【実施例】
【0066】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。表中の空欄は未配合であることを示す。
【0067】
<実施例1>
(プライマー組成物の作製)
ブロック共重合体(A)としてマレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が30/70、酸価が19[mgCH
3ONa/g])(クレイトンFG1901:クレイトン株式会社製)を表1に記載の配合比率で溶剤に溶解して実施例1のプライマー組成物を作製した。溶剤は、メチルシクロヘキサンとn−プロピルアセテートを用いた。
【0068】
(ポリウレタン尿素樹脂溶液Pの調整)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールアジペートジオール84.5部(水酸基価:56.6mgKOH/g)とポリエチレングリコール15.5部(水酸基価:278mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート27.55部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率2.84重量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル68.7部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン7.83部、ジ−n−ブチルアミン0.11部、酢酸エチル136.8部およびイソプロピルアルコール110.7部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン尿素樹脂溶液Pを得た。得られたポリウレタン尿素樹脂溶液Pは、樹脂固形分濃度30.4質量%、Tgが3℃、樹脂固形分のMwは54,000であった
(塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂溶液Kの調整)
水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(樹脂モノマー組成が重量%で塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=92/3/5、水酸基価(mgKOH)=64)を酢酸エチルで15%溶液とし、これを塩酢ビ樹脂溶液Kとした。
(ウレタン・塩酢ビ系インキの調整)
ポリウレタン樹脂溶液Pを30部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂溶液Kを30部、フタロシアニン系青色顔料10部(DIC(株)製FASTGEN Blue LA5380)、酢酸エチル30部の混合物をダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)を使用して練肉し、ウレタン・塩酢ビ系の青色印刷インキを作成した。
【0069】
得られた印刷インキの粘度を酢酸エチル/IPA=70/30でザーンカップ#3(離合社製)で16秒(25℃)に調整した。
【0070】
(印刷物及び積層体の作製)
次に、調整後のインキを、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア校正機により、片面にコロナ処理を施した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルム、東洋紡績株式会社製)へ印刷して、乾燥することにより、基材(OPPフィルム)に印刷インキ層を形成し、続いて同様に、プライマー組成物を印刷して乾燥することによりプライマー層を形成し、印刷層とプライマー層を有するOPPフィルム印刷物を得た。
続いて、OPPフィルム印刷物からフィルムを順次くり出して、押出し樹脂層を設けると同時に、該押出し樹脂層に無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPPフィルム)を貼り付けて、OPPフィルム/印刷インキ層/プライマー層/押出し樹脂層/CPPフィルムの実施例1の積層体を作製した。なお、押出し樹脂層は、プロピレン単独重合体〔密度:0.90g/cm3、MFR:7.5g/10分〕を用い、該プロピレン単独重合体を押出法により押出温度250℃でTダイから押出樹脂層の厚さが10μmになるように押出すことにより形成した。
【0071】
<実施例2>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてマレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が13/87、酸価が11[mgCH
3ONa/g])(クレイトンFG1924:クレイトン株式会社製)を表1に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例2のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0072】
<実施例3>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてスチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が30/70)(クレイトンG1652:クレイトン株式会社製)を表1に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例3のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0073】
<実施例4>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が20/80)(クレイトンG1730:クレイトン株式会社製)を表1に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例4のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0074】
