記憶回路54は、処理回路55が生成した表示用の画像データを記憶する。また、記憶回路54は、Bモード処理回路52やドプラ処理回路53が生成したデータを記憶することも可能である。また、記憶回路54は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、記憶回路54は、診断部位ごとに走査プロトコルを対応付けた対応情報を記憶する。なお、対応情報については、後に詳述する。
【0030】
処理回路55は、超音波診断装置1の処理全体を制御する。具体的には、処理回路55は、図2に示す制御機能551、画像生成機能552、ロボット制御機能553、解析機能554及び出力制御機能555に対応するプログラムを記憶回路54から読み出して実行することで、種々の処理を行う。ここで、ロボット制御機能553は、特許請求の範囲に記載したロボット制御部の一例である。また、解析機能554は、特許請求の範囲に記載した解析部の一例である。また、出力制御機能555は、特許請求の範囲に記載した出力制御部の一例である。
【0031】
例えば、処理回路55は、入力装置4を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路54から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路51、Bモード処理回路52、ドプラ処理回路53の処理を制御する。また、処理回路55は、記憶回路54が記憶する表示用の超音波画像データをモニタ3にて表示するように制御する。また、処理回路55は、処理結果をモニタ3にて表示するように制御する。例えば、処理回路55が制御機能551に対応するプログラムを読み出して実行することで、装置全体の制御を行い、上述したような処置を制御する。
【0032】
画像生成機能552は、Bモード処理回路52及びドプラ処理回路53が生成したデータから超音波画像データを生成する。すなわち、画像生成機能552は、Bモード処理回路52が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像データを生成する。Bモード画像データは、超音波走査された領域内の組織形状が描出されたデータとなる。また、画像生成機能552は、ドプラ処理回路53が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表すドプラ画像データを生成する。ドプラ画像データは、速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、又は、これらを組み合わせた画像データである。ドプラ画像データは、超音波走査された領域内を流動する流体に関する流体情報を示すデータとなる。
【0033】
ここで、画像生成機能552は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成機能552は、超音波プローブ2による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成機能552は、スキャンコンバート以外に種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行なう。また、画像生成機能552は、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
【0034】
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成機能552が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像データである。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。
【0035】
更に、画像生成機能552は、Bモード処理回路52が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のBモード画像データを生成する。また、画像生成機能552は、ドプラ処理回路53が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のドプラ画像データを生成する。3次元のBモードデータ及び3次元のドプラデータは、スキャンコンバート処理前のボリュームデータとなる。すなわち、画像生成機能552は、「3次元のBモード画像データや3次元のドプラ画像データ」を「3次元の超音波画像データであるボリュームデータ」として生成する。
【0036】
更に、画像生成機能552は、ボリュームデータをモニタ3にて表示するための各種の2次元画像データを生成するために、ボリュームデータに対してレンダリング処理を行なうことができる。
【0037】
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、ロボットによる走査において、安定した超音波診断を可能にする。具体的には、超音波診断装置1は、ロボットアーム6によって被検体を走査する際に、被検体に対して種々の指示を出力することで、安定した超音波診断を可能にする。
【0038】
