(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
I.定義
本明細書で使用するとき、以下の用語は後に指定される意味を有するものとする。
「不揮発性の」とは、少なくとも脂肪族アルコール及びシリコーンに関する場合、0.10MPa(1.0気圧)において約260℃以上、約275℃以上、又は約300℃以上の沸点を有することを指すことができる。
「ポリマー」」は、1種のモノマーの重合によって形成される、又は2種類以上のモノマーの重合によって形成される(即ち、コポリマー)材料を指すことができる。
「水溶性」は、25℃において水(蒸留水又は等価物)中0.1%の濃度で、肉眼で実質的に透明である溶液を形成するように、水に十分に可溶性であることを指すことができる。ポリマーは、水中0.5%の濃度で実質的に透明な溶液を形成し、水中1.0%の濃度で実質的に透明な溶液を形成する可能性があるように、十分に可溶性であり得る。
【0012】
II.発泡性組成物
驚くべきことに、有効量の特定のシリコーンブレンドを使用することによって、しっかりとした安定性と所望の感覚的な利益を提供する能力とを備えた、非常にリッチでクリーミー発泡性組成物を得ることができることが見出された。発泡性組成物は、液体発泡性組成物と噴射剤との組み合わせから形成することができる。液体組成物は、概して、気体(例えば、二酸化炭素)を取り込む又は捕捉する能力を有する場合には、発泡性である。液体発泡性組成物は、カチオン性界面活性剤(例えば、典型的には四級アンモニウム化合物)、非イオン性界面活性剤、脂肪族アルコール、及びシリコーンブレンドの組み合わせをベースとすることができる。
【0013】
更に、発泡性組成物はしっかりとした泡密度を示し得ることが見出された。以下に示すように、実施例の表2において、発泡性組成物の発明例(即ち、発明例A〜E)は、比較例(即ち、比較例A〜C)より性能が優れていた。特定の実施例では、発泡性組成物は、約0.1g/mL〜約0.5g/mL、特定の実施例では、約0.12g/mL〜約0.4g/mLの泡密度を示すことができる。発泡性組成物の泡密度は、本明細書に記載する泡密度判定方法に従って判定することができる。
【0014】
必須成分、並びに任意成分の非排他的なリストを以下に記載する。
【0015】
A.液体発泡性組成物
液体発泡性組成物は、カチオン性界面活性剤(例えば、典型的には四級アンモニウム化合物)、非イオン性界面活性剤、脂肪族アルコール、シリコーンブレンド、水、及び他の任意成分(例えば、スキンケア用活性物質、グリセリン、超吸収性ポリマー)を含み得る。これら構成成分の具体的な種類及び範囲は本明細書に記載される。
【0016】
カチオン性界面活性剤
液体発泡性組成物に用いるのに適したカチオン性界面活性剤は、アミノ部分又は四級アンモニウム部分を含み得る。追加の好適なカチオン性界面活性剤は、全て参照により本明細書に組み込まれる以下の文献に開示されている:M.C.Publishing Co.,McCutcheon’s,Detergents & Emulsifiers,(North American edition 1979);Schwartz,et al.,Surface Active Agents,Their Chemistry and Technology,New York,Interscience Publishers,1949;米国特許第3,155,591号(Hilfer)、1964年11月3日発行;米国特許第3,929,678号(Laughlinら)、1975年12月30日発行;米国特許第3,959,461号(Baileyら)、1976年5月25日発行;及び米国特許第4,387,090号(Bolich,Jr.)、1983年6月7日発行。
【0017】
好適な四級アンモニウム化合物は、次の一般式のものを含むことができる。
[NR1,R2,R3,R4]
+・X
-
式中、R1〜R4は、独立して、約1〜約22個の炭素原子を有する脂肪族基、又は約1〜約22個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基であり得、X
-は、ハロゲンラジカル(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、酢酸塩ラジカル、クエン酸塩ラジカル、乳酸塩ラジカル、グリコール酸塩ラジカル、リン酸塩ラジカル、硝酸塩ラジカル、硫酸塩ラジカル、及びアルキル硫酸塩ラジカルから選択されるもの等の塩形成アニオンであり得る。
【0018】
そのような脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、又はアミノ基などのその他の基を含有してよい。より長鎖の脂肪族基(例えば、炭素数が約12個以上のもの)は、飽和であっても不飽和であってもよい。モノ−長鎖アルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤としては、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、及び水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウム塩を挙げることができる。ジ長鎖(例えば、ジC
12〜C
22、C
16〜C
18、脂肪族、アルキル)及びジ単鎖(例えば、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
2アルキル)アンモニウム塩を使用することも可能である。カチオン性界面活性剤として有用な他の好適な四級アンモニウム塩は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,936,798号に記載されている。
【0019】
