特許第6968963号(P6968963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6968963
(24)【登録日】2021年10月29日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   B41J2/01 307
   B41J2/01 303
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-161217(P2020-161217)
(22)【出願日】2020年9月25日
(65)【公開番号】特開2021-70321(P2021-70321A)
(43)【公開日】2021年5月6日
【審査請求日】2020年9月25日
(31)【優先権主張番号】特願2019-194621(P2019-194621)
(32)【優先日】2019年10月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立原 祐司
【審査官】 中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−123137(JP,A)
【文献】 特開2019−116091(JP,A)
【文献】 特開2019−034524(JP,A)
【文献】 特開平09−277602(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0001496(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録を行う記録装置であって、
複数の吐出口からインクを吐出して前記記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
第1の方向に沿って移動可能なメインキャリッジと、
前記メインキャリッジに保持されるサブキャリッジと、
前記記録装置に前記記録媒体が挿入された場合に、前記記録媒体と当接して、前記記録媒体の前記第1の方向と直交する第2の方向における移動を規制する規制部と、
を有し、
前記サブキャリッジは、前記メインキャリッジに保持された状態で、前記メインキャリッジの移動にともなって前記第1の方向に沿って移動するとともに、前記メインキャリッジに対して、前記第2の方向に沿って、第1の位置と、前記第1の位置とは異なる第2の位置と、に移動可能であり、
前記記録ヘッドは、前記サブキャリッジに、取り外し可能に装着され、
前記記録ヘッドは、前記サブキャリッジが前記第1の位置にある状態で前記メインキャリッジが前記第1の方向に沿って移動しているとき、および、前記サブキャリッジが前記第2の位置にある状態で前記メインキャリッジが前記第1の方向に沿って移動しているときに、前記記録媒体への記録を行い、
前記サブキャリッジが前記第2の位置にあるときの、前記第2の方向における、前記規制部と前記複数の吐出口との距離のうちの最短距離は、前記サブキャリッジが前記第1の位置にあるときの、前記第2の方向における、前記規制部と前記複数の吐出口との距離のうちの最短距離よりも長く、
前記サブキャリッジからの前記記録ヘッドの取り外し動作は、前記サブキャリッジが前記第2の方向において前記第2の位置にある状態で行われることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記サブキャリッジからの前記記録ヘッドの取り外し動作は、前記第1の方向において、前記複数の吐出口が、前記記録媒体への記録を行う記録領域の外側に位置する状態で行われることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録装置の電源がオン状態で、前記記録装置がスタンバイ状態であるときの、前記メインキャリッジの位置を待機位置とし、
前記記録領域は、前記第1の方向において、前記メインキャリッジが前記待機位置にあるときの前記複数の吐出口の位置と、前記取り外し動作が行われるときの前記複数の吐出口の位置と、の間に位置することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記サブキャリッジは、前記記録ヘッドの取り外し動作の指示が前記記録装置に入力されたときに、前記第2の位置に移動することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項5】
開閉可能な扉と、前記扉の開状態と閉状態とを検出可能な開閉センサと、を更に有し、
前記サブキャリッジからの前記記録ヘッドの取り外し動作は、前記扉が前記開状態であるときに行われ、前記開閉センサによって前記扉が前記開状態から前記閉状態となったことを検知したときに、前記サブキャリッジを前記第2の位置から前記第1の位置に移動することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項6】
複数の吐出口からインクを吐出して記録媒体に記録を行う記録装置であって、
前記インクを貯留するインクカートリッジと、
第1の方向に沿って移動可能なメインキャリッジと、
前記メインキャリッジに保持されるサブキャリッジと、
前記記録装置に前記記録媒体が挿入された場合に、前記記録媒体と当接して、前記記録媒体の前記第1の方向と直交する第2の方向における移動を規制する規制部と、
を有し、
前記サブキャリッジは、前記メインキャリッジに保持された状態で、前記メインキャリッジの移動にともなって前記第1の方向に沿って移動するとともに、前記メインキャリッジに対して、前記第2の方向に沿って、第1の位置と、前記第1の位置とは異なる第2の位置と、に移動可能であり、
前記インクカートリッジは、前記サブキャリッジに取り外し可能に装着され、
前記複数の吐出口は、前記サブキャリッジと一緒に移動し、
前記記録装置は、前記サブキャリッジが前記第1の位置にある状態で前記メインキャリッジが前記第1の方向に沿って移動しているとき、および、前記サブキャリッジが前記第2の位置にある状態で前記メインキャリッジが前記第1の方向に沿って移動しているときに、前記記録媒体への記録を行い、
前記サブキャリッジが前記第2の位置にあるときの、前記第2の方向における、前記規制部と前記複数の吐出口との距離のうちの最短距離は、前記サブキャリッジが前記第1の位置にあるときの、前記第2の方向における前記規制部と前記複数の吐出口との距離のうちの最短距離よりも長く、
