(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
基地局は、アップデート処理によって一時的にシャットダウンするため、使用頻度が低い時間帯を選んでもサービス(呼接続)停止への影響は避けられない。
【0009】
また、特許文献1は、故障発生を契機として仮想マシンを切替えるため、サービス断(サービス停止)について考慮されていない。特許文献2は、仮想基地局のソフトウェアアップデートに関する技術ではあるが、ソフトウェアのダウンロード時間を短縮するものであり、サービス停止時間を短縮するものではない。
【0010】
本発明の目的は、基地局仮想マシンのソフトウェアアップデートを実行する際に、仮想化基地局のサービス停止時間を短縮することができる仮想マシン制御装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の仮想マシン制御装置の一態様は、仮想基地局の基地局機能を提供するC−Plane基地局仮想マシンを制御する仮想マシン制御装置であって、
ソフトウェアアップデートの対象となった前記C−Plane基地局仮想マシンのクローンを起動する仮想マシン制御部と、
前記クローンが前記ソフトウェアアップデートを実行した後、前記C−Plane基地局仮想マシンに割当てられていたネットワークを、前記クローンに割当てる仮想基地局切替制御部を備える。
【0012】
本発明の仮想マシン制御装置の一態様は、仮想基地局の基地局機能を提供するU−Plane基地局仮想マシンを制御する仮想マシン制御装置であって、
ソフトウェアアップデートの対象となった前記U−Plane基地局仮想マシンの切替先となる切替先U−Plane基地局仮想マシンを選択するためのパフォーマンスデータを、前記U−Plane基地局仮想マシンが配置された仮想マシンホスト内の複数のU−Plane基地局仮想マシンから取得する仮想マシン制御部と、
前記U−Plane基地局仮想マシンと連携するC−Plane基地局仮想マシン、及び、基地局ハードウェアの接続先を、前記U−Plane基地局仮想マシン又は前記切替先U−Plane基地局仮想マシンに切替える仮想基地局切替制御部を備え、
前記仮想基地局切替制御部は、記前記C−Plane基地局仮想マシン、及び、前記基地局ハードウェアの接続先を、前記ソフトウェアアップデートの実行前は前記U−Plane基地局仮想マシンとし、前記ソフトウェアアップデートの実行後は前記切替先U−Plane基地局仮想マシンとする。
【0013】
本発明の管理装置の一態様は、仮想基地局における基地局機能を提供するC−Plane基地局仮想マシンを制御する仮想マシン制御装置と接続される管理装置であって、
ソフトウェアアップデート
の対象となった前記C−Plane基地局仮想マシンのクローンを起動するように、前記仮想マシン制御装置に指示し、起動された前記クローンに対して前記ソフ
トウェアアップデートを実行するように指示するアップデート制御部と、
前記対象となったC−Plane基地局仮想マシンに割当てられていたネットワークを、アップデートが実行された前記クローンに割当てるように、前記仮想マシン制御装置に指示する基地局制御部を備える。
【0014】
本発明の管理装置の一態様は、仮想基地局として基地局機能を提供するU−Plane基地局仮想マシンを制御する仮想マシン制御装置と接続される管理装置であって、
ソフトウェアアップデートの対象となった前記U−Plane基地局仮想マシンと連携するC−Plane基地局仮想マシン、及び、基地局ハードウェアの接続先が、前記U−Plane基地局仮想マシンの切替先となった切替先U−Plane基地局仮想マシンに切替された後、前記U−Plane基地局仮想マシンに対して前記ソフトウェアアップデートを実行するように指示するアップデート制御部と、
前記ソフトウェアアップデートの実行前に、前記C−Plane基地局仮想マシン、及び、前記基地局ハードウェアの接続先を、前記U−Plane基地局仮想マシンから前記切替先U−Plane基地局仮想マシンに切替え、前記ソフトウェアアップデートの実行後に、前記切替先U−Plane基地局仮想マシンから前記U−Plane基地局仮想マシンに切替えるように、仮想マシン制御装置に指示する基地局制御部を備える。
【0015】
本発明の仮想マシン制御装置の制御方法の一態様は、仮想基地局の基地局機能を提供するC−Plane基地局仮想マシンを制御する仮想マシン制御装置の制御方法であって、
ソフトウェアアップデートの対象となった前記C−Plane基地局仮想マシンのクローンを起動し、
前記クローンが前記ソフトウェアアップデートを実行した後、前記C−Plane基地局仮想マシンに割当てられていたネットワークを、前記クローンに割当てる。
【0016】
本発明の仮想マシン制御装置の制御方法の一態様は、仮想基地局の基地局機能を提供するU−Plane基地局仮想マシンを制御する仮想マシン制御装置の制御方法であって、
ソフトウェアアップデートの対象となった前記U−Plane基地局仮想マシンの切替先となる切替先U−Plane基地局仮想マシンを選択するためパフォーマンスデータを、前記U−Plane基地局仮想マシンが配置された仮想マシンホスト内の複数のU−Plane基地局仮想マシンから取得し、
前記U−Plane基地局仮想マシンと連携するC−Plane基地局仮想マシン、及び、基地局ハードウェアの接続先を、前記U−Plane基地局仮想マシン又は前記切替先U−Plane基地局仮想マシンに切替え、
記前記C−Plane基地局仮想マシン、及び、前記基地局ハードウェアの接続先を、前記ソフトウェアアップデートの実行前は前記U−Plane基地局仮想マシンとし、前記ソフトウェアアップデートの実行後は前記切替先U−Plane基地局仮想マシンとする。
【0017】
本発明の管理装置の制御方法の一態様は、仮想基地局における基地局機能を提供するC−Plane基地局仮想マシンを制御する仮想マシン制御装置と接続される管理装置の制御方法であって、
ソフトウェアアップデート
の対象となった前記C−Plane基地局仮想マシンのクローンを起動するように前記仮想マシン制御装置に指示し、
起動された前記クローンに対して前記ソフ
トウェアアップデートを実行するように指示し、
前記対象となったC−Plane基地局仮想マシンに割当てられていたネットワークを、アップデートが実行された前記クローンに割当てるように、前記仮想マシン制御装置に指示する。
【0018】
本発明の管理装置の制御方法の一態様は、仮想基地局として基地局機能を提供するU−Plane基地局仮想マシンを制御する仮想マシン制御装置と接続される管理装置の制御方法であって、
ソフトウェアアップデートの対象となった前記U−Plane基地局仮想マシンと連携するC−Plane基地局仮想マシン、及び、基地局ハードウェアの接続先を、前記U−Plane基地局仮想マシンから切替先となるU−Plane基地局仮想マシンに切替えるように指示し、
前記U−Plane基地局仮想マシンに対して前記ソフトウェアアップデートを実行するように指示し、
