【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1、15、18及び23に記載した特徴によって解決される。有利な実施形態は従属請求項の対象である。
本発明の実施形態は、乗客を収容保持するための収容保持部分と、拘束装置であって、収容保持部分への乗客のアクセスを可能にする開放位置と、収容保持された乗客が収容保持部分内で拘束装置と協働することができる閉鎖位置との間で位置調節可能である拘束装置と、ロック状態で拘束装置を閉鎖位置に固定し、ロック解除状態で拘束装置を解放するロック可能な安全装置と、認識手段を有するチェックユニットであって、認識手段によって、安全装置がロック状態にあるかロック解除状態にあるかどうかを冗長的に及びフェールセーフ的に確認することができ、相応する状態信号を発生するチェックユニットと、を備える、娯楽用乗り物のための乗客収容保持装置に関する。
【0011】
「フェールセーフ的に」とは次のように理解される。状態信号は、安全装置がロック状態にあるかどうかについての情報だけでなく、チェックユニットが適切に機能しているかどうかについての情報も含んでいる。認識手段が冗長的に形成されているので、認識手段の誤動作は、安全装置の実際の状態を示す状態信号をもたらさない。さらに、チェックユニットは、1個又はすべての認識手段の故障又は誤動作が認識されるように形成されている。チェックユニットは少なくとも認識手段に関して自己検査を行う。そのために、チェックユニットは例えば、少なくとも2つの認識手段を直列に接続配置した検査回路を備えている。検査回路は抵抗測定を行う。1個又はすべての認識手段が不正確に作動すると、抵抗が変化する。
【0012】
チェックユニットが正確に作動しているか否かの情報は同様に、状態信号に含まれている。従って、認識手段が適切に機能していないときには、それだけでも娯楽用乗り物の運転を中断することができる。これによって、安全装置の状態を確実に確認することなしに、娯楽用乗り物を運転することが防止される。これにより、娯楽用乗り物の運転安全性が高められる。
【0013】
他の実施形態によれば、チェックユニットは操作検出手段を備え、この操作検出手段によって、安全装置がロック状態にあるか又はロック解除状態にあるかを、操作に対して安全に確認することができる。この場合、チェックユニットは相応する状態信号を発生する。
【0014】
娯楽用乗り物の運転は特に、チェックユニット及び/又は安全装置が不正操作をできないように設計されているため安全である。操作に対して安全な設計は例えば、権限のある人、特に娯楽用乗り物の管理者だけが安全装置をロック状態にすることができるようにすることによって実現可能である。そのために、操作検出手段は近接センサを備えることができる。娯楽用乗り物の管理者がこの近接センサを持っているので、管理者が安全装置のすぐ近くにとどまるときにのみ、安全装置をロック状態にすることができる。
【0015】
さらに、安全装置は、一度ロック状態になると直ちにロック状態を固定保持し、走行の終了後再び変更できるように形成可能である。特に、古い娯楽用乗り物の場合には、走行中に安全装置を再びロック解除状態にすることができる。最新の娯楽用乗り物の場合にも、ロックされた状態が走行開始直前から走行終了まで維持されるので、乗り込んだ乗客はそのときまで、安全装置を再びロック解除状態にし、運転の開始を遅らせることができる。
【0016】
安全装置がロック状態にあるかロック解除状態にあるかを、操作に対して安全に確認することができることによって、運転の開始が確実になり、予定どおりになる。チェックユニットが状態信号を発生することにより、安全装置がロック状態にあるか又はロック解除状態にあるかを直ちに確認することができる。娯楽用乗り物の管理者は直ちに介入し、結果として生じる運転の開始遅延を少なくすることができる。
【0017】
