特許第6969735号(P6969735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969735
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】胸部プロテクター
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/05 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   A41D13/05 118
   A41D13/05 156
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-53598(P2017-53598)
(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公開番号】特開2018-154947(P2018-154947A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2020年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】391038615
【氏名又は名称】株式会社アールエスタイチ
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】栗栖 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】伊東 洋孝
【審査官】 須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−053463(JP,A)
【文献】 特表2016−526141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/05−13/06
A41D13/015−13/018
A63B71/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者胸部の左側部分を覆う被覆体であって右側の端部を備える左側被覆体と、
着用者胸部の右側部分を覆う被覆体であって左側の端部を備える右側被覆体とを備え、
前記各被覆体は、板体としての表部材と板体としての裏部材との2枚重ねた積層体であり、
前記各被覆体は、
前記各被覆体の前記端部に配置された差込凹部と、
前記各被覆体の前記端部に配置され他の前記被覆体の前記差込凹部に差し込まれる差込部と
を備え
前記差込部は、前記各被覆体の前記端部において、前記表部材と前記裏部材の各々から他の前記被覆体に向けて突出した第1突出片により構成され、
前記差込凹部は、前記各被覆体の前記端部において、前記表部材と前記裏部材の各々から他の前記被覆体に向けて突出した第2突出片の間に構成され、
前記差込部と前記差込凹部とは、前記各被覆体の前記端部において、上下方向に交互となるように配置され、
前記差込部が前記差込凹部に差し込まれた状態において、前記差込部が前記差込凹部に差し込まれた部分に対して裏から表に向けて突き出るように曲げる力が加わったときに、前記差込部が前記差込凹部から抜けることを許容する胸部プロテクター。
【請求項2】
前記表部材及び前記裏部材は、複数のセルが並設されたコア層の上下両面にラミネートシートを接合した中空構造を有している
請求項1に記載の胸部プロテクター。
【請求項3】
前記差込凹部は、前記差込部が差し込まれた状態で、前記差込部と対向する面に係合部を備え、
前記差込部は、前記差込凹部に差し込まれた状態で、前記係合部が設けられた前記差込凹部の面と対向する面に、前記係合部が係合する被係合部を備え、
前記差込部が前記差込凹部に差し込まれた状態において、前記差込部が前記差込凹部に差し込まれた部分に対して裏から表に向けて突き出るように曲げる力が加わったときに、前記係合部と前記被係合部とは、前記差込部と前記差込凹部との間隙が広がる部位に位置して係合が解除される
請求項1または2に記載の胸部プロテクター。
【請求項4】
前記係合部は、前記差込凹部の前記表部材が備える前記第1突出片の裏面に配置され、
前記被係合部は、前記差込部の前記表部材が備える前記第2突出片の表面に配置されている
請求項3に記載の胸部プロテクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者の胸部を保護する胸部プロテクターに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のように、着用者の着用体の内側に着脱可能に装着して、着用者の胸部を保護する胸部プロテクターが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2885194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
胸部プロテクターが1つの被覆体で着用者胸部の全体を覆うように配置されるものであると、休憩のときなどに、着用体の胸部ファスナーを下げても、胸部プロテクターが着用者胸部を覆ったままであり、胸部の通気性が少ない。涼をとるため、胸部プロテクターを外すときには、着用体を脱ぐ必要があり、その作業が面倒である。
