(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記算出手段は、前記第1の画像からホワイトバランス評価値を算出する場合、色シェーディングの発生量に応じて重み付けを行い、前記ホワイトバランス評価値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
前記算出手段は、前記第1の画像からホワイトバランス評価値を算出する場合、色シェーディングの発生していないエリアを前記算出エリアとして、前記ホワイトバランス評価値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面などを参照して説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係る撮像素子を有する撮像装置であるカメラの概略構成を示す図である。
図1において、第1レンズ群101は、結像光学系の先端に配置され、光軸方向に進退可能に保持される。絞り兼用シャッタ102は、その開口径を調節することで撮影時の光量調節を行う他、静止画撮影時には露光秒時調節用シャッタとしての機能も備える。第2レンズ群103は、絞り兼用シャッタ102と一体となって光軸方向に進退し、第1レンズ群101の進退動作との連動により、変倍作用(ズーム機能)を実現することができる。
【0012】
第3レンズ群105(フォーカスレンズ)は、光軸方向の進退により焦点調節を行う。光学的ローパスフィルタ106は、撮影画像の偽色やモアレを軽減するための光学素子である。撮像素子107は、2次元CMOSフォトセンサとその周辺回路からなり、結像光学系の結像面に配置される。上述した第1レンズ群101、絞り兼用シャッタ102、第2レンズ群103、第3レンズ群105、光学的ローパスフィルタ106は、結像光学系を構成している。
【0013】
ズームアクチュエータ111は、不図示のカム筒を回動することで、第1レンズ群101ないし第3レンズ群103を光軸方向に進退駆動し、変倍操作を行う。絞りシャッタアクチュエータ112は、絞り兼用シャッタ102の開口径を制御して撮影光量を調節すると共に、静止画撮影時の露光時間制御を行う。フォーカスアクチュエータ114は、第3レンズ群105を光軸方向に進退駆動して焦点調節を行う。
【0014】
撮影時の被写体照明用電子フラッシュ115で、キセノン管を用いた閃光照明装置が好適ではあるが、連続発光するLEDを備えた照明装置を用いてもよい。補助光源116は、所定の開口パターンを有したマスクの像を、投光レンズを介して被写界に投影し、暗い被写体あるいは低コントラスト被写体に対する焦点検出能力を向上させる。
【0015】
制御部121は、カメラ本体の種々の制御を司るカメラ内CPUで、演算部、ROM、RAM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェイス回路等を有する。制御部121は、ROMに記憶された所定のプログラムに基づいて、カメラが有する各種回路を駆動し、AF、撮影、画像処理と記録等の一連の動作を実行する。また、本実施形態では、結像光学系の状態に応じた焦点検出補正値も記憶されている。
【0016】
焦点検出補正値は、第3レンズ群105の位置に対応したフォーカス状態、第1レンズ群101の位置に対応したズーム状態、結像光学系のFナンバー毎に複数用意されている。そして、撮像素子107の出力信号を用いて焦点調節を行う際には、結像光学系の第1レンズ群101、第3レンズ群105の位置及びFナンバーに対応した最適な焦点検出補正値が選択される構成となっている。
【0017】
なお、本実施形態では、焦点検出補正値を制御部121に記憶するように構成したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、交換レンズ式の撮像装置においては、結像光学系を有する交換レンズが不揮発性メモリを有し、そのメモリに上述の焦点検出補正値を記憶してもよい。この場合には、結像光学系の状態に応じて、焦点検出補正値を撮像装置に送信すればよい。
【0018】
電子フラッシュ制御回路122は、撮影動作に同期して電子フラッシュ115を点灯制御する。補助光源駆動回路123は、焦点検出動作に同期して補助光源116を点灯制御する。撮像素子駆動回路124は、撮像素子107の撮像動作を制御するとともに、取得した画像信号をA/D変換したディジタル画像信号を制御部121に送信する。撮像信号処理回路125は、撮像素子107が取得した画像のγ変換、カラー補間、JPEG圧縮等の処理を行う。
【0019】