超音波診断においては、診断内容や、被検体の状況により、被検体に対して体位や呼吸に関する指示を行う場合がある。例えば、腹部診断において、肋弓下から超音波プローブ2をアプローチして肝左葉を観察する場合には、技師や医師は、横隔膜を下げるために吸気するように被検体に指示する。また、例えば、超音波画像データにガスや骨によるアーチファクトが含まれる場合には、技師や医師は、体位や呼吸について被検体に指示する。第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、ロボットアーム6によって被検体を走査する場合でも、上述した状況で被検体に対して的確に指示を行うことで、安定した超音波診断を可能にする。以下、第1の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の詳細について説明する。
【0039】
ロボット制御機能553は、ロボットアーム6を動作させるための情報及びロボットアーム6に備えらえたセンサ62による検出結果に基づいて機構部61を駆動させることで、超音波プローブ2を保持するロボットアーム6を動作させる。具体的には、ロボット制御機能553は、超音波プローブ2によって走査する走査手順を示す走査プロトコルに基づいて超音波プローブ2が移動するように、超音波プローブ2を保持するロボットアーム6を動作させる。ここで、走査プロトコルは、診断部位に応じて予め定められており、記憶回路54によって記憶される。すなわち、ロボット制御機能553は、診断部位に対応する走査プロトコルを記憶回路54から読み出して、読み出した走査プロトコルに基づいてロボットアーム6を動作させる。
【0040】
ここで、走査プロトコルは、例えば、診断部位ごとに対応付けられた対応情報として記憶回路54に記憶される。図3は、第1の実施形態に係る対応情報の一例を示す図である。図3に示すように、対応情報は、診断部位ごとに初期位置と走査プロトコルが対応付けられて記憶される。ここで、「診断部位」とは、超音波診断において、診断対象となる部位を示す。また、「初期位置」とは、ロボットアーム6による走査において、超音波プローブ2のスタート位置(すなわち、超音波プローブ2を保持したロボットアーム6の最初の位置)を示す。また、「走査プロトコル」とは、走査の手順を示す。すなわち、図3に示す対応情報は、「診断部位」ごとに、超音波プローブ2のスタート位置と、スタート位置からの超音波プローブ2の移動の手順とが対応付けられた情報である。ロボット制御機能553は、例えば、検査オーダーや、入力装置4から入力された診断プロトコルから、診断部位の情報を取得し、図3に示すような対応情報に基づいて、超音波プローブ2を移動させる。すなわち、ロボット制御機能553は、「初期位置」を開始位置として、走査プロトコルに沿って超音波プローブ2を移動させる。
【0041】
ここで、「初期位置」は、例えば、被検体に対する超音波プローブ2の位置によって定義される。一例を挙げると、診断部位における特定の位置(例えば、腹部を対象とした超音波検査において、肝臓の下端など)が、「初期位置」として定義される。「初期位置」への超音波プローブ2の配置は、超音波画像を解析することによって自動で実行される場合であってもよく、技師や医師によって手動で実行される場合であってもよい。例えば、自動で実行される場合、まず、技師や医師が、ロボットアーム6に保持された超音波プローブ2を肝臓近傍の位置に配置する。制御機能551及び画像生成機能552は、走査開始の指示に基づいて超音波画像を収集する。
【0042】
ここで、ロボット制御機能553は、ロボットアーム6を動作させることで、最初に配置された位置から超音波プローブ2を任意の方向に移動させる。制御機能551及び画像生成機能552は、ロボット制御機能553によって超音波プローブ2が移動されている間も超音波画像を収集して、ロボット制御機能553に送信する。ロボット制御機能553は、超音波プローブ2が最初に配置された時の位置と、その際に収集された超音波画像とを対応付ける。同様に、ロボット制御機能553は、超音波プローブ2を移動させた位置と、そこで収集された超音波画像とを順次対応付ける。そして、ロボット制御機能553は、順次収集された超音波画像から部位を抽出し、抽出した部位と超音波プローブ2の位置とを対応付ける。これにより、ロボット制御機能553は、被検体内の部位の位置と、超音波プローブ2を移動させる空間との位置関係を関連づけることができる。なお、超音波画像からの部位の抽出は、種々の既存のアルゴリズムを用いることができる。
【0043】
そして、ロボット制御機能553は、「初期位置」として設定された特定の位置が走査可能となる位置に超音波プローブ2が配置されるように、ロボットアーム6を駆動させる。具体的には、ロボット制御機能553は、上述したように関連付けた位置関係を用いて、超音波プローブ2を移動させる空間内での特定の位置に対応する位置を決定し、決定した位置が走査されるように超音波プローブ2を配置させる。或いは、ロボット制御機能553は、ロボットアーム6をさらに動作させながら収集された超音波画像から部位を抽出することで、現時点でどの位置を走査しているかを判定して、判定結果と解剖学的な部位の位置情報とから「初期位置」として設定された特定の位置の方向を決定する。そして、ロボット制御機能553は、決定した方向に超音波プローブ2を移動させるようにロボットアーム6を動作させることにより、「初期位置」として設定された特定の位置が走査されるように超音波プローブ2を配置させる。なお、超音波プローブ2を移動させる空間内での超音波プローブ2の位置は、上述したように、ロボットアーム6に備えられたセンサ62によって取得され、ロボット制御機能553に通知される。