前記サブキャリッジからの前記インクカートリッジの取り外し動作は、前記サブキャリッジが前記第2の方向において前記第2の位置にある状態で行われることを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッドによって記録媒体に記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、左右へ往復動する際、移動端で印字ヘッドの位置を前後にずらすことにより、記録位置に固定された記録媒体に対して、印字ヘッドのノズル列の2倍の領域に印字することが可能なプリンタが記載されている。一般に、特許文献1に記載したような記録装置は、印字ヘッド(記録ヘッド)を着脱して交換可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−16302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載したような記録装置において記録ヘッドを着脱する場合、記録ヘッドの位置によっては着脱する際の作業性が低下してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、メンテナンスの際の作業性を向上させることができる構成を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、記録媒体に記録を行う記録装置であって、複数の吐出口からインクを吐出して前記記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、第1の方向に沿って移動可能なメインキャリッジと、前記メインキャリッジに保持されるサブキャリッジと、前記記録装置に前記記録媒体が挿入された場合に、前記記録媒体と当接して、前記記録媒体の前記第1の方向と直交する第2の方向における移動を規制する規制部と、を有し、前記サブキャリッジは、前記メインキャリッジに保持された状態で、前記メインキャリッジの移動にともなって前記第1の方向に沿って移動するとともに、前記メインキャリッジに対して、前記第2の方向に沿って、第1の位置と、前記第1の位置とは異なる第2の位置と、に移動可能であり、前記記録ヘッドは、前記サブキャリッジに、取り外し可能に装着され、前記記録ヘッドは、前記サブキャリッジが前記第1の位置にある状態で前記メインキャリッジが前記第1の方向に沿って移動しているとき、および、前記サブキャリッジが前記第2の位置にある状態で前記メインキャリッジが前記第1の方向に沿って移動しているときに、前記記録媒体への記録を行い、前記サブキャリッジが前記第2の位置にあるときの、前記第2の方向における、前記規制部と前記複数の吐出口との距離のうちの最短距離は、前記サブキャリッジが前記第1の位置にあるときの、前記第2の方向における、前記規制部と前記複数の吐出口との距離のうちの最短距離よりも長く、前記サブキャリッジからの前記記録ヘッドの取り外し動作は、前記サブキャリッジが前記第2の方向において前記第2の位置にある状態で行われることを特徴とする記録装置である。
【0007】
本発明の一態様は、複数の吐出口からインクを吐出して記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記インクを貯留するインクカートリッジと、第1の方向に沿って移動可能なメインキャリッジと、前記メインキャリッジに保持されるサブキャリッジと、前記記録装置に前記記録媒体が挿入された場合に、前記記録媒体と当接して、前記記録媒体の前記第1の方向と直交する第2の方向における移動を規制する規制部と、を有し、前記サブキャリッジは、前記メインキャリッジに保持された状態で、前記メインキャリッジの移動にともなって前記第1の方向に沿って移動するとともに、前記メインキャリッジに対して、前記第2の方向に沿って、第1の位置と、前記第1の位置とは異なる第2の位置と、に移動可能であり、前記インクカートリッジは、前記サブキャリッジに取り外し可能に装着され、前記複数の吐出口は、前記サブキャリッジと一緒に移動し、前記記録装置は、前記サブキャリッジが前記第1の位置にある状態で前記メインキャリッジが前記第1の方向に沿って移動しているとき、および、前記サブキャリッジが前記第2の位置にある状態で前記メインキャリッジが前記第1の方向に沿って移動しているときに、前記記録媒体への記録を行い、前記サブキャリッジが前記第2の位置にあるときの、前記第2の方向における、前記規制部と前記複数の吐出口との距離のうちの最短距離は、前記サブキャリッジが前記第1の位置にあるときの、前記第2の方向における前記規制部と前記複数の吐出口との距離のうちの最短距離よりも長く、前記サブキャリッジからの前記インクカートリッジの取り外し動作は、前記サブキャリッジが前記第2の方向において前記第2の位置にある状態で行われることを特徴とする記録装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、メンテナンスの際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図。
図2】カバー体を取外した状態のインクジェット記録装置を示す斜視図。
図3】カバー体を取外した状態のインクジェット記録装置を示す平面図。
図4】(a)右方側の端部に位置する記録キャリッジユニットを示す下面図、(b)左方側の端部に位置する記録キャリッジユニットを示す下面図。
図5】(a)記録ヘッドが前方位置に位置する状態のインクジェット記録装置を示す平面図、(b)記録ヘッドが後方位置に位置する状態のインクジェット記録装置を示す平面図。
図6】(a)記録媒体に往路の記録のみを行った状態を示す図、(b)記録媒体への記録が完了した状態を示す図。
図7】(a)クリーニングユニット及びその周辺部分を示す平面図、(b)クリーニングユニットを示す斜視図。
図8】(a)キャップが非被覆位置に位置している状態のクリーニングユニットを示す断面図、(b)キャップが被覆位置に位置している状態のクリーニングユニットを示す断面図、(c)インクジェット記録装置の制御ブロック図。
図9】ヘッド交換モード及びユーザの操作を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態について、図1乃至図9を用いて説明する。まず、本実施形態のインクジェット記録装置100の概略構成について、図1及び図2を用いて説明する。
【0011】
[インクジェット記録装置]
本実施形態におけるインクジェット記録装置100は、記録ヘッドHが主走査方向(走査方向)X1,X2に往復移動(往復走査)しながらインクを吐出して、封書(封筒)、カード、シート等の略矩形の記録媒体Pの記録面(上面)P1に、バーコード、文字、画像等の記録(形成)を行う記録装置である。
【0012】
インクジェット記録装置100は、装置本体2、記録媒体保持ユニット10、記録ヘッドHを有する記録キャリッジユニット20、主移動手段としての移動ユニット30、クリーニングユニット40及び制御手段としての制御部50を備えている。装置本体2は、ベース18と、ベース18に着脱可能に取付けられた筐体としてのカバー体3を有する。記録媒体保持ユニット10は、ベース18によって支持され、記録を行う記録媒体Pを保持する。移動ユニット30は、ベース18によって支持され、記録キャリッジユニット20を主走査方向X1、X2に移動させる。クリーニングユニット40は、ベース18によって支持され、記録ヘッドHのクリーニングを行う。カバー体3は、ベース18に取り付けられた状態で、記録媒体保持ユニット10、記録キャリッジユニット20、移動ユニット30、クリーニングユニット40、制御部50が内部に配置されている。
【0013】
