特許第6969040号(P6969040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969040
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】授業改善のためのネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20211111BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20211111BHJP
   G09B 5/10 20060101ALI20211111BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20211111BHJP
   G10L 15/22 20060101ALI20211111BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   G06Q50/20
   G09B19/00 G
   G09B5/10
   G10L15/00 200A
   G10L15/22 460Z
   G10L15/00 200U
   G06F3/16 650
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-241352(P2017-241352)
(22)【出願日】2017年12月18日
(65)【公開番号】特開2019-109643(P2019-109643A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2020年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】521401287
【氏名又は名称】一般社団法人 教育環境デザイン研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100107571
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】白水 始
(72)【発明者】
【氏名】小原 聡
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 萌木
(72)【発明者】
【氏名】飯窪 真也
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−513840(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/038794(WO,A1)
【文献】 特開2011−100355(JP,A)
【文献】 奥原 俊,グループ学習における議論内容把握システムを用いた発話内容の評価に関する研究,コンピュータ&エデュケーション,2017年06月01日,Vol.42,pp.37-42
【文献】 大信田 侑里,発話情報を用いたグループ学習における貢献度推定手法の評価,第78回全国大会講演論文集,情報処理学会,2016年03月10日,pp.651-652
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G09B 19/00
G09B 5/10
G10L 15/00
G10L 15/22
G06F 3/16
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの主題に関して複数の参加者の一又は二以上のグループにより行われ、複数回繰り返される討論において、参加者の理解レベルを推定するためのネットワークシステムであって、
各参加者の発話を発話者を特定可能に入力しうる音声入力装置と、
前記発話を音声認識して発話時刻と結びつけて発話ごとにテキスト化し、さらに形態素解析により前記テキストに含まれる各語の品詞を特定する解析装置と、
前記テキストに前記発話時刻と前記発話者の個人IDと各語の品詞とを結びつけて格納するテキスト記憶装置と、
前記理解レベルを推定する指標となりうる評価指標語を格納する指標語記憶装置と、
前記評価指標語以外の候補語を前記テキストから特定しうるあらかじめ定められた規則を格納した規則記憶装置と、
前記複数の参加者を前記個人IDを付して登録する手段と、前記グループが複数の場合に、各参加者がいずれのグループに属するかをグループIDを結びつけて登録する手段と、
前記テキストを前記発話時刻に従って表示する手段と、前記テキスト中に存在する前記評価指標語をハイライト表示する手段と、前記規則に従って前記テキスト中の前記候補語を特定する手段と、前記特定された候補語を前記評価指標語から識別可能にハイライト表示する手段と、表示された前記テキストから特定の語を選択しうる選択入力手段とを備えた複数の端末装置とを備え、
前記テキスト記憶装置と前記指標語記憶装置と前記規則記憶装置は、ネットワークにより前記複数の端末装置に通信可能に接続されており、
かつ前記端末装置のいずれか一に選択入力がなされた場合に、選択された語を新たな評価指標語として前記の指標語記憶装置に格納することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
さらに、前記主題に対しあらかじめ作成された討論計画を格納する主題・討論計画記憶装置を備え、かつ前記評価指標語は、前記討論計画から特定された語を含むことを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
さらに、前記指標語記憶装置は、前記評価指標語ごとにハイライト表示された回数を格納しており、前記端末装置は、前記指標語がハイライト表示された回数と前記選択された語が表示された回数とを前記指標語記憶装置に送信し、前記指標語記憶装置は、受信した前記回数を前記評価指標語ごと及び前記選択された語ごとに蓄積することを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記規則は、前記テキストにおいて前記評価指標語以外の語ごとに優先度を設定し、前記優先度の高い語の上位から一定数を前記候補語とするものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のネットワークシステム。
【請求項5】
さらに、前記規則は、いずれか一の前記グループにおいて、単位時間あたりに多数の参加者が交互に発話している交互発話時間帯に含まれる語の優先度を上げるものであることを特徴とする請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記の解析装置における音声認識精度が低下した時間帯を、前記の交互発話時間帯とすることを特徴とする請求項5に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
さらに、前記規則は、前記交互発話時間帯に続く時間帯であって単位時間あたりに一人の参加者だけが発話している独話時間帯に含まれる語の優先度を上げるものであることを特徴とする請求項5又は6に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記の品詞の特定は、前記主題に依存する内容語と前記主題に依存しない機能語とに区別されており、前記内容語は、名詞、動詞、形容詞、その他に区別されており、さらに、前記規則は、前記テキスト中の語の品詞が、名詞、動詞、形容詞のいずれかである場合に、当該語の優先度を上げるものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のネットワークシステム。
