(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの前記開口が、前記リング状構造体の前記外面から前記細長いカテーテル組立体内に配設された内腔までの流体連通を形成する複数の開口を備えることを特徴とする請求項4に記載のカテーテル。
前記緩衝領域が、前記リング状構造体よりも変形可能であり、それにより、前記緩衝領域が、圧縮力を受けて、前記リング状構造体の前記遠位端部に対して軸方向に圧縮することを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
前記細長いカテーテル組立体の近位部分において前記細長いカテーテル組立体に連結されたハンドルであって、前記近位部分が使用時に患者の外側に配設される、ハンドルと、
内面を有するスリーブであって、当該スリーブの前記内面の遠位部分が、前記病変開通器具の外面に取り付けられており、当該スリーブの前記内面の近位部分が、前記細長いカテーテル組立体の外面に取り付けられている、スリーブと、
をさらに備え、
当該カテーテルが、前記ハンドルを回転させるまたは平行移動させることが前記接続部分に沿ってまたは前記接続部分を介して少なくとも部分的に前記病変開通器具に伝達されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
前記細長いカテーテル組立体が、当該カテーテル組立体の前記近位部分にかけたトルクを前記病変開通器具へ1:1で伝達させるのに十分な剛性を有することを特徴とする請求項10に記載のカテーテル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
市場には特にCTOを横断するために設計された様々な製品があり、これらは、腔内、内膜下または再入口デバイスのいずれかとして分類され得る。理論的には、腔内で横断することは、長い閉塞病変の切開面を低減し、側副を保護し、治療の選択の自由を保留し得る。内膜下横断は、閉塞したセグメントを越えて「再入口」を延ばし得、側副を危険にさらし、治療の選択肢を制限する。また、穿孔や切開のような合併症の割合を増加させ、放射及び造影剤への露出の増加の結果を伴って手術時間を延長し得る。同様に、膝の下方において、いったんワイヤを外膜内へ横断させると、ワイヤを正しい内腔内に再び入れることが非常に困難となり得る。
【0004】
特定のカテーテルシステムは、腔内方式で閉塞を横断するために開発されている。しかしながら、これらカテーテルシステムには、問題がある。例えば、3以上の同軸配置したカテーテル本体は、病変を横断するためにシステムにおいて作用し得る。内側中実ガイドワイヤ部材は、外側シース内に設けられ得る。介在する回転可能層は、外側シース内からガイドワイヤ上を前進され得、閉塞塊をゆっくりと削ってまたは彫って取り去る。この構造の1つの問題は、3以上の構成部材のため、デバイスの構成部材を操縦するために2人の操作者を必要とすることである。
【0005】
また、より石灰化した病変のため、典型的なカテーテル本体は、アクセスを形成するのによく適してはいない。一般的に、カテーテル本体は、その遠位端部に向けて剛性が低減しており、健康な血管組織への傷の可能性を最小化している。しかしながら、高度に石灰化した病変を手術するため、デバイスの先端は、より大きい剛性を有するべきである。
【0006】
従来の技術(すなわち、アテロームデバイス)の別の問題は、粉瘤の破片が塞栓を生じさせ得、無血流再開現象を含む遠位塞栓を引き起こし得ることである。さらに、これらデバイスに関して、より大きい動脈アクセスシースが必須であり、この動脈アクセスシースは、この通常は極めて重篤な患者においてより多くの血管合併症を引き起こす。
【0007】
これらの理由から、可撓性を有し、低外形閉塞横断カテーテルの必要性が存在し、このカテーテルは、血管狭窄症の領域を横断し、バルーンカテーテルまたは他の介在デバイス(interventional device)を収容するのに十分な経路を構築できる。横断カテーテルは、いくつかの実施において、送達カテーテルであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一形態において、システムは、血管または筒状体腔内にある閉塞を横切る広げた経路を形成するために提供される。システムは、ガイドワイヤと、カテーテルデバイスと、を有する。ガイドワイヤは、自由遠位端部及び近位端部を有する。ガイドワイヤは、閉塞に対して前進されるように構成されており、外径を有する。カテーテルデバイスは、可撓性本体と、器具と、ハンドルと、を有する。細長い本体は、近位端部と遠位端部との間に延在する。細長い本体は、本体を通って延在する内腔を有しており、内径は、ガイドワイヤの外径よりも大きい。器具は、遠位面と、側面と、細長い本体の遠位端部と係合する、例えば遠位端部上に配設された近位端部と、を有する。器具の遠位端部は、閉塞の一部分に作用するように構成されている。ハンドルは、細長い本体の近位端部に配設されている。システムは、ハンドルへの遠位側圧力が器具を遠位側に推進させて閉塞としっかりと係合するように構成されている。内腔は、いくつかの技術において、ガイドワイヤへの側方支持を形成する。他の技術において、カテーテル自体は、初期的にまたは単独で、閉塞に作用してカテーテルを通る経路を強化する。システムは、ハンドルを回転させることによって細長い本体及び器具を回転させて経路を広げるように構成されている。
【0009】
別の形態では、閉塞を横切るアクセスを形成するカテーテルを提供する。カテーテルは、細長い可撓性本体と、閉塞器具と、を有する。閉塞器具は、本明細書で説明するように、閉塞を通る経路を開通させるために使用されるデバイスである。細長い可撓性本体は、近位端部と遠位端部との間に延在する。閉塞器具は、遠位面と、遠位面から近位側に延在する筒状体と、を有する。筒状体は、接続部分にわたって細長い可撓性本体の遠位部分に対して並置されるように構成されている。カテーテル本体は、血管系内を閉塞に向けて前進されるように構成されている。一形態または技術において、カテーテル本体は、ガイドワイヤ上を閉塞まで前進されるように構成されている。一形態または技術において、カテーテル本体は、血管系内で前進されるように構成されており、その外面は、血管系に露出している。別の形態または技術において、カテーテル本体は、血管系内にあるシース内を前進されるように構成されている。このような形態または技術において、例えば少なくとも閉塞開通器具を有する外面は、閉塞に隣接して露出される。別の形態または技術において、カテーテル本体は、閉塞まで案内なく前進されるように、かつ、ガイドワイヤの存在なく閉塞を横切るアクセスを強化するように、構成されている。
【0010】
好ましくは、閉塞器具は、十分な粉砕抵抗を有しており、カテーテルに掛けたエネルギーまたは運動が閉塞器具を変形させることに使用されるよりも閉塞を横切るアクセスを強化するために使用されることを可能とする。遠位端部または閉塞係合部分は、より遠位側の構造体よりも、例えばカテーテル本体よりも粉砕抵抗を有するべきである。閉塞器具は、約15psiの粉砕力を掛けるとその直径の少なくとも約90%の最小側方寸法を維持するように構成され得、それにより、閉塞との相互作用中における器具の内側経路の変形を最小化する。閉塞器具は、約25psiの粉砕力を掛けるとその直径の少なくとも約90%の最小側方寸法を維持するように構成され得、それにより、閉塞との相互作用中における器具の内側経路の変形を最小化する。
【0011】
いくつかの変形例において、閉塞器具は、約3ニュートンの、いくつかの場合において5ニュートンの、いくつかの場合において7ニュートンまでの及び7ニュートンを超える、さらにいくつかの場合において10ニュートン以上の、破壊圧をかけると例えばその本来のものの少なくとも約90%の最小側方寸法を維持するように構成され得る。
【0012】
いくつかの形態において、閉塞器具は、15psiよりも大きい、いくつかの場合において25psiと同様の周方向強度を有し、器具が真円ではなくなることを最小化し、それにより、器具は、使用中にガイドワイヤまたはガイドカテーテル上で曲がらない。
【0013】
カテーテルは、他の有用な機能を提供し得る、または、他の有用な機能を有し得る。例えば、カテーテルは、いくつかの方法において、造影剤注入のための導管として構成され得る。造影剤の注入は、照明するために使用され得、例えば研削した物質によって阻害されているかなどを示すカテーテルの動作状態に関する情報を提供する。
【0014】
いくつかの形態において、カテーテルは、変化する剛性を有しており、例えば、その遠位端部においてまたは遠位端部近傍において高い剛性を有し、閉塞研削、削減または消去効果を強化する。遠位端部の近位側において、カテーテルの可撓性は、より大きくなり得る。
