(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
身体の頭部に着用されるように構成された頭部ガーメント部分であって、1つまたは複数の頭部圧力付与領域を備え、さらに前記1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々が、前記頭部の一部に圧力を加えるように制御可能である頭部ガーメント部分と、
リンパ液を少なくとも前記身体の前記頭部から首に向かって移動させるために、前記1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々によって加えられる圧力を制御するように構成されたコントローラとを備え、
前記身体の首に着用されるように構成された首ガーメント部分をさらに備え、前記首ガーメント部分が、1つまたは複数の首圧力付与領域を備え、さらに前記1つまたは複数の首圧力付与領域の各々が、前記首の一部に圧力を加えるように制御可能であり、前記コントローラが、リンパ液を少なくとも前記頭部から前記首に向かって移動させるために、前記1つまたは複数の首圧力付与領域の各々によって加えられる圧力を制御するように構成され、
前記頭部ガーメント部分が、前記身体の前記頭部の顎の下に近接して位置決め可能な顎下ガーメント部分を備え、前記顎下ガーメント部分が、前記顎の下の一部に圧力を加えるように構成可能である、圧迫ガーメントシステム。
前記1つまたは複数の首圧力付与領域が、前記1つまたは複数の頭部圧力付与領域が前記頭部の前記一部に圧力を加えるように制御された後、前記首の前記一部に圧力を加えるように制御可能である、請求項1に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記首ガーメント部分が、前記身体の前記首の右側部分に近接して位置決め可能な第1の首ガーメント部分と、前記身体の前記首の左側部分に近接して位置決め可能な第2の首ガーメント部分とを備え、前記第1の首ガーメント部分の1つまたは複数の首圧力付与領域が、前記第2の首ガーメント部分の1つまたは複数の首圧力付与領域とは別個である、請求項1又は2に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記頭部ガーメント部分が、前記身体の前記頭部の右頬に近接して位置決め可能な右頬ガーメント部分と、前記身体の前記頭部の左頬に近接して位置決め可能な左頬ガーメント部分とを備え、前記右頬ガーメント部分及び前記左頬ガーメント部分が、1つまたは複数の頬圧力付与領域を備え、前記1つまたは複数の頬圧力付与領域が、左頬及び右頬の一部に圧力を加えるように制御可能である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記顎下ガーメント部分が、前記身体の頭部に前記頭部ガーメント部分を着用する際に使用するように構成された1つまたは複数の顎下接続要素を備え、前記頭部ガーメント部分が、前記身体の前記頭部の右頬に近接して位置決め可能な右頬ガーメント部分と、前記身体の前記頭部の左頬に近接して位置決め可能な左頬ガーメント部分とを備え、前記1つまたは複数の顎下接続要素が、前記右頬ガーメント部分と、前記左頬ガーメント部分を接続するように構成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記頭部ガーメント部分が、前記身体の後頭部に近接して位置決め可能な後頭部ガーメント部分を備え、前記後頭部ガーメント部分が、前記後頭部の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の後頭部圧力付与領域を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記顎下ガーメント部分が、前記顎の下の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の顎下圧力付与領域を備え、前記1つまたは複数の顎下圧力付与領域、前記1つまたは複数の頬圧力付与領域及び前記1つまたは複数の後頭部圧力付与領域が、前記顎の下の前記一部から前記頬の前記一部に向けて、前記頬の前記一部から前記後頭部の前記一部に向けて、及び前記後頭部の前記一部から前記身体の前記首の前記一部に向けてのうちの少なくとも1つによってリンパ液を移動させるように構成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記頭部ガーメント部分が、前記身体の前記頭部の鼻梁に近接して位置決め可能な1つまたは複数の鼻接続要素を備え、前記1つまたは複数の鼻接続要素が、前記右頬ガーメント部分と、前記左頬ガーメント部分を接続するように構成される、請求項5〜8のいずれか一項(請求項7又は8に従属する場合においては、少なくとも請求項5又は6の発明特定事項を含む場合に限る)に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記頭部ガーメント部分が、前記身体の前記頭部の額に近接して位置決め可能な額ガーメント部分を備え、前記額ガーメント部分が、前記身体の前記頭部に前記頭部ガーメント部分を着用する際に使用するように構成された1つまたは複数の額接続要素を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々及び/又は前記1つまたは複数の首圧力付与領域の各々が、流体を収容するように構成された1つまたは複数の小室を備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記1つまたは複数の頭部圧力付与領域の少なくとも一部が弓形形状を画定する、及び/又は、前記1つまたは複数の首圧力付与領域の少なくとも一部が弓形形状を画定する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記身体の胴体に近接して位置決め可能な胴体ガーメント部分をさらに備え、前記胴体ガーメント部分が、前記胴体の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の胴体圧力付与領域を備え、前記コントローラが、リンパ液を少なくとも前記頭部から前記首に、前記首から前記胴体に向けて移動させるために、前記1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々及び前記1つまたは複数の胴体圧力付与領域の各々によって加えられる圧力を制御するように構成される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の圧迫ガーメントシステム。
前記身体の胴体に近接して位置決め可能な胴体ガーメント部分をさらに備え、前記胴体ガーメント部分が、前記胴体の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の胴体圧力付与領域を備え、前記首ガーメント部分と、前記胴体ガーメント部分が合わせて結合される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の圧迫ガーメントシステム。
【背景技術】
【0003】
例えばリンパ浮腫、浮腫、傷の治療などのために様々なタイプの圧迫ガーメントを利用することができる。例えばガーメントは、患者に治療を提供するために膨らますことができる小室(または他の作動可能要素)を含む場合があり、ヒトまたは動物の任意の身体の一部の周りに位置決めされてよい。具体的には、ガーメントは、リンパ液の蓄積が原因でむくみを呈し、かつガーメントによって提供される圧迫治療から利益を得ることになる身体の一部の周りに位置決めされてよい。例えばそのような小室は、リンパ液を特定の領域から別の領域に移動させることによって患者に治療を提供するために様々な順序での1つまたは複数の異なる圧力に対して膨張可能であってよい。換言すると、そのような圧迫ガーメントは、病気に冒された末端部分において身体に圧力を加える際に使用するために、個人の身体の少なくとも一部を囲むように配置されてよい。このような圧迫ガーメントは、患者自身でまたは他の人の助けを借りて、着たり(例えば身につける)脱いだり(例えば取り去る)することができる。
【0004】
本明細書に記載される一例の圧迫ガーメントシステムは、身体の頭部に着用されるように構成された頭部ガーメント部分と、身体の首に着用されるように構成された首ガーメント部分と、コントローラとを含んでよい。頭部ガーメント部分は、1つまたは複数の頭部圧力付与領域を含んでよく、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々は、頭部の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。首ガーメント部分は、1つまたは複数の首圧力付与領域を含んでよく、1つまたは複数の首圧力付与領域の各々は、首の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。コントローラは、リンパ液を少なくとも頭部から首に向かって移動させるために、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々及び1つまたは複数の首圧力付与領域の各々によって加えられる圧力を制御するように構成されてよい。
【0005】
1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の首圧力付与領域は、1つまたは複数の頭部圧力付与領域が頭部の一部に圧力を加えるように制御された後、首の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、リンパ液を少なくとも頭部から首に向かって、かつそこから下方に移動させるために、1つまたは複数の首圧力付与領域は、首の一部に圧力を加えるように制御可能であってよく、1つまたは複数の頭部圧力付与領域は、頭部の一部の圧力を加えるように制御可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、首ガーメント部分は、気管に隣接する身体の首の前面部分に近接して開放領域を画定する場合がある。
【0006】
1つまたは複数の実施形態において、首ガーメント部分は、身体の首の右側部分に近接して位置決め可能な第1の首ガーメント部分と、身体の首の左側部分に近接して位置決め可能な第2の首ガーメント部分とを含んでよい。第1の首ガーメント部分は、第2の首ガーメント部分の圧力付与領域とは別個の圧力付与領域を含んでよい。いくつかの実施形態において、コントローラは、第1の首ガーメント部分によって加えられる圧力と、第2の首ガーメント部分によって加えられる圧力を交互に制御するように構成されてよい(例えば圧力は、第1の首ガーメント部分と、第2の首ガーメント部分に交互に加えられる)。他の実施形態において、コントローラは、第1の首ガーメント部分によって加えられる圧力と、第2の首ガーメント部分によって加えられる圧力を同時に制御するように構成されてよい(例えば圧力は、第1の首ガーメント部分と、第2の首ガーメント部分に同時に加えられる)。1つまたは複数の実施形態において、第1の首ガーメント部分は、身体の首の右側と右背面側に近接して位置決め可能であってよく、第2の首ガーメント部分は、身体の首の左側と左背面側に近接して位置決め可能であってよい。
【0007】
1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分は、身体の頭部の右頬に近接して位置決め可能な右頬ガーメント部分と、身体の頭部の左頬に近接して位置決め可能な左頬ガーメント部分とを含んでよい。右頬ガーメント部分及び左頬ガーメント部分は、1つまたは複数の頬圧力付与領域を含んでよく、1つまたは複数の頬圧力付与領域は、頬の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分は、身体の頭部の顎の下に近接して位置決め可能な顎下ガーメント部分を含んでよい。顎下ガーメント部分は、顎の下の一部に圧力を加えるように構成可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、顎下ガーメント部分は、顎の下の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の顎下圧力付与領域を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、顎下ガーメント部分は、身体の頭部に頭部ガーメント部分を着用する際に使用するように構成された1つまたは複数の顎下接続要素を含んでよい。1つまたは複数の顎下接続要素は、右頬ガーメント部分と、左頬ガーメント部分を接続するように構成されてよい。
【0008】
1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分は、身体の後頭部に近接して位置決め可能な後頭部ガーメント部分を含んでよい。後頭部ガーメント部分は、後頭部の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の後頭部圧力付与領域を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の顎下圧力付与領域、1つまたは複数の頬圧力付与領域、1つまたは複数の後頭部圧力付与領域及び1つまたは複数の首圧力付与領域は、リンパ液を、例えば顎の下の一部から頬の一部に向けて、頬の一部から後頭部の一部に向けて、及び/または後頭部の一部から首の一部に向けて移動させるように構成されてよい。
【0009】
1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分は、身体の頭部の鼻梁に近接して位置決め可能な1つまたは複数の鼻接続要素を含んでよい。1つまたは複数の鼻接続要素は、右頬ガーメント部分と、左頬ガーメント部分を接続するように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分は、身体の頭部の額に近接して位置決め可能な額ガーメント部分を含んでよい。額ガーメント部分は、身体の頭部に頭部ガーメント部分を着用する際に使用するように構成された1つまたは複数の額接続要素を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、額ガーメント部分は、額の一部に圧力を加えるように構成可能であってよい。
【0010】
1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域及び首圧力付与領域の各々は、流体(例えば空気)を収容するように構成された1つまたは複数の小室を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々は、頭部の一部に圧力を加えるように構成された1つまたは複数の頭部作動可能要素を含んでよく、1つまたは複数の首圧力付与領域の各々は、首の一部に圧力を加えるように構成された1つまたは複数の首作動可能要素を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の少なくとも一部は、弓形の形状を画定する場合がある、及び/または1つまたは複数の首圧力付与領域の少なくとも一部は、弓形の形状を画定する場合がある。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分と、首ガーメント部分は合わせて結合される。
【0011】
1つまたは複数の実施形態において、圧迫ガーメントシステムはまた、身体の胴体に近接して位置決め可能な胴体ガーメント部分を含んでよい。胴体ガーメント部分は、胴体の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の胴体圧力付与領域を含んでよい。コントローラは、リンパ液を少なくとも頭部から首、首から胴体に移動させるために、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々、1つまたは複数の首圧力付与領域の各々及び1つまたは複数の胴体圧力付与領域の各々によって加えられる圧力を制御するように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分と、胴体ガーメント部分は、合わせて結合されてよい、及び/または首ガーメント部分と、胴体ガーメント部分は合わせて結合されてよい。1つまたは複数の実施形態において、胴体ガーメント部分は、胴体の右の脇の下の領域に近接して位置決め可能な右の腋窩ガーメント部分と、胴体の左の脇の下の領域に近接して位置決め可能な左の腋窩ガーメント部分とを含んでよい。右の腋窩ガーメント部分及び左の腋窩ガーメント部分は、1つまたは複数の腋窩圧力付与領域を含んでよく、1つまたは複数の腋窩圧力付与領域は、右の脇の下の領域及び左の脇の下の領域の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。
【0012】
本明細書に記載される圧迫の一例の方法は、身体の少なくとも一部にガーメントを着用することを含んでよい。ガーメントは、頭部ガーメント部分と、首ガーメント部分とを含んでよい。頭部ガーメント部分は、1つまたは複数の頭部圧力付与領域を含んでよく、首ガーメントは1つまたは複数の首圧力付与領域を含んでよい。1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々は、身体の頭部の一部に圧力を加えるように制御可能であってよく、1つまたは複数の首圧力付与領域の各々は、身体の首の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。方法はまた、リンパ液を少なくとも首に向かって移動させるために、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々によって身体の頭部に加えられる圧力を制御することを含んでよい。方法はさらに、リンパ液を少なくとも首に向かって下方に移動させるために、1つまたは複数の首圧力付与領域の各々によって身体の首に加えられる圧力を制御することを含んでよい。