【請求項9】
さらに、前記規則は、複数の参加者の各々が複数回発話した前記内容語の優先度を上げ、一人の参加者だけが発話した前記内容語の優先度は下げることを特徴とする請求項8に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
さらに、前記規則は、複数の前記グループの各々において、複数の参加者が複数回発話した前記内容語の優先度を上げることを特徴とする請求項8又は9に記載のネットワークシステム。
【請求項11】
さらに、前記規則は、前記テキスト中の前記評価指標語の前後一定のあらかじめ定めた語数内にある前記内容語の優先度を上げることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のネットワークシステム。
【請求項12】
さらに、前記規則は、前記テキスト中に出現する前記内容語ごとの出現回数を計測し、出現回数が多い内容語の上位から一定数の語の優先度を上げるものであることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載のネットワークシステム。
【請求項13】
前記の指標語記憶装置は、前記評価指標語として、前記主題ごとに内容語を格納し、前記主題によらずに機能語を格納するものであることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載のネットワークシステム。
【請求項14】
前記端末装置は、前記評価指標語のうち、いずれか一の主題に対応する前記内容語ごとに、当該一の主題に関する前記テキスト中に当該内容語が出現しなかったことを特定する不出現語特定手段をさらに備え、前記指標語記憶装置は、前記テキストが生成されるごとに、前記内容語ごとに、当該内容語が出現しなかった回数を累積して格納することを特徴とする請求項13に記載のネットワークシステム。
【請求項15】
前記複数の音声入力装置と前記解析装置とが、ネットワークで通信可能に接続されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、協調学習のごとく一定の主題に関して複数の参加者の討論により結論を導こうとする場合において、各参加者の理解レベルを討論ごとに把握でき、さらにはその把握の精度を改善できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の爆発的な普及により、誰もがリアルタイムに繋がり、情報を共有し、各自の特性データがビッグデータ解析に利用されるなど、新たな社会インフラが創出されている。AI(人工知能)が新たな役割を担うであろう10年後には、今ある職業の過半がAIに置き換わり、無くなっていると言われる。過去の経験則が役に立たない一方で、早い判断を迫られる中、異文化を超えたリーダシップを企業又は社会が求めるに応じて、初・中・高等教育や企業研修においても、今までの座学からは得られない多様で発展的な学び、すなわち21世紀型スキルや社会人基礎力等を獲得する一つの方策として、アクティブラーニングと総称される学習方法が知られている。
【0003】
中でも、「一人一人のわかり方の多様性」を重視する学習方法は、協調学習又は協働学習と呼ばれており、特に故三宅ほなみ氏を中心に考案された協調学習の発展型である知識構成型ジグソー法が注目されている。この方法は、複数の学習者に対しあらかじめ一つの設問を設定し、その解に関連する複数の要素知識を個別に与えて学習者間に活発な討論を生ぜしめることで、学習効果を高めるようとするものである(例えば、非特許文献1−3参照)。
【0004】
そこで、協調学習を担う教育現場においては、グループでの学習について対話が活発に行われたか否かという感覚的で曖昧な評価ではなく、学習者一人一人が学習で身につけた多様で異なる知識や理解が、それぞれにどの程度に質の高いものでありまた発展的であるかを如何にして評価するか?という課題が生まれてきた。
【0005】
ここにいう「質の高い」知識や理解とは、人知の到達点としての科学的な原理原則により近い知識や理解であることを意味し、「発展的だ」とは、学習者一人ひとりが学習後に自分なりに学び続ける基盤が形成されていることを意味する。この両者を結び付けるのが、個々人の知識や理解の内実とその表現が学習者ごとに異なっているという多様性である。なぜなら、それらが全て同じであれば、学習者間の相互作用が一点に収束して学習が発展しないからである。現在の教育現場の最大の課題の一つは、原理原則への類似度という一つの尺度で評価可能である知識・理解の「質の高さ」と、個人ごとに異なるために本来的に多様であって一つの尺度では評価できない「発展性」とを、共に評価すべき点であると言える。
【0006】
しかしながら、学習者の理解の程度を的確に把握することは、新人教師はもとより学習者の反応を熟知している経験豊富な教師にとってもはなはだ困難な仕事であり、従来は、理解レベルを測定するテストを事後的に用いたり、討論中や授業中における学習者の反応を見聞きして直感的に判断したりするしかないのが実情であった。特に、多数の学習者が複数のグループに分かれて討論を行う場合には、それぞれのグループでどのような討論が行われているかを把握することは、どのような教師にとってもほとんど不可能であり、討論後のグループごとの発表によりその最終結果だけを知るに留まるのが実情である。
【0007】
ここで、集団で行う討論において、その集団の状態をコンピュータシステム等を用いて把握しようとする提案が各種開示されている。例えば、互いに情報を提供し合うようなグループにおける参加者の貢献度を、参加者が提供した情報の重要性を考慮して推定するために、参加者の貢献の度合いに係わる語としてあらかじめ又は頻度等により決定等された重要語を用い、重要語の出現した位置の順番又は時点の早さの情報から参加者の貢献度を決定しようとする発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、適切な重要語の決定がはなはだ困難であり、重要語として決定されてもその語が本当に重要語であるかどうかが確認できない。また、参加者によって表現方法や口癖が異なるのが普通であるから、それらに適切に対応して重要語が決定できているかどうかもわからない。そのため、各人の貢献度が数値上は決定できても、その決定が妥当であるか否かがわからない。
【0008】
また、参加者が発話などによって情報を提供し合うようなグループの内部状態を客観的に推定するために、調整、指導、協力、非協力等の特性毎に設定された特性語を発話等のテキストから抽出し、その出現数や頻度によりグループの状態を推定する発明が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、参加者どうしの人間関係や役割は推定できても肝心の学習の程度を推定することはできない。特性語として学習語や専門語についても記載されているが、その学習語や専門語が出現する主題について論じていることがわかるだけであり、参加者の学習程度を推定することは困難である。
【0009】
また、グループ毎の討論の活性化を推定し進行者に明示するために、グループ毎に、各メンバーの発話時刻と時間長を計測して全メンバーの発話時間長に対する各メンバーの発話時間長の比を表す発話密度寄与率を求め、各メンバーの発話寄与率をグラフ化する発明が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、どのメンバーが多弁でどのメンバーが寡黙であるかはわかるが、理解しているから多弁なのか、理解していないから多弁なのかは判別できないし、寡黙であることに関しても同様に理解の程度は判別できない。