【0044】
また、「初期位置」への超音波プローブ2の配置が手動で実行される場合、技師や医師が、ロボットアーム6に保持された超音波プローブ2により肝臓近傍を走査させ、収集された超音波画像で確認しながら、超音波プローブ2を「初期位置」に配置する。このとき、ロボット制御機能553は、順次収集された超音波画像から部位を検出し、センサ62によって検出される超音波プローブ2の位置と対応付けることで、被検体内の部位の位置と、超音波プローブ2を移動させる空間との位置関係を関連づける。
【0045】
上述したように、超音波プローブ2が「初期位置」に配置されると、ロボット制御機能553は、図3に示すような対応情報に含まれる走査プロトコルに基づく方向に超音波プローブ2を移動させる。例えば、ロボット制御機能553は、肝臓の下端から上端側に向かって超音波プローブ2が移動するように、ロボットアーム6を動作させる。ここで、ロボット制御機能553は、被検体の体表面からの超音波プローブ2に対してかかる反力をセンサ62から取得し、取得される反力が略一定となるようにロボットアーム6を制御する。すなわち、ロボット制御機能533は、被検体に対して超音波プローブ2が過度に押し付けられないように、被検体の体表面からの超音波プローブ2に対してかかる反力を監視しながら、ロボットアーム6を動作させる。
【0046】
このように、超音波診断装置1では、ロボットアーム6によって保持された超音波プローブ2によって、診断部位に応じた被検体の走査が実行される。ここで、第1の実施形態に係る超音波診断装置1では、診断内容や、被検体の状況により、被検体に対して種々の指示を出力する。具体的には、出力制御機能555は、超音波診断に関する指示情報に基づいて、被検体に対する指示を出力するように制御する。
【0047】
例えば、出力制御機能555は、診断プロトコルに応じた指示情報に基づいて、被検体に対する指示を出力するように制御する。超音波診断では、被検体が体位を変化させたり、呼吸を停止させたりしながら超音波プローブ2による走査が実施される場合がある。かかる場合には、通常、技師や医師が、超音波プローブ2を保持して被検体の体表に沿って移動させながら超音波画像を収集しつつ、超音波画像を収集し易い体位に変更するように被検体に対して指示したり、呼吸を停止するように指示したりする。すなわち、技師や医師は、所望の超音波画像を収集することができるように、被検体に体の向きや呼吸状態を変更するように指示する。
【0048】
第1の実施形態に係る超音波診断装置1では、上述した指示を行うために、記憶回路54が、診断プロトコルごとに指示情報を記憶する。例えば、記憶回路54は、診断プロトコルごとに、被検体の体位や、呼吸状態を指示するための指示情報を対応付けて記憶する。一例を挙げると、記憶回路54は、図3に示す対応情報にさらに指示情報を対応付けて記憶する場合であってもよい。
【0049】
出力制御機能555は、ロボットアーム6による走査中に、指示情報に基づく指示を被検体に対して出力するように制御する。例えば、記憶回路54が、超音波プローブ2の移動の手順に対して、指示内容及び指示のタイミングを含む指示情報を対応付けて記憶する。出力制御機能555は、ロボット制御機能553によるロボットアーム6の動作中、指示情報に含まれる指示のタイミングで、記憶された内容の指示を出力するように制御する。一例を挙げると、出力制御機能555は、ロボット制御機能553による超音波プローブ2の移動が一旦停止したタイミングで、体位を変更する旨の指示を出力するように制御する。
【0050】
例えば、出力制御機能555は、音声又は表示情報によって、被検体に対して指示を出力するように制御する。図4A及び図4Bは、第1の実施形態に係る出力制御機能555によって出力される出力情報の一例を示す図である。ここで、図4A及び図4Bにおいては、出力制御機能555が表示情報によって指示を出力する場合の例を示す。例えば、出力制御機能555は、図4Aに示すように、「呼吸を止めてください」と文字で指示する指示情報をモニタ3に表示させることができる。なお、呼吸に関する指示情報は、上記した内容だけではなく、例えば、「息を吸った状態で呼吸を止めてください」や、「息を吐いた状態で呼吸を止めてください」など、種々の指示が含まれる。
【0051】
また、例えば、出力制御機能555は、図4Bに示すように、「左を向いてください」との文字での指示に加えて、左の方向を向くように体位を変更するアニメーションを含む指示情報をモニタ3に表示させることもできる。さらに、出力制御機能555は、音声による指示を被検体に出力するように制御することもできる。一例を挙げると、出力制御機能555は、モニタ3に備えられたスピーカーから「左を向いてください」と音声で出力するように制御する。
【0052】
上述したように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、文字情報や、アニメーション、音声などにより被検体に指示を出力する。出力制御機能555は、文字情報や、アニメーション、音声などを適宜組み合わせて出力することもできる。すなわち、出力制御機能555は、文字情報、アニメーション及び音声のうち、いずれか1つで指示を出力することもできるが、図4Bに示すように、複数の手法(例えば、アニメーションと文字情報)を組み合わせて出力することもできる。