前記ソフトウェアアップデートの実行後に、前記C−Plane基地局仮想マシン、及び、前記基地局ハードウェアの接続先を、前記切替先となるU−Plane基地局仮想マシンから前記U−Plane基地局仮想マシンに切替えるように指示する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、基地局仮想マシンのソフトウェアアップデートを実行する際に、仮想化基地局のサービス停止時間を短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の実施形態における管理システムについて、
図1を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態における管理システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、管理システムは、EMSクライアント10、EMSサーバ20、仮想マシン制御装置30、第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50、基地局ハードウェア70(図上、基地局HW70と示す)を備える。
【0022】
第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50は、基地局を仮想化するためのプラットフォームを提供する。
【0023】
第1仮想マシンホスト40のC−Plane基地局仮想マシン41は、基地局機能を実現するためのC−Plane部分を仮想マシン上で動作させたものである。呼処理接続情報は、C−Plane基地局仮想マシン41が配置される第1仮想マシンホスト40に接続された記憶装置60に保持される。
【0024】
U−Plane基地局仮想マシン51、52は、基地局機能を実現するためのU−Plane部分を仮想マシン上で動作させたものである。
【0025】
仮想基地局の機能は、例えば、C−Plane基地局仮想マシン41と、U−Plane基地局仮想マシン51と、基地局ハードウェア70が連携することで実現する。
【0026】
記憶装置60は、U−Plane基地局仮想マシン51、52と、C−Plane基地局仮想マシン41、クローン42との間で呼処理情報を共有するための記憶空間を提供する。また、C−Plane基地局仮想マシン41とそのクローン42の間で呼処理接続情報を引き継ぐための、呼処理接続情報の保持のための記憶空間を提供する。
【0027】
基地局ハードウェア70は、例えば、基地局のアンテナ、または、GPS(Global Positioning System)といったハードウェアである。
【0028】
以下、EMSクライアント10、EMSサーバ20、仮想マシン制御装置30について、説明する。
【0029】
(EMSクライアント)
EMSクライアント10は、EMSサーバ20を遠隔操作する端末である。ネットワーク管理者等は、EMSクライアント10を操作することで、EMSサーバ20から仮想マシン制御装置30に指示を送り、仮想基地局を構成する基地局仮想マシンを制御することができる。
図1に示すEMSクライアント10のGUI処理部11は、ソフトウェアアップデートに関するアップデート情報を入力する画面をモニタ(図示せず)に表示する。
【0030】
(EMSサーバ)
図1に示すように、EMSサーバ20は、クライアント制御部21、アップデート制御部
22、基地局SW管理部23、基地局制御部24を備える。
【0031】
クライアント制御部21は、EMSクライアント10のGUI処理部11に対して、基地局仮想マシンのソフトウェアアップデートに関するアップデート情報の入力画面を表示するよう指示する。
【0032】
さらに、クライアント制御部21は、EMSクライアント10からアップデート情報を取得し、取得したアップデート情報をアップデート制御部22へ渡す。アップデート情報は、例えば、アップデート開始日時、アップデート
の対象の基地局仮想マシン情報、アップデートに使用するソフトウェア情報である。
【0033】
アップデート制御部22は、アップデート開始日時になると、アップデート情報に含まれたソフトウェアのアップデートを仮想マシン制御装置30に指示する。
【0034】
ソフトウェアアップデートの対象がC−Plane基地局仮想マシン41である場合、アップデート制御部22は、C−Plane基地局仮想マシン41のクローン42に基地局SW管理部23が管理するアップデートプログラムを送信し、クローン42に対して、ソフトウェアアップデートを実行するように指示する。クローン42は、ソフトウェアアップデートを実行し、完了報告を仮想マシン制御装置30へ送信する。
【0035】
なお、アップデート制御部22は、基地局制御部24に対して、C−Plane基地局仮想マシン41が制御するセルを予閉塞する、又は、予閉塞を解除するように指示することもできる。
【0036】
一方、ソフトウェアアップデートの対象がU−Plane基地局仮想マシン51である場合、アップデート制御部22は、第2仮想マシンホスト50の中からU−Plane基地局仮想マシン51の切替先となるU−Plane基地局仮想マシンを選択する。
【0037】
具体的には、アップデート制御部22は、U−Plane基地局仮想マシン51が配置された第2仮想マシンホスト50における複数のU−Plane基地局仮想マシンのパフォーマンスデータを取得する。U−Plane基地局仮想マシンのパフォーマンスデータは、例えば、ユーザーデータ処理量、あるいは、セッション数である。アップデート制御部22は、例えば、U−Plane基地局仮想マシンのパフォーマンスデータに基づいて、複数のU−Plane基地局仮想マシンのうち、ソフトウェアアップデートの対象ではなく、最も負荷の少ないU−Plane基地局仮想マシンを切替先として選択する。アップデート制御部22は、切替先に選定されたU−Plane基地局仮想マシン52を仮想マシン制御装置30へ報告する。
【0038】
アップデート制御部22は、U−Plane基地局仮想マシン51と連携するC−Plane基地局仮想マシン41、及び、基地局ハードウェア70の接続先を、切替先となるU−Plane基地局仮想マシン52に切替える、あるいは、U−Plane基地局仮想マシン51に再び切替えるように仮想マシン制御装置30に指示する。
【0039】
アップデート制御部22は、U−Plane基地局仮想マシン51にアップデートプログラムを送信する。アップデート制御部22は、C−Plane基地局仮想マシン41、及び、基地局ハードウェア70の接続先が、切替先U−Plane基地局仮想マシン52に切替された後、ソフトウェアアップデートを実行するようにU−Plane基地局仮想マシン51に指示する。
【0040】
なお、アップデート制御部22は、基地局制御部24に対してU−Plane基地局仮想マシンが制御するセルを予閉塞する、もしくはセルの予閉塞を解除するように指示することができる。
【0041】