【0010】
また、教師と生徒の発言のテキストから、学習状況としての学習項目に対する評価レベルを推定するために、学習項目に対応する「複数形」や「形容詞」等の学習語と、学習項目に対して発言されるであろう「できる」「できない」等の評価語と、各評価語の評価レベルとを登録しておき、テキストから学習語を検出し、その学習語の前後の一定語間距離以内から評価語を検出し、学習項目と評価レベルとを対応づける発明が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、教師の授業に対し生徒がどの程度理解したかについての、教師のその場における判断は推定できるが、仮にその判断が誤解であったとしても検証できないし、さらに生徒間の討論ではほとんど役に立たない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2017−167308号公報
【特許文献2】特開2017−27536号公報
【特許文献3】特開2016−162339号公報
【特許文献4】特開2016−85284号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】平成25年度 高等学校における「多様な学習成果の評価手法に関する調査研究」事業報告書、東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)発行、2014年3月10日
【非特許文献2】「対話による学び」の実践評価、三宅なほみ等著、日本認知学会第31回大会論文集、O5−3、p.178−186、2014年9月20日
【非特許文献3】「自治体との連携による協調学習の授業づくりプロジェクト 平成26年活動報告書 協調が生む多様性 第5集−学び続ける授業者へ−」、三宅なほみ等著、東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構発行、2015年3月20日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、協調学習のごとく一定の主題に関して複数の参加者の討論により結論を導こうとする場合において、参加者の理解レベルを的確に推定できるシステムを提供することを課題とする。具体的には、参加者の理解レベルを推定するための評価指標となる語を的確に特定でき、さらにはその特定の精度を改善していくことが可能なシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、一つの主題に関して複数の参加者の一又は二以上のグループにより行われ、複数回繰り返される討論において、参加者の理解レベルを推定するためのネットワークシステムであって、各参加者の発話を発話者を特定可能に入力しうる音声入力装置と、前記発話を音声認識して発話時刻と結びつけて発話ごとにテキスト化し、さらに形態素解析により前記テキストに含まれる各語の品詞を特定する解析装置と、前記テキストに前記発話時刻と前記発話者の個人IDと各語の品詞とを結びつけて格納するテキスト記憶装置と、前記理解レベルを推定する指標となりうる評価指標語を格納する指標語記憶装置と、前記評価指標語以外の候補語を前記テキストから特定しうるあらかじめ定められた規則を格納した規則記憶装置と、前記複数の参加者を前記個人IDを付して登録する手段と、前記グループが複数の場合に、各参加者がいずれのグループに属するかをグループIDを結びつけて登録する手段と、前記テキストを前記発話時刻に従って表示する手段と、前記テキスト中に存在する前記評価指標語をハイライト表示する手段と、前記規則に従って前記テキスト中の前記候補語を特定する手段と、前記特定された候補語を前記評価指標語から識別可能にハイライト表示する手段と、表示された前記テキストから特定の語を選択しうる選択入力手段とを備えた複数の端末装置とを備え、前記テキスト記憶装置と前記指標語記憶装置と前記規則記憶装置は、ネットワークにより前記複数の端末装置に通信可能に接続されており、かつ前記端末装置のいずれか一に選択入力がなされた場合に、選択された語を新たな評価指標語として前記の指標語記憶装置に格納することを特徴とするネットワークシステムである。
【0015】
ここで、さらに、前記主題に対しあらかじめ作成された討論計画を格納する主題・討論計画記憶装置を備え、かつ前記評価指標語は、前記討論計画から特定された語を含むことは好ましい。また、さらに、前記指標語記憶装置は、前記評価指標語ごとにハイライト表示された回数を格納しており、前記端末装置は、前記指標語がハイライト表示された回数と前記選択された語が表示された回数とを前記指標語記憶装置に送信し、前記指標語記憶装置は、受信した前記回数を前記評価指標語ごと及び前記選択された語ごとに蓄積することは好ましい。
【0016】
また、前記規則は、前記テキストにおいて前記評価指標語以外の語ごとに優先度を設定し、前記優先度の高い語の上位から一定数を前記候補語とするものであることは好ましい。また、さらに、前記規則は、いずれか一の前記グループにおいて、単位時間あたりに多数の参加者が交互に発話している交互発話時間帯に含まれる語の優先度を上げるものであることは好ましい。また、前記の解析装置における音声認識精度が低下した時間帯を、前記の交互発話時間帯とすることは好ましい。また、さらに、前記規則は、前記交互発話時間帯に続く時間帯であって単位時間あたりに一人の参加者だけが発話している独話時間帯に含まれる語の優先度を上げるものであることは好ましい。また、前記の品詞の特定は、前記主題に依存する内容語と前記主題に依存しない機能語とに区別されており、前記内容語は、名詞、動詞、形容詞、その他に区別されており、さらに、前記規則は、前記テキスト中の語の品詞が、名詞、動詞、形容詞のいずれかである場合に、当該語の優先度を上げるものであることは好ましい。
【0017】
また、さらに、前記規則は、複数の参加者の各々が複数回発話した前記内容語の優先度を上げ、一人の参加者だけが発話した前記内容語の優先度は下げることは好ましい。また、さらに、前記規則は、複数の前記グループの各々において、複数の参加者が複数回発話した前記内容語の優先度を上げることは好ましい。また、さらに、前記規則は、前記テキスト中の前記評価指標語の前後一定のあらかじめ定めた語数内にある前記内容語の優先度を上げることは好ましい。また、さらに、前記規則は、前記テキスト中に出現する前記内容語ごとの出現回数を計測し、出現回数が多い内容語の上位から一定数の語の優先度を上げるものであることは好ましい。
【0018】
また、前記の指標語記憶装置は、前記評価指標語として、前記主題ごとに内容語を格納し、前記主題によらずに機能語を格納するものであることは好ましい。また、前記端末装置は、前記評価指標語のうち、いずれか一の主題に対応する前記内容語ごとに、当該一の主題に関する前記テキスト中に当該内容語が出現しなかったことを特定する不出現語特定手段をさらに備え、前記指標語記憶装置は、前記テキストが生成されるごとに、前記内容語ごとに、当該内容語が出現しなかった回数を累積して格納することは好ましい。また、前記複数の音声入力装置と前記解析装置とが、ネットワークで通信可能に接続されていることは好ましい。
【発明の効果】
【0019】
