(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自動バレー車両(100)が駐車場(300)で自動運転を行って空き駐車スペースまで移動して駐車を行うとともに、マニュアル車両(110)の前記駐車場内での駐車も許容する自動バレー駐車システム(200)であって、
前記自動バレー車両の前記駐車場への入庫を許可し、又は制限する第1ゲート(28)と、
前記マニュアル車両の前記駐車場への入庫を許可し、又は制限する第2ゲート(27)と、
前記第1ゲートと前記第2ゲートとを異なる条件で入庫の制限をする制御手段(25)と、
を備えた自動バレー駐車システム。
前記制御手段は、前記第1ゲートに自動バレー車両の入庫を制限させる前に、前記第2ゲートにマニュアル車両の入庫を制限させる、請求項1に記載の自動バレー駐車システム。
前記制御手段は、前記駐車場の空き駐車スペース数(r)が所定数(a)以下であるときに、前記第2ゲートにマニュアル車両の入庫を制限させる、請求項2に記載の自動バレー駐車システム。
自動バレー車両(100)の駐車場(300)への入庫を許可し、又は制限する第1ゲート(28)と、マニュアル車両(110)の前記駐車場への入庫を許可し、又は制限する第2ゲート(27)とを備え、前記自動バレー車両が駐車場で自動運転を行って空き駐車スペースまで移動して駐車を行うとともに、前記マニュアル車両の前記駐車場内での駐車も許容する自動バレー駐車システムにおけるゲート開閉制御装置(25)であって、
前記第1ゲートと前記第2ゲートとを異なる条件で入庫の制限をするゲート開閉制御装置。
請求項8に記載の自動バレー駐車システムに用いる自動バレー車両であって、自動バレー車両であることを示す情報を、前記判別手段によって読み出し可能に記憶した記憶部を備えた、自動バレー車両。
請求項8に記載の自動バレー駐車システムに用いる自動バレー車両であって、自動バレー車両であることを示す情報を前記判別手段に送信する通信部を備えた、自動バレー車両。
請求項5ないし7のいずれかに記載の自動バレー駐車システムに用いる自動バレー車両であって、前記予約手段に対して、無線通信で前記駐車予約の要求を送信する予約要求手段(12)を備えた、自動バレー車両。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0020】
本明細書において、「自動バレー駐車」とは、典型的には車両に運転者が搭乗しない状態で自律運転によって空き駐車スペースを探索して駐車をすることをいうが、運転者が搭乗した状態で自律運転を行う場合、及び運転者が自律運転を補助(例えば、車両が立ち往生した場合にドライバの運転操作により運転する等)する場合を含んでよく、米国自動車技術会(Society of Automotive Engineers:SAE)の定義による自動化レベル2相当以上のオートパイロットによる駐車を含んでよい。
【0021】
また、「マニュアル駐車」とは、典型的には運転者が車両を運転しながら空き駐車スペースを探索して駐車をすることをいうが、一部において車両が運転者の運転を補助(例えば、周辺物体と接触しそうな場合の自動制動等)する場合を含んでよく、SAEの定義による自動化レベル1相当のオートパイロットによる駐車を含んでよい。
【0022】
自動バレー車両は、自動バレー駐車システムごと定義することができ、例えば、ある態様の自動バレー駐車システムでは、完全な自動運転(SAEの自動化レベル5相当)、即ち無人での自動運転が可能な車両を自動バレー車両として扱ってよく、別の態様の自動バレー駐車システムでは、SAEの自動化レベル4相当以上の自動運転が可能な車両を自動バレー車両として扱ってよい。本実施の形態では、無人での自動運転による駐車が可能な車両を自動バレー車両として扱い、無人での自動運転による駐車が不可能又は許可されていない車両をマニュアル車両として扱う。
【0023】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の自動バレー駐車システムが導入された場所の模式図である。
図1に示すように、商業施設500の近くには駐車場300が設けられている。本実施の形態の駐車場300には、駐車スペースとして車両1台ごとに区画された複数の駐車スロットが設けられている。各駐車スロットは、自動バレー車両100とマニュアル車両110の何れも駐車できる駐車スペースとして提供されている。
【0024】
駐車場300には、自動バレー車両入庫ゲートG11と、マニュアル車両入庫ゲートG21と、自動バレー車両出庫ゲートG12と、マニュアル車両出庫ゲートG22が設けられている。自動バレー車両入庫ゲートG11、マニュアル車両入庫ゲートG21、自動バレー車両出庫ゲートG12、及びマニュアル車両出庫ゲートG22は、それぞれ駆動装置によって、車両の通過を制限する遮断位置と車両の通過を許可する通過許可位置との間を駆動可能な遮断バーを備えている。
【0025】
自動バレー車両入庫ゲートG11、マニュアル車両入庫ゲートG21、自動バレー車両出庫ゲートG12、及びマニュアル車両出庫ゲートG22には、車両センサが設けられている。遮断バーは、車両センサにて車両を検出しないときには遮断位置にあり、車両センサが車両を検出すると、当該車両の通過を許可する場合には通過許可位置に駆動する。車両の通過を許可しない場合には、各ゲートは遮断バーを遮断位置のままとして、音声や表示により通過を許可できない旨の案内を出力する。
【0026】
自動バレー車両入庫ゲートG11及びマニュアル車両入庫ゲートG21は、それぞれ自動バレー車両100及びマニュアル車両110の駐車場300への入庫を許可し、又は制限し、自動バレー車両出庫ゲートG12及びマニュアル車両出庫ゲートG22は、それぞれ自動バレー車両100及びマニュアル車両110の駐車場300からの出庫を許可し、又は制限する。
【0027】
自動バレー車両100は、自動バレー車両入庫ゲートG11を通って駐車場300に入庫でき、自動バレー車両出庫ゲートG12を通って駐車場300から出庫できる。マニュアル車両110は、マニュアル車両入庫ゲートG21を通って駐車場300に入庫でき、マニュアル車両出庫ゲートG22を通って駐車場300から出庫できる。このように、自動バレー車両100とマニュアル車両110とで入庫ゲートを分けることで、入庫の許否を自動バレー車両100とマニュアル車両110とで個別に制御できる。さらに、自動バレー車両100とマニュアル車両110とで出庫ゲートを分けることで、入庫している自動バレー車両100の台数とマニュアル車両110の台数をそれぞれ把握できる。