【0005】
本発明は、容易に着脱を可能とした胸部プロテクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する胸部プロテクターは、着用者胸部の左側部分を覆う被覆体であって右側の端部を備える左側被覆体と、着用者胸部の右側部分を覆う被覆体であって左側の端部を備える右側被覆体とを備え、前記各被覆体は、表部材と裏部材とを含む積層体であり、前記各被覆体は、前記各被覆体の前記端部に配置された差込凹部と、前記各被覆体の前記端部に配置され他の前記被覆体の前記差込凹部に差し込まれる差込部とを備える。
【0007】
このような構成によれば、差込凹部に対して差込部を抜き差しするだけで、左側被覆体と右側被覆体とを容易に分割することができる。また、表部材と裏部材を備えることで、胸部プロテクターとしての強度を高めることができる。
【0008】
上記胸部プロテクターにおいて、前記差込部が前記差込凹部に差し込まれた状態において、前記差込部が前記差込凹部に差し込まれた部分に対して裏から表に向けて突き出るように曲げる力が加わったときに、前記差込部が前記差込凹部から抜けることを許容する構成としてもよい。
このような構成によれば、差込部が差込凹部に差し込まれた部分に対して裏から表に向けて突き出るように曲げる力を加えることで、容易に差込部を差込凹部から引き抜くことができる。
【0009】
上記胸部プロテクターにおいて、前記差込部は、前記各被覆体の前記端部において、前記表部材と前記裏部材の各々から他の前記被覆体に向けて突出した第1突出片により構成され、前記差込凹部は、前記各被覆体の前記端部において、前記第1突出片の間であって、前記表部材と前記裏部材の各々から他の前記被覆体に向けて突出した第2突出片の間に構成されているようにしてもよい。
このような構成によれば、表部材および裏部材に突出片を設けるだけで、差込部と差込凹部を容易に設けることができる。
【0010】
上記胸部プロテクターにおいて、前記差込凹部は、前記差込部が差し込まれた状態で、前記差込部と対向する面に係合部を備え、前記差込部は、前記差込凹部に差し込まれた状態で、前記係合部が設けられた前記差込凹部の面と対向する面に、前記係合部が係合する被係合部を備え、前記差込部が前記差込凹部に差し込まれた状態において、前記差込部が前記差込凹部に差し込まれた部分に対して裏から表に向けて突き出るように曲げる力が加わったときに、前記係合部と前記被係合部とは、前記差込部と前記差込凹部との間隙が広がる部位に位置して係合が解除される構成としてもよい。
このような構成によれば、差込部が差込凹部に差し込まれた部分に対して裏から表に向けて突き出るように曲げる力を加えることで、係合部と被係合部の係合が解除され、容易に差込部を差込凹部から引き抜くことができる。
【0011】
上記胸部プロテクターにおいて、前記係合部は、前記差込凹部の前記表部材が備える前記第1突出片の裏面に配置され、前記被係合部は、前記差込部の前記表部材が備える前記第2突出片の表面に配置されている構成としてもよい。
このような構成によれば、差込部が差込凹部に差し込まれた部分に対して裏から表に向けて突き出るように曲げる力を加えることで、係合部と被係合部の係合が解除され、容易に差込部を差込凹部から引き抜くことができる。また、表から裏に向けて曲げる力が加わったときには、対向面同士が押され、係合部と被係合部の係合が維持される。これにより、差込部が差込凹部に対して抜けにくく、左側被覆体と右側被覆体とが分離されにくくなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、軽量化を可能とした胸部プロテクターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の胸部プロテクターの斜視図。
図2】本実施形態の胸部プロテクターの左側被覆体と右側被覆体とを分離した状態を示す正面図。
図3】本実施形態の胸部プロテクターを表側から見た分解斜視図。
図4】本実施形態の胸部プロテクターを裏側から見た分解斜視図。
図5】左側被覆体と右側被覆体における差込部と差込凹部を示す斜視図。
図6】本実施形態の被覆体を構成する中空構造体について説明する図であって、(a)は中空構造体を示す斜視図、(b)は(a)におけるβ−β線断面図、(c)は(a)におけるγ−γ線断面図。
図7】(a)〜(c)は本実施形態の中空構造体の成形工程について説明する図。
図8】本実施形態の胸部プロテクターの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した胸部プロテクターについて図面を参照して説明する。本明細書において、上下、前後、左右は、着用者から見た上下、前後、左右を基準にしたものとする。
【0015】
図1に示すように、胸部プロテクター10は、ライダージャケットなどの着用体1の内側に着用するものであって、着用者胸部を前面側から保護するものである。胸部プロテクター10は、着用者胸部の左側部分を覆う左側被覆体11Lと、着用者胸部の右側部分を覆う右側被覆体11Rとを備えている。そして、左側被覆体11Lおよび右側被覆体11Rは、着用者胸部の前面で、左右に分割可能に構成されている。胸部プロテクター10は、装着ベルト2が取り付けられている。なお、以下、左側被覆体11Lおよび右側被覆体11Rとをまとめて被覆体11ともいう。