【0013】
1つまたは複数の実施形態において、方法はまた、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々によって身体の頭部に圧力を加え、その後1つまたは複数の首圧力付与領域の各々によって身体の首に圧力を加えることを含んでよい(例えばそのような身体の頭部及び身体の首への圧力の付与は繰り返すことができる)。1つまたは複数の実施形態において、首ガーメント部分は、身体の首の右側部分に近接して位置決め可能な第1の首ガーメント部分と、身体の首の左側部分に近接して位置決め可能な第2の首ガーメント部分とを含んでよい。第1の首ガーメント部分は、第2の首ガーメント部分の圧力付与領域とは別個の圧力付与領域を含んでよい。方法は、第1の首ガーメント部分の1つまたは複数の首圧力付与領域の各々によって加えられる圧力と、第2の首ガーメント部分の1つまたは複数の首圧力付与領域によって加えられる圧力を交互に制御することをさらに含んでよい(例えば圧力は、第1の首ガーメント部分と第2の首ガーメント部分によって交互に加えられる)。
【0014】
1つまたは複数の実施形態において、ガーメントは、身体の胴体に近接して位置決め可能な胴体ガーメント部分を含んでよい。胴体ガーメントは、胴体の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の胴体圧力付与領域を含んでよい。方法はまた、1つまたは複数の胴体圧力付与領域の各々によって身体の胴体に加えられる圧力を制御することを含んでよい(例えば身体の頭部への、身体の首への、及び身体の胴体への圧力の付与は繰り返すことができる)。
【0015】
本明細書に記載される一例の圧迫ガーメントシステムは、身体の頭部に着用されるように構成された頭部ガーメント部分と、コントローラとを含んでよい。頭部ガーメント部分は、1つまたは複数の頭部圧力付与領域を含んでよく、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々は、頭部の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。コントローラは、リンパ液を少なくとも身体の頭部から首に向かって移動させるために1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々によって加えられる圧力を制御するように構成されてよい。
【0016】
1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分は、身体の頭部の右頬に近接して位置決め可能な右頬ガーメント部分と、身体の頭部の左頬に近接して位置決め可能な左頬ガーメント部分とを含んでよい。右頬ガーメント部分及び左頬ガーメント部分は、1つまたは複数の頬圧力付与領域を含んでよく、1つまたは複数の頬圧力付与領域は、頬の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分は、身体の頭部の顎の下に近接して位置決め可能な顎下ガーメント部分を含んでよい。顎下ガーメント部分は、顎の下の一部に圧力を加えるように構成可能であってよい(例えばそのような圧力を加えるために流体を収容するための1つまたは複数の小室を含んでよい)。1つまたは複数の実施形態において、顎下ガーメント部分は、顎の下の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の顎下圧力付与領域を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、顎下ガーメント部分は、身体の頭部に頭部ガーメント部分を着用する際に使用するように構成された1つまたは複数の顎下接続要素を含んでよい。1つまたは複数の顎下接続要素は、右頬ガーメント部分と、左頬ガーメント部分を接続するように構成されてよい。
【0017】
1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分は、身体の後頭部に近接して位置決め可能な後頭部ガーメント部分を備える。後頭部ガーメント部分は、後頭部の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の後頭部圧力付与領域を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の下顎圧力付与領域、1つまたは複数の頬圧力付与領域及び1つまたは複数の後頭部圧力付与領域は、リンパ液を、例えば顎の下の一部から頬の一部に向かって、頬の一部から後頭部の一部に向かって、及び/または後頭部の一部から身体の首に向かって移動させるように構成されてよい。
【0018】
1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分は、身体の頭部の鼻梁に近接して位置決め可能な1つまたは複数の鼻接続要素を含んでよい。1つまたは複数の鼻接続要素は、右頬ガーメント部分と、左頬ガーメント部分を接続するように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分は、身体の頭部の額に近接して位置決め可能な額ガーメント部分を含んでよい。額ガーメント部分は、身体の頭部に頭部ガーメント部分を着用する際に使用するように構成された1つまたは複数の額接続要素を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、額ガーメント部分は、額の一部に圧力を加えるように構成可能であってよい。
【0019】
1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々は、流体を収容するように構成された1つまたは複数の小室を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々は、頭部の一部に圧力を加えるように構成された1つまたは複数の頭部作動可能要素を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の少なくとも一部は、弓形を画定する場合がある。
【0020】
1つまたは複数の実施形態において、圧迫ガーメントシステムはまた、身体の胴体に近接して位置決め可能な胴体ガーメント部分を含んでよい。胴体ガーメント部分は、胴体の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の胴体圧力付与領域を含んでよい。コントローラは、リンパ液を少なくとも頭部から首、首から胴体に移動させるために、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々及び1つまたは複数の胴体圧力付与領域の各々によって加えられる圧力を制御するように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分と、胴体ガーメント部分は、合わせて結合されてよい。1つまたは複数の実施形態において、胴体ガーメント部分は、胴体の右の脇の下の領域に近接して位置決め可能な右の腋窩ガーメント部分と、胴体の左の脇の下の領域に近接して位置決め可能な左の腋窩ガーメント部分を含んでよい。右の腋窩ガーメント部分及び左の腋窩ガーメント部分は、1つまたは複数の腋窩圧力付与領域を含んでよく、1つまたは複数の腋窩圧力付与領域は、右の脇の下の領域及び左の脇の下領域の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。
【0021】
上記の概説は、本開示の各々の実施形態または全ての実装形態を説明することは意図されていない。より完全な理解は、添付の図面と併せて利用される以下の詳細な記載及びクレームを参照することによって明白になり、正当に評価されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0023】
例示の実施形態の以下の詳細な記載において、添付の図面の図が参照されており、これらの図はこの文書の一部を形成しており、また例示の目的で、実施され得る特定の実施形態がそこに示されている。その他の実施形態が利用される場合もあり、本明細書に提示される開示の範囲から逸脱することなく(例えばなおもその範囲内にある)、構造上の変更が行われる場合があることを理解されたい。
【0024】
一例の装置、システム、構造及び方法が
図1〜
図14を参照して説明される。一実施形態からの要素は、他の実施形態の要素と組み合わせて使用される場合があること、ならびに本明細書に記載される特徴の組み合わせを利用するそのような装置及びシステムの可能な実施形態は、図面に示される及び/または本明細書に記載される特定の実施形態に限定されないことは当業者に明らかであろう。さらに、本明細書に記載される実施形態は、必ずしも縮尺通りではない多くの要素を含む場合があることが認識されるであろう。さらに、本明細書の種々の要素のサイズ及び形状は修正される場合があるが、それでもなおそれらは本開示の範囲内にあり、但し要素の特定の1つまたは複数の形状及び/またはサイズあるいは種類が他のものに対して有利である場合があることを認識されたい。
【0025】
本開示は一般に、身体(例えばヒト、動物など)の少なくとも一部に着用されるように構成され、身体のその部分に圧力を加えるように構成されたガーメント部分を含む圧迫ガーメント、身体の少なくとも一部に加えられる圧力を制御するための器具を含む圧迫ガーメントシステム、ならびにそのような圧迫ガーメント及び圧迫ガーメントシステムを利用する方法(例えばガーメントを着用する方法、身体に加えられる圧力を制御する方法、静圧及び/または動圧を加える方法など)に関する。
【0026】
圧迫ガーメントシステム(「Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,179,796号、「Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,645,165号、「Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,860,862号及び「Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,966,884号に記載される圧迫ガーメントなどであり、これらは参照により本明細書に組み込まれており、いくぶん修正される場合があり、また本明細書に記載される特徴によって修正される場合がある)は、リンパ浮腫を持つ人々のための治療、動物が必要とする治療、傷の治療などを含め様々な理由のために使用されてよい。本明細書で使用される際、身体という用語は、ヒトのみではなく、本明細書に記載される概念及び特徴から利益を得る可能性のある任意の他の動物種も指している。このような圧迫ガーメントは、個人の身体の少なくとも一部を囲むように配置され、病気に冒された末端部分において(例えば頭部、首、腕、胴体、肩など)身体に圧力を加えるのに使用されてよい。本明細書に記載される一部の実施形態は、身体の少なくとも一部(例えばヒトの身体、腕、胴体、肩、頭部、首など)に位置決めされるように(例えばその周りに巻き付けられる、隣合わせに配置される、近接して位置決めされるなど)構成されたガーメントを有する圧迫システムを含んでよい。圧迫ガーメントは、個人自身で、または他の人の助けを借りて着たり(例えば身につける)脱いだり(例えば取り去る)ことができる。ガーメントはまた、圧迫治療を行うために流体(例えば空気)を収容するように構成された、ガーメントの長さに沿って分散される1つまたは複数の小室(例えば仕切り)を含んでよい。
【0027】
圧迫ガーメントシステムによって提供される圧迫治療は、リンパ浮腫を治療するのに役立つ場合がある。リンパ浮腫は、遺伝によるもの、癌の治療によって生じる、寄生虫感染によって生じる可能性のある局所的な体液貯留及び組織の膨張の特定の症状である。例えば頭部及び首のリンパ浮腫は、頭部、首、下顎骨下領域、頬、鼻、まぶたなどの周囲で膨張を引き起こす場合がある。頭部及び首を覆う本明細書に記載される圧迫ガーメントは、病気に冒された個人によって使用されることで治療上の利点を提供することができる。具体的には、圧迫ガーメントは、リンパ液をより有利な場所に向けて(例えば排液領域に向けて、病気に冒された領域から離れるようになど)移動させるために、圧力を加えることによってリンパ節またはリンパ管を上手く扱うように構成されてよい。例えば本明細書に記載されるシステムを用いる圧迫治療が頭部及び首の領域の周りで行われることで、例えばリンパ液を胴体に向けて移動させることによって頭部及び首の領域におけるリンパ浮腫を治療するのに役立つ場合がある。
【0028】
本明細書に記載される圧迫ガーメントは、身体の病気に冒された領域に圧力を加えることで圧迫治療を適用するように構成されてよい。圧迫ガーメントは、各々が制御可能な圧力付与領域を含む種々の部分を含んでよい。各々制御可能な圧力付与領域は、身体の特定の部分に圧力を加える(例えば治療における特定の時間に)ように構成されてよい。制御可能な圧力付与領域は互いと組み合わせて作用することで、リンパ液を所望される方向に(例えば頭部から首に向かって、首から胴体に向かってなど)移動させる、身体に対して一連の圧力を加えることによって治療を提供するのに役立つ場合もある。リンパ液を移動させる一連の圧力を身体に対してそのように付与することは(例えば圧力は、圧迫治療中の異なる時間に頭部及び首の1つまたは複数の部分に加えられる)、身体に対して動的な圧力を加えることを指す場合がある。
【0029】
圧迫ガーメントの制御可能な圧力付与領域はまた、身体に静圧を加える場合もある。例えば圧迫ガーメントは、ガーメントの一部が、身体に位置決めされる際、治療の時間にわたって一定の圧力(例えば治療時間の全体にわたる静圧)を加える場合がある、あるいは治療の時間の中で経時的に変化するように制御され得る圧力(例えば動的な圧力)を加える場合もある。1つまたは複数の実施形態において、動圧は、圧迫ガーメント内の1つまたは複数の小室を介して身体のその部分に加えられてよい。1つまたは複数の小室は、流体を収容するように構成されてよい。あるいは、または1つまたは複数の収容小室と組み合わせて、そのような圧力は、身体に圧力を加えるように構成された圧迫ガーメント内の1つまたは複数の作動可能要素(例えば圧迫を提供するのに適した電気制御される物質)を利用して加えられる場合もある。
【0030】
身体(例えば
図2A〜
図2Cに示されるようなヒトの身体10)の少なくとも一部を囲むように位置決めされるように構成されたガーメント101(例えば圧迫ガーメント)を含む一例の圧迫ガーメントシステム100が、
図1A〜
図1Bに示されている。ガーメント101は、多様な異なる方法で身体に対して(例えば
図2A〜
図2Cに示されるように頭部14、首11、身体の前面部分10、身体の背面部分10、額15、顎下18、左頬16と右頬17、胴体20など)位置決めされてよい。例えば
図1A〜
図1Bに示されるように、ガーメント101は、身体の頭部、首及び胴体を囲むように位置決めされる。1つまたは複数の実施形態において、ガーメント101は、腕、ウエスト、脚または身体の任意の他の部分を覆う場合もある。
【0031】
図1A〜
図1Bに示されるように、ガーメント101は、身体の頭部、首及び胴体に位置決めされる。他の実施形態においてガーメント101は、身体の頭部及び首に位置決めされた部分のみを含む場合もある。さらに他の実施形態では、ガーメント101は、身体の頭部に位置決めされた部分のみを含む場合もある。ガーメント101は、頭部に近接して位置決めされる頭部ガーメント部分120と、首に近接して位置決めされる首ガーメント部分110とを含んでよい。
【0032】
1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120と、首ガーメント部分110は、互いに結合されてよい。例えば頭部ガーメント部分120と、首ガーメント部分110は、身体の背面において、身体の前面において、頭部ガーメント部分120と、首ガーメント部分110が交差する部分に沿ってなどで互いに結合されてよい。さらに1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120と、首ガーメント部分110は、頭部ガーメント部分120と首ガーメント部分110が交差する部分全体(例えばこの場合そのような部分は互いの隣にある)に沿って、またはその一部にのみに沿って(例えばガーメントがユーザの身体に合うように曲がり適合するために結合領域に開口部を残して)互いに対して結合される場合もある。
【0033】
ガーメント101はまた、身体の胴体に近接して位置決めされるように構成された胴体ガーメント部分140を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、胴体ガーメント部分140は、首ガーメント部分110に結合可能であってよい(例えば胴体ガーメント部分140は、頭部ガーメントまたは頭部及び首ガーメントとは別個であってよい、例えば面ファスナー式の留め具などを利用して、頭部ガーメントまたは頭部及び首ガーメントに取り外し可能に結合可能である場合もある)。例えば胴体ガーメント部分140と、首ガーメント部分110は、身体の背面において、身体の前面において、及び胴体ガーメント部分140と首ガーメント部分110が交差する部分に沿ってなどで互いに結合されてよい。さらに1つまたは複数の実施形態において、胴体ガーメント部分140と、首ガーメント部分110は、胴体ガーメント部分140と首ガーメント部分110が交差する部分全体(例えばこの場合そのような部分は互いの隣にある)に沿って、またはその一部にのみに沿って(例えばガーメントがユーザの身体に合うように曲がり適合するために結合領域に開口部を残して)互いに対して結合される場合もある。
【0034】
図1A〜
図1Bに示されるように、ガーメント101はまた、ガーメント101が身体に位置決めされる際、首の前面部分に近接して、かつ気管と隣合わせに首ガーメント部分110と、胴体ガーメント部分140の間に開放領域115を含んでよい。開放領域115は、ガーメント101を着用する個人の気道に近づくことを可能にすることができる。
