特許第6968968号(P6968968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6968968情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6968968
(24)【登録日】2021年10月29日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20211111BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H04N1/00 838
   H04N1/00 350
   B41J29/38 201
   B41J29/38 801
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-187955(P2020-187955)
(22)【出願日】2020年11月11日
(62)【分割の表示】特願2018-136852(P2018-136852)の分割
【原出願日】2018年7月20日
(65)【公開番号】特開2021-29051(P2021-29051A)
(43)【公開日】2021年2月25日
【審査請求日】2020年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】岡山 典嗣
【審査官】 野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−199409(JP,A)
【文献】 特開2016−019051(JP,A)
【文献】 特開2015−130645(JP,A)
【文献】 特開2018−049501(JP,A)
【文献】 特開2006−295529(JP,A)
【文献】 特開2011−097402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブに関するログ情報を記憶する情報処理装置であって、
前記ログ情報の記憶モードとして少なくとも第1のモードと第2のモードをユーザの設定に基づいて選択する選択手段と、
ログインのためにユーザ識別情報を受け付ける受付手段と、
前記ログ情報の記憶モードとして前記第1のモードが前記選択手段によって選択された場合に、前記受付手段によって受け付けたユーザ識別情報と、前記ジョブの所定の設定についての情報を含む複数の項目の情報を含むログ情報を記憶し、
前記ログ情報の記憶モードとして前記第2のモードが前記選択手段によって選択された場合に、前記複数の項目の情報のうち、前記受付手段によって受け付けたユーザ識別情報を含まず、前記所定の設定についての情報を含むログ情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ識別情報は、ユーザ名であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ログ情報の記憶モードとして前記第2のモードが前記選択手段によって選択された場合に、前記受付手段によって受け付けたユーザ識別情報と前記所定の設定についての情報を含むログ情報を生成し、前記ログ情報から前記ユーザ識別情報を削除することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1のモードから前記第2のモードにモードが切り替えられた場合に、前記第1のモードから前記第2のモードに前記モードが切り替えられる前に保持されていた前記ログ情報に含まれる前記ユーザ識別情報を削除することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ジョブに関するログ情報を記憶する情報処理装置であって、
前記ログ情報の記憶モードとして少なくとも第1のモードと第2のモードをユーザの設定に基づいて選択する選択手段と、
前記ログ情報の記憶モードとして前記第1のモードが前記選択手段によって選択された場合に、ジョブによって処理されるファイルのファイル名と、前記ジョブの所定の設定についての情報を含む複数の項目の情報を含むログ情報を記憶し、
前記ログ情報の記憶モードとして前記第2のモードが前記選択手段によって選択された場合に、前記複数の項目の情報のうち、前記ファイル名を含まず、前記所定の設定についての情報を含むログ情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記ジョブはファクスジョブであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ジョブに関するログ情報を記憶する情報処理装置であって、