第一級、第二級、及び第三級脂肪族アミンの塩も好適なカチオン性界面活性材料であり得る。そのようなアミンのアルキル基は、約12個〜約22個の炭素原子を有し、置換又は非置換であってもよい。そのようなアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘニルアミドプロピルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアラミド、ジメチルステアラミン、ジメチル大豆アミン、大豆アミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N−タロープロパンジアミン、エトキシル化(5モルE.O.)ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、及びアラキジルベヘニルアミンを挙げることができる。好適なアミン塩としては、ハロゲン、酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、及びアルキル硫酸塩を挙げることができる。このような塩としては、ステアリルアミン塩酸塩、大豆アミンクロリド、ステアリルアミンホルメート、N−タロープロパンジアミンジクロリド、及びステアラミドプロピルジメチルアミンシトレートを挙げることができる。液体発泡性組成物にとって好適なカチオン性アミン界面活性剤は、参照により本明細書に組み込まれる、1981年6月23日にNachtigalらに発行された米国特許第4,275,055号に開示されている。特定の実施形態では、好適なカチオン性界面活性剤としては、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルエチルヘキシルジモニウムメトサルフェート、ジセチルジモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムクロリド、GENAMIN(登録商標)CTAC(即ち、セチルトリメチルアンモニウムクロリド)、エステルクォート(例えば、テトラデシルベタインエステルクロリド)、ジエステルクォート(例えば、ジパルミチルエチルジメチルアンモニウムクロリド、Akzo(Germany)のARMOCARE(登録商標)VGH70)、又はジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートとセテアリルアルコールとの混合物(Henkel(Germany)のDEHYQUART(登録商標)F−75))を挙げることができる。
【0020】
特定の実施形態では、カチオン性界面活性剤(例えば、四級アンモニウム化合物)は、液体発泡性組成物の約0.05重量%〜約5重量%、特定の実施形態では、液体発泡性組成物の約1重量%〜約4重量%の濃度レベルで含まれ得る。四級アンモニウム化合物は、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド
、ベヘントリモニウムメトサルフェート(「BTMS」)
、ステアリルエチルヘキシルジモニウムメトサルフェート、ジセチルジモニウムクロリド、及びジタロージメチルアンモニウムクロリドのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0021】
非イオン性界面活性剤
本発明において有用な界面活性剤はまた、非イオン性界面活性剤から選択されてもよい。本明細書で有用な非イオン性界面活性剤には、長鎖アルコール、例えば、C8〜C30アルコールと、糖又はデンプンポリマーとの縮合生成物、即ち、グルコシドとして広く定義され得るものがある。これらの化合物は、式(S)
n−O−Rにより表わされることができ、式中、Sは、グルコース、フルクトース、マンノース、及びガラクトースなどの糖部分であり、nは約1〜約1000の整数であり、RはC8〜30アルキル基である。アルキル基を誘導することのできる長鎖アルコールの例としては、デシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール等を挙げることができる。これらの界面活性剤の好ましい例としては、Sがグルコース部分であり、RがC8〜20アルキル基であり、nが約1〜約9の整数であるものが挙げられる。これらの界面活性剤の市販の例としては、デシルポリグルコシド(HenkelからAPG 325 CSとして入手可能)及びラウリルポリグルコシド(HenkelからAPG 600 CS及び625 CS)として入手可能)が挙げられる。
【0022】
他の有用な非イオン性界面活性剤としては、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(即ち、脂肪酸のアルキレンオキシドエステル)が挙げられる。このような物質は、一般式RCO(X)
nOHを有し、式中、RはC10〜30アルキル基であり、Xは−OCH
2CH
2−(即ち、エチレングリコール又はエチレンオキシドから誘導される)又は−OCH
2CHCH
3−(即ち、プロピレングリコール又はプロピレンオキシドから誘導される)であり、nは約6〜約200の整数である。その他の非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキシドと2モルの脂肪酸との縮合生成物(即ち、脂肪酸のアルキレンオキシドジエステル)である。これらの物質は、一般式、RCO(X)
nOOCRを有し、式中、RはC10〜C30アルキル基であり、Xは−OCH
2CH
2−(即ち、エチレングリコール又はエチレンオキシドから誘導される)又は−OCH
2CHCH
3−(即ち、プロピレングリコール又はプロピレンオキシドから誘導される)であり、nは約6〜約100の整数である。他の非イオン性界面活性剤類は、アルキレンオキシド類と脂肪族アルコール類との縮合生成物類(即ち、脂肪族アルコール類のアルキレンオキシドエーテル類)である。このような物質は、一般式R(X)
nOR’を有し、式中、RはC10〜C30アルキル基であり、Xは−OCH
2CH
2−(即ち、エチレングリコール又はエチレンオキシドから誘導される)又は−OCH
2CHCH
3−(即ち、プロピレングリコール又はプロピレンオキシドから誘導される)であり、nは約6〜約100の整数であり、R’はH又はC10〜C30アルキル基である。更に他の非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキシド類と脂肪酸類及び脂肪族アルコール類両方の縮合生成物である[即ち、ポリアルキレンオキシド部分は、その一端で脂肪酸でエステル化され、もう一端で脂肪族アルコールでエーテル化(即ちエーテル結合を介して結合)される]。これらの物質は、一般式RCO(X)
nOR’を有し、式中R及びR’はC10〜30アルキル基であり、Xは−OCH
2CH
2(即ち、エチレングリコール又はエチレンオキシドから誘導される)又は−OCH
2CHCH