基地局SW管理部23は、仮想マシンホストに配置された基地局仮想マシンで使用しているソフトウェアを管理する。また、基地局SW管理部23は、管理するソフトウェアのアップデートプログラムを外部装置より取得する。
【0042】
基地局制御部24は、C−Plane基地局仮想マシンとU−Plane基地局仮想マシンに対してC−Plane、U−Planeに関する制御を行う。例えば、基地局制御部24は、U−Plane基地局仮想マシンに対してセルを予閉塞する、もしくは、セルの予閉塞を解除するように指示する。
【0043】
基地局制御部24は、仮想基地局切替制御部32に対して、C−Plane基地局仮想マシン41とそのクローン42の切替えを指示する。
【0044】
基地局制御部24は、第2仮想マシンホスト50内のU−Plane基地局仮想マシン51、52におけるパフォーマンスデータを取得できる。パフォーマンスデータは、例えば、ユーザーデータ処理量、セッション数等である。
【0045】
<仮想マシン制御装置>
仮想マシン制御装置30は、第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50を管理、制御し、第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50を制御可能とするAPI(Application Programming Interface)を提供する。
【0046】
図1に示すように、仮想マシン制御装置30は、仮想マシン制御部31、仮想基地局切替制御部32を備える。
【0047】
ソフトウェアアップデートの対象がC−Plane基地局仮想マシン41である場合、仮想マシン制御部31は、EMSサーバ20からの指示により、C−Plane基地局仮想マシン41が配置された第1仮想マシンホスト40のリソース情報を取得し、EMSサーバ20のアップデート制御部22へ報告する。リソース情報は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびメモリの使用率、あるいは、記憶装置60の空き容量である。
【0048】
第1仮想マシンホスト40にリソースがある場合、仮想マシン制御部31は、ソフトウェアアップデート
の対象となったC−Plane基地局仮想マシン41と同等の仮想マシン(以下、クローンと称する)を起動する。起動したクローン42は、呼処理用ネットワークには接続されず、一端、管理用ネットワークに接続される。
【0049】
仮想マシン制御装置30の仮想基地局切替制御部32は、クローン42がソフトウェアアップデートを実行した後、動作中のC−Plane基地局仮想マシン41に割り当てられているネットワークをクローン42に割り当てる。また、仮想基地局切替制御部32は、クローン42による記憶装置60へのアクセスを許可する。クローン42は、例えば、第1仮想マシンホスト40に接続された記憶装置60を介してC−Plane基地局仮想マシン41における既存の呼を引き継ぐ。
【0050】
次に、ソフトウェアアップデートの対象がU−Plane基地局仮想マシンの場合、仮想基地局切替制御部32は、U−Plane基地局仮想マシン51、52と連動して基地局機能を実現するC−Plane基地局仮想マシン41と基地局ハードウェア70を、アップデート制御部22より報告された切替先となるU−Plane基地局仮想マシン52に切替える。
【0051】
仮想マシン制御部31は、U−Plane基地局仮想マシン51、切替先となるU−Plane基地局仮想マシン52の仮想ハードウェアリソースを削減(スケールダウン)、もしくは追加(スケールアップ)する。
【0052】
次に、第1の実施形態における管理システムの動作について図面を用いて説明する。
図2は、管理システムの動作を示すフローチャートである。
【0053】
EMSサーバ20は、仮想基地局を構成する基地局仮想マシンに対してソフトウェアアップデートがあることを機器ベンダ等より入手し、EMSクライアント10に対して基地局仮想マシンにソフトウェアアップデートがあることを通知する。
【0054】
EMSサーバ20のクライアント制御部21は、EMSクライアント10のGUI処理部11に対して基地局仮想マシンのソフトウェアアップデートに関するアップデート情報の入力画面を表示するよう指示する。
【0055】
EMSクライアント10のGUI処理部11は、アップデート情報の入力画面を表示する(ステップS1)。アップデート情報の例は、アップデートの開始日時、アップデートの対象となる基地局仮想マシン情報、あるいは、アップデートで使用するソフトウェア情報である。基地局仮想マシン情報の一例は、基地局仮想マシンの識別子である。ソフトウェア情報の一例は、ソフトウェア識別子である。
【0056】
アップデート情報は、例えば、入力画面を介してネットワーク管理者等によって入力される。入力されたアップデート情報は、EMSクライアント10からEMSサーバ20に渡される。アップデート制御部22は、アップデート情報を取得する(ステップS2)。
【0057】
アップデート制御部22は、アップデート情報に基づいて、ソフトウェアップデートの対象が基地局仮想マシンのC−Plane側か否かを判定する(ステップS3)。
【0058】
はじめに、ソフトウェアップデートの対象がC−Plane基地局仮想マシンの場合について説明する。
【0059】
ステップS3の判定結果がC−Planeの場合(ステップS3のYES)、EMSサーバ20のアップデート制御部22は、C−Plane基地局仮想マシン41が配置されている第1仮想マシンホスト40のリソース情報を取得するように、仮想マシン制御装置30の仮想マシン制御部31に指示する。
【0060】
仮想マシン制御部31は、C−Plane基地局仮想マシン41が配置されている第1仮想マシンホスト40のリソース情報を取得し(ステップS4)、取得したリソース情報をEMSサーバ20のアップデート制御部22へ渡す。
【0061】
EMSサーバ20のアップデート制御部22は、リソース情報に基づいて、第1仮想マシンホスト40上でC−Plane基地局仮想マシン41のクローン42を起動させることができるか判定する(ステップS5)。クローン42の起動に必要なリソースの情報は、アップデート制御部22に予め登録されていてもよく、あるいは、判定の前に他装置から取得してもよい。
【0062】
アップデート制御部22は、クローン42を起動する前準備のためにEMSサーバ20の基地局制御部24に対して、UE(User Equipment)からC−Plane基地局仮想マシン41へ新規な呼受入の停止を指示する。基地局制御部24は、C−Plane基地局仮想マシン41にセルの予閉塞を指示する。C−Plane基地局仮想マシン41はセルを予閉塞する(ステップS6)。
【0063】
C−Plane基地局仮想マシン41の予閉塞が完了した後、仮想マシン制御部31は、第1仮想マシンホスト40内にC−Plane基地局仮想マシン41のクローン42を作成して起動する(ステップS7)。その際、C−Plane基地局仮想マシン41は動作したままとする。