ログインのためにユーザ識別情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けたユーザ識別情報と、前記ジョブの所定の設定についての情報を含む複数の項目の情報を含むログ情報を記憶部に記憶する第1のモードと、
前記複数の項目の情報のうち、前記受付手段によって受け付けたユーザ識別情報を含まず、前記所定の設定についての情報を含むログ情報を前記記憶部に記憶する第2のモードとを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
ジョブに関するログ情報を記憶する情報処理方法であって、
前記ログ情報の記憶モードとして少なくとも第1のモードと第2のモードをユーザの設定に基づいて選択する選択工程と、
ログインのためにユーザ識別情報を受け付ける受付工程と、
前記ログ情報の記憶モードとして前記第1のモードが前記選択工程で選択された場合に、前記受付工程で受け付けたユーザ識別情報と、前記ジョブの所定の設定についての情報を含む複数の項目の情報を含むログ情報を記憶し、
前記ログ情報の記憶モードとして前記第2のモードが前記選択工程で選択された場合に、前記複数の項目の情報のうち、前記受付工程で受け付けたユーザ識別情報を含まず、前記所定の設定についての情報を含むログ情報を記憶する記憶工程を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
ジョブに関するログ情報を記憶する情報処理方法であって、
前記ログ情報の記憶モードとして少なくとも第1のモードと第2のモードをユーザの設定に基づいて選択する選択工程と、
前記ログ情報の記憶モードとして前記第1のモードが前記選択工程で選択された場合に、ジョブによって処理されるファイルのファイル名と、前記ジョブの所定の設定についての情報を含む複数の項目の情報を含むログ情報を記憶し、
前記ログ情報の記憶モードとして前記第2のモードが前記選択工程で選択された場合に、前記複数の項目の情報のうち、前記ファイル名を含まず、前記所定の設定についての情報を含むログ情報を記憶する記憶工程を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ジョブの実行履歴を記録する画像形成装置が知られている(特許文献1)。情報保護の観点から、ジョブ履歴を表示しない設定が可能な画像形成装置、及びジョブ履歴を外部に出力できないようにした画像形成装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−83682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、ジョブ履歴は画像形成装置の本体に記録されたままなので、ハードディスクを抜き取られたり、不正な手段でジョブ履歴を取得されたりするリスクがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報処理装置は、ジョブに関するログ情報を記憶する情報処理装置であって、前記ログ情報の記憶モードとして少なくとも第1のモードと第2のモードをユーザの設定に基づいて選択する選択手段と、ログインのためにユーザ識別情報を受け付ける受付手段と、前記ログ情報の記憶モードとして前記第1のモードが前記選択手段によって選択された場合に、前記受付手段によって受け付けたユーザ識別情報と、前記ジョブの所定の設定についての情報を含む複数の項目の情報を含むログ情報を記憶し、前記ログ情報の記憶モードとして前記第2のモードが前記選択手段によって選択された場合に、前記複数の項目の情報のうち、前記受付手段によって受け付けたユーザ識別情報を含まず、前記所定の設定についての情報を含むログ情報を記憶する記憶手段を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ログ情報の記憶モードとして第1のモードが選択された場合に、受け付けたユーザ識別情報と、ジョブの所定の設定についての情報を含む複数の項目の情報を含むログ情報を記憶し、ログ情報の記憶モードとして第2のモードが選択された場合に、複数の項目の情報のうち、受け付けたユーザ識別情報を含まず、所定の設定についての情報を含むログ情報を記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】複合機の外観の一例を示す図である。