【0015】
いくつかの技術において、閉塞を開通させることは、1以上のガイドワイヤを取り除くこと、及び、一のガイドワイヤを別のガイドワイヤに交換すること、を伴い得る。例えば、可撓性ガイドワイヤは、硬質ワイヤに交換され得る、または、硬質ワイヤは、可撓性ワイヤに交換され得る。好ましいことは、このような操作がカテーテルの遠位端部を有意には阻害しないことである。このため、潤滑性の被覆または材料は、カテーテルのガイドワイヤ内腔を形成する表面に沿って設けられ得る。同様に、他の表面は、潤滑材料を備え得または潤滑材料で被覆され得、血管系内にまたはガイドカテーテル内に露出されたカテーテルを前進させるのに必要な力を低減させる。
【0016】
以下の様々な形態において、カテーテルの遠位端部における例えば歯などの切除機能の形状は、特定のタイプの閉塞性物質に対処するように構成され得る。より固い閉塞性物質は、集中した力を送達する歯または同様の構造体を用いてより効果的に除去され得る。あまり固くない閉塞性物質は、あまり突っかからない歯または同様の構造体を用いてより効果的に除去され得、これらは、より靴ベラのように機能してこのような物質を血管内腔から掬い得る。
【0017】
いくつかの形態において、物質が充填された先端部または閉塞開通器具に対処する解決法を提供する。解決法は、1つの詰まっているカテーテルを空いているカテーテルと交換することを伴い得る。この技術において、一のカテーテルを前進させ、充填し、カテーテルで捕捉した物質のコアと共に取り除く。その後、第2のカテーテルを前進させ、充填させ、取り除く。閉塞を通る経路が十分に大きくなるまで、この処置を続ける。取り除いたコアそれぞれが孔を広げ得るまたは閉塞の通過可能な長さをいくらか長くし得るので、第2の続くカテーテルは、より長くなり得る、または、より大きい内腔及び/または切除器具を有し得る。他の解決法において、吸引内腔は、カテーテルを通るように設けられている。吸引内腔は、例えば大型中心内腔などガイドワイヤ内腔と同一内腔であり得る。他の形態において、別個の吸引内腔をカテーテルの壁に設け得る。これに関連して、吸引は、負圧によって、患者の体から及びカテーテルから閉塞の取り外した部分を完全に取り除くことを含み得る。吸引は、同様に、カテーテル内の経路内へ取り外した部分を取り上げることを含み得るが、カテーテルが体内にある間に患者の体から外へ及びカテーテルから外へ完全に出る必要はない。
【0018】
いくつかの形態において、カテーテルの先端部は、平坦である、例えば、カテーテルの内腔の長手方向軸に垂直である。この構成の利点は、例えば先端部を被覆するスリーブのない露出接近法において、患者内でより送達可能である点である。角度を付けた先端部を使用し得、使用すると、(例えば冠血管系におけるまたは神経血管系における)蛇行性血管に関連するいくつかの形態またはいくつかの技術において、保護シース内を送達され得る。角度付先端部は、(例えば末梢血管径における)直線状または非蛇行性血管に関連する技術において、露出状態で送達され得る。
【0019】
このカテーテルの利点は、遠位端部が一般的にX線下で非常に不透明な材料を有するまたはこのような材料で形成されている点である。このため、デバイスを送達する際、臨床医は、先端部を容易に視認し得、これは、造影剤を注入する必要なく、また、いくつかの技術において、シースまたはガイドワイヤなく、治療部位への安全な送達を補助し得る。送達の安全性は、同様に、カテーテルの外径を維持することによってわずかな非閉塞血管サイズにもたらされ得る。例えば、カテーテルは、血管径のサイズの約1/4、またはいくつかの場合において1/8の小ささで維持され得る。このような形態において、切除先端部は、好ましくは、血管径とほぼ同等の長さを有する。このアスペクト比により、カテーテルの切除または研削部分が血管の長手方向軸に中心付けられかつ位置合わせされることができる。これら構成は、特に、脚及び他の末梢血管系で見られるような非蛇行性、例えば直線状の血管に適している。
【0020】
別の形態において、完全または近完全閉塞を有する患者を治療する方法を提供する。この方法において、血管にアクセスを形成する。アクセスは、任意のカテーテル技術によってできる。患者内へ治療部位までガイドワイヤを前進させる。治療部位は、例えば完全または近完全閉塞など、開通されるまたは広げられることが望ましい閉塞を有する。ガイドワイヤ上でカテーテルを前進させて閉塞の近位部分に付ける。カテーテルは、そこを通る内腔と、その遠位端部において固定面などの遠位閉塞係合部分と、を有する。固定面は、高摩擦または鋭利特徴の形態にあり得、臨床医がカテーテルの回転を選択的に防止できる。[a]ガイドワイヤへの圧縮もしくは捻れ、または、[b]圧縮力または捻れ、のうちの1以上をカテーテル本体に掛け、閉塞を通るアクセス経路を拡大するまたは形成する。固定面または他の遠位閉塞係合部分は、登山者のスパイク底のように、カテーテルへの固定を提供し得る一方、ワイヤは、その中で前進されまたは回転されて閉塞を横切るアクセスの形成を補助する。アクセス経路の拡大は、閉塞を切除するまたは研削することによってもよい。いくつかの場合において、拡大を靴ベラ効果(shoe-horn effect)によってもたらし得るまたは強化し得る。
【0021】
別の形態において、カテーテルは、閉塞を横切るアクセスを形成し得るために設けられている。カテーテルは、細長いカテーテル組立体と、病変開通器具と、接続部分と、を有する。細長いカテーテル組立体は、近位端部と遠位端部との間に延在する。病変開通器具は、リング状構造体を有する。接続部分は、リング状構造体と細長いカテーテル組立体との間に配設されている。接続部分は、[a]細長いカテーテル組立体及びリング状構造体のうちの一方に配設された突起と、[b]細長いカテーテル組立体及びリング状構造体のうちの他方に配設された凹所と、を形成する。接続部分は、少なくとも部分的に径方向にあり、それにより、軸方向負荷は、接続部分を横切って伝達され得る。
【0022】
いくつかの形態において、接続部分は、軸方向で突起と凹所とが重なるように設けられている。
【0023】
本発明の実施形態は、添付の図面と併せて読むと以下の詳細の説明からより理解され得る。例示的な目的のみのためであるいくつかの実施形態は、本発明の新規かつ非容易な態様を表現する。図面は、以下の図面を含む。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で説明する特徴それぞれ及びすべて並びに2以上のこのような特徴の組合せそれぞれ及びすべては、このような組み合わせに含まれる特徴が相互矛盾しないという条件で、本発明の範囲内に含まれる。
【0026】
本発明の実施形態は、全体的に、近完全閉塞のような血管狭窄を横断するためのカテーテル、その構成部材並びにこのようなシステム及び構成部材を使用する方法を対象とする。
【0027】
本明細書で使用されるように、用語「近完全閉塞」は、血管腔の横断面積を80%より多く、特に90%より多く、いくつかの場合において95%より多く低減する血管狭窄の領域を指す。用語「完全閉塞」は、全血管腔が粉瘤または内腔の経路を通した血流を阻害する他の閉塞材料によって完全に占有されていることを意味する。
【0028】
本明細書で使用されるように、用語「ほぼ」は、線寸法(例えば長さ、幅、厚さ、距離など)に関して使用される場合に、関連する線寸法の値の1パーセント(1%)の範囲内にあることを意味する。
【0029】
図1は、病変17によって形成された血管の近完全閉塞を示す概略図である。血管10は、内腔14を画成する内面12を有する。アテローム性動脈硬化において、脂質及び線維筋性材料は、血管壁に蓄積し、内腔14の少なくとも一部内に突き出て占有するまたは塞ぐ病変を形成する。進行期のアテローム性動脈硬化症は、しばしば、軟質プラーク16の領域と、粉瘤18の領域と、を有する。いくつかの場合において、粉瘤18は、石灰化され得、介入技術によるアクセスを困難にするまたは不可能にする。
【0030】
粉瘤18が内腔14内に進入すると、狭窄20が形成され、この狭窄は、血管を通る血流を大きく低減し得る。血管形成術は、狭窄20を治療する1つの技術である。バルーン血管形成術において、萎ませたバルーンは、血管内カテーテルに備え付けられており、カテーテルは、萎ませたバルーンが狭窄20の少なくとも一部を占めるまで、血管10に沿って押し進められる。いったん萎ませたバルーンを狭窄20内に位置付けると、バルーンを膨張させ、粉瘤18を血管壁に向けて押し戻し、狭窄20の領域において内腔14を拡大させる。いくつかの場合において、拡張可能なステントを使用して狭窄20の領域内で内腔14を元に戻す。
【0031】