他の実施形態に応じて、安全装置は乗客収容保持装置又は拘束装置に固定された保持要素と、この保持要素と相対的に動くことができる相手方要素を備え、この相手方要素は安全装置のロック状態で保持要素によって定置保持され、操作検出手段は少なくとも相手方要素上に配置された、チェックユニットによって読み取ることができる識別手段を備えている。保持要素は乗客収容保持装置又は拘束装置に対して動かないように固定されている。これに対して、相手方要素は保持要素と相対的に動くことができる。例えば、保持要素は突起として形成可能であり、相手方要素は錠の落とし穴のように形成可能であり、またその逆に形成することもできる。それによって、ロック状態ではかみ合い連結が生じる。代わりに、磁力を発生してもよい。この磁力によって、相手方要素は保持要素によって保持される。
【0018】
識別手段によって、予定の相手方要素だけが保持要素と協働することを一義的に確認することができる。識別手段は例えば相手方要素に取付けられたバーコード、トランスポンダ又はRFIDチップとして形成可能である。人の目には見えないように、識別手段を相手方要素に取付けることが望ましい。これにより、識別手段の意図的な破壊を防止することができる。よって、操作が防止される。
【0019】
発展実施形態では、安全装置が操作可能な安全スイッチを備え、この安全スイッチは拘束装置を固定及び解放するために、保持要素と協働する。安全スイッチの使用は特に、制御回路内に組み込み可能であり、それによって遠隔制御可能であるという利点がある。さらに、安全スイッチが識別ラベルを備えることができるので、状態信号を所定のチェックユニットに一義的に割り当てることができる。それによって、娯楽用乗り物の管理者は、どの安全装置がロック状態にあるか否かの情報を受け取る。管理者が介入しなければならない場合には、管理者はどの乗客収容装置が該当するのかを知っているので、長時間かかる捜索が省略される。
【0020】
発展形態では、保持要素が安全スイッチによって形成可能である。これにより、簡単に組立て可能なコンパクトなモジュールが生じる。さらに、部品の数が少なくなる。よって、エラーの生じる可能性が小さくなる。
【0021】
他の実施形態は、安全装置がロック状態にあるかどうかを、PLeレベル又はSIL3レベルで確認できるように、チェックユニットと特に安全スイッチが形成されていることを特徴とする。PLとはいわゆるパフォーマンスレベルであると理解される。このパフォーマンスレベルは規格EN13849に定義されている。パフォーマンスレベルは安全機能の信頼性の程度である。この場合、レベルaは最も低い段階を示し、レベルeは最も高い段階を示す。SILは安全保全レベルを示し、同様に安全機能の信頼性を表す。レベルPLeとSIL3レベルは、リスク低減に対する大きな寄与を保証する。これに相応して、娯楽用乗り物の運転の安全性が高い。
【0022】
他の実施形態では、チェックユニットと安全装置の定置された構成要素が1つの構造ユニットにまとめられている。基本的には、安全装置とチェックユニットの機能は、空間的に分離して配置可能である異なる下位単位に分配可能である。その場合、用語「安全装置」と「チェックユニット」は、構造的に関連するユニットでなければならないと解釈すべきではない。例えば光学的に又は誘導的に動作可能な認識手段を、分析要素に対して空間的に分離して配置することができる。この分析要素は認識手段の信号を分析し、状態信号を発生する。さらに、娯楽用乗り物の管理者への状態信号の伝達は、他のユニットが引き受けることができる。
【0023】
しかし特に、チェックユニットと安全装置の定置された構成要素を安全スイッチ内でまとめることができる。定置された構成要素とは、場所を固定して乗客収容保持装置内に設置されているか又は乗客収容保持装置内で正確に定められた位置の間の所定の軌道に沿って動く構成要素であると理解される。例えば、相手方要素は定置された構成要素を形成しない。これは、相手方要素が、その軌道を設定することなしに、保持要素と相対的に動くことができるためである。保持要素は乗客収容装置内で正確に定めることができる2つの位置の間の設定された軌道に沿って移動することができ、従ってその可動性にもかかわらず定置された構成要素を形成する。
【0024】
安全装置とチェックユニットの定置された構成要素を1つの構造ユニットにまとめることは、特に組立ての際に有利である。これは、チェックユニットと安全装置のいろいろな構成要素の配線が省略されるか又は少なくとも大幅に簡単化されるためである。さらに、ロジスティクスと在庫管理が簡単になる。これは、1つの構造ユニットだけを在庫すればよく、多数の個々の構成要素を在庫する必要がないためである。
【0025】