【0064】
クローン42の起動後、アップデート制御部22は、アップデート情報に示されたアップデートプログラムをクローン42に送信し、クローン42に対してソフトウェアアップデートを指示する。クローン42は、アップロードプログラムを検証し有効化して、ソフトウェアアップデートを実行する(ステップS8)。クローン42は、ソフトウェアアップロードの完了をアップデート制御部22に報告する。
【0065】
アップデート完了後、アップデート制御部22は、仮想マシン制御装置30にアップデートの完了を報告する。アップデート制御部22は、基地局制御部24に仮想マシンの切替を指示する。基地局制御部24は、C−Plane基地局仮想マシン41とクローン42を切替るように、仮想基地局切替制御部32に指示する。仮想マシン制御装置30の仮想基地局切替制御部32は、C−Plane基地局仮想マシン41とクローン42を切替る(ステップS9)。
【0066】
具体的には、仮想基地局切替制御部32は、動作中のC−Plane基地局仮想マシン41に割り当てられているネットワークをクローン42に割り当てる。また、仮想基地局切替制御部32は、クローン42による記憶装置60へのアクセスを許可する。クローン42は、第1仮想マシンホスト40に接続された記憶装置60を介してC−Plane基地局仮想マシン41における既存の呼を引き継ぐ。
【0067】
アップデート制御部22は、元々動作していたC−Plane基地局仮想マシン41を停止する、もしくは削除するように、仮想マシン制御部31に指示する。仮想マシン制御部31は、古いソフトウェアのC−Plane基地局仮想マシン41の停止もしくは削除を実行する(ステップS10)。なお、削除又は停止は、ステップS1のアップデート情報の入力によって指定されてもよく、クローン42が配置される第1仮想マシンホスト40のリソース状況に応じて選択されてもよい。
【0068】
アップデート制御部22は、UEからの新規の呼受入停止を解除するように、基地局制御部24に指示する。基地局制御部24は、クローン42にセルの予閉塞の解除を指示し、クローン42は、セルの予閉塞を解除する(ステップS11)。
【0069】
なお、ステップS5において、クローン42の起動可否の判定の際、第1仮想マシンホスト40の負荷状況によって、クローン42が起動作成できない場合(ステップS5のNO)、アップデート制御部22は、EMSサーバ20のクライアント制御部21に対してEMSクライアント10に警告メッセージを出すように指示する。アップデート制御部22は、所定時間待機し(ステップS12)、ステップS4の処理に戻る。
【0070】
次に、ソフトウェアップデートの対象がU−Plane基地局仮想マシンの場合について説明する。
【0071】
ステップS3の判定結果がC−Planeでない場合(ステップS3のNO)
、アップデート制御部22は、第2仮想マシンホスト50に配置されているU−Plane基地局仮想マシンのPM(Performance Management)データを取得して送信するように、仮想マシン制御部31に指示する。アップデート制御部22は、仮想マシン制御部31からPMデータを取得する(ステップS21)。
【0072】
アップデート制御部22は、取得したPMデータに基づいて、第2仮想マシンホスト50のうち、U−Plane基地局仮想マシン51の機能部の切替先となるU−Plane基地局仮想マシンを選定する(ステップS22)。切替先となるU−Plane基地局仮想マシンは、例えば、PMデータに基づいて、第2仮想マシンホスト内で、U−Plane基地局仮想マシン51を除いて、最も負荷が低いU−Plane基地局仮想マシンが選定される。
【0073】
なお、仮想基地局における基地局の機能は、U−Plane基地局仮想マシン、C−Plane基地局仮想マシン、及び、基地局ハードウェアの固定的な組み合わせによって実現される。このため、単純にU−Plane基地局仮想マシン51を停止すると、基地局ハードウェアから電波を放射できなくなる上に、連携していたC−Plane基地局仮想マシンのリソースも使われなくなってしまう。上記を考慮したU−Plane基地局仮想マシンの停止等について以下に説明する。
【0074】
まず、アップデート制御部22は、基地局制御部24に対してU−Plane基地局仮想マシン51で制御するセルを予閉塞するように指示する。基地局制御部24は、U−Plane基地局仮想マシン51にセルの予閉塞を実行するように指示し、U−Plane基地局仮想マシン51にセルの予閉塞を実行する(ステップS23)。
【0075】
基地局制御部24は、U−Plane基地局仮想マシン51のセルの既存呼数を監視し、当該セルの呼がすべて解放されるまで待機する(ステップS24)。基地局制御部24は、呼がすべて解放されたらアップデート制御部22に報告する。なお、予めタイマーを設定しておき、所定時間が過ぎた場合、セルの呼がすべて解放されるのを待たずに閉塞してもよい。
【0076】
仮想マシン制御装置30の仮想基地局切替制御部32は、U−Plane基地局仮想マシン51と連携するC−Plane基地局仮想マシン41と基地局ハードウェア70が、ステップS22で選定された切替先となるU−Plane基地局仮想マシン52と連携するように、第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50に接続先の切替えを指示する。第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50は、C−Plane基地局仮想マシン41と基地局ハードウェア70の接続先をU−Plane基地局仮想マシン52に切替える(ステップS25)。
【0077】
具体的には、仮想基地局切替制御部32は、基地局ハードウェア70を切り替えるためにMFH(Mobile Front−Haul)と第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50の間、もしくは第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50内に存在するネットワークスイッチ(図示せず)に対して切替を指示する。
【0078】
また、仮想基地局切替制御部32は、C−Plane基地局仮想マシン41との接続を切り替えるために、第1仮想マシンホスト40内、第2仮想マシンホスト50内、もしくは第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50間に存在するネットワークスイッチ(図示せず)に切替えを指示する。
【0079】
仮想マシン制御部31は、第2仮想マシンホスト50における各U−Plane基地局仮想マシンのスケール調整を実行する(ステップS26)。具体的には、仮想マシン制御部31は、U−Plane基地局仮想マシン51の仮想ハードウェアリソース(CPU、メモリ等)を予め設定した値までスケールダウン(削減)する。更に、仮想マシン制御部31は、スケールダウンした分の仮想ハードウェアリソースを切替先となるU−Plane基地局仮想マシン52にスケールアップ(追加)する。仮想マシン制御部31は、仮想ハードウェアリソースのスケールアップを実行した後、アップデート制御部22にスケールアップの完了を通知する。