画像処理部134は、撮像素子駆動回路124から出力されたディジタル画像信号に対して各種画像処理を行い、処理済みのディジタル画像信号を出力する。さらに、画像処理部134は、ディジタル画像信号を直接画像メモリ部135に記憶し、記憶したディジタル画像信号を画像処理部134へ入力し画像処理を行うことも可能な構成となっている。ホワイトバランス制御部136は、画像メモリ部135に記憶されたディジタル画像信号からの情報に基づいてホワイトバランス補正値を算出し画像のホワイトバランス制御を行う。制御部121は、算出したホワイトバランス補正値を画像処理部134へ送り、画像処理部134にてディジタル画像信号に対してホワイトバランス補正を行う。なお、ホワイトバランス補正値の算出方法については、後述する。
【0020】
フォーカス駆動回路126は、焦点検出結果に基づいてフォーカスアクチュエータ114を駆動制御し、第3レンズ群105を光軸方向に進退駆動して焦点調節を行う。絞りシャッタ駆動回路128は、絞りシャッタアクチュエータ112を駆動制御して絞り兼用シャッタ102の開口を制御する。ズーム駆動回路129は、撮影者のズーム操作に応じてズームアクチュエータ111を駆動する。
【0021】
LCD等の表示部131は、制御部121の指示により生成された画像データを表示する。表示部109は、画像データを連続して表示を行うことにより、ライブ画像表示を行う。ライブ画像は、静止画像よりも少ない画素数を高速に読み出すことで高フレームレートの表示を行う。さらに、表示部131は、カメラの撮影モードに関する情報、撮影前のプレビュー画像と撮影後の確認用画像、焦点検出時の焦点検出領域の指標や合焦状態等を表示する。操作スイッチ群132は、電源スイッチ、レリーズ(撮影トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、撮影モード選択スイッチ等で構成される。着脱可能なフラッシュメモリ133は、撮影済み画像を記録する。制御部121は、ライブ画像、静止画像を連続的に記録することで動画記録を行う。
【0022】
次に、本実施形態における撮像素子107の撮像画素と焦点検出画素の配列の概略を
図2に示す。
図2は、本実施形態の2次元CMOSセンサー(撮像素子)の画素(撮像画素)配列を2列×2行の範囲で、焦点検出画素配列を4列×2行の範囲で示す図である。画素200は、一例としてベイヤー配列に応じた配置となっている。R(赤)の分光感度を有する画素が左上に、G(緑)の分光感度を有する画素が右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素が右下に配置されている。さらに、各画素は2列×1行に配列された第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202により構成されている。
【0023】
図2に示す2列×2行の画素(4列×2行の焦点検出画素)を面上に多数配置し、撮像画像および焦点検出信号の取得を可能としている。一例として本実施形態では、画素の周期Pが4μm、画素数Nが横5575列×縦3725行=約2075万画素、焦点検出画素の列方向周期PAFが2μm、焦点検出画素数NAFが横11150列×縦3725行=約4150万画素の撮像素子を用いる。
【0024】
図2に示す撮像素子107の1つの画素200を、撮像素子107の受光面側(+z側)から見た平面図を
図3(A)に示し、
図3(A)のa−a断面を−y側から見た断面図を
図3(B)に示す。
図3に示すように、本実施形態の画素200では、各画素の受光側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が形成され、x方向にNH分割(2分割)、y方向にNV分割(1分割)された光電変換部301と光電変換部302が形成される。光電変換部301及び302が、それぞれ、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202に対応する。光電変換部301及び302は、p型層とn型層の間にイントリンシック層を挟んだpin構造フォトダイオードとしても良いし、必要に応じて、イントリンシック層を省略し、pn接合フォトダイオードとしても良い。各画素には、マイクロレンズ305と、光電変換部301及び302との間に、カラーフィルタ306が形成される。
【0025】
図3に示す画素200に入射した光は、マイクロレンズ305により集光され、カラーフィルタ306で分光されたのち、光電変換部301及び302で受光される。光電変換部301及び302では、受光量に応じて電子とホールが対生成し、空乏層で分離された後、負電荷の電子はn型層(不図示)に蓄積され、一方、ホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層を通じて撮像素子107の外部へ排出される。光電変換部301及び302のn型層(不図示)に蓄積された電子は、転送ゲートを介して、静電容量部(FD)に転送され、電圧信号に変換されて出力される。