<実施例5>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてマレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が30/70、酸価が10[mgCH
3ONa/g])(タフテック(登録商標)M−1913:旭化成株式会社製)を表1に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例5のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0075】
<実施例6>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてマレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が20/80、酸価が10[mgCH
3ONa/g])(タフテック(登録商標)M−1943:旭化成株式会社製)を表1に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例6のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0076】
<実施例7>
実施例1を表1に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例7のプライマー組成物及び実施例7の積層体を作製した。
【0077】
<実施例8>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が30/70)(タフテック(登録商標)H−1041:旭化成株式会社製))を表1に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例8のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0078】
<実施例9>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が67/33)(タフテック(登録商標)H−1043:旭化成株式会社製))を表1に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例9のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0079】
<実施例10>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が12/88)(タフテック(登録商標)H−1221:旭化成株式会社製))を表1に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例10のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0080】
<実施例11>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてスチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が20/80)(タフテック(登録商標)P−1083:旭化成株式会社製))を表1に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例11のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0081】
<実施例12>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてスチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が30/70)(タフテック(登録商標)P−1500:旭化成株式会社製))を表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例12のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0082】
<実施例13>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が30/70)(アサプレン(登録商標)T−411:旭化成株式会社製))を表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例13のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0083】
<実施例14>
実施例1のプライマー組成物において、ブロック共重合体(A)としてスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(スチレン系重合体ブロック(a)とブタジエン系重合体ブロック(b)の質量比(a)/(b)が30/70)(アサプレン(登録商標)T−432:旭化成株式会社製))を表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例14のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0084】
<実施例15>
実施例1のプライマー組成物において、ブロッキング防止剤(C)としてアマイドワックス(エチレンビスオレイン酸アマイド)を更に加えて表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例15のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0085】
<実施例16>
実施例2のプライマー組成物において、フィッシャートロプシュワックス(SasolwaxH1、固形分酸価0.1mgKOH/g:Sasol Performance Chemicals社製)を更に加えて表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例2と同様にして、実施例16のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0086】
<実施例17>