多くの場合において、ガイドワイヤは、血管内カテーテルよりも前に押し込まれ、カテーテルが血管を通って移動することを補助する。ガイドワイヤは、薄く、カテーテルよりも小さい外形を有する。しばしば、カテーテルは、ガイドワイヤを収容する中央内腔を有しており、カテーテルは、ガイドワイヤに沿って進む。カテーテルのこの構造は、「オーバーザワイヤ」カテーテルと称される。
【0032】
いくつかの場合において、狭窄20は、非常に狭く、そのため、バルーンカテーテルは、病変を通ってガイドワイヤに沿うことができない。むしろ、バルーンカテーテルは、狭窄20の近位または遠位端部(接近方向による)において止まるまたは阻止され得る。このような場合において、萎ませたバルーンを狭窄20内に位置付けることができないので、血管形成術は、妨げられる。いくつかの場合において、粉瘤18は、石灰化した栓を形成し、この栓は、狭窄20を通したガイドワイヤの通過を妨げる。
【0033】
図1Aは、バルーンカテーテルまたは他の治療デバイスを病変17によって形成される閉鎖を横切って通過させる臨床医の能力を改善するために使用され得る閉塞横断システム50を示している。閉塞横断システム50は、シース54及びカテーテルデバイス58を有する。カテーテルデバイス58は、病変17を通る経路を開通させて病変を通るアクセスを広げるために設けられており、このアクセスは、閉塞の切除を改善し得る。このために、いくつかの経路において、カテーテルデバイス58は、切除カテーテルと称される。シース54は、血管アクセス場所と閉塞との間でカテーテルデバイス58を囲むかつ/または案内するために使用され得る。このため、シース54は、閉塞されていない血管のための保護を形成し、この血管を通して、カテーテルデバイス58は、送達される。閉塞横断システム50は、同様に、ガイドワイヤ62を有しており、閉塞へのアクセスまたは閉塞を横断することを補助する。
【0034】
ガイドワイヤ62は、任意の適切な形態を取り得る。ガイドワイヤは、側方への突起がない細長いワイヤであってもよく、ガイドワイヤは、1以上の側方への延長部を有してもよい。例えば、複数の障壁または肩部をガイドワイヤ62の遠位長さに沿って形成し、病変17の部分に係合して保持してもよい。ガイドワイヤ62は、螺旋構造体のようなアンカーを有してもよく、この螺旋構造体は、病変内に回転式に前進されて病変に係合しかつ病変を保持するように構成されている。これらは、病変17に係合しかつ病変を保持することが可能である構造体の例である。そのように係合すると、これら構造体は、病変の位置を保持するための逆方向の牽引力を形成しつつ、カテーテルデバイス58(または本明細書中の変形例)は、病変内に前進されて病変を横切るアクセスを強化する。障壁及びアンカーの例は、米国特許第5443443号明細書及び米国特許第5047040号明細書で説明されており、それらすべてを参考として本明細書に組み込む。
【0035】
シース54は、近位端部64と、遠位端部66と、端部64、66間に配設された細長い本体65を通って延在する内腔と、を備える。内腔は、以下で詳述するようにカテーテルデバイス58を受けるように寸法付けられている。シース54の近位端部64は、好ましくは、他のデバイスと連結されるように構成されている。例えば、分岐型アクセスポート68は、近位端部64に設けられ得る。第1分岐70は、流体源に連結されるように設けられ得る。第2分岐72は、シース54の内腔と位置合わせされており、シース54の内腔への一列に並んだアクセスを提供し得る。分岐70、72のうちの一方または双方は、弁構造体を有し得、失血を制限する、最小化するまたはなくす。トーイボースト(tuohy-borst)取付体は、分岐70、72のうちの一方または双方に設けられ得る。一実施形態において、近位端部64は、モジュール式結合体74を有しており、この結合体は、分岐を介したアクセスを必要としない、または、手術のある段階に関して分岐を必要とせずかつ手術領域から除去されていないと邪魔であり得る場合に、分岐型アクセスポート68が細長い本体65から連結解除できるようにする。結合体74は、その両側にトルク構造体75を有し得る。
【0036】
カテーテルデバイス58は、閉塞20へ前進されるように構成されており、本明細書で説明するような治療を提供する。カテーテルデバイス58は、近位端部80と、遠位端部82と、端部80、82間に配設された細長い本体84を通って延在する内腔と、を備える。内腔は、注入されるもしくは引き抜かれる流体のために、及び/または、留められる閉塞20の材料のために、バルーンカテーテルまたは他の治療デバイスのためのアクセスを形成するように寸法付けられている。細長い本体84は、送達に関して及び閉塞20における切除の提供または断片化に関して、送達可能性に関する十分な剛性を有する。例えば、本体84は、1:1トルクを提供するように構成され得る。後述するように、網状体及びコイル(braids and coils)は、末梢血管の、冠状動脈の及び神経血管の用途を含むさまざまな用途に関して押込性及び可撓性を提供する構造体として意図されている。
【0037】
細長い本体84は、末梢血管の、冠状動脈の及び神経血管の治療部位のような治療部位に到達するのに十分な長さを有する。例えば、同側性治療に関して、細長い本体84は、約40cmから約100cmの間、例えば約80cmであり得る。回腸動脈における治療に関して、細長い本体84は、約60cmであり得る。浅大腿動脈(SFA)における治療に関して、細長い本体84は、約140cmから約160cmの間であり得る。冠状動脈における治療に関して、細長い本体84は、約110cmから約140cmの間であり得る。神経血管用途に関して、細長い本体84は、約130cmから約180cm、例えば約150cmであり得る。
シース54は、カテーテルデバイス58よりも約10cmから約20cm短くなり得る。細長い本体65は、細長い本体84よりも10cmから20cm短くなり得る。より一般的には、シース54及び細長い本体65は、作業長さを提供するのに十分な量だけ、カテーテルデバイス58または細長い本体84よりも短くなり得る。
【0038】
図1Aは、本体84内にある内腔がある実施形態における且つある技術に関するガイドワイヤ62を受け得ることを示す。カテーテルデバイス58の近位端部80は、好ましくは、カテーテル58を作動させるために使用されるハンドル86を有する。ハンドル86は、トルクを伝達させるように構成されている。近位端部80は、同様に、分岐型アクセスポート88または他のアクセスデバイスを有し得る。第1分岐90は、流体源Fと連結されるように設けられ得る。第2分岐92は、切除カテーテル58の内腔と位置合わせされ得、本体84の内腔への一列に並んだアクセスを提供し得る。分岐90、92のうちの一方または双方は、弁構造体を有し得、失血を制限する、最小化するまたはなくす。トーイボースト取付体は、分岐90、92のうちの一方または双方に設けられ得る。一実施形態において、分岐型アクセスポート88は、分岐90、92を介したアクセスを必要としない、または、手術のある段階に関して分岐を必要とせずかつ手術領域から除去されていないと邪魔であり得ると、ハンドル86から連結解除され得る。一技術において、任意的なシステム及び技術において第1分岐90がハンドル86よりも高いトルクをかけるので、分岐型アクセスポート88は、カテーテル58にトルクをかけるときに所定位置に残される。
【0039】
遠位端部66、82は、圧縮しないようにかつ/または放射線不透過性であるように構成され得る。遠位端部82は、閉塞20と係合して分裂させるように構成されており、狭窄20を通したアクセスを強化する。遠位端部82は、好ましくは、遠位端部82に近接した場所において細長い本体84よりも剛性を有している。端部82は、閉塞開通器具94を有しており、この器具は、1以上の歯、連続的ではあるが物質を除去するための摩耗面、閉塞17から多量の物質を分離するための凹状掬い構造体または本明細書で説明する他の構造体であり得る。以下で詳述するように、器具94またはシステム50は、対象経路に沿うようにかつ治療されない領域における血管損傷を引き起こさないように構成されている。器具94は、放射線不透過性を有し得、血管系内に配設されたときに切除カテーテル58の視覚化を提供する。
【0040】
