(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
本実施形態ではT字継手構造として自動車のサイドシルとクロスメンバー(フロアクロスメンバー)の接合構造の一例を挙げて説明する。
図3〜
図5に示すように本実施形態のT字継手構造1は、第1の部材の一例としてのサイドシル10と、第2の部材の一例としてのクロスメンバー20と、サイドシル10の内方に設けられた補強部材30で構成されている。クロスメンバー20は、サイドシル10に当接した状態でサイドシル10に接合され、サイドシル長手方向L
1に対して垂直に延びるようにして固定されている。なお、本明細書では、サイドシル長手方向L
1およびクロスメンバー長手方向L
2の両方に対して垂直な方向を“高さ方向H”と称す。本実施形態のようなサイドシル10とクロスメンバー20の接合構造の場合、サイドシル長手方向L
1が車長方向、クロスメンバー長手方向L
2が車幅方向、高さ方向Hが車高方向となる。
【0011】
本実施形態のサイドシル10は、アウター部材として平板11が用いられ、インナー部材として、サイドシル長手方向L
1に垂直な断面の形状がハット形状である部材(以下、“ハット状部材12”)が用いられている。ハット状部材12は、天板部12aと、天板部12aの高さ方向Hの両端部から天板部12aに対して垂直に延びる縦壁部12bと、縦壁部12bの先端部から高さ方向Hの外側に延びるフランジ部(以下、“ハットフランジ部12c”)とを有している。平板11とハットフランジ部12cとは例えばスポット溶接により接合されている。なお、サイドシル10のアウター部材とインナー部材の構成は本実施形態で説明したものに限定されない。例えばアウター部材はインナー部材と同様、ハット状部材であっても良い。すなわち、サイドシル10は中空部10aを有する中空部材であれば良い。
【0012】
本実施形態のクロスメンバー20は、アウター部材として平板21が用いられ、インナー部材として、クロスメンバー長手方向L
2に垂直な断面の形状がハット形状である部材(以下、“ハット状部材22”)が用いられている。ハット状部材22は、天板部22aと、天板部22aのサイドシル長手方向L
1の両端部から天板部22aに対して垂直に延びる縦壁部22bと、縦壁部22bの先端部からサイドシル長手方向L
1の外側に延びるフランジ部(以下、“ハットフランジ部22c”)とを有している。平板21とハットフランジ部22cとは例えばスポット溶接により接合されている。なお、クロスメンバー20のアウター部材とインナー部材の構成は本実施形態で説明したものに限定されない。例えばアウター部材はインナー部材と同様、ハット状部材であっても良い。また、平板21はフロアパネル(不図示)であっても良い。この場合、フロアパネルの一部とハット状部材とにより中空部が形成されるクロスメンバー20が構成される。すなわち、クロスメンバー20は中空部20aを有する中空部材であれば良い。
【0013】
クロスメンバー20の長手方向L
2における両端部のうち、サイドシル10に当接する側の端部(以下、“当接側端部23”)においては、クロスメンバー20の天板部22aから高さ方向Hに延びるフランジ部(以下、“天板フランジ部23a”)と、縦壁部22bからサイドシル長手方向L
1の外側に延びるフランジ部(以下、“縦壁フランジ部23b”)と、平板21の板部21aからクロスメンバー長手方向L
2に延びるフランジ部(以下、“平板フランジ部23c”)とが形成されている。天板フランジ部23aおよび縦壁フランジ部23bは、サイドシル10の天板部12aに当接した状態で例えば片面スポット溶接により接合されている。平板フランジ部23cは、サイドシル10の、高さ方向Hの車外側の縦壁部12bに当接した状態で例えば片面スポット溶接により接合されている。このようにして天板フランジ部23a、縦壁フランジ部23bおよび平板フランジ部23cがサイドシル10に接合されていることで、サイドシル10とクロスメンバー20とが固定されている。
【0014】
図5に示すように板状の補強部材30のクロスメンバー長手方向L
2の両端部のうち、一方の端部(以下、“第1の端部30a”)は、サイドシル10の天板部12aの内面に接合され、他方の端部(以下、“第2の端部30b”)は、サイドシル10の、高さ方向Hの上側の縦壁部12bの内面に接合されている。第1の端部30aの高さ方向Hにおける位置は、天板フランジ部23aの高さ方向Hにおける位置と概ね同一の位置となっており、サイドシル10の天板部12aは、補強部材30の第1の端部30aとクロスメンバー20の天板フランジ部23aに挟まれた状態となっている。詳述すると、クロスメンバー20の中空部20aを含むように切断された、サイドシル長手方向L
1に垂直な断面において、サイドシル10の天板部12aの、第1の端部30aが接触する部分における高さ方向Hの範囲(以下、“接触範囲R