【0035】
ガーメント101は、ガーメント101の領域に配置された圧力付与領域(例えば
図3〜
図7に示されるように)を含んでよい。圧力付与領域の各々は、身体の一部に圧力を加えるように制御可能または構成可能であってよい。例えば頭部ガーメント部分120は、頭部の1つまたは複数の部分(例えば額、頬、顎の下、後頭部に)に圧力を加えるように制御可能または構成可能である頭部圧力付与領域を含んでよく、首ガーメント部分110は、首の1つまたは複数の部分(例えば背面の首の領域、側面の首の領域など)に圧力を加えるように制御可能または構成可能である首圧力付与領域を含んでよく、胴体ガーメント部分140は、胴体の1つまたは複数の部分(例えば各脇の下胴体の領域、前面の胴体、背面の胴体など)に圧力を加えるように制御可能または構成可能である胴体圧力付与領域を含んでよい。
図1A〜
図1Bに示されるように、ガーメント101は、圧力付与領域を覆う外側材料を含んでよい。
【0036】
頭部ガーメント部分120は、身体の頭部に着用されるように構成されてよい。換言すると、頭部ガーメント部分120は、身体の頭部に位置決めされ、そこに固定されてよい(例えば鼻を横切る留め具、額を横切る留め具、顎の下の留め具、頭部の頂部を覆う留め具などを利用して固定される)。例えばそのような取り付け具は、特定のガーメントを異なるサイズ及び形状の身体の部分と共に使用するために調節することを可能にすることができる。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120は、後頭部から前頭部へと身体の頭部の両側を囲むように位置決めされるように構成されるように記載されてよい。
【0037】
頭部ガーメント部分120は、後頭部ガーメント部分128と、右側の頭部ガーメント部分134と、左側の頭部ガーメント部分136とを含んでよい。後頭部ガーメント部分128は、身体の後頭部に近接して位置決め可能であってよい。右側の頭部ガーメント部分134は、後頭部ガーメント部分128から延び、後頭部から前頭部へと頭の右側に位置決め可能であってよい(例えばその周りに巻き付けられる)。左側の頭部ガーメント部分136は、後頭部ガーメント部分128から延び、後頭部から前頭部へと頭の左側に位置決め可能であってよい(例えばその周りに巻き付けられる)。後頭部ガーメント部分128、右側の頭部ガーメント部分134及び左側の頭部ガーメント部分136(またはそのような部分の各々)は、後頭部、頭の右側及び頭の左側に圧力を加えるように構成可能または制御可能な圧力付与領域(例えばそのような部分の各々に対応付けられた身体の領域に対して圧迫を適用するための1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々、ガーメントの1つまたは複数の部分に対応する身体の1つまたは複数の領域に対して圧迫を適用するための1つまたは複数の頭部圧力付与領域)を含んでよい。
【0038】
頭部ガーメント部分120はまた、右頬ガーメント部分122と、左頬ガーメント部分124とを含んでよい。右頬ガーメント部分122は、頭部の右頬に近接して位置決め可能であってよく、左頬ガーメント部分124は、頭部の左頬に近接して位置決め可能であってよい。右頬ガーメント部分122及び左頬ガーメント部分124の各々は、頬の一部に圧力を加えるように構成可能または制御可能であり得る圧力付与領域(例えば1つまたは複数の頬圧力付与領域)を含んでよい。頭部ガーメント部分120はまた、顎下ガーメント部分125を含んでよい。顎下ガーメント部分125は、顎の下の一部(例えば「首のたるみ」領域)に圧力を加えるように構成可能であり得る圧力付与領域(例えば1つまたは複数の顎下圧力付与領域)を含んでよい。
【0039】
頭部ガーメント部分120は、様々な異なる方法で身体の頭部に着用されてよい。例えば頭部ガーメント部分120の一部は、多様な異なるストラップまたは接続要素を利用して頭部ガーメント部分120の他の部分に装着されてよい。任意の好適な接続具が、頭部ガーメント部分120または本明細書に記載される任意の他のガーメント部分を着用するのに使用されてよく、例えば可撓性または剛性の接続要素、面ファスナー、ガーメントに接続されたストラップ、追加のまたは別個の接続ガーメント要素またはストラップ、嵌め合いフック、身体の一部(例えば鼻の鼻梁など)に対して形成されるように成形された要素などである。
【0040】
このようなストラップ及び接続要素は、頭部ガーメント部分120の一部(例えば圧力付与領域に対応付けられた面)を身体の表面に近づけて維持することができることで、例えば流体が圧力付与領域の小室に提供される際に、頭部ガーメント部分120が身体の特定の部分(例えば頬、顎の下、額、こめかみ)に効果的に圧力を加えることができる。換言すると、ストラップまたは接続要素は、圧力付与領域を利用して圧力が加えられる際に(例えば流体が圧力付与領域の小室に提供される際など)、頭部ガーメント部分120が身体の一部の表面から離れて移動するのを阻止するのを助けることができ、その代わりに、例えば身体の一部の近くに留まらせることで圧力を効果的に加えることができる。様々なストラップまたは接続要素が、圧力が加えられる際、ガーメント部分を身体から離れて移動しないように維持することで、ガーメントの縁部の圧力付与領域でさえ(例えば圧力を均等に加えるための)そのような縁部(例えば頭部の頬に近接するガーメントの縁部、頭部の顎の付近のガーメントの縁部、顎の下の付近のガーメントの縁部、頭部のこめかみの付近のガーメントの縁部など)に隣接する身体の領域に圧力を加える間、所定の場所に維持される。
【0041】
例えば頭部ガーメント部分120は、顎下ガーメント部分125、1つまたは複数の鼻接続要素130、額ガーメント部分132、頭頂部ストラップ137及び後頭部ストラップ138を含んでよく、これらの各々は、頭部ガーメント部分120を所定の場所に維持するためにストラップまたは接続要素として作用することができる。顎下ガーメント部分125は、右頬ガーメント部分122と、左頬ガーメント部分124を接続するように構成された1つまたは複数の顎下接続要素127を含んでよい。1つまたは複数の顎下接続要素127はまた、身体の頭部に頭部ガーメント部分120を着用する際に使用するように構成されてよい(例えば頭部ガーメント部分120を所定の場所で頭部に締め付ける)。換言すると、頭部ガーメント部分120を頭部に着用するのを助けるために、頭部ガーメント部分120が頭部に位置決めされる際、1つまたは複数の顎下接続要素127は、右頬ガーメント部分122と、左頬ガーメント部分124を互いに近づけるように引っ張ることができる。
【0042】
1つまたは複数の鼻接続要素130は、頭部の鼻梁に近接して位置決め可能であり、例えば頭部ガーメント部分120を頭部に近接して、かつ右頬ガーメント部分122及び左頬ガーメント部分124を頬の表面に近接して維持するために、右頬ガーメント部分122と、左頬ガーメント部分124を接続するように構成されてよい。例えば1つまたは複数の鼻接続要素130は、頭部の鼻梁の面に隣接して位置決めされるように成形された剛性の部分を含んでよい(例えばこの剛性の部分は、1つまたは複数の可撓性の部分によって右頬ガーメント部分122及び左頬ガーメント部分124に接続されてよい)。
【0043】
額ガーメント部分132は、頭部の額に近接して位置決め可能であってよい。額ガーメント部分132は、頭部ガーメント部分120を頭部に着用する際に使用するように構成され得る1つまたは複数の額接続要素を含んでよい。換言すると、1つまたは複数の額接続要素は、頭部ガーメント部分120を身体の頭部に位置決めする(例えば固定する)ために、頭部ガーメント部分120の一部を頭部ガーメント部分120の別の部分に近づけるように引っ張ることができる。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120は、頭頂部に近接して位置決めされ、頭部ガーメント部分120を頭部に着用するのを助けるように構成された1つまたは複数のストラップを含んでよい。例えば頭頂部ストラップ137及び後頭部ストラップ138は、頭の頂部と、後頭部にそれぞれ近接して位置決めされてよく、頭部ガーメント部分120を頭部に着用するのを助けることができる。1つまたは複数の実施形態において、頭頂部ストラップ137及び後頭部ストラップ138は、頭の頂部全体を覆う場合もある。
図1A〜
図1Bに示されるように頭部ガーメント部分120は、頭の頂部に近接して、例えば頭頂部ストラップ137と後頭部ストラップ138の間に頭部開放領域135を画定する。
【0044】
頭部ガーメントの圧力付与領域が、頭部の所望される領域に隣接して適切に位置決めされ、圧力が動的にまたは静的に加えられる際、位置決めされたまま維持されるように、頭部ガーメントの異なる部分を接続するのに任意の数のストラップまたは接続要素が使用される場合があることが認識されるであろう。
【0045】
頭部ガーメント部分120に結合された首ガーメント部分110が、
図1A〜
図1Bに示される。首ガーメント部分110は、身体の首に着用されるように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、首ガーメント部分110は、首の後部から首の前面まで首の両側を囲むように位置決めされるように構成されるように記載されてよい。首ガーメント部分110は、首の一部に圧力を加えるように構成可能または制御可能であり得る圧力付与領域(例えば1つまたは複数の首圧力付与領域)を含んでよい。
【0046】
首ガーメント部分110は、第1の首ガーメント部分(例えば右側の首ガーメント部分112)と、第2の首ガーメント部分(例えば左側の首ガーメント部分114)とを含んでよい。第1の首ガーメント部分は、首の右の部分または右側に近接して位置決め可能であってよく、第2の首ガーメント部分は、首の左の部分または左側に近接して位置決め可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、第1の首ガーメント部分(例えば右側の首ガーメント部分112)は、首の後部から首の前面まで首の右側に位置決め可能(例えばその周りに巻き付けられる)であるように記載されてよく、第2の首ガーメント部分(例えば左側の首ガーメント部分114)は、首の後部から首の前面まで首の左側に位置決め可能(例えばその周りに巻き付けられる)であるように記載されてよい。
【0047】
1つまたは複数の実施形態において、第1の首のガーメント部分は、第2の首のガーメント部分とは別個である(例えば一方の部分は、他方の部分におけるものとは別個の圧力付与領域を含んでよい)。他の実施形態では第1のガーメント部分と、第2のガーメント部分は、1つの部分である場合もある。第1の首のガーメント部分及び第2の首のガーメント部分はそれぞれ、首の右側と左側に圧力を加えるように構成可能または制御可能であってよい。例えば第1の首のガーメント部分及び第2の首のガーメント部分の圧力付与領域は、第1の首のガーメント部分と第2の首のガーメント部分の間で交互に圧力を加える、またはそれらに同時に圧力を加えるように制御可能または構成可能であってよい。具体的には、第1の首のガーメント部及び第2の首のガーメント部分の圧力付与領域は、治療期間の1つの治療サイクルの中で第1の首のガーメント部分と第2の首のガーメント部分の各々の間で交互に圧力を加えることで(例えば第1の首のガーメント部分、その後第2の首のガーメント部分、その後第1の首のガーメント部分など) 、圧迫治療中にリンパ液が頭部から首を通って胴体へと流れる際、個人が意識を失う可能性を最小限にするのに役立つように制御可能または構成可能であってよい。
【0048】
ガーメント101はまた、
図1A〜
図1Bに示されるように身体の胴体に近接して位置決め可能な胴体ガーメント部分分140を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、胴体ガーメント部分分140は、胴体の背面から胴体の前面まで胴体の両側を囲むように位置決めされるように構成されるように記載されてよい。胴体ガーメント部分140は、胴体の1つまたは複数の部分に圧力を加えるように構成可能または制御可能な圧力付与領域(例えば1つまたは複数の胴体圧力付与領域)を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、胴体ガーメント部分140は、頭部ガーメント部分120に結合されてよい。さらに1つまたは複数の実施形態において、首ガーメント部分110は、頭部ガーメント部分120の少なくとも一部と、胴体ガーメント部分140の少なくとも一部の間で結合されてよい。さらに他の実施形態において、胴体ガーメント部分140は、頭部ガーメント部分120にも、首ガーメント部分110にも結合されない場合もある。さらに胴体ガーメント部分140は、身体の首に近接して配置可能な襟部分を含んでよい(例えば首ガーメント部分に取り外し可能に結合可能である、着用される際首ガーメント部分に重なるなど、例えば首ガーメント部分と共に、またはそれなしで、身体の首を覆うように利用可能である)。
【0049】
胴体ガーメント部分140は、背面胴体ガーメント部分150、右側の胴体ガーメント部分151及び左側の胴体ガーメント部分152を含んでよい。背面胴体ガーメント部分150は、身体の胴体の背面に近接して位置決め可能であってよく、右側の胴体ガーメント部分151は、背面胴体ガーメント部分150から延びており、胴体の前面に位置決め可能であってよく、左側の胴体ガーメント部分152は、背面胴体ガーメント部分150から延びており、胴体の前面に位置決め可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、右側の胴体ガーメント部分151及び左側の胴体ガーメント部分152は、ガーメント101が身体に位置決めされる際、胴体の背面に近接して重なり合う場合がある(例えば
図1Aに示されるように左側の胴体ガーメント部分152の少なくとも一部は、右側の胴体ガーメント部分151の一部に重なる)。1つまたは複数の実施形態において、右側の胴体ガーメント部分151は、右腕がガーメント101から外向きに延出するように身体の右腕に近接して右腕開口部153を画定する場合があり、左側の胴体ガーメント部分152は、左腕がガーメント101から外向きに延出するように身体の左腕に近接して左腕開口部154を画定する場合がある。
【0050】
右側の胴体ガーメント部分151と、左側の胴体ガーメント部分152が、胴体ガーメント部分140を身体の胴体に着用した後、互いに結合されることで、胴体ガーメント部分140を胴体に装着(例えば固定)することができる。右側の胴体ガーメント部分151は、任意の好適なやり方で左側の胴体ガーメント部分152に結合されてよい。例えば右側胴体ガーメント部分151及び/または左側の胴体ガーメント部分152は、例えば右側の胴体ガーメント部分151を左側の胴体ガーメント部分152に留める、または結合させるために取り付け具を含んでよい。そのような取り付け具は、面ファスナーまたは本明細書に記載される任意の他の留め具を含んでよい。
【0051】
さらに例えばガーメント101は、右側の胴体ガーメント部分151を左側の胴体ガーメント部分152に結合する(例えば胴体の前面に近接して)ように構成された取り付け具180(例えば取り付け構造)を含んでよい。例えば取り付け具180は、右側の胴体ガーメント部分151に結合可能な右ストラップ181と、左側の胴体ガーメント部分152に結合可能な左ストラップ182と、右ストラップ181を左ストラップ182に結合するように構成された留め具183とを含んでよい。留め具183は、右ストラップ181に結合可能な右の留め金と、左ストラップ182に結合可能な左の留め金とを含んでよい。右の留め金が左の留め金と噛み合うことで留め具183を固定することができる。右ストラップ181と、左ストラップ182は、面ファスナーを利用して右側の胴体ガーメント部分151と、左側の胴体ガーメント部分152にそれぞれ結合可能であってよい。換言すると、右ストラップ181と、左ストラップ182は、右側の胴体ガーメント部分151と、左側の胴体ガーメント部分152に対して調節可能であり、その後留め具183(例えばユーザが解放可能な嵌め合い要素など)を利用して合わせて結合されてよい。これにより最初に胴体ガーメント部分140が患者に適合される際、右ストラップ181及び左ストラップ182を胴体ガーメント部分140上に配置させることが可能になるが、その後胴体ガーメント部分140は、留め具183を利用してより容易に着脱することができる。例えば、それは、胴体ガーメント部分140を着用している個人がより容易に外すことができ、かつより容易に再び噛み合わせることができる胴体ガーメント部分140を実現する。
【0052】
1つまたは複数の実施形態において、取り付け具180は、胴体ガーメント部分140に取り外し可能に結合可能な(例えば右側の胴体ガーメント部分151において)右の取り付け部分と、胴体ガーメント部分140に取り外し可能に結合可能な(例えば左側の胴体ガーメント部分152において)左の取り付け部分とを含んでよい。右の取り付け部分及び左の取り付け部分は、例えば面ファスナーまたは任意の他の好適な留め具を利用して胴体ガーメント部分140に結合されてよい。右の取り付け部分及び左の取り付け部分は、ジッパー、またはこれらの部分を合わせて結合するための任意の他の好適な方法を用いて結合されてよい。このような設計により、右の取り付け部分及び左の取り付け部分を、胴体ガーメント部分140に適合するように最初に配置することを可能にし、その後胴体ガーメント部分140は、ジッパーを開け閉めすることによって着脱(例えば締め付けたり緩めたり)することができる。換言すると、右の取り付け部分及び左の取り付け部分は、胴体ガーメント部分140に装着された状態のままであってよく、ジッパーのみを胴体ガーメント部分140を着脱するために移動させる必要がある。
【0053】