安全装置の定置されたすべての構成要素とチェックユニット、ひいてはその機能が、1つの構造ユニットにまとめられるときにも、個々のケースで、構造ユニットの外に配置された1つ又は複数の要素によって1つ又は複数の機能を実施することが有利な場合がある。その際、構造ユニットの外に配置された要素によって実施される機能の種類と数は自由に選択可能である。
【0026】
他の実施形態の場合には、相手方要素が自己開放するように保持要素と協働する。自己開放するように協働するとは、安全装置がロック解除状態にセットされるときに、相手方要素が解放されるだけでなく、保持要素から離れるように移動させられることであると理解される。これは例えば、相手方要素を保持要素の方へ動かす際に、相手方要素と協働するばねが圧縮されることによって達成される。圧縮されたばねはロック状態で保持要素によって圧縮保持され、ロック解除状態で解放される。解放時に、ばねは相手方要素を保持要素から離れるように動かす。これによって、乗客は安全装置がロック解除されたことのリターン情報を受け取る。乗客自身はこれに関して何ら行う必要はない。さらに、乗客が気づかずに既に行われたロック解除を待つことが防止される。これによって、乗客は、ロック解除が行われた直後、乗客収容保持装置から離れることができる。よって、娯楽用乗り物の稼働率が高まる。
【0027】
他の実施形態に応じて、相手方要素はベルト舌片として形成され、このベルト舌片は拘束装置又は乗客収容保持装置に連結されたベルトに固定されている。ベルト舌片と引張り力伝達手段としてのベルトを備えたベルトシステムは、低コストで調達することができ、動作に信頼性があり、そして簡単に操作及び交換することができる。
【0028】
他の実施形態は、ベルトがベルト長さ調節装置を備えていることを特徴とする。ベルト長さ調節装置によって、乗客及び/又は管理者はベルト有効長さを体の寸法に合わせることができる。従って、乗客は一方では快適に、他方では確実に乗客収容保持装置内に収容保持される。
【0029】
他の実施形態は、ベルトがその自由端に、掴み部分、特にベルトループを形成していることを特徴とする。掴み部分、特にベルトループは、ベルトの掴みと特にベルト長さの調節を容易にする。ベルトループの代わりに、掴み部分を形成するために、良好に掴むことができる、ボールのような物体を、ベルトに嵌め込むことができる。
【0030】
他の実施形態では、ベルトの自由端は負荷解除要素に連結可能である。固定保持ユニットは、運転中に拘束装置に作用する力の大部分を受け止めるように設計される。負荷解除要素により、運転中ベルトは著しく低下した負荷下でのみ運転され、それによってベルトの摩耗が低減され、まれにしか交換しなくてよい。負荷解除要素自体は乗客収容保持装置に又は車両の適当な個所に固定することができる。
【0031】
他の実施形態の場合には、乗客収容保持装置が固定保持ユニットを備え、この固定保持ユニットによって、拘束装置を少なくとも閉鎖位置に固定保持可能である。この場合、拘束装置が分離された2つのシステムによって閉鎖位置に保持されるので、固定保持ユニットが故障した場合に冗長性が達成される。そして、拘束装置は安全装置によって閉鎖位置に保持される。
【0032】
発展した実施形態では、乗客収容保持装置が検査ユニットを備え、この検査ユニットによって、固定保持ユニットの機能性が確認可能であり、検査ユニットが相応する機能性信号を発生する。固定保持ユニットは例えば液圧又は空気圧で動作可能である。検査ユニットによって、固定保持ユニットが適切に機能しているかどうかを検出することができる。機能していない場合には、検査ユニットが相応する機能性信号を発生するので、特に娯楽用乗り物の管理者は適切な対策を講じることができる。固定保持ユニットの機能性は検査ユニットなしでも検査可能であり、例えば拘束装置の手動の及び/又は視覚的な点検によって検査可能である。この点検は娯楽用乗り物の管理者によって行われる。
【0033】
本発明の他の実施形態は、上記の実施形態のいずれか一つに記載した少なくとも1つの乗客収容保持装置を備えた娯楽用乗り物のための車両に関する。
提案した車両によって達成可能な技術的な効果及び利点は、乗客収容保持装置について説明したものと一致している。要約すると、乗客による安全装置の操作が困難であるか又は不可能であるので、車両の運転時に安全性が高められ、乗客によって引き起こされる遅延が少なくなる。