図2】複合機のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】複合機のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図4】実施形態1の基本的な情報処理の一例を示すフローチャートである。
図5】実施形態1の設定の変更処理の一例を示すフローチャートである。
図6】実施形態2の基本的な情報処理の一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態2の設定の変更処理の一例を示すフローチャートである。
図8】実施形態3の基本的な情報処理の一例を示すフローチャートである。
図9】ログアウト処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0009】
<実施形態1>
実施形態1では、個人情報を残さないジョブ履歴の記録方法について述べる。
図1は、複合機100の外観の一例を示す図である。複合機100の上部はスキャナ120、下部はプリンタ110で構成されている。複合機100は、画像形成装置の一例である。
【0010】
図2は、複合機100のハードウェア構成の一例を示す図である。複合機100は、コントローラユニット200、操作部220、スキャナ120、プリンタ110を含んでいる。コントローラユニット200には、操作部220が接続されると共に、画像入力デバイスであるスキャナ120、及び画像出力デバイスであるプリンタ110が接続される。コントローラユニット200は、CPU(Central Processing Unit)202を有し、CPU202は、ROM206に格納されているブートプログラムによりOS(Operating System)を起動する。更にCPU202は、このOS上で、ROM206に格納されているアプリケーションプログラムを実行する。これによって後述する図3に示す複合機100のソフトウェア構成、及び後述する図4図9に示すフローチャートの処理が実行される。他の例としては、複合機100の機能又は処理の少なくとも一部は、例えば複数のCPU、RAM、ROM、及びHDDを協働させることにより実現してもよい。また、他の例としては、複合機100の機能又は処理の少なくとも一部は、ハードウェア回路を用いて実現してもよい。また、他の例としては、複合機100の機能又は処理は、複数の装置が協働して実現してもよい。
このCPU202の作業領域としてはRAM(Random Access Memory)203が用いられる。また、RAM203は、作業領域を提供すると共に、一時的にデータを記憶するためのキャッシュ領域を提供する。HDD(Hard Disk Drive)205は、複合機100にて実行された印刷ジョブの履歴、及びFAX通信履歴等の各種ログデータを格納する。CPU202には、システムバス210を介して、ROM206及びRAM203と共に、操作部I/F201、デバイスI/F204、Network I/F207、画像処理部208が接続される。
【0011】
操作部I/F201は、タッチパネルを有する操作部220とのインタフェースであり、操作部220に表示すべき画像データを操作部220に対して出力する。デバイスI/F204には、スキャナ120及びプリンタ110が接続される。デバイスI/F204は、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。Network I/F207は、ネットワーク230に接続され、ネットワーク230を介してネットワーク230上の各装置との間で情報の入出力を行う。画像処理部208では、スキャナからの入力画像処理、プリンタへの出力画像処理、画像回転、画像圧縮、解像度変換、色空間変換、階調変換等の処理を行う。MODEM/NCU209は、ファクシミリの送受信信号の変復調を行い、選択信号(ダイヤルパルス、又はトーンダイヤラ)を公衆回線網240に送出する機能を有し、呼び出し信号の検出によるファクス着信動作も行う。
【0012】
図3は、複合機100のソフトウェア構成の一例を示す図である。
UI制御モジュール340は、ユーザのログイン情報を受け付け、ユーザを識別し、複合機100に対するジョブを受け付ける。ジョブ制御モジュール330は、複合機100でのプリント、スキャン、FAX送信等、各種ジョブの制御を行う。
ログ管理モジュール300は、ジョブ制御モジュール330、UI制御モジュール340、レポート制御モジュール350からの要求に従ってジョブログ310及びジョブ設定履歴320を読み書きする。UI制御モジュール340は、ユーザからの指示を受けて、ジョブログ310、ジョブ設定履歴320を読み出して、操作部220に表示することができる。ジョブログ310及びジョブ設定履歴320は、HDD205に格納される。