【0053】
上述した例では、診断プロトコルに対応付けられたタイミングで指示を出力する場合について説明した。しかしながら、出力制御機能555は、被検体に対するロボットアーム6の位置に応じた指示情報を出力することもできる。例えば、出力制御機能555は、ロボットアーム6に備えられたセンサ62によって検出される被検体に対する超音波プローブ2の位置に基づいて、体位を変更するように被検体に指示を出力する。かかる場合には、例えば、記憶回路54が、被検体に対する超音波プローブ2の位置に対して指示情報を対応付けて記憶する。出力制御機能555は、超音波プローブ2による走査の実施中にセンサ62から通知される位置の情報と、記憶回路54によって記憶された情報とを比較して、被検体に対する超音波プローブ2の位置が、記憶された位置に対応する場合、該当する指示を被検体に対して出力する。
【0054】
また、出力制御機能555は、収集された超音波画像を解析して、解析結果に基づいて指示情報を出力することもできる。具体的には、解析機能554が、ロボットアーム6に保持された超音波プローブ2によって被検体から収集された超音波画像と、被検体に対するロボットアーム6の位置ごとに予め対応付けて記憶された超音波画像とを比較することで、被検体に対して指示を出力するか否かを解析する。
【0055】
例えば、記憶回路54は、ガスや骨が含まれる位置で収集された超音波画像を予め記憶する。解析機能554は、順次収集される超音波画像と、記憶回路54によって記憶された超音波画像とを比較することで、収集された超音波画像にガスや骨が含まれているか否かを判定する。例えば、解析機能554は、収集された超音波画像と予め記憶された超音波画像との画素値のパターンマッチングなどにより、収集された超音波画像にガスや骨が含まれているか否かを判定する。
【0056】
出力制御機能555は、収集された超音波画像にガスや骨が含まれていると判定された場合に、被検体に対して指示を出力する。例えば、収集された超音波画像にガスが含まれる場合、出力制御機能555は、呼吸に関する指示を出力する。また、例えば、順次収集された超音波画像に骨が含まれる場合、出力制御機能555は、体位に関する指示を出力する。
【0057】
ここで、解析機能554による解析結果は、被検体に対して指示を出すか否かの判定だけではなく、超音波プローブ2の位置の制御にも用いることができる。すなわち、ロボット制御機能553は、収集された超音波画像にガスや骨が含まれていると判定された場合に、超音波画像からガスや骨が除かれるように、ロボットアーム6を動作させる。例えば、ロボット制御機能553は、超音波画像中のガスや骨の位置に応じて、それらが超音波画像に含まれないように、超音波プローブ2を移動させる。
【0058】
以上、超音波診断装置1による被検体への指示について説明した。ここで、超音波診断装置1では、被検体からの入力に応じて、ロボットアーム6の動作を停止させることもできる。例えば、入力装置4に含まれるマイクに対して被検体が異常を知らせる音声を発した場合に、ロボット制御機能553は、ロボットアーム6の動作を停止する。また、例えば、入力装置4に含まれるボタンなどを被検体が押下した場合に、ロボット制御機能553は、ロボットアーム6の動作を停止する。
【0059】
次に、図5を用いて、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の処理について説明する。図5は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の処理の手順を説明するためのフローチャートである。図5に示すステップS101、ステップS107、ステップS109及びステップS110は、処理回路55が記憶回路54から制御機能551に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。ステップS102、ステップS103及びステップS106は、処理回路55が記憶回路54からロボット制御機能553に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。ステップS104及びステップS105は、処理回路55が記憶回路54から出力制御機能555に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。ステップS108は、処理回路55が記憶回路54から解析機能554に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。
【0060】
ステップS101では、処理回路55は、ロボット走査モードであるか否かを判定する。ここで、ロボット走査モードではない場合(ステップS101否定)、処理回路55は、操作者による走査に応じて超音波画像を収集する(ステップS110)。一方、ロボット走査モードである場合(ステップS101肯定)、処理回路55は、診断部位に応じた走査プロトコルを取得し(ステップS102)、初期位置にロボットアーム6を移動させる(ステップS103)。
【0061】
