(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6969765
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】食器セット、及び食器セットの使用方法
(51)【国際特許分類】
A47G 19/00 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
A47G19/00 N
A47G19/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2021-100693(P2021-100693)
(22)【出願日】2021年6月17日
【審査請求日】2021年6月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521266066
【氏名又は名称】北澤 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100195752
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 一正
(72)【発明者】
【氏名】北澤 美紀
【審査官】
大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−149710(JP,U)
【文献】
実開昭61−097973(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2019/0343309(US,A1)
【文献】
miya,”キッチン/ビタミンカラー/カラフルポップ/カラフル食器/100均クオリティ/輸入雑貨・・・のインテリア実例”,日本,RoomClip,2019年01月10日,インターネット<URL:https://roomclip.jp/photo/by9O>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/00〜19/34
B29C 43/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の食器からなる一方の食器群と、前記一方の食器群とは異なる複数の食器からなる他方の食器群とで構成される食器セットであって、
前記一方の食器群における各食器の共通の部分にはそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれており、
前記他方の食器群における各食器には、前記一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した前記特定色が全て彩色された絵柄が描かれ、
前記一方の食器群における任意の食器と前記他方の食器群における任意の食器とを重ねて組合せるものであることを特徴とする食器セット。
【請求項2】
前記他方の食器群には、異なる絵柄が描かれた食器が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の食器セット。
【請求項3】
前記一方の食器群は複数のコーヒーカップからなり、前記他方の食器群は複数のソーサからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の食器セット。
【請求項4】
前記一方の食器群は複数のコーヒーカップからなり、各コーヒーカップの共通の部分は把手であることを特徴とする請求項1―3のいずれかに記載の食器セット。
【請求項5】
前記一方の食器群は複数の蓋からなり、前記他方の食器群は複数の碗からなり、前記共通の部分は前記蓋の裏面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の食器セット。
【請求項6】
複数の食器からなる一方の食器群と、前記一方の食器群とは異なる複数の食器からなる他方の食器群とで構成される食器セットであって、前記一方の食器群における各食器の共通の部分にはそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれており、前記他方の食器群における各食器には、前記一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した特定色が全て彩色された絵柄が描かれ、前記一方の食器群における任意の食器と前記他方の食器群における任意の食器とを重ねて組合せるものであることを特徴とする食器セットを準備し、
前記一方の食器群から任意の食器である一方の選択食器を選択し、
前記他方の食器群から任意の食器である他方の選択食器を選択し、
前記一方の選択食器と前記他方の選択食器とを組合せて使用することを特徴とする食器セットの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定色を含むデザインを施した食器セット、及び食器セットの使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、コーヒーカップとソーサ、ティーカップとスプーン、又は蓋と碗など、一方の食器と他方の食器とを組合せて使用するものがある。このような一方の食器と他方の食器とを組合せて使用するには、デザインや色合いにおいて調和がとれたものであることが望ましく、また、組合せたときに楽しい気分にさせてくれるとさらに望ましい。
【0003】
特許文献1には、カップとソーサの組み合わせにおいて、カップに鏡面を設け、ソーサに置いたときにソーサに描いた絵がカップの鏡面に映るようにした事項が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許文献1:実開昭61−97973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものにおけるカップとソーサの組み合わせは、洗っているときなどにカップかソーサのいずれかが割れてしまうと組合せができなくなってしまい、残った方の食器が無駄になってしまうという問題があった。また、特許文献1に記載のものに限らず、陶器や磁器やガラスからなる一方の食器と陶器や磁器やガラスからなる他方の食器とを組合せて使用するものにおいては、いずれかの食器が割れたり欠けたりして組合せが不可能になることがあった。
さらに、日常使用する食器であれば、繰り返し使用することでデザインや色合いに飽きがくる恐れがあるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決して、一方の食器又は他方の食器のいずれかが割れたり欠けたりしても別の食器を選択して組合せを継続できるとともに、食器の組合せを変更して飽きのこない食器の組合せを実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、複数