【0016】
装着ベルト2は、左側被覆体11Lに対する左側取付部3Lと右側被覆体11Rに対する右側取付部3Rとに取り付けられている。左側取付部3Lおよび右側取付部3Rは、装着ベルト2を左側被覆体11Lおよび右側被覆体11Rに取り付ける部材である。装着ベルト2は、左側取付部3Lから延び着用者の左肩に掛けられる左側肩掛けベルト部4Lと、右側取付部3Rから延び着用者の右肩に掛けられる右側肩掛けベルト部4Rとを備えている。さらに、装着ベルト2は、左側取付部3Lおよび右側取付部3Rから背部を通るように延びる周回ベルト部5を備えている。さらに、装着ベルト2は、着用者の背部において、左側肩掛けベルト部4Lと右側肩掛けベルト部4Rと周回ベルト部5とを繋ぐ背部ベルト部6を備えている。
【0017】
図2に示すように、胸部プロテクター10は、着用者胸部の前面で、左側被覆体11Lと右側被覆体11Rとを左右に分割することができる。そして、左側被覆体11Lにおける着用者胸部の中央であって上下方向に延びる右側の端部には、左側差込凹部13Lと左側差込部12Lとが上下方向に交互に配置されている。また、右側被覆体11Rにおける着用者胸部の中央であって上下方向に延びる左側の端部にも、右側差込部12Rと右側差込凹部13Rとが上下方向に交互に配置されている。ただし、左側被覆体11Lにおける左側差込部12Lと左側差込凹部13Lの並ぶ順番と右側被覆体11Rにおける右側差込部12Rと右側差込凹部13Rの並ぶ順番は、逆となっている。これにより、左側差込部12Lが右側差込凹部13Rに差し込み可能であり、右側差込部12Rが左側差込凹部13Lに差し込み可能となる。
【0018】
図3および図4に示すように、左側被覆体11Lは、2枚の板体を重ねた積層体であり、上下に重ねられる左側表部材14Lと左側裏部材15Lとを備えている。右側被覆体11Rもまた、2枚の板体を重ねた積層体であり、上下に重ねられる右側表部材14Rと右側裏部材15Rとを備えている。なお、以下、左側表部材14Lおよび右側表部材14Rをまとめて表部材14といい、左側裏部材15Lおよび右側裏部材15Rをまとめて裏部材15ともいう。
【0019】
表部材14および裏部材15は、熱可塑性樹脂などの合成樹脂の成形体であって、内部にハニカムコア構造などの中空構造を設けた構造体である。このような中空構造体は、軽量であって着用者に取って負担する重量が軽く、また、プロテクターとしての優れた衝撃吸収性を発揮する。また、表部材14および裏部材15は、着用者胸部の形状に倣い胸部の前面側中央部から脇部に亘って被覆するような湾曲形状を有している。表部材14は、胸部プロテクター10の表面を構成する第1表面14Aと、第1表面14Aに対して反対側の裏面であって裏部材15に対向する第1裏面14Bとを備えている。また、裏部材15は、第1裏面14Bと対向する第2表面15Aと、第2表面15Aに対して反対側であって胸部プロテクター10の裏面を構成する第2裏面15Bとを備えている。
【0020】
表部材14および裏部材15を重ねた状態に結合するため、表部材14は、第1表面14Aから第1裏面14Bに亘って貫通する表側結合孔16Sを備えている。また、裏部材15は、第2表面15Aから第2裏面15Bに亘って貫通する裏側結合孔16Bを備えている。表側結合孔16Sおよび裏側結合孔16Bは、表部材14および裏部材15において、差込部12および差込凹部13が配置された側とは反対側、すなわち胸部の脇に位置する縁部の上下のコーナ部近傍に配置されている。表側結合孔16Sおよび裏側結合孔16Bは、表部材14および裏部材15を重ねたときに重なり、結合ピン17が挿通される。表部材14および裏部材15は、表側結合孔16Sおよび裏側結合孔16Bの位置において、結合ピン17がかしめられることによって結合される。
【0021】
さらに、表部材14および裏部材15を重ねた状態に結合し、さらに取付部3を被覆体11に取り付けるための結合ベルト7(図1参照)を挿通するため、表部材14は、第1表面14Aから第1裏面14Bに亘って貫通する表側挿通孔18Sを備えている。また、裏部材15は、第2表面15Aから第2裏面15Bに亘って貫通する裏側挿通孔18Bを備えている。表側挿通孔18Sおよび裏側挿通孔18Bは、表部材14および裏部材15において各々が一例として矩形形状を有している。そして、差込部12および差込凹部13が配置された端部に近い位置であって、上下方向に並んで2つ設けられている。表側挿通孔18Sおよび裏側挿通孔18Bは、表部材14および裏部材15が重ねられたとき重なる位置に設けられている。一例として、結合ベルト7は、基端部に係止部を備えた面ファスナーを備えたテープ部材である。結合ベルト7は、基端部の係止部を上側の裏側挿通孔18Bに係止させ、先端部を、上側の裏側挿通孔18Bおよび表側挿通孔18Sの順に挿通し、次いで、先端部を下側の表側挿通孔18Sから裏側挿通孔18Bに挿通し、表部材14上に延在される。そして、先端部を、表部材14および裏部材15の下端部に巻回し、表部材14上で、表部材14上に延在している結合ベルト7に結合する。結合ベルト7には、さらに、着用体1の裏側に雌ボタンに結合される雄ボタンが配置されている。