【0034】
他の実施形態では、車両が、少なくとも2個の乗客収容保持装置と、チェックユニットと通信を行う通信システムとを備え、この通信システムによって、チェックユニットの状態信号を当該の乗客収容保持装置に一義的に割り当てることができる。チェックユニットは通信システムによって読み取ることができる識別ラベルを備えている。この識別ラベルは、チェックユニットによってチェックされる乗客収容保持装置に対するチェックユニットの割り当てを可能にする。それによって、娯楽用乗り物の管理者は、どの安全装置がロック状態であり、どの安全装置がロック状態ではないかの情報を得る。管理者の介入が必要である場合には、長時間かかる捜索が省略される。これによって、運転開始の遅延が少なくなる。
【0035】
他の実施形態では、検査ユニットの機能性信号が当該の乗客収容保持装置に割り当て可能であるように、通信システムが検査ユニットと通信を行う。上述のように、検出ユニットを用いて、固定保持ユニットが適切に機能しているかどうかを検出することができる。適切に機能していない場合には、検査ユニットが相応する機能性信号を発生するので、特に娯楽用乗り物の管理者は適切な対策を講じることができる。検査ユニットも、通信システムによって読み取ることができる識別ラベルを備えている。この識別ラベルは、検査ユニットによって検査される乗客収容保持装置に対する検査ユニットの割り当てを可能にする。管理者の介入が必要である場合には、長時間かかる捜索が省略される。これによって、運転開始の遅延が少なくなる。
【0036】
本発明の実施形態は、上記実施形態のいずれか一つに記載した車両を運転するための方法に関し、この方法は、
拘束装置を閉鎖位置に動かすステップと、
ロック状態にセットされる安全装置を用いて、拘束装置を閉鎖位置に固定するステップと、
安全装置がロック状態にあるかどうかを認識手段を用いて及び相応する状態信号の発生をチェックユニットを用いて、冗長的及びフェールセーフ的に確認するステップと、を有する。
【0037】
提案した方法によって達成可能な技術的な効果及び利点は、乗客収容保持装置について説明したものと一致している。強調したい点は、認識手段の機能性に関する情報を適切に表すことと、冗長的に設計された認識手段の一つが故障した場合に、対応する指示を状態信号によって得ることが、提案した方法によって可能であり、それによって対策を直ちに又は間もなく講じることができることである。
【0038】
発展実施形態では、方法は、
安全装置がロック状態にあるかどうか及び相応する状態信号の発生を、操作検出手段を用いて、操作に対して安全に確認するステップを有する。
【0039】
当該の車両は、安全性を高めて及び乗客によって引き起こされる遅延を減らすことによって運転可能である。これは、乗客による安全装置の操作が困難又は不可能になるためである。
【0040】
他の実施形態では、方法は、
検査ユニットを用いて、固定保持ユニットの機能性を検査し、相応する機能性信号を発生するステップを有する。
【0041】
この実施形態では、固定保持ユニットが適切に機能するかどうかを確認することができる。機能性信号に基づいて、娯楽用乗り物の管理者は固定保持ユニットの状態に関する実際の情報を有する。
【0042】
固定保持ユニットが適切に機能しないときには、直ちに対策を講じることができ、それによって運転安全性が高まる。
発展実施形態では、方法は、
通信システムを用いて機能性信号を当該の乗客収容保持装置に割り当てるステップと、
当該の乗客収容保持装置の固定保持ユニットの機能性が与えられていない場合に、拘束装置を閉鎖位置に固定することによって、当該の乗客収容保持装置を封鎖するステップと、を有する。
【0043】
通信システムを介して、固定保持ユニットが適切に機能していない乗客収容保持装置を直ちに識別することができる。この場合、当該の乗客収容保持装置が封鎖されるので、これ以上この乗客収容保持装置を乗客が使用することができない。これは、拘束装置がロープによって、乗客収容保持装置の収容保持部分へのアクセスを遮断する位置にもたらされることによって行われる。これにより、固定保持ユニットが適切に機能しないにもかかわらず当該の乗客収容保持装置が使用されることが防止される。固定保持ユニットが適切に機能する残りの乗客収容保持装置はさらに使用可能である。