【0026】
図3に示す本実施形態の画素構造と瞳分割との対応関係を
図4を参照して説明する。
図4は、
図3(A)に示した本実施形態の画素構造のa−a断面を+y側から見た断面図と結像光学系の射出瞳面を示す図である。なお、
図4では、射出瞳面の座標軸と対応を取るために、断面図のx軸とy軸を
図3に対して反転させている。
【0027】
第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501は、重心が−x方向に偏心している光電変換部301の受光面と、マイクロレンズ305によって概ね共役関係になっており、第1焦点検出画素201で受光可能な瞳領域を表している。第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501は、瞳面上で+X側に重心が偏心している。
【0028】
また、第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502は、重心が+x方向に偏心している光電変換部302の受光面と、マイクロレンズ305によって概ね共役関係になっており、第2焦点検出画素202で受光可能な瞳領域を表している。第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502は、瞳面上で−X側に重心が偏心している。
【0029】
また、瞳領域500は、光電変換部301及び302(第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202)を全て合わせた際の画素200全体で受光可能な瞳領域である。本実施形態の撮像素子107は、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502をそれぞれ通過した一対の光束が、撮像素子107の各画素にそれぞれ異なる角度で入射し、2×1に分割された第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202で受光される。本実施形態は、瞳領域が水平方向に2つに瞳分割されている例である。必要に応じて、垂直方向に瞳分割を行っても良い。
【0030】
本実施形態では、撮像素子107の各画素の第1焦点検出画素201の受光信号を集めて第1焦点検出信号を生成し、各画素の第2焦点検出画素202の受光信号を集めて第2焦点検出信号を生成して焦点検出を行う。また、撮像素子107の各画素毎に、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算することで、有効画素数Nの解像度の撮像信号(撮像画像)を生成する。第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算した撮像信号と、第1焦点検出画素201のみの撮像信号の差分を取ることで第2焦点検出画素202と同じ撮像信号を得られるため、第2焦点検出画素202は、差分信号を用いてもよい。また、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算した撮像信号と、第2焦点検出画素202のみの撮像信号の差分を取ることで第1焦点検出画素201と同じ撮像信号を得られる。そのため、第1焦点検出画素201信号として前記差分信号を用いてもよい。また、ライブ画像を表示するための撮像モードを制御部121から撮像素子駆動回路へ指示を行うことで、撮像素子107の有効画素数Nを間引き及びまたは、加算することにより有効画素数Nよりも少ない画素数の撮像信号(撮像画像)を生成する。
【0031】
以下、本実施形態の撮像素子107により取得される第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と、像ずれ量との関係について説明する。
図5は、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の概略関係図である。撮像面600に本実施形態の撮像素子107が配置され、結像光学系の射出瞳が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割される。
【0032】