【0022】
さらに、胸部プロテクター10の装着時において、胸部プロテクター10の内側の空間部と外部空間との間の通気性を確保するため、表部材14は、第1表面14Aから第1裏面14Bに亘って貫通する表側貫通孔19Sを備えている。また、裏部材15は、第2表面15Aから第2裏面15Bに亘って貫通する裏側貫通孔19Bを備えている。表側貫通孔19Sおよび裏側貫通孔19Bは、表部材14および裏部材15が重ねられたときに重なる位置に設けられており、通気孔として機能する。
【0023】
表部材14および裏部材15が着用者胸部の形状に倣う湾曲形状を有する中で、表側貫通孔19Sおよび裏側貫通孔19Bは、その側面を構成する周壁が表部材14および裏部材15の中の複数箇所に設けられることによって、表部材14および裏部材15の強度を高めるようにもしている。なお、表側結合孔16Sおよび裏側結合孔16B、ならびに、表側挿通孔18Sおよび裏側挿通孔18Bについても、同様に成形され、強度を高める機能を備えている。
【0024】
左側被覆体11Lは、着用者胸部の中央であって上下方向に延びる右側端部に、上から順に左側差込凹部13L、左側差込部12L、左側差込凹部13L、左側差込部12Lの順に配置されている。また、右側被覆体11Rは、着用者胸部の中央であって上下方向に延びる左側端部に、上から順に右側差込部12R、右側差込凹部13R、右側差込部12R、右側差込凹部13Rの順に配置されている。
なお、以下、左側差込部12Lおよび右側差込部12Rをまとめて差込部12ともいい、左側差込凹部13Lおよび右側差込凹部13Rをまとめて差込凹部13ともいう。
【0025】
図5に示すように、被覆体11の差込部12は、表部材14から相手方の被覆体11の方向に突出する表側第1突出片21Sと、裏部材15から相手方の被覆体11の方向に突出する裏側第1突出片21Bとを備えている。表側第1突出片21Sの第1表面14Aは、第1表面14Aに凹部形状の窪みを設けることによって、周囲の領域より1段低くなるように形成されている。なお、表側第1突出片21Sの第1裏面14Bは、周囲の領域と面一である。また、裏側第1突出片21Bの第2裏面15Bは、第2裏面15Bに凹部形状の窪みを設けることによって、周囲の領域より1段低くなるように形成されている。なお、裏側第1突出片21Bの第2表面15Aは、周囲の領域と面一である。表側第1突出片21Sおよび裏側第1突出片21Bは、互いに対向する対をなす片であって、ほぼ平坦な第1裏面14Bおよび第2表面15Aが突き合わされることによって、差込部12を構成する。表側第1突出片21Sの第1表面14Aと裏側第1突出片21Bの第2裏面15Bとは、第1間隔22(差込部12の厚さに相当)を有することになる。
【0026】
被覆体11の差込凹部13は、表部材14から相手方の被覆体11の方向に突出する表側第2突出片23Sと、裏部材15から相手方の被覆体11の方向に突出する裏側第2突出片23Bとを備えている。表側第2突出片23Sの第1表面14Aは、周囲の領域と面一であり、第1裏面14Bは、第1裏面14Bに凹部形状の窪みを設けることによって、周囲の領域より1段低くなるように形成されている。また、裏側第2突出片23Bの第2裏面15Bは、周囲の領域と面一であり、第2表面15Aは、第2表面15Aに凹部形状の窪みを設けることによって、周囲の領域より1段低くなるように形成されている。表側第2突出片23Sおよび裏側第2突出片23Bは、互いに対向する対をなす片であって、凹部形状の窪みを有した第1裏面14Bおよび第2表面15Aを対向させることによって、第1裏面14Bと第2表面15Aとの間に差込凹部13を構成する。そして、表側第2突出片23Sの第1表面14Aと裏側第2突出片23Bの第2裏面15Bとの間が第2間隔24を有し、第2間隔24は、差込凹部13の部分の厚さとなる。胸部プロテクター10は、第2間隔24が第1間隔22より大きくなるように設定されることで、表部材14と裏部材15とを重ねた積層体の厚みの範囲内で、差込部12を差込凹部13に差し込み可能とする構造を実現している。
【0027】
差込部12を構成する表側第1突出片21Sの第1表面14Aは、被係合部としての凹部25を備えている。凹部25は、一例として、第1表面14Aの基端部に配置されている。また、差込凹部13を構成する表側第2突出片23Sの第1裏面14Bは、凹部25に係合する係合部としての突部26を備えている。突部26は、一例として、第1裏面14Bの先端部に配置されている。表側第1突出片21Sの第1表面14Aおよび表側第2突出片23Sの第1裏面14Bの各々は、互いに相対して対向する対向面である。凹部25と突部26は、差込凹部13に対する差込部12の挿抜方向に対して交差する方向、一例として直交する方向に延在する凹条部と突条部である。差込凹部13に対して差込部12が挿入されている状態において、突部26は、凹部25に係合することによって、差込部12が差込凹部13に対して抜けにくくする。
一例として、凹部25と突部26は、上から2つ目から4つ目の差込部12および差込凹部13に設けられている。
【0028】