シース54は、カテーテルデバイス58をスライド可能にかつ回転可能に受けるように構成されている。細長い本体65の内面及び/または細長い本体84の外面は、例えば本体65または本体84の長手方向軸に沿って、軸方向における後退または伸長運動を容易にするように構成され得る。これら表面のいずれかは、例えば、潤滑被覆を有し得る。一実施形態において、本体84の内面は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)または他の同様の裏地を有する。その結果、切除カテーテル58の端部82は、送達のためにシース54の端部66内へ引き戻され、または、閉塞20と係合するために端部66から押し出され得る。端部66は、シース54の真円ではない状態を最小化するように構成されている。特に、本体65の支持リング96は、細長い本体のうち遠位部分96に近接する部分よりも硬く形成され得、それにより、細長い本体84は、本体65内で回転自由であり得る。例えば、支持リング96は、金属またはセラミックの筒状体を有し得、この筒状体は、閉塞に押し付けられ他ときに変形することを防止する周方向強度を有する。支持リング96の剛性により、近位端部66がその送達前の構造を維持するまたは本体84ひいては端部82の回転を制限しない量だけのみ変形されるという利点がもたらされる。支持リング96は、放射線不透過性材料で形成され得、シース54及びシステム50の視認性を強化する。
【0041】
本明細書で説明した代替構成要素のいずれかと共に閉塞横断システム50または同様のシステムを使用する方法を後述する。
【0042】
図2は、一実施形態にかかる開通デバイス100を示す。開通デバイス100は、上述した閉塞横断システム50においてカテーテルデバイス58と組み合わせて使用され得る。図示の実施形態において、開通デバイスは、近位端部にあるハンドル130と、遠位端部にある先端部140と、ハンドル130及び先端部140に連結された可撓性を有する細長い本体110と、を有する。
【0043】
いくつかの実施形態において、細長い本体110は、中空で筒状またはほぼ筒状であり、内面116と、中央内腔114と、内径112と、外径118と、を有する。いくつかの実施形態において、内径112は、約0.94mmから約1.07mmである。いくつかの実施形態において、外径118は、約1.12mmから約1.37mmである。いくつかの実施形態において、中央内腔114は、ガイドワイヤ(図示略)を収容するように構成されている。少なくとも一実施形態において、内径112は、ガイドワイヤの外径よりも少なくとも10%大きい。他の実施形態において、パーセント基準の小間隙は、設けられ得る。例えば、いくつかの実施形態は、その内径とガイドワイヤ(例えば
図1Aのガイドワイヤ62)の外径との間に5%未満の間隙を設ける。
【0044】
他の実施形態及び技術において、ガイドワイヤは、狭窄まで開通デバイス100、特に先端140を追従するために使用される。いったん所定位置にあると、ガイドワイヤは、引き抜かれ得、開通デバイス100は、閉塞を横断するアクセスを強化するために使用され得る。ガイドワイヤが所定位置にあると、開通デバイス100のシステムは、血管内にまたはシース54内に露出していることにかかわりなく、ガイドワイヤの外面回りに回転し得る。このため、いくつかの実施形態において、ガイドワイヤは、デバイスを機能させるために所定位置にあるまたはシステムと共に回転する必要はない。他の実施形態においてかつある用途において、ガイドワイヤは、システムの送達に関してでも使用され得ない。例えば、血管セグメントが直線状である場合、ガイドワイヤへの必要性がないことがある。このような場合において、開通デバイス100は、好ましくは、ガイドワイヤからの支援なく閉塞を横断するアクセスを強化する。
【0045】
ワイヤまたはガイドカテーテルによって案内される開通デバイス100の案内を補助する1つの機能は、硬質な遠位部分の、例えば先端部140の構造である。先端部140は、血管内を遊走することを最小化するように構成され得る。特に、血液は、変化する圧力を受けており、ある末梢血管は、比較的高い移動性を有している。先端部140の長さを内径112よりも大きくすることによって、開通デバイス100の遠位部分は、血管内でほぼ直線状を維持する傾向を有する。いくつかの実施形態において、先端部140の長さは、先端部の直径の2倍よりも大きい。いくつかの実施形態において、先端部140の長さは、先端部の直径の2.5倍よりも大きい。いくつかの実施形態において、先端部140の長さは、先端部の直径の3倍よりも大きい。先端部140は、ある実施形態において、先端部の直径の1倍〜5倍であり得る。
【0046】
より一般的には、開通デバイス100は、自然の身体内腔または血管に限定されない。例えば、開通デバイスを使用し得る別の用途は、閉塞した透析移植片(dialysis graft)を回収するためである。このような用途は、例えば約4mmから8mmの外径を有するものなどの低外形開通デバイスの利益を受け得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、裏地129は、内面116の少なくとも一部を被覆する。いくつかの実施形態において、裏地120は、内面116の潤滑性を強化する材料で形成されている。少なくとも一実施形態において、裏地120は、ePTFEから形成されている。裏地120または他の潤滑構造体またはシリコーンもしくは表面改質のような被覆は、追従力(tracking force)、トルク力及び開通デバイス100の先端部のような遠位部分の位置を変更する傾向がある力を低減するまたは最小化する方式で、ガイドワイヤ上の細長い本体110の滑動を容易にする。後述のように、一態様において、開通デバイス100の先端部は、ガイドワイヤ回りに回転させられ、研削または穏やかな切除動作を提供する。このような動作は、遠位部分、例えば先端部がこのような力に起因して真円ではなくなる場合に、防止され得る。
【0048】
いくつかの実施形態において、開通デバイス100の外面は、潤滑被覆または構造体で被覆されており、追従、トルク付与及び狭窄横断の間に血管壁との摩擦を低減する。このような構造体の例には、テフロン(登録商標)、シリコーンまたは親水性被覆の層が含まれる。潤滑スリーブを使用し得、このスリーブは、開通デバイス100に対して移動可能である、例えば除去デバイスから引き抜かれるように構成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、開通デバイス100は、細長い本体110の遠位端部152に連結された先端部140を有する。いくつかの実施形態において、先端部140の近位端部154は、細長い本体110の遠位端部152にわたって配設されている。いくつかの実施形態において、細長い本体110の遠位端部152は、先端部140の近位端部154にわたって配設されている。少なくとも一実施形態において、先端部140の近位端部154は、細長い本体110の遠位端部152と向かい合って連結されており、それにより、先端部140及び細長い本体110は、同様の外径を共有しており、先端部140の近位面143は、細長い本体110の遠位面155との接触面を形成する。いくつかの場合において、近位面143と細長い本体の遠位端部との間の移行部は、デバイス100を送達するときに外部物質を捕捉し得る段部のない連結を形成する。いくつかの実施形態において、全体構造を押出ポリマーで被覆する前に、切除先端部をカテーテル本体の網状骨格に取り付け、その後、先端部は、続いて露出され得る。他の補強型カテーテルの設計は、補強体内にエネルギーを蓄積する傾向がある。その結果として、近位端部が回転すると遠位端部が回転する相対関係をもたらすよりむしろバネを巻回するようなことになる。本明細書のカテーテルにおいて、網状骨格は、好ましくは、カテーテル本体内にエネルギーを蓄積するように、かつ、可能な限り近接して相対関係の回転を維持するように、形成されており、近位端部における回転に関して遠位端部における切除作業を補強する。
図6は、例えば先端部を溶接し得るまたは連結し得るメッシュ材料190を示す。他の実施形態において、切除先端部を接着剤を用いてカテーテルに取り付け得る。変形例は、複数の接着剤層と開通デバイス100の内層上に付けられ得るまたは熱収縮され得る層とを形成する。いくつかの場合において、本明細書で説明するように、凹所及び/または突起は、単独で、または、他の取付構造と組み合わせて、強力な機械的接続部分を形成する。
【0050】
いくつかの実施形態において、開通デバイス100は、細長い本体110の近位端部132に連結されたハンドル130を有する。いくつかの実施形態において、ハンドル130は、ユーザがハンドル130を回転させるにしたがって細長い本体110にトルクをかけるように構成されている。少なくとも1つの実施形態において、開通デバイス100は、ハンドル130が約1:1のトルク比を細長い本体110にかけるように構成されており、先端部140をほぼハンドル130と一致して回転させる。いくつかの実施形態において、ハンドル130は、ポリマーで形成されている。少なくとも1つの実施形態において、ハンドル130は、ポリカーボネートで形成されている。
【0051】