デフォーカス量dは、被写体の結像位置から撮像面600までの距離を大きさ|d|とする。そして、被写体の結像位置が撮像面600より被写体側にある前ピン状態を負符号(d<0)、被写体の結像位置が撮像面600より被写体の反対側にある後ピン状態を正符号(d>0)として定義される。被写体の結像位置が撮像面(合焦位置)にある合焦状態はd=0である。
図5で、被写体801は合焦状態(d=0)の例を示しており、被写体802は前ピン状態(d<0)の例を示している。前ピン状態(d<0)と後ピン状態(d>0)を合わせて、デフォーカス状態(|d|>0)とする。
【0033】
前ピン状態(d<0)では、被写体802からの光束のうち、第1瞳部分領域501(第2瞳部分領域502)を通過した光束は、一度、集光した後、光束の重心位置G1(G2)を中心として幅Γ1(Γ2)に広がり、撮像面600でボケた像となる。ボケた像は、撮像素子107に配列された各画素を構成する第1焦点検出画素201(第2焦点検出画素202)により受光され、第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)が生成される。よって、第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)は、撮像面600上の重心位置G1(G2)に、被写体802が幅Γ1(Γ2)にボケた被写体像として記録される。被写体像のボケ幅Γ1(Γ2)は、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加していく。同様に、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ量p(=光束の重心位置の差G1−G2)の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加していく。後ピン状態(d>0)でも、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ方向が前ピン状態と反対となるが、同様である。
【0034】
このように、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号、もしくは、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を加算した撮像信号のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する。第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と、像ずれ量から被写体が合焦状態か否かを検出する。また、非合焦被写体に対しては、合焦状態になるまで第3レンズ群105の位置にを移動させることで焦点調整を行う。
【0035】
次に、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の瞳ずれによるシェーディングについて説明する。
図6に、撮像素子107の周辺像高における第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501、第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502、および結像光学系の射出瞳400の関係を示す。
図6(A)は、結像光学系の射出瞳距離D1と撮像素子107の設定瞳距離Dsが同じ場合である。この場合は、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502により、結像光学系の射出瞳400が、概ね、均等に瞳分割される。
【0036】
これに対して、
図6(B)に示した結像光学系の射出瞳距離D1が撮像素子107の設定瞳距離Dsより短い場合、撮像素子107の周辺像高では、結像光学系の射出瞳と撮像素子107の入射瞳の瞳ずれを生じる。そのため、結像光学系の射出瞳400が、不均一に瞳分割されてしまう。同様に、
図6(C)に示した結像光学系の射出瞳距離D1が撮像素子の設定瞳距離Dsより長い場合、撮像素子107の周辺像高では、結像光学系の射出瞳と撮像素子107の入射瞳の瞳ずれを生じ、結像光学系の射出瞳400が、不均一に瞳分割されてしまう。周辺像高で瞳分割が不均一になるのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の強度も不均一になり、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のいずれか一方の強度が大きくなり、他方の強度が小さくなるシェーディングが生じる。
【0037】