ログ管理モジュールIF部301では、ログ管理モジュール300外からのジョブログ310及びジョブ設定履歴320の読み出し、書き込み要求を受け付ける。
またログ管理モジュールIF部301は、ジョブ制御モジュール330からジョブ終了時のイベントを受け付けたり、ユーザがログアウトしたときのイベントをUI制御モジュール340から受け付けたりすることもできる。
個人情報判定部302は、ジョブログ310、ジョブ設定履歴320で管理する複数のデータのうちどのデータが個人情報に当たるかを判定し、ジョブログ310、ジョブ設定履歴320に記録すべき対象のデータであるかを判断する。
ログデータアクセス部303は、実際にジョブログ310及びジョブ設定履歴320へのRW(Read−Write)処理を行い、個人情報判定部302の判断結果に従ったデータの書き込み制御を行う。
【0013】
図4は、実施形態1の複合機100でのジョブ実行の際に、ジョブログ310、ジョブ設定履歴320を記録する情報処理の一例を示すフローチャートである。
S401において、UI制御モジュール340は、操作部220を介してユーザからジョブ設定の変更を受け付ける。例えば、UI制御モジュール340は、操作部220を介して、コピージョブであれば印刷部数、FAX送信ジョブであれば送信宛先といった複合機100で実行するジョブ制御にかかわる設定の変更を受け付ける。また、UI制御モジュール340は、操作部220を介したユーザの指定操作に応じて、ジョブログに指定された項目の情報を残さないよう設定した設定情報をHDD205に記憶するようにしてもよい。この処理は、ジョブログに指定された項目の情報を残さないように設定する第1の設定の処理の一例である。指定された項目の情報とは、例えば、個人情報であり、ユーザは、画面を介して、複数の項目から情報を残したくない項目を指定することができる。
S402において、UI制御モジュール340は、ユーザからのジョブの開始の操作を受け付けたかを判定する。UI制御モジュール340は、ユーザからのジョブの開始の操作を受け付けたと判定した場合、S403に処理を進め、ユーザからのジョブの開始の操作を受け付けていないと判定した場合、S401の処理を繰り返す。
S403において、UI制御モジュール340は、S401で設定されたジョブ設定を、ログ管理モジュール300で管理するジョブ設定履歴320に保存する。
S404において、ジョブ制御モジュール330は、ジョブの実行を開始する。
S405において、ジョブ制御モジュール330は、ログ管理モジュール300で管理するジョブログ310に実行開始したジョブのログを生成する。
【0014】
S406において、ジョブ制御モジュール330は、ジョブが終了したかを判定する。ジョブ制御モジュール330は、ジョブが終了したと判定すると、S408に進み、ジョブが終了していないと判定すると、S407に進む。
S407において、ジョブ制御モジュール330は、ログ管理モジュール300で管理しているジョブログ310をジョブの実行状況に応じて更新する。
S408において、ジョブ制御モジュール330は、ジョブ終了処理を行う。
S409において、個人情報判定部302は、HDD205に保存されている設定情報に基づき、ジョブログ310に個人情報を記録しない設定かを判定する。個人情報判定部302は、ジョブログ310に個人情報を記録しない設定であると判定した場合、S410に進み、ジョブログ310に個人情報を記録する設定であると判定した場合、S411に進む。
S410において、ログデータアクセス部303は、ジョブのログのうち個人情報にあたるデータはジョブログ310に書き込まないようにする。また、ログデータアクセス部303は、S405、又はS407にて個人情報がジョブログ310に書き込まれていた場合はジョブログ310から個人情報を削除する。このようにして、個人情報に当たるデータを含まないジョブログを生成する。S410の処理は、ジョブログに指定された項目の情報を残さないように設定されていた場合、ジョブの終了後、ジョブログから指定された項目の情報を削除する制御を行う制御処理の一例である。
S411において、ログデータアクセス部303は、ジョブのログのうち個人情報にあたるデータも含めてジョブログ310に記録する。
【0015】
表1では、S411にて個人情報が記録された場合のジョブログ310の例としてプリントジョブの履歴を挙げている。
【表1】
表1では、個人情報であるユーザ名、及びファイル名を含めた情報がジョブログ310として記録されている。
【0016】