図2Aは、一実施形態にかかる開通デバイス100Aを示しており、この開通デバイスは、以下で別の説明を除いて、開通デバイス100と同様である。除去デバイス100Aは、システム50の1以上の構成部材と共に使用され得る。この実施形態において、ハンドル130Aは、少なくとも1つのリブ134を有して設けられており、このリブは、指の圧力によって細長い本体110にトルクをかけるユーザの能力を強化する。例示的な実施形態において、ハンドル130Aは、ハンドル130Aの本体の両側に配設された2つのリブを有する。この構造により、ユーザは、片手の親指と人差指とによって圧力をかけて開通デバイス100Aを回転させることができる。これにより、容易な研削及び切除動作をもたらし、一本または二本の手のみで手術を実行する。例えば、以下で詳述するように、この解決法により、ユーザは、一方の手でガイドワイヤを、他方の手で開通デバイス100Aを保持すること、及び、そのように保持するとガイドワイヤ上の開通デバイスの回転をもたらすこと、ができる。
【0052】
別の技術において、ガイドワイヤへの引張または圧縮を変更することによって、ユーザは、開通デバイス100、100Aの先端縁を方向付けできる。ワイヤが圧縮を受けて曲がると、例えば、開通デバイス100の軌道を変更できる。曲げ剛性が異なる複数のワイヤを使用して、圧縮状態の曲げ剛性を変えてもよい。1つの場合において、2本または3本のワイヤを設け、これらワイヤは、比較的堅く、閉塞された内腔をいくらか広げることを明らかに引き起こす。開通デバイス100の操作を始めようとする場合、1以上のワイヤを取り除き得る。例えば、第1ワイヤを取り除き得、それにより、残りのワイヤは、圧縮を受けて曲がる。残っている曲がったワイヤの接線は、開通デバイス100、100Aの軌道を画成する。さらなるステップにおいて、全てのワイヤを取り除き、開通デバイス100、100Aを支援なく前進させ、そこで案内を解除することが可能となる。漸進的に広げることに関して、一連の開通デバイス100を使用し得、各デバイスに対して内腔を若干より広げる。
【0053】
いくつかの実施形態において、ハンドル130Aは、細長い本体110に結合され、この本体は、別の構成、例えば別の材料または物理的構造である。このような構成において、緊張解放構造体は、ハンドル130Aと細長い本体110との間に設けられ得、縺れること及び他の障害モードを最小化する。緊張解放構造体の一例には、ハンドル130Aを細長い本体110に結合する襟体136が含まれる。少なくとも一実施形態において、襟体136は、接着剤を用いてハンドル130Aに接着されている。いくつかの実施形態において、襟体136は、テーパ状とされており、それにより、襟体136の遠位端部138は、襟体136の近位端部139の外径よりも小さい外径を有する。いくつかの実施形態において、襟体136は、ポリマーで形成されている。少なくとも一実施形態において、襟体136は、ナイロンで形成されている。少なくとも一実施形態において、襟体136は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)で形成されている。緊張解放の他の機能には、一般的なカテーテルの取扱、追従及びトルク付与の間における縺れを最小化すること、より大径のハンドルをより小径のカテーテル本体に接着させることを容易にすること、及び、カテーテルの仕様またはカテーテルの構造を示す色を印刷するための表面を形成すること、のうちの1以上を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、開通デバイス100は、細長い本体110の少なくとも一部を囲むスリーブ160を備える。いくつかの実施形態において、スリーブ160は、先端部140の細長い本体110への結合を補強する。いくつかの実施形態において、スリーブ160は、先端部140を細長い本体110に組み立てている間の結果として生じ得る不意の直径変化を最小化する。いくつかの実施形態において、スリーブ160は、細長い本体110の遠位部分を囲む。少なくとも一実施形態において、スリーブ160は、先端部140の近位部分及び細長い本体110の遠位部分を囲む。いくつかの実施形態において、スリーブ160の遠位部分162は、スリーブ160の近位部分164の外径よりも大きい外径を有する。少なくとも一実施形態において、スリーブ160は、収縮管状材料で形成されている。スリーブ160(例えば収縮管状体160)の他の機能及びモードには、以下のいずれかをもたらすことが含まれる:
潤滑性−外面は、より滑りやすい材料で形成され得、または、カテーテル本体よりも滑りやすく形成され得、そのため、カテーテルの追従及びトルク付与を容易にする;
支持−スリーブは、カテーテルの遠位部分の長手方向剛性を増大させるように構成されており、その結果、切除先端部は、直線状に案内される;及び/または、
保護−スリーブは、切除先端部の後縁部を被覆し、追従及びトルク付与中に後縁部が取り外されることから保護する。
【0055】
細長い本体110に付けられた別個の層として示されているが、スリーブ160は、被覆として構成されてもよく、本体上に配設された被覆を有してもよい。
【0056】
図4及び
図5は、例示的な実施形態にかかる先端部140を示す。後述するように、先端部140は、病変組織と相互作用しており、病変組織を除去するまたは移動させるように構成されている。いくつかの実施形態において、先端部140は、病変組織を切除、断裂、切削または研削することを含むさまざまなモードの操作を通して病変組織を除去するように構成されている。先端部140は、病変組織を除去する1以上の方法を使用するように構成され得る。いくつかの実施形態において、先端部140は、ガイドワイヤを狭窄を通るように前進させるときにガイドワイヤに対する側方支持を形成する。いくつかの実施形態において、先端部140は、閉塞または近完全閉塞を通るようにガイドワイヤを前進させるときにガイドワイヤが座屈することを防止し得る。この機能を設けるときにおいて、先端部140は、例えばガイドワイヤの約10%内など、ガイドワイヤの直径に近い直径を有する孔部を有して構成され得る。ガイドワイヤと開通デバイス100との間の間隙は、追従する及び捩じることに関する許容レベルまで、これら構成部材間の相対移動(前進及び/または回転)に対する抵抗を維持するのに十分の大きいべきである。また、開通デバイス100は、対象病変への位置及びアクセスを損なうことなくガイドワイヤまたは他の介入デバイスを変更するために交換可能デバイスとして使用され得る。開通デバイス100内の内腔は、必要に応じて、薬剤送達及び造影剤注入のために使用され得る。
【0057】
先端部140は、遠位面142と、側面144と、遠位開口146と、を有する。
図4に示す実施形態にかかる先端部140において、先端部140の遠位面142は、先端部140の長手方向軸を横切って延在する平面にほぼ配設されている。面142は、同様に、傾斜してもよく、それにより、このような平面から近位方向において、例えば先端部140の外面に向けて丸められている。この構成は、開通デバイス100の軸に沿う長手方向力が、先端部が前進するにしたがって、先端部140のほぼ直線状の軌道を生成する点において有利である。遠位面142は、ある実施形態において、長手方向軸に対して鋭角な平面に配設され得るが、遠位面142を横断面に配設することにより、前進または回転時に先端部の反りを小さくする結果となる。
【0058】
いくつかの実施形態において、先端部140は、傾斜して鋸歯状とされ得る。一例にかかる鋸歯状先端部は、先端部140の周囲に配設された表面140に複数の鋭利な縁部を形成する。鋭利な縁部は、細長くされて側面144上に配設され得る。縁部は、軸方向縁部であり得る。縁部は、螺旋状縁部であり得る。いくつかの実施形態において、鋭利な縁部は、遠位面142の周囲に配設されている開通領域から物質を除去するように構成され得る。いくつかの実施形態において、遠位開口146から近位側に延在する内腔の内側に歯または他の切除構造体を配設し得る。側面144に配設された切除構造体は、切除方向を向く弓状構成を有してもよい。例えば、切除面は、開通デバイスの運動方向を向く迎え角を有し得る。切除面は、いくつかの実施形態において、開通デバイス100が回転すると最大限で切除するように位置付けられ得る。切除面は、いくつかの実施形態において、開通デバイス100が前進すると最大限で切除するように位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、遠位面142は、鈍くされ得る(図示略)。少なくとも一実施形態において、遠位面142は、研削材である。