図7は、色シェーディング発生画像の一例を示する図である。光の波長が短いほど屈折率が大きくなるため、射出瞳距離D1と設定瞳距離Dsは、波長により距離が異なる。青、緑の光は、赤の光よりも波長が短く屈折率が大きいため、瞳ずれ量が大きくなる。
図7(A)に示すように、青(B)、緑(G)のシェーディング量に対して赤(R)のシェーディング量が少なくなるため、高像高になるほど色信号の差分が大きくなる色シェーディングが生じる。
図7(B)の画像では、画像中央の人物は色シェーディングの影響は無いが、画像右側の木や空が赤み掛かり、画像左側では逆に赤みが足りなくなる。一方、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算する、加算読み出しにおいては瞳ずれが相殺されるため、色シェーディングは発生しない。
【0038】
次に、
図8を用いて、焦点検出を行いながら、ライブ画像の表示を行うシーケンスについて説明する。有効画素数Nよりも少ない撮像画像を読み出すライブ画像(表示用画像)と有効画素数Nの撮像画像を読み出しを行う静止画像記録用画像(静止画像)を交互に撮像素子から撮像信号を読み出す。ライブ画像は、撮像装置に備え付けた表示部107に画像を表示するために必要な画像サイズのみを読み出す。通常、間引き読み出しを行うことで高速に読み出す読み出しモードを使用する。
【0039】
ライブ画像と静止画像は、それぞれ第1焦点検出画素201または、第2焦点検出画素202のみを読み出す焦点検出画素読み出しと、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算する加算読み出しを行う。以上の動作を繰り返すことにより、表示及び焦点検出を行いながら静止画像を記録する。
本実施形態では、一例として制御部121から以下の4つの駆動指示を繰り返し行う。
1.ライブ画像焦点検出画像読み出し駆動。
2.ライブ画像加算読み出し駆動。
3.静止画像焦点検出画像読み出し駆動。
4.静止画像加算読み出し駆動。
【0040】
ライブ画像(上記1及び2の駆動)は、焦点検出を行いながらライブ画の表示を行う。静止画像は、静止画像焦点検出画像読み出し画像(上記3の駆動)と静止画像加算読み出し画像(上記4の駆動)を記録する。また、制御部121は、記録した2つの静止画像(上記3及び4の駆動画像)の差分をとり、信号処理を行うことで複数の視点から撮影した画像を生成する。そして、複数の焦点位置で撮影した静止画像を生成し記録することや焦点位置を可変し最適な焦点位置の画像を生成し記録することも可能である。
【0041】
図8において、撮像動作が開始すると、ステップS801にて、ライブ画像焦点検出画像読み出し駆動によりライブ画像焦点検出画像を取得する。次に、ステップS802にて、ライブ画像加算読み出し駆動によりライブ画像表示画像を取得し、ライブ画像を表示部131に表示する。次に、ステップS803にて、静止画像焦点検出画像読み出し駆動(3の駆動)により、静止画記録用焦点検出画像を取得し画像メモリ部135へ記録した後に制御部121によりフラッシュメモリ133へ記録する。次に、ステップS804にて、ステップS803で取得した画像から、後述するホワイトバランス制御を行い、ホワイトバランス評価値、ホワイトバランス係数を算出する。次に、ステップS805にて、静止画像加算読み出し駆動により静止画記録用加算画像を取得する。そして、ステップS804にて算出されたホワイトバランス係数を用いて静止画記録用加算画像の画像処理を行う。
【0042】
次に、本実施形態のホワイトバランス制御について説明する。ホワイトバランス制御部136におけるホワイトバランス評価値(以下WB評価値)算出方法について
図9を用いて詳細に述べる。まず、画像メモリ部135に記憶された画像信号を読み出し(ステップS901)、ステップS902にて、色値(R,G,B)からWB評価値(Cx,Cy)を算出する。WB評価値の算出式は下記(1)から求める。
Cx=(R−B)/Y×1024
Cy=(R+B−2G)/Y×1024 ・・・(1)
ただし、Y=(R+2G+B)/4
【0043】
WB評価値が算出できる最小画素単位で色値(R,G,B)からWB評価値(pixel_Cx,pixel_Cy)を算出するピクセル白サーチを行う。また、その画面を任意のk個のブロックに分割し、分割したブロック毎に積分しWB評価値(block_Cx,block_Cy)を算出するブロック白サーチを行う。ピクセル白サーチ、ブロック白サーチを実行する場合は、全画素を用いずに間引き処理を行うことで算出時間を短縮することもできる。ブロック白サーチを行う場合は、各ブロック毎に、画素値を各色に加算平均して色平均値を算出する。ピクセル白サーチ、ブロック白サーチともに同じ計算式で算出可能であり、専用のハードウエアまたは制御部121に搭載された演算回路を用いてソフトウエアプログラムにより算出する。