表2は、S410にて個人情報を記録しなかった場合のジョブログの310の例としてプリントジョブの履歴を挙げている。
【表2】
表2では、プリントジョブの履歴として、ユーザ名及びファイル名といった個人情報を除いた情報がジョブログ310として記録されている。
【0017】
個人情報として、プリントジョブにおけるユーザ名及びファイル名を挙げたが個人情報の識別につながる情報であれば、ユーザ名及びファイル名に限定せず個人情報の対象とすることができる。また表2では、ユーザ名及びファイル名が記録されていない状態を便宜上、"−"として表現しているが、ジョブログ310でのデータの持ち方としては元の情報が類推できない形式であればどのようなデータの形式でもよく、例えば空データでもよい。
【0018】
表3は、S405〜S407での実行中のジョブに関するジョブログ310のデータの例である。
【表3】
実行中のジョブに関しては、ユーザ名、ファイル名が記録されているため、実行中のジョブのステータスをユーザにおいて確認することが容易になっている。
【0019】
図5は、個人情報をジョブログ310に記録するか否かの設定の変更処理の一例を示すフローチャートである。
S501において、UI制御モジュール340は、操作部220を介してユーザから個人情報を記録するか否かの設定の変更操作を受け付ける。UI制御モジュール340は、変更操作に基づき、HDD205に保存されている設定情報を変更する。ここで、初期設定では、ジョブログのすべての項目の情報を残すように設定されているものとする。S501の処理は、ジョブログに指定された項目の情報を残さないように設定を変更する処理の一例である。
S502において、ログデータアクセス部303は、設定情報に基づき、ジョブログに個人情報を記録しないかを判定する。ログデータアクセス部303は、ジョブログに個人情報を記録しないと判定した場合、S503に進み、ジョブログに個人情報を記録すると判定した場合、図5に示すフローチャートの処理を終了する。
S503において、ログデータアクセス部303は、既に記録されているジョブログ310から個人情報にあたるデータを削除する。S503の処理は、ジョブログに指定された項目の情報を残さないように設定が変更された場合、ジョブログから指定された項目の情報を削除する制御を行う制御処理の一例である。例えば、ジョブログ310のデータが表1のような場合、S503でのデータ削除後はユーザ名、ファイル名が削除され表2のような状態になる。
【0020】
<実施形態2>
実施形態2では、個人情報を残さないジョブ設定の履歴に記録方法について述べる。
図1図2図3については実施形態1と同様であり実施形態2での説明は省略する。
図6は、実施形態2の複合機100でのジョブ実行の際に、ジョブログ310、ジョブ設定履歴320を記録する情報処理の一例を示すフローチャートである。
S601において、UI制御モジュール340は、操作部220を介してユーザからジョブ設定の変更を受け付ける。例えば、UI制御モジュール340は、操作部220を介して、コピージョブであれば印刷部数、FAX送信ジョブであれば送信宛先といった複合機100で実行するジョブ制御にかかわる設定の変更を受け付ける。また、UI制御モジュール340は、操作部220を介したユーザの指定操作に応じて、ジョブログに指定された項目の情報を残さないよう設定した設定情報をHDD205に記憶するようにしてもよい。また、UI制御モジュール340は、操作部220を介したユーザの指定操作に応じて、HDD205に記憶されている設定情報に、ジョブ設定履歴に指定された項目の情報を残さないように設定してもよい。この処理は、ジョブ設定履歴に指定された項目の情報を残さないように設定する第2の設定の処理の一例である。
S601のジョブ設定の変更受け付けでは、UI制御モジュール340は、過去のジョブ設定履歴320のデータを呼び出すことも可能で、ユーザが過去に実行したジョブと同様の設定にて再びジョブを実行したい場合の操作をサポートする。
【0021】
表4は、ジョブ設定履歴320の例である。
【表4】
例えばユーザがコピーを行う際に、UI制御モジュール340は、ジョブ設定履歴320のジョブ種コピーのジョブ設定履歴を呼び出して、操作部220に表示する。このことにより、"スキャンモード:両面スキャン、プリントモード:両面プリント、モノクロカラー:カラーモード、濃度:7"といった設定をユーザが繰り返し行う手間をなくすことができる。
【0022】
S602において、UI制御モジュール340は、ユーザからのジョブの開始の操作を受け付けたかを判定する。UI制御モジュール340は、ユーザからのジョブの開始の操作を受け付けたと判定した場合、S603に処理を進め、ユーザからのジョブの開始の操作を受け付けていないと判定した場合、S601の処理を繰り返す。