【0080】
EMSサーバ20のアップデート制御部22は、基地局制御部24に対して該当セルの予閉塞の解除を指示する。指示を受けた基地局制御部24は、切替先のU−Plane基地局仮想マシン52おけるセルの予閉塞を解除する(ステップS27)
アップデート制御部22は、基地局SW管理部23よりステップS1で指定されたアップロードプログラムを取得し、U−Plane基地局仮想マシン51に送信する。アップデート制御部22は、ソフトウェアアップデートを実行するように、U−Plane基地局仮想マシン51に指示する。U−Plane基地局仮想マシン51は、ソフトウェアのアップデート(図中SWアップデートと示す。SW:Software)を実行する(ステップS28)。
【0081】
アップデート制御部22は、切替先のU−Plane基地局仮想マシン52で制御するセルの予閉塞を実行するように、基地局制御部24に指示する。それを受けた基地局制御部24は、切替先のU−Plane基地局仮想マシン52のセルを予閉塞する(ステップS29)。
【0082】
基地局制御部24は、該当セルの既存呼数を監視し、呼がすべて解放されるまで待機する(ステップS30)。基地局制御部24は、呼がすべて解放されたらアップデート制御部22に報告する。なお、予めタイマーを設定しておき、所定時間を過ぎた場合、呼の解放を待たずに閉塞してもよい。アップデート制御部22は、仮想マシン制御装置30にソフトウェアアップデート処理が完了したことを報告する。
【0083】
仮想マシン制御部31は、第2仮想マシンホスト50における各U−Plane基地局仮想マシンのスケールを調整する(ステップS31)。具体的には、仮想マシン制御部31は、古いソフトウェアのU−Plane基地局仮想マシン51の仮想ハードウェアリソースを予め設定してある値までスケールダウンする。さらに、切替先のU−Plane基地局仮想マシン52の仮想ハードウェアリソースをスケールアップし、ステップS26より前と同じ値に戻す。
【0084】
仮想基地局切替制御部32は、切替先となったU−Plane基地局仮想マシン52からアップデートされたU−Plane基地局仮想マシン51に接続先を切替えるように第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50に指示する。具体的には、仮想基地局切替制御部32は、MFH(Mobile Front haul)と第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50の間、もしくは第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50内に存在するネットワークスイッチに切替を指示する。
【0085】
第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50は、C−Plane基地局仮想マシン41と基地局ハードウェア70の接続先をU−Plane基地局仮想マシン51に切替える(ステップS32)切り替え完了後、仮想基地局切替制御部32はアップデート制御部22に通知する。
【0086】
アップデート制御部22は、基地局制御部24に当該セルの予閉塞解除を指示する。基地局制御部24は、アップデートされたU−Plane基地局仮想マシン51に当該セルの予閉塞解除する(ステップS33)。
【0087】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態は、ソフトウェアアップデートの制御機能をEMSサーバに適用させた例で説明したが、これに限られない。例えば、仮想基地局を局建する際に使用する基地局構築サーバ、又は、ツールに適用してもよい。第1の実施形態におけるEMSサーバ20は、仮想マシンによって提供されてもよく、第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50は、それぞれ複数設置されてもよい。第1仮想マシンホスト40のC−Plane基地局仮想マシン、又は、第2仮想マシンホストのU−Plane基地局仮想マシンは、それぞれ複数で配置されてもよい。記憶装置60は、第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50のそれぞれに設置されてもよい。
【0088】
なお、EMSサーバは、基地局だけに限らず、基地局を含む複数の装置とそれを収容するEMSサーバ相当の装置、オーケストレーター、MANO(Management and Network Orchestration)、あるいは、VNFM(Virtual Network Functions Manager)に適用してもよい。
【0089】
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態によれば、仮想化基地局の機能を提供する仮想マシンのソフトウェアアップデートを実行する際に、仮想化基地局のサービス停止時間を短縮することができる。
第1の理由は、アップデート
の対象のC−Plane基地局仮想マシンのクローンを起動し、当該クローンにソフトウェアアップデートを施した後、アップデート
の対象のC−Plane基地局仮想マシンのネットワークをアップデートされたクローンに切替えるからである
。
第2の理由は、アップデート
の対象のU−Plane基地局仮想マシンと連携するC−Plane基地局仮想マシン、及び、基地局ハードウェアの接続先を、他のU−Plane基地局仮想マシンに切替え、その間に、対象となるU−Plane基地局仮想マシンのソフトウェアアップデートを実行して、元のU−Plane基地局仮想マシンに切替えるからである。
【0090】
また、第1の実施形態によれば、基地局のソフトウェアアップデートに伴うサービス停止を低減することができるため、サービス停止の影響を考慮した基地局のアップデートスケジューリング作成の簡易化も期待できる。
【0091】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態における管理システムの構成を示すブロック図である。管理システムは、管理装置200、仮想マシン制御装置300、第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500、基地局ハードウェア700を含む。
【0092】
管理装置200が管理する仮想基地局は、第1仮想マシンホスト400のC−Plane基地局仮想マシン410と、第2仮想マシンホスト500のU−Plane基地局仮想マシン510と、基地局ハードウェア700が連携することにより基地局として機能する。基地局ハードウェア700は、例えば、アンテナ、又は、GPS(Global Positioning System)といった仮想基地局を構成するハードウェアである。