続いて、ステップS104では、処理回路55は、走査プロトコルに応じた指示があるか否かを判定する。ここで、走査プロトコルに応じた指示がある場合(ステップS104肯定)、処理回路55は、被検体に対して指示を出力して(ステップS105)、走査プロトコルに応じてロボットアーム6を移動させながら、超音波プローブ2を走査する(ステップS106)。一方、走査プロトコルに応じた指示がない場合(ステップS104否定)、処理回路55は、走査プロトコルに応じてロボットアーム6を移動させながら、超音波プローブ2を走査する(ステップS106)。
【0062】
さらに、処理回路55は、超音波画像を収集して(ステップS107)、ステップS108において、画像に基づく指示があるか否かを判定する。ここで、画像に基づく指示がある場合(ステップS108肯定)、処理回路55は、ステップS105に戻って、被検体に対して指示を出力する。一方、画像に基づく指示がない場合(ステップS108否定)、処理回路55は、ステップS109において、走査プロトコルが終了したか否かを判定する。
【0063】
ここで、走査プロトコルが終了したと判定された場合には(ステップS109肯定)、処理回路55は、処理を終了する。一方、走査プロトコルが終了したと判定されていない場合には(ステップS109否定)、処理回路55は、ステップS104に戻って、走査プロトコルに応じた指示があるか否かを判定する。
【0064】
上述したように、第1の実施形態によれば、超音波プローブ2が、超音波を送受信する。ロボットアーム6が、超音波プローブ2を保持し、被検体の体表面に沿って超音波プローブ2を移動させる。ロボット制御機能553が、ロボットアーム6による超音波プローブ2の移動を制御する。出力制御機能555が、指示情報に基づいて、被検体に対する指示を出力するように制御する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、被検体に対する指示を実施することができ、ロボットによる走査において、安定した超音波診断を可能にする。
【0065】
また、第1の実施形態によれば、出力制御機能555は、診断プロトコルに応じた指示情報に基づいて、被検体に対する指示を出力する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、被検体による動作が求められる超音波診断においても被検体に対して指示を出すことができ、より安定した超音波診断を可能にする。
【0066】
また、第1の実施形態によれば、出力制御機能555は、被検体に対するロボットアーム6の位置に応じた指示情報に基づいて、被検体に対する指示を出力する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、ロボットアーム6による走査における被検体とロボットアーム6との位置の状態に応じた指示を出すことができ、より安定した超音波診断を可能にする。
【0067】
また、第1の実施形態によれば、解析機能554が、ロボットアーム6に保持された超音波プローブ2によって被検体から収集された超音波画像と、被検体に対するロボットアーム6の位置ごとに予め対応付けて記憶された超音波画像とを比較することで、被検体に対して指示を出力するか否かを解析する。出力制御機能555は、解析機能554による解析結果に基づいて、被検体に対する指示を出力する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波画像に基づく指示を出すことができ、より安定した超音波診断を可能にする。
【0068】
また、第1の実施形態によれば、出力制御機能555は、音声又は表示情報によって、被検体に対して指示を出力する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、種々の状況において、明確に指示を出すことを可能にする。
【0069】
また、第1の実施形態によれば、入力装置4は、被検体からの入力を受け付ける。ロボット制御機能553は、入力装置4が被検体から入力を受け付けた場合に、ロボットアーム6の移動を停止させる。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、ロボットによる走査をより安全に実施することを可能にする。
【0070】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、被検体とロボットアーム6の状態をカメラで撮影した映像を用いて、被検体に指示を出力するか否かを判定する場合について説明する。図6は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。なお、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、第1の実施形態と比較して、カメラ7が接続される点と、解析機能554による処理、記憶回路54によって記憶される情報が異なる。以下、これらを中心に説明する。
【0071】
第2の実施形態に係る超音波診断装置1においては、カメラ7が、被検体とロボットアーム6(超音波プローブ2)との位置関係を示す映像を収集し、収集した映像を解析機能554に送信する。例えば、カメラ7は、超音波診断が実施される部屋に配置され、超音波診断装置1に接続される。そして、カメラ7は、ロボットアーム6による被検体の走査の映像を収集して、超音波診断装置1に送信する。