S603において、個人情報判定部302は、HDD205に保存されている設定情報に基づき、ジョブ設定履歴320に個人情報を記録しない設定かを判定する。UI制御モジュール340は、操作部220を介したユーザの設定操作に基づき、ジョブ設定履歴320に個人情報を記録するか否かの設定情報を、HDD205に保存しているものとする。個人情報判定部302は、ジョブ設定履歴320に個人情報を記録しない設定であると判定した場合、S605に進み、ジョブ設定履歴320に個人情報を記録する設定であると判定した場合、S604に進む。
S604において、ログデータアクセス部303は、個人情報にあたるデータを含めたジョブ設定の情報をジョブ設定履歴320に記録する。
表4は、個人情報を記録する場合のジョブ設定履歴320のデータを例として表にしたものであり、ジョブ種FAXでの宛先、及びジョブ種プリントでのファイル名といった個人情報が記録されている。
【0023】
S605において、ログデータアクセス部303は、ジョブ設定の情報から個人情報にあたるデータを削除した情報をジョブ設定履歴320に記録する。S605の処理は、ジョブ設定履歴に指定された項目の情報を残さないように設定されていた場合、ジョブ設定から指定された項目の情報を削除した情報をジョブ設定履歴に記録する制御を行う制御処理の一例である。
表5は、個人情報を記録しない場合のジョブ設定履歴320のデータを例として表にしたものである。
【表5】
ここでは、ジョブ種FAXでの送信宛先、及びジョブ種プリントでのファイル名は個人情報にあたる情報として、送信宛先、及びファイル名を削除したデータが記録されている。
【0024】
この実施形態では、FAXでの送信宛先、及びプリントでのファイル名を個人情報の例として挙げたが個人情報の識別につながる情報であれば、送信宛先、及びファイル名に限定せずに対象とすることができる。
S606以降の処理については実施形態1での図4のフローチャートのS404以降の処理と同じであるため説明を省略する。
【0025】
図7は、ジョブ設定履歴320に個人情報を記録するか否かの設定の変更処理の一例を示すフローチャートである。
S701において、UI制御モジュール340は、操作部220を介してユーザからジョブ設定履歴320に個人情報を記録するか否かの設定の変更操作を受け付ける。UI制御モジュール340は、変更操作に基づき、設定情報を変更する。ここで、初期設定では、ジョブ設定履歴にすべての項目の情報を残すように設定されているものとする。S701の処理は、ジョブ設定履歴に指定された項目の情報を残さないように設定を変更する処理の一例である。
S702において、ログデータアクセス部303は、設定情報に基づき、ジョブ設定履歴に個人情報を記録しないかを判定する。ログデータアクセス部303は、ジョブ設定履歴に個人情報を記録しないと判定した場合、S703に進み、ジョブ設定履歴に個人情報を記録すると判定した場合、図7に示すフローチャートの処理を終了する。
S703において、ログデータアクセス部303は、既に記録されているジョブ設定履歴320から個人情報にあたるデータを削除する。S703の処理は、ジョブ設定履歴に指定された項目の情報を残さないように設定が変更された場合、ジョブ設定履歴から指定された項目の情報を削除する制御を行う制御処理の一例である。例えば、ジョブ設定履歴320のデータが表4のような状態の場合、S703でのデータ削除後は宛先、ファイル名が削除され表5のような状態になる。
【0026】
<実施形態3>
実施形態3では、ログアウト時に個人情報を削除することで、ジョブ履歴に個人情報を残さないようする方法について述べる。
図1図2図3については実施形態1と同様であり実施形態3での説明は省略する。
実施形態3では、複合機100の使用者はユーザ管理されており、ジョブの実行は予めユーザがログインして行うものとする。
【0027】
図8は、実施形態3の複合機100でのジョブ実行の際に、ジョブログ310、ジョブ設定履歴320を記録する情報処理の一例を示すフローチャートである。
S801において、UI制御モジュール340は、操作部220を介してユーザからジョブ設定の変更を受け付ける。例えば、UI制御モジュール340は、操作部220を介して、コピージョブであれば印刷部数、FAX送信ジョブであれば送信宛先といった複合機100で実行するジョブ制御にかかわる設定の変更を受け付ける。また、UI制御モジュール340は、操作部220を介したユーザの指定操作に応じて、ジョブログに指定された項目の情報を残さないよう設定した設定情報をHDD205に記憶するようにしてもよい。この処理は、ジョブログに指定された項目の情報を残さないように設定する第1の設定の処理の一例である。