3−(プロピレングリコール又はプロピレンオキシドから誘導される)であり、nは約6〜約100の整数である。これらのアルキレンオキシドから誘導される非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、セテス−6、セテス−10、セテス−12、セテアレス−6、セテアレス−10、セテアレス−12、ステアレス−6、ステアレス−10、ステアレス−12、PEG−6ステアレート、PEG−10ステアレート、PEG−100ステアレート、PEG−12ステアレート、PEG−20グリセリルステアレート、PEG−80グリセリルタローエート、PEG−10グリセリルステアレート、PEG−30グリセリルココエート、PEG−80グリセリルココエート、PEG−200グリセリルタローエート、PEG−8ジラウレート、PEG−10ジステアレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0023】
更に他の有用な非イオン性界面活性剤としては、次の構造式に相当するポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤が挙げられる。
【0024】
【化1】
式中、R
1は、C
1〜C
4アルキル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−プロピル、好ましくはC
1〜C
4アルキル、より好ましくはメチル又はエチル、最も好ましくはメチルであり;R
2は、C
5〜C
31アルキル又はアルケニル、好ましくはC
7〜C
19アルキル又はアルケニル、より好ましくはC
9〜C
17アルキル又はアルケニル、最も好ましくはC
11〜C
15アルキル又はアルケニルであり;Zは、少なくとも3個のヒドロキシルが鎖に直接結合した直鎖状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル部分、又はそのアルコキシル化(好ましくはエトキシ化又はプロポキシル化)誘導体である。Zは、好ましくは、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、キシロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される糖部分である。上記の構造に相当する特に好ましい界面活性剤は、ココナッツアルキルN−メチルグルコシドアミド(即ち、式中、R
2CO−部分は、ヤシ油脂肪酸類から誘導される)である。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドを含有する組成物の製造プロセスは、例えば、英国特許第809,060号明細書(Thomas Hedley & Co.,Ltd.、1959年2月18日発行)、米国特許第2,965,576号(E.R.Wilson、1960年12月20日発行)、米国特許第2,703,798号(A.M.Schwartz、1955年3月8日発行)、及び米国特許第1,985,424号(Piggott、1934年12月25日発行)に開示されており、当該特許文献は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。非イオン性界面活性剤の中でも好ましいのは、ステアレス−21、セテアレス−20、セテアレス−12、スクロースココエート、ステアレス−100、PEG−100ステアレート、及びこれらの混合物からなる群より選択されるものである。
【0025】
本明細書で使用するのに好適な他の非イオン性界面活性剤としては、糖エステル類及びポリエステル類、アルコキシル化糖エステル類及びポリエステル類、C1〜C30脂肪族アルコール類のC1〜C30脂肪酸エステル類、C1〜C30脂肪族アルコール類のC1〜C30脂肪酸エステル類のアルコキシル化誘導体、C1〜C30脂肪族アルコール類のアルコキシル化エーテル類、C1〜C30脂肪酸類のポリグリセリルエステル類、ポリオール類のC1〜C30エステル類、ポリオール類のC1〜C30エーテル類、アルキルホスフェート類、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルホスフェート類、脂肪酸アミド類、アシルラクチレート類、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。こうしたケイ素非含有乳化剤の非限定的な例としては、ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5大豆ステロール、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ポリソルベート80、セチルホスフェート、カリウムセチルホスフェート、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ポリソルベート60、グリセリルステアレート、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテルナトリウムステアレート、ポリグリセリル−4イソステアレート、ラウリン酸ヘキシル、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、PEG−100ステアレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
脂肪族アルコール
液体発泡性組成物は脂肪族アルコールを含み得る。例えば、液体発泡性組成物は、一価の飽和直鎖脂肪族アルコール類、例えばベヘニルアルコール、セチルアルコール、及びステアリルアルコールの1つ以上などと、融点が約25℃以上、又は約45℃以上の他のワックス状の脂肪族アルコール類とを、液体発泡性組成物の約10重量%以下、及び液体発泡性組成物の約4重量%以下の濃度で含み得る。
【0027】
特定の実施形態では、脂肪族アルコールは、不揮発性であってもよく、低融点を有してもよい。例えば、そのような脂肪アルコールは、30℃以下、約25℃以下、又は約22℃以下の融点を有し得る。不飽和脂肪族アルコールもまた、不揮発性であってもよい。好適な脂肪族アルコールとしては、不飽和一価直鎖脂肪族アルコール、飽和分枝鎖脂肪アルコール、飽和C
8〜C
12直鎖脂肪アルコール、及びそれらの混合物を挙げることができる」。不飽和直鎖脂肪族アルコールは、典型的に、不飽和度が1であり得る。ジ−及びトリ−不飽和アルケニル鎖が、低濃度で、即ち、不飽和直鎖脂肪族アルコール全重量の約5%未満、不飽和直鎖脂肪族アルコールの全重量の約2%未満、及び不飽和直鎖脂肪族アルコールの全重量の約1%未満で存在してもよい。不飽和の直鎖脂肪族アルコール類の脂肪族鎖寸法は、特定の実施形態ではC
12〜C
22、特定の実施形態ではC
12〜C
18、特定の実施形態ではC
16〜C
18であり得る。この種の代表的なアルコール類としては、オレイルアルコール及びパルミトレインアルコールを挙げることができる。
【0028】