【0028】
商業施設500の近くには、駐車場300に入庫する自動バレー車両100から運転者を含む乗員が降車するための降車用車寄せP1と、駐車場300から出庫する自動バレー車両100に運転者を含む乗員が乗車するための乗車用車寄せP2が設けられている。本実施の形態では、自動バレー車両入庫ゲートG11より自動バレー車両100の移動方向の上流側に降車用車寄せP1が設けられ、自動バレー車両出庫ゲートG21より自動バレー車両100の移動方向の下流側に乗車用車寄せP2が設けられる。
【0029】
これにより、降車用車寄せP1で運転者を含む乗員が降車した状態の無人の自動バレー車両100が自動バレー車両入庫ゲートG11を通過して駐車場300に入庫する。また、駐車場300から出庫して自動バレー車両出庫ゲートG21を通過してきた無人の自動バレー車両100が乗車用車寄せP2で停車して、この自動バレー車両100に運転者を含む乗員が乗り込む。なお、マニュアル車両110については、駐車場300内の駐車スロットに駐車した状態で運転者を含む乗員が乗降車する。
【0030】
自動バレー車両入庫ゲートG11及びマニュアル車両入庫ゲートG21の手前には、図示しない案内表示が設けられている。運転者が案内表示に従って該当する方向に車両を走行させることで、自動バレー車両100は自動バレー車両入庫ゲートG11から駐車場300に入り、マニュアル車両110はマニュアル車両入庫ゲートG21から駐車場300に入り、このようにして自動バレー車両100とマニュアル車両110がそれぞれの専用の入庫ゲートを通過して駐車場300に入庫する。
【0031】
図2は、自動バレー車両100と自動バレー駐車システム200の構成を示すブロック図である。自動バレー車両100は、降車用車寄せP1で運転者を含む乗員が降車して、駐車の指示を受けると、無人のまま自律走行をして自動バレー車両入庫ゲートG12を通過して、駐車場300に入り、駐車場300内の空いている駐車スロットに駐車をする。また、駐車場300に駐車されている自動バレー車両100は、迎車の指示を受けると、無人のまま駐車場300の駐車位置から乗車用車寄せP2まで自律走行をして停車する。
【0032】
自動バレー車両100における駐車及び迎車を含む自動バレー駐車を実現する手法は、すでに多く提案されており、本実施の形態では、それらの従来の自動バレー駐車方法によって自動バレー駐車を実現する。このために、自動バレー車両100には、自動運転装置11が設けられている。自動運転装置11は、各種のセンサ111と、各種の制御演算装置112と、各種のアクチュエータ113を含む。
【0033】
各制御演算装置112は、アクチュエータ113を駆動させるためのプログラムを実行する。各センサ111は、車両内外の物理量を測定して、測定によって得られた情報を対応する制御演算装置112に出力する。センサ111としては、車速を測定する速度センサ、ソナー、ミリ波レーダ、カメラ等の車両周りの物体を検出して物体までの距離を測定するセンサ、アクセル開度センサ、ステアリング回転角センサ、ブレーキ強度センサ等の車両の運転操作量を測定するセンサ等が含まれる。各アクチュエータ113は、エンジン、ブレーキ、ステアリング等の自動バレー車両100を運転させるために必要な装置を駆動する。
【0034】
バレー駐車制御装置12は、自動バレー車両100が自動バレー駐車を実行するように、自動運転装置11を制御する。本実施の形態の自動バレー車両100は、記憶部13に、少なくとも降車用車寄せP1から駐車場300を経て乗車用車寄せP2に至るまでのマップを記憶している。このマップには、駐車場300内の駐車スペースが定義されている。バレー駐車制御装置12は、このマップに従って自動バレー車両100を自律走行させながら車両が駐車していない駐車スペース(即ち、空き駐車スペース)を探索して、見つけ出した空き駐車スペースに自動バレー車両100を駐車させる。
【0035】
また、記憶部13には、自動バレー車両100を唯一に特定する識別情報が記憶されている。表示装置14は、自動バレー駐車に関する各種の表示を行う。また、表示装置14は、画面上にタッチセンサを備えたタッチパネルとして構成されており、乗員のタッチ入力を受け付ける。本実施の形態では、表示装置14は、駐車予約をするための画面を表示し、駐車予約のためのタッチ入力を受け付ける。
【0036】
自動バレー車両100には、遠距離無線通信装置15及び近距離無線通信装置16が備えられている。遠距離無線通信装置15は、インターネットに接続可能であり、本実施の形態では、特にインターネットを介して自動バレー駐車システム200の予約処理装置23にアクセスできる。これにより、自動バレー車両100は、駐車場300から離れた場所から駐車予約を行うことができる。
【0037】
近距離無線通信装置16は、自動バレー駐車システム200の近距離無線通信装置22との間で通信を行う。近距離無線通信装置16、22の間の通信には、DSRC(Dedicated Short Range Communications:専用狭域通信)が用いられる。特に、本実施の形態では、自動バレー車両100の近距離無線通信装置16から自動バレー駐車システム200の近距離無線通信装置22に対して、自動バレー車両100の識別情報が送信される。
【0038】
自動バレー駐車システム200は、上述の遠距離無線通信装置21及び近距離無線通信装置22を備えている。自動バレー駐車システム200は、記憶装置26を備え、ここに上述のマップを記憶している。自動バレー駐車システム200は、駐車場300に来た自動バレー車両100に対して、近距離無線通信22からマップを送信し、自動バレー車両100は、近距離無線通信装置16にてこれを受信して記憶装置13に記憶する。バレー駐車制御装置12は、このマップを用いて自動バレー駐車の制御を行う。
【0039】
自動バレー駐車システム200はさらに、予約処理装置23と、認証処理装置24とを備えている。予約処理装置23は、遠距離無線通信装置21にて駐車予約の要求を受けて、予約処理を実行し、記憶装置26に駐車予約状況を記憶する。また、認証処理装置24は、自動バレー車両入庫ゲートG11の前に到着した自動バレー車両100について、駐車予約済の車両であるか否かの認証を行う。