1”)と、サイドシル10の天板部12aの、天板フランジ部23aが接触する部分における高さ方向Hの範囲(以下、“接触範囲R
2”)とが一部重なった状態にある。換言すると、接触範囲R
1と接触範囲R
2をクロスメンバー長手方向L
2から見た場合には、接触範囲R
1の下部が接触範囲R
2の上部と重なった状態にある。
【0015】
本実施形態においては、第1の端部30aと第2の端部30bとの間の部分である中途部30cがサイドシル10の内面に接合されておらず、
図5に示す断面において高さ方向Hに対して傾斜した直線状となっている。中途部30cは、例えばサイドシル10の天板部12aおよび縦壁部12bの内面に沿うような形状を有し、天板部12aおよび縦壁部12bにそれぞれ接合されていても良いが、本実施形態のような中途部30cの形状であれば、十分な曲げ剛性および耐衝撃性を確保しつつ、補強部材30の材料の使用量を削減することができ、コストを抑えることができる。また、中途部30cは後述する実施例で示すように、サイドシル長手方向L
1に垂直な断面における形状が曲線状であっても良い。
【0016】
サイドシル10の内面に対する補強部材30の接合方法は特に限定されないが、例えば接着剤を用いてサイドシル10の内面に貼付されることで接合される。このため、本実施形態のT字継手構造1を製造する際には、例えばサイドシル10のハット状部材12の内面に補強部材30を接合した後、ハット状部材12と平板11とをスポット溶接してサイドシル10を製造する。その後、クロスメンバー20をサイドシル10の天板部12aに突き当てた状態でスポット溶接することでT字継手構造1を製造する。なお、接着剤を用いる場合、サイドシル10の内面と補強部材30との接合部分の断面を観察すれば、サイドシル10と補強部材30との間に接着剤が存在していることを確認することができる。なお、補強部材30が例えばCFRP(炭素繊維強化樹脂)からなる場合、CFRPは熱硬化性のものであっても良いが、成形性および接着性の観点から、熱可塑性のものであることが好ましい。
【0017】
本実施形態のT字継手構造1は以上のように構成されている。従来のT字継手構造の場合、クロスメンバー20に高さ方向Hの曲げ(以下、“縦曲げ”)が加わった際にサイドシル10の天板部12aがクロスメンバー20の曲げに追随してしまい、天板フランジ部23aが接触する部分において面外変形が生じやすい。
【0018】
一方、本実施形態のT字継手構造1においては、サイドシル10の天板部12aに補強部材30の第1の端部30aが接合され、縦壁部12bに第2の端部30bが接合されている。このようにサイドシル10の天板部12aに補強部材30の第1の端部30aが接合され、補強部材30の第2の端部30bが、天板部12aと異なる平面部である縦壁部12bに接合されていることで、T字継手構造1が外力を受けた際に天板部12aと縦壁部12bの位置関係が保持されやすくなる。そうすると、クロスメンバー20に縦曲げが加わった際に、補強部材30が突っ張るので、天板部12aの面外変形が抑制される。これにより、T字継手構造1の縦曲げに対する曲げ剛性を向上することができる。これに加え、側面衝突時においてもサイドシル10の天板部12aの面外変形の程度を抑えることができるので、T字継手構造1としての耐衝撃性を向上させることが可能となる。
【0019】
また、本実施形態のT字継手構造1によれば、縦曲げに対する曲げ剛性および耐衝撃性の向上度合いに対する重量の増加が小さく、縦曲げに対する曲げ剛性および耐衝撃性の観点における重量効率が向上する。換言すると、軽量化のためにサイドシル10とクロスメンバー20の板厚を薄くした場合でも、十分な曲げ剛性および耐衝撃性を確保することができる。
【0020】
なお、例えば補強部材30の第1の端部30aの下端がクロスメンバー20の天板フランジ部23aの上端よりも高い位置にあると、天板部12aの天板フランジ部23aが接触している部分で面外変形が生じやすくなる。同様に、第1の端部30aの下端が天板フランジ部23aの下端よりも低い位置にあると、天板部12aの天板フランジ部23aが接触している部分で面外変形が生じやすくなる。したがって、T字継手構造1の曲げ剛性および耐衝撃性を向上させるためには、サイドシル10の天板部12aにおける第1の端部30aの接触範囲R
1の少なくとも一部が、天板部12aにおける天板フランジ部23aの接触範囲R
2と重なっている必要がある。そして、曲げ剛性および耐衝撃性を向上させるという観点においては接触範囲R
1と接触範囲R
2の重なる部分がより大きくなることが好ましい。
【0021】
ここで、
図3に示す補強部材30のサイドシル長手方向L
1の長さを“補強部材30の幅W
a”と称し、サイドシル10と天板フランジ部23aとの接合領域のサイドシル長手方向L
1の長さを“接合領域の幅W
b”と称す。補強部材30の幅W
aは、要求される曲げ剛性もしくは耐衝撃性、または重量制限等に応じて適宜変更されるものであるが、W