分枝鎖アルコール類の脂肪族鎖寸法は、典型的に、特定の実施形態ではC
12〜C
22、C
14〜C
20、特定の実施形態ではC
16〜C
18であり得る。好適な分枝鎖アルコール類としては、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、及びオクチルデカノールが挙げられる。
【0029】
飽和C
8〜C
12直鎖アルコール類の例としては、オクチルアルコール、カプリルアルコール、デシルアルコール、及びラウリルアルコールが挙げられる。低融点脂肪族アルコール類は、液体発泡性組成物の約0.1重量%〜約10重量%、特定の実施例では液体発泡性組成物の約0.2重量%〜約5重量%、及び特定の実施例では液体発泡性組成物の約0.5重量%〜約3重量%の濃度で含まれてもよい。
【0030】
これらのコンディショニング効果のためにワックス状の脂肪族アルコールを使用するのが望ましい場合がある。しかしながら、ワックス状の脂肪族アルコール類及び液体脂肪族アルコール類の両方が存在する場合には、液体脂肪族アルコール類とワックス状の脂肪族アルコール類との重量比は、特定の実施例では、約0.25以下、特定の実施例では、約0.15以下、及び特定の実施例では約0.10以下であってもよい。
【0031】
液体発泡性組成物中の脂肪族アルコール類の総量は、約1重量%〜約10重量%、約2重量%〜約8重量%、及び約3重量%〜約6重量%であってもよい。特定の実施形態では、脂肪族アルコール類とカチオン性界面活性剤との比は、約2部:約1部であり得る。そのような実施例では、脂肪族アルコール類とカチオン性界面活性剤が化合して、ラメラゲル相の液晶構造を形成することができる。脂肪族アルコール類とカチオン性界面活性剤との比が低い(即ち、カチオン性界面活性剤の量を脂肪族アルコールの量に対して増加させる)実施例では、液晶構造は小胞の形態であり得る。特定の実施形態では、液晶構造は、例えば、双連続キュービック、ヘキサゴナル、逆キュービック、ミセルキュービック、逆ヘキサゴナルカラムナー、及びこれらの組み合わせなどの任意の各種の好適な相の液晶構造であり得る。液晶構造の例は、米国特許第8,470,305号、及びPCT国際公開広報第WO2010/060131号に更に記載されており、これら特許文献は共に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
シリコーンブレンド
液体発泡性組成物は、約10重量%〜約50重量%、約12重量%〜約30重量%、約14重量%〜約25重量%、又は約15重量%〜約20重量%のシリコーンブレンドを含み得る。シリコーンブレンドは、2つ以上のシリコーン成分を含んでもよい。例えば、シリコーンブレンドは、シリコーンゲル及びシリコーン粉末を含んでもよい。特定の実施形態では、シリコーンゲルはシリコーン流体を含み得る。
【0033】
シリコーンブレンドは、約75重量%〜約85重量%のシリコーンゲル(例えば、DOW CORNING(登録商標)製のDC 9040及びDC 9045;SHIN−ETSU(登録商標)製のKSG−15、KSG−16、及びKSG−16F;MOMENTIVE(登録商標)製のVELVESIL(登録商標)125、VELVESIL(登録商標)DM、及びSFE839)を含み得る。特定の実施形態では、シリコーンゲルはシリコーン流体(例えば、シクロメチコンD5及びD6、並びにジメチコン流体)を含み得る。シリコーン流体は、25℃で1m
2/s(1,000,000センチストークス)未満の粘度を有する流動性シリコーン物質を指すことができる。概して、粘度は、25℃で約0.000001m
2/s(1センチストークス)〜1m
2/s(1,000,000センチストークス)、及びおそらく25℃で約0.000002m
2/s(2センチストークス)〜約0.3m
2/s(300,000センチストークス)であり得る。特定の実施形態では、シリコーンゲルは架橋シリコーンエラストマーであってもよい。
【0034】
シリコーンブレンドは、約15重量%〜約25重量%、及び約18重量%のシリコーン粉末(例えば、SHIN−ETSU(登録商標)製のKSP−100、KSP−102、KSP−105、及び他の粉末;DOW CORNING(登録商標)/TORAY(登録商標)製のDC 9506、DC 9701等;及びMOMENTIVE(登録商標)製のTOSPEARL(登録商標))を更に含み得る。このため、シリコーンゲルとシリコーン粉末との比は、特定の実施例では約3部:約1部であり得る。シリコーン粉末はまた、架橋シリコーンエラストマーであってもよい。特定の実施形態では、シリコーン粉末は、シリコーンゲルよりも高度に架橋されてもよい。そのようなシリコーン粉末は、ポリマーの単位重量当たりの流体の吸収量がシリコーンゲルよりも少ない場合があり、シリコーン粉末は一般に、シリコーンゲルより硬い(即ち、圧縮性が低い)。特定の実施形態では、シリコーン粉末は、100%粉末(即ち、流体を一切含まない)として供給され得る。シリコーン粉末は、略球状の形を取り得る又は非晶質形状であり得る。
【0035】
シリコーンブレンドは、任意追加的に、約0.05重量%〜約4重量%、及び約2重量%の湿潤剤(例えば、MOMENTIVE(登録商標)製のSILWET(登録商標)/SILSOFT(登録商標)ラインのSF 1288(登録商標)など)を含み得る。
【0036】
液体発泡性組成物は、不揮発性可溶性又は不溶性シリコーンコンディショニング剤も含み得る。可溶性シリコーンコンディショニング剤は、水性キャリアと混和して同一相の一部を形成することができる。不溶性シリコーンコンディショニング剤は、例えば、シリコーンの液滴のエマルション又は懸濁液の形態の、水性キャリアから分離した不連続相由来のシリコーンであり得る。
【0037】
可溶性シリコーンとしては、ジメチコーンコポリオールなどのシリコーンコポリオール、及び、ポリプロピレンオキシド及びポリエチレンオキシド変性ポリジメチルシロキサンなどのポリエーテルシロキサン変性ポリマーを挙げることができ、エチレン及び/又はプロピレンオキシドは、液体発泡性組成物中での溶解を可能にするのに十分な濃度であり得る。
【0038】
不溶性シリコーンコンディショニング剤は、特定の実施例では25℃で約0.001m
2/s(1,000センチストークス)〜約2m
2/s(2,000,000センチストークス)、特定の実施例では約0.01m
2/s(10,000センチストークス)〜約1.8m
2/s(1,800,000センチストークス)、特定の実施例では25℃で約0.1m
2/s(100,000センチストークス)〜約1.5m