以下の記載において、図1のY2方向を「前方」、図1のY1方向を「後方」、図1のX2方向を「左方」、図1のX1方向を「右方」、図1のZ1方向を「上方」、図1のZ2方向を「下方」とも記載する。また、Y1方向及びY2方向をまとめて「Y方向(前後方向、第2の方向、副走査方向)」、X1方向及びX2方向をまとめて「X方向(左右方向、第1の方向、主走査方向)」、Z1方向及びZ2方向をまとめて「Z方向(上下方向)」とも記載する。X方向、Y方向、Z方向は、それぞれ互いに直交している。カバー体3と、後述する記録媒体保持ユニット10の支持板11と、の間には、記録を行う記録媒体Pをカバー体3内にY2方向へ挿入可能な挿入口Sが形成されている。また、インクジェット記録装置100は、Y2側が装置の操作側となる。即ち、ユーザは、インクジェット記録装置100のY2側から、記録媒体Pのセットや記録ヘッドHの交換等、インクジェット記録装置100の操作を行う。
【0014】
[記録媒体保持ユニット]
次に、記録媒体保持ユニット10について、図2及び図3を用いて説明する。記録媒体保持ユニット10は、支持板11と、支持板11や後述するリフタ13に支持された記録媒体PのX方向、Y方向及びZ方向の位置決めをする位置決め手段としての位置決めユニットRと、記録媒体検知ユニット15とを有する。支持板11は、X方向及びY方向に沿って記録ヘッドHの下方に対向配置されており、挿入口Sから挿入された記録媒体Pの下面に当接して記録媒体Pを支持する。
【0015】
位置決めユニットRは、記録ヘッドHと支持板11との間に配置された板部材としてのベースプレート12と、ベースプレート12の下方に配置されたリフタ13とを有している。ベースプレート12は、上規制面12f、第1位置決め部(規制部)としての右規制面(第1面)12a、及び第2位置決め部(規制部)としての後規制面(第2面)12bを有している。上規制面12fは、X方向及びY方向に沿って、挿入口Sから挿入された記録媒体Pを支持板11やリフタ13との間で挟むように配置されている。
【0016】
右規制面12a及び後規制面12bは、支持板11との間に配置され、ベースプレート12に一体的に形成されている。右規制面12aは、挿入口Sに挿入された記録媒体Pの右方向(X1方向)の移動に対して、記録媒体Pの右方側(X1方向)の端部P2(図1参照)に当接可能となっている。後規制面12bは、挿入口Sに挿入された記録媒体Pの後方(Y1方向)への移動に対して、記録媒体Pの後方側(Y1側)の端部P3(図1参照)に当接可能となっている。記録媒体Pがインクジェット記録装置100の右方向(X1方向)に挿入された場合に、記録媒体のX1方向への移動を規制する規制部としての右規制面12aは、記録媒体と当接して、記録媒体のY1方向における移動を規制する。また、記録媒体Pがインクジェット記録装置100の手前側から奥側に向かう方向(Y1方向)に挿入された場合に、記録媒体のY1方向への移動を規制する規制部としての後規制面12bは、記録媒体と当接して、記録媒体のY1方向における移動を規制する。
【0017】
なお、第1位置決め部及び第2位置決め部は、本実施形態のように記録媒体に当接可能な面として形成されているものに限定されない。例えば、第1位置決め部及び第2位置決め部は、記録媒体のX1方向の端部及びY1方向の端部に当接可能な点又は線として構成されていてもよい。また、ベースプレートは、右規制面及び後規制面を一体的に有していればよく、例えば、右規制面及び後規制面は、ベースプレートとは別部品に形成されて、右規制面及び後規制面を有する部品がベースプレートに溶接やねじ等によって固定されていてもよい。
【0018】
リフタ13は、図示しないリフタ昇降機構により昇降可能に構成されている。リフタ13は、下降した状態でベースプレート12と離間して、挿入口Sに対する記録媒体Pの挿抜を可能とする。一方リフタ13は、上昇した状態で、挿入口Sに挿入された記録媒体Pを、上規制面12f、即ちベースプレート12の記録ヘッドHとは反対側の面(ベースプレート12の下面)に記録媒体Pの上面が当接するように、記録媒体Pを支持して上方(Z1方向)に向けて押圧(付勢)する。挿入口Sに挿入されて支持板11に支持された記録媒体Pは、リフタ13が上昇することにより、厚さによらず一定の圧力でベースプレート12に押圧(当接)され、リフタ13とベースプレート12との間で挟むように保持されて、上面が位置決めされる。
【0019】
また、ベースプレート12は、上下方向に貫通する開口部としての記録領域開口12c、及び切り欠き部12d、案内部としての下ガイドレール12eを有している。記録領域開口12cは、挿入口Sに挿入され、リフタ13によりベースプレート12の下面に押し付けられた(付勢された)記録媒体Pの一部を、記録ヘッドHに対して略矩形の所定の領域で露出させるように開口している。記録ヘッドHは、記録領域開口12cが記録媒体Pを露出させる所定の領域内で、記録領域開口12cから露出する記録媒体Pに記録可能となっている。例えば、記録領域開口12cは、記録ヘッドHが記録媒体Pに記録可能な所定の記録領域よりも前後左右方向へ1mm程度大きく形成されている。また、記録領域開口12cは、右規制面12aよりも左方(X2方向)、かつ後規制面12bよりも前方(Y2方向)に配置されている。
【0020】
下ガイドレール12eは、X方向に沿ってV溝状にベースプレート12と一体で形成されている。下ガイドレール12eは、記録キャリッジユニット20の所定部位が係合可能であり、記録キャリッジユニット20のX方向の移動を案内する。ベースプレート12と下ガイドレール12eとが一体で形成されていることにより、記録キャリッジユニット20の位置と、記録が行われる記録媒体の位置と、の誤差の抑制を可能としている。記録キャリッジユニット20は、下ガイドレール12eに係合した状態でX方向に摺動する。なお、ベースプレート12は、下ガイドレール12eを一体的に有していればよい。ベースプレートは、例えば、下ガイドレールがベースプレートとは別部品で構成されて、ベースプレートに溶接で固定されていてもよいし、ベースプレートにねじ等により固定されていてもよい。
【0021】
記録媒体検知ユニット15は、ベースプレート12に対して移動可能に支持された検知フラグ(不図示)と、付勢部材(不図示)と、検知フラグの位置に応じた信号を出力する検知センサ16(図8(c)参照)と、を有している。例えば、検知フラグは、右規制面12a及び後規制面12bの間の角部近傍に配置されており、付勢部材によって挿入される記録媒体Pと接触可能な位置に向けて付勢されている。このため、検知フラグは、挿入口Sに挿入された記録媒体Pによって押されることで移動する。検知センサ16は、検知フラグの移動により、記録媒体Pが右規制面12a及び後規制面12bに当接している状態の位置である検知位置と、挿入口Sに記録媒体Pが挿入されていない状態の非検知位置とで異なる信号を制御部50に出力する。なお、本実施形態では、検知フラグは、右規制面12a及び後規制面12bの間の角部近傍に配置されているが、これに限らず、検知フラグは、記録媒体に当接可能な他の位置に配置されていてもよい。
【0022】
[移動ユニット]
図2及び図3に示すように、移動ユニット30は、モータM、モータMの駆動により回転するプーリ等を有するキャリッジ駆動機構31、タイミングベルト32、リニアエンコーダ33及び上ガイドレール5を有している。タイミングベルト32は、キャリッジ駆動機構31の動作を記録キャリッジユニット20へ伝達する。リニアエンコーダ33は、X方向に沿って配置されており、記録キャリッジユニット20が有する位置検出器E(図8(c)参照)によりX方向の位置が検出可能となっている。