b≦1.5W
aを満たすことが好ましい。この条件を満たすことでサイドシル10の天板部12aの面外変形をさらに抑制することができ、曲げ剛性および耐衝撃性を向上させることができる。なお、
図3のようにサイドシル10の天板部12aとクロスメンバー20の天板フランジ部23aとがスポット溶接で接合されている場合、接合領域の幅W
bとは、サイドシル長手方向L
1に沿って並ぶスポット打点のうちの両端に位置するスポット打点間の距離である。また、
図6のように天板部12aと天板フランジ部23aとが例えばレーザ溶接、アーク溶接等の連続溶接、または接着で接合されている場合、接合領域の幅W
bとは、溶接領域または接着領域のサイドシル長手方向L
1における一端から他端までの長さである。なお、補強部材30の厚さは要求される曲げ剛性もしくは耐衝撃性、または重量制限等に応じて適宜変更されるものであるが、例えば1〜5mmが好ましい。
【0022】
また、補強部材30が例えばCFRPからなる場合、本実施形態のようなT字継手構造1に使用される程度の補強部材30の量であれば、補強部材30が接合された部品をスクラップとして溶解して再利用する場合でも、鋼の不純物が過度に増加するようなことはない。すなわち、本実施形態のT字継手構造1は、スクラップとして部品を再利用する際にサイドシル10と補強部材30を分別する必要がないため、リサイクル性に優れたものである。
【0023】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0024】
例えば補強部材30の形状は上記実施形態で説明したものに限定されない。例えば
図7に示すように、補強部材30の第2の端部30bは平面視において直線状ではなく、V字状であっても良い。このように補強部材30に形状を付与することでサイドシル10の断面における剛性を高め、結果的にT字継手構造1の剛性をさらに高めることができる。また、補強部材30の第1の端部30aや中途部30cに、サイドシル10の剛性を高めるための形状を付与しても良い。
【0025】
上記実施形態では、補強部材30の第2の端部30bが、サイドシル10の縦壁部12bのうちの高さ方向Hの上側の縦壁部12bの内面に接合されていたが、
図8に示すように高さ方向Hの下側の縦壁部12bの内面に接合されていても良い。この場合でも、補強部材30の第1の端部30aがサイドシル10の天板部12aに接合され、第2の端部30bが天板部12a以外の平面部である縦壁部12bに接合されている。したがって、
図8に示すT字継手構造1の場合も、外力を受けた際に天板部12aと縦壁部12bの位置関係が保持されやすくなり、天板部12aの面外変形を抑制させることが可能となる。
【0026】
また、補強部材30の第2の端部30bは、
図9に示すようにサイドシル10の平板11の内面に接合されていても良い。この場合でも、補強部材30の第1の端部30aがサイドシル10の天板部12aに接合され、第2の端部30bが天板部12a以外の平面部である平板11に接合されている。
図9に示すT字継手構造1の場合も、外力を受けた際に天板部12aと平板11の位置関係が保持されやすくなり、天板部12aの面外変形を抑制させることが可能となる。
【0027】
すなわち、補強部材30の第2の端部30bが、第1の端部30aが接合されている平面部以外の平面部に接合されていれば、T字継手構造1の曲げ剛性および耐衝撃性を向上させることができる。
【0028】
また、上記実施形態のクロスメンバー20の種類としては、サイドシル10に接合されるフロアクロスメンバー、フロントクロスメンバーおよびリアクロスメンバーの他に、例えば
図1のようにルーフサイドレールに接合されるルーフクロスメンバーもある。このため、T字継手構造1は例えばルーフサイドレールとルーフクロスメンバーの接合構造であっても良い。T字継手構造がルーフサイドレールとルーフクロスメンバーの接合構造の場合、ルーフサイドレールの長手方向が車長方向、ルーフクロスメンバーの長手方向が車幅方向、高さ方向Hが車高方向となる。また、T字継手構造は自動車の車体構造に含まれる他の部分のT字継手構造であっても良い。例えばT字継手構造は、
図10のようなラダーフレームにおいても採用され得る。さらに、T字継手構造は自動車分野に限らず、他の分野における部材同士のT字継手構造として利用することもできる。この場合でも、上記実施形態と同様に十分な曲げ剛性および耐衝撃性の確保と軽量化を両立させることができる。
【0029】
また、例えば上記実施形態で説明したサイドシル10とクロスメンバー20を、“第1の部材”と“第2の部材”で言い換えたとすると、T字継手構造は、補強部材30の第1の端部30aが第1の部材の第1の平面部(
図5の例ではサイドシル10の天板部12a)の内面に接合され、かつ補強部材30の第2の端部30bが第1の平面部以外の第2の平面部(
図5の例ではサイドシル10の縦壁部12b、