2/s(1,500,000センチストークス)の粘度を有し得る。粘度は、Dow Corning社の試験方法CTM0004、1970年7月20日に記載されているガラスキャピラリー粘度計を用いて測定することができる。好適な不溶性シリコーンとしては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物を挙げることができ、これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,017,106号に記載されている。
【0039】
その他の構成成分
液体発泡性組成物は、水が液体発泡性組成物の残部となり得るような量で、水を含むことができる。このため、液体発泡性組成物は、約50重量%〜約98重量%、約50重量%〜約80重量%、又は約70重量%〜約75重量%の水を含み得る。
【0040】
特定の実施例では、水は、低級アルキルアルコール(例えば、C
1〜C
5アルキル一価アルコール)、例えばC
2〜C
3アルキルアルコールなどのような、他の液状、水混和性、又は水溶性の溶媒を含んでもよい。しかしながら、液体脂肪族アルコールは、液体発泡性組成物の水性部分に混和性でなければならない。脂肪族アルコールは、水性部分に本来混和性であることができ、又は共溶媒又は界面活性剤の使用により混和性にすることができる。
【0041】
液体発泡性組成物はまた、かかる組成物をより化粧上又は審美的に許容される状態にするか、又はそれらに追加の利用効果を与える、様々な他の任意成分を含有してもよい。そのような従来の任意成分は当業者に周知であり得る。
【0042】
例えば、液体発泡性組成物は、アボカド油、脂肪酸、ヘキシルデカノール、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン、リンゴワックス、蜜ワックス又はホホバ油、リン脂質(例えば、レシチン又はセラミド)、ワセリン不揮発性炭化水素、及び炭化水素エステルからなる群から選択されるもの等の1つ以上の更なるコンディショニング剤も含み得る。INCI Quaternium−87(Witco(Germany)のREWOQUAT(登録商標)W 575)のようなイミダゾリジニル誘導体もまた有用であり得る。
【0043】
特定の実施例では、液体発泡性組成物は、超吸収性ポリマーを含み得る。好適な超吸収性ポリマーとしては、ポリアクリレート類(例えば、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン)及びポリアクリル酸ポリマーを挙げることができる。好適な物質は、例えば、PCT特許出願WO07/047598号、同WO07/046052号、同WO2009/155265号、及び同WO2009/155264号に記載されており、これら特許文献は全て参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、好適な超吸収性ポリマー粒子は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願WO 2006/083584号に記載されているプロセスのような、現在最先端の製造プロセスによって得ることができる。超吸収性ポリマーは、内部で架橋されてもよく(即ち、重合は、ポリマー網状組織へとフリーラジカル的に共重合され得る2つ以上の重合性基を有する化合物の存在下で行われる)、外部で表面架橋されてもよく、又は後架橋されてもよい。追加の好適な超吸収性ポリマーは、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2013/0243836号及びPCT国際出願第PCT/US2013/032922号に記載されている。
【0044】
多種多様な追加成分を、液体発泡性組成物に含ませることができる。そのような成分としては、他のコンディショニング剤(例えば、ベタイン、カルニチンエステル、クレアチン、アミノ酸、ペプチド、たんぱく質、及びビタミン類);ビタミン誘導体(例えば、酢酸トコフェニル、ナイアシンアミド、パンテノール);毛髪保持ポリマー類;洗浄性界面活性剤(例えば、アニオン性、非イオン性、両性、及び双極性界面活性剤);UVフィルター(例えば、p−メトキシケイ皮酸イソアミルエステル、親油性ケイ皮酸エステル類、サリチル酸エステル類、ベンゾフェノン類又は3−ベンジリデンカンファーの4−アミノ安息香酸誘導体又は親水性スルホン酸誘導体);酸化防止剤(例えば、トコフェロール類)、防腐剤(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びイミダゾリジニル尿素);ポリビニルアルコール;エチルアルコール;pH調整剤(例えば、クエン酸、ギ酸、グリオキシル酸、酢酸、乳酸、ピルビン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、及び炭酸ナトリウム);塩類(例えば、酢酸カリウム及び塩化ナトリウム);抗菌剤;保湿剤(例えば、ソルビトール);キレート化剤(例えば米国特許第5,487,884号(Bissetらに発行)に記載されているものなど);日焼け止め剤;剥離活性物質(例えば、米国特許第5,681,852号及び同第5,652,228号(Bissetに発行)に記載されているもの);抗しわ活性物質/萎縮防止活性物質(例えば、N−アセチル誘導体、チオール類、ヒドロキシ酸類、フェノール);皮膚鎮静剤/皮膚回復剤(例えば、パンテノール酸誘導体、アロエベラ、アラントイン);皮膚ライトニング剤(例えば、コウジ酸、アルブチン、アスコルビン酸誘導体);日焼け剤(例えば、ジヒドロキシアセトン);抗ニキビ薬剤;精油;感覚剤;着色剤;香料;金属イオン封鎖剤(例えば、エチレンジアミン4酢酸二ナトリウム);及びポリマー可塑剤(例えば、グリセリン、アジピン酸ジイソブチル(disobutyl adipate)、ステアリン酸ブチル、及びプロピレングリコール)を挙げることができる。そのような皮膚活性剤の他のそのような好適な実施例は、米国特許出願公開第2012/0009285号に記載されている。
【0045】
そのような任意成分は、一般に、特定の実施例では、液体発泡性組成物の約0.01重量%〜約10.0重量%、特定の実施形態では、液体発泡性組成物の約0.05重量%〜約5.0重量%のレベルで個別に使用され得る。
【0046】