図5に示す実施形態にかかる先端部140Aにおいて、遠位面142Aは、複数の切除歯170を有する。例えば歯170の遠位外観または近位外観を先端部140Aの軸を横断するように配設された同一面に配設されている場合には、面142Aは、同様に、例えば横断面に配設されているとみなされ得る。いくつかの実施形態において、切除歯170は、先端部140Aに対して固定された病変組織を保持するように構成されており、開通デバイス100が血管壁から病変組織を引裂き剥がすことを可能とする。いくつかの実施形態において、切除歯170は、病変組織に食い込むように構成されており、除去デバイス100が血管壁への捩じり応力を最小化する方式で病変組織を除去することを可能とする。
【0059】
いくつかの実施形態において、先端部140の側面144は、開通デバイス100の作業領域から移動されたまたは別個の研削方式で移動するための素子を有する。例えば、一実施形態において、少なくとも1つの溝180は、先端部140が狭窄20内で回転すると、病変を減量させるように機能する。いくつかの技術において、吸引は、開通デバイス100の主(例えば中央)内腔を通して形成される。いくつかの解決法において、ガイドワイヤが存在する場合に、主内腔を通した吸引は、ガイドワイヤを取り除くことによって強化され得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、溝180は、先端部140を貫通する穴を含む。少なくとも一実施形態において、溝180は、例えば専用の吸引内腔(図示略)または細長い本体110の中央内腔114などの内腔と連通する。研削した物質を開通デバイス100、100Aから外に吸引するまたは除去デバイス内に分離する場合に、専用の内腔は、細長い本体110の内面116とガイドワイヤの外面との間の摺接が可能な限り破片がないままであり、これら表面がくっつき始める可能性を低減することが好ましい。他の実施形態において、細長い本体110の内面とその中に位置するガイドワイヤとの間により大きな間隙を形成し、閉塞からの研削または分離された物質は、主内腔内に吸引または隔離され得る。少なくとも一実施形態において、溝180は、6.6mmの直径を有する円形穴である。
【0061】
溝180の他の用途は、開通デバイス100の状態を確認することである。例えば、溝と流体連通している内腔を通して造影剤を送達し得る。画像パターンは、開通デバイスの状態を示す。一例において、造影剤は、開通デバイス100から出ないことがある。その後、臨床医は、開通デバイス100が塞がれていることが知り得、取り除かれてきれいにされるまたは第2の開通デバイスと交換され得る。別の例において、造影剤は、血管の閉塞が他の治療のために十分に広げられているかを示し得る。別の例において、造影剤は、開通デバイス100の異なるモードの用途を使用すべきであることを示し得る。例えば、開通デバイス100の一側が閉塞されている場合、デバイスの第2側を所定位置に回転させて内腔をさらにきれいにし得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、溝180と同様の開口を先端部140Aを貫通させて設けてもよく、開通デバイスの他の部分に固定をもたらす。例えば、先端部140Aは、細長いポリマーカテーテル本体に連結される金属円筒状体として構成され得る。円筒状体を固定するため、円筒状体内の穴は、カテーテルの部分を穴内に入らせるまたは延在させるように構成され位置付けられ得る。一技術において、円筒状体の内側に配設された開通デバイス100のポリマー本体は、その一部が穴内へ径方向外側に突出するように形成されている。一技術において、円筒状体の外側に配設された開通デバイス100のポリマー本体は、その一部が穴内へ径方向内側に突出するように形成されている。
図5Aは、穴がスリーブ160の真下に配設された例を示す。スリーブは、先端部140Aの側面144の一部に付けられており、スリーブは、穴内へ延在する。これにより、円筒状体に固定をもたらし、円筒状体が細長い本体110から滑り落ちることまたは近位側に配設されて開通機能に干渉することを防止する。
【0063】
先端部140の近位側における細長い本体110は、可撓性を有していなければならず、例えば環状手術または神経血管手術など、ある用途に関して開通デバイス100が蛇行性血管を通って移動することを可能とする。同時に、細長い本体110は、先端部140への圧縮及び捻れ力を伝達させるために剛性を有していなければならない。いくつかの実施形態において、細長い本体110は、ポリマーで形成されている。いくつかの実施形態において、細長い本体110は、ポリイミド及びPEBAからなる群から選択したポリマー材料で形成されている。いくつかの実施形態において、細長い本体110は、別の材料内に埋め込まれた位置の材料で形成されている。
図6に示す実施形態において、細長い本体110は、被覆材料194内に埋め込まれたメッシュ材料190で形成されている。少なくとも一形態において、メッシュ材料190は、304ステンレス鋼フラットワイヤ網状体を有する。少なくとも一実施形態において、被覆材料194は、ポリイミド及び/またはPEBAのようなポリマーで形成されている。いくつかの実施形態において、複数層及び複数ポリマーを採用し得る。さらに、いくつかの実施形態において、細長い本体は、近位端部において金属または複合構造体から構築されて、ハイポチューブ(hypotube)のようなより大きな押圧を提供し得、また、より柔らかい剛性を有する材料に取り付けられて、切除先端部の追従及び送達を容易にし得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、開通デバイス100は、ガイドワイヤ(図示略)と併せて使用される。多くの実施形態において、ガイドワイヤは、ガイドワイヤの遠位端部が血管造成術のための対象の狭窄に到達するまで、血管内を前進される。いくつかの実施形態において、開通デバイス100は、ガイドワイヤの近位端部を先端部140の遠位開口146内に供給することによって、ガイドワイヤ上に備え付けられる。その後、ガイドワイヤは、捕捉デバイス110の中央内腔114を通過し、ハンドル130の近位開口133から外に引き抜かれる。先端部140は、先端部140の遠位面142が病変17に遭遇するまで、ガイドワイヤに沿って前進される。本明細書で説明したように、内腔114とガイドワイヤとの間の緊密な間隔により、横断外形を低減することを補助する。いくつかの実施形態において及びいくつかの技術において、緊密な間隔を有することは、同様に、ガイドワイヤを支えることを補助する。支えは、さまざまな実施形態及び技術に関して、必要ではない。いくつかの場合において、ガイドワイヤは、任意の態様の方法では必要ではない。
【0065】
いくつかの実施形態において、先端部140は、病変17を穏やかに研削するために使用される。いったん遠位面142が病変17と接触すると、ユーザは、ハンドル130にトルクを掛け、ハンドル130をガイドワイヤ回りに回転させる。細長い本体110は、トルクを先端部140に伝達させ先端部140の遠位面142を病変17の表面上で摺動させる。多くの実施形態において、ユーザは、時計回り方向及び反時計回り方向で交互にハンドル130を回転させる。いくつかの実施形態において、ハンドル130を一方向のみで回転させる。いくつかの実施形態において、ユーザは、ハンドル130を遠位方向に押圧することによって、圧縮力を掛ける。いくつかの実施形態において、ユーザは、ハンドル130を一方向で押圧しながらハンドル130をガイドワイヤ回りに回転させることによって、圧縮及び捻れ力を同時に掛ける。
【0066】
いくつかの実施形態において、先端部140は、変形に抗するように構成されている。いくつかの実施形態において、先端部140は、高強度特性を有する合金で形成されている。少なくとも一実施形態において、先端部140は、L605複合材の無継目絞り管で形成されている。いくつかの実施形態において、先端部140は、円形内腔を画成する。少なくとも一実施形態において、先端部140は、1.25mmの内径及び0.0050mm未満の真円度を有している。少なくとも一実施形態において、先端部140は、外径が1.45mm、壁厚が0.2mm、長さが4.5mmの中空円筒状体である。上述のように、真円ではなくなるように変形することを防止するように先端部を構成することにより、開通デバイス100、100Aがガイドワイヤを捕えず、相対回転を防止するという保証をもたらす。少なくともいくつかの実施形態において、ガイドワイヤと開通デバイス100、100Aとの間の密接な嵌合は、開通デバイス100がガイドワイヤに支持効果をもたらし得るように設けられている。この支持効果により、病変を横切るように前方にガイドワイヤを推進させる動作モードにおいて、研削デバイスから外へ遠位側に前進することが可能となる。この支持効果を形成しつつ開通デバイス100をガイドワイヤ上で回転させることを依然として維持するため、真円でない内径を低減する、最小化するまたは排除すべきである。