図9の例ではサイドシル10の平板11)の内面に接合された構造であると言える。また、曲げ剛性および耐衝撃性を向上させるためには、第2の部材の中空部を含むように切断された、第1の部材の長手方向L
1に垂直な断面において、第1の部材の第1の平面部と補強部材30の第1の端部30aが接触する部分の高さ方向Hにおける範囲R
1と、第1の部材の第1の平面部と第2の部材が接触する部分の高さ方向Hにおける範囲R
2とが少なくとも一部重なっていることを要する。なお、T字継手構造がルーフサイドレールとルーフクロスメンバーの接合構造の場合にはルーフサイドレールが第1の部材となり、ルーフクロスメンバーが第2の部材となる。
【0030】
本明細書における第1の部材の“第1の平面部”および“第2の平面部”とは、第1の部材が有する平面部のうち、第1の部材の中空部(
図5の例ではサイドシル10の中空部10a)を構成する平面部のことを意味する。例えば第1の部材が
図5のようなサイドシル10である場合、中空部10aはハット状部材12の天板部12aと、縦壁部12bと、平板11で構成されており、ハットフランジ部12cは平面部であるものの、中空部10aの構成には寄与していない。このため、ハットフランジ部12cは、本明細書における第1の平面部または第2の平面部ではない。
【0031】
なお、補強部材の素材は特に限定されない。補強部材は、例えばCFRP(炭素繊維強化樹脂)からなる部材やGFRP(ガラス繊維強化樹脂)からなる部材等のFRP(繊維強化樹脂)からなる部材であっても良い。また、補強部材は、アルミニウム合金部材、マグネシウム合金部材、または鋼材等であっても良い。また、補強部材は、上述した複数の素材からなる複合部材であっても良い。
【0032】
<FRPからなる補強部材の種類>
FRPからなる補強部材は、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂中に含有され、複合化された強化繊維材料からなる、繊維強化樹脂部材を意味する。
【0033】
強化繊維材料としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維を用いることができる。他にも、強化繊維材料として、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、アラミド繊維等を用いることができる。FRPにおいて、強化繊維材料の基材となる強化繊維基材としては、例えば、チョップドファイバーを使用した不織布基材や連続繊維を使用したクロス材、一方向強化繊維基材(UD材)等を使用することができる。これらの強化繊維基材は、強化繊維材料の配向性の必要に応じて、適宜選択され得る。
【0034】
CFRPからなる補強部材は、強化繊維材料として炭素繊維を用いたFRPからなる補強部材である。炭素繊維としては、例えば、PAN系またはピッチ系のものが使用できる。炭素繊維を用いることにより、重量に対する強度等を効率よく向上させることができる。
【0035】
GFRPからなる補強部材は、強化繊維材料としてガラス繊維を用いたFRPからなる補強部材である。炭素繊維よりも機械的特性に劣るが、金属部材の電蝕を抑制することができる。
【0036】
FRPからなる補強部材に用いられるマトリックス樹脂として、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のいずれも使用することができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、並びにビニルエステル樹脂等があげられる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)およびその酸変性物、ナイロン6およびナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタラートおよびポリブチレンテレフタラート等の熱可塑性芳香族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテルおよびその変性物、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、塩化ビニル、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、並びにフェノキシ樹脂等があげられる。なお、マトリックス樹脂は、複数種類の樹脂材料により形成されていてもよい。
【0037】
金属部材への適用を考慮すると、加工性、生産性の観点から、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。さらに、マトリックス樹脂としてフェノキシ樹脂を用いることで、強化繊維材料の密度を高くすることができる。また、フェノキシ樹脂は熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂と分子構造が酷似しているためエポキシ樹脂と同程度の耐熱性を有する。また、硬化成分をさらに添加することにより、高温環境への適用も可能となる。硬化成分を添加する場合、その添加量は、強化繊維材料への含浸性、FRPからなる補強部材の脆性、タクトタイムおよび加工性等とを考慮し、適宜決めればよい。