右側の胴体ガーメント部分151は、右胸ガーメント部分142と、右の腋窩部ガーメント部分144とを含んでよい。右胸ガーメント部分142及び右の腋窩部ガーメント部分144の各々は、背面胴体ガーメント部分150から胴体の前面まで延在してよい。右胸ガーメント部分142は、胴体の右肩から胴体の右の前面領域(例えば胸の右側、下腹部の右側など)に向かって延在してよい。右の腋窩部ガーメント部分144は、胴体の右の脇の下の領域に近接して位置決め可能であってよい。
【0054】
左側の胴体ガーメント部分152は、左胸ガーメント部分146と、左の腋窩部ガーメント部分148とを含んでよい。左胸ガーメント部分146及び左の腋窩部ガーメント部分148は、背面胴体ガーメント部分150から胴体の前面まで延在してよい。左胸ガーメント部分146は、胴体の左肩から胴体の左の前面領域(例えば胸の左側、下腹部の左側など)に向かって延在してよい。左の腋窩部ガーメント部分148は、胴体の左の脇の下の領域に近接して位置決め可能であってよい。
【0055】
圧迫ガーメントシステム100はまた、ガーメント101の圧力付与領域の各々によって身体の一部に加えられる圧力を制御するように構成されたコントローラ102または制御装置を含んでよい。例えばコントローラ102は、互いから独立してまたは同時に、圧力付与領域の各々によって身体の一部に加えられる圧力を制御することができる。さらに例えば、圧力付与領域は、集団で、または組み合わせて制御される場合もある。1つまたは複数の実施形態において、コントローラ102は、例えばリンパ浮腫の治療を行うのに適した多様な種類の異なるシーケンスで(例えば所定のやり方で圧力を加える)圧力付与領域を制御するように構成されてよい。
【0056】
さらにコントローラ102は、ガーメント101に対応付けられた1つまたは複数の圧力センサ(例えば圧力付与領域に近接してガーメント101内に設けられたセンサ)によって測定された1つまたは複数の圧力に基づいて圧力を制御することができる。本明細書に記載される特徴的機構(例えばセンサ)を有するように修正され得る1つまたは複数の圧迫ガーメントは、「Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,860,862号、「Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,966,884号、「Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,179,796号、Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,645,165号に見いだされる1つまたは複数の特徴と似ており、かつそれを含む場合があり、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0057】
1つまたは複数の実施形態において、制御装置またはコントローラ102(例えば1つまたは複数の方法またはプロセスを実行し、1つまたは複数の種類のメモリが実装されている、1つまたは複数のプログラムまたはルーチンを利用する1つまたは複数のプロセッサ)は、システム及び/またはその1つまたは複数の要素(例えば1つまたは複数の圧力付与領域によって圧迫治療を提供するなど)を制御するように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、制御装置は、有線及び/または無線技術を利用して圧迫システムを制御するように構成されてよい。
【0058】
本システムに帰するものを含め、本開示に記載される方法及び/または論理及び/または構成あるいは種々の構成する要素は、少なくとも一部が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはその任意の組み合わせにおいて実装されてよい。例えばこれらの技術の種々の態様は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または任意の他の等価な集積論理回路もしくはディスクリート論理回路、ならびにそのような構成要素の任意の組み合わせ、もしくはその他のデバイスを含む1つまたは複数のプロセッサにおいて実装されてよい。「プロセッサ」または「プロセッシング回路」という用語は、単独で、または他の論理回路と組み合わせた上述の論理回路、または任意の他の等価な回路のいずれかを指してよい。
【0059】
そのようなハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェアは、本開示に記載される様々な動作及び機能をサポートするために同一のデバイスまたは別個のデバイス内に(例えばシステムの中、システムの外、その両方の組み合わせ)実装されてよい。加えて、記載される構成要素のうちの一部は、一緒に実装される場合、またはディスクリートではあるが相互使用可能な論理デバイスとして別個に実装される場合がある。様々な特徴の記載は、様々な機能的態様を強調することを意図しているのであって、そのような特徴が別個のハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントによって実現されなければならないことは必ずしも示唆していない。むしろ機能性は、別個のハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントによって実行されてよい、または共通のまたは別個のハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントの中に統合される場合もある。
【0060】
ソフトウェアに実装される場合、本開示に記載されるシステム及び方法に帰する機能性は、RAM、ROM、NVRAM、EEPROM、FLASHメモリ、磁気データ記憶媒体、光学データ記憶媒体などのコンピュータ可読媒体において命令及び/または論理として具現化されてよい。このような命令及び/または論理は、本開示に記載される機能性の1つまたは複数の態様をサポートするために1つまたは複数のプロセッサによって実行されてよい。
【0061】
さらに、圧迫ガーメントシステム100は、圧迫ガーメント101が1つまたは複数の流体で満たされた小室を含む場合、圧迫治療を適用するために、圧力付与領域の各々の1つまたは複数の小室(例えば
図8Aに示されるような1つまたは複数の小室)に、流体を提供する/例えば小室内の液体またはカズなどの流体をそこから取り除くために制御装置102によって制御され得るポンプ103を含んでよい。例えばポンプ103は、複数の圧力付与領域に対応する複数の小室のうちの1つまたは複数に流体の流れを提供する、またはそこから流体を取り除くために、複数のラインまたは配管105によって複数の小室のうちの1つまたは複数に接続されてよい。
【0062】
さらに、1つまたは複数の実施形態において、
図1A〜
図1Bに示されるように、コントローラ102は、点線104によって全体が描かれるように1つまたは複数の電線を介して及び/または無線により圧迫ガーメントシステムの1つまたは複数の構成要素に接続されてよい。例えばコントローラ102は、物理的な電気接続を利用して及び/または無線により、圧力付与領域(例えば身体に圧力を加えるように構成されたガーメントの電気により作動可能な圧力付与領域)と通信しこれを制御するために接続されてよい。
【0063】
コントローラ102の制御の下にあるガーメント101の制御可能な圧力付与領域は、システム100が、ガーメント101を着用している個人(例えば患者)に圧迫治療を提供することで、リンパが、例えば
図2Aに示される方向40などの所望される方向に身体10の中をくまなく流れることを可能にする。換言すると、圧力付与領域を多様な異なるシーケンスで制御する(例えば所定のやり方で圧力を加える)ことによって、例えばリンパ液は概ね身体10の頭部14から身体10の首11に向かって流れることができる。例えばリンパ液は、頭部14の前面30から頭部14の後部32に向かって、及び首11に向かって下方に流れるように制御されてよい。具体的には、例えばリンパ液は、額15から、鼻梁19、及び顎の下18から、右頬17に向かって、首11(例えば首の右側12)及び胴体20の背面25に向かって下方に流れることができる。このようなリンパ液の方向40は、余剰のリンパ液を頭部14から移動させ、最終的にはそのようなリンパ液を胴体20(例えば体幹、肩、胸、背中、ウエストなど)に向かって移動させることによって個人の苦痛を軽減することができる。
【0064】
身体10の頭部14及び首11に位置する種々のリンパ節が、
図2Bに示されている。例えば、おとがい下のリンパ節52は、頭部14の顎の下18に位置しており、耳下腺リンパ節50は、右頬17と左頬16に近接して位置している(左頬16の耳下腺リンパ節は
図2Bには示されない)。リンパ液の蓄積は、耳下腺リンパ節50及びおとがい下のリンパ節52の近くで生じる可能性があり、身体10に着用された圧迫ガーメントによって圧迫治療中に、方向矢印40によって図示されるように(例えば少なくとも頬16、17及び顎の下18に近接する圧力付与領域を所定のやり方で制御することによって)頭部14の後部32に向かって押しやることができる。圧迫治療を続けることによって(例えば少なくとも頭部14の両側及び頭部14の後部32に近接する圧力付与領域を制御することによって)、リンパ液はその後、首11に近接して位置する顎下腺リンパ節54ならびに浅頚動脈リンパ節及び深頚動脈リンパ節56に向かって移動する。圧迫治療はその後、(例えば少なくとも首11に近接する圧力付与領域を所定のやり方で制御することによって)リンパ液を右の鎖骨下及び鎖骨上リンパ節58と、左の鎖骨下及び鎖骨上リンパ節60(これらは首11の根元に、右肩24と左肩23にそれぞれ近接して位置する)に向かって、及び胴体20に向かって下方に移動させるように構成される。
【0065】
頭部14の後部32及び胴体20に位置する種々のリンパ節が
図2Cに示される。圧迫ガーメントを利用する圧迫治療において(例えば頭部ガーメント120及び首ガーメント110の圧力付与領域を所定のやり方で制御することによる)、リンパ液は、身体10の後部32に沿って頭部14から胴体20に向かって下方に進むことができる。例えばリンパ液は、頭14の頂部から、首11の右側12に近接して位置する右の耳介後方リンパ節66及び右の後頭部のリンパ節70に向かって、ならびに首11の左側13に近接して位置する左の耳介後方リンパ節68及び左の後頭部のリンパ節72に向かって進むことができる。圧迫治療(例えばガーメント101の圧力付与領域を所定のやり方で制御することによる)はその後、リンパ液を頭部14からさらに下方に移動させ、右肩23及び左肩24を過ぎて、胴体20に向かって移動させる。具体的にはリンパ液は、右の脇の下の領域21に近接して位置する右の腋窩部リンパ節62及び左の脇の下の領域22に近接して位置する左の腋窩部リンパ節64に向かって移動することができる。
【0066】
1つまたは複数の頭部圧力付与領域121を含む一例の頭部ガーメント部分120の平面図が
図3に示される。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域121の少なくとも一部は、弓形の形状を画定してよい。1つまたは複数の頭部圧力付与領域121は、頭部ガーメント部分120が頭部に位置決めされる際、頭部の一部に圧力を加えるように制御可能(例えば
図1A〜
図1Bに示されるコントローラ102を利用して)であってよい。1つまたは複数の頭部圧力付与領域121は、頭部の様々な場所に圧力を加えるために、頭部ガーメント部分120内の様々な場所に配置されてよい。例えば本明細書に記載されるように、頭部ガーメント部分120は、頭部の右側に近接して位置決め可能な右側の頭部ガーメント部分134と、頭部の左側に近接して位置決め可能な左側の頭部ガーメント部分136とを含んでよい。右側の頭部ガーメント部分134及び左側の頭部ガーメント部分136に対応付けられた1つまたは複数の頭部圧力付与領域121は、頭の右側と、頭の左側にそれぞれ圧力を加えるように制御可能であってよい。
【0067】
1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域121の各々は、頭部の一部に圧力を加えるように制御され得るように任意の好適なやり方で構成されてよい。例えば1つまたは複数の頭部圧力付与領域121は、流体チャンバまたは小室、空気圧付与領域、領域に圧力を加える作動可能要素、油圧付与領域などを含んでよい。具体的には、
図3〜
図7に示される1つまたは複数の頭部圧力付与領域121、ならびにそこに示される他のガーメント部分の他の圧力付与領域は、流体(例えば空気、液体など)を収容するように構成された1つまたは複数の小室を含む。
【0068】
1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域121は、例えば流体流れ、空気流など、そこに提供される流体の制御を通して1つまたは複数の小室を利用して頭部の一部に圧力を加えるように構成されてよい。例えば頭部ガーメント部分120は、これを通って流体が1つまたは複数の小室に提供され得る(例えばセンサフィードバックシステムを用いるコントローラ102の制御の下で、
図1A〜
図1Bに示されるポンプ103を用いるなどして)1つまたは複数の頭部ガーメントポート139を含んでよい。さらに1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域121は、頭部の一部に圧力を加えるように構成された1つまたは複数の頭部作動可能要素(例えば非流体収容領域)を含んでよい(例えば電気信号を利用して、ガーメント内の電気により作動可能な線維などのガーメント内の特定の要素を作動させることで、そのような繊維を含む領域が身体の一部に圧力を加える)。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の頭部圧力付与領域121は、流体を収容するように構成された1つまたは複数の小室と、1つまたは複数の作動可能要素の両方を含む場合もあり、その両方が頭部の一部に圧力を加えるように構成されてよい。
【0069】
さらに、本明細書に記載されるように、頭部ガーメント部分120は、右頬ガーメント部分122と、左頬ガーメント部分124とを含んでよく、その各々が、1つまたは複数の頬圧力付与領域123を含んでよい(例えば、ガーメント部分の各々は、他のガーメント部分と共有される圧力付与領域の一部を含む場合があり、例えば同一の圧力付与領域を使用して、右頬及び左頬、ならびにさらには後部ガーメント部分に対応付けられた身体の場所で圧迫を適用する場合がある)。1つまたは複数の頬圧力付与領域123の各々は、そこからリンパ液を移動させるのを助けるために頬の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。右頬ガーメント部分122及び左頬ガーメント部分124の各々は、右側の頭部ガーメント部分134と、左側の頭部ガーメント部分136の中にそれぞれ延出し、右頬ガーメント縁部161と、左頬ガーメント縁部162に沿って終端してよい(例えばそのような縁部の一部は、頭部の鼻梁付近に位置しており、この部分は、1つまたは複数の鼻接続要素によって合わせて結合されてよい)。
【0070】
同様に、本明細書に記載されるように、頭部ガーメント部分120は、顎の下の一部(例えば「首のたるみ」領域)に圧力を加えるように構成可能な顎下ガーメント部分125を含んでよい。例えば顎下ガーメント部分125は、1つまたは複数の顎下圧力付与領域126を含んでよい。1つまたは複数の顎下圧力付与領域126の各々は、そこからリンパ液を移動させるのを助けるために特定の部分に圧力を加えるように制御可能であってよい。
【0071】
また本明細書に記載されるように、頭部ガーメント部分120は、後頭部ガーメント部分128を含んでよい。後頭部ガーメント部分128は、1つまたは複数の後頭部圧力付与領域129を含んでよい。1つまたは複数の後頭部圧力付与領域129の各々は、そこからリンパ液を移動させる(例えば胴体に向かって下向きに)のを助けるために後頭部の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。
【0072】
任意の数の圧力付与領域121が、例えば
図2A〜
図2Cを参照して記載されるようにリンパ液を移動させるようにそれらを制御することができるように頭部ガーメント部分120の中に構成されてよい。例えば
図3に示されるように、3つの頭部圧力付与領域121が実装されている。しかしながら任意の数の頭部圧力付与領域121が実装されてよい(例えば、4つの頭部圧力付与領域121が使用される場合もある)。3つの圧力付与領域121の各々は、ユーザの頭部の周りに位置決め可能な頭部ガーメント部分120の全体の長さに沿って(例えば頭の前方右側から、後頭部を囲んで、頭の前方左側に向かって)延在してよい。例えば頭部圧力付与領域121の各々は、顎下ガーメント部分125、右頬ガーメント部分122、左頬ガーメント部分124及び後頭部ガーメント部分128の中に延在してよい(例えば、これは頭部において下方及び後方に圧力を付与するのに有益であり得る)。換言すると、顎下ガーメント部分125、右頬ガーメント部分122、左頬ガーメント部分124及び後頭部ガーメント部分128が互いに一体化され得ることで、頭部圧力付与領域121は、1つまたは複数の特定の部分にわたってまたがることができる。例えば外側の頭部圧力付与領域121(例えば縁部161、162の隣)における圧力の付与、その後に続くより内側にある圧力付与領域による圧力の付与が、所望されるリンパ液の移動を生じさせることができる。
【0073】
1つまたは複数の実施形態において、頭部圧力付与領域121は、右頬及び左頬の前方から(例えば額において)後頭部に向かって進行するように圧力を加えることができるように位置決めされてよい。例えば圧力は、前頭部において右頬ガーメント部分122及び左頬ガーメント部分124に近接する領域に加えられ、その後右頬ガーメント部分122及び左頬ガーメント部分124における頬の中央に近接する領域に加えられ、その後右頬ガーメント部分122及び左頬ガーメント部分124における後頭部により近い頬の部分に近接する領域に加えられてよい。1つまたは複数の実施形態において、圧力が右頬ガーメント部分122及び左頬ガーメント部分124において前頭部から後頭部に向かって加えられる際、圧力はまた、後頭部ガーメント部分128において頭頂部から首に向かって加えられる場合もある。1つまたは複数の実施形態において、これは、3つの頭部圧力付与領域121(例えば