【0040】
以下、駐車予約による駐車について詳細に説明する。
自動バレー車両100は、表示装置14に駐車予約用画面を表示させる。この駐車予約用画面は、バレー駐車制御装置12のアプリケーションとして提供されてもよいし、予約処理装置23から提供されて、バレー駐車制御装置12のブラウザを介して表示されてもよい。自動バレー車両100の乗員は、駐車予約用画面に従って駐車予約の入力を行うことで、駐車予約の要求をする。このような駐車予約のための処理を行うバレー駐車制御装置12は、駐車予約手段に該当する。
【0041】
なお、バレー駐車制御装置12のアプリケーションは、表示装置14で駐車予約用画面の表示及びタッチ入力によって駐車予約を行うのではなく、音声案内及び音声認識によって駐車予約を行ってもよい。この場合には、バレー駐車制御装置12は、乗員の音声入力によって駐車予約の要求を受け付ける。
【0042】
バレー駐車制御装置12は、乗員からの駐車予約の要求を受け付けると、遠距離無線通信装置15からこの駐車予約の要求を予約処理装置23に送信する。駐車予約の要求には、駐車日時と、識別情報が含まれる。予約処理装置23は、遠距離無線通信装置21を介してこの駐車予約の要求を受けると、駐車予約の許否を判断する。
【0043】
この駐車予約の許否の判断は、自動バレー車両入庫ゲートG11を閉鎖するか否かの判断と同じである。すなわち、自動バレー車両入庫ゲートG11にて、自動バレー車両100の入庫を制限している場合には、予約処理装置23も駐車予約を制限し、自動バレー車両100の入庫を許可している場合には、予約処理装置23も駐車予約を許可する。
【0044】
具体的には、自動バレー車両100については、駐車場300の駐車可能な駐車スロットがなくなるまで入庫を許可するので、予約処理装置23は、駐車場300に駐車可能な駐車スロットがある場合には駐車予約を許可する。予約処理装置23は、予約を許可した場合には、記憶装置26に駐車日時と識別情報とを記憶する。このようにして各自動バレー車両100について記憶装置26に記憶された駐車日時と識別情報は、駐車予約状況として認証処理装置24に参照される。
【0045】
予約処理装置23は、駐車場300の駐車可能な駐車スロットがない場合には、駐車予約の要求を拒絶し、当該駐車予約の要求にかかる駐車日時と識別情報は記憶しない。予約処理装置23は、駐車予約を許可した場合には、遠距離無線通信装置21を介して自動バレー車両100に駐車予約を受け付けた旨の通知を送信する。また、予約処理装置23は、駐車予約を拒絶した場合には、遠距離無線通信装置21を介して自動バレー車両100に駐車予約をできない旨の通知を送信する。自動バレー車両100では表示装置14において、受信した通知を表示する。
【0046】
認証処理装置24は、自動バレー車両入庫ゲートG11に来た自動バレー車両100について、駐車予約済の車両であるか否かを判断する。このために、近距離無線通信装置22は、自動バレー車両入庫ゲートG11の付近に設置される。
【0047】
自動バレー車両入庫ゲートG11に設置された近距離無線通信装置22は、近距離無線通信装置16とDSRCによる近距離通信を行うことで、自動バレー車両100の記憶部13に記憶された識別情報を取得する。
【0048】
認証処理装置24は、近距離無線通信装置22にて受信した識別情報をキーとして記憶装置26に記憶された駐車予約状況を参照して、当該識別情報に対応する駐車日時を特定する。認証処理装置24は、特定された駐車日時がその時の日時に合致している場合には、駐車予約をした車両が駐車予約のとおりに到着したものとして、入庫を許可すべくこの車両を認証する。
【0049】
なお、予約処理装置23に対して駐車予約をするための構成は必ずしも車両に備えられていなくてもよい。例えば、スマートフォン等の任意の情報処理及び通信が可能な端末装置から、駐車日時と駐車する車両の識別情報とを指定して駐車予約をしてもよい。
【0050】
また、識別情報は車両のナンバーの情報であってもよく、この場合には、自動バレー駐車システム200は、自動バレー車両入庫ゲートG11に設置されるカメラと、それらのカメラの画像に対して認識処理を行う画像認識装置とを備えていてよい。この場合には、カメラは自動バレー車両入庫ゲートG11に来た自動バレー車両100のナンバープレートを撮影して、画像処理装置において当該車両の識別情報である車両ナンバーの情報を認識する。認証処理装置24は、画像認識装置にて認識された識別情報をキーとして、駐車予約状況を参照して、当該車両が駐車予約済み車両であるか否かの判定を行う。
【0051】
また、予約処理装置23は、必ずしも駐車場300に設けられている必要はなく、自動バレー駐車システム200の他の構成とは別に専用の予約処理サーバとして設けられ、自動バレー駐車システム200の遠距離無線通信装置21と通信ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0052】
この場合には、自動バレー車両100は、遠距離無線通信装置15によってインターネットを介して当該予約処理サーバにアクセスして、駐車予約をすることができる。また、自動バレー駐車システム200は、当該予約処理サーバから駐車予約状況の情報を取得して記憶装置26に記憶する。駐車予約状況が予約処理サーバに記憶される場合には、認証処理装置24は、遠距離無線通信装置21を介して当該予約処理サーバにアクセスして、認証のために駐車予約状況を参照できる。
【0053】
なお、上記の実施の形態では、自動バレー車両100のみが駐車予約をできるものとして説明したが、マニュアル車両110が駐車予約をできる構成であってもよい。この場合には、マニュアル車両110にも上述した駐車予約のための構成が必要となるが、上記の変形例のようにスマートフォンを用いた駐車予約及び車両ナンバーを用いた識別情報の認識を行うことで、マニュアル車両110に特別な構成は不要となる。
【0054】
次に、自動バレー車両入庫ゲートG11及びマニュアル車両入庫ゲートG21の開閉制御、即ち入庫の許可及び制限の制御について説明する。