【0038】
<接着樹脂層>
補強部材がFRP等により形成される場合、FRPからなる補強部材と金属部材(上記実施形態では、サイドシル10)との間に接着樹脂層が設けられ、該接着樹脂層によりFRPからなる補強部材と金属部材とが接合されてもよい。
【0039】
接着樹脂層を形成する接着樹脂組成物の種類は特に限定されない。例えば、接着樹脂組成物は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれかであってもよい。熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の種類は特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンおよびその酸変性物、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタラートやポリブチレンテレフタラート等の熱可塑性芳香族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテルおよびその変性物、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、並びにポリエーテルケトンケトン等から選ばれる1種以上を使用することができる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、およびウレタン樹脂から選ばれる1種以上を使用することができる。
【0040】
接着樹脂組成物は、FRPからなる補強部材を構成するマトリックス樹脂の特性、補強部材の特性または金属部材の特性に応じて適宜選択され得る。例えば、接着樹脂層として極性のある官能基を有する樹脂や酸変性などを施された樹脂を用いることで、接着性が向上する。
【0041】
このように、上述した接着樹脂層を用いてFRPからなる補強部材を金属部材に接着させることにより、FRPからなる補強部材と金属部材との密着性を向上させることができる。そうすると、金属部材に対し荷重が入力された際の、FRPからなる補強部材の変形追従性を向上させることができる。この場合、金属部材の変形体に対するFRPからなる補強部材の効果をより確実に発揮させることが可能となる。
【0042】
なお、接着樹脂層を形成するために用いられる接着樹脂組成物の形態は、例えば、粉体、ワニス等の液体、フィルム等の固体とすることができる。
【0043】
また、接着樹脂組成物に架橋硬化性樹脂および架橋剤を配合して、架橋性接着樹脂組成物を形成してもよい。これにより接着樹脂組成物の耐熱性が向上するため、高温環境下での適用が可能となる。架橋硬化性樹脂として、例えば2官能性以上のエポキシ樹脂や結晶性エポキシ樹脂を用いることができる。また、架橋剤として、アミンや酸無水物等を用いることができる。また、接着樹脂組成物には、その接着性や物性を損なわない範囲において、各種ゴム、無機フィラー、溶剤等その他添加物が配合されてもよい。
【0044】
FRPからなる補強部材の金属部材への複合化は、種々の方法により実現される。例えば、FRPからなる補強部材となるFRPまたはその前駆体であるFRP成形用プリプレグと、金属部材とを、上述した接着樹脂組成物で接着し、該接着樹脂組成物を固化(または硬化)させることで得られる。この場合、例えば、加熱圧着を行うことにより、FRPからなる補強部材と金属部材とを複合化させることができる。
【0045】
上述したFRPまたはFRP成形用プリプレグの金属部材への接着は、部品の成形前、成形中または成形後を適宜選択して実施するまたは、適宜部分ごとに段階を踏んで実施すれば良い。例えば、被加工材である金属材料を金属部材に成形した後に、FRPまたはFRP成形用プリプレグを該金属部材に接着しても良い。また、被加工材にFRPまたはFRP成形用プリプレグを適宜部分ごとに加熱圧着により接着した後に、FRPからなる補強部材が接着された該被加工材を成形した後、該FRPからなる補強部材の別の部分を該成形後の金属部材に接着し、FRPからなる補強部材と複合化された金属部材を得てもよい。FRPからなる補強部材のマトリクス樹脂が熱可塑性樹脂であれば、FRPからなる補強部材が接着された部分について、温度を制御しながら曲げ加工等の成形を行うことも可能である。また、FRPからなる補強部材のマトリクス樹脂が熱可塑樹脂である場合、加熱圧着工程と成形工程とが一体となった複合一括成形が行われてもよい。
【0046】