【0093】
(仮想マシン制御装置)
図5は、第1の実施形態における仮想マシン制御装置の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、仮想マシン制御装置300は、仮想マシン制御部310と、
仮想基地局切替制御部320を備える。
【0094】
仮想マシン制御装置300は、第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500にそれぞれ配置される基地局仮想マシンを制御する。基地局仮想マシンは、仮想基地局の基地局機能を提供する仮想マシンである。仮想マシン制御装置300は、管理装置200と接続され、仮想基地局を構成する基地局仮想マシンを制御するための各種指示を管理装置200から受信する。
【0095】
図6は、第1仮想マシンホスト400と第2仮想マシンホスト500に配置される基地局仮想マシンを説明する説明図である。
図6では、第1仮想マシンホスト400には、C−Plane基地局仮想マシン410、クローン420が配置され、第2仮想マシンホスト500には、U−Plane基地局仮想マシン510、520が配置される。
【0096】
仮想マシン制御部310は、C−Plane基地局仮想マシン410へのソフトウェアアップデートの際に、ソフトウェアアップデート
の対象となった基地局仮想マシン410のクローン420を起動し、起動したクローン420に対してソフ
トウェアアップデートを実行する。クローン420の一例は、基地局仮想マシン410の複製となる仮想マシンである。
【0097】
U−Plane基地局仮想マシン510をソフトウェアアップデートする場合、仮想マシン制御部310は、U−Plane基地局仮想マシン510と連携するC−Plane基地局仮想マシン410、及び、基地局ハードウェア700が、切替先となるU−Plane基地局仮想マシン520に切替わった後、U−Plane基地局仮想マシン510のソフトウェアアップデートを実行する。
【0098】
また、仮想マシン制御部310は、ソフトウェアアップデートの対象となったU−Plane基地局仮想マシン510以外の基地局仮想マシンのパフォーマンスデータを第2仮想マシンホスト500から取得し、管理装置200に送信する。
【0099】
仮想基地局切替制御部320は、ソフトウェアアップデートの対象となったC−Plane基地局仮想マシン410に割当てられていたネットワークを、アップデートが実行されたクローン420に割当てるように第1仮想マシンホスト400に指示する。
【0100】
また、
仮想基地局切替制御部320は、U−Plane基地局仮想マシン510と連携するC−Plane基地局仮想マシン410、及び、基地局ハードウェア700の接続先を、ソフトウェアアップデート実行前に、U−Plane基地局仮想マシン520に切替えるように第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500に指示する。さらに、
仮想基地局切替制御部320は、ソフトウェアアップデート実行後に、C−Plane基地局仮想マシン410、及び、基地局ハードウェア700の接続先をU−Plane基地局仮想マシン520からU−Plane基地局仮想マシン510に切替えるように第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500に指示する。
【0101】
(管理装置)
管理装置200は、仮想基地局を構成する基地局仮想マシンを制御する仮想マシン制御装置300と接続され、基地局仮想マシンを制御するための各種指示を仮想マシン制御装置300に送信する。
【0102】
図7は、第2の実施形態における管理装置の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、管理装置200は、アップデート制御部220と、基地局制御部240を備える。
【0103】
アップデート制御部220は、C−Plane基地局仮想マシン410へのソフトウェアアップデートの際に、ソフトウェアアップデート
の対象となったC−Plane基地局仮想マシン410のクローン420を起動し、起動したクローン420に対してソフ
トウェアアップデートを実行するように、仮想マシン制御装置300に指示する。
【0104】
また、アップデート制御部220は、U−Plane基地局仮想マシンのソフトウェアアップデートの際に、ソフトウェアアップデートの対象となったU−Plane基地局仮想マシン510と連携するC−Plane基地局仮想マシン410、及び、基地局ハードウェア700が、U−Plane基地局仮想マシン510の切替先となったU−Plane基地局仮想マシン520に切替された後、U−Plane基地局仮想マシン510のソフトウェアアップデートを実行するように仮想マシン制御装置300に指示する。
【0105】
また、アップデート制御部220は、ソフトウェアアップデータの対象となったU−Plane基地局仮想マシン510以外のU−Plane基地局仮想マシンのパフォーマンスデータを仮想マシン制御装置300から取得し、パフォーマンスデータに基づいて、切替先となるU−Plane基地局仮想マシンを選定する。
【0106】
基地局制御部240は、C−Plane基地局仮想マシンをソフトウェアアップデートする場合、ソフトウェアアップデートの対象となったC−Plane基地局仮想マシン410に割当てられていたネットワークを、アップデートが実行されたクローン420に割当てるように仮想マシン制御装置300に指示する。
【0107】
また、基地局制御部240は、U−Plane基地局仮想マシンのソフトウェアアップデートの際、U−Plane基地局仮想マシン510と連携するC−Plane基地局仮想マシン410、及び、基地局ハードウェア700の接続先を、ソフトウェアアップデート実行前に、U−Plane基地局仮想マシン520に切替えるように、仮想マシン制御装置300に指示する。さらに、基地局制御部240は、ソフトウェアアップデート実行後に、C−Plane基地局仮想マシン410、及び、基地局ハードウェア700の接続先をU−Plane基地局仮想マシン520からU−Plane基地局仮想マシン510に切替えるように仮想マシン制御装置300に指示する。
【0108】
次に、第2の実施形態における管理システムの動作について図面を用いて説明する。第2の実施形態の管理システムの動作を示すフローチャートである。
図8に示すように、管理装置200のアップデート制御部220は、ソフトウェアアップデートの対象となる基地局仮想マシンが、C−Planeであるか否か判定する(ステップS81)。
【0109】
ステップS81の判定結果がC−Planeの場合(ステップS81のYES)、アップデート制御部220は、仮想マシン制御装置300の仮想マシン制御部31に、C−Plane基地局仮想マシン410のクローン420を起動するように指示する。