自動バレー駐車システム200は、これらのゲートの開閉制御を行うために、マニュアル車両入庫ゲートG21を駆動するマニュアル車両入庫ゲート駆動装置27、自動バレー車両入庫ゲートG11を駆動する自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28、及びこれらを制御するゲート開閉制御装置25を備えている。なお、自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28は、自動バレー車両100の駐車場300への入庫を許可し、又は制限するものであり、第1ゲートに該当し、マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27は、マニュアル車両110の駐車場300への入庫を許可し、又は制限するものであり、第2ゲートに該当する。
【0055】
また、自動バレー駐車システム200は、マニュアル車両入庫ゲートG21を通過して駐車場300に入庫した車両をカウントするマニュアル車両入庫カウンタ29、自動バレー車両入庫ゲートG11を通過して駐車場300に入庫した車両をカウントする自動バレー車両入庫カウンタ30、マニュアル車両出庫ゲートG22を通過して駐車場300から出庫した車両をカウントするマニュアル車両出庫カウンタ31、自動バレー車両出庫ゲートG12を通過して駐車場300から出庫した車両をカウントする自動バレー車両出庫カウンタ32を備えている。各カウンタのカウント値はゲート開閉制御装置25に入力され、記憶装置26に記憶される。
【0056】
マニュアル車両入庫カウンタ29、自動バレー車両入庫カウンタ30、マニュアル車両出庫カウンタ31、及び自動バレー車両出庫カウンタ32は、それぞれマニュアル車両入庫ゲートG21、自動バレー車両入庫ゲートG12、マニュアル車両出庫ゲートG22、及び自動バレー車両出庫ゲートG12に設けられている。
【0057】
上述したように、各ゲートには車両センサとゲート駆動装置が設けられている。各カウンタは、ゲート駆動装置が遮断バーを通過許可位置にした回数によって入庫した車両の台数をカウントしてもよいし、車両センサによる車両の検出に基づいて入庫した車両の台数をカウントしてもよい。
【0058】
ゲート開閉制御装置25は、自動バレー車両入庫カウンタ30のカウント値から自動バレー車両出庫カウンタ32のカウント値を引くことで、駐車場300に入庫している自動バレー車両100の台数を算出する。このゲート開閉制御装置25、自動バレー車両入庫カウンタ30、及び自動バレー車両出庫カウンタ32は第1カウント手段に該当する。また、ゲート開閉制御装置25は、マニュアル車両入庫カウンタ29のカウント値からマニュアル車両出庫カウンタ31のカウント値を引くことで、駐車場300に入庫しているマニュアル車両110の台数を算出する。このゲート開閉制御装置25、マニュアル車両入庫カウンタ29、及びマニュアル車両出庫カウンタ31は、第2カウント手段に該当する。
【0059】
本実施の形態では、駐車場300の空き駐車スペースの数(以下、「残りスロット数r」という。)は、駐車場300の駐車スロットの総数から、駐車場300に入庫している自動バレー車両100の台数と、駐車場300に入庫しているマニュアル車両110の台数とを差し引いた数として算出される。
【0060】
ゲート開閉制御装置25は、残りスロット数rと駐車予約の数(以下、「駐車予約台数b」という。)に基づいて、マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27及び自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28を制御する。このとき、ゲート開閉制御装置25は、マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27と自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28とを互いに独立に制御する。ここで、「互いに独立に制御」とは、マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27と自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28とが異なる条件で入庫の制限を行うことをいい、所定の条件下で、マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27と自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28の一方が入庫を制限し、他方が入庫を制限しない場合が生じ得る制御をいう。
【0061】
ゲート開閉制御装置25は、残りスロット数rが駐車予約台数b以下になると、あらかじめ駐車予約をしている車両を除いて、駐車場300への車両の入庫を制限する(即ち、禁止する)ことで、空き駐車スペースがなくて駐車できなくなる車両を駐車場300に入庫させないようにする。
【0062】
このとき、ゲート開閉制御装置25は、残りスロット数rが駐車予約台数b以下になったときに、自動バレー車両100の入庫及びマニュアル車両110の入庫を同時に制限するのではなく、残りスロット数rが、優先的に自動バレー車両に割り当てる台数(以下、「自動バレー車両優先台数a」という。)以下になると、自動バレー車両100の入庫を制限するより前に、先にマニュアル車両110の入庫を制限し、その状態でさらに残りスロット数rが駐車予約台数b以下になったときに、自動バレー車両100の入庫も制限する。
【0063】
ゲート開閉制御装置25は、自動バレー車両100の入庫を制限している場合であっても、認証処理装置24によって駐車予駐車予約をした車両として認証された自動バレー車両100については入庫を許可する。なお、このために、もう一つの自動バレー車両入庫ゲートG11として、駐車予約をした車両専用の入庫ゲートを追加して設けてもよい。
【0064】
図3は、本実施の形態の自動バレー駐車システム200の全体処理を示すフローチャートである。自動バレー駐車システム200の全体の処理は、ゲート開閉制御装置25が所定のプログラムに従って実行する。
【0065】