特定の実施例では、液体発泡性組成物は、液体発泡性組成物に噴射剤が添加されたときに泡の安定化を促進するために、1種以上の増粘剤を更に含んでもよい。しかしながら、特定の実施例では、液体発泡性組成物は増粘剤を実質的に含まなくてもよい。増粘剤の非限定的な部類としては、カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、多糖類、及びガムから選択されるものが挙げられる。それぞれの好適な例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2003/0049212号に記載されている。加えて、好適な増粘剤としては、同様に参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,444,716号に記載されている水溶性ポリマーを挙げることができる。液体発泡性組成物は、約0.1重量%〜約2重量%、約0.2重量%〜約1重量%;及び約0.5重量%〜約1重量%のポリマー増粘剤を含み得る。
【0047】
B.噴射剤
様々な従来の噴射剤(例えば、ガス)を使用して、液体発泡性組成物を発泡性組成物に変換することができる。そのような噴射剤は、二酸化炭素及び亜酸化窒素を含み得る。特定の実施例では、噴射剤は、1種のみの化合物であってもよく、他の例では、噴射剤は化合物の混合物であってもよい。例えば、一実施例では、噴射剤として二酸化炭素のみを使用してもよい。特定の実施例では、噴射剤は空気を含んでもよい。噴射剤を形成するために、他の化合物を全噴射剤の最大約1重量%の量で更に含んでもよい。こうした追加噴射剤化合物としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、及びN
2Oを挙げることができる。こうした追加噴射剤化合物は、不利益を与えることなく存在し得る。特定の実施例では、発泡性組成物は、100部当たり約20部の噴射剤を含み得る。
【0048】
バルブ付き袋型システムでは、例えば、噴射剤は、噴射剤が内袋を取り囲むように容器内に保持され得る。本明細書に記載するように、バルブ付き袋型システムで使用される噴射剤は、液体発泡性組成物又は発泡性組成物との相互作用が最小限か全くなくてもよい。結果として、バルブ付き袋型システムで使用することができる噴射剤の種類は、噴射剤と液体発泡性組成物又は発泡性組成物との間の相互作用がより大きい実施例で使用される種類よりも制限が少なくあり得る。バルブ付き袋型システムに使用される好適な噴射剤としては、例えば、炭化水素類又は任意の各種の好適な噴射剤を挙げることができる。
【0049】
発泡性組成物において、二酸化炭素は、特定の実施例では、約0.5重量%〜約20.0重量%、特定の実施例では、約1.0重量%〜約3.0重量%、及び特定の実施例では、約1.5重量%〜約2.5重量%の濃度で含まれ得る。
【0050】
III.エアゾール製品
エアゾール製品は、液体発泡性組成物と、噴射剤と、パッケージとを含み得る。特定の実施例では、液体発泡性組成物及び噴射剤はパッケージの中に収納されることができ、このパッケージは容器とバルブとを含んでいてもよく、液発泡性組成物と噴射剤とが混合して泡として分配されることができるようになっている。特定の実施形態では、発泡性組成物はパッケージの中に収納され得る。
【0051】
容器は、当該技術分野において既知の任意の様々なエアゾール容器又は類似のタイプの容器であってよい。例えば、容器は、単室の容器であるか又はバリア容器であることができる。単室容器の非限定的な例としては、プラスチック製、ガラス製、アルミニウム製,又は鋼製の容器が挙げられ、これらはエポキシフェノール樹脂類、オルガノゾル類、及びポリアミドイミド類などの材料で裏打ちされていても裏打ちされていなくてもよい。かかる単室容器では、
図1に示すように、液体発泡性組成物と噴射剤とは、単室内で混合されることができる。バリア容器は、容器内で液体発泡性組成物を噴射剤から物理的に分離して保存することができる。バリア容器の非限定的な例としては、ピストン容器及びバルブ付き袋型容器を挙げることができ、これらは米国特許公開第2012/0288465号に記載されている。
【0052】
バルブは、任意の様々なエアゾールバルブであってもよく、又は同様の類似のタイプのバルブ(例えば、APTAR(登録商標)によって供給される各種バルブ)であってもよい。特定の実施例では、バルブはパウダーバルブであってもよい。パウダーバルブは、バルブシステム上に1つ以上のオリフィス(通常は1つ又は2つのオリフィス)を含むことができる。各オリフィスは、同じか又は異なるオリフィス直径を有することができ、任意の様々な形状(例えば、円形、正方形等)の形態であることができる。オリフィス直径及びオリフィス形状は共に、液体発泡性組成物に使用される粒子状物質の寸法及び形状に基づいて選択され得る。更に、パウダーバルブなどの特定のバルブは、バルブが開口位置から閉鎖位置まで動くときにオリフィス開口部をシーリングガスケットと反対方向に擦ることによって、エアゾール製品の目詰まりを防止するのに役立つことができる。好適なパウダーバルブの構成の非限定的な例は、米国特許第3,773,064号、同第5,975,378号、同第6,394,321号、及び同第8,580,725号に詳細に記載されている。
【0053】
図1は、一実施例による、バルブが取り付けられた容器110の一部を示す。バルブアセンブリ111は、概して、ディップチューブ112と、バルブハウジング114と、バルブ閉鎖用コイルバネ116と、バルブ本体118とを備えることができる。バルブ本体118は、そこから上方に延びる中空のバルブシステム120を有することができ、かつ、バルブシステム120の内側に入る少なくとも1つのオリフィス122を備えることができる。シーリングガスケット124は、ゴム又は他の好適な弾力材から作製されることができ、バルブが閉鎖位置にあるときにバルブシステム120を包囲してオリフィス122を密封することができる。ノズル128を有する作動装置126は、バルブシステム120の頂部に取り付けられて示されている。作動装置126をバネ116の力に逆らって下方に押し下げると、バルブは開口位置に移動し、オリフィス122はシーリングガスケット124の下を通ることができ、これにより、容器内の液体発泡性組成物は、噴射剤の影響によって、ディップチューブ112を通ってバルブ本体118の方へ上がり、オリフィス122を通ってバルブシステム120の中に入り、作動装置126に入った後、ノズル128を通って分配され得る。作動装置126を解放すると、バルブは閉鎖位置に戻ることができ、これにより、バネ116がバルブシステム120とオリフィス122とをシーリングガスケット124に逆らって上方に押し上げ、残りの液体発泡性組成物をバルブシステム120のオリフィス122から拭い取ることで、オリフィス122の目詰まりを防止し、液体発泡性組成物の流れを遮断しないようにすることができる。