【0044】
公知の娯楽用乗り物の場合には、車両の一列の乗客収容保持装置のすべての安全弓形部材が、同じ液圧回路によって操作される。通常は、少なくとも4個の乗客収容保持装置が一列に配置されている。1個の乗客収容保持装置において固定保持ユニットが適切に機能しないときには、全列の乗客収容保持装置を停止しなければならない。それによって、娯楽用乗り物の収容力が非常に小さくなる。
【0045】
提案によれば、実際に該当する乗客収容保持装置だけが停止させられる。適切に機能しない乗客収容保持装置は運転終了後修理されるか又は交換される。これによって、娯楽用乗り物の収容力は、絶対的に必要な程度しか制限されない。
【0046】
発展実施形態において方法は、
安全装置をロックすることによって、拘束装置を閉鎖位置に固定するステップを有する。
【0047】
安全装置がいずれにしても設けられているので、固定保持ユニットが適切に機能しない場合には、拘束装置を閉鎖位置に固定するため及び乗客が当該の乗客収容保持装置にアクセスすることを防止するために、安全装置を利用することができる。拘束装置を閉鎖位置に固定するための付加的な手段は不要になる。これによってさらに、故障した固定保持ユニットを有する乗客収容保持装置が実際に封鎖されているかどうかのチェックを行うことができる。通信システムは固定保持ユニットの機能性に関する情報と、安全装置の状態に関する情報を提供する。固定保持ユニットが適切に機能しない場合には、同じ乗客収容保持装置の安全装置がロック状態にあるときにのみ、走行を開始することができる。ロックされた状態は運転終了まで解消されない。
【0048】
発展実施形態において方法は、
安全装置と特に安全スイッチをロック解除するステップと、
相手方要素が保持要素に接触しなくなるまで、拘束装置と特に安全弓形部材を閉鎖位置から徐々に動かすステップと、
相手方要素が保持要素に接触しなくなったときに、拘束装置と特に安全弓形部材を開放位置に動かすステップと、を有する。
【0049】
上述のように、相手方要素は保持要素と自己開放するように協働する。そのために、相手方要素を安全装置内に入れる際に、例えばばねが圧縮される。ばねは応力除去時に負荷解除され、相手方要素を保持要素から離れるように押す。この解決策の場合しかし、相手方要素がコントロールされずに安全装置から飛び出し、車両のパネル部品又は娯楽用乗り物の乗客又は管理者に当たることがある。これを防止するために、この実施形態での方法は、先ず最初に安全装置がロック解除され、続いて相手方要素が、保持要素と接触しなくなるまで、安全弓形部材によって安全装置から外に徐々に引っ張られる。そのために、安全弓形部材は閉鎖位置から開放位置の方へ移動する。この場合、相手方要素はゆっくりとコントロールされて移動する。相手方要素が保持要素から十分に離れているときは、安全弓形部材は開放位置ヘ移動可能である。相手方要素が保持要素から十分に離れているという情報は、安全弓形部材の位置を介して或いは操作検出手段を介して発生可能である。例えば安全スイッチがRFIDチップをこれ以上認識できないときは、これは、安全弓形部材が開放位置に移動可能であるという情報として評価される。
【0050】
必要な場合、相手方要素が完全に安全装置から外に引っ張られているときに、安全弓形部材を所定の時間停止することができる。それによって、例えば相手方要素の振り子運動を減衰することができ、この振り子運動は開放位置への安全弓形部材の移動によって増幅されない。
【0051】
本発明は、前述の実施形態のいずれか一つに記載の車両を備えた娯楽用乗り物に関する。この場合、車両は上述の実施形態のいずれか一つに記載の方法によって運転可能である。
【0052】
提案に係る娯楽用乗り物によって達成可能な効果と利点は、本乗客収容保持装置、提案に係る娯楽用乗り物及び本方法について説明したものに一致する。要約すると、車両は安全性が高められ、乗客によって引き起こされる遅延が少ない。これは、乗客による安全装置の操作が困難であるか又は不可能であるためである。
【0053】
次に、添付の図を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。