【0023】
上ガイドレール5は、X方向に沿って配置されており、記録キャリッジユニット20の所定部位が係合可能で、記録キャリッジユニット20のX方向の移動を案内する。移動ユニット30は、上ガイドレール5及び下ガイドレール12eに記録キャリッジユニット20の所定部位が係合してY方向及びZ方向への移動が規制された状態でモータMが駆動することにより、記録キャリッジユニット20をX方向に沿って所定範囲で往復移動させる。
【0024】
[記録キャリッジユニット]
次に、記録キャリッジユニット20の詳細について、図3図4(a)及び(b)を用いて説明する。記録キャリッジユニット20は、主移動部としてのメインキャリッジ21、保持部としてのサブキャリッジ22、記録ヘッドH、副移動手段としてのスライド部材23及びキャリッジばね25(図4参照)を有する。
【0025】
メインキャリッジ21は、X方向に往復走査する。具体的には、メインキャリッジ21は、所定部位が上ガイドレール5及び下ガイドレール12eに係合してY方向及びZ方向への移動が規制されている。また、メインキャリッジ21は、モータMの駆動によって上ガイドレール5及び下ガイドレール12eに沿ってサブキャリッジ22及び記録ヘッドHと共にX方向へ往復移動(往復走査)可能となっている(図2参照)。また、メインキャリッジ21は、サブキャリッジ22をメインキャリッジ21に対してY方向に移動可能に保持すると共に、スライド部材23をメインキャリッジ21に対してX方向に移動自在に保持する。
【0026】
サブキャリッジ22は、記録ヘッドHを着脱自在に保持する。例えば、サブキャリッジ22は、サブキャリッジ22に対する記録ヘッドHの移動を規制する、側壁(不図示)、後方規制部(不図示)、記録ヘッド支持部(不図示)、係合部(不図示)を有している。側壁は、記録ヘッドHのX方向の幅に対応する距離、X方向に離間して一対配置されており、記録ヘッドHのサブキャリッジ22に対するX方向への移動を規制する。後方規制部は、記録ヘッドHが前方側(Y2側)から取付けられる際、記録ヘッドHの所定部位に対してY方向に当接可能であり、記録ヘッドHと当接することによって記録ヘッドHのサブキャリッジ22に対する後方(Y1方向)への移動を規制する。
【0027】
また、例えば、記録ヘッド支持部は、記録ヘッドHの後端側(Y1側)に配置されて記録ヘッドHのX方向の側面からX方向に突出するように形成された突出部(不図示)の下方側(Z2側)に当接可能であり、記録ヘッドHを下方から支持する。記録ヘッド支持部は、突出部に当接することによって、記録ヘッドHの後端側(Y1側)のサブキャリッジ22に対する下方(Z2方向)への移動を規制すると共に、記録ヘッドHの前端側(Y2側)がZ方向に揺動可能となるように記録ヘッドHを支持する。係合部は、記録ヘッドHがサブキャリッジ22に取付けられた状態で、記録ヘッドHに形成された被係合部(不図示)と係合可能であり、被係合部と係合することによって、記録ヘッドHの前端側(Y2側)のZ方向への揺動を規制する。
【0028】
ユーザは、例えば、記録ヘッドHをサブキャリッジ22に取付ける際、まずサブキャリッジ22に対して記録ヘッドHの前端側(Y2側)がやや下方(Z2方向)となるように傾斜した状態で後方(Y1方向)へ移動させることにより記録ヘッドHを一対の側壁の間に挿入し、後方規制部に突き当てる。次に、ユーザは、記録ヘッドHを後方規制部に突き当てた状態、かつ記録ヘッドHの突出部を記録ヘッド支持部に当接させて記録ヘッドHの後端側を記録ヘッド支持部によって支持させた状態で、記録ヘッドHの前端側(Y2側)を上方(Z1方向)へ移動させ、被係合部を係合部に係合させる。このようにして、記録ヘッドHは、サブキャリッジ22に取付けられ、サブキャリッジ22に対するX方向、Y方向及びZ方向への移動が規制される。また、例えば、ユーザは、記録ヘッドHをサブキャリッジ22から取外す際、上記取付ける際の手順とは逆の手順、即ち、記録ヘッドHの前端側(Y2側)を下方(Z2方向であり、ベースプレート12に近づく方向)に移動させ、被係合部と係合部との係合を解除させて、記録ヘッドHを前方(Y2方向)に移動させることで記録ヘッドHを取外す。
【0029】
サブキャリッジ22は、記録ヘッドHを保持した(取付けた)状態で記録ヘッドHの接点と制御部50とを電気的に接続する基板(不図示)を有している。記録ヘッドHからは、サブキャリッジ22の基板を介して、記録ヘッドHの装着の有無に応じた信号や、インクの残量に応じた信号、リニアエンコーダ33による記録ヘッドHの位置に応じた信号等が制御部50に出力される。制御部50からは、サブキャリッジ22の基板を介して、記録ヘッドHを制御するための制御信号が記録ヘッドHに出力される。また、サブキャリッジ22は、サブキャリッジ22の後端部で後方(Y1方向)に突出するように形成され、スライド部材23に当接しながら摺動可能な当接部22aを有している。
【0030】
記録ヘッドHは、下部に配置されてインクを吐出する複数の吐出口(ノズル、不図示)が配置された吐出部Ha、インクを貯留するインクカートリッジ(不図示)等を有してサブキャリッジ22に対して着脱可能にユニット化されている。記録ヘッドHは、吐出部Haからインクを吐出して、記録媒体PにY方向が所定長さである画像形成(記録)を行うことが可能となっている。本実施形態では、記録ヘッドHは、Y方向が0.5インチである画像形成を行うことが可能となっている。
【0031】
なお、インクカートリッジと記録ヘッドHとは、一体であっても、別体であってもよい。インクカートリッジと記録ヘッドHとが別体である場合は、インクカートリッジのみを取り外して交換することが可能となる。
【0032】
スライド部材23は、サブキャリッジ22の当接部22aの後面である後方当接面22bと、後方当接面22bとY方向に対向するメインキャリッジ21の対向面21aとの間に、メインキャリッジ21に対してX方向に移動自在に保持されている。本実施形態では、スライド部材23は、メインキャリッジ21に形成された貫通孔(不図示)を通じて、サブキャリッジ22の後方当接面22bとメインキャリッジ21の対向面21aとの間に挿通されている。また、スライド部材23は、メインキャリッジ21よりもX方向に長く形成されている。このため、スライド部材23は、メインキャリッジ21に対するX方向の位置によって、スライド部材23の右方端(X1方向端部)及び左方端(X2方向端部)の何れか一方、若しくは両方がメインキャリッジ21からX方向へ突出する。
【0033】
スライド部材23は、X方向の異なる位置において、少なくとも2段階にY方向の厚さが異なるように構成されている。本実施形態では、スライド部材23は、厚さが異なる部分の面同士が傾斜面により接続されるように形成されている。具体的には、スライド部材23は、メインキャリッジ21の対向面21aに対向するY方向の後面23a(片面)が、X方向全体に亙ってX方向に対し平行となるように形成されている。また、スライド部材23は、サブキャリッジ22の後方当接面22bに対向するY方向の前面23b(他面)のうち、X1側の右規制面23cよりもX2側の左規制面23dがY2方向に突出するように形成されている。右規制面23c及び左規制面23dは、後面23aに対して平行となるように形成されており、傾斜面23eにより滑らかに接続されている。本実施形態では、スライド部材23は、X2側において、X1側よりもY方向の厚さが大きくなっている。