一つの主題に対して複数の参加者の討論を行う場合に、参加者の反応がシステムから出力されるデータに基づき可視化できるので、参加者の理解レベルが変化する認知過程を容易に推定できる。また、討論指導者が注目すべき候補語を一定の経験的規則に従って表示するので、討論指導者が新たな評価指標語を選択しやすくなる。さらに、複数の討論指導者が様々な参加者を指導して複数回の討論を繰り返すことにより、参加者の多様性が増しながら複数の討論指導者の集合知が形成されて評価指標語の選択精度が高くなり、より的確に参加者の理解レベルを推定できるようになる。その結果、より改善された事前説明や討論のための資料提供、討論指導を行うことが可能になる。特に、評価指標語の充実に伴い、参加者一人一人の多様な理解や学習の過程が把握できるようになるため、討論による知識・理解の質の高さと発展性を共に保証することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明のネットワークシステムの全体構成の概略を示した概念図である。
図2図2は、端末装置1の内部構成の概略を示した概念図である。
図3図3は、端末装置1の討論準備段階における処理フローを示したフローチャートである。
図4図4は、端末装置1の討論実行段階における処理フローを示したフローチャートである。
図5図5は、S220ステップの処理フローを示したフローチャートである。
図6図6は、交互発話時間帯及び独話時間帯の状態を図示した概念図である。
図7図7は、S360ステップの処理フローを示したフローチャートである。
【0021】
図8図8は、端末装置1の討論終了後における確定処理フローを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を図面も用いて詳細に説明する。本発明は、あらかじめ設定された一つの主題に関し、複数の参加者の討論により結論を得ようとする討論プロセスを、参加者や日時や場所等を代えて複数回繰り返すような場合に、各討論プロセスにおける参加者の主題に対する理解の質や多様性を、参加者の発話に発生するであろうあらかじめ定めた評価指標語により、討論中に又は討論後に推定可能にすると共に、ある討論において発生した、評価指標語ではない語の中から、あらかじめ経験的に定めた規則に基づき、評価指標語となる可能性がある候補語を特定したうえで、その討論の討論指導者が、討論中に気づいた参加者の発話のニュアンスや表情や態度に基づいて経験的に評価指標語になりうると判断した語を、候補語等から討論中又は討論後に選択入力可能にすることで、評価指標語の精度をより高め、これにより参加者の理解レベルの推定を改善できるようにしたネットワークシステムである。
【0023】
このシステムを用いて、一つの主題に関して複数回の同様な討論が繰り返されることで、評価指標語の選択に関して複数の討論指導者の経験による判断結果が反映されたいわゆる集合知が形成される。この結果、参加者の理解の質や多様性を反映する参加者の理解レベルを、討論指導者がより的確に推定することが可能になり、その後の討論において、より改善された事前説明、資料提供や討論指導を行うことが可能になる。それによって参加者の理解の質や多様性を一層進展することができる。
【0024】
本発明のネットワークシステムは、企業等の組織内で繰り返して行われる集合研修や、学校への入学希望者や企業への就職希望者等に対して一定の主題に関して集合討論を行わせることで選抜する場合や、各種の学校における授業の一環として行われる討論型授業等に用いることができる。中でも、協調学習(又は協働学習)に用いるのに適しており、特に、小学校から高等学校の討論学習に好適な知識構成型ジグソー法を用いた集合学習に適している。
【0025】
本発明にいう主題とは、討論すべき具体的な課題や問題を言い、例えば、「なぜ会社の寿命は30年と言われるのか」や、「地球温暖化対策は必要か」等が上げられる。また、知識構成型ジグソー法で用いられる主題の例としては、例えば、参加者が中学生であれば、「デンプンの消化と吸収の仕組みを説明しよう」や、参加者が高校生であれば、「なぜ、古代国家の指導者にとって、「宗教」は欠かせないものだったのか?」などが上げられる。
【0026】
なお、説明の簡単化のために、特に言及しない限り主題は一つとの前提で以下の説明を行うが、実際には多くの主題が考えられるので、複数の主題を取り扱う場合には、各主題ごとに主題IDを設定し、後述する各処理を同様に行えば、各主題に対して以下の説明が成立する。
【0027】
まず、図1を用いてネットワークシステムの全体構成を説明する。図1は、システムの全体構成の概略を描いた概念図である。一つの主題に関する複数の討論が、一点鎖線の外側枠で示された各部屋20〜22において、複数の参加者の元で行われる。複数の討論は、日時が異なっていれば場所が同じでも良いし、場所が違えば日時が同じでも良い。また、複数の討論は、一回ごとに異なる複数の参加者により行っても良いし、同じ複数の参加者で複数回行っても良い。好ましくは両者が併用されることである。複数回の討論を様々な日時・場所・参加者・討論指導者により繰り返し行うに伴い、本システムによる参加者の理解レベル把握の精度が向上する。
【0028】
各部屋には、端末装置1と、端末装置1とネットワーク10とに接続可能な無線LANルータ2とが設置され、さらに音声入力装置である複数のマイク3が用意されて無線LANルータ3に接続されている。マイク3は各々を識別できるIDを有し、各部屋で使用される複数のマイク3のIDは端末装置1に登録されており、かつそれぞれのマイク3は、無線LANルータ3とネットワーク10とを通じ、解析装置4に対しマイクIDと共に各マイク3が収集した音声データを送信する。各部屋の参加者は、各人が一つずつマイク3を装着し、各人の発話は、それぞれが装着しているマイク3で収集される。どの発話をどの参加者が発したかを特定できるようにするためである。
【0029】
一部屋の全参加者は、全体で一つのグループとしても討論してもよいし、一つの部屋の参加者を少人数の複数のグループに小分けしてもよいが、本発明は、後者の場合により好適である。図1では、後者の場合を図示しており、例えば、部屋20の参加者は、一点鎖線の内側枠で示された比較的少人数の三つのグループ30〜32に分かれている。各部屋の人数やグループ数は、討論実行上の都合から適切に定めればよく特に限定されない。図1では、各部屋において、共通する一つの主題に関してグループごとに討論を行う。各部屋において、参加者の討論を指導する討論指導者は、討論が行われる日時が異なっていれば同じ者であってもよいが、異なった者であることは望ましい。多様な判断を集めることが集合知による理解レベル把握精度の向上につながるからである。
【0030】
端末装置1は、図2に示したように、あらかじめ用意されたプログラムに基づいて各種処理を行う制御手段100と、プログラム類や各種データを格納する記憶部200と、無線LANルータ2と通信する通信部50と、討論指導者からの入力を受け付ける入力部60と、解析装置4から送信されたテキストデータを初めとする各種データを表示する表示部70とを備える。端末装置は、通常のノート型等のパーソナルコンピュータでもタブレット端末でもスマートフォンでもよい。また、無線LANルータ2は、LAN以外の他の無線通信方式であっても良いし、有線で通信するものでもよい。
【0031】
端末装置1の表示部70であるディスプレイには、参加者の発話から作成されたテキスト等が順次表示される。討論指導者は、ディスプレイに表示されるデータを、討論中に又は討論後に見ることで、討論における参加者の理解レベルを推定することができる。端末装置1における各種処理の具体的な内容に関しては後述する。
【0032】