ゲート開閉制御装置25は、CPUと、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(記録装置26がこれに相当する)とを有する周知のコンピュータを中心に構成される。ゲート開閉制御装置25の各種機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。本実施の形態では、記録装置26が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。非遷移的実体的記録媒体とは、記録媒体から電磁波を除く意味である。また、ゲート開閉制御装置25がこのプログラムを実行することにより、プログラムに対応する方法が実行される。なお、ゲート開閉制御装置25を構成するコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0066】
ゲート開閉制御装置25は、まず残りスロット数rを算出する(ステップS31)。
図4は、残りスロット数rの算出処理の内部フローチャートである。ゲート開閉制御装置25は、まず、駐車場300の駐車スロットの総数を参照する(ステップS311)。そして、ゲート開閉制御装置25は、自動バレー車両入庫ゲートG11又はマニュアル車両入庫ゲートG21に通過車両があるか否かを判断する(ステップS312)。
【0067】
通過車両がある場合には(ステップS312でYES)、自動バレー車両入庫カウンタ30又はマニュアル車両入庫カウンタ29がカウント値を1だけ増加させることで、ゲート開閉制御装置25は、駐車場300に入庫している車両の台数を1だけ増加させる(ステップS313)。ゲート開閉制御装置25は、通過車両がない場合には(ステップS312にてNO)、駐車場300に入庫している車両の台数のカウントアップをスキップする。
【0068】
その後、ゲート開閉制御装置25は、自動バレー車両出庫ゲートG12又はマニュアル車両出庫ゲートG22についても、通過車両があるか否かを判断する(ステップS314)。通過車両がある場合には(ステップS314でYES)、自動バレー車両出庫カウンタ32又はマニュアル車両出庫カウンタ31がカウント値を1だけ増加させることで、ゲート開閉制御装置25は、駐車場300に入庫している車両の台数を1だけ減少させる(ステップS315)。ゲート開閉制御装置25は、通過車両がない場合には(ステップS314にてNO)、駐車場300に入庫している車両の台数のカウントダウンをスキップする。
【0069】
以上の処理が終わると、ゲート開閉制御装置25は、駐車場300の総スロット数から駐車場300に入庫している車両の台数を引くことで、残りスロット数rを求めて(ステップS316)、処理を終了する。
【0070】
図3に戻って、次に、ゲート開閉制御装置25は、自動バレー車両優先台数aを設定する(ステップS32)。自動バレー車両優先台数aは固定値としてもよいが、本実施の形態では、これを可変とする。
図5は、自動バレー車両優先台数aの設定処理の内部フローチャートである。ゲート開閉制御装置25は、日時、天候等のパラメータを取得する(ステップS321)。これらの情報は、遠距離無線通信装置21を介して外部サーバから取得することができる。
【0071】
次に、ゲート開閉制御装置25は、自動バレー車両優先台数aについて、駐車場管理者による手動の入力があるか否かを判断する(ステップS322)。手動の入力がある場合には(ステップS322にてYES)、取得したパラメータに関わらず、手動で入力された値を自動バレー車両優先台数aに設定して(ステップS323)、処理を終了する。駐車場管理者による手動の入力がない場合には(ステップS322にてNO)、取得したパラメータに応じて自動バレー車両優先台数aを自動設置して(ステップS324)、処理を終了する。このときのパラメータと自動バレー車両優先台数aとの関係は、あらかじめテーブル形式で記憶装置26に記憶されている。ゲート開閉制御装置25は、テーブルを参照して、取得したパラメータに対応する自動バレー車両優先台数aを設定する。
【0072】
図3に戻って、次に、予約処理装置23は、駐車予約台数bの管理を行う(ステップS33)。
図6は、駐車予約台数bの管理処理の内部フローチャートである。予約処理装置23は、まず、自動バレー車両入庫ゲートG11について、開門許可中であるか否かを判断する(ステップS331)。本実施の形態では、空きスロット数rが駐車予約台数b以下となっていなければ、自動バレー車両用ゲートG11は開門許可状態になっている。
【0073】
ここで、開門許可とは、入庫ゲートが駐車場300への車両の入庫を許可する状態であって、車両が入庫ゲートに来たときに(即ち、車両センサで車両を検知したときに)、入庫ゲートから駐車場300への入庫を許可する状態をいう。また、閉鎖とは、入庫ゲートが駐車場300への車両の入庫を制限する状態であって、車両が入庫ゲートに来たとしても(即ち、車両センサで車両を検知したとしても)、入庫ゲートから駐車場300への入庫を制限する状態をいう。
【0074】
自動バレー車両入庫ゲートG11が開門許可中である場合は(ステップS331でYES)、予約処理装置23は、自動バレー車両100から駐車予約の要求があるか否かを判断する(ステップS332)。駐車予約の要求があるときは(ステップS332でYES)、予約処理装置23は、駐車予約台数bをカウントアップして、駐車予約をした車両の識別情報及び駐車日時を記憶し(ステップS333)、駐車予約をした車両に対して、駐車予約が完了したことを通知して(ステップS334)、処理を終了する。
【0075】
ステップS331において自動バレー車両入庫ゲートG11が開門許可中でない場合には(ステップS331にてNO)、自動バレー車両100からの駐車予約の要求があるか否かを判断する(ステップS336)。駐車予約の要求がある場合(ステップS336)、即ち、自動バレー車両入庫ゲートG11が閉鎖中であるにもかかわらず、自動バレー車両100から駐車予約の要求を受けた場合には(ステップS336にてYES)、予約処理装置23は、駐車予約を実行せずに、駐車予約の要求を拒絶したことを当該自動バレー車両100に通知して(ステップS337)、処理を終了する。
【0076】
また、ステップS332又はステップS336において、自動バレー車両100からの駐車予約の要求がない場合には(ステップS332又はステップS336にてNO)、処理を終了する。
【0077】
図3に戻って、ゲート開閉制御装置25は、残りスロット数rが自動バレー車両優先台数a以下であるか否かを判断する(ステップS34)。残りスロット数rが自動バレー車両優先台数a以下である場合は(ステップS34にてYES)、ゲート開閉制御装置25は、マニュアル車両入庫ゲートG21を閉鎖することで(ステップS35)、マニュアル車両110の駐車場300への入庫を制限する。