図3に示される)が、右頬ガーメント部分122と、左頬ガーメント部分124の間に(例えばガーメントの長さに沿って)に延在し、かつ後頭部ガーメント部分128を横切るように延在して連続していることに起因して生じる可能性がある(例えばそのような圧力付与領域の各々は、別個の流体導管によって供給される別個の小室であってよい)。本明細書に記載されるように、ガーメント部分が1つまたは複数の圧力付与領域を含むように記載される場合、そのような1つまたは複数の圧力付与領域は、別個の圧力付与領域である場合、または1つまたは複数の他のガーメント部分と共有される圧力付与領域である場合もある。(例えば頬ガーメント部分と、後頭部ガーメント部分は、同一の圧力付与領域を利用して、それに対応付けられた身体の一部に圧迫を適用する場合もある)。
【0074】
しかしながらそのような頭部圧力付与領域121は、頭部ガーメント部分120の巻き付け可能な長さに沿って、そのような所望されるリンパ液の移動を生み出すように制御可能な任意の数の異なる別個の小室を含む場合がある。例えば頭部圧力付与領域121は、右頬ガーメント部分122及び左頬ガーメント部分124と、後頭部ガーメント部分128の間で分離可能であってよい。換言すると、頭部圧力付与領域121は、圧力を右頬及び左頬から(例えば前頭部に近接して)後頭部に向かって、及び/または後頭部の頂部から首に向かって(例えばリンパ液を頬から後頭部における首に向かって移動させるために)加えることを可能にすることができる任意の好適な方法で分離されてよい。例えば頭部圧力付与領域121は、各々の頭部圧力付与領域121がリンパ液を所望される方向に(例えば
図2A〜
図2Cに示されるように)移動させるように独立して制御可能であってよい。
【0075】
頭部ガーメント部分120はまた、圧力を加える助けをし、かつ頭部ガーメント部分120を着用するのを助けるために、頭頂部に近接して上方頭部ガーメント部分131を含んでよい。例えば上方頭部ガーメント部分131は、圧力が加えられる際、頭部の表面に隣接して圧力付与領域を固定するのを助けるために、3つの圧力付与領域121のうちの最も外側の圧力付与領域に隣接するガーメント領域155を含んでよい。さらに例えば、頭部ガーメント部分120は、頭頂部及び後頭部に近接して位置決め可能な(例えば面ファスナー接続要素を利用して)後頭部ストラップ138と、頭頂部に近接して位置決め可能な頭頂部ストラップ137(例えば、頭部ガーメント部分120が着用される際、頭頂部を横切るようにして頭部ガーメント部分120の2つの異なる領域163に接続可能な別個のストラップ)と、額に近接して位置決め可能な(例えば面ファスナー接続要素を利用して)額ガーメント部分132とを含んでよい。
【0076】
額ガーメント部分132は、額の一部に圧力を加えるように構成可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、額ガーメント部分132は、額の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の額圧力付与領域133を含んでよい。任意の数の上方頭部ガーメント部分131を使用して、頭部ガーメント部分120を頭部に固定することができることが認識されるであろう。例えば、本明細書に提供される図面は、頭部ガーメント部分120を着用する際に使用するためのストラップを示しているが、頭部ガーメント部分120は、ストッキング・キャップに似た構成で設けられる場合もあり、この場合頭頂部全体においてストラップは全く使用されない。
【0077】
1つまたは複数の首圧力付与領域111を含む一例の首ガーメント部分110の平面図が
図4に示されている。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の首圧力付与領域111の少なくとも一部は、弓形の形状を画定してよい。1つまたは複数の首圧力付与領域111は、首ガーメント部分110が首に位置決めされる際、首の一部に圧力を加えるように制御可能(例えば
図1A〜
図1Bに示されるコントローラ102を利用して)であってよい。
【0078】
1つまたは複数の実施形態において、首ガーメント部分110は、第1の首ガーメント部分(例えば右側の首ガーメント部分112)と、第2の首ガーメント部分(例えば左側の首ガーメント部分114)とを含んでよい。第1の首ガーメント部分と、第2の首ガーメント部分の各々は、1つまたは複数の首圧力付与領域111を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、第1の首ガーメント部分及び第2の首ガーメント部分の1つまたは複数の首圧力付与領域111は、仕切り113によって分離されてよい。換言すると、仕切り113は、第1の首ガーメント部分112の1つまたは複数の首圧力付与領域111によって加えられる圧力を第2の首ガーメント部分114の1つまたは複数の首圧力付与領域から分離する。
【0079】
1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の首圧力付与領域111の各々は、それらを首の一部に圧力を加えるように制御することができるように構成されてよい。例えば1つまたは複数の首圧力付与領域111は、流体チャンバまたは小室、空気圧付与領域、領域に圧力を加える作動可能要素、油圧付与領域などを含んでよい。具体的には、1つまたは複数の首圧力付与領域111は、
図4に示されるように流体を収容するように構成された1つまたは複数の小室を含んでよい。
【0080】
例えば、1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の首圧力付与領域111は、例えば流体流れ、空気流など、そこに提供される流体の制御を通して(例えばセンサフィードバックシステムを用いるコントローラ102の制御の下で
図1A〜
図1Bに示されるポンプ103を用いるなどして)1つまたは複数の小室を利用して頭部の一部に圧力を加えるように構成されてよい。例えば首ガーメント部分110は、これを通って流体が1つまたは複数の小室に提供され得る1つまたは複数の首ガーメントポート119を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、首ガーメント部分110は、右側の首ガーメント部分112と、左側の首ガーメント部分114の各々に1つずつ(例えば首の右側と左側の間で交互に圧力を加えるのに使用するために)2つの首ガーメントポート119を含む場合もある。
【0081】
さらに1つまたは複数の実施形態において、首圧力付与領域111は、首の一部に圧力を加えるように構成された1つまたは複数の首作動可能要素(例えば非流体収容領域)を含んでよい(例えば電気信号を利用して、ガーメント内の電気により作動可能な線維などのガーメント内の特定の要素を作動させることで、そのような線維を含む区画が身体の一部に圧力を加える)。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の首圧力付与領域111は、流体を収容するように構成された1つまたは複数の小室と、1つまたは複数の首作動可能要素の両方を含む場合もある。
【0082】
任意の数の任意の数の首圧力付与領域111が、例えば
図2A〜
図2Cを参照して記載されるようにリンパ液を移動させるようにそれらを制御することができるように首ガーメント部分110の中に構成されてよい。例えば
図4に示されるように1つの首圧力付与領域111が実装される(例えば点線による追加のポート119と、仕切り113が用いられているが、2つの圧力付与領域111も実装されるように示されている)。単一の圧力付与領域111が、ユーザの首の周りに位置決め可能な首ガーメント部分110の全体の長さに沿って延在してよい。例えば首圧力付与領域111は、第1の端部211から第2の端部213まで首ガーメント部分110の中に延在してよい。しかしながらそのような首圧力付与領域111は、首ガーメント部分110の巻き付け可能な長さに沿って、また所望されるリンパ液の移動を生み出すように制御可能な任意の数の異なる別個の小室を含んでよい(例えば長さに沿った複数の小室、幅に沿った平行する小室など)。
【0083】
1つまたは複数の胴体圧力付与領域141を含む一例の胴体ガーメント部分140の平面図が
図5に示されている。任意の数の胴体圧力付与領域141が実装されてよい(例えば胴体ガーメント部分140は、8つの胴体圧力付与領域141を含む場合がある)。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の胴体圧力付与領域141の少なくとも一部は、弓形の形状(例えば背面から前面にユーザの肩を覆うように延在する胴体圧力付与領域141の湾曲した部分)を画定してよい。例えば(例えば、ガーメントの一部のいずれかの)弓形形状は、「Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,860,862号、「Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,966,884号、「Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,179,796号、Lymphedema Treatment System」というタイトルの米国特許第6,645,165号に見いだされる1つまたは複数の特徴と似ており、これらを含む場合があり、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれている。1つまたは複数の胴体圧力付与領域141は、胴体ガーメント部分140が胴体に位置決めされる際、胴体の1つまたは複数の部分に圧力を加えるように制御されるように(例えば
図1A〜
図1Bに示されるコントローラ102を利用して)構成されてよい。
【0084】
1つまたは複数の胴体圧力付与領域141は、胴体の様々な異なる場所に圧力を加えるために胴体ガーメント部分140の中の種々の場所に配置されてよい。例えば胴体ガーメント部分140は、胴体の右側に近接して位置決め可能な右側の胴体ガーメント部分151と、胴体の左側に近接して位置決め可能な左側の胴体ガーメント部分152と、胴体の背面に近接して位置決め可能な背面胴体ガーメント部分150とを含んでよい。右側の胴体ガーメント部分151、左側の胴体ガーメント部分152及び背面胴体ガーメント部分150に対応付けられた1つまたは複数の胴体圧力付与領域141は、胴体の右側、左側及び背面にそれぞれ圧力を加えるように制御可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、右側の胴体ガーメント部分151は、胴体の右前面及び胴体の右側に近接して位置されるように記載されてよく、左側の胴体ガーメント部分152は、胴体の左前面及び胴体の左側に近接して位置決め可能であるように記載されてよく、そのような領域に対応付けられた胴体圧力付与領域141は、胴体の右前面部分と、左前面部分、ならびに胴体の右側と、左側の各々に圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成されてよい。
【0085】
1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の胴体圧力付与領域141の各々は、所望されるようにリンパ液を移動させるために、領域141を胴体の一部に圧力を加えるように制御することができるような任意の好適なやり方で構成されてよい。例えば1つまたは複数の胴体圧力付与領域141は、流体チャンバまたは小室、空気圧付与領域、領域に圧力を加える作動可能要素、油圧付与領域などを含んでよい。具体的には、1つまたは複数の胴体圧力付与領域141は、流体(例えば空気)を収容するように構成された1つまたは複数の小室を含んでよい。
【0086】
例えば1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の胴体圧力付与領域141は、そこに提供される流体(例えば液体流れ、空気流など)の制御を通して1つまたは複数の小室を利用して胴体の一部に圧力を加えるように構成されてよい。例えば胴体ガーメント部分140は、そこを通って流体が1つまたは複数の小室に提供され得る(例えばセンサフィードバックシステムを用いるコントローラ102の制御の下で
図1に示されるポンプ103を用いて)1つまたは複数の胴体ガーメントポート159を含んでよい。
【0087】
さらに1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の胴体圧力付与領域141は、胴体の一部に圧力を加えるように構成された1つまたは複数の胴体作動可能要素を含んでよい(例えば電気信号を利用して、ガーメント内の電気により作動可能な線維などのガーメント内の特定の要素を作動させることで、そのような線維を含む区画が身体の一部に圧力を加える)。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の胴体圧力付与領域141は、流体を収容するように構成された1つまたは複数の小室と、1つまたは複数の胴体作動可能要素の両方を含む場合もある。
【0088】
さらに1つまたは複数の実施形態において、右側の胴体ガーメント部分151は、胴体の右肩及び右胸に近接して位置決め可能な右胸ガーメント部分142と、胴体の右の脇の下と、胴体の右のウエストに近接して位置決め可能な右の腋窩ガーメント部分144とを含んでよい。右胸ガーメント部分142は、右胸及び右肩の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の右胸圧力付与領域143を含んでよい。右の腋窩ガーメント部分144は、胴体の右の脇の下の下の胴体の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の右の腋窩圧力付与領域145を含んでよい。
【0089】
さらに、左側の胴体ガーメント部分152もまた、胴体の左肩及び左胸に近接して位置決め可能な左胸ガーメント部分146と、胴体の左の脇の下と、胴体の左のウエストに近接して位置決め可能な左の腋窩ガーメント部分148とを含んでよい。左胸ガーメント部分146は、左胸及び左肩の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の左胸圧力付与領域147を含んでよい。左の腋窩ガーメント部分148は、胴体の左の脇の下の下の胴体の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の左の腋窩圧力付与領域149を含んでよい。胴体ガーメント部分140の圧力付与領域141の各々は、所望されるように(例えば首及び肩の領域から胴体の下方部分へと下方に)リンパ液を移動させるために、胴体の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。
【0090】
任意の数の圧力付与領域141が、例えば
図2A〜
図2Cを参照して記載されるようにリンパ液を移動させるようにそれらを制御することができるように胴体ガーメント部分140の中に構成されてよい。例えば
図5に示されるように、複数の圧力付与領域141が、胴体ガーメント部分140の中に分散される。1つまたは複数の実施形態において、複数の圧力付与領域141は、身体の上部背面胴体領域及び上部前面胴体領域に圧力を加えるように位置決め可能な上部胴体圧力付与領域261を含んでよい(例えば胴体ガーメント部分140の上縁部262に隣接して)。さらに1つまたは複数の実施形態において、複数の圧力付与領域141は、身体の下部背面胴体領域及び下部前面胴体領域に圧力を加えるように位置決め可能な下部胴体圧力付与領域263を含んでよい(例えば主に腋窩ガーメント部分144、148の中に延在する)。
【0091】
圧力付与領域141のうちの1つまたは複数は、胴体ガーメント部分140の巻き付け可能な長さの全体に沿って延在してよい(例えば胴体ガーメント部分140の巻き付け可能な長さは、左胸ガーメント部分146から右胸ガーメント部分142まで延在する湾曲部の長さである)。例えば圧力付与領域141のうちの1つまたは複数は、左胸ガーメント部分146、背面胴体ガーメント部分150及び右胸ガーメント部分142の中に延在してよい。例えば上部胴体圧力付与領域261(例えば縁部262の隣)における圧力の付与、その後に続く下部圧力付与領域による圧力の付与が、所望されるリンパ液の移動を生じさせることができる。しかしながらそのような圧力付与領域141は、胴体ガーメント部分140の中に、所望されるリンパ液の移動を生み出すように制御可能な任意の数の異なる別個の小室を含んでよい。
【0092】
1つまたは複数の実施形態において(例えば
図1A〜
図1Bに示されるように)、右胸ガーメント部分142、右の腋窩ガーメント部分144、左胸ガーメント部分146及び左の腋窩ガーメント部分148は、身体の一部を覆って(例えば身体の胴体の背面部分を覆って)重なり合うように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、右胸ガーメント部分142、右の腋窩ガーメント部分144、左胸ガーメント部分146及び左の腋窩ガーメント部分148は、圧力付与領域143、145、147、149が、そのような圧力付与領域が所望されるリンパ液の移動のために圧力を加えるべき身体の一部のすぐそばに位置決めされるように重なり合う場合がある。例えば右胸ガーメント部分142及び左胸ガーメント部分146が身体に最初に位置決めされてよく、その後に右の腋窩ガーメント部分144及び左の腋窩ガーメント部分148が続いてよい。さらに右の腋窩ガーメント部分144は、左の腋窩ガーメント部分148(例えば部分148を終端させる)によって画定される左の腋窩ガーメント部分の端部168に結合される(例えば面ファスナーを利用して)ように構成され得る右の腋窩ガーメント部分の端部164(例えば部分144を終端させる)を画定することができる。