ネットワーク10には、さらに解析装置4と音声データ記憶装置5とテキスト記憶装置6と主題・登録計画記憶装置7と指標語記憶装置8と規則記憶装置9とが、通信可能に接続されている。解析装置4と音声データ記憶装置5は、各端末装置1の一部であってもよい。また、テキスト記憶装置6、主題・登録計画記憶装置7、指標語記憶装置8、規則記憶装置9は、一台の記憶用サーバであっても良いし、複数の物理的に異なる記憶装置であってもよく、全部の端末装置1からそれぞれの記憶装置に格納されているデータを共有利用できればよい。
【0033】
解析装置4は、図示されていない制御装置と音声認識装置と形態素解析装置とからなる。制御装置は、端末装置1からあらかじめ受信していた討論IDと、各マイク3からマイクIDと共に送られてきた音声データを音声認識装置に送る。音声認識装置は、送られた音声データをあらかじめ音声データ記憶装置5に格納されている各参加者の音声データと順次照合して統計的に音声認識し、発話時刻と結びつけて発話ごとにマイクIDを特定してテキスト化し、さらに、単位時間ごとの音声認識精度を計測する。また、音声データを討論IDとマイクIDと共に音声データ記憶装置5に格納する。音声認識の方式は公知の方式によって行えばよい。
【0034】
テキスト化されたデータは、音声認識装置から形態素解析装置に送られ、テキスト中の各語の品詞が特定されてから制御装置に送られる。形態素解析は公知の方法により行えばよい。制御装置は、討論ID、発話ごとのマイクID、テキストデータ、各語の品詞、単位時間ごとの音声認識精度(又は誤り率)、発話ごとの発話時刻の各データを、討論IDにより特定される端末装置1に送信する。端末装置1は、受信したデータを順次テキストテーブル210に格納する。
【0035】
音声データ記憶装置5は、討論の準備において、討論IDとマイクIDとを特定して、討論の各参加者の標本音声となる音声データをあらかじめ格納している。また、討論IDとマイクIDと共に討論において発生した音声データを格納している。
【0036】
テキスト記憶装置6は、新たな討論の準備段階における制御装置1の要求により、新たな討論を特定する討論IDを生成して、要求を行った制御装置1に送信する。また、討論終了後に、端末装置1から送信された、討論ID、発話ごとのマイクID、テキストデータ、各語の品詞、単位時間ごとの音声認識精度、発話ごとの発話時刻等の確定した各データを討論IDごとに格納する。
【0037】
主題・討論計画記憶装置7は、あらかじめ作成された主題と討論計画とを格納している。討論計画は、討論のねらい又は目標と、どのような討論が展開されるかの予想等からなり、あらかじめ主題と共に端末装置1から主題・登録計画入力手段により入力され、主題・討論計画テーブル201に格納される。さらに、討論計画の作成終了段階で主題・討論計画記憶装置7に送信・格納される。複数の主題がある場合は、各主題に対して討論計画が作成される。なお、討論計画の作成にあたっては複数の討論指導者の合議により作成されることが望ましい。多くの知見を集めるためである。
【0038】
ちなみに、知識構成型ジグソー法では、さらに、討論を行うための事前知識として、関連する要素知識を参加者に学習させるが、この要素知識(エキスパートと名付けられている)も討論計画に含めることが望ましい。要素知識も含めた討論計画は、知識構成型ジグソー法では教案と呼ばれている。
【0039】
このようにあらかじめ討論計画を用意することで、討論が予想通りの展開または予想外の展開のいずれであったとしても、どうしてそのような展開になったのかの原因を追及することが容易になり、討論や教案の改善につなげやすくなる。
【0040】
指標語記憶装置8は、討論参加者の理解レベルの指標となりうる語を評価指標語として格納している。評価指標語のうち、内容語は主題ごとに内容語テーブルに格納しており、機能語に関しては主題によらずに機能語テーブルに格納している。
【0041】
ここにいう内容語とは、名詞、動詞、形容詞等のようにその語だけで意味内容を有する語を言い、機能語とは、助詞、助動詞、副詞、接続詞、感嘆詞、「?」等のようにその語だけでは意味をなさないが、文や意味をつなぐ機能を有する語をいう。評価指標語として経験的に重要と考えられる機能語としては、例えば、「そうそう」、「ところでさぁ」、「それそれ」等が上げられる。なお、ここにいう機能語は、品詞が特定できるできないに係わらずに語の一部や断片も語として含む。例えば、「〜っけ?」、「ってこと?」、「〜てきた」等である。これらの語も参加者の理解レベルを示す指標として重要と考えられるからである。
【0042】
内容語と機能語とに分けて格納しているのは、評価指標語となりうる内容語は、主題と討論計画によりほぼ決まり、参加者が使用する方言や参加者の世代にはあまり影響されないと考えられるが、一方で、評価指標語となりうる機能語は、主題や討論計画には影響されにくく、参加者が使用する方言や参加者の世代によって影響されやすいと考えられるからである。このように分けておくことで評価指標語を的確に特定しやすくなる。
【0043】
また、指標語記憶装置8は、評価指標語ごとに、テキスト中でヒットした回数を蓄積して格納している。また、一回の討論のテキスト中で、一回もヒットしなかった回数も蓄積して格納している。このような回数を蓄積することで、評価指標語ごとに、その評価指標語としての使用が適切であるか否かを見直す材料になる。
【0044】
最初に討論計画が端末装置1に入力された場合は、端末装置1の一次評価指標語生成手段102により、その主題と討論計画とから、内容語である名詞、動詞、形容詞が切り出され、それらの同義語と類義語とが辞書データから含められて、主題に対する第一次の評価指標語として、端末装置1から主題を特定して指標語記憶装置8に格納される。内容語のうち、名詞・動詞・形容詞に限っているのは、これらに限定しても討論計画から切り出す評価指標語としては経験的に十分であることによる。
【0045】
このように、あらかじめ用意された討論計画から第一次の評価指標語を切り出して使用するので、評価指標語が的はずれになりにくく、また、参加者が討論においてある評価指標語をまったく使用しないなどの予想外の現象が生じたとしても、なぜそのようになったかの原因を追求することが可能になり、それにより参加者の実態を踏まえた討論計画や教案、討論指導の改善が行いやすくなる。
【0046】
このようにして作成された内容語の一次評価指標語は、実際に参加者が行う討論に出現する語と異なることも十分あり得るが、まずは一回目の討論における内容語の評価指標語として用意される。一方、機能語の評価指標語は、主題によらないと考えられるので、それまでに蓄積された他の主題でのデータをそのまま使用すればよい。機能語データは、参加者の居住する地方や世代であらかじめ区分けしておき、討論の参加者に合うか若しくは近い機能語データを選んで使用するのは好ましい。
【0047】
端末装置1は、討論がスタートする前に、指標語記憶装置8から、評価指標語のデータ、つまり討論の主題に対応する内容語のデータと機能語のデータとをダウンロードする。
【0048】
規則記憶装置9は、参加者の発話の中で参加者の理解レベルを示す指標として有効であると考えうる評価指標語の候補語を特定するための規則を格納している。規則は、実際に行われた多くの討論から経験的に得られた多くの知見に基づいて、候補語が多く含まれると考えられる討論の時間帯やパターンから、有力な候補語を特定するための処理フローがプログラム化されたものである。その複数の知見とは以下の(1)〜(6)である。
(1)何かのきっかけでグループ内の参加者の理解が突然に深まると、参加者の多くが次々に発言しだす現象が観測できる。その際、音声認識装置の認識精度が低下する。このような時間帯(以下、交互発話時間帯という)に、参加者の理解レベルの指標となりうる多くの候補語が含まれていると考えられる。ここで、参加者の多くとは、一グループの参加者が三人以下の場合は全員、四人の場合は三人、五人以上の場合は過半数を意味する。