【0034】
キャリッジばね25は、メインキャリッジ21の一部とサブキャリッジ22の一部とに掛け渡されており、メインキャリッジ21に対してサブキャリッジ22をY方向の後方(Y1方向)に向けて付勢している。キャリッジばね25は、メインキャリッジ21に対してサブキャリッジ22を後方(Y1方向)に向けて付勢することにより、メインキャリッジ21とサブキャリッジ22との間でスライド部材23を挟持させている。キャリッジばね25によって、スライド部材23の後面23aはメインキャリッジ21の対向面21aに当接し、サブキャリッジ22の後方当接面22bはスライド部材23の前面23bに当接する。
【0035】
メインキャリッジ21に対する記録ヘッドH(サブキャリッジ22)のY方向の位置は、メインキャリッジ21に対するスライド部材23のX方向の位置によって決定される。具体的には、スライド部材23のY方向の厚さが大きい部分がメインキャリッジ21の対向面21aとサブキャリッジ22の後方当接面22bとの間に位置する場合、記録ヘッドHは、メインキャリッジ21に対してY1側の後方位置(第1の位置)に位置する。一方、スライド部材23のY方向の厚さが小さい部分が対向面21aと後方当接面22bとの間に位置する場合、記録ヘッドHは、後方位置よりもメインキャリッジ21に対してY2側の位置である前方位置(第2の位置)に位置する。このように、スライド部材23がメインキャリッジ21に対してX方向に相対移動することにより、サブキャリッジ22と共に記録ヘッドHがメインキャリッジ21に対してY方向に移動する。
【0036】
[記録ヘッドのX方向の位置とY方向の位置との関係]
次に、記録ヘッドHのX方向の位置とY方向の位置との関係について、図4及び図5を用いて説明する。本実施形態では、記録キャリッジユニット20がX方向に移動することで、スライド部材23のX方向の端部がベース18の一部と当接して、スライド部材23がメインキャリッジ21に対してX方向に移動するように構成している。
【0037】
具体的には、図4(a)に示すように、メインキャリッジ21がX方向に移動可能な移動領域の右方端(X1方向端部)に位置する状態では、スライド部材23の右方端(X1方向端部)がベース18に設けられた右当接板7に当接する。この状態では、スライド部材23のY方向の厚さが小さい部分がメインキャリッジ21の対向面21aとサブキャリッジ22の後方当接面22bとの間に位置しており、サブキャリッジ22は、Y方向の後方位置に位置している。この状態で1メインキャリッジ21が左方(X2方向)へ移動すると、図5(b)に示すように、記録ヘッドHは、後方位置に位置するサブキャリッジ22に保持された状態を維持したまま移動領域の左方端(X2方向端部)に向けてX方向に沿って移動(主走査)する。
【0038】
また、図4(b)に示すように、記録ヘッドHが移動領域の左方端(X2方向端部)に位置する状態では、スライド部材23の左方端(X2方向端部)がベース18に設けられた左当接板6に当接する。この状態では、スライド部材23のY方向の厚さが大きい部分がメインキャリッジ21の対向面21aとサブキャリッジ22の後方当接面22bとの間に位置しており、サブキャリッジ22は、Y方向の前方位置に位置している。この状態で記録キャリッジユニット20が右方(X1方向)へ移動すると、図5(a)に示すように、記録ヘッドHは、前方位置に位置するサブキャリッジ22に保持される状態を維持したまま移動領域の右方端(X1方向端部)に向けてX1方向に移動する。
【0039】
図4(a)の状態すなわちサブキャリッジが後方位置にいる場合と、図4(b)の状態即ちサブキャリッジが前方位置にいる場合について、インクジェット記録装置100と記録ヘッドHとの位置関係について説明する。吐出部Haに設けられた複数の吐出口Ha1のうち、図3の後規制面12bとの間のY方向における距離が最も短くなるのは(最短距離は)、Y1方向の端部に位置する吐出口Ha2である。そして、吐出口Ha2と後規制面12bとの間のY方向における距離について比較すると、サブキャリッジが前方位置にあるときの距離は、サブキャリッジが後方位置にあるときの距離よりも、長い。
【0040】
また、記録ヘッドHが図5(a)の状態、即ち前方位置に位置するサブキャリッジ22に保持された状態で記録キャリッジユニット20が右方(X1方向)に向けて移動し、記録ヘッドHが記録領域開口12cよりも右方側(X1側)の所定の位置に達すると、スライド部材23は、右方端(X1方向端部)が右当接板7に当接する。更に記録キャリッジユニット20が右方(X1方向)に向けて移動すると、スライド部材23は、右当接板7に押圧されてメインキャリッジ21に対して左方(X2方向)に移動し、サブキャリッジ22の後方位置へ向けた移動を開始させる。更に記録キャリッジユニット20が右方(X1方向)に向けて移動すると、スライド部材23は、サブキャリッジ22に保持される記録ヘッドHの吐出部HaのX方向の位置が後述するクリーニングブレード42と当接する位置に達するまでに、サブキャリッジ22の後方位置への移動を終了させる。
【0041】
また、サブキャリッジ22が図5(b)の状態、即ち後方位置に位置する状態で記録キャリッジユニット20が左方(X2方向)に向けて移動し、サブキャリッジ22に保持される記録ヘッドHが記録領域開口12cよりも左方側(X2側)の所定の位置に達すると、スライド部材23は、左方端(X2方向端部)が左当接板6に当接する。更に記録キャリッジユニット20が左方(X2方向)に向けて移動すると、スライド部材23は、左当接板6に押圧されてメインキャリッジ21に対して右方(X1方向)に移動し、サブキャリッジ22の前方側(Y2側)への移動を開始させる。更に記録キャリッジユニット20が左方(X2方向)に向けて移動すると、スライド部材23は、記録ヘッドHの位置がX方向における移動領域の左方端部(X2方向端部)、即ち後述する交換ポジションに達するまでに、サブキャリッジ22に前方側(Y2側)への移動を終了させる。
【0042】
このように、サブキャリッジ22は、X方向に往復移動する際、スライド部材23によって前方(Y2方向)又は後方(Y1方向)へ移動する。このように、スライド部材23は、サブキャリッジ22が移動ユニット30によって移動範囲(所定範囲)の左方側(X2側)の端部に移動する動作に連動してサブキャリッジ22を前方側(Y2側)の前方位置に移動させ、サブキャリッジ22が移動ユニット30によって移動範囲の右方側(X1側)の端部に移動する動作に連動してサブキャリッジ22を後方側(Y1側)の後方位置に移動させる。
【0043】
なお、本実施形態では、スライド部材23は、記録キャリッジユニット20が移動範囲の左方側(X2側)の端部に移動する動作に連動してサブキャリッジ22を前方側(Y2側)に移動させ、記録キャリッジユニット20が移動範囲の右方側(X1側)の端部に移動する動作に連動してサブキャリッジ22をY1方向に移動させているが、これに限定されない。副移動手段は、保持部を、移動範囲の主走査方向のX1側端部においての第2位置(前方位置)に移動させ、前記所定範囲の主走査方向のX2側端部において前記第2位置(前方位置)よりもY1側の第1位置(後方位置)に移動させるように構成されていてもよい。