【0044】
以下、簡略化のため(Cx,Cy)として表記するが(pixel_Cx,pixel_Cy)、(block_Cx,block_Cy)がそれぞれ算出しされる。また、iは画素またはブロックの番号、R[i],G[i],B[i]は、画素またはブロックiに含まれるRGB画素値から、WB評価値(Cx[i],Cy[i])を算出する。
下式(2)を用いてWB評価値(Cx[i]、Cy[i])を算出する。
Cx[i]=(R[i]−B[i])/Y[i]×1024
Cy[i]=(R[i]+B[i]−2G[i])/Y[i]×1024 ・・・(2)
ただし、Y[i]=(R[i]+2G[i]+B[i])/4
【0045】
次に、ステップS903にて、WB評価値積分判別を行う。具体的には、
図10のような座標軸を持つグラフを用いて白検出を行う。
図10は、x座標(Cx)の負方向が高色温度被写体の白を撮影したときのWB評価値を表し、正方向が低色温度被写体の白を撮影したときのWB評価値を表す。また、y座標(Cy)は、光源の緑成分の度合いを意味しており、負方向になるにつれGreen成分が大きくなり、つまり蛍光灯であることを示している。
【0046】
そして、ステップS903では、ステップS902で算出したi番目のWB評価値(Cx[i]、Cy[i])が、
図10に示す予め設定した白検出範囲に含まれるか否かを判断する。さらに、i番目の画素または、ブロックが色シェーディング発生エリアで有るか否かを判断する。色シェーディングが発生しない駆動モードにおいては、全てのブロックにおいて、色シェーディング発生エリアで無いとして処理を行う。
【0047】
白検出範囲は、予め異なる光源下で白を撮影し、算出したWB評価値をプロットしたものである。
図10に示す白検出範囲は、日中の太陽光のプロットエリア1001と、日陰や曇り時の高色温度光1002と、夕景などの低色温度光1003と、蛍光灯のプロットエリア1004を示す。この白検出範囲は、撮影モードによって別設定できるものとする。ステップS903で算出したWB評価値(Cx[i]、Cy[i])が日中の太陽光のプロットエリア1001〜蛍光灯のプロットエリア1004に示した白検出範囲に含まれて、且つ色シェーディング発生エリアで無い場合(YES)、ステップS904に進む。ステップS904にて、そのブロックの色平均値(R[i]、G[i]、B[i])を積算(積分)する。一方、ステップS903で白検出範囲に含まれない、もしくは色シェーディング発生エリアである場合(NO)、加算せずにステップS905に進む。白検出範囲に含まれたか否かを判断するステップS903及びステップS904の処理は、下式により表すことができる。なお、i番目の画素または、ブロックが色シェーディング発生エリアであるか否かを判断する方法については、後述する。
【数1】
【0048】
ここで、(3)式において、WB評価値(Cx[i]、Cy[i])が白検出範囲(
図10の日中の太陽光のプロットエリア1001〜蛍光灯のプロットエリア1004)に含まれる場合はSw[i]を1に、含まれない場合にはSw[i]を0とする。従って、ステップS903の判断によりWB評価値(R[i]、G[i]、B[i])加算を行うか、行わないかの処理を実質的に行っている。そして、加算された、画素数(ピクセル白サーチ数)またはブロック数(ブロック白サーチ数)を記憶する。ステップS905にて、すべての画素またはブロックについて上記処理を行ったか否かを判断し、未処理である場合(NO)、ステップS902に戻って上記処理を繰り返し、すべての処理が終了している場合(YES)、ステップS906に進む。
【0049】
次に、ステップS906にて、(3)式で得られたWB評価値の積分値(SumR、SumG、SumB)から、以下の(4)式を用いて、ホワイトバランス補正値(WBCol_R、WBCol_G、WBCol_B)を算出する。算出されたホワイトバランス補正値を制御部121が内部記憶領域に記憶する。
WBCol_R=SumY×1024/SumR
WBCol_G=SumY×1024/SumG ・・・(4)
WBCol_B=SumY×1024/SumB
ただし、SumY=(SumR+2×SumG+SumB)/4
【0050】
なお、記憶された、ピクセル白サーチ数及びブロック白サーチ数に応じて最終ホワイトバランス補正値を算出し直してもよい。一例として、ピクセル白サーチ数が全画素数の10%以上有る場合は、ピクセル白サーチ結果から算出されたホワイトバランス補正値を用い、10%を下回る場合にブロック白サーチ結果をブロック白サーチ数に応じて重み付けし、ホワイトバランス補正値を算出する。そして、算出されたホワイトバランス補正値を制御部121が内部記憶領域に記憶する。