(2)上記(1)の時間帯に引き続いて一人だけが発言を続ける時間帯(以下、独話時間帯という)が発生した場合には、この時間帯にも理解レベルの指標となりうる候補語が多く含まれていると考えられる。このような時間帯は、(1)の時間帯での多くの参加者の発話の内容を一人がまとめている時間帯であると考えられるからである。その際、音声認識精度は交互発話時間帯の前の状態に復帰して高くなる。
(3)グループ内の参加者の多くが複数回発話した内容語は候補語となりうる。元々の評価指標語に含まれていないにもかかわらず、参加者の多くが多用する内容語は、指標として重要と考えられるからである。
(4)複数のグループにわたって複数回発話された内容語に関しても(3)と同様に考えられる。
(5)逆に、一人の参加者だけが発話している内容語は、発話頻度が高くとも指標として重要ではないと考えられる。他の参加者がその語を理解していないか又は同意していないと考えられるからである。
(6)内容語の品詞では、名詞、動詞、形容詞が指標として重要と考えられる。
【0049】
これらの経験的な知見に基づいて規則が作成されているので、テキスト中の候補語を的確に特定することが可能になる。規則による具体的な処理フローに関しては後述する。端末装置1は、討論がスタートする前に、規則記憶装置9から、候補語を特定するための規則を規則ファイルにダウンロードする。
【0050】
次に、図2を用いて端末装置1における処理について説明する。図2は、端末装置1の概略構成を示した概念図である。まず、討論指導者により、新たな主題と討論計画が作成される事前準備段階から説明する。
【0051】
端末装置1の主題・討論計画入力手段には、新たな主題と討論計画とを入力するための一定の様式があらかじめ用意されており、書式が表示部70のディスプレイに表示され、入力部60から主題と討論計画が入力されると、主題・討論計画テーブル201に格納される。
【0052】
この主題と討論計画は、複数の討論指導者との合議により決定されるのが望ましいが、いずれにせよ、主題と討論計画が決定されると、端末装置1の一次評価指標語生成手段102が、入力された主題と討論計画とから、名詞、動詞、形容詞を切り出し、各語の同義語と類義語を同義語・類義語辞書202から読み出して、先に切り出した名詞等に加えて一次評価指標語ファイルを生成し、一次評価指標語テーブル203に格納し、さらに、指標語記憶装置8に送信されて主題ごとに格納される。また、これらの新たな主題と討論計画は、主題・討論計画記憶装置7に送信されて格納される。
【0053】
次に、討論が実行される前の討論準備段階について図3を用いて説明する。図3は、討論準備段階の端末装置1における処理フローを示したフローチャートである。まず、端末装置1の討論準備登録手段103が主題を特定してテキスト記憶手段6にアクセスし、討論IDを取得する(S100ステップ)。この討論IDにより主題ごとに複数行われる討論を識別する。
【0054】
続いて、討論IDを特定して討論が行われる日付、場所、討論指導者等の討論に関するデータ入力を受け付け、討論IDごとに討論・参加者テーブル204に格納する(S110ステップ)。次に、討論に参加する参加者全員を特定する氏名や個人ID等のデータと、各参加者が参加するグループを特定するグループID等のデータ入力を受け付け、討論・参加者テーブル204に格納する(S120ステップ)。次に、各参加者が使用するマイクIDを特定する入力を受け付け、マイク・個人IDテーブル205に格納する(S130ステップ)。次に、討論に使用する全部のマイクIDを討論IDに結びつけて解析装置4に送信する(S140ステップ)。これにより、討論においてどの発話がどの参加者によって行われたかが特定可能になる。
【0055】
次に、討論準備登録手段103は主題を選択する入力を受け付ける。討論準備討論手段103は、主題・討論計画記憶装置7にアクセスして登録されている主題一覧を読み出し、主題テーブル206に格納すると共に表示部70のディスプレイに表示する。いずれかの主題が選択入力されると(S150ステップ)、討論準備登録手段103は、主題・討論計画記憶装置7にアクセスして、主題に対応する討論計画を読み出して討論計画テーブル207に格納し、指標語記憶装置8から主題に対応する内容語の評価指標語と機能語の評価指標語とを読み出して評価指標語テーブル208に格納し、さらに、規則記憶装置9にアクセスして最新の規則を読み出して、規則ファイル209に格納する(S160ステップ)。これで討論を行う準備が完了する。
【0056】
次に、討論が行われている段階における端末装置1の処理フローを図4を用いて説明する。図4は、討論が実行されている状態での端末装置1の処理フローを示したフローチャートである。まず端末装置1から討論の開始信号が討論IDを特定して解析装置4に送信されて処理がスタートすると、各マイク3の音声入力が解析装置4に順次送信される。解析装置4は、音声データを順次音声解析してテキスト化し、さらに形態素解析して各語の品詞を特定する。解析装置4の制御装置は、討論ID、発話ごとのマイクID、テキストデータ、各語の品詞、単位時間ごとの音声認識精度、発話ごとの発話時刻の各データを、討論IDにより特定される制御装置1に順次送信する。端末装置1は、解析装置4からこれらのデータを部分テキストとして順次受信し、テキストテーブル210に順次格納する(S200ステップ)。
【0057】
次に、端末装置1の評価指標語特定手段104は、受信した部分テキストと評価指標語テーブル208とを照合して、テキスト中の評価指標語を特定し、テキストテーブル210を更新する(S210ステップ)。続いて、規則ファイル209を用いて、テキスト中の候補語を特定し、テキストテーブル210を更新する(S220ステップ)。この候補語特定プロセスを図5のフローチャートを用いて説明する。図5は、図4のS220ステップをさらに具体的に説明するフローチャートである。
【0058】
まず、解析装置4から順次受信した部分テキスト中に出現した語のうち、評価指標語を除いた語を特定し、その特定された語ごとに優先度を設定して優先度テーブル211に格納すると共に、特定された語を発話者数・発話数テーブル212に格納する(S300ステップ)。優先度を設けるのは、発話に出現する多くの語のうち、いずれが評価指標語としてふさわしいかを判定しやすくするためである。優先度テーブル211は、特定された語ごとに優先度の点数を蓄積して格納する。発話者数・発話数テーブル212は、評価指標語を除いた語ごとに、単位時間ごとの発話者数と単位時間ごとの各発話者の発話数とをカウントし、そのカウント数を蓄積して格納するテーブルである。なお、新たな部分テキストが受信されると、新たな部分テキストには新たな語が含まれるから、いずれのテーブルにも格納されるべき語は増加する。
【0059】
次に、解析装置4から順次受信した部分テキスト中の評価指標語以外の語ごとに、単位時間ごとの発話者数と単位時間ごとの各発話者の発話数とをカウントし、発話者数・発話数テーブル212に格納する(S310ステップ)。多数の参加者が発話し、かつ各人が複数語発話しているかを単位時間ごとに判定する。判定が、受信した部分テキスト中のいずれの単位時間にもNoであればフローは右に分岐してS360ステップに移行する。
【0060】
しかし、判定が、ある単位時間においてYesであれば、フローは下に分岐してS330ステップに移行する(S320ステップ)。なお、ここに言う単位時間は、典型的には30秒間をとればよいが、参加者の世代や個性や討論経験によって発話が活発であるか否かが変化するため、交互発話時間帯を判定しやすいように伸縮させても良い。