【0054】
作動装置126は、当該技術分野で既知の任意の様々な作動装置であることができる。例えば、作動装置は、作動装置がバルブシステムと正確に整合さえすれば、前面が蝶番で連結された作動装置、背面が蝶番で連結された作動装置、又は蝶番のない作動装置であることができる。好適な蝶番で連結された作動装置の非限定的な例としては、SEAQUIST(登録商標)Perfect Dispensingから縦型容器用の商標名S30、S25、S20、及びAllegraとして、並びに転置容器用の商標名S16及びS4として入手可能なものを挙げることができる。蝶番のない作動装置類は、それらがエアゾール製品の作動中に横圧をほとんど発現しない傾向があり得ることから使用可能である。好適な蝶番のない作動装置の非限定的な例としては、Precision Valveから商標名City Spout、Hercules Spoutとして入手可能なもの、並びにSEAQUIST(登録商標)Perfect Dispensingから商標名S2として入手可能なものを挙げることができる。作動装置、バルブ、容器、並びに他の関連部品及び装備としては、例えば、APTAR(登録商標)、Precision Valve、及びSummit Packaging Systemsから入手可能なものを挙げることができる。
【0055】
別の実施例では、容器は、本明細書で述べ、
図2及び3に示されるように、バルブ付き袋型システムを備えることができる。
図2は、例えば、発泡性組成物又は液体発泡性組成物で充填され得る内袋213と、内袋213を密閉することができる外容器215とを有する容器210を備えたバルブ付き袋型システムを示している。バルブアセンブリ211は、開口位置と閉鎖位置との間で垂直に移動可能であり、内袋213に取り付けられることができる。
【0056】
バルブアセンブリ211は、ハウジング214と、バルブシステム220と、バネ216と、バルブプレート232と、内側密封部234と、外側密封部236とを含むことができる。バルブシステム220は、1つ以上の横方向開口部238を含むことができる。バネ216は、バルブシステム220の下端部240とハウジング214との間に配設されることができ、ハウジング214の上端部に配設され得るバルブプレート232に向かってバルブシステム220を上方に付勢することができる。バルブプレート232は、バルブプレート32の円周方向に延在する、2つの同軸に配置された凹部242、244を含むことができる。
図2は、内側凹部242の中心部分に設置された軸方向開口部246を示す。内側密封部234は、内側凹部242内に配置され、バルブプレート232に取り付けられることができ、バルブシステム220の横方向開口部238が、それぞれ覆われ、遮断されるようにバルブシステム220と係合するように適合され得る。外側密封部236は、バルブプレート232の第2の、即ち外側の凹部44内に配設され得る。バルブシステム220は、その中心軸部分に通路248を備えることができ、この通路248は、片側が横方向開口部238に接続され、反対側はディスペンサーキャップの対応する通路に接続可能であり得る。閉鎖位置において、ウジング214の内部空間からバルブシステム220に沿って横方向開口部238を通る流路は、内側密封部234によって遮断され得る。
【0057】
バルブアセンブリ211は、バルブアセンブリ211のハウジング214の下端が、内袋213の上縁部によって気密に被覆され得るように、内袋213の上端部に固定される。更に、内袋213及びバルブアセンブリ211は、外容器215の上端部が、バルブプレート232の外側密封部236と気密に係合することができるように、外容器215に取り付けられる。したがって、内袋213の内部及び外容器215と内袋213との間の空間は、それぞれ独立して密封されることができる。
【0058】
作動装置を有するディスペンサーキャップ(図示せず)は、作動装置がバルブステム220と係合することができるように、バルブプレート232に取り付けられることができる。作動装置をバネ216の力に逆らって下方に押し下げると、バルブアセンブリ211は開口位置に移動することができる。バルブシステム220は、静止していてもよい内側密封部234と接触しながら、内側密封部234内で移動する。内側密封部234による覆いを横方向開口部238から取り除くことができたら、バルブハウジング214から横方向開口部238まで通じる流路を開くことができる。よって、内袋213の内部とバルブハウジング214内の流路とがつながるので、内袋213に充填された発泡性組成物/液体発泡性組成物は、流路を通り、かつ、内袋213を包囲していてもよい噴射剤/圧縮ガスの圧力によってディスペンサーキャップの外へと分配されることができる。
【0059】
図3に示すように、内袋213は、平坦な側縁部250と底部折り曲げ部252とを有することができ、底部折り曲げ部252は、制御された圧潰を可能にするために、内袋213の上端部に向けられていてよい。内袋213は、底部折り曲げ部252の近くに、2つの平坦な三角形部分254を備えていてもよく、該部分はそれぞれ約45度の角度で底縁部256から側縁部250まで延在する。これにより、(
図2に示す)外容器215内の噴射剤によって内袋213が圧縮されたときに、内袋213の圧潰を更に容易にすることができる。上述したように、外容器215は、各種噴射剤又は任意の他の好適な圧縮ガスを含み得る。内袋213の内容物をできるだけ完全に、安定して吐出させるために、噴射剤の圧力は、約0.3〜約1.0MPa、又は約0.3〜約0.8MPaに設定することができる。
【0060】
内袋は可撓性であり得、任意の様々な好適な材料から製造され得る。特定の実施例では、内袋は、内袋内の噴射剤に対して本質的に不浸透性であり得る材料の層で形成することができる。特定の実施例では、保管中に組成物が混合しないことが要求され得る場合には、内袋は、袋の外側の噴射剤に対して本質的に不浸透性であり得る材料の層で形成することができる。発泡性組成物/液体発泡性組成物の特性又は任意の様々な他の理由によっては、内袋内の噴射剤と袋の外側の噴射剤とを混合するのが不適切な場合がある。しかしながら、これは、泡を分配するためのバルブがトリガされて、発泡性組成物/液体発泡性組成物を分配する際に、内袋内の噴射剤と袋の外側の噴射剤とを混合することができる可能性を否定するものではない。例えば、そのような場合には、必要に応じて、混合流路(図示せず)又は他の適切な手段を用いて、それぞれの噴射剤を混合することができる。