【0078】
そして、ゲート開閉制御装置25は、さらに残りスロット数rが駐車予約台数b以下であるか否かを判断する(ステップS36)。残りスロット数rが駐車予約台数b以下である場合(ステップS36にてYES)、ゲート開閉制御装置25は、自動バレー車両入庫ゲートG11を閉鎖することで(ステップS37)、自動バレー車両100の駐車場300への入庫を制限し、自動バレー車両入庫ゲートG11の駆動処理(ステップS42)に移行する。
【0079】
残りスロット数rが駐車予約台数bより大きい場合には(ステップS36にてNO)、ゲート開閉制御装置25は、自動バレー車両入庫ゲートG11を閉鎖せずに(即ち、自動バレー車両入庫ゲートG11を開門許可としたまま)、自動バレー車両入庫ゲートG11の駆動処理(ステップS42)に移行する。
【0080】
ステップS34で残りスロット数rが自動バレー車両優先台数aより大きい場合には(ステップS34にてNO)、ゲート開閉制御装置25は、残りスロット数rが駐車予約台数b以下であるか否かを判断する(ステップS38)。残りスロット数rが駐車予約台数b以下である場合は(ステップS38でYES)、ゲート開閉制御装置25は、マニュアル車両入庫ゲートG21を閉鎖することで(ステップS39)、マニュアル車両110の駐車場300への入庫を制限し、自動バレー車両入庫ゲートG11の駆動処理(ステップS42)に移行する。
【0081】
残りスロットrが駐車予約台数b以下より大きい場合は(ステップS38にてNO)、ゲート開閉制御装置25は、自動バレー車両入庫ゲートG11を開門許可とし(ステップS40)、かつ、マニュアル車両入庫ゲートG21を開門許可として(ステップS41)、自動バレー車両入庫ゲートG11の駆動処理(ステップS42)に移行する。
【0082】
図7は、自動バレー車両入庫ゲートG11の駆動処理の内部フローチャートである。自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28は、まず、自動バレー車両入庫ゲートG11に設けられた車両センサの検出値に基づいて、車両が自動バレー車両入庫ゲートG11に到着したか否かを判断する(ステップS421)。
【0083】
車両が自動バレー車両入庫ゲートG11に到着した場合には(ステップS421にてYES)、認証処理装置24は、当該車両が駐車予約済の車両であるか否かを判断する(ステップS422)。具体的には、認証処理装置24は、近距離無線通信装置22にて当該車両から受信した識別情報をキーとして、記憶装置26に記憶された駐車予約状況を参照して、当該識別情報に対応する駐車日時を特定する。
【0084】
認証処理装置24は、特定された駐車日時がその時の日時に合致している場合には、到着した車両が駐車予約をした車両であると判断し、当該識別情報に対応する駐車予約が記憶装置26に記憶されていない場合、及び当該識別情報に対応する駐車予約が記憶装置26に記憶されているが、日時が一致しない場合には、到着した車両が駐車予約をした車両ではないと判断する。
【0085】
認証処理装置24が、到着した車両が駐車予約をした車両であると判断した場合は(ステップS422にてYES)、自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28は、自動バレー車両入庫ゲートG11の遮断バーを通過許可位置になるように駆動することで開門し、当該車両の通過を許可する(ステップS423)。このとき、予約処理装置23は、駐車予約台数bを1だけ減少させる(ステップS424)。そして、自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28は、遮断バーを遮断位置になるように駆動して自動バレー車両入庫ゲートG11を閉門する(ステップS425)。
【0086】
自動バレー車両入庫ゲートG11に車両が到着していない場合は(ステップS421にてNO)、自動バレー車両入庫ゲートG11は閉門したままとする(ステップS425)。自動バレー車両入庫ゲートG11に到着した車両が、駐車予約をした車両でない場合には(ステップS422でNO)、自動バレー車両個ゲート駆動装置28は、自動バレー車両入庫ゲートG11が開門許可状態にあるか否かを判断する(ステップS426)。
【0087】
自動バレー車両入庫ゲートG11が開門許可状態にない(閉鎖状態にある)場合には(ステップS426にてNO)、自動バレー車両入庫ゲートG11は閉門したままとする(ステップS425)。自動バレー車両入庫ゲートG11が開門許可状態にある場合には(ステップS426にてYES)、自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28は、自動バレー車両入庫ゲートG11の遮断バーを通過許可位置になるように駆動することで開門し、当該車両の通過を許可し(ステップS427)、その後、遮断バーを遮断位置になるように駆動して自動バレー車両入庫ゲートを閉門する(ステップS425)。
【0088】
図3に戻って、次に、マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27は、マニュアル車両入庫ゲートの駆動処理を行う(ステップS43)。
図8は、マニュアル車両入庫ゲートG21の駆動処理の内部フローチャートである。マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27は、まず、マニュアル車両入庫ゲートG21が開門許可状態にあるか否かを判断する(ステップS431)。
【0089】
マニュアル車両入庫ゲートG21が開門許可状態にある場合には(ステップS431にてYES)、マニュアル車両入庫御ゲートG21に設けられた車両センサの検出値に基づいて、マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27は、車両がマニュアル車両入庫ゲートG212に到着したか否かを判断する(ステップS432)。
【0090】
車両がマニュアル車両入庫ゲートG21に到着した場合には(ステップS432にてYES)、マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27は、遮断バーを遮断位置になるように駆動してマニュアル車両入庫ゲートG21を閉門して(ステップS433)、処理を終了する。