【0044】
例えば、副移動手段は、保持部が移動範囲のX1側の端部に達してから保持部の位置を第1位置(後方位置)から第2位置(前方位置)に切り換え、保持部が移動範囲のX2側の端部に達してから保持部の位置を第2位置(前方位置)から第1位置(後方位置)に切り替えるように構成されていてもよい。また、例えば、副移動手段は、右方(X1方向)に向けて移動する保持部を、記録媒体に記録が可能な所定の記録領域より右方側(X1側)で後方側(Y1側)への移動を開始させ、左方(X2方向)に向けて移動する保持部を、所定の記録領域より左方側(X2側)で前方側(Y2側)への移動を開始させるように構成されたスライド部材であってもよい。
【0045】
[記録ヘッドの往復移動による記録]
図5(b)に示すように、記録ヘッドHは、サブキャリッジ22が後方位置に位置する状態で左方(X2方向)に向けて移動(主走査)しながら記録領域開口12cを介して記録媒体Pにインクを吐出し、図6(a)に示すように記録媒体Pに後半分の往路の記録を行う。その後、記録ヘッドHは、サブキャリッジ22とともに所定の記録領域から外れた位置で前方位置へ移動し、図5(a)に示すように、右方(X1方向)に向けて移動しながら記録領域開口12cを介して記録媒体Pにインクを吐出し、図6(b)に示すように記録媒体Pに前半分の復路の記録を行う。このようにして、記録ヘッドHは、記録媒体Pの所定の記録領域に記録ヘッドHが記録可能なY方向の幅の2倍の幅の記録を行う。本実施形態では、記録ヘッドHは、往路の記録及び復路の記録で0.5インチ幅ずつの記録を行い、記録媒体Pに1インチ幅の記録を行う。
【0046】
[クリーニングユニット]
次に、記録ヘッドHを清掃する、クリーニングユニット40について、図7及び図8を用いて説明する。図7(a)及び(b)に示すようにクリーニングユニット40は、ベース部材41、清掃部材としてのクリーニングブレード42、ブレード昇降機構43、吐出部Haを被覆可能な被覆部材としてのキャップ45、キャップ昇降機構46、及び吸引手段としての吸引ユニット60を有する。ベース部材41は、クリーニングブレード42及びキャップ45を昇降可能に支持している。
【0047】
清掃部材移動手段としてのブレード昇降機構43は、記録ヘッドHのX方向への移動に伴い、クリーニングブレード42を吐出部Haに当接可能な当接位置と当接位置から退避した退避位置との間で移動(昇降)させる。例えば、ブレード昇降機構43は、記録ヘッドHがクリーニングブレード42に対して、左方側(X2側)から接近する際に当接位置に保持し、右方側(X1側)から接近する際に退避位置に保持するように、クリーニングブレード42を移動させる。
【0048】
クリーニングブレード42は、右規制面12aよりも右方側(X1側)で、且つ後規制面12bよりも前方側(Y2側)の空間T1内において、記録ヘッドHが前方位置に位置したときの吐出部Haの前方側(Y2側)の端部(複数の吐出口Ha1が配置されている領域の端部、図4(b)参照)よりも後方側(Y1側)に配置されている。
【0049】
クリーニングブレード42は、当接位置に位置する状態で、移動ユニット30によってX方向に移動する記録ヘッドHの吐出部Haに当接(摺動)することにより、記録後に吐出部Haに付着したインクを拭取って吐出部Haを清掃する。クリーニングブレード42は、記録媒体が位置決めユニットRによって位置決めされる位置から外れた位置である、右規制面12aよりも右方側(X1側)の位置に配置されているので、拭取った際に飛散するインクが記録媒体に付着することを抑制できる。
【0050】
また、記録ヘッドHがクリーニングブレード42に左方側(X2側)から接近する場合は、記録媒体への記録後である場合が多く、クリーニングブレード42によって吐出部Haを清掃する重要度が高い。記録ヘッドHがクリーニングブレード42に右方側(X1側)から接近する場合は、前回、吐出部Haの清掃を行った後、記録媒体への記録を行っていないため、クリーニングブレード42によって吐出部Haを清掃する重要度が低い。
【0051】
このように、ブレード昇降機構43は、吐出部Haを清掃する重要度が高い、記録ヘッドHがクリーニングブレード42を右方側(X1側)から左方側(X2側)に通過する場合にクリーニングブレード42を当接位置に保持する。これにより、クリーニングブレード42が吐出部Haに当接する頻度を低下させて、クリーニングブレード42及び吐出部Haが互いに当接する部分の劣化を抑制している。
【0052】
被覆部材移動手段としてのキャップ昇降機構46は、キャップ45を吐出部Haを被覆可能な図8(b)に示す被覆位置と、被覆位置から下方に退避して記録ヘッドHの移動を許容する図8(a)に示す非被覆位置と、の間で移動(昇降)させる。キャップ45は、後規制面12bよりも前方側(Y2側)で、且つクリーニングブレード42よりも右方側(X1側)に配置されている。また、キャップ45は、記録ヘッドHが後方位置かつ移動範囲の右方側(X1側)の端部(後述するホームポジション)に位置している状態の吐出部HaよりもX方向及びY方向に大きく形成されており、記録ヘッドHがホームポジションに位置している状態の吐出部Haを被覆可能となっている。キャップ45は、空気を吸引可能な吸引ユニット60に接続されている。
【0053】
吸引ユニット60は、モータPM(図8(c)参照)により作動するポンプ61と、ポンプ61とキャップ45とを接続するパイプ62と、を有している。キャップ45には、パイプ62に接続されて、上方に開口する吸引部としての吸引口47が形成されている。吸引口47は、記録ヘッドHが前方位置に位置したときの吐出部Haの後方側(Y1側)の端部に位置する吐出口Ha2(図4参照)よりも後方側(Y1側)に配置されている。吸引口47は、被覆位置に位置するキャップ45によって吐出部Haが被覆されている状態で吸引ユニット60が空気を負圧吸引することによって、吐出部Haに付着したインクを吸引し、吐出部Haを清掃する。
【0054】
吐出部Haは、クリーニングブレード42によってインクが拭取られた後、キャップ45によって被覆されてインクの乾燥が抑制されると共に、吸引ユニット60によってインクが吸引されてインクの固着による吐出部Haの吐出口の詰まりが抑制される。これにより、吐出部Haは、インクを吐出可能な良好な状態が維持される。上述したクリーニングブレード42及び吸引口47は、記録ヘッドHの吐出部Ha(吐出口)を清掃する清掃手段としての清掃部Cを構成する。
【0055】
[制御部]
図8(c)は、本実施形態のインクジェット記録装置100の制御構成を示すブロック図である。制御部50は、不図示のCPU、RAM、ROMを有している。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。制御部50は、各センサやスイッチ等からの入力信号に基づいて、各モータや記録ヘッドHを制御する。
【0056】