【0093】
さらに1つまたは複数の実施形態において、右胸ガーメント部分142及び左胸ガーメント部分146は、1つまたは複数の胴体ストラップ185(例えば胴体ガーメント部分140が着用される際、例えば面ファスナーを用いるなどして、ユーザの胸を横切るように胴体ガーメント部分140の2つの異なる領域142、146に接続可能な別個のストラップ)を利用して互いに結合されてよい。1つまたは複数の胴体ストラップ185は、胴体ガーメント部分140を身体の胴体に着用するために右胸ガーメント部分142及び左胸ガーメント部分146に沿って位置決めされてよい。1つまたは複数の実施形態において、取り付け具180(例えば
図1A〜
図1Bに示されるように)が、1つまたは複数の胴体ストラップ185を含む場合もある。
【0094】
胴体ガーメント部分140を身体に固定するために、任意の数の接続要素が胴体ガーメント部分140の領域を接続するのに使用される場合があることが認識されるであろう。さらに、胴体ガーメント部分140の形状及びサイズは、様々な形態を採る場合があり、
図3〜
図7のウィング形状の構成に限定されるものではないことも認識されるであろう。例えば胴体ガーメント部分140は、
図9〜
図10を参照して記載されるようにユーザの腕を収容するための開口を備えたよりベストに似た構造の形態を採る場合もある。さらに例えば、胴体ガーメント部分140はまた、胴体ガーメントの肩の領域からユーザの腕の少なくとも一部に沿って延在する腕ガーメント部分(図示せず)を含む場合もある。
【0095】
図3〜
図7に示されるように、頭部ガーメント部分120、首ガーメント部分110及び胴体ガーメント部分140の各々は、人の身体の軸を概ね基準として対称的になるように構成される。換言すると、種々のガーメント部分は、特定の軸を中心として対称的な下位部分を含む。例えば
図3に示される頭部ガーメント部分120は、軸201を中心として対称的である(例えば右頬ガーメント部分122及び左頬ガーメント部分124などの下位部分は、軸201を中心として対称的であってよい)。1つまたは複数の実施形態において、圧力付与領域を含む頭部ガーメント部分120、首ガーメント部分110及び胴体ガーメント部分140のうちの1つまたは複数の下位部分は、軸201を中心として対称的であってよく、頭部ガーメント部分120、首ガーメント部分110及び胴体ガーメント部分140の他の部分は、非対称的である場合もある。さらに1つまたは複数の実施形態において、非対称的なガーメントが本開示の範囲内で企図される(例えば種々のガーメント部分は、例えばガーメントをユーザに着用させる作業、または固定する作業に関連するなどの1つまたは複数の様々な機能を達成するために非対称的である場合もある)。
【0096】
1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120、首ガーメント部分110及び胴体ガーメント部分140の1つまたは複数の圧力付与領域は、互いと連動して使用されてよい。例えば1つまたは複数の首圧力付与領域111は、1つまたは複数の頭部圧力付与領域121が頭部の一部に圧力を加えるように制御された後、首の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。別の例では、リンパ液を頭部から首に向かって及びそこから下方に移動させるために、1つまたは複数の首圧力付与領域111は、首の一部に圧力を加えるように制御可能であり、1つまたは複数の頭部圧力付与領域121は、頭部の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。さらに別の例では、1つまたは複数の顎下圧力付与領域126、1つまたは複数の頬圧力付与領域123、1つまたは複数の後頭部圧力付与領域129及び1つまたは複数の首圧力付与領域111は、顎の下の一部から頬の一部に向けて、頬の一部から後頭部の一部に向けて、及び後頭部から首の一部に向けてリンパ液を移動させるように構成される、またはそのように制御可能であってよい。
【0097】
1つまたは複数の実施形態において、コントローラ(例えば
図1A〜
図1Bに示されるコントローラ102)は、リンパ液を少なくとも頭部から首に、首から胴体に向けて移動させるために、1つまたは複数の頭部圧力付与領域121、1つまたは複数の首圧力付与領域111及び1つまたは複数の胴体圧力付与領域141の各々によって加えられる圧力を制御するように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部圧力付与領域121及び胴体圧力付与領域141の各々は、リンパ液を少なくとも頭部の右側及び左側から後頭部に向かって、及び後頭部から胴体に向かって下方に移動させるように圧力を加えるように制御可能であってよい。
【0098】
1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120は、
図6に示されるように首ガーメント部分110に結合されてよい。任意の好適なやり方を利用して頭部ガーメント部分120と、首ガーメント部分110を結合することができる。例えば、そのようなガーメント部分は、縫合、溶接または任意の他の結合技術を用いて結合されて、一体式のガーメントを形成することができる。例えば頭部ガーメント部分120は、それぞれの縫い目ライン250、251において首ガーメント部分110に装着されてよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120は、縫い目ライン250、251全体に沿って首ガーメント部分110に装着される場合もある。さらに1つまたは複数の実施形態において、例えば頭部ガーメント部分120及び首ガーメント部分110は、首ガーメント部分110に対して移動するように頭部ガーメント部分120に対して増大した可撓性を与えるために、それぞれ縫い目ライン250、251に沿って選択された場所で互いに結合される場合もある。具体的には頭部ガーメント部分120及び首ガーメント部分110は、後頭部に近接して頭部ガーメント部分120と首ガーメント部分110の間に1つまたは複数の開口が存在するように結合されてよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120は、例えば頭部ガーメント部分120と、首ガーメント部分110の一方またはその両方から外向きに延出するフラップを用いて首ガーメント部分110に取り外し可能に結合される場合もある。換言すると、頭部ガーメント部分120及び首ガーメント部分110は、例えばその一方または両方から外向きに延出するフラップにおいて任意の好適な留め具を用いて結合させたり、切り離したりすることができる。
【0099】
1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120及び胴体ガーメント部分140は、
図7に示されるように首ガーメント部分110に結合されてよい。例えば頭部ガーメント部分120は、
図6を参照して記載されるように首ガーメント部分110に結合されてよい。さらに例えば、任意の好適なやり方を利用して胴体ガーメント部分140と、首ガーメント部分110を結合することができる。例えばそのようなガーメント部分は、縫合、溶接または任意の他の結合技術を用いて結合されて、一体式のガーメントを形成することができる。例えば胴体ガーメント部分140は、それぞれの縫い目ライン253、252において首ガーメント部分110に装着されてよい。点線108は、胴体ガーメント部分140と、首ガーメント部分110が図示される縫い目ラインに沿って合わせて結合され得る地点を示している。
【0100】
1つまたは複数の実施形態において、胴体ガーメント部分140は、縫い目ライン253、252全体に沿って首ガーメント部分110に装着されてよい。さらに1つまたは複数の実施形態において、例えば胴体ガーメント部分140及び首ガーメント部分110は、首ガーメント部分110に対して移動するように胴体ガーメント部分140に対して増大した可撓性を与えるために、それぞれ縫い目ライン253、252に沿って選択された場所で互いに結合される場合もある。
【0101】
さらに1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120、首ガーメント部分110及び胴体ガーメント部分140は、様々な異なる方法で互いに結合されてよい。例えば胴体ガーメント部分140は、胴体ガーメント部分140が首ガーメント部分110に対して移動するために増大した可撓性を有するように首ガーメント部分110に結合されてよい。例えば首ガーメント部分110と、胴体ガーメント部分140は、首の後部に近接して首ガーメント部分110と胴体ガーメント部分140の間に1つまたは複数の開口が存在するように互いに対して結合されてよい。1つまたは複数の実施形態において、胴体ガーメント部分140は、頭部ガーメント部分120に結合されてよい(例えば直接結合される)。例えば1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分120及び首ガーメント部分110は、胴体ガーメント部分140に結合され得る単一の頭部/首ガーメント部分として設けられる場合もある。換言すると、頭部ガーメント部分120と、首ガーメント部分110の結合は、そのようなガーメント部分が単一の一体式のガーメント部分として形成されることを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、胴体ガーメント部分140は、例えば胴体ガーメント部分140、頭部ガーメント部分120及び首ガーメント部分110のうちの1つまたはその各々から外向きに延出するフラップを用いて、首ガーメント部分110及び/または頭部ガーメント部分120に対して取り外し可能に結合されてよい。例えば胴体ガーメント部分140は、フラップがポップアップ式の襟の外観を有するように、首に近接して胴体ガーメント部分140から延出するフラップを有する場合がある。したがって胴体ガーメント部分140は、例えばその一方または両方から外向きに延出するフラップなどにおいて任意の好適な留め具を用いて頭部ガーメント部分120及び/または首ガーメント部分110に結合させたり、切り離したりすることができる。
【0102】
本明細書に記載されるガーメントのいずれかを提供するのに使用され得る、1つまたは複数の小室803を含む一例のガーメントの一部800の断面が
図8Aに示される。ガーメント部分800は、外側面801と、対向する内側面802とを画定してよい。内側面802は、ガーメント部分800が身体に位置決めされる際、外側面801より人の身体に近づけて位置決めされるように構成されてよい。1つまたは複数の小室803は、1つまたは複数の小室803の1つの小室を1つまたは複数の小室803の別の小室から隔離する何らかの方法で分離されてよい。例えば1つまたは複数の小室803は、溶接部805によって分離されてよい。
【0103】
ガーメント部分800は、1つまたは複数の層804を含んでよく、1つまたは複数の層804の少なくとも1つは、圧迫層806を含んでいる。圧迫層806は、流体を収容するように構成され得る1つまたは複数の小室803の各々の中に空洞を画定することができる。1つまたは複数の小室803の各々の圧迫層806は、ガーメント部分800がユーザによって装着される際、身体の一部に圧力を加えるために供給源から(例えば
図1A〜
図1Bに示されるポンプ103から)流体を受け取ることができる。例えば流体は、単一のポートなどを利用して、順番にまたは連続するやり方で、例えばガーメント部分800への入口からガーメント部分800の出口へと1つまたは複数の小室803の各々に誘導されてよい。
【0104】
1つまたは複数の小室803の各々は、ガーメント部分800によって身体の一部に加えられるべき特定の圧力まで流体によって満たされてよい(例えば個別にまたは集団で)。本明細書に記載される種々の圧力付与領域の各々は、例えば1つまたは複数の小室803のうちの1つ、または1つまたは複数の小室803のうちの複数を含む場合がある。1つまたは複数の実施形態において、本明細書に記載される種々の圧力付与領域は、例えば同一の1つまたは複数の小室を含む場合があるが、ガーメント上の異なる場所に位置決めされる可能性がある。
【0105】
本明細書に記載されるガーメントのいずれかを提供するのに使用され得る、1つまたは複数の圧迫領域853を含む一例のガーメントの別の部分850の断面が
図8Bに示される。ガーメント部分850は、外側面851と、対向する内側面852とを画定してよい。内側面852は、ガーメント部分850が身体に位置決めされる際、外側面851より人の身体に近づけて位置決めされるように構成されてよい。1つまたは複数の領域853は、互いから分離される場合、または互いから分離される必要がない場合がある。一実施形態では、例えば1つまたは複数の領域853は、溶接部855によって分離されてよい。
【0106】
ガーメント850は、1つまたは複数の層854を含んでよく、1つまたは複数の層854の少なくとも1つは圧迫層857を含んでいる。圧迫層857は、圧力を加えるように構成された様々な好適な構成要素を含んでよい。例えば圧力は、例えば空気または空気圧システム、油圧システム、電気機械システム、作動要素(例えば電気信号を利用して、ガーメント内の電気により作動可能な線維などのガーメント内の特定の要素を作動させることで、そのような線維を含む区画が身体の一部に圧力を加える)、ケーブル/レーステンションシステム、またはガーメント部分850を通して身体の一部に圧力を加えるように構成される任意の他のシステムによって圧迫層を介して加えられる場合がある。
【0107】
少なくとも1つの実施形態では、圧迫層857は、身体の一部に圧力を加えるように構成された複数の作動要素であってよい(例えばニチノールなどの作動可能物質、または任意の他の圧迫デバイス)。1つまたは複数の領域853の各々の圧迫層857は、ガーメント部分850がユーザによって装着される際、身体の一部に圧力を加えることができる。例えば圧力は、1つまたは複数の領域853にわたって順番にまたは連続するやり方で、1つまたは複数の領域853の各々によって加えられてよい。本明細書に記載される種々の圧力付与領域の各々は、例えば1つまたは複数の領域853のうちの1つ、または複数の1つまたは複数の領域853を含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、本明細書に記載される種々の圧力付与領域は、例えば同一の1つまたは複数の領域を含む場合があるが、ガーメント部分850上の異なる場所に位置決めされる可能性がある。
【0108】
図8A〜
図8Bに記載される(及びそれ故に
図1〜
図7及び
図9〜
図10に示される)ガーメント部分800、850はまた、ガーメント部分800、850によって身体の一部に加えられる圧力を測定するように構成された1つまたは複数の圧力センサ818、868に対応付けられてよい。圧力センサ818、868は、ガーメント部分800、850に沿って多様な位置に配置されてよい。例えば圧力センサ818、868は、ガーメント部分800、850の長さに沿って(例えば均等な距離だけ離して、または必要に応じて)位置決めされてよい。圧力センサ818、868は、1つまたは複数の圧力付与領域またはガーメント部分800、850の複数の層804、854に隣接して配置される場合もある。
【0109】
例えば材料の1つの層は、圧力センサ818、868を取り囲み、1つまたは複数の圧力付与領域に対応する、及び/または1つまたは複数の小室803、853に対応する圧力感知領域を含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、圧力センサ818、868は、身体の一部に近接し得るガーメント部分800、850の側面(例えば内側面802、852など)に位置決めされてよい。圧力センサ818、868は、例えば各々の圧力付与領域、1つまたは複数の小室803、853の各々、複数のチャンバのためのマニフォルドなどにおいて圧力を感知するために位置決めされてよい。
【0110】
圧力センサ装置は、各々の圧力付与領域、各々の空気室またはチャンバ、複数のチャンバのためのマニフォルドなどにおいて複数の異なる方法で圧力を感知するように実装されてよい。圧力センサ装置は、各々の圧力付与領域のための1つのセンサ、全ての圧力付与領域のための単一のセンサなど様々な異なる方法で圧力を測定するように構成されてよい。加えて、コントローラは、測定された圧力に基づいて身体の一部に加えられる圧力を制御するように構成されてよい。例えば圧力感知装置は、「Elastomeric Particle Having An Electrically Conducting Surface, A Pressure Sensor Comprising Said Particles, A Method For Producing Said Sensor And A Sensor System Comprising Said Sensors」というタイトルの米国特許第9,027,408号に記載されるガーメント内の圧力センサの形態を採る場合がある、またはポンプまたは制御装置(例えば102)に、「Pressurized Medical Device」というタイトルの米国特許第7,947,003号に記載されるような圧力感知機能(例えばポンプ装置の一部として小室内の空気圧を測定する)が備わっている場合があり、これらの特許は全て本明細書に組み込まれている。
【0111】
別の一例の圧迫ガーメントシステム900が
図9〜
図10に例示されている。圧迫ガーメントシステム900は、
図1〜
図8を参照して本明細書に示される及び/または記載される特徴のいずれかを含んでよく、さらに
図1〜
図8を参照して記載されるいずれのガーメントも
図9〜