【0110】
仮想マシン制御部310は、第1仮想マシンホスト400内にC−Plane基地局仮想マシン410のクローン420を起動する(ステップS82)。
【0111】
クローン420の起動後、アップデート制御部220は、アップデートプログラムをクローン420に送信し、クローン420に対してソフトウェアアップデートを指示する。クローン420は、アップロードプログラムを検証し有効化して、ソフトウェアアップデートを実行する(ステップS83)。クローン420は、ソフトウェアアップロードの完了をアップデート制御部220に報告する。
【0112】
アップデート制御部220は、基地局制御部240に仮想マシンの切替を指示する。基地局制御部240は、C−Plane基地局仮想マシン410とクローン420を切替るように、仮想マシン制御装置300の仮想基地局切替制御部320に指示する。仮想基地局切替制御部320は、C−Plane基地局仮想マシン410とクローン420を切替る(ステップS84)。
【0113】
具体的には、仮想基地局切替制御部320は、動作中のC−Plane基地局仮想マシン410に割り当てられているネットワークをクローン420に割り当てる。クローン42は、C−Plane基地局仮想マシン41における既存の呼を引き継ぐ。
【0114】
一方、ステップS81の判定結果がC−Planeでない場合(ステップS81のNO)、管理装置200のアップデート制御部220は、アップデート
の対象のU−Plane基地局仮想マシン51の機能部の切替先となるU−Plane基地局仮想マシンを選定する。
【0115】
切替先となるU−Plane基地局仮想マシンの選定は、第2仮想マシンホスト500に配置されている複数のU−Plane基地局仮想マシンのPM(Performance Management)データ(パフォーマンスデータとも称する)に基づいて選定される。例えば、PMデータに基づいて、第2仮想マシンホスト内で、U−Plane基地局仮想マシン510を除いて、最も負荷が低いU−Plane基地局仮想マシン520が選定される。
【0116】
仮想マシン制御装置300の仮想基地局切替制御部320は、U−Plane基地局仮想マシン510と連携するC−Plane基地局仮想マシン410と基地局ハードウェア700が、切替先となるU−Plane基地局仮想マシン520と連携するように、第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500に接続先の切替えを指示する。第1仮想マシンホスト40、第2仮想マシンホスト50は、C−Plane基地局仮想マシン41と基地局ハードウェア70の接続先をU−Plane基地局仮想マシン52に切替える(ステップS85)。
【0117】
具体的には、仮想基地局切替制御部320は、基地局ハードウェア700を切り替えるためにMFH(Mobile Front−Haul)と第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500の間、もしくは第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500内に存在するネットワークスイッチ(図示せず)に対して切替を指示する。
【0118】
また、仮想基地局切替制御部320は、C−Plane基地局仮想マシン410との接続を切り替えるために、第1仮想マシンホスト400内、第2仮想マシンホスト500内、もしくは第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500間に存在するネットワークスイッチ(図示せず)に切替えを指示する。
【0119】
管理装置200のアップデート制御部220は、アップデートプログラムをU−Plane基地局仮想マシン510に送信し、ソフトウェアアップデートの実行をU−Plane基地局仮想マシン510に指示する。切替先のU−Plane基地局仮想マシン510は、ソフトウェアのアップデート(図中SWアップデートと示す。SW:Software)を実行する(ステップS86)。
【0120】
仮想基地局切替制御部320は、切替先となったU−Plane基地局仮想マシン520からアップデートされたU−Plane基地局仮想マシン510に接続先を切替えるように第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500に指示する。具体的には、仮想基地局切替制御部320は、MFHと第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500の間、もしくは第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500内に存在するネットワークスイッチに切替を指示する。
【0121】
第1仮想マシンホスト400、第2仮想マシンホスト500は、C−Plane基地局仮想マシン410と基地局ハードウェア700の接続先をU−Plane基地局仮想マシン510に切替える(ステップS87)。
【0122】
次に、第2の実施形態の仮想マシン制御装置の動作について図面を用いて説明する。
【0123】
図9は、第2の実施形態の仮想マシン制御装置の
第1の動作を示すフローチャートである。具体的には、C−Plane基地局仮想マシン410のソフトウェアアップデートにおける仮想マシン制御装置300の動作を示すフローチャートである。
【0124】
図9に示すように、仮想マシン制御装置300の仮想マシン制御部310は、ソフトウェアアップデートの対象となったC−Plane基地局仮想マシン410のクローン420を起動する(ステップS91)。
【0125】
仮想マシン制御装置300の
仮想基地局切替制御部320は、クローン420がソフトウェアアップデートを実行した後、C−Plane基地局仮想マシン410に割当てられていたネットワークを、クローン420に割当てる(ステップS92)。
【0126】
図10は、第2の実施形態の仮想マシン制御装置の
第2の動作を示すフローチャートである。具体的には、U−Plane基地局仮想マシン510のソフトウェアアップデートにおける仮想マシン制御装置300の動作を示すフローチャートである。
【0127】
図10に示すように、仮想マシン制御装置300の仮想マシン制御部310は、ソフトウェアアップデートの対象となったU−Plane基地局仮想マシン510の切替先となるU−Plane基地局仮想マシンを選択するためパフォーマンスデータを、U−Plane基地局仮想マシン520が配置された第2仮想マシンホスト500内の複数のU−Plane基地局仮想マシンから取得する(ステップS101)。
【0128】
仮想マシン制御装置300の
仮想基地局切替制御部320は、U−Plane基地局仮想マシン510と連携するC−Plane基地局仮想マシン410、及び、基地局ハードウェア700の接続先を、U−Plane基地局仮想マシン510から切替先となるU−Plane基地局仮想マシン520に切替える(ステップS102)。