【0072】
記憶回路54は、被検体に対する超音波プローブ2の位置ごとに、その位置で収集された超音波画像を対応付けて記憶する。換言すると、記憶回路54は、観察に適した超音波画像と、それを収集した際の被検体に対する超音波プローブ2の位置とを対応付けた情報を記憶する。ここで、この情報は、被検体ごとや、一般的な体型ごとに記憶させることができる。例えば、記憶回路54は、被検体ごとに、観察に適した超音波画像とその画像を収集した際の被検体に対する超音波プローブ2の位置とを対応付けた参照情報を記憶する。
【0073】
ここで、記憶回路54によって記憶されるこの参照情報は、学習機能によって適宜更新させることができる。例えば、解析機能554は、超音波診断中に撮影した映像と、超音波診断中のロボットアーム6の位置と、収集された超音波画像とを時系列で対応付ける。そして、解析機能554は、診断や解析に用いられた超音波画像とその超音波画像を撮影した際の被検体に対する超音波プローブ2の位置とを対応付けて記憶回路54に格納する。このように、解析機能554は、超音波診断が行われるごとに、観察に適した超音波画像と、それを収集した際の被検体に対する超音波プローブ2の位置とを対応付けた参照情報を更新する。なお、参照画像の更新の詳細については後述する。
【0074】
解析機能554は、被検体に対する走査が実施されている現時点の映像をカメラ7から取得して、記憶回路54に記憶された参照情報と比較することで、被検体に対して指示を出力するか否かを判定する。具体的には、解析機能554は、現時点の診断部位の超音波画像が対応付けられた参照情報を読み出し、読み出した参照情報に対応付けられた被検体に対する超音波プローブ2の位置と、現時点の被検体に対する超音波プローブ2の位置とを比較する。そして、解析機能554は、読み出した位置と現時点の位置とのずれが所定の閾値を超えた場合に、被検体に対して指示を出力すると判定する。そして、解析機能554は、読み出した位置と現時点の位置とのずれの情報を出力制御機能555に通知する。
【0075】
出力制御機能555は、解析機能554による判定結果に基づいて、被検体に対して指示を出力するように制御する。例えば、出力制御機能555は、解析機能554によって解析された位置のずれが所定の閾値以下となるように、被検体に対して体位の変更を指示する。一例を挙げると、出力制御機能555は、解析機能554から通知されたずれの情報に基づいて、位置のずれを解消する方向に体を動かすよう被検体に対して指示する。
【0076】
上述したように、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、カメラ7によって撮影された映像に基づいて被検体に対するロボットアーム6の位置を判定し、判定した位置と参照情報に基づいて、被検体に指示を出力する。ここで、上述したように、参照情報は学習機能によって適宜更新することができる。例えば、被検体ごとの参照情報を更新する場合、まず、超音波診断装置1は、記憶回路54によって既に記憶された被検体ごとの参照情報に基づいて、ロボットアーム6による走査を実行する。
【0077】
ここで、解析機能554は、走査中に収集される各超音波画像についてそれぞれ診断部位の抽出を行い、参照情報に対応付けられた超音波画像と比較する。そして、解析機能554は、記憶された超音波画像よりも診断部位がより明瞭に示された超音波画像とその超音波画像を収集した際の映像(被検体に対する超音波プローブ2の位置)とを新たな参照情報として記憶回路54に格納する。なお、診断部位がより明瞭に示されているか否かは、例えば、画像において診断部位が占める割合(画像内の診断部位の大きさ)や、画像コントラストなどから判定してもよい。
【0078】
また、例えば、体型ごとの参照情報を更新する場合、超音波診断装置1は、記憶回路54によって既に記憶された体型ごとの参照情報に基づいて、ロボットアーム6による走査を実行する。そして、超音波診断装置1は、上述した処理と同様の処理により、記憶済みの体型ごとの参照情報を更新する。
【0079】
次に、図7を用いて、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の処理について説明する。図7は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の処理の手順を説明するためのフローチャートである。ここで、図2に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートにステップS201及びステップS202を追加したものである。以下、このステップを中心に説明する。図7に示すステップS201及びステップS202は、処理回路55が記憶回路54から解析機能554に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。
【0080】
ステップS101において、ロボット走査モードではない場合(ステップS101否定)、処理回路55は、操作者による走査に応じて超音波画像を収集する(ステップS110)。一方、ロボット走査モードである場合(ステップS101肯定)、処理回路55は、診断部位に応じた走査プロトコルを取得し(ステップS102)、初期位置にロボットアーム6を移動させる(ステップS103)。