【0091】
マニュアル車両入庫ゲートG21が開門許可状態にない(閉鎖状態にある)場合(ステップS431にてNO)、及びマニュアル車両入庫ゲートG21にまだ車両が到着していない場合(ステップS432にてNO)には、マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27は、マニュアル車両入庫ゲートを閉門したままとして(ステップS434)、処理を終了する。
【0092】
図3に戻って、自動バレー駐車制御システム200は、以上の処理が終了するとスタートに戻って、ステップS31から以上の処理を繰り返す。
【0093】
以上のステップS34〜S37から明らかなように、ゲート開閉制御装置25は、自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28とマニュアル車両入庫ゲート駆動装置27とを独立して制御し、残りスロット数rに基づいて入庫ゲートを閉鎖する場合には、自動バレー車両入庫ゲートG11を閉鎖して自動バレー車両100の入庫を制限する(ステップS37)前に、まずマニュアル車両入庫ゲートG21を閉鎖してマニュアル車両110の入庫を制限する(ステップS35)。
【0094】
以上のように、残りスロット数rが少なくなったときに、先にマニュアル車両110の入庫を制限して、その後に自動バレー車両100の入庫を制限することで、駐車場300が満車に近い状態のときに、空き駐車スペースを探索しながら駐車場300内を走行している車両を自動バレー車両100のみにすることができる。マニュアル車両110と自動バレー車両100とが駐車場300で混在して走行している状態は、自動バレー車両100のみが自律走行をしながら空き駐車スペースを探索している状態と比較して、不測の事故が生じやすいといえる。本実施の形態によれば、駐車場300が満車に近い場合には、そのような比較的事故が生じやすい状態を避けることができる。
【0095】
なお、上記の実施の形態では、残りスロット数rが自動バレー車両優先台数a以下であり、かつ、駐車予約台数b以下である場合、即ち、駐車可能な駐車スロットがなくなった場合に、車両の入庫や駐車予約を制限した。すなわち、駐車場300の駐車スロットの総数を限界台数として、この限界台数より多い台数の車両が駐車場300に入庫しないようにした。これに代えて、駐車場300の駐車スロットの総数より若干多い台数を限界台数として、車両の入庫を制限するようにしてもよい。
【0096】
このようにすることで、駐車場300内には、駐車可能なスロットが見つけられない若干台数の車両が存在することになるが、上記の実施の形態のように、満車時に出庫ゲートから車両が出庫して満車状態が解消した後に入庫ゲートからの入庫を許可するようにすると、出庫する車両が駐車スロットから出庫ゲートまで移動する間、及び入庫する車両が入庫ゲートから駐車スロットまで移動する間の時間は駐車スロットが空いたままとなってしまい、駐車場の利用効率が悪くなる。これに対して、駐車スロットの総数より多い台数の車両の入庫を許すことで、駐車場300内にて駐車スロットが空いたときに、比較的短時間で新たな車両が駐車スロットに駐車できることになり、駐車効率がよくなる。
【0097】
このように、満車時に駐車可能なスロットが見つけられない車両が存在する場合には、車両が駐車場300内を空き駐車スペースを探索しながら駐車場330内を走行する距離も増え、事故の危険性が高くなる。このような場合に、本実施の形態のように、先にマニュアル車両110の入庫を制限して、限界台数に近づいたときに入庫させる車両を自動バレー車両100のみとし、具体的には、限界台数と総スロット数との差分(即ち、総スロット数を超えて入庫させる車両の台数)を自動バレー車両優先台数a以下とすることで、満車時に駐車可能なスロットが見つけられない車両を自動バレー車両100のみとすることができる。
【0098】
また、上記の実施の形態では、案内表示を設けることで自動バレー車両100とマニュアル車両110とをそれぞれの入庫ゲートに導いたが、これに加えて、自動バレー車両入庫ゲートG11に自動バレー車両であることを判別する判別装置を設けて、自動バレー車両100であると判別された車両のみを自動バレー車両入庫ゲートG11から入庫させるようにしてもよい。
【0099】
また、自動バレー車両出庫ゲートG12についても同様に判別装置を設けて、判別装置で自動バレー車両100であると認定された車両のみを出庫させるようにしてもよい。これにより、自動バレー車両100の入庫と出庫を正確に判断でき、駐車場300に入庫している自動バレー車両100の台数を正確に把握できる。
【0100】
さらに、このような判別装置をマニュアル車両入庫ゲートG21やマニュアル車両出庫ゲートG22にも設けてもよい。これにより、自動バレー車両100が誤ってマニュアル車両入庫ゲートG21から入庫し、又はマニュアル車両出庫ゲートG22から出庫することがあっても、駐車場300に入庫している自動バレー車両100の台数を正確に把握できる。
【0101】
この場合に、自動バレー駐車システム200の記憶装置26は、自動バレー車両100の識別情報を記憶している。近距離無線通信装置22が車両から識別情報を読み出し、又は、自動バレー車両100の近距離無線通信装置16が識別情報を送信して、近距離無線通信装置22でこれを受信することで、判別装置は自動バレー車両の識別情報を取得する。判別装置は、記憶装置26に自動バレー車両100の識別情報として記憶された識別情報と、取得した識別情報とを照合することで判別を行ってよい。すなわち、自動バレー車両100の識別情報を当該車両が自動バレー車両100であることを示す情報として用いて、自動バレー車両100であるかマニュアル車両110であるかの判別を行ってよい。
【0102】
また、上記の実施の形態では、自動バレー車両100用の降車用車寄せP1が自動バレー車両入庫ゲートG11の上流にあり、運転者が降車用車寄せP1で降車して無人となった自動バレー車両100が自律走行によって自動バレー車両入庫ゲートG11を通過する例を説明したが、降車用車寄せP1は、自動バレー車両入庫ゲートG11の下流にあって、運転者が自ら運転して自動バレー車両入庫ゲートG11を通過した後に、降車用車寄せP1にて降車して自動バレー駐車を開始してもよい。