なお、FRPからなる補強部材と金属部材との接合方法は、上述した接着樹脂層による接着に限られない。例えば、FRPからなる補強部材と金属部材とは、機械的に接合されてもよい。より具体的には、FRPからなる補強部材と金属部材のそれぞれ対応する位置に締結用の孔が形成され、これらがボルトやリベット等の締結手段により当該孔を介して締結されることにより、FRPからなる補強部材と金属部材とが接合されていてもよい。他にも公知の接合手段によってFRPからなる補強部材と金属部材とが接合されてもよい。また、複数の接合手段により複合的にFRPからなる補強部材と金属部材とが接合されてもよい。例えば、接着樹脂層による接着と、締結手段による締結とが複合的に用いられてもよい。
【0047】
また、補強部材は、肉盛部として肉盛により形成されていてもよい。この場合肉盛に用いられる金属の種類は、金属部材の母材との特性を鑑みて適宜決定される。また、金属部材との接合方法は溶接に限られず、種々の適切な接合方法を用いることができる。
【0048】
<金属部材およびその表面処理>
本発明に係る金属部材は、めっきされていてもよい。これにより、耐食性が向上する。特に、金属部材が鋼材である場合は、より好適である。めっきの種類は特に限定されず、公知のめっきを用いることができる。例えば、めっき鋼板(鋼材)として、溶融亜鉛めっき鋼板、溶融合金化亜鉛めっき鋼板、Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気Zn−Ni系合金めっき鋼板等が用いられ得る。
【0049】
また、金属部材は、表面に化成処理とよばれる皮膜が被覆されていてもよい。これにより、耐食性がより向上する。化成処理として、一般に公知の化成処理を用いることができる。例えば、化成処理として、りん酸亜鉛処理、クロメート処理、クロメートフリー処理等を用いることができる。また、上記皮膜は、公知の樹脂皮膜であってもよい。
【0050】
また、金属部材は、一般に公知の塗装が施されているものであってもよい。これにより、耐食性がより向上する。塗装として、公知の樹脂を用いることができる。例えば、塗装として、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはふっ素系樹脂等を主樹脂としたものを用いることができる。また、塗装には、必要に応じて、一般に公知の顔料が添加されていてもよい。また、塗装は、顔料が添加されていないクリヤー塗装であってもよい。かかる塗装は、FRPからなる補強部材を複合化する前に予め金属部材に施されていてもよいし、FRPからなる補強部材を複合化した後に金属部材に施されてもよい。また、予め金属部材に塗装が施されたのちにFRPからなる補強部材が複合化され、さらにその後塗装が施されてもよい。塗装に用いられる塗料は、溶剤系塗料、水系塗料または紛体塗料等であってもよい。塗装の施工方法として、一般に公知の方法が適用され得る。例えば、塗装の施工方法として、電着塗装、スプレー塗装、静電塗装または浸漬塗装等が用いられ得る。電着塗装は、金属部材の端面や隙間部を被覆するのに適しているため、塗装後の耐食性に優れる。また、塗装前に金属部材の表面にりん酸亜鉛処理やジルコニア処理等の一般に公知の化成処理を施すことにより、塗膜密着性が向上する。
【実施例】
【0051】
<変形シミュレーション>
本発明に係るT字継手構造の曲げ剛性の評価のため、
図11(実施例1)および
図12(実施例2)に示す解析モデルを作成して変形シミュレーションを実施した。各解析モデルはサイドシル10と、サイドシル10の天板部12aに接合されたクロスメンバー20と、サイドシル10の内方に設けられたCFRPからなる補強部材30で構成されている。補強部材30の第1の端部30aはサイドシル10の天板部12aの内面に接合され、第2の端部30bはサイドシル10の高さ方向Hの上側の縦壁部12bに接合されている。また、
図11に示す解析モデルにおいて、補強部材30の中途部30cは、サイドシル長手方向L
1に垂直な断面の形状が直線状となっている。
図12に示す解析モデルにおいて、補強部材30の中途部30cは、サイドシル長手方向L
1に垂直な断面の形状が
図13のように曲線状となっている。補強部材30の幅はクロスメンバー20の天板フランジ部23aの幅よりも長くなっている。なお、本シミュレーション含めて以下の各シミュレーションにおいては、サイドシル10およびクロスメンバー20の素材は1.5GPa級の鋼板であり、サイドシル10の板厚は0.8mm、クロスメンバー20の板厚は1.4mmである。補強部材30の板厚は1.0mmであり、CFRPの繊維方向はクロスメンバー長手方向L
2に対して平行となっている。また、使用した補強部材は、繊維方向の弾性率131.5GPa、繊維と直交方向の弾性率8.5GPaである。また、繊維方向の破断応力は2490MPa、繊維と直交方向の破断応力は76MPaとする。
【0052】
変形シミュレーションにおいて、サイドシル10の長手方向L