実施例3のプライマー組成物において、ポリエチレンワックス(ハイワックス200P:三井化学(株)社製)を更に加えて表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例3と同様にして、実施例17のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0087】
<実施例18>
実施例4の組成物において、ポリプロピレンワックス(ハイワックスNP055:三井化学(株)社製)を更に加えて表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例4と同様にして、実施例18のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0088】
<実施例19>
実施例5の組成物において、助樹脂として、Tgが50℃のケトン樹脂(TEGO VariPlus AP:Evonik Industries社製)を更に加えて表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例5と同様にして、実施例19のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0089】
<実施例20>
実施例6の組成物において、助樹脂として、Tgが90℃のケトン樹脂(TEGO VariPlus SK:Evonik Industries社製)を更に加えて表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例6と同様にして、実施例20のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0090】
<実施例21>
実施例7の組成物において、助樹脂として、Tgが85℃のアクリル樹脂(DEGALAN LP 67/11、溶剤系アクリル樹脂(固形分100%):Evonik Industries社製)を更に加えて表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例7と同様にして、実施例21のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0091】
<実施例22>
実施例8の組成物において、助樹脂として、Tgが76℃の塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合樹脂(ソルバインAL:日信化学工業株式会社社製)を更に加えて表2に記載の配合比率で混合した以外は実施例8と同様にして、実施例22のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0092】
<実施例23>
実施例9の組成物において、助樹脂として、Tgが68℃の塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合樹脂(ソルバインC5R:日信化学工業株式会社社製)を更に加えて表3に記載の配合比率で混合した以外は実施例9と同様にして、実施例23のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0093】
<実施例24>
実施例10の組成物において、助樹脂として、Tgが150℃の工業用工業用硝化綿L1/8(ニトロセルロース、固形分30%、JIS K−6703により溶液濃度25.0%における粘度1.6〜2.9%品:太平化学製品株式会社製)を更に加えて表3に記載の配合比率で混合した以外は実施例10と同様にして、実施例24のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0094】
<実施例25>
実施例11の組成物において、助樹脂として、実施例1において作製したポリウレタン尿素樹脂溶液P(Tgが3℃、樹脂固形分約30%)を更に加えて表3に記載の配合比率で混合した以外は実施例11と同様にして、実施例25のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0095】
<実施例26>
実施例12の組成物において、助樹脂として、Tgが50℃のケトン樹脂(TEGO VariPlus AP:Evonik Industries社製)を、ワックスとしてアマイドワックス(エチレンビスオレイン酸アマイド)を更に加えて表3に記載の配合比率で混合した以外は実施例12と同様にして、実施例26のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0096】
<実施例27>
実施例1の組成物において、助樹脂として、Tgが68℃の塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合樹脂(ソルバインC5R:日信化学工業株式会社社製)を、ワックスとしてポリエチレンワックス(ハイワックス200P:三井化学(株)社製)を更に加えて表3に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例27のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0097】
<実施例28>
実施例3の組成物において、助樹脂として、Tgが90℃のケトン樹脂(TEGO VariPlus SK:Evonik Industries社製)を、ワックスとしてフィッシャートロプシュワックス(SasolwaxH1)を更に加えて表3に記載の配合比率で混合した以外は実施例3と同様にして、実施例28のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0098】
<実施例29>
実施例5の組成物において、助樹脂として、Tgが85℃のアクリル樹脂(DEGALAN LP 67/11:Evonik Industries社製)を、ワックスとしてポリプロピレンワックス(ハイワックスNP055:三井化学(株)社製)を更に加えて表3に記載の配合比率で混合した以外は実施例5と同様にして、実施例29のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0099】
<実施例30>