差込部12を構成する表側第1突出片21Sの第1表面14Aは、先端部に、第1裏面14B側を頂部としたテーパ部27Aを備えている。テーパ部27Aは、差込部12の先端部を先細りとし、差込凹部13に差し込みし易くしている。差込凹部13を構成する裏側第2突出片23Bの第2表面15Aも、先端部に、第2裏面15B側を頂部としたテーパ部27Bを備えている。テーパ部27Bは、差込凹部13の開口端を拡幅し、差込部12を差し込み易くする。
【0029】
さらに、差込部12を構成する表側第1突出片21Sの第1表面14Aは、胸部プロテクター10の装着時における上下方向における中央部に被案内部としての案内突部28Aを備えている。案内突部28Aは、案内突部28Aの上下、すなわち両側を凹部とすることによって構成されている。また、案内突部28Aの基端部は、上下方向に延びている。上述の凹部25は、案内突部28Aに設けられている。一方、差込凹部13を構成する表側第2突出片23Sの第1裏面14Bは、胸部プロテクター10の装着時における上下方向における中央部に案内部としての案内溝28Bを備えている。案内溝28Bは、案内溝28Bの上下、すなわち両側を突部とすることによって構成されている。案内突部28Aは、案内溝28Bに係合されることによって、差込部12を差込凹部13に容易に差し込むことができる。また、表側第1突出片21Sは、案内突部28Aを設けて薄い部分を少なくし強度を高めることができる。加えて、案内突部28Aのような凹凸構造を設けることで、強度を高めることができる。
なお、差込部12を構成する裏側第1突出片21Bの第2裏面15Bにも、案内溝28Bが設けられ、差込凹部13を構成する裏側第2突出片23Bの第2表面15Aにも、案内突部28Aが設けられている。これにより、薄い部分を少なくし強度を高め、さらに、凹凸構造を設けることで、裏側第1突出片21Bの強度も高めることができる。
【0030】
以上のように構成される表部材14および裏部材15は、具体的に次のような中空構造を有している。図6に示すように、表部材14および裏部材15は、複数のセルSが並設されたコア層32の上下両面にラミネートシート33,34を熱溶着で接合することにより形成されている。図6(b)および(c)に示すように、コア層32は、熱可塑性樹脂製のシート材であって所定形状に成形された一枚のシート材を折り畳んで形成されている。そして、コア層32は、上壁32aと、下壁32bと、上壁32aおよび下壁32bの間に立設されて六角柱状の筒部を並設する中間壁32cとから構成されている。また、これら上壁32a、下壁32b、中間壁32cによって、コア層32の内部に六角柱状のセルSが区画形成されている。
【0031】
コア層32の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1および第2セルS2が存在する。図6(b)に示すように、第1セルS1は、その上端が二層構造の上壁32aによって閉塞されるとともに、同下端が一層構造の下壁32bによって閉塞されている。この二層構造の上壁32aの各層は互いに接合されている。一方、図6(c)に示すように、第2セルS2は、その上端が一層構造の上壁32aによって閉塞されるとともに、同下端が二層構造の下壁32bによって閉塞されている。この二層構造の下壁32bの各層間は互いに接合されている。また、図6(b)および(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、および隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ二層構造の中間壁32cによって区画されている。
【0032】
図6(a)に示すように、第1セルS1および第2セルS2は、X方向において第1セルS1同士または第2セルS2同士が隣接して列を形成するように配置されている。また、X方向に直交するY方向において、第1セルS1の列と第2セルS2の列とが交互に隣接配置されている。そして、これら第1セルS1および第2セルS2により、コア層32は、ハニカム構造をなしている。
【0033】
図7(a)に示すように、コア層32を構成するシート材100は、一枚の熱可塑性樹脂製のシートを所定の形状に成形することにより形成される。シート材100には、帯状をなす平面領域110および膨出領域120がその幅方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体にわたって形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
【0034】
図7(a)に示すように、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。なお、こうした第1膨出部121および第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
【0035】
図7(a)および(b)に示すように、上述のように構成されたシート材100を、境界線P、Qに沿って折り畳むことでコア層32が形成される。具体的には、シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に圧縮する。そして、図7(b)および(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより板状のコア層32が形成される。