図10を参照して示される及び/または記載される特徴のいずれかを使用してよい。圧迫ガーメントシステム900は、身体(例えば
図2A〜
図2Cに示される人の身体10)の一部を囲むように位置決めされるように構成されるガーメント901を含む。ガーメント901は、多様な様々な方法で身体に対して位置決めされてよい。例えば
図9〜
図10に示されるようにガーメント901は、身体の頭部、首及び胴体を囲むように位置決めされる。
【0112】
図9〜
図10に示されるように、ガーメントは、頭部に近接して位置決めされる頭部ガーメント部分920と、首に近接して位置決めされる首ガーメント部分910と、胴体に近接して位置決めされる胴体ガーメント部分940とを含む。頭部ガーメント部分920は、首ガーメント部分910に結合されてよく、首ガーメント部分910は、胴体ガーメント部分940に結合されてよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分920は、胴体ガーメント部分940に結合される場合もある。
図9〜
図10に示されるようにガーメント901はまた、ガーメント901が身体に位置決めされる際、首の前面部分に近接して、及び気管に隣接して首ガーメント部分910と胴体ガーメント部分940の間に開放領域915を含んでよい。開放領域915は、ガーメント901を着用している患者の気道へのアクセスを可能にすることができる。
【0113】
ガーメント901は、ガーメント901の各々の部分における領域に配置された圧力付与領域を含んでよい。圧力付与領域の各々は、身体の一部に圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成されてよい。例えば頭部ガーメント部分920は、頭部の1つまたは複数の対応する部分に圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成される1つまたは複数の頭部圧力付与領域921を含んでよく、首ガーメント部分910は、首の1つまたは複数の対応する部分に圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成される1つまたは複数の首圧力付与領域911を含んでよく、胴体ガーメント部分940は、胴体の1つまたは複数の対応する部分に圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成される1つまたは複数の胴体圧力付与領域941を含んでよい。
【0114】
頭部ガーメント部分920は、身体の頭部に着用されるように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分920は、後頭部から前頭部まで頭の両側を囲むように位置決めされるように構成されるように記載されてよい。頭部ガーメント部分920は、後頭部ガーメント部分928と、右側の頭部ガーメント部分934と、左側の頭部ガーメント部分936とを含んでよい。後頭部ガーメント部分928は、後頭部に近接して位置決め可能であってよく、右側の頭部ガーメント部分934は、後頭部ガーメント部分928から延び、後頭部から前頭部へと頭の右側に位置決め可能であってよく、左側の頭部ガーメント部分936は、後頭部ガーメント部分928から延び、後頭部から前頭部へと頭の左側に位置決め可能であってよい。頭部ガーメント部分920はまた、右頬に近接して位置決め可能な右頬ガーメント部分922と、左頬に近接して位置決め可能な左頬ガーメント部分924とを含んでよい。
【0115】
頭部ガーメント部分920は、1つまたは複数の頭部圧力付与領域921を含んでよい。例えば、頭部ガーメント部分920の右側の頭部ガーメント部分934、左側の頭部ガーメント部分936及び後頭部ガーメント部分928の各々は、1つまたは複数の頭部圧力付与領域921のうちの1つまたは複数の部分を含んでよい。加えて、右頬ガーメント部分922及び左頬ガーメント部分924は、頬の一部に圧力を加えるように構成される、またはそのように制御可能な1つまたは複数の頬圧力付与領域923を含んでよい。頭部圧力付与領域921及び例えば1つまたは複数の頬圧力付与領域923は、リンパ液を頭部から外に移動させ首及び胴体に向かって移動させるように協働することができる。
【0116】
頭部ガーメント部分920はまた、額ガーメント部分932と、顎下ガーメント部分925とを含んでよい。額ガーメント部分932及び顎下ガーメント部分925は、頭部ガーメント部分920の第1の部分を頭部ガーメント部分920の第2の部分に結合することで、頭部ガーメント部分920を頭部に着用し位置決めするのを助けるように構成されてよい。例えば顎下ガーメント部分925は、右頬ガーメント部分922を左頬ガーメント部分924に結合するように構成された1つまたは複数の顎下接続要素927を含んでよい。額ガーメント部分932及び顎下ガーメント部分925は、1つまたは複数の頭部圧力付与領域921が頭部に圧力を加える際、頭部ガーメント部分920の一部(例えば右頬ガーメント部分922及び左頬ガーメント部分924)を頭部に近づけて保持するのに使用されてよい。例えば1つまたは複数の頭部圧力付与領域921は、その方向が最も抵抗の少ない経路であることから、圧力を加える際、頭部ガーメント部分920を身体から離れるように移動させる場合がある。
【0117】
額ガーメント部分932及び顎下ガーメント部分925は、頭部ガーメント部分920が、望ましくない方向に移動するのを阻止し、頭部ガーメント部分920が頭部に着用される際、1つまたは複数の頭部圧力付与領域921が頭部に圧力を加えることを保証するように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメント部分920は、頭部の鼻梁に近接して位置決め可能であり、頭部ガーメント部分920の第1の部分(例えば右頬ガーメント部分922)を頭部ガーメント部分920の第2の部分(例えば左頬ガーメント部分924)に接続するように構成された1つまたは複数の鼻接続要素(図示せず)を含んでよい。
【0118】
1つまたは複数の実施形態において、額ガーメント部分932及び顎下ガーメント部分925は、頭部の一部に(例えば額及び顎の下にそれぞれ)圧力を加えるように構成されてよい。額ガーメント部分932は、ストラップ933(例えば上部の頭部ガーメント部分920を横切ってストラップで固定している)を引っ張って額ガーメント部分932を額に当ててしっかり締め付けることによって圧力を加えることができる。額ガーメント部分932は、額の一部(例えばこめかみ)に圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成される額圧力付与領域(図示せず)を含んでよい。同様に顎下ガーメント部分925も、ストラップ(例えば下部の頭部ガーメント部分920を横切ってストラップで固定している)を引っ張って顎下ガーメント部分925を顎に当てて、かつその下でしっかり締め付けることによって圧力を加えることができる。顎下ガーメント部分925は、顎の下の一部に圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成される顎下圧力付与領域(図示せず)を含んでよい。
【0119】
図9〜
図10に示されるように、首ガーメント部分910は、身体の首に着用されるように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、首ガーメント部分910は、首の後部から首の前面または首の側面へと首の両側を囲むように位置決めされるように構成されるように記載されてよい。首ガーメント部分は、第1の首ガーメント部分912(例えば右側の首ガーメント部分)と、第2の首ガーメント部分914(例えば左側の首ガーメント部分)とを含んでよい。第1の首ガーメント部分912は、首の右の部分または右側に近接して位置決め可能であってよく、第2の首ガーメント部分914は、首の左の部分または左側に近接して位置決め可能であってよい。
【0120】
第1の首ガーメント部分912及び第2の首ガーメント部分914の各々は、首の一部に圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成される1つまたは複数の首圧力付与領域911を含んでよい。例えば、第1の首ガーメント部分912及び第2の首ガーメント部分914の1つまたは複数の首圧力付与領域911は、第1の首ガーメント部分912及び第2の首ガーメント部分914の各々の間で交互にまたは同時に圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成されてよい。
【0121】
図9〜
図10に示されるように、胴体ガーメント部分940は、身体の胴体に着用されるように構成されてよい。1つまたは複数の実施形態において、胴体ガーメント部分940は、胴体の背面から胴体の前面へと胴体の両側を囲むように位置決めされるように構成されるように記載されてよい。胴体ガーメント部分940はまた、ベストに似た構造(例えばユーザの腕を収容するためにその両側に開口を含むベスト)を有するように記載される場合もある。胴体ガーメント部分940は、胴体の背面に近接して位置決め可能な背面胴体ガーメント部分950と、胴体の右側に近接して位置決め可能な右側の胴体ガーメント部分951と、胴体の左側に近接して位置決め可能な左側の胴体ガーメント952とを含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、右側の胴体ガーメント部分951及び左側の胴体ガーメント部分952は、ガーメント901が身体に位置決めされる際、胴体の背面に近接して重なり合う場合がある。
【0122】
胴体ガーメント部分940は、胴体の一部に圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成される1つまたは複数の胴体圧力付与領域941を含んでよい。例えば背面胴体ガーメント部分950、右側の胴体ガーメント部分951及び左側の胴体ガーメント部分952の各々は、胴体の背面、胴体の右側及び胴体の左側の一部にそれぞれ圧力を加えるように制御可能である、またはそのように構成される1つまたは複数の胴体圧力付与領域941を含んでよい。1つまたは複数の頭部圧力付与領域921、1つまたは複数の首圧力付与領域911及び1つまたは複数の胴体圧力付与領域941は総合して、リンパ液が少なくとも頭部から胴体に向かって(例えば頭部から胴体に、頭部から首に、首から胴体になど)移動されるように身体の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。
【0123】
右側の胴体ガーメント部分951と、左側の胴体ガーメント部分952は、胴体ガーメント部分940を身体の胴体に着用するために互いに結合されてよい。右側の胴体ガーメント部分951は、多様な様々な方法で左側の胴体ガーメント部分952に結合されてよい。例えば、ガーメント901はまた、右側の胴体ガーメント部分951を左側の胴体ガーメント部分952に結合する(例えば胴体の前面に近接して)ように構成された取り付け具980(例えば取り付け構造)を含む場合もある。取り付け具980は、右側の胴体ガーメント部分951に結合可能な右ストラップ981と、左側の胴体ガーメント部分952に結合可能な左ストラップ982と、右ストラップ981と左ストラップ982を結合するように構成された留め具983とを含んでよい。
【0124】
右ストラップ981と、左ストラップ982は、例えば面ファスナーなどを利用して右側の胴体ガーメント部分951と、左側の胴体ガーメント部分952に対してそれぞれ結合可能であってよい。換言すると、右ストラップ981及び左ストラップ982は、右側の胴体ガーメント部分951及び左側の胴体ガーメント部分952に対して調節することができ、その後留め具983を利用して合わせて結合されてよい。これにより胴体ガーメント部分940を最初に患者に適合する際、右ストラップ981及び左ストラップ982を胴体ガーメント部分940上に配置することが可能になるが、その後胴体ガーメント部分940は、留め具983を利用してより簡単に着脱することができる。
図9に示されるように圧迫ガーメントシステム900は、2つの取り付け具980、985を含んでおり、一方は首により近づけて胴体ガーメント部分940上にあり(例えば取り付け具980)、他方はウエストにより近づけて胴体ガーメント部分940上にある(例えば取り付け具985)。圧迫ガーメントシステムは、ガーメント901を着用するのに適した任意の数の取り付け具980を含んでよい。
【0125】
1つまたは複数の実施形態において、システム900は、システム及び1つまたは複数のその要素(例えば1つまたは複数の圧力付与領域によって圧迫治療を提供するなど)を制御するように構成された制御装置またはコントローラ902(例えば1つまたは複数の方法またはプロセスを実行する1つまたは複数のプログラムまたはルーチンを利用し、1つまたは複数のタイプのメモリが組み込まれた1つまたは複数のプロセッサ)を含んでよく、ガーメント901が1つまたは複数の流体で満たされた小室を含む場合、圧迫治療を適用するために、圧力付与領域の各々の1つまたは複数の小室(例えば
図8Aに示される小室803)に、例えば小室内の液体またはガスなどの流体を提供する/そこから流体を取り除くためにコントローラ902によって制御され得るポンプ903及び配管905を含んでよい。
【0126】
そのような制御装置及びポンプ装置は、
図1A〜
図1Bを参照して記載したものと同様のやり方で作動することができる。さらに1つまたは複数の実施形態において、
図9〜
図10に示されるように、コントローラ902は、点線904によって全体的に表されるように1つまたは複数の電線を介して及び/または無線により圧迫ガーメントシステムの1つまたは複数の構成要素に接続されてよい。例えばコントローラ902は、物理的な電気接続を利用して、及び/または無線によって圧力付与領域と通信し、これを制御するように接続されてよい。
【0127】
図1〜
図10を通して記載される圧迫ガーメント部分は、静的ガーメント部分と、動的ガーメントとを含むように記載される場合がある。換言すると、静的ガーメント部分は、圧迫治療時間の間、身体の一部に一定の圧力(例えば静圧)を加えることができる圧迫ガーメントの部分を含み、動的ガーメント部分は、圧迫治療時間の間、身体の一部に(例えばコントローラの制御の下で)変動する圧力を加えることができる圧迫ガーメントの部分を含む。
【0128】
1つまたは複数の実施形態において、静的ガーメント部分の一部が、圧迫治療時間の間、身体の一部に静圧を加えるように制御された動的ガーメント部分の少なくとも一部分を含む場合もある。例えば動的ガーメント部分が、身体の一部に一定の圧力を加えることによって身体の一部に静圧を加える場合もある(例えば、変動式のいかなる動圧付与要素もなしで圧力を加えるために動的ガーメント部分を身体のその部分にぴったりと当てて縛り付け、動的ガーメント部分を身体のその部分に当てて位置決めし、加えられる圧力を変えずにコントローラを利用して静圧を加える(小室に流体を提供する))。例えば顎下圧力付与要素126は、圧迫治療時間の間、顎の下に静圧を提供するために流体を収容するように制御されてよく、他の頭部圧力付与要素は、所望されるリンパ液の移動を実現するために、圧迫治療時間の間、頭部に動的な圧力のシーケンスを付与するように制御されてよい。
【0129】
例えば、身体の一部(例えば頭部、首、胴体など)に着用されるように構成された一例のガーメントは、静的ガーメント部分(例えば顎下ガーメント部分925)と、動的ガーメント部分(例えば右頬ガーメント部分922及び左頬ガーメント部分924)とを含んでよい。静的ガーメント部分は、頭部の一部に静圧を加えるように構成可能であってよく、動的ガーメント部分は、頭部及び/または首の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の圧力付与領域を含んでよい。
【0130】
コントローラ(例えばコントローラ102)は、1つまたは複数の圧力付与領域によって加えられる圧力を制御するように構成されてよく、圧力は、治療時間の間、経時的に変化する場合がある(例えば1つまたは複数の圧力付与領域を利用して動圧が加えられる)。1つまたは複数の圧力付与領域は、リンパ液を少なくとも頭部から首に向かって、及びそこから下方に移動させるために、頭部及び首の1つまたは複数の部分に圧力を加えるように制御可能であってよい。
【0131】
静的ガーメント部分は、任意の好適なやり方で身体の1つまたは複数の部分に静圧を加えるように構成されてよい。例えば、静的ガーメント部分は、身体に関連するガーメントの一部をきつく締めることによって、ガーメントを着用している間圧力を加えることができる。具体的には、例えば静的ガーメント部分は、頭部の顎の下の一部に圧力を加える(例えば
図1A〜
図1B、
図3、及び
図9〜
図10に図示されるような顎下ガーメント部分125、925を通して)ように構成可能であってよい。顎の下の静的治療は、圧迫治療におけるリンパ液の蓄積を回避するのに役立つ場合がある。
【0132】
静的ガーメント部分はまた、頭部の顎の下に近接して位置決め可能な静的圧迫面を含む1つまたは複数の顎下接続要素(例えば
図1A〜
図1Bに関連して記載されるような)を含んでよい。1つまたは複数の顎下接続要素は、右頬ガーメント部分と、左頬ガーメント部分を接続するように構成されてよい。静的ガーメント部分はまた、(
図1A〜
図1B、
図3、及び
図9〜
図10に図示されるような額ガーメント部分132、932を通して)頭部の額及びこめかみに静圧を加えるように構成可能であってよい。さらに例えば
図1A〜
図1B、
図3、及び
図9〜
図10に図示される顎下ガーメント部分125、925は、圧迫治療時間の間、顎の下に静圧を提供するために流体を収容するように構成された顎下圧力付与要素(例えば流体で満たされ、静圧に保持される1つまたは複数の顎下の小室)を含んでよく、他の頭部圧力付与領域は、圧迫治療時間の間、頭部に動圧のシーケンスを加えるように制御可能であってよい。しかしながら1つまたは複数の実施形態において、
図1A〜