【0081】
そして、ステップS104において、走査プロトコルに応じた指示がある場合(ステップS104肯定)、処理回路55は、被検体に対して指示を出力する(ステップS105)。ここで、第2の実施形態に係る超音波診断装置1では、処理回路55が、カメラ7から映像を取得して(ステップS201)、映像に基づく指示があるか否かを判定する(ステップS202)。ここで、映像に基づく指示があると判定した場合には(ステップS202肯定)、処理回路55は、ステップS105に戻って、被検体に対して指示を出力する。
【0082】
一方、映像に基づく指示がないと判定した場合には(ステップS202否定)、処理回路55は、走査プロトコルに応じてロボットアーム6を移動させながら、超音波プローブ2を走査する(ステップS106)。そして、処理回路55は、超音波画像を収集して(ステップS107)、画像に基づく指示があるか否かを判定する(ステップS108)。ここで、画像に基づく指示がある場合(ステップS108肯定)、処理回路55は、ステップS105に戻って、被検体に対して指示を出力する。一方、画像に基づく指示がない場合(ステップS108否定)、処理回路55は、ステップS109において、走査プロトコルが終了したか否かを判定する。
【0083】
ここで、走査プロトコルが終了したと判定された場合には(ステップS109肯定)、処理回路55は、処理を終了する。一方、走査プロトコルが終了したと判定されていない場合には(ステップS109否定)、処理回路55は、ステップS104に戻って、走査プロトコルに応じた指示があるか否かを判定する。なお、ステップS104において、走査プロトコルに応じた指示がない場合(ステップS104否定)、処理回路55は、ステップS201に進み、映像を取得する。
【0084】
上述したように、第2の実施形態によれば、解析機能554は、被検体及びロボットアーム6を撮影した映像と、予め記憶された被検体とロボットアーム6との位置関係を示す参照画像とを比較することで、被検体に対して指示を出力するか否かを解析する。出力制御機能555は、解析機能554による解析結果に基づいて、被検体に対する指示を出力する。従って、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、より正確な位置情報を用いて被検体に指示することができ、より安定した超音波診断を実施することを可能にする。
【0085】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、複数のロボットアームを有する場合について説明する。図8は、第3の実施形態に係る超音波診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。なお、第3の実施形態に係る超音波診断装置1は、第1の実施形態と比較して、ロボットアームを複数有する点が異なる。以下、これらを中心に説明する。
【0086】
図8に示すように、第3の実施形態に係る超音波診断装置1は、ロボットアーム6aとロボットアーム6bとを有する。ここで、ロボットアーム6a及びロボットアーム6bは、同一の動作を行うロボットアームであってもよく、或いは、異なる動作を行うロボットアームであってもよい。すなわち、ロボットアーム6a及びロボットアーム6bが、ともに、上述したロボットアーム6と同一のロボットアームの場合であってもよい。かかる場合には、例えば、ロボットアーム6a及びロボットアーム6bが、それぞれ同一の種類の超音波プローブ2を保持する。或いは、例えば、ロボットアーム6a及びロボットアーム6bが、それぞれ異なる種類の超音波プローブ2を保持する。或いは、例えば、ロボットアーム6aとロボットアーム6bとで協働して1つの超音波プローブを保持する。
【0087】
また、ロボットアーム6a及びロボットアーム6bのうち、一方が上述したロボットアーム6と同一のロボットアームであり、他方が異なる種類のロボットアームであってもよい。かかる場合には、例えば、異なる種類のロボットアームとしてサポートアームを適用することができる。ここで、サポートアームは、例えば、血流を診断するためのサポートを行う。一例を挙げると、ロボットアーム6a及びロボットアーム6bのうち一方が、静脈圧迫法などによる血流診断において静脈を圧迫するサポートアームとして機能する。
【0088】
ロボット制御機能553は、サポートアームによる被検体に対する動作を制御する。例えば、ロボット制御機能553は、サポートアームによる静脈の圧迫を制御する。ここで、出力制御機能555は、サポートアームと被検体との相対的な位置などに基づいて、被検体に指示を出力することもできる。例えば、出力制御機能555は、被検体に対して「膝を伸ばす」ように指示することができる。
【0089】
上述したように、第3の実施形態によれば、ロボット制御機能553は、さらに、サポートアームによる被検体に対する動作を制御する。出力制御機能555は、サポートアームを用いた手技に関する指示情報に基づいて、被検体に指示を出力するように制御する。従って、第3の実施形態に係る超音波診断装置1は、複数のロボットアームを制御することができ、種々の手技に対してロボットによる走査を適用することを可能にする。
【0090】