【0051】
次に、色シェーディング発生エリアの判別方法を説明する。前述した様に、射出瞳距離Dlと撮像素子の設定瞳距離Dsより、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のいずれか一方の強度が強くなることで色シェーディングが発生する。言い換えると、射出瞳距離Dlと撮像素子の設定瞳距離Dsの関係から、色シェーディング量が決定する。射出瞳距離Dlと撮像素子の設定瞳距離Dsは、撮影された被写体距離に応じて変化する。光学的にシミュレーションを行い被写体距離と色シェーディングの関係を事前に算出し、または撮像装置を用いて被写体距離を可変し撮影した均一白色板の画像から実験的に求めるなどする。通常、色シェーディング量は、各色の3%以内の差分は画像に影響しないため、例えば、3%以内となる画像領域を色シェーディングの発生しないエリアとしてフラッシュメモリ133に記録する。
【0052】
図11は、フラッシュメモリ133に記録された色シェーディング発生エリアを表した模式図である。
図11の太枠内(1101)が色シェーディングの発生しないエリアとなり、太枠の外側(1102)が色シェーディング発生エリアである。なお、前述した、ライブ画像焦点検出画像読み出し駆動(1の駆動)、静止画像焦点検出画像読み出し駆動(3の駆動)で取得した画像においては、色シェーディングが発生するため、ホワイトバランス評価値算出エリアを制限する必要がある。ライブ画像加算読み出し駆動(2の駆動)、静止画像加算読み出し駆動(4の駆動)で取得した画像では、色シェーディングが発生しないためホワイトバランス評価値算出エリアを制限する必要がない。なお、本実施形態では、画素200を縦に2分割した撮像素子を用いて説明したが、後述する
図13に示す様に、画素200を3列×3行に分割するなど、m列×n行(m、nは自然数)に分割した撮像素子を用いてもよい。
【0053】
以上、本実施形態によれば、良好なホワイトバランスを実施し高品質な画像を出力することができる撮像装置撮像装置を提供することができる。これにより、撮影シーンに応じた良好なホワイトバランス処理を行うことで高品質な画像生成が可能となる。
【0054】
(第2実施形態)
本実施形態に係る撮像装置の色シェーディング発生エリアの判別方法を説明する。なお、第1実施形態と同じ構成、動作についての詳細な説明は省略する。
図11に示す色シェーディング発生エリアにおいては、式(3)の換わりに下記の式(5)を用いることにより、色シェーディング発生量に応じて重み付けを行いホワイトバランス評価値を算出する。
【数2】
gain[i]は0から1までの係数である。白検出範囲に含まれない場合にはSw[i]を0とする。また、色シェーディングが無いエリアでは、係数を1とし色シェーディングが大きくなるに従い0へ近づけることで色シェーディングの影響を除外する。
【0055】
(第3実施形態)
本実施形態に係る撮像装置は、ホワイトバランス評価値算出用画像を取得する駆動を行う。なお、第1実施形態と第2実施形態と同じ構成、動作についての詳細な説明は省略する。本実施形態では、制御部121から5つ目の駆動指示として、
図11に示す太枠内(1101)の色シェーディングの発生しないエリアのみを読み出す。色シェーディングの発生しないエリアの画像からホワイトバランス評価値を算出する。ホワイトバランス評価値算出用画像であるため間引き読み出しを行ってもよい。
【0056】
(第4実施形態)
本実施形態に係る撮像装置は、制御部121により取得した画像の解析を行う。なお、第1〜第3実施形態と同じ構成、動作についての詳細な説明は省略する。本実施形態では、画面を任意のk個のブロックに分割し、分割したブロック毎に積分しブロック色積分値(block_R,block_G、block_B)を算出する。ブロック毎に色積分値を算出する場合は、全画素を用いずに間引き処理を行うことで算出時間を短縮することもできる。
【0057】
そして、ブロック毎に色積分値を積分した画素数で除算し、画素積分値のブロック色平均値を算出する。ブロック色積分値、ブロック色平均値の算出は、専用のハードウエアまたは制御部に搭載された演算回路を用いてソフトウエアプログラムにより算出する。制御部121は、ブロック色平均値のヒストグラムと取得するなどし、統計的に解析を行う。R、G、Bの差分値が平均的なブロックから異なるブロックを検出し、式(3)のSw[i]または、式(5)のgain[i]をブロック色平均値に応じて可変させることで色シェーディングを除外したホワイトバランス係数を算出する。