【0036】
このとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層32の上壁32aが形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層32の下壁32bが形成される。なお、図7(c)に示すように、上壁32aにおける第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって二層構造を形成する部分、および下壁32bにおける第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって二層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
【0037】
図6(b)および(c)に示すように、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面および側面が第2セルS2の側壁を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁を構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、および膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が二層構造をなす中間壁32cとなる。また、第1セルS1では、一対の重ね合わせ部131によってその上端が閉塞され、第2セルS2では、一対の重ね合わせ部131によってその下端が閉塞されている。
【0038】
上記のようにして折り畳み成形されたコア層32の上面および下面には、それぞれラミネートシート33およびラミネートシート34が熱溶着により接合されている。
図6(b)に示すように、上面のラミネートシート33は、外面側(図6(b)において上側)に配置される熱可塑性樹脂製のスキン層33aと、そのスキン層33aに接合された接着層33bとの二層構造をなしており、スキン層33aが接着層33bを介してコア層32に接合されている。すなわち、表部材14および裏部材15においてコア層32とスキン層33aとの間に接着層33bが介在されている。ラミネートシート33は、例えば、共押出成形によりスキン層33aおよび接着層33bが一体化された状態で製造したり、それぞれ独立して製造したスキン層33aおよび接着層33bを熱溶着により接合したりすることで得られる。
【0039】
図6(b)に示すように、下面のラミネートシート34は、上面のラミネートシート3と同様に、外面側(図6(b)において下側)に配置される熱可塑性樹脂製のスキン層34aと、スキン層34aに接合された接着層34bとの二層構造を成しており、スキン層34aが接着層34bを介してコア層32に接合されている。すなわち、表部材14および裏部材15においてコア層32とスキン層34aとの間に接着層34bが介在されている。ラミネートシート34におけるスキン層34aおよび接着層34bは、それぞれラミネートシート33におけるスキン層33aおよび接着層33bと同じ厚みに形成されている。
【0040】
なお、これらコア層32、スキン層33a、スキン層34aは、従来公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリロニトリルーブタジエンースチレン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。コア層32、スキン層33a、スキン層34aを同じ材質の熱可塑性樹脂とすることにより、表部材14および裏部材15での反り等が発生し難くなる。
【0041】
次に、以上のように構成された胸部プロテクター10は次のような作用を有する。
以上のように構成された胸部プロテクター10は、次のように使用される。
まず、胸部プロテクター10を着用体1の裏側に取り付ける仕様の場合は、表部材14および裏部材15が結合ピン17によって結合され、さらに、結合ベルト7で結合される。このように構成された胸部プロテクター10は、次に、着用体1の裏側に雌ボタンに、結合ベルト7の雄ボタンが結合される。これにより、胸部プロテクター10は、着用体1と一体となり、着用体1の装着と一緒に装着することができる。
また、装着ベルト2で胸部プロテクター10を着用する仕様の場合は、表部材14および裏部材15が結合ピン17によって結合され、さらに、装着ベルト2が連結された取付部3が表側結合孔16Sおよび裏側結合孔16B、ならびに、表側挿通孔18Sおよび裏側挿通孔18Bを利用して被覆体11に取り付けられる。そして、左側被覆体11Lおよび右側被覆体11Rが左右に分離された状態で、装着ベルト2を着用者の肩部に掛けて胸部プロテクター10を着用者胸部の前面に配置する。その後、左右に分離されている左側被覆体11Lおよび右側被覆体11Rを結合する。胸部プロテクター10を装着した後、着用者は、胸部プロテクター10の上側に着用体1を着用する。
【0042】
左側被覆体11Lおよび右側被覆体11Rの結合は次のように行う。