【0067】
図5Aは、本明細書で説明したいずれかの開通または切除デバイスに設けられた別の先端部手段を示す。この実施形態は、先端部140Bと細長いカテーテル組立体との間に機械的接続部分を設けるための第1構造体200と、手術中に病変17から取り除かれた物質を取り除くまたは保持するための第2構造体204と、を有する。第1構造体200は、1以上の凹所212を有し得る。凹所212は、先端部140Bのリングまたはリング状構造体を有し得る組織改質面と、先端部140B内に配設され得るスリーブ160及び細長い本体110のうちの一方または双方と、の間に配設された接続部分の一部を形成する。凹所212は、例えば等角度に間隔をあけた周方向場所において、先端部140Bの周囲に形成され得る。凹所212は、先端部140Bのリング状構造体を完全に通って配設された穴であり得る。スリーブ160及び/または細長い本体110は、凹所212内に突出することによって、先端部140Bと接続し得る。他の実施形態において、凹所212は、スリーブ160の内面または細長い本体110の外面に配設され得、先端部140Bに形成された側方突起は、凹所内に突出し得る。凹所212と細長いカテーテル組立体との間の接続部分は、径方向において少なくとも部分的に配設され得る。このように、軸方向負荷は、接続部分を横切って伝達され得、それにより、押付、引抜または回転力は、先端部140Bの近位端部から直接伝達され得る。同様に、凹所212内に及び凹所によって形成された接続部分は、先端部140Bに補助的な固定を設け、それにより、先端部は、細長い本体110から取り外されない。
【0068】
第2構造体204は、先端部140Bの外周面に配設された複数の開口216を有し得る。穴は、病変17から解放された物質を取り込むために先端部140Bに形成されている。上述のように、開口216は、メクラ端穴であり得る、または、先端部140Bを完全に通って延在して物質の吸引または保持のために内腔と流体連通し得る。第2構造体204は、一軸方向位置に配置され得る、または、先端部140Bの長さに沿って配設されたアレイ状の穴であり得る。
【0069】
第2構造体204は、例えば分岐90を通して、流体源と連通し得、それにより、流体は、開口を通してまたはアレイ状の開口を通して、注入され得る。流体は、薬剤であり得る、または、運動を容易にするために潤滑剤として機能し得る。流体は、造影剤であり得、第2構造体204の開口を通した流出は、開通デバイス100の内部の充填度を示し得る。
【0070】
様々な実施形態において、第2構造体204は、さまざまなタイプの開口を有し得、最遠位開口は、先端部分140Bの壁を部分的に通って延在し得る一方、その近位側にある開口は、壁を完全に通って延在し得、開通デバイス100の外側とその内腔との間に流体連通を形成する。そのようにして、より遠位側にある開口は、内腔を閉塞することなく充填し得る。いったん最遠位開口を充填すると、より近位側にある開口は、閉塞され始め、造影剤がデバイス100から流出することを防止してデバイスが充填されているまたはほぼ充填されていることを示す。
【0071】
図6に関連してさらなる実施形態を示す。特に、先端部(先端部140、140A、140Bなど)は、メッシュ190の遠位端部においてメッシュ190に取り付けられ得る。先端部の遠位端部は、裏地120の遠位端部の近傍に、または、被覆材料194の最遠位セクションの遠位端部の近傍に、配設され得る。例えば、先端部の遠位端部は、
図6において線Lにあり得る。これにより、先端部140、140A、140Bの端部の遠位側には、緩衝領域220が設けられる。緩衝領域220は、非病的血管壁と意図せず相互作用することを防止し得る。緩衝領域220は、一般的に、先端部140、140A、140Bよりもより変形しやすく、そのため、より高い力を受けて、緩衝領域は、病変17の下で軸方向または径方向で圧縮し、これにより、上述した治療を阻害しない。
【0072】
図5Bは、機械的接続部分を形成するための構造体200の周囲におけるカテーテルデバイス100、100Aの一壁を示す部分横断面図である。接続部分は、先端部140Bのリング状構造体と細長いカテーテル組立体との間に配設される。接続部分Iは、図示のように、凹所212内へ層160の突起を形成する。別の実施形態において、層110は、凹所212内へ径方向外側に延在し得る。接続部分は、層160の一部を凹所212内へ変形させる点において、少なくとも部分的に径方向にある。軸方向負荷は、矢印A方向において接続部分Iを横切って伝達され得る。いくつかの実施形態において、接続部分は、軸方向で突起と凹所とが重なるように設けられている。開口212の遠位側外観は、層160の部分のちょうど遠位側(層160の部分の軸方向前方側)であり得る。開口212の近位側外観は、層160の部分のちょうど近位側(層160の部分の軸方向後方側)であり得る。
【0073】
いくつかの実施形態において、径方向剛性及び変形抵抗は、少なくとも閉塞開通部分において最小であるべきである。メッシュ材料190のような網状体は、内径の変形を低減するまたはなくすために使用され得る。
【0074】
少なくとも一実施形態において、先端部は、楕円もしくは非真円の外形を有する、または、カテーテル組立体の回転軸から径方向にもしくは側方向に離間するように配設されている。このような配置により、除去デバイスをガイドワイヤ回りに回転させると、それが横断デバイスの横断面積よりも大きい横断面積を有する円形内腔を形成することをもたらす。一実施形態において、楕円または他の非真円の外形は、軟質材料に関して最良であり得る。真円外形は、より集中した力を形成して硬質材料を除去するのに良好であり得る。
【0075】
内径の安定性を維持する構造体の別の利点は、横断外形及び間隔がより一定でありより予想可能であることである。対照的に、先端部が圧縮して先端部が変形する場合、先端部の外形は、低減され、これにより、内腔を片付けることにおける効率を低減する。内径が崩壊すると、間隔は、低減され得るまたはなくなり得る。間隔を低減させるまたはなくすことの結果として、除去デバイス100から切り離された物質を取り除く能力を排除し得る。その結果、デバイスの閉鎖及び除去デバイス100を交換する必要性を招く。
【0076】
さらなる方法
除去デバイス100と同様の除去デバイス及びシステム50を実際に使用することを
図7Aから
図7Fで示す。
図7Aは、慢性完全閉塞を有する患者の透視下での画像を示している。暗色領域は、注入された造影剤が閉塞の上流側で閉じ込められていることを示す。
図7Bは、システムを透視下で撮像したデバイスを示す。除去デバイス100は、ガイドワイヤ上に配設されている。除去デバイスは、閉塞を通って(
図7Bで記録されている時点後に)前進されるように位置付けられる。
図7Cは、ガイドワイヤ上にかつ閉塞を横切るように配設されたバルーンカテーテルの透視下での画像を示している。
図7Dは、閉塞においてかつ閉塞の両側において膨張されたバルーンの透視下での画像を示している。矢印は、閉塞の部位でバルーンが狭くされていることを示しており、閉塞の残りの部分がバルーンよりも硬質であることを示している。
図7Eは、
図7Aに示すものと同一の血管セグメントを示しており、閉塞を開いて、流動を復旧した。
【0077】
実例
実例1−ステント内再狭窄
54歳男性は、4年前に右総腸骨動脈に配置されたステントの狭窄に起因するステージIIbの抹消動脈障害(PAD)を示した。0.035インチ(0.889mm)径のPTFE血管内ガイドワイヤを患者内に挿入し、狭窄領域を横切るように前進させた。その後、バルーンカテーテルをオーバーザワイヤ(OTW)構造のガイドワイヤ上に備え付け、狭窄領域へ前進させた。バルーンカテーテルは、対象狭窄を横断できなかった。バルーンカテーテルを患者から引き抜き、一実施形態にかかる除去デバイス100をOTW構造にあるガイドワイヤに備え付けた。この及び以降の例において、実施形態にかかる除去デバイス100を使用した。この患者を治療するために使用したこの実施形態にかかる除去デバイス100は、0.035インチ(0.889mm)内径及び0.071インチ(1.8034mm)外径の先端縁を有していた。上述のように、鋸を使用して木片を切断するのとほぼ同一方法で、血管狭窄の内腔縁を通して研削または切除することによって、鋸歯状先端部を使用して抵抗性のある病変内でカテーテルを前進させた。より靴ベラ状の鈍っているまたは傾斜した先端部を使用するが、いくらかの研削能力を有し得る。
【0078】