【0061】
S330ステップでは、討論が、参加者間の議論が活発になる交互発話時間帯に入ったと判断して、その時間帯から続いて、単位時間の発話者が一人になる時刻の前までを交互発話時間帯と判断し、この時間帯に含まれるテキストの評価指標語以外の語の優先度を上げて優先度テーブル211に格納する(S330ステップ)。このステップにより、候補語が多く含まれている可能性が高い時間帯を特定することが可能になり、新たな評価指標語の選択が容易になる。
【0062】
なお、優先度を上げる場合は、例えば、優先度を+1加点し、下げる場合は、例えば、優先度を−1加点するようにすればよいが、特に方法は限定されない。規則の重要性に応じて、加減点する点数を変化させてもよく、例えば、時間帯により特定された候補語には+2点を加点し、後述のように優先度を下げる場合には−2点を加点し、その他の規則により特定された候補語に関しては、+1点を加点するというようにすることは望ましい。
【0063】
なお、交互発話時間帯では音声認識精度が低下する傾向が見られるので、上記のように発話者数と発話数とからの判定に加えて又は別個に、音声認識精度の変化から判定するようにしても良い。この状況を図6により説明する。図6は、5人のグループの討論で、単位時間ごとの発話者数と発話数とが時間と共にどのように変化するかを示したグラフ(上図)と、さらに同じ時間に音声認識精度がどのように変化するかを示したグラフ(下図)である。ここで、発話者数とは単位時間中に発話した人数のことである。また、発話数とは、単位時間中にグループの全員が発話した語の総数であり、図6中では発話数を100で割った数字で表示している。
【0064】
グラフ中で0〜2分は、討論指導者が資料を説明している時間帯であり、発話数は多いものの音声認識精度が高いことがわかる。3分は、参加者が資料を読んでいる時間帯で、ここでは発話がまったく生じていないため、音声認識精度もゼロになっている。4分〜7分にかけて急に発話者数と発話数とが増加しているが、この時間帯が交互発話時間帯に当たり、この時間帯では参加者の理解度が急に向上した結果、一気に参加者の多くが発話しているのであろうと推測できる。同時に、音声認識精度は、0〜2分の時間帯に比較すると低下していることがわかる。直後の8分〜9分には発話者が一人になる時間帯が訪れ、この時間帯に一人がまとめる発話を行っていると推測できる。
【0065】
なお、音声認識精度による交互発話時間帯であるか否かの判定は、音声認識装置の認識レベルの向上に伴いだんだん困難になっていくと考えられるので、上記の発話者数と発話数とからの判断の補助として用いるのが好ましい。
【0066】
次に、図5に戻り、S340ステップについて説明する。交互発話時間帯に続く単位時間において一人だけが発話する時間帯(独話時間帯)が発生しているか否かを判定する(S340ステップ)。図6では、8分〜9分の時間帯が独話時間帯に該当する。独話時間帯が発生していない場合には、フローはS340ステップから右に分岐してS360ステップに移行する。逆に、発生している場合には独話時間帯に入ったと判断して、フローはS340ステップから下に分岐してS350ステップに移行する。発話者が一人になった時刻から他の参加者が発話するまでの時刻を独話時間帯と判断して、その時間帯のテキストに含まれる評価指標語以外の語の優先度を上げて、優先度テーブルに蓄積して格納する(S350ステップ)。
【0067】
独話時間帯は、交互発話時間帯において多くの参加者が行った発話を、一人の参加者がまとめている時間帯と考えられ、経験的にこの時間帯に参加者の理解レベルを示唆する語が多く出現するからである。この時間帯に含まれる評価指標語以外の語の優先度を上げることで、新たな評価指標語となる可能性が高い候補語が特定されやすくなり、より適切な評価指標語の選定が容易になる。
【0068】
続くS360ステップでは、時間帯によらずに候補語を特定する。このフローを図7を用いて説明する。図7は、S360ステップの処理フローをより詳しく示したフローチャートである。
【0069】
まず、受信した部分テキスト中の評価指標語以外の語から内容語を特定し、内容語ごとに、どの参加者が何回発話したかをカウントして、カウント数を内容語頻度テーブル213に蓄積する(S361ステップ)。新たな部分テキストを受信するたびに格納すべき内容語が増加するのは他のテーブルと同様である。
【0070】
次に、合計の出現回数が多い内容語の上位一定語数を特定し、優先度を上げて優先度テーブル211に格納する(S362ステップ)。評価指標語に含まれないが参加者が多用する内容語は重要と考えられるからである。次に、複数の参加者の各々が複数回発話した内容語の優先度を上げて、優先度テーブル211に格納する(S363ステップ)。評価指標語に含まれていないが複数の参加者が複数回使用するような内容語は、参加者の理解レベルを推定する指標となりうるからである。例えば、討論指導者が、古典文学をめぐる討論計画において「心移り」と記載した場合に、多くの参加者が「心移り」と言わずに「浮気」と発話するような場合である。
【0071】
次に、討論・参加者テーブル204と内容語頻度テーブル213とを参照して、内容語ごとに、複数回発話した複数の参加者が、複数のグループにまたがっている場合に、その内容語の優先度を上げ、優先度テーブルに蓄積する(S364ステップ)。これは、複数のグループにまたがって複数の参加者に複数回発話される内容語は、さらに指標語として重要度が高いと考えられるからである。
【0072】
次に、内容語頻度テーブル213を参照して、発話頻度が高くとも一人の参加者だけが発話している内容語を特定し、その内容語の優先度を下げるようにして優先度テーブル211に蓄積する(S365ステップ)。これは、一人の参加者が多用しても、他の参加者が納得していないか又は理解できないでいる可能性が高く、理解レベルを推定する指標としては不適当である可能性が高いからである。
【0073】
次に、テキスト中の評価指標語の前後一定語数内に含まれる内容語を特定し、その優先度を上げて、優先度テーブル211に格納する(S366ステップ)。ここにいう一定語数とは、例えば10語程度をいう。これくらいの範囲内には、討論計画には含まれない語であって、評価指標語の言い換えとなる可能性がある重要な参加者用語が含まれていることが経験的に多いからである。
【0074】
次に、内容語の品詞が名詞、動詞、形容詞である語の優先度を上げて、優先度テーブル211に蓄積する(S367ステップ)。これらの語が主題に関する意味内容を示す語と考えられるからであり、評価指標語に含まれていない場合に、理解の多様性を示す語となりうるからである。
【0075】
次に、優先度テーブルを参照し、優先度が高い語から上位一定数の語を候補語として特定し、候補語テーブル214に格納する(S368ステップ)。候補語は、内容語、機能語を問わずに上位から一定語数、例えば20語、を特定しても良いし、内容語だけの上位一定語数と機能語だけの上位一定語数を候補語としてそれぞれ特定しても良い。望ましくは後者である。内容語と機能語は互いの機能が異なり、評価指標語として選定する際の選定基準が異なるからである。また、上位から一定語数で限定せずに、優先度が一定以上の語を特定するようにしても良い。
【0076】
上記のようにして特定された候補語は、参加者の理解レベルを推定する語として重要である可能性が高く、新たな評価指標語が選択される場合に、選択を簡単にかつ精度高く行うことができる。
【0077】
これで、図7のフローは終了して図5のフローに戻り、さらに図5のフローも終了し、図4に戻ってS220ステップが終了する。続いて、図4のS230ステップを説明する。