左側被覆体11Lの左側差込部12Lは、右側被覆体11Rの右側差込凹部13Rに差し込まれ、右側被覆体11Rの右側差込部12Rは、左側被覆体11Lの左側差込凹部13Lに差し込まれる。この際、差込部12および差込凹部13は、テーパ部27Aおよびテーパ部27Bを有しているので、差込凹部13に容易に挿入することができる。そして、左側被覆体11Lと右側被覆体11Rとは、左右に互いに近接する方向に移動させる。この際、案内溝28Bに案内突部28Aが係合することで、容易に左右方向に移動させることができる。そして、差込部12の突部26は、差込凹部13の凹部25に係合される。これにより、差込部12が差込凹部13に差し込まれた状態が維持される。
【0043】
差込部12を差込凹部13から引き抜くには、左側被覆体11Lと右側被覆体11Rとを左右に離間する方向に移動させる。図8に示すように、この際、差込部12が差込凹部13に差し込まれた状態から差込部12が差込凹部13に差し込まれた部分が裏から表に向けて突き出る矢印D1方向に曲げる力を加える。すると、差込部12を構成する表側第1突出片21Sの第1表面14Aの先端部が差込凹部13を構成する表側第2突出片23Sの第1裏面14Bの基端部に突き当たり、ここを支点として、差込凹部13に対する差込部12のがたつきの分、変位する。支点となる位置は、差込凹部13の開口端に近い凹部25と突部26の係合位置に対して、差込凹部13の奥部である。これにより、凹部25と突部26とは、差込部12の表側第1突出片21Sと表側第2突出片23Sとの間に広がる間隙に位置することとなり、係合した状態が解除される。凹部25と突部26との係合が解除された状態を維持して、左側被覆体11Lと右側被覆体11Rとは、左右に離間する方向に移動させる。これにより、差込部12は、差込凹部13から引き抜かれる。
【0044】
胸部プロテクター10を装着しているときに、外部から矢印D2方向の力が加わったときは、次のようになる。差込凹部13を構成する表側第2突出片23Sの第1裏面14Bの先端部は、差込部12を構成する表側第1突出片21Sの第1表面14Aの基端部に突き当たる。これは、凹部25に対して突部26が強く係合する方向の変位と同じである。これにより、差込部12が差込凹部13から外れにくくなる。
【0045】
以上のような胸部プロテクター10によれば、以下に列記するような効果を得ることができる。
(1)着用体1のファスナーを下げた状態で、差込部12が差込凹部13に差し込まれた部分に対して裏から表に向けて突き出る矢印D1方向に曲げる力を加えながら左側被覆体11Lと右側被覆体11Rとを左右に離間する方向に移動させる。これにより、左側被覆体11Lと右側被覆体11Rとを容易に分離することができる。そして、着用者は、休憩時などに涼をとることができる。
【0046】
(2)外部から矢印D2方向の力が加わったときは、差込凹部13を構成する表側第2突出片23Sの第1裏面14Bの中央部分が差込部12を構成する表側第1突出片21Sの第1表面14Aの中央部分に押され、さらに、凹部25と突部26の係合した状態が維持される。これにより、左側被覆体11Lと右側被覆体11Rとが分離されにくくなる。したがって、着用者胸部を胸部プロテクター10で保護することができる。
(3)被覆体11は、表部材14と裏部材15とで構成されることから、胸部プロテクターとしての十分な強度を維持することができる。
【0047】
(4)表部材14に表側第1突出片21Sおよび表側第2突出片23Sを設け、裏部材15に裏側第1突出片21Bおよび裏側第2突出片23Bを設けるだけで、差込部12および差込凹部13を容易で簡単に構成することができる。
(5)上記(1)および(2)の効果は、凹部25を表側第1突出片21Sに設け、突部26を表側第2突出片23Sに設けることで実現することができる。
【0048】
(6)上記(1)および(2)の効果は、差込部12の凹部25を第1表面14Aの基端部に配置し、差込凹部13の突部26を第1裏面14Bの先端部に配置することで実現することができる。
(7)表部材14および裏部材15は、中空構造体で構成されるので軽量化を達成することができるとともに、剛性にも優れ、耐衝撃性に優れたものとすることができる。
【0049】
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・表側貫通孔19Sおよび裏側貫通孔19Bの幾つかは、取付部3を取り付けるための取付孔として機能させることができる。この場合、取付部3を被覆体11に対して取り付けるためのピンが挿通されピンがかしめられる。なお、取付部3は、結合ベルトによっても、被覆体11に取り付けることができる。
・差込部12の部分の厚さや差込凹部13の部分の厚さは、左側被覆体11Lと右側被覆体11Rの着脱作業や着用者胸部の保護機能の妨げとならないのであれば、表部材14および裏部材15を重ねた積層体の厚さより厚くてもよい。
・表側貫通孔19Sおよび裏側貫通孔19Bを設ける位置や数は特に限定されるものではない。また、表部材14の表側貫通孔19Sの位置と裏部材15の裏側貫通孔19Bの位置はずれていてもよい。また、表部材14および裏部材15の構成の簡素化のため、表側貫通孔19Sおよび裏側貫通孔19Bを設けなくてもよい。