図1B、
図3、及び
図9〜
図10に図示される顎下ガーメント部分125、925における1つまたは複数の圧力付与領域が、顎の下の一部に動圧を加えるように制御可能である場合もある。
【0133】
動的ガーメント部分は、任意の好適なやり方で身体の1つまたは複数の部分に動圧を加えるように構成されてよい。例えば動的ガーメント部分は、制御可能な圧力付与領域を含む頭部ガーメント部分、首ガーメント部分及び/または胴体ガーメント部分のいずれかの一部を含んでよい。制御可能な圧力付与領域は、リンパ液を所望される方向に(例えば頭部から首に向かって、首から胴体に向かってなど)移動させる特定のシーケンスの圧力を身体に加えるために互いと組んで作用することができる。そのような特定のシーケンスの圧力を身体に付与することは(例えば圧力、例えば異なる圧力が、圧迫治療時間における異なる時間に頭部及び首の1つまたは複数の部分に加えられる)、身体に動圧を与える。
【0134】
例えば動的ガーメント部分は、頭部の右頬に近接して位置決め可能な右頬ガーメント部分(例えば右頬ガーメント部分122、922)と、頭部の左頬に近接して位置決め可能な左頬ガーメント部分(例えば左頬ガーメント部分124、924)とを含んでよい。そのような右頬ガーメント部分及び左頬ガーメント部分における1つまたは複数の圧力付与領域は、左頬と右頬の各々の一部に動圧を加える(例えばリンパ液を所望される方向に移動させる特定のシーケンスの圧力を身体に加える)ように制御可能であってよい。別の例では、動的ガーメント部分は、後頭部に近接して位置決め可能な後頭部ガーメント部分(例えば後頭部ガーメント部分128、928)を含む場合もある。後頭部ガーメント部分における1つまたは複数の圧力付与領域は、後頭部の一部に動圧を加える(例えばリンパ液を所望される方向に移動させる特定のシーケンスの圧力を身体に加える)ように制御可能であってよい。換言すると、リンパ液を移動させるように制御可能な圧力付与領域を含むいずれのガーメント部分も、身体に動圧を与えるのに適している。
【0135】
静的及び動的ガーメント部分は、リンパ液を少なくとも顎の下の一部、左頬及び右頬の各々の一部、及び後頭部の一部から首の一部に向かって移動させるのを助けるために組み合わせることができる。例えば1つまたは複数の圧力付与領域は、リンパ液を少なくとも顎の下の一部、左頬及び右頬の各々の一部、及び後頭部の一部から首の一部に向かって移動させるために、治療時間の間、動的な圧力を加えるように制御可能であってよく、1つまたは複数の静的ガーメント部分(例えば
図1A〜
図1B、
図3、及び
図9〜
図10に図示される顎下ガーメント部分125、925または
図1A〜
図1B、
図3、及び
図9〜
図10に図示される額ガーメント部分132、932など)は、治療時間の間、静圧が加えられる領域に流体が移動するのを阻止するのに使用される。
【0136】
別の一例の圧迫ガーメントシステムは、身体の頭部及び首に着用されるように構成されたガーメントを含んでよい。ガーメントは、身体の1つまたは複数の部分に静圧を加えるように構成可能であってよく(例えば頭部ガーメント部分を利用して顎の下及び額)、また身体の一部(例えば頭部ガーメント部分、首ガーメント部分または胴体ガーメント部分を利用して頭部、頬、後頭部、首、胴体に)に動圧(例えば一定の時間にわたって変動する圧力)を加えるように制御可能な複数の圧力付与領域を含んでよい。
【0137】
コントローラは、複数の圧力付与領域の各々によって加えられる圧力を制御するように構成されてよい。圧力は、圧迫治療時間における異なる時間に頭部及び首の1つまたは複数の部分に加えられてよい。換言すると、ガーメントは、ガーメントが身体に着用される際、静圧を加えることができ(例えばガーメントを身体に対してきつく締め付けることによって静圧が加えられる)、その後ガーメントが着用された後、コントローラが、ガーメントに動圧を加えることができる(例えば圧力付与領域を利用して、ガーメントが身体に着用された後、特定の領域において圧力を変える)。複数の圧力付与領域は、リンパ液を少なくとも頭部から首に向かって、及びそこから下方に移動させるために頭部及び首の1つまたは複数の部分に圧力を加えるように制御可能であってよい。
【0138】
圧迫ガーメントシステムは、多様な様々な方法でガーメントを通して身体に圧力を加えることができる。例えば複数の圧力付与領域は、ガーメントが頭部及び首の1つまたは複数の部分に静圧を加えるように構成された後(例えばストラップ、留め具などを利用してガーメントを身体に対してきつく締め付けることによって)、頭部及び首の1つまたは複数の部分に(例えば頭部ガーメント部分及び首ガーメント部分を利用して頬、首及び後頭部に)動圧を加える(例えば治療時間にわたって加えられる圧力の大きさを変える)ように制御可能であってよい。ガーメントはまた、身体の胴体に着用されるように構成される場合もあり、複数の圧力付与領域は、身体の胴体に動圧を加えるように制御可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、ガーメントは、ガーメントが胴体に着用される際、胴体に静圧を加える場合もある。
【0139】
圧迫治療の一例の方法1100が、
図11に例示されている。方法1100は、身体の少なくとも一部にガーメントを着用すること1110を含んでよい(例えばガーメントは、頭部ガーメント部分と、首ガーメント部分とを含んでよい)。頭部ガーメントは、(例えば身体の頭部の一部に圧力を加えるように制御可能な)1つまたは複数の頭部圧力付与領域を含んでよく、首ガーメント部分は、(例えば例えば身体の首の一部に圧力を加えるように制御可能な)1つまたは複数の首圧力付与領域を含んでよい。方法1100はまた、リンパ液を少なくとも首に向かって移動させるために、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々によって身体の頭部に加えられる圧力を制御すること1120を含んでよい。方法1100はさらに、リンパ液を少なくとも首から下方に移動させるために、1つまたは複数の首圧力付与領域の各々によって身体の首に加えられる圧力を制御すること1130を含んでよい。
【0140】
1つまたは複数の実施形態において、方法1100はまた、1つまたは複数の頭部圧力付与領域の各々によって身体の頭部に圧力を加えることと、その後1つまたは複数の首圧力付与領域の各々によって身体の首に圧力を加えることとを含んでよい。方法1100はさらに、身体の頭部及び身体の首へのそのような圧力の付与を繰り返すことを含んでよい(例えばコントローラが、加えられる圧力のシーケンスを制御する)。1つまたは複数の実施形態において、方法1100は、(例えば、首ガーメント部分の、及び首の右の部分に近接して位置決め可能な)第1の首ガーメント部分の1つまたは複数の首圧力付与領域の各々によって加えられる圧力と、(例えば、首ガーメント部分の、及び首の左の部分に近接して位置決め可能な)第2の首ガーメント部分の1つまたは複数の首圧力付与領域の各々によって加えられる圧力を交互に制御することを含んでよい。第1の首ガーメント部分は、第2の首ガーメント部分のものとは別個の圧力付与領域を含む。
【0141】
1つまたは複数の実施形態において、ガーメントはまた、胴体の一部に圧力を加えるように制御可能な1つまたは複数の胴体圧力付与領域を含む胴体ガーメント部分(例えば身体の胴体に近接して位置決め可能な)を含んでよい。方法1100はさらに、1つまたは複数の胴体圧力付与領域の各々によって身体の胴体に加えられる圧力を制御することと、身体の頭部、身体の首及び身体の胴体への圧力の付与を繰り返すこと(例えばコントローラが、種々のガーメント部分の種々の圧力付与領域によって身体の各々の領域に加えられる圧力のシーケンスを制御する)とを含んでよい。
【0142】
圧迫治療の別の一例の方法1200が
図12に例示されている。方法1200は、身体の頭部及び首の少なくとも一部にガーメントを着用すること1210を含んでよい(例えばガーメントは複数の圧力付与領域を含む)。方法1200はまた、ガーメントの顎下ガーメント部分を利用して少なくとも頭部の顎の下に静圧を加えること1220を含んでよい。方法1200はさらに、複数の圧力付与領域を利用して身体の頭部及び首の少なくとも一部に動圧を加えること1230を含んでよい。動圧の付与は、圧迫治療時間における異なる時間に頭部及び首の1つまたは複数の部分に圧力を加えることを含んでよい。
【0143】
1つまたは複数の実施形態において、方法1200は、リンパ液を少なくとも頭部及び首から下方に移動させるために、複数の圧力付与領域によって身体の頭部及び首の1つまたは複数の部分に加えられる動圧を制御することを含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、複数の圧力付与領域を利用して身体の頭部及び首に動圧を加えること1230は、複数の圧力付与領域の少なくとも1つによって身体の頭部に圧力を加えることと、その後複数の圧力付与領域の少なくとも1つによって身体の首に圧力を加えることとを含んでよい。動圧を加えること1230はまた、身体の頭部及び身体の首への圧力の付与を繰り返すことを含んでよい。
【0144】
1つまたは複数の実施形態において、方法1200はまた、身体の胴体の少なくとも一部にガーメントを着用すること(例えば身体の胴体の少なくとも一部に着用されるように構成されたガーメントが、身体の頭部及び首の少なくとも一部に着用されるように構成されたガーメント部分に結合されてよい)と、複数の圧力付与領域を利用して身体の胴体に動圧を加えることとを含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、方法1200はさらに、ガーメントの額ガーメント部分を利用して頭部の額及びこめかみに静圧を加えることを含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、方法1200はまた、複数の圧力付与領域の少なくとも1つを利用して頭部の顎の下に圧力を加えることを含んでよい。
【0145】
圧迫治療のさらに別の一例の方法1300が
図13Aに例示されている。方法1300は、身体の胴体に胴体ガーメントを着用すること1310(例えば胴体ガーメントは、身体の胴体の1つまたは複数の部分に圧力を加えるように制御可能な複数の胴体圧力付与領域を含んでよい)と、身体に頭部ガーメントを着用すること1320(例えば頭部ガーメントは、首ガーメントによって胴体ガーメントに結合されてよく、身体の頭部の1つまたは複数の部分に圧力を加えるように制御可能な複数の頭部圧力付与領域を含んでよい)とを含んでよい。
【0146】
図13Bに示されるように、胴体ガーメントを着用すること1310は、身体の胴体の背面に近接するように胴体ガーメントの背面胴体ガーメント部分を位置決めすること1312を含んでよい。胴体ガーメントを着用すること1310はまた、背面胴体ガーメント部分から胴体の前面へと延びるように胴体ガーメントの右側の胴体ガーメント部分を位置決めすること1314と、右側の胴体ガーメント部分の反対側で背面胴体ガーメント部分から胴体の前面へと延びるように胴体ガーメントの左側の胴体ガーメント部分を位置決めすること1316とを含んでよい。胴体ガーメントを着用すること1310はさらに、左側のガーメント部分と、右側のガーメント部分を結合すること1318を含んでよい。
【0147】
さらに
図13Cに示されるように、頭部ガーメントを着用すること1320は、身体の後頭部に近接するように頭部ガーメントの後頭部ガーメント部分を位置決めすること1322を含んでよい。頭部ガーメントを着用すること1320はまた、後頭部ガーメント部分から頭の右側を囲むように後頭部から前頭部へと延びるように頭部ガーメントの右側の頭部ガーメント部分を位置決めすること1324と、右側の頭部ガーメント部分の反対側で後頭部ガーメント部分から頭の左側を囲むように後頭部から前頭部へと延びるように頭部ガーメントの左側の頭部ガーメント部分を位置決めすること1326とを含んでよい。頭部ガーメントを着用すること1320はさらに、右側の頭部ガーメント部分と、左側の頭部ガーメント部分を結合すること1328を含んでよい。
【0148】
1つまたは複数の実施形態において、右側の胴体ガーメント部分と、左側の胴体ガーメント部分を結合すること1318は、取り付け具を利用して左側の胴体ガーメント部分と右側の胴体ガーメント部分を結合することを含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、頭部ガーメントは、顎の下の一部に圧力を加えるように構成可能な顎下ガーメント部分を含んでよい(例えば顎下ガーメント部分は、頭部の顎の下に近接して位置決め可能であってよい)。顎下ガーメント部分は、右側の頭部ガーメント部分と、左側の頭部ガーメント部分を結合する際に使用するように構成された1つまたは複数の顎下接続要素を含んでよい。頭部ガーメントはまた、右側の頭部ガーメント部分と、左側の頭部ガーメント部分を結合する際に使用するように構成された額ガーメント部分を含んでよい(例えば額ガーメント部分は、頭部の額に近接して位置決め可能であってよい)。頭部ガーメントはさらに、右側の頭部ガーメントと、左側の頭部ガーメントを結合する際に使用するように構成された1つまたは複数の鼻接続要素(例えば頭部の鼻梁に近接して位置決め可能な1つまたは複数の鼻接続要素)を含んでよい。
【0149】
1つまたは複数の実施形態において、複数の頭部圧力付与領域及び胴体圧力付与領域の各々は、リンパ液を少なくとも頭部の左側及び右側から、後頭部に向かって、かつ後頭部から胴体に向かって下方に移動させるために、身体の一部に圧力を加えるように制御可能であってよい。1つまたは複数の実施形態において、首ガーメントは、リンパ液を頭部から身体の胴体に向かって下方に移動させるために、首の一部に圧力を加えるように制御可能な少なくとも1つの圧力付与領域を含む。1つまたは複数の実施形態において、方法1300は、複数の頭部圧力付与領域のうちの少なくとも1つによって身体の頭部に圧力を加えることと、複数の胴体圧力付与領域のうちの少なくとも1つによって身体の胴体に圧力を加えることとを含んでよい。1つまたは複数の実施形態において、方法1300はさらに、身体の頭部及び身体の胴体への圧力の付与を繰り返すことを含んでよい。
【0150】
1つまたは複数のガーメントを着用するのを助けるために、1つまたは複数の締め付け具(例えばレーシングシステム)が種々のガーメントの1つまたは複数の場所で使用される場合がある(例えば両側に沿って胴体ガーメント上で、コネクタまたは留め具のうちの一方として、またはそのうちの一方を利用して頭部ガーメント上で)。
図14に示されるように、胴体ガーメント部分440は、身体の胴体に胴体ガーメント部分440を位置決めする(例えば締め付ける)のを助けるために締め付け具420を含んでよい。締付け具420は、締付け具420が、胴体ガーメント部分440の第1の部分442を胴体ガーメント部分440の第2の部分444に対して移動させるのに役立つような、例えば胴体ガーメント部分440を身体の胴体に近接させて締め付けるのを助けるような胴体ガーメント部分440上のいかなる場所にも配置されてもよい。
【0151】
締め付け具420は、胴体ガーメント部分440の第1の部分442と第2の部分444の間に位置決めされる(例えば通される)少なくとも1本のレース430を含んでよい。少なくとも1本のレース430は、ガイド部材(例えば示されていないが、例えば交差するレースの両端でレースがその中を通って進む)を利用して胴体ガーメント部分440の第1の部分442と第2の部分444の間に誘導されてよい。締め付け具420はまた、少なくとも1本のレース430に結合され、少なくとも1本のレース430に対して張力を加えるように構成されることで、胴体ガーメント部分440を身体の胴体の周りに締め付ける締め付けデバイス425を含んでよい。
【0152】
図14に示されるように、締付け具420は、身体の腕の下に配置される。1つまたは複数の実施形態において、締付け具420は、身体の片方の腕の下または両腕の下に(例えば身体の両側に沿って)配置されてよい。また締付け具420は、身体に近接するようにガーメントを締め付けたり調節したりする際に補助的な助けを必要とし得るガーメントに沿った任意の他の場所に配置される場合もある。本明細書に記載される締付け具420は、「Compression Garment System with Tightening Apparatus」というタイトルのPCT国際出願番号PCT/US2015/036951号に見いだされる1つまたは複数の特徴と似ており、それらを含む場合があり、この出願は参照により本明細書に組み込まれている。
【0153】
そうでないことが指摘されなければ、明細書及びクレーム中で使用される特徴のサイズ、量及び物理的な特性を表す全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されるように理解されるべきである。したがって反対のことが指摘されなければ、上述の明細書及び添付のクレーム中に記載される数値的なパラメータは、本明細書に開示される教示を利用する当業者が取得しようとする所望される特性に応じて変動する可能性のある近似値である。終点を含む数値的な範囲の使用は、その範囲内の全ての数字(例えば1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)と、その範囲内の任意の範囲を含む。
【0154】
開示される例において列挙される特定の材料及びその寸法、ならびにその他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限するように解釈すべきではない。本主題は、構造的特徴及び/または方法論的な行為に固有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲において定義される主題は、上記に記載される特定の特徴または行為に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ上記に記載される特定の特徴及び行為は、特許請求の範囲を履行する代表的な形態として開示されている。