【0129】
仮想基地局切替制御部320は、U−Plane基地局仮想マシン510がソフトウェアアップデートを実行した後に、C−Plane基地局仮想マシン410、及び、基地局ハードウェア700の接続先を、切替先となるU−Plane基地局仮想マシン520からU−Plane基地局仮想マシン510に切替える(ステップS103)。
【0130】
次に、第2の実施形態の管理装置の動作について図面を用いて説明する。
図11は、第2の実施形態の管理装置の
第1の動作を示すフローチャートである。具体的には、C−Plane基地局仮想マシン410のソフトウェアアップデートにおける管理装置200の動作を示すフローチャートである。
【0131】
管理装置200のアップデート制御部220は、ソフトウェアアップデートの対象となったC−Plane基地局仮想マシン410のクローン420を起動するように仮想マシン制御装置300に指示する(ステップS111)。
【0132】
アップデート制御部220は、起動されたクローン420に対してソフ
トウェアアップデートを実行するように指示する(ステップS112)。
【0133】
基地局制御部240は、クローン420がソフトウェアアップデートを実行した後、C−Plane基地局仮想マシン410に割当てられていたネットワークを、アップデートが実行されたクローン420に割当てるように、仮想マシン制御装置300に指示する(ステップS113)。
【0134】
図12は、第2の実施形態の管理装置の
第2の動作を示すフローチャートである。具体的には、U−Plane基地局仮想マシン510のソフトウェアアップデートにおける管理装置200の動作を示すフローチャートである。
【0135】
管理装置200の基地局制御部240は、ソフトウェアアップデートの対象となったU−Plane基地局仮想マシン510と連携するC−Plane基地局仮想マシン410、及び、基地局ハードウェア700の接続先を、U−Plane基地局仮想マシン510から切替先となるU−Plane基地局仮想マシン520に切替えるように指示する(ステップS121)。
【0136】
アップデート制御部220は、U−Plane基地局仮想マシン510に対してソフトウェアアップデートを実行するように指示する(ステップS122)。
【0137】
基地局制御部240は、ソフトウェアアップデートの実行後に、切替先となるU−Plane基地局仮想マシン520からU−Plane基地局仮想マシン510に切替えるように指示する(ステップS123)。
【0138】
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態によれば、基地局仮想マシンのソフトウェアアップデートを実行する際に、仮想化基地局のサービス停止時間を短縮することができる。
第1の理由は、アップデート
の対象のC−Plane基地局仮想マシンのクローンを起動し、当該クローンにソフトウェアアップデートを施した後、アップデート
の対象のC−Plane基地局仮想マシンのネットワークをアップデートされたクローンに切替えるからである。
【0139】
第2の理由は、アップデート
の対象のU−Plane基地局仮想マシンと連携するC−Plane基地局仮想マシン、及び、基地局ハードウェアの接続先を、他のU−Plane基地局仮想マシンに切替え、その間に、対象となるU−Plane基地局仮想マシンのソフトウェアアップデートを実行して、元のU−Plane基地局仮想マシンに切替えるからである。
【0140】
(ハードウェア構成)
図13は、第1、第2の実施形態における管理装置、EMSサーバ、仮想マシン制御装置、仮想マシンホストをコンピュータで実現するハードウェア構成を示す図である。
【0141】
第1、第2の実施形態において、管理装置等の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。管理装置等の各構成要素の一部又は全部は、例えば、図
13に示すようなコンピュータ900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現される。コンピュータ900は、一例として、以下のような構成を含む。
CPU901、
ROM(Read Only Memory)902、
RAM(Ramdom Access Memory)903、
RAM903にロードされるプログラム904、
プログラム904を格納する記憶装置905、
記憶媒体906の読み書きを行うドライブ装置907、
通信ネットワーク909と接続する通信インターフェース908、
データの入出力を行う入出力インターフェース910、
各構成要素を接続するバス911
管理装置等の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が取得して実行することで実現される。各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905又はRAM903に格納されており、必要に応じてCPU901が読み出す。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記憶媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0142】
管理装置等の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、管理装置等は、各構成要素にそれぞれ別個のコンピュータ900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、管理装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータ900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0143】
また、管理装置等の各構成要素の一部又は全部は、その他の汎用または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。また、コンピュータ900の代わりにFPGA(Field−Programmable Gate Array)のようなプログラマブルロジックデバイスを用いてもよい。
【0144】
さらに、管理装置等の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0145】
また、管理装置等の各構成要素の一部又は全部が複数のコンピュータや回路等により実現される場合には、複数のコンピュータや回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、コンピュータや回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0146】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。