・表部材14および裏部材15の中空構造体としては、ハニカム構造以外の格子構造(三角格子構造、四角格子構造など)を備えていてもよい。また、十分な強度を得ることができる場合などには、表部材14および裏部材は、中空構造体でなくてもよい。また、表部材14および裏部材の何れか一方が中空構造体でなくてもよい。
・表部材14および裏部材15はブロー成形体であってもよい。ただし、上述の中空構造体の方が軽量化を実現することができる。また、その他、表部材14および裏部材15は射出成形体や発泡板材をプレス成形したものでもよい。
・表部材14および裏部材15の間には、さらに中空構造体の板体を、1つまたは複数、介在させるようにしてもよい。
・中空構造体は、一例として、プレス成形または真空成形で曲げ加工して、胸部に倣う形状に湾曲させることができる。
【0050】
・差込部12が差込凹部13に差し込まれた部分が矢印D1方向に力を加えながら左側被覆体11Lと右側被覆体11Rとを分離させることができれば、その構造は特に限定されるものではない。
例えば、差込部12を構成する表側第1突出片21Sの第1表面14Aに突部26を設け、差込凹部13を構成する表側第2突出片23Sの第1裏面14Bに凹部25を設けるようにしてもよい。
また、差込部12を構成する裏側第1突出片21Bの第2裏面15Bに凹部25および突部26の何れか一方を設け、差込凹部13を構成する裏側第2突出片23Bの第2表面15Aに凹部25および突部26の他方を設けるようにしてもよい。裏側第1突出片21Bの第2裏面15Bおよび裏側第2突出片23Bの第2表面15Aの各々は、互いに相対して対向する対向面である。
凹部25および突部26は、どの差込部12および差込凹部13に設けるようにしてもよい。一例として、全ての差込部12とおよび差込凹部13に対して凹部25および突部26を設けるようにしてもよいし、一例として、1つの差込部12とおよび差込凹部13に対して凹部25および突部26を設けるようにしてもよい。また、2つ目と3つ目の差込部12および差込凹部13に凹部25および突部26を設けるようにしてもよい。
また、その他の位置に突部や凹部を設けるようにしてもよい。
【0051】
・差込部12が差込凹部13に差し込まれた状態に維持する構造は、上記の例に限定されるものではない。一例として、差込部12に弾性係合片および係合孔の何れか一方を設け、差込凹部に弾性係合片および係合孔の他方を設けるようにしてもよい。この場合、弾性係合片を弾性変位させることによって、弾性係合片の先端部に設けられた係合突起を係合孔に対して係脱させることができる。そして、弾性係合片を弾性変位させて、係合孔から係合突起を外すことによって、左側被覆体11Lと右側被覆体11Rとを分離させることができる。一例として、差込部12を雄バックルで構成し、差込凹部13を雌バックルで構成し、左右方向や上下方向に移動させて着脱を行うことができるようにしてもよい。
・差込部12を差込凹部13に差し込む方向は、左右方向ではなく、上下方向であってもよい。
・左側被覆体11Lと右側被覆体11Rの何れか一方だけに差込部12を設け、他方の側だけに差込凹部13を設けるようにしてもよい。
・差込部12および差込凹部13の数は、1つでもよいし、複数であってもよい。また、差込部12や差込凹部13の形状や幅は、それぞれ異なっていてもよい。
【0052】
・被覆体11において、表部材14と裏部材15との積層体は、強度を高めるため、更に中空構造体の板材やシート材などが挿入されていてもよい。また、表部材14と裏部材15との間には、衝撃吸収のため、クッション材が挿入されていてもよい。
・差込部12および差込凹部13は、1つずつであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…着用体、2…装着ベルト、3…取付部、3L…左側取付部、3R…右側取付部、4L…左側肩掛けベルト部、4R…右側肩掛けベルト部、5…周回ベルト部、6…背部ベルト部、7…結合ベルト、10…胸部プロテクター、11…被覆体、11L…左側被覆体、11R…右側被覆体、12…差込部、12L…左側差込部、12R…右側差込部、13…差込凹部、13L…左側差込凹部、13R…右側差込凹部、14…表部材、14A…第1表面、14B…第1裏面、14L…左側表部材、14R…右側表部材、15…裏部材、15A…第2表面、15B…第2裏面、15L…左側裏部材、15R…右側裏部材、16B…裏側結合孔、16S…表側結合孔、17…結合ピン、18B…裏側挿通孔、18S…表側挿通孔、19B…裏側貫通孔、19S…表側貫通孔、21B…裏側第1突出片、21S…表側第1突出片、22…第1間隔、23B…裏側第2突出片、23S…表側第2突出片、24…第2間隔、25…凹部、26…突部、27A…テーパ部、27B…テーパ部、28A…案内突部、28B…案内溝、32…コア層、32a…上壁、32b…下壁、32c…中間壁、33…ラミネートシート、33a…スキン層、33b…接着層、34…ラミネートシート、34a…スキン層、34b…接着層、100…シート材、110…平面領域、120…膨出領域、121…第1膨出部、122…第2膨出部、130…区画体、131…重ね合わせ部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8