1の両端部の断面は完全に拘束されている。また、クロスメンバー20の長手方向L
2の両端部のうち、サイドシル10に当接しない側の端部(以下、“非当接側端部”)は高さ方向Hへの変位が許容されつつ、断面の面内変形は生じないように拘束されている。このような拘束条件の下、クロスメンバー20の非当接側端部に高さ方向Hの下向きの荷重F(100N)を入力することで、クロスメンバー20の縦曲げを想定した変形シミュレーションを実施した。なお、比較例として
図11の解析モデルに対して補強部材が設けられていない従来のT字継手構造の解析モデルを作成し、同様の解析条件で変形シミュレーションを実施した。
【0053】
図14に、変形シミュレーションの結果として、サイドシル10の天板部12aの車高方向の位置における車幅方向(クロスメンバー長手方向L
2)の変位量を示す。なお、
図14における車高方向座標の基準位置は、サイドシル10の天板部12aの下側のR止まりの位置である。また、
図14中の“接続位置”とは、
図15に示す、サイドシル10の天板部12aとクロスメンバー20の天板フランジ部23aとの溶接位置である。
図14に示すように、補強部材が設けられた実施例1および実施例2では、補強部材が設けられていない場合と比較してサイドシル10の天板部12aの面外変形が小さくなった。
【0054】
また、下記表1および
図16に本シミュレーションにおける各解析モデルの曲げ剛性を示す。
【0055】
【表1】
※CRFP配向における0°方向はクロスメンバー20の長手方向L
2に平行な方向である。
【0056】
“曲げ剛性”は、各解析モデルに発生する単位変位(mm)あたりの荷重(kN)であり、補強なしの解析モデルにおける結果を1とした場合の値を示している。
図16に示すように、実施例1および実施例2においては補強部材が設けられていることで、曲げ剛性が向上している。すなわち、本発明に係るT字継手構造においては、縦曲げに対する剛性の重量効率が大きく向上している。これにより、例えば軽量化のためにサイドシルやクロスメンバーの板厚を薄くした場合でも、本発明に係るT字継手構造によれば十分な曲げ剛性を確保することができる。したがって、本発明に係るT字継手構造によれば、十分な曲げ剛性の確保と軽量化を両立させることができる。
【0057】
次に、本発明に係るT字継手構造の耐衝撃性の評価のため、実施例1の解析モデルを用いて衝突シミュレーションを実施した。衝突シミュレーションでは、サイドシル10の長手方向L
1の両端部が完全拘束されている。
【0058】
<衝突シミュレーション(A)>
衝突シミュレーション(A)はポール側面衝突を模擬したシミュレーションである。
図17に示すように衝突シミュレーション(A)は、クロスメンバー20が当接する、平板11のサイドシル長手方向L
1の中央部にインパクタを当てることで実施された。詳述すると、クロスメンバー20の中心線上の位置、かつサイドシル10の全高にわたって、サイドシル10の外側から直径254mmのインパクタを500mm/sで衝突させることでシミュレーションが実施された。そして、インパクタのストローク30mm時における最大荷重(反力)と吸収エネルギーを評価することで、解析モデルの耐衝撃性を評価した。
【0059】
なお、解析モデルとして下記表2に示すものを作成し、シミュレーションを実施した。
【0060】
【表2】
※CRFP配向における0°方向はクロスメンバー20の長手方向L
2に平行な方向である。
【0061】
シミュレーション結果として、CFRPの配向が互いに異なる実施例3〜5の解析モデルにおける最大荷重を
図18に示し、実施例3〜5の解析モデルにおける吸収エネルギーを
図19に示す。
図18および
図19に示すように本発明に係るT字継手構造は、補強部材が設けられていない従来のT字継手構造に対して最大荷重および吸収エネルギーが増加している。
【0062】
シミュレーション結果として、補強部材の板厚が互いに異なる実施例6〜7の解析モデルにおける最大荷重を
図20に示し、実施例6〜7の解析モデルにおける吸収エネルギーを
図21に示す。
図20および
図21に示すように本発明に係るT字継手構造は、補強部材が設けられていない従来のT字継手構造に対して最大荷重および吸収エネルギーが増加している。
【0063】
<衝突シミュレーション(B)>
衝突シミュレーション(B)はポール側面衝突を模擬したシミュレーションであるが、前述の衝突シミュレーション(A)とはインパクタの位置が異なっている。
図22に示すように衝突シミュレーション(B)では、クロスメンバー20が当接するサイドシル10の平板11の中央部から、サイドシル長手方向L
1にオフセットした位置にインパクタを当てている。詳述すると、クロスメンバー20の中心線からサイドシル長手方向L
1に100mmオフセットした位置、かつサイドシル10の全高にわたって、サイドシル10の外側から直径254mmのインパクタを500mm/sで衝突させることでシミュレーションが実施された。なお、解析モデルは、下記表3に示すモデルである。