S802において、UI制御モジュール340は、ユーザからのジョブの開始の操作を受け付けたかを判定する。UI制御モジュール340は、ユーザからのジョブの開始の操作を受け付けたと判定した場合、S803に処理を進め、ユーザからのジョブの開始の操作を受け付けていないと判定した場合、S801の処理を繰り返す。
S803において、UI制御モジュール340は、S801で設定されたジョブ設定を、ログ管理モジュール300で管理するジョブ設定履歴320に保存する。
S804において、ジョブ制御モジュール330は、ジョブの実行を開始する。
S805において、ジョブ制御モジュール330は、ログ管理モジュール300で管理するジョブログ310に実行開始したジョブのログを生成する。
【0028】
S806において、ジョブ制御モジュール330は、ジョブが終了したかを判定する。ジョブ制御モジュール330は、ジョブが終了したと判定すると、S808に進み、ジョブが終了していないと判定すると、S807に進む。
S807において、ジョブ制御モジュール330は、ログ管理モジュール300で管理しているジョブログ310をジョブの実行状況に応じて更新する。
S808において、ジョブ制御モジュール330は、ジョブ終了処理を行う。
S809において、ログデータアクセス部303は、ジョブのログのうち個人情報にあたるデータも含めてジョブログ310に記録する。
【0029】
図9は、ログアウト時の情報処理の一例を示すフローチャートである。
S901において、UI制御モジュール340は、操作部220を介してユーザからログアウト操作を受けて、ログアウト処理を行う。
S902において、個人情報判定部302は、ジョブログ310、ジョブ設定履歴320について個人情報を記録しない設定かを判定する。個人情報を記録するか否かの設定は実施形態1及び実施形態2同様にユーザが登録可能で、設定情報はHDD205に格納されている。個人情報判定部302は、ジョブログ310、ジョブ設定履歴320について個人情報を記録しない設定であると判定すると、S903に進む。また、個人情報判定部302は、ジョブログ310、ジョブ設定履歴320について個人情報を記録する設定であると判定すると、図9に示すフローチャートの処理を終了する。
S903において、ログデータアクセス部303は、ジョブログ310、ジョブ設定履歴320から個人情報にあたるデータを削除する。S903の処理は、ジョブログに指定された項目の情報を残さないように設定されていた場合、ジョブの終了後、ジョブログから指定された項目の情報を削除する制御を行う処理の一例である。
表6は、S903での個人情報削除処理前のジョブログ310のデータの例であり、表7はS903での個人情報削除後のジョブログ310のデータの例である。
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
表6のデータでは、ユーザ名、宛先、送信ファイル名が記録されているため、ログイン中は、ユーザは自分が実行したジョブの履歴の確認が容易となる。表7のデータでは、表6のデータに対して、ユーザ名"Hiroshima"であるユーザが実行した通信ジョブの履歴から、ユーザ名、宛先、送信ファイル名の個人情報にあたる情報が削除されていることを示している。
【0033】
この実施形態では、ユーザ名、宛先、ファイル名を個人情報の例として挙げたが個人情報の識別につながる情報であれば、本件ではユーザ名、宛先、ファイル名に限定せずに個人情報の対象とすることができる。
またS802では、ジョブログ310とジョブ設定履歴320とに対して個人情報を削除する設定は、共通の設定であってもよいし、ジョブログ310及びジョブ設定履歴320それぞれに対して独立した設定であってもよい。
【0034】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0035】
以上、本発明の実施形態の一例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではない。
【0036】
以上、上述した各実施形態によれば、所定の項目のジョブ履歴を画像形成装置の本体に残さないようにすることができる。
【符号の説明】
【0037】
100 複合機
202 CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9