この患者を治療するために使用したこの実施形態にかかる先端部140は、鈍っておりかつ研削する遠位面142を有していた。先端部140の遠位面142が病変組織を接触するまで、除去デバイス100をガイドワイヤに沿って前進させた。先端部140の遠位面142は、病変組織を穏やかに研削した。ハンドル130を遠位方向に押し付けると同時にハンドル130をガイドワイヤ回りに回転させることによって、穏やかな研削を達成した。ハンドル130を研削処理中に両方向で回転した。
【0079】
病変組織を研削するにしたがって、先端部140が狭窄領域を横断するまで、ガイドワイヤに沿って除去デバイス100を前進させた。先端部140が狭窄領域を横断した後、除去デバイス100を患者から引き抜き、バルーンカテーテルをOTW構造にあるガイドワイヤに再び備え付けた。ガイドワイヤに沿ってバルーンカテーテルを前進させ、対象狭窄に到達させた。このとき、除去デバイス100が対象病変を研削して狭窄を広げ、狭窄がバルーンカテーテルの外形を収容することを可能としたので、バルーンカテーテルは、狭窄領域に入ることができた。いったんバルーンカテーテルを対象狭窄の内腔内に位置付けると、バルーンを膨張させて狭窄をさらに広げた。バルーン血管形成術の後、バルーンカテーテルを患者から取り除いた。X線写真術は、対象血管内で血流を復旧したことを確認した。
【0080】
実例2−浅大腿動脈の再疎通
70歳老男性は、浅大腿動脈の閉塞に起因するステージIIbの抹消動脈障害(PAD)を示した。X線写真画像は、閉塞が動脈の25cmを越える長さに影響を及ぼしていることを示し、患者は、95%脛腓幹狭窄(truncus tibiofibularis stenosis)を有していた。0.035インチ(0.889mm)径のPTFE血管内ガイドワイヤを患者内に挿入し、狭窄領域を横切るように前進させた。バルーンカテーテルをオーバーザワイヤ(OTW)構造のガイドワイヤ上に備え付け、狭窄領域へ前進させた。バルーンカテーテルは、対象狭窄を横断できなかった。バルーンカテーテルを患者から引き抜き、一実施形態にかかる除去デバイス100をOTW構造にあるガイドワイヤに備え付けた。この患者を治療するために使用したこの実施形態にかかる除去デバイス100は、0.035インチ(0.889mm)内径及び0.071インチ(1.8034mm)外径の先端縁を有していた。
【0081】
先端部140の遠位面142が病変組織を接触するまで、除去デバイス100をガイドワイヤに沿って前進させた。先端部140の遠位面142は、病変組織を穏やかに研削した。ハンドル130を遠位方向に押し付けると同時にハンドル130をガイドワイヤ回りに回転させることによって、穏やかな研削を達成した。ハンドル130を研削処理中に両方向で回転した。ハンドル130に穏やかな圧力を掛けることにより、病変領域上を移動することによって先端部140の遠位面142が病変を研削していることを保証した。圧力をハンドル130に強く掛けすぎると、病変組織は、先端部140の遠位面142と一体となって単に捩じるだけであり得、研削処理を非効率とする。病変組織を研削するにしたがって、先端部140が狭窄領域を横断するまで、ガイドワイヤに沿って除去デバイス100を前進させた。先端部140が狭窄領域を横断した後、除去デバイス100を患者から引き抜き、血管形成術を実行した。X線写真術は、対象血管内で血流を復旧したことを確認した。
【0082】
実例3−短浅大腿動脈閉塞の治療
86歳老男性は、浅大腿動脈の閉塞に起因するステージIIbの抹消動脈障害(PAD)を示した。X線写真画像は、閉塞が動脈の6cm未満の長さに影響を及ぼしていることを示した。0.035インチ(0.889mm)径のPTFE血管内ガイドワイヤを患者内に挿入し、狭窄領域を横切るように前進させた。バルーンカテーテルをオーバーザワイヤ(OTW)構造のガイドワイヤ上に備え付け、狭窄領域へ前進させた。バルーンカテーテルは、対象狭窄を横断できなかった。バルーンカテーテルを患者から引き抜き、一実施形態にかかる除去デバイス100をOTW構造にあるガイドワイヤに備え付けた。この患者を治療するために使用したこの実施形態にかかる除去デバイス100は、0.035インチ(0.889mm)内径及び0.071インチ(1.8034mm)外径の先端縁を有していた。
【0083】
ガイドワイヤに沿ってハンドル130を遠位側に前進させることによって、除去デバイス100の先端部140を移動させた。いったん先端部140の遠位面142が対象病変と接触すると、除去デバイス100のハンドル130を遠位方向で穏やかに押してガイドワイヤ回りに往復回転させ、遠位面142が対象病変を研削した。除去デバイス100の先端部140が狭窄領域を横断するまで、この病変研削方法を継続した。いったん先端部140が病変を横断すると、除去デバイス100をガイドワイヤから取り外すまでハンドル130を近位方向に引くことによって、除去デバイス100を患者から引き抜いた。次に、バルーン血管形成術で使用するために、バルーンカテーテルをガイドワイヤに備え付けた。バルーンカテーテルをOTW構造にあるガイドワイヤに備え付け、ガイドワイヤに沿って前進させて対象狭窄に到達させた。このとき、除去デバイス100が対象病変を研削して狭窄を広げ、狭窄がバルーンカテーテルの外形を収容することを可能としたので、バルーンカテーテルは、狭窄領域に入ることができた。いったんバルーンカテーテルを対象狭窄の内腔内に位置付けると、バルーンを膨張させて狭窄をさらに広げた。
【0084】
バルーン血管形成術の後、バルーンカテーテルを患者から取り除き、膨張可能ステントを支持する送達カテーテルをOTW構造にあるガイドワイヤに備え付けた。DESが対象狭窄の内腔内となるまで、送達カテーテルをガイドワイヤに沿って前進させた。その後、ステントを展開して広げた内腔を維持し、閉塞以前の血管まで血流を復旧させた。
【0085】
実例4−脛腓幹狭窄(truncus tibiofibiolaris stenosis)の治療
72歳老男性は、石灰化膝下(BTK)99%脛腓幹狭窄に起因するステージIVのの抹消動脈障害(PAD)を示した。0.014インチ(0.3556mm)径のガイドワイヤによる成功裏の狭窄のワイヤ横断の後、1.5mm径のプッシュカテーテルを用いて、1.2mm外径のオーバーワイヤーバルーンカテーテルをガイドワイヤに沿って前進させた。バルーンカテーテルは、狭窄を横断できなかった。バルーンカテーテルを患者から引き抜き、一実施形態にかかる除去デバイス100をOTW構造にあるガイドワイヤに備え付けた。この実例のために使用したこの実施形態にかかる先端部140は、0.018インチ(0.4572mm)の内径と外径0.063インチ(1.6002mm)の先端縁とを有していた。ハンドル130をガイドワイヤに沿って遠位側に移動させて先端部140を対象病変まで前進させた。いったん先端部140の遠位面142が対象病変と接触すると、除去デバイス100のハンドル130を遠位方向で穏やかに押してガイドワイヤ回りに往復回転させ、遠位面142が対象病変を研削させた。
【0086】
除去デバイス100の先端部140が狭窄領域を完全に横断るまで、この病変研削方法を継続した。いったん先端部140が病変を横断すると、除去デバイス100をガイドワイヤから取り外すまでハンドル130を近位方向に引くことによって、除去デバイス100を患者から引き抜いた。次に、ブレード血管形成カテーテルを再びOTW構造にあるガイドワイヤに備え付けた。ブレード血管形成カテーテルをガイドワイヤに沿って前進させた。このとき、除去デバイス100が対象病変を研削して狭窄を広げ、狭窄がブレード血管形成カテーテルの外形を収容することを可能としたので、ブレード血管形成カテーテルは、狭窄領域に入ることができた。ブレード血管形成カテーテルを使用して狭窄をさらに広げた。ブレード血管形成術の後、ブレード血管形成カテーテルを患者から取り除き、膨張可能薬剤溶出ステント(DES)を支持する送達カテーテルをOTW構造にあるガイドワイヤに備え付けた。DESが対象病変の内腔内となるまで、送達カテーテルをガイドワイヤに沿って前進させた。その後、DESを展開して広げた内腔を維持し、閉塞以前の血管まで血流を復旧させた。
【0087】
上述は、本発明を実行することを意図したモードの、並びに、本発明を形成しかつ使用する方式及び処理の、説明を十分に、明確にかつ簡潔に、そして、当業者が本発明を形成しかつ使用するのに適切である正確な用語を、提供する。しかしながら、本発明は、完全に等価物である上述した構造からの改変及び代替構造を許容可能である。その結果として、開示した特有の実施形態に本発明を制限することを意図していない。それどころか、本発明は、以下の特許請求の範囲で一般的に表現されているように本発明の精神及び範囲内に由来する改変及び代替構造をカバーするものであり、この特許請求の範囲は、特に、本発明の主題を指摘しかつはっきりと主張している。