実施例2の組成物において、助樹脂としてTgが68℃の塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合樹脂(ソルバインC5R:日信化学工業株式会社社製)を、ワックスとしてアマイドワックス(エチレンビスオレイン酸アマイド)を加え、更に溶剤としてメチルシクロヘキサンに変えてトルエンを使用して表3に記載の配合比率で混合した以外は実施例2と同様にして、実施例30のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0100】
<実施例31>
実施例6の組成物において、助樹脂としてTgが50℃のケトン樹脂(TEGO VariPlus AP:Evonik Industries社製)を、ワックスとしてアポリエチレンワックス(ハイワックス200P:三井化学(株)社製)を加え、更に溶剤としてメチルシクロヘキサン及びn−プロピルアセテートに変えてトルエン及び酢酸エチルを使用して表3に記載の配合比率で混合した以外は実施例6と同様にして、実施例31のプライマー組成物、印刷物及び積層体を作製した。
【0101】
<比較例1>
実施例1において、基材(OPPフィルム)に印刷インキ層を形成したOPPフィルム印刷物を得た後、プライマー層を設けずに印刷インキ層の上に直接押出し樹脂層を設けると同時に、該押出し樹脂層に無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPPフィルム)を貼り付けた以外は実施例1と同様にして、OPPフィルム/印刷インキ層/押出し樹脂層/CPPフィルムの比較例1の積層体を作製した。
【0102】
<比較例2>
実施例1において、プライマー組成物としてポリウレタン尿素樹脂溶液Pを用い、表3に記載の配合比率で混合した以外は実施例1と同様にして、比較例2の印刷物及び積層体を作製した。
【0103】
以上のように作製したプライマー組成物および積層体について、以下の評価を行った。
【0104】
[ラミネート適性]
実施例1〜31、比較例1〜2の積層体を15mm幅に切り出し、引っ張り速度300mm/分で90度の剥離試験を行った。
【0105】
(評価基準)
◎:ラミネート強度が1.5N/15mm以上である。
〇:ラミネート強度が1.5N/15mm未満〜1.0N/15mm以上である。
△:ラミネート強度が1.0N/15mm未満〜0.5N/15mm以上である。
×:ラミネート強度が0.5N/15mm未満である。
【0106】
[耐ブロッキング性]
実施例1〜31、比較例1〜2の積層体の製造方法において、押出樹脂層を設ける前のプライマー層を形成したOPPフィルム印刷物(OPPフィルム/印刷インキ層/プライマー層)を、プライマー層とOPPフィルムが接触するようにOPPフィルム印刷物を重ね合わせ、10kgf/cm
2の加重をかけ、40℃の環境下に12時間経時させ、取り出し後、非印刷面へのインキの転移の状態を目視評価した。なお、△以上は実用上問題無く使用可能である。
【0107】
(評価基準)
◎:剥離抵抗が無く、全くブロッキングが見られない。
〇:剥離抵抗はあるが、ブロッキングは見られない。
△:剥離抵抗があり、部分的に僅かにブロッキングが見られる。
×:剥離抵抗が強く、全面に渡ってブロッキングが見られる。
【0108】
[透明性・安定性]
実施例1〜31、比較例2の組成物を作成後の溶液の外観、透明性および、25℃、24時間後の溶液の外観、透明性を目視評価した。なお、△以上は実用上問題無く使用可能である。
◎:溶液は濁りが無く透明で、凝集物、分離は見られない。
〇:溶液は僅かに濁りがあるが、凝集物、分離は見られない。
△:溶液は濁りがあるが、凝集物、分離は見られない。
×:溶液は濁りがあり、凝集物もしくは分離が見られる。
結果を以下の表に示す。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】
【0113】
表1〜4の結果より、本発明のプライマー層を設けることによって、ポリプロピレン押出し樹脂層との密着性が向上して、優れたラミネート適性が得られることがわかった。プライマー層を設けても、耐ブロッキング性はプライマー層が無い場合と同等程度の性能を保持している。
<実施例32>
実施例1において、押出し樹脂層に、直鎖状中密度ポリエチレン〔密度:0.930g/cm3、融点125℃、MFR:5g/10分(190℃、21.18N)〕を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例32の印刷物及び積層体を作製した。
<実施例33〜57、比較例3>
実施例32と同様に、実施例2〜31及び比較例1において押出し樹脂層に直鎖状中密度ポリエチレンを用いた以外は実施例2〜31及び比較例1とそれぞれ同様にして、実施例33〜57及び比較例3の印刷物及び積層体を作製した。
【0114】
以上のように作製した積層体について、上記の評価を行った。
【0115】
【表5】
【0116】
【表6】
【0117】
【表7】
【0118】
表5〜7の結果より、本発明のプライマー層を設けることによって、ポリエチレン押出し樹脂層との密着性が向上して、優れたラミネート適性が得られることがわかった。比較例1〜3の結果より、プライマー層を設けない場合には、押出し樹脂層にポリプロピレンよりもポリエチレンを用いる方がラミネート適性が優れていることがわかる。しかしながら、本発明のプライマー層を用いた場合には、押出し樹脂層にポリプロピレンを用いた場合に、より優れたラミネート適性の効果が得られることがわかった。
【0119】
<実施例58>
実施例15の積層体において、印刷インキ層のインキを以下の「ウレタン・ポリビニルブチラール系」の印刷インキに代えた以外は実施例15と同様にして、実施例58の印刷物及び積層体を作製した。
【0120】
(ウレタン・ポリビニルブチラール系インキの調整)
ポリウレタン樹脂溶液Pを30部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製 エスレックBL−1)を5部、フタロシアニン系青色顔料10部(DIC(株)製FASTGEN Blue LA5380)、酢酸エチル30部、IPA25部の混合物をダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)を使用して練肉し、ウレタン・ポリビニルブチラール系の青色印刷インキを作成した。得られた印刷インキの粘度を酢酸エチル/IPA=70/30でザーンカップ#3(離合社製)で16秒(25℃)に調整した。