(第4の実施形態)
さて、これまで第1〜第3の実施形態について説明したが、上述した第1〜第3の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0091】
上述した実施形態では、超音波プローブ2が装置本体5にケーブルを介して接続される場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、超音波プローブによる超音波の送受信が無線で制御される場合であってもよい。かかる場合には、例えば、超音波プローブのプローブ本体に送受信回路が内蔵され、超音波プローブによる超音波の送受信は、無線によって他の装置から制御される。本実施形態に係る超音波診断装置は、このような無線式の超音波プローブのみを含む形態のものであってもよい。
【0092】
また、上述した実施形態では、超音波診断装置1が各種処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、超音波診断支援装置において各種処理が実行される場合であってもよい。図9は、第4の実施形態に係る超音波診断支援装置10の構成の一例を示す図である。図9に示すように、第4の実施形態に係る超音波診断支援装置10は、モニタ11と、入力装置12と、記憶回路13と、処理回路14と、ロボットアーム15とを有し、超音波診断装置1と接続される。
【0093】
モニタ11は、超音波診断支援装置10の操作者が入力装置12を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、処理回路14による処理結果などを表示したりする。また、モニタ11は、処理回路14による制御に基づいて、被検体に対する指示情報を出力する。例えば、モニタ11は、被検体に対して上述した文字やアニメーション等の指示情報を表示する。また、例えば、モニタ11は、内蔵するスピーカーから上述した音声による指示情報を出力する。
【0094】
入力装置12は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、マイク等を有し、超音波診断支援装置10の操作者からの各種設定要求を受け付け、処理回路14に対して受け付けた各種設定要求を転送する。また、入力装置12は、被検体からの要求を受け付け、処理回路14に対して受け付けた要求を転送する。記憶回路13は、上述した記憶回路54と同様の各種情報を記憶する。
【0095】
処理回路14は、超音波診断支援装置10の処理全体を制御する。具体的には、処理回路14は、図9に示す制御機能141、ロボット制御機能142、解析機能143及び出力制御機能144に対応するプログラムを記憶回路13から読み出して実行することで、種々の処理を行う。すなわち、処理回路14は、記憶回路13からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路14は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。ここで、ロボット制御機能142は、特許請求の範囲に記載したロボット制御部の一例である。また、解析機能143は、特許請求の範囲に記載した解析部の一例である。また、出力制御機能144は、特許請求の範囲に記載した出力制御部の一例である。
【0096】
制御機能141は、超音波診断支援装置10の各種処理を制御する。また、制御機能141は、超音波診断装置1から超音波画像を取得する。ロボット制御機能142、解析機能143及び出力制御機能144は、上述したロボット制御機能553、解析機能554及び出力制御機能555とそれぞれ同様の処理を実行する。ロボットアーム15は、機構部151とセンサ152とを有する。そして、ロボットアーム15は、超音波診断装置1に接続された超音波プローブ2を保持して、上述したロボットアーム6などと同様に制御される。
【0097】
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
【0098】
なお、上記の実施形態の説明で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0099】
また、上述した実施形態で説明した処理方法は、あらかじめ用意された処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD、USBメモリ及びSDカードメモリ等のFlashメモリ等のコンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録され、コンピュータによって非一時的な記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0100】
以上、説明したとおり、実施形態によれば、ロボットによる走査において、安定した超音波診断を可能にする。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1 超音波診断装置
10 超音波診断支援装置
141、551 制御機能
142、553 ロボット制御機能
143、554 解析機能
144、555 出力制御機能
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9