【0061】
IV.使用方法
発泡性組成物は、皮膚の感覚的な利益を改善するために、従来の方法で使用され得る。これは、一般に、有効量の発泡性組成物を、ユーザーの皮膚の一部に塗布することを含む。例えば、エアゾール缶又は類似の容器若しくはパッケージから発泡性組成物を分配することができ、また、ユーザーの皮膚の所望の部分に発泡性組成物を適用して擦り付けることができる。「有効量」は、例えば、リッチでクリーミーな外観及び好ましい「感触」を含み得る所望の感覚的な利益を提供するのに十分な量を指すことができる。
【0062】
特定の実施形態では、発泡性組成物は、より軽い製品に付随する迅速な吸収及び塗布の容易さを提供しながら、より重い製品に付随するリッチでクリーミーな外観並びに保湿及び保護能力を提供することができる。更に、発泡性組成物は、否定的な感覚的な体験(例えば、高粘着、高抵抗、高粘性など)に関連する特徴を低減又は排除することができる。
【0063】
V.手順
A.泡密度測定
発泡性組成物を収容している加圧ディスペンサから、容積(又は寸法)及び重量が既知の小さな円筒形のカップ状容器の中に、発泡性組成物がカップ状容器のへりより高くなり得るように、十分な泡を分配する。スパチュラなどの縁部が真っ直ぐな道具を使用し、スパチュラの縁部をカップ状容器のへりに当ててさっと動かして、平らで滑らかな表面をカップ状容器の上面と同じ高さにすることによって、余分な泡をこすり取る。発泡性組成物及び容器の重量を量り、次式を用いて泡密度を計算する。
【0065】
カップ状容器が円筒形だと仮定して、例えば、キャリパー又は類似の計量器具を用いて容器の直径及び深さを測定することによって、容器の容積を計算することができる。次に、次式を用いて容積を計算することができる。
【実施例】
【0067】
A.発明例
表1は、液体発泡性組成物の発明例の処方を示す。
【0068】
【表1】
1DC 9040:シクロペンタシロキサン(及び)ジメチコンクロスポリマー、Dow Corning Corp.
2KSG−16:ジメチコン(及び)ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、Shin−Etsu Corp.
3DC 9506:ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、Dow Corning Corp.
4KSP−105:ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、Shin−Etsu Corp.
5KSP−102:ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、Shin−Etsu Corp.
6Tospearl 120A:ポリメチルシルセスキオキサン、Momentive Corp.
7SF 1288:PEG−12ジメチコン、Momentive Corp.
8ポリアクリル酸ナトリウムデンプン
【0069】
各発明例は、水、カチオン性界面活性剤、及び脂肪族アルコールを混合し、この混合物を約80℃に加熱することによって調製され得る。液晶構造(例えば、ラメラゲル構造)が、四級アンモニウム化合物と脂肪族アルコールの混合物として形成されて、水相を乳化、安定化、及び増粘させることができる。次に、この混合物を冷却することができる。続いて、冷却したラメラゲルに残りの成分を加えることができる。以下に掲載する発明例A〜D及び比較例A〜Cのそれぞれは、従来のエアゾール缶から分配した。発明例Eは、バルブ付き袋型システムに組み込んで分配した。上で示すように、発明例A及びBは噴射剤としてN
2Oを使用し、発明例C〜EはCO
2を使用した。比較例A〜Cのそれぞれは、噴射剤としてイソブタン及びプロパンを使用した。
【0070】
【表2】
【0071】
上述したように、表2は、泡密度に関して、発泡組成物の発明例(すなわち、発明例A〜E)は、比較例(すなわち、比較例A〜C)より性能が優れていることを示している。発泡性組成物の泡密度が増加するにつれて、発泡性組成物はより硬くなり得、その結果、ユーザーが触ったときにより濃厚で、よりリッチな泡を提供することができる。
【0072】
本発明による更なる実施例を下表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0075】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい数値限定を、そのようなより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものと理解すべきである。本明細書全体を通して記載される全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、より高い数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るより狭い全ての数値範囲を、そのような狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。
【0076】
本発明の製品及び方法/プロセスは、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載されるいかなる追加若しくは任意の成分、構成要素、工程、又は制限事項をも含み、これらからなり、或いは、これらから本質的になることができる。
【0077】
あらゆる相互参照又は関連する特許又は出願を含む、本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の形で限定されない限り、参照によりその全容を本明細書に援用するものとする。いずれの文献の引用も、その文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを認めるものではなく、又はその文献が単独で、或いは任意のその他の参照文献との任意の組み合わせにおいて、かかる発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示することを認めるものでもない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と競合する程度に、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0078】
本発明の特定の実施例を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。