【0121】
<実施例59>
実施例16の積層体において、印刷インキ層のインキを「ウレタン・ポリビニルブチラール系」の印刷インキに代えた以外は実施例16と同様にして、実施例59の印刷物及び積層体を作製した。
【0122】
<実施例60>
実施例17の積層体において、印刷インキ層のインキを以下の「塩酢ビ系」の印刷インキに代えた以外は実施例17と同様にして、実施例60の印刷物及び積層体を作製した。
(塩酢ビ系インキの調整)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂溶液Kを60部、フタロシアニン系青色顔料10部(DIC(株)製FASTGEN Blue LA5380)、酢酸エチル30部の混合物をダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)を使用して練肉し、塩酢ビ系の青色印刷インキを作成した。得られた印刷インキの粘度を酢酸エチルでザーンカップ#3(離合社製)で16秒(25℃)に調整した。
【0123】
<実施例61>
実施例18の積層体において、印刷インキ層のインキを「塩酢ビ系」の印刷インキに代えた以外は実施例18と同様にして、実施例61の印刷物及び積層体を作製した。
【0124】
<実施例62>
実施例19の積層体において、印刷インキ層のインキを「ウレタン・ポリビニルブチラール系」の印刷インキに代えた以外は実施例19と同様にして、実施例62の印刷物及び積層体を作製した。
【0125】
<実施例63>
実施例20の積層体において、印刷インキ層のインキを「ウレタン・ポリビニルブチラール系」の印刷インキに代えた以外は実施例20と同様にして、実施例63の印刷物及び積層体を作製した。
【0126】
<実施例64>
実施例21の積層体において、印刷インキ層のインキを「塩酢ビ系」の印刷インキに代えた以外は実施例21と同様にして、実施例64の印刷物及び積層体を作製した。
【0127】
<実施例65>
実施例22の積層体において、印刷インキ層のインキを「塩酢ビ系」の印刷インキに代えた以外は実施例22と同様にして、実施例65の印刷物及び積層体を作製した。
【0128】
<実施例66>
実施例23の積層体において、印刷インキ層のインキを「ウレタン・ポリビニルブチラール系」の印刷インキに代えた以外は実施例23と同様にして、実施例66の印刷物及び積層体を作製した。
【0129】
<実施例67>
実施例24の積層体において、印刷インキ層のインキを「ウレタン・ポリビニルブチラール系」の印刷インキに代えた以外は実施例24と同様にして、実施例67の印刷物及び積層体を作製した。
【0130】
<実施例68>
実施例25の積層体において、印刷インキ層のインキを「塩酢ビ系」の印刷インキに代えた以外は実施例25と同様にして、実施例68の印刷物及び積層体を作製した。
【0131】
<実施例69>
実施例26の積層体において、印刷インキ層のインキを「塩酢ビ系」の印刷インキに代えた以外は実施例26と同様にして、実施例69の印刷物及び積層体を作製した。
【0132】
<実施例70>
実施例27の積層体において、印刷インキ層のインキを「ウレタン・ポリビニルブチラール系」の印刷インキに代えた以外は実施例27と同様にして、実施例70の印刷物及び積層体を作製した。
【0133】
<実施例71>
実施例28の積層体において、印刷インキ層のインキを「ウレタン・ポリビニルブチラール系」の印刷インキに代えた以外は実施例28と同様にして、実施例71の印刷物及び積層体を作製した。
【0134】
<実施例72>
実施例29の積層体において、印刷インキ層のインキを「塩酢ビ系」の印刷インキに代えた以外は実施例29と同様にして、実施例72の印刷物及び積層体を作製した。
【0135】
以上のように作製した積層体について、上記のラミネート適性と耐ブロッキング性の評価を行った。
【0136】
【表8】
【0137】
【表9】
【0138】
実施例58〜72の結果より、印刷インキ層のインキの種類を問わず優れたラミネート適性が得られることが分かった。
【0139】
実施例58〜72の結果より、印刷インキ層のインキの種類を問わず優れたラミネート適性が得られることが分かった。
【0140】
<実施例73>
実施例15のプライマー組成物において、ブロッキング防止剤(C)としてシリカ(富士シリシア株式会社製、サイリシア(登録商標)430)を用いて表10に記載の配合比率で混合した以外は実施例15と同様にして、実施例73の印刷物及び積層体を作製した。
【0141】
<実施例74>
実施例29のプライマー組成物において、助樹脂としてTgが90℃のケトン樹脂(TEGO VariPlus SK:Evonik Industries社製)を用い、ブロッキング防止剤(C)としてシリカ(富士シリシア株式会社製、サイリシア(登録商標)430)を用いて表10に記載の配合比率で混合した以外は実施例29と同様にして、実施例74の印刷物及び積層体を作製した。
【0142】
<実施例75>
実施例42において、ブロッキング防止剤(C)としてシリカ(富士シリシア株式会社製、サイリシア(登録商標)430)を用いて表10に記載の配合比率で混合した以外は実施例46と同様にして、実施例75の印刷物及び積層体を作製した。
【0143】
<実施例76>
実施例55において、ブロッキング防止剤(C)としてシリカ(富士シリシア株式会社製、サイリシア(登録商標)430)を用いて表10に記載の配合比率で混合した以外は実施例60と同様にして、実施例76の印刷物及び積層体を作製した。
【0144】
<実施例77>
実施例72において、助樹脂としてTgが68℃の塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合樹脂(ソルバインC5R:日信化学工業株式会社社製)を用い、ブロッキング防止剤(C)としてシリカ(富士シリシア株式会社製、サイリシア(登録商標)430)を用いて表10に記載の配合比率で混合した以外は実施例72と同様にして、実施例77の印刷物及び積層体を作製した。
【0145】
【表10】
【0146】
実施例73〜77の結果より、ブロッキング防止剤(C)の種類を問わず優れたラミネート適性が得られることが分かった。