【0058】
また、制御部121は、撮影条件を判別しブロック色積分値に応じて式(3)のSw[i]または、式(5)のgain[i]を可変する様にする。絞り、シャッター速度、センサーの感度情報から、例えば夜景など暗い撮影条件であると判別する。夜景画像においては、画像信号を平均化することにより信号値が小さくなるが、ブロック色積分値を使用することで色シェーディング発生量の判別が容易となる。さらに、制御部121は、撮影時の光学情報に応じて式(3)のSw[i]または、式(5)のgain[i]を可変する。絞り値や焦点距離に応じて撮影された画像の光学的に発生する収差量が変化する。色収差が発生する画像エリアのR、G、Bの差分が大きくなるため、ブロック色積分結果にかかわらず、ホワイトバランス評価値算出エリアから除外する。
【0059】
光学収差の発生するエリアを予め、絞り、焦点距離、被写体距離から光学シミュレーションを行い、フラッシュメモリ133に記録し、同一撮影条件に近いデータを補間して使用する。予め撮像装置で撮影した実画像からデータ光学的収差の発生するエリアを特定し、フラッシュメモリ133に記録してもよい。第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算した、撮像画像からホワイトバランス評価値を算出する場合においても光学収差の発生するエリアのみを除外する。
【0060】
(第5実施形態)
本実施形態に係る撮像装置は、制御部121が取得した画像から被写体検出を行う。なお、第1〜第4実施形態と同じ構成、動作についての詳細な説明は省略する。本実施形態では、ライブ画像と静止画像は、それぞれ第1焦点検出画素201のみを読み出す駆動と、第2焦点検出画素202のみを読み出す駆動を行うことにより、色シェーディング特性の異なる2つの焦点検出画像を取得する。制御部121は、被写体が存在するエリアの色シェーディング量が少ない焦点検出画像を用いてホワイトバランス評価値の算出を行う。
【0061】
(第6実施形態)
本実施形態に係る撮像装置の第1焦点検出画素201のみを読みだした画像の色シェーディングを補正する動作について説明する。なお、第1〜第4実施形態と同じ構成、動作についての詳細な説明は省略する。
図12は、色シェーディングを補正する補正量を示す模式図である。
図12(A)は、
図7と同様に、青(B)、緑(G)のシェーディング量に対して赤(R)のシェーディング量が少なくなることを示している。像高に応じて光量の逆数を求めて像高0の光量で正規化する。
R_hosei_gain[h]=Y0/R[h]
G_hosei_gain[h]=Y0/G[h] ・・・(6)
B_hosei_gain[h]=Y0/B[h]
ここで、Y0は像高0の輝度値、hは像高を表す。R[h]は像高hでのRの光量、G[h]は像高hでのGの光量、B[h]は像高hでのBの光量を表す。R_hosei_gain[h]は像高hでのRの補正量、G_hosei_gain[h]は像高hでのGの補正量、B_hosei_gain[h]は像高hでのBの補正量を表す。模式的に示すと
図12(B)となる。
【0062】
そして、式(7)により、撮影画像の入力されたR、G、BにそれぞれR_hosei_gain、G_hosei_gain、B_hosei_gainを乗算すると
図12(C)に示す様に色シェーディングの無い画像となる。
Hoseigo_R[h]=R_hosei_gain[h]×R[h]
Hoseigo_G[h]=G_hosei_gain[h]×G[h] ・・・(7)
Hoseigo_B[h]=B_hosei_gain[h]×B[h]
ここで、hは像高を表す。Hoseigo_R[h]、Hoseigo_G[h]、Hoseigo_B[h]は像高hの補正後のR、G、B画素値である。上記の計算式を用いて、入力された画像信号の全ての画素を補正する。補正計算は、専用のハードウエアまたは制御部121に搭載された演算回路を用いてソフトウエアプログラムにより算出する。
【0063】
補正後の画像信号は、色シェーディングは発生しない第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算した加算画像と同じ信号処理を行う。信号処理を施した、第1焦点検出画素201のみを読みだした画像をライブ表示画像や記録用静止画像とする。詳細の説明は省略するが、第2焦点検出画素202のみを読み出した画像についても、第2焦点検出画素202に対応した補正量を用いることで同様に補正する。
【0064】
また、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。