例えば、制御部50は、検知センサ16からの入力信号等に基づいて、記録媒体Pが位置決めユニットRに位置決めされた状態であることを検知すると、リフタ13を上昇させ、記録媒体Pをベースプレート12に押し付ける。また、例えば、制御部50は、記録媒体Pが位置決めユニットRに位置決めされた状態で、記録キャリッジユニット20のX方向への移動量に応じた信号を出力する位置検出器Eからの入力信号に基づき、移動ユニット30(モータM)の駆動及び記録ヘッドHからのインクの吐出を制御する。
【0057】
なお、本実施形態では、制御部50は、DCモータと、リニアエンコーダ33及び位置検出器Eによって記録キャリッジユニット20のX方向の位置を制御しているが、これに限定されない。制御部は、DCモータ及びロータリーエンコーダー、DCモータ及びX方向に複数配置された光学センサ、ステッピングモータ等によって記録キャリッジユニット20のX方向の位置を制御してもよい。また、制御部50は、詳しくは後述するように、ユーザが記録ヘッドHを交換するためのヘッド交換モードを実行可能である。
【0058】
[記録ヘッドのホームポジション及び交換ポジション]
次に、記録ヘッドHの待機位置としてのホームポジション、及び着脱位置としての交換ポジションについて、図1乃至図3及び図5を用いて説明する。記録ヘッドHが移動可能なX方向及びY方向の移動領域には、記録ヘッドHの位置として、ホームポジションと交換ポジションとが設けられている。記録ヘッドH(サブキャリッジ22)のホームポジションは、インクジェット記録装置100の電源がオン状態で、インクジェット記録装置100がスタンバイ状態であるときの待機位置であり、次の記録媒体への記録を待機し、記録媒体への記録を行う際に移動を開始する起点となる記録ヘッドH(サブキャリッジ22)の位置である。
【0059】
具体的には、記録ヘッドHのホームポジションは、図3に示すX方向及びY方向の記録ヘッドHの位置で、記録ヘッドHの移動領域において、右方側(X1側)の端部かつ後方位置に設けられている。上述したように、記録ヘッドHは、右方(X1方向)へ向けて移動する際、記録領域開口12cよりも右方側(X1側)の位置で後方(Y1方向)への移動を開始する。このため、ホームポジションでは、記録ヘッドHは、記録領域開口12cよりも右方側(X1側)に位置している。また、メインキャリッジ21のホームポジションは、記録ヘッドHがホームポジションに位置する位置である。言い換えると、記録領域は、メインキャリッジ21がホームポジションにあるときの複数の吐出口の位置と、メインキャリッジ21が交換ポジションにあるときの複数の吐出口の位置と、の間に位置する。また、言い換えると、メインキャリッジ21がホームポジション及び交換ポジションのいずれか一方にあるとき、記録ヘッドHの吐出口は、記録領域の外側に位置している。
【0060】
制御部50は、記録ヘッドHによる復路の記録を行って記録媒体への記録が終了した場合には、記録ヘッドHを後方位置に移動させるべく、記録ヘッドHを移動範囲の右方側(X1側)の端部に移動させるように移動ユニット30を制御する。本実施形態では、記録終了後、ホームポジションに移動させる。記録ヘッドHは、クリーニングブレード42に達すると、クリーニングブレード42で吐出部Haに付着したインクが拭取られる。記録ヘッドHは、吐出部Haのインクが拭取られた後、移動ユニット30によって更に右方(X1方向)へ移動して、ホームポジションに到達する。記録ヘッドHは、ホームポジションに到達すると移動を停止して、次の記録媒体への記録を待機する。吐出部Haは、記録ヘッドHがホームポジションに位置している状態で、キャップ45によって被覆され、吸引ユニット60によって吐出部Haのインクが吸引される。
【0061】
記録ヘッドH(サブキャリッジ22)の交換ポジションは、ユーザが記録ヘッドHを交換する際の記録ヘッドH(サブキャリッジ22)の位置である。具体的には、記録ヘッドHの交換ポジションは、図1及び図2に示す記録ヘッドHの位置であり、記録ヘッドHの移動領域において、X方向の左方側(X2側)の端部かつ前方位置(ホームポジションよりもY2側の位置)に設けられている。上述したように、記録ヘッドHは、左方(X2方向)に向けて移動する際、記録領域開口12cよりも左方側(X2側)の位置で前方(Y2方向)への移動を開始する。このため、交換ポジションでは、記録ヘッドHは、記録領域開口12cよりも左方側(X2側)に位置している。記録ヘッドHは、制御部50によって後述するヘッド交換モードが開始されると、モータMが駆動して左方(X2方向)及び前方(Y2方向)へ移動し、交換ポジションに到達する。記録ヘッドHは、ホームポジションに到達すると移動を停止する。
【0062】
ベースプレート12は、交換ポジションに位置している記録ヘッドHの下方に、切り欠き状に形成された非干渉部としての切り欠き部12dが形成されている。切り欠き部12dは、交換ポジションで記録ヘッドHの前端側を上下に移動させる着脱時に、記録ヘッドHとベースプレート12との接触を回避可能な範囲、かつ記録領域開口12c周辺のベースプレート12の強度を損なわない範囲で形成されている。例えば、切り欠き部12dは、切り欠き部12dよりも右方側(X1側)におけるベースプレート12の前方側(Y2側)の端縁12gよりも後方側(Y1側)にベースプレート12を切り欠いて、記録領域開口12cとは不連続となるように形成されている。
【0063】
また、例えば、切り欠き部12dは、交換ポジションの記録ヘッドHの前方側(Y2側)を、記録ヘッドHがサブキャリッジ22の後方規制部に突き当たっている状態のままで下方(Z2方向)に移動させた場合に、少なくとも吐出口の開口部がベースプレート12に接触しない範囲に切り欠かれている。なお、非干渉部は、切り欠き状であるものに限定されず、下方(Z2方向)に凹むように形成されていてもよい。
【0064】
このような本実施形態の場合、交換ポジションに位置している記録ヘッドHの下方(Z2方向)に切り欠き部12dが形成されているので、ユーザが記録ヘッドHを着脱する際、吐出口や吐出部Haがベースプレート12に接触して損傷することの防止を図ることができる。また、ユーザが記録ヘッドHを着脱する際、記録ヘッドHの下方側(Z2側)に指をかける空間ができるので、記録ヘッドHを着脱する際などのメンテナンスの際の作業性を向上させることができる。
【0065】
また、交換ポジションが所定の記録領域から外れた位置に設けられているので、ユーザが記録ヘッドHを着脱する際、記録領域近傍の下ガイドレール12eが変形することを抑制し、記録精度を良好に保つことができる。また、交換ポジションがクリーニングブレード42から離間した位置に設けられているので、記録ヘッドHを交換する際、クリーニングブレード42が拭取った際に飛散したインクがユーザの手に付着することを抑制することができる。
【0066】
[カバー体]