【0103】
また、自動バレー車両100の遠距離無線通信装置15と、自動バレー駐車システム200の遠距離無線通信装置21とを用いて、自動バレー駐車システム200から自動バレー車両100に自動バレー車両入庫ゲートG11が開門許可の状態(
図3のステップS40)にあるか否かを案内するようにしてもよい。このとき、自動バレー駐車システム200は、自動バレー車両100にさらにマニュアル車両入庫ゲートG21が開門許可の状態(
図3のステップS41)にあるか否かを案内するようにしてもよい。
【0104】
(第2の実施の形態)
上記の第1の実施の形態では、ゲート開閉制御装置25は、駐車場300に自動バレー車両入庫ゲートG11とマニュアル車両入庫ゲートG21とを設けて、自動バレー車両100とマニュアル車両110の入庫をそれぞれ個別に制限することで、自動バレー車両100の入庫を制限する前に、マニュアル車両110の入庫を制限するという制御を行った。本実施の形態でも、ゲート開閉制御装置25は、駐車場300に自動バレー車両入庫ゲートG11とマニュアル車両入庫ゲートG21とを設けて、自動バレー車両100とマニュアル車両110の入庫をそれぞれ個別に制限するが、第1の実施の形態とは異なる制御をする。
【0105】
図9は、本実施の形態の自動バレー駐車制御システムが導入された駐車場の模式図である。駐車場301には、第1の実施の形態と同様に、自動バレー車両入庫ゲートG11と、マニュアル車両入庫ゲートG21と、自動バレー車両出庫ゲートG12と、マニュアル車両入庫ゲートG22とが設けられている。
【0106】
本実施の形態の駐車場301は、その内部において、遮断壁302によって、自動バレー車両駐車領域303と、マニュアル車両駐車領域304とに分けられており、自動バレー車両駐車領域303とマニュアル車両駐車領域304との間で車両の往来ができないように構成されている。遮断壁302は、駐車場301内の任意の位置に設置され、その設置位置は可変である。遮断壁302は、駐車場の管理者(人)が移動させてもよいし、機械によって移動させてもよい。遮断壁302は、
図9の左右方向に平行移動可能である。
【0107】
自動バレー車両入庫ゲートG11及び自動バレー車両出庫ゲートG12は、自動バレー車両駐車領域303につながっており、マニュアル車両入庫ゲートG21及びマニュアル車両出庫ゲートG22は、マニュアル車両駐車領域304につながっている。自動バレー車両入庫ゲートG11から入庫した自動バレー車両100は、自動バレー車両駐車領域303に進入し、自動バレー車両出庫ゲートG12から出庫する。マニュアル車両入庫ゲートG21から入庫したマニュアル車両110は、マニュアル車両駐車領域304に進入し、マニュアル車両出庫ゲートG22から出庫する。
【0108】
本実施の形態の自動バレー車両100及び自動バレー駐車制御システム200のブロック図は、
図2に示すブロック図と同様である。
図10は、本実施の形態の自動バレー駐車制御システム200の全体処理を示すフローチャートである。
図10において、
図3と同じ処理については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0109】
ゲート開閉制御装置25は、まず、遮断壁302の位置に基づいて、自動バレー車両駐車領域303の総スロット数tv及びマニュアル車両駐車両領域304の総スロット数tmを設定する(ステップS101)。総スロット数tv、tmは、遮断壁302の移動に伴って変更される。
【0110】
次に、ゲート開閉制御装置25は、
図4に示すフローチャートと同様にして、自動バレー車両駐車領域303及びマニュアル車両駐車領域304のそれぞれについて、残りスロット数rv、rmを算出する(ステップS102)。次に、ゲート開閉制御装置25は、
図6のフローチャートと同様にして、駐車予約台数bの管理を行う(ステップS103)。
【0111】
次に、ゲート開閉制御装置25は、マニュアル車両駐車領域304の残りスロット数rmが0であるか否かを判断する(ステップS104)。残りスロット数rmが0である場合は(ステップS104にてYES)、マニュアル車両入庫ゲートG21を閉鎖し(ステップS35)、残りスロット数rmが0でない場合は(ステップS104にてNO)、マニュアル車両入庫ゲートG21を開門許可の状態にする(ステップS40)。
【0112】
マニュアル車両入庫ゲートG21を閉鎖した場合には、次に自動バレー車両駐車領域303の残りスロット数rvが駐車予約台数b以下であるか否かを判断する(ステップS106)。残りスロット数rvが駐車予約台数b以下である場合は(ステップS106にてYES)、自動バレー車両入庫ゲートG11を閉鎖し(ステップS37)、残りスロット数rvが駐車予約台数bより大きい場合は(ステップS106にてNO)、自動バレー車両入庫ゲートG11を開門許可の状態にする(ステップS41)。
【0113】
次に、自動バレー車両入庫ゲート駆動装置28は、
図7のフローチャートに従って、自動バレー車両入庫ゲートG11を駆動し(ステップS42)、マニュアル車両入庫ゲート駆動装置27は、
図8のフローチャートに従って、マニュアル車両入庫ゲートG21を駆動する(ステップS43)。
【0114】
以上のように、本実施の形態によれば、駐車場301を自動バレー車両駐車領域303とマニュアル車両駐車領域304とに分けて、入庫ゲート及び出庫ゲートも自動バレー車両100とマニュアル車両110とで分けることで、駐車場300における自動バレー車両100の駐車とマニュアル車両110の駐車を何れも許容しつつ、駐車場301内で自動バレー車両100とマニュアル車両110とが混在することを防止できる。
【0115】
また、自動バレー車両入庫ゲートG11における入庫制限とマニュアル車両入庫ゲートG21における入庫制限とを互いに独立して制御することで、自動バレー車両駐車領域303とマニュアル車両駐車領域304の各々において、満車時の入庫制限を行うことができる。
【0116】
なお、上記の第1及び第2の実施の形態の自動バレー駐車システム200における予約処理装置23、認証処理装置24、及び記憶装置26は、必ずしも駐車場300に設置されている必要はなく、自動バレー駐車システム200の他の構成と通信ネットワークを介して通信可能に接続される状態で、遠隔地に設けられていてもよい。