【0064】
【表3】
※CRFP配向における0°方向はクロスメンバー20の長手方向L
2に平行な方向である。
【0065】
シミュレーション結果として、補強部材のCFRPの配向が互いに異なる実施例3〜5の解析モデルにおける最大荷重を
図23に示し、実施例3〜5の解析モデルにおける吸収エネルギーを
図24に示す。
図23および
図24に示すように本発明に係るT字継手構造は、補強部材が設けられていない従来のT字継手構造に対して最大荷重および吸収エネルギーが増加している。
【0066】
シミュレーション結果として、補強部材の板厚が互いに異なる実施例6〜7の解析モデルにおける最大荷重を
図25に示し、実施例6〜7の解析モデルにおける吸収エネルギーを
図26に示す。
図25および
図26に示すように本発明に係るT字継手構造は、補強部材が設けられていない従来のT字継手構造に対して最大荷重および吸収エネルギーが増加している。
【0067】
<衝突シミュレーション(C)>
衝突シミュレーション(C)は、車両同士の側面衝突を模擬したシミュレーションである。
図27に示すように衝突シミュレーション(C)では、前述の衝突シミュレーション(A)に対し、インパクタの位置が高さ方向Hの上方にオフセットしている。詳述すると、クロスメンバー20の中心線上の位置、かつサイドシル10の全高の上半分の領域に、サイドシル10の外側から直径254mmのインパクタを500mm/sで衝突させることでシミュレーションが実施された。なお、解析モデルは、下記表4に示すモデルである。
【0068】
【表4】
※CRFP配向における0°方向はクロスメンバー20の長手方向L
2に平行な方向である。
【0069】
シミュレーション結果として、補強部材のCFRPの配向が互いに異なる実施例3〜5の解析モデルにおける最大荷重を
図28に示し、実施例3〜5の解析モデルにおける吸収エネルギーを
図29に示す。
図28および
図29に示すように本発明に係るT字継手構造は、補強部材が設けられていない従来のT字継手構造に対して最大荷重および吸収エネルギーが増加している。
【0070】
シミュレーション結果として、補強部材の板厚が互いに異なる実施例6〜7の解析モデルにおける最大荷重を
図30に示し、実施例6〜7の解析モデルにおける吸収エネルギーを
図31に示す。
図30および
図31に示すように本発明に係るT字継手構造は、補強部材が設けられていない従来のT字継手構造に対して最大荷重および吸収エネルギーが増加している。
【0071】
本シミュレーションにおけるインパクタの変位と、インパクタが受ける反力との関係を評価したところ、インパクタの変位が小さい段階、すなわちT字継手構造の変形初期段階において反力が大きくなっていた。したがって、変形初期段階でサイドシルの天板部の面外変形が抑えられたことで、従来のT字継手構造と比較して反力が大きくなり、吸収エネルギーの向上に寄与したと考えられる。したがって、本発明に係るT字継手構造によれば、十分な耐衝撃性を確保することができる。
【0072】
以上の変形シミュレーションおよび衝突シミュレーションの結果を総括すると、本発明に係るT字継手構造によれば、十分な曲げ剛性および耐衝撃性の確保と軽量化とを両立することができることが示された。
【0073】
なお、実施例5の解析モデルの補強部材は、繊維方向が45°方向のCFRPの層、−45°方向のCFRPの層、90°方向のCFRPの層、0°方向のCFRPの層が積層された4層のCFRPからなる部材である。前述の衝突シミュレーションでは、サイドシルの、インパクタが衝突した部分において局所的に様々な方向に変形が進むことになるが、実施例5の解析モデルにおいては、互いに異なる繊維方向のCFRPの層が複数存在していることにより、一方向の荷重だけでなく複数方向の荷重に対して反力を生じさせることができる。すなわち、実施例5の解析モデルにおいては、様々な方向に進む変形を抑えることができるため、衝突シミュレーション(A)〜(C)のいずれのシミュレーションにおいても良好な結果が得られた。このような効果は、補強部材の素材がCFRPである場合に限らず、FRPであれば得ることができる。また、補強部材がFRPで構成される場合、FRPの繊維方向は、実施例5のような、いわゆる疑似等方と呼ばれる配向であることが好ましいが、少なくとも2つの繊維方向があれば、1つの繊維方向のみのFRPからなる補強部材の場合に比べて耐衝撃性を向上させることが可能である。したがって、補強部材がFRPからなる部材である場合、補強部材は、2以上の繊維方向を有していることが好ましい。なお、2以上の繊維方向を有する補強部材は、例えば一の繊維方向からなるFRPの層が互いに異なる向きで重ねられることによって構成されていてもよいし、いわゆるクロス材のように一のFRPの層内において直線状の繊維が交差して編み込まれることによって構成されていてもよい。