【0078】
S230ステップでは、テキスト表示手段106が、受信した部分テキストをテキストテーブル210から順次読み出し、入力部60からの指定に従ってグループごと又は参加者ごとに表示し、必要により発話時刻に従って流れ表示する。その際、ハイライト手段107が、テキスト中に特定されている評価指標語をハイライト表示すると共に、候補語テーブル214を参照して、テキスト中の候補語を、評価指標語と識別可能に色を変えるなどしてハイライト表示する。このように、評価指標語と候補語とを識別可能にハイライト表示するので、参加者の理解レベルを推定することが可能になり、さらには、その推定のレベルを向上させるために、新たな評価指標語とすべき語を容易に特定することが可能になる。
【0079】
次に、入力部60から、いずれかの語を選択する入力がなされると、選択入力手段108は、入力を受け付けて選択された語を特定し、他の語と識別可能にハイライト表示する(S240ステップ)。このように、参加者の理解レベルを推定するのに重要と考えられる語を、討論指導者が、討論中にディスプレイを見ながら認識でき、かつそれを選択入力できるので、討論が行われるごとに、複数の討論指導者の経験による集合知を集めることが可能になり、評価指標語の選択精度が高められることで、討論計画や討論指導をさらに改善することが可能になる。
【0080】
次に、解析装置4から新たな部分テキストを受信しているか否かを判断する(S250ステップ)。受信が継続していれば、フローはS250ステップから左に分岐してS200ステップに戻る。受信が完了していれば、フローはS250ステップから下に分岐して処理を終了する。
【0081】
討論が終了すると、端末装置1から討論が終了した旨の信号が解析装置4に送信され、解析装置4の制御装置がマイク3からのデータの受付を停止して終了する。また、端末装置4は、選択された語に選択された旨のフラグを立てて、テキストテーブル210を更新する。
【0082】
次に、討論が終了した後の処理について図8を用いて説明する。図8は、討論後に、討論指導者が討論のデータを確定するための、端末装置1の処理フローを示したフローチャートである。このような確定処理を行うのは、討論実行中には部分テキストごとに候補語特定処理を行っているが、討論全体又はテキスト全体から特定した場合と特定された候補語が異なる可能性があるためであり、討論が終了してからでないと行えない処理を行うためであり、討論指導者に討論を振り替える機会を与え、より的確な判断を加えられるようにするためである。
【0083】
端末装置1において確定処理のスタート入力がなされると、テキスト表示手段106が、テキストテーブル210からテキストデータを読み出して表示部70のディスプレイに表示する。表示は、グループごとでも良いし、参加者ごとでも良く、見やすいように選択可能であればよい。その際、ハイライト手段107により評価指標語と候補語と選択された語とを互いに識別可能にハイライト表示する(S400ステップ)。
【0084】
次に、評価指標語のうち討論のテキスト中に出現しなかった内容語を特定する。このような内容語は、元々は討論指導者が討論計画で用いたものである可能性が高いが、参加者はまったく発話しなかった語であり、このような内容語を特定することにより、討論指導者に対して、討論計画や討論指導における改善点を示唆できることが多いからである。機能語は、主題や討論計画との関わりが高くないので、特定の対象に含めてもよいが必要性は小さい。具体的には、不出現語特定手段109が、評価指標語の内容語ごとに、テキスト中に出現しない評価指標語である内容語を特定し、不出現語テーブル215に格納する(S410ステップ)。
【0085】
次に、候補語特定手段105が、S220ステップの候補語特定フローをテキスト全体に対して再度実行し、候補語を改めて特定する。討論中に特定された候補語によっては、ある部分テキストでは発話数が多くて優先度が相対的に高くなっていたとしても、テキスト全体では発話数が少なくて優先度が相対的に低くなる場合もあるからである。候補語特定フローが再度実行された結果は、直ちにテキスト表示手段106とハイライト手段107によって、テキストが、評価指標語と改められた候補語と選択されていた語とを互いに識別可能にハイライトされてディスプレイに表示される(S420ステップ)。
【0086】
次に、入力部60から、いずれかの語に対して選択入力がなされ、又はすでに選択されていた語の修正入力がなされて、それらが確定された場合は、新たな評価指標語が確定されたので、評価指標語テーブル208とテキストテーブル210を更新する(S430ステップ)。
【0087】
次に、評価指標語ごと、及び新たに評価指標語ごとに選択された語ごとに、テキスト中でハイライト表示された回数をカウントし、語ごとのカウント数を指標語記憶装置8に送信する(S440ステップ)。これにより、いずれの評価指標語に関しても、評価指標ごとして用い続けることが適切であるか否かの判断材料になる。
【0088】
最後に、評価指標語テーブル208と不出現語テーブル215のデータが指標語記憶装置8に送信されて更新され、かつテキスト記憶装置6に送信されて更新されて(S450)、処理が終了する。
【0089】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、本発明は同じ思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記の説明では、討論中に部分テキストをディスプレイに流れ表示などする場合で説明したが、討論中はディスプレイに部分テキストを流れ表示せず、討論終了後だけに全体のテキストをまとめて表示するようにしても良い。
【0090】
また、上記では、内容語は主題により、機能語は主題によらないようにして格納する場合で説明したが、いずれも主題ごとに主題によるようにして格納しても良い。また、各参加者がマイクを一つずつ装着して討論する例で説明したが、グループごとに又は部屋全体を一つのマイクで集音し、音声認識する段階で各参加者を特定するようにしても良い。また、音声認識装置は人工知能によるものでもよい。また、端末装置1は、一回の討論では同じ一つの端末装置を討論の前中後によらずに使用する例で説明したが、討論前、討論中、討論後で異なる端末装置を使用しても良い。
【0091】
また、上記では、一つの主題により一つの討論計画がある例で説明したが、一つの主題に対して複数の討論計画を用意しても良い。その場合、討論指導者がいずれの討論計画に基づいて討論を実行するかを選択可能にすればよい。また、上記の六つの知見の全部を規則に反映させる例で説明したが、全部でなくても良い。また、新たな知見による処理を追加しても良い。また、知識構成型ジグソー法では、複数の要素知識ごとに参加者をグループ分けして学習させ、しかるのち各要素知識を有する参加者が少なくとも一人ずつはグループ内に配置されるように討論を行うためのグループを再編成するが、本発明で言及したグループは、要素知識を学習するためのグループではなく、討論を行うために再編成されたグループである。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、企業等の組織内で繰り返して行われる集合研修や、学校への入学希望者や企業への就職希望者等に対して一定の主題に関して集合討論を行わせることで選別する場合や、各種の学習産業における授業の一環として行われる討論型授業等に用いることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8