次に、カバー体3について、図1を用いて説明する。カバー体3は、ベース18に対して着脱可能に保持され、前壁3a、開口3b、及び開口3bを開閉可能な開閉扉9を有し、記録ヘッドHの移動領域の上方側(Z1側)、左方側(X2側)、右方側(X1側)、前方側(Y2側)及び後方側(Y1側)を覆うと共に、カバー体3の内部の各構成を覆って保護している。壁部としての前壁3aは、記録ヘッドHの移動領域及び清掃部Cが配置される空間T1(図7(a)参照)の前方側(Y2側)に配置され、空間T1と外部の空間T2とを前後方向(Y方向)に区画している。また、前壁3aは、記録媒体Pを支持する支持板11の前方側(Y2側)の端部よりも後方側(Y1側)に配置されている。言い換えれば、支持板11は、前壁3aよりも前方側(Y2側)に突出している。
【0067】
このような本実施形態の場合、ユーザが記録媒体Pの後方側(Y1側)を支持板11の前壁3aよりも突出した部分に載せた状態で挿入口Sに挿入することにより、記録媒体Pが支持板11によって案内されるので、記録媒体に記録を行う際の作業性を向上させることができる。
【0068】
また、このような本実施形態の場合、記録ヘッドHがY方向の後方位置に位置しているホームポジションで、吐出部Haのクリーニングブレード42による清掃及びキャップ45による被覆が行われるようにクリーニングユニット40が配置されている。これにより、クリーニングユニット40が前方位置に位置している記録ヘッドHの吐出部Haを清掃及び被覆するように配置されている場合と比較して、カバー体3の前壁3aを後方に配置できるので、クリーニングユニット40の周辺部において装置を小型化できる。
【0069】
また、これにより、カバー体3の前壁3aを後方に配置可能となるので、ユーザが手作業で挿入口Sに記録媒体を挿入する(差し込む)際にユーザの手が前壁3aに当接(干渉)しにくくなり、記録媒体へ記録を行う際の作業性を向上させることができる。
【0070】
なお、本実施形態において、支持板11は右規制面12aよりも左方側(X2側)、クリーニングユニット40は右規制面12aよりも右方側(X1側)に配置されているが、これに限定されない。クリーニングユニット40は、右規制面12aを挟んだ反対側に配置されていればよい。しかしながら、記録媒体を挿入口Sにセットする際、右利きのユーザを想定すると、支持板11は右規制面12aよりも左方側(X2側)、クリーニングユニット40は右規制面12aよりも右方側(X1側)に配置されることが望ましい。
【0071】
開口3bは、カバー体3の前方側(Y2側)かつ左方側(X2側)に形成されており、交換ポジションに位置する記録ヘッドHの前方側(Y2側)及び上方側(Z1側)を露出させる。開閉扉9は、ユーザの手動によって開口3bを開閉可能に設けられている。開閉扉9を開放している状態(開状態)では、交換ポジションに位置している記録ヘッドHの前方側(Y2側)及び上方側(Z1側)が露出して、ユーザが開口3bを介して記録ヘッドHを着脱可能となる。また、カバー体3には、開閉扉9の開状態と閉状態とを検出可能な開閉センサ8(図1参照)が設けられている。開閉センサ8は、開閉扉9の開閉状態に応じた信号を制御部50に出力する。
【0072】
このような本実施形態の場合、サブキャリッジ22が前方位置に位置している交換ポジションで、記録ヘッドHを着脱可能となっているので、作業者が記録ヘッドHにアクセスし易く、また記録ヘッドHの保持部を前方側(Y2側)から視認容易とすることが可能となり、記録ヘッドHを着脱する等のメンテナンスの際の作業性を向上させることができる。また、本実施形態のインクジェット記録装置100は、サブキャリッジ22が前方位置に位置している交換ポジションで、開口3bを介して記録ヘッドHを着脱可能となっているので、開口3bから記録ヘッドHまでのY方向の距離が小さく、記録ヘッドHを着脱する際の作業性を向上させることができる。特に、インクジェット記録装置100が開閉扉9を大きく開放できない構造である場合、作業性を向上させる効果が大きい。
【0073】
[ヘッド交換モード]
次に、所定の入力信号に基づいて制御部50が実行するヘッド交換モードについて、図1図3及び図9を用いて説明する。例えば、インクカートリッジ内のインクの残量が少なくなったこと、或いは、インクがなくなったことを示す信号が記録ヘッドHから制御部50に入力されると、制御部50は、ユーザにインクカートリッジのインクの残量が少ない旨或いはインクがなくなった旨の報知(記録ヘッド交換要求)を行う(S1)。例えば、装置の所定位置に設けられたランプを点灯する。そして、制御部50は、ユーザが記録ヘッドHを交換すべく例えば装置の記録ヘッド交換開始ボタンを操作したり、液晶パネルのアイコンに触れたりした場合(指示が入力された場合)には(S2)、記録ヘッドHを交換させるヘッド交換モードを開始する。
【0074】
なお、ユーザに記録ヘッドHの交換を要求する記録ヘッド交換要求は、例えば、装置に設けられた、或いは、装置に接続されたPCなどの液晶ディスプレイに表示してもよいし、スピーカによりエラーメッセージの音声やエラー音を発するようにしてもよい。また、制御部50は、例えば、記録ヘッドの合計使用時間が所定時間に達したことを示す信号、行った記録の量が所定量に達したことを示す信号、インクの残量以外の記録ヘッドの異常を示す信号等に応じて、記録ヘッド交換要求を出力させてもよい。
【0075】
記録ヘッド交換要求が出力されている状態でユーザによって記録ヘッド交換開始ボタン(不図示)が押下されると、即ち、記録ヘッドの取り外し動作の指示が入力されると(S2)、制御部50は、記録ヘッド交換開始ボタンからの入力信号等に基づいて、サブキャリッジ22を交換ポジションに移動させるべく、サブキャリッジ22を移動範囲のX方向左方側(X2側)の端部に移動させるように移動ユニット30を制御する(S3)。記録ヘッドHが交換ポジションに達した状態で、ユーザによって開閉扉9が開放され(S4)、記録ヘッドHが交換された後(S5)、開閉扉9が閉鎖される(S6)。
【0076】
制御部50は、開閉センサ8によって開閉扉9が開状態から開閉扉9が閉状態になったことを検知した場合に、サブキャリッジ22をホームポジションに移動させるべく、サブキャリッジ22を移動範囲の右方側(X1側)の端部に移動させるように移動ユニット30を制御する(S7)。
【0077】
このように、本実施形態の場合、制御部50がインクの残量が少なくなったことやインクがなくなったことなどに基づいてヘッド交換モードを実行し、記録ヘッドHを着脱し易い交換ポジションへ移動させる。このとき、開閉センサ8の検知結果ではなく、記録ヘッド交換開始ボタンの押下に基づいてサブキャリッジ22を交換ポジションに移動するので、ユーザの接触などで開閉扉が開状態となってしまった場合に、誤作動することが無い。そして、開閉扉9が開の状態から閉状態となったことに基づいて、サブキャリッジ22をホームポジションに移動させるので、ユーザによる記録ヘッドHの交換等、メンテナンスの際の作業性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0078】
8・・・開閉センサ/9・・・扉(開閉扉)/12b・・・規制部(後規制面)/21・・・メインキャリッジ/22・・・サブキャリッジ/100・・・インクジェット記録装置(記録装置)/H・・・記録ヘッド/P・・・記録媒体/X・・・第1の方向(左右方向)/Y・・・第2の方向(前後方向)
図1
図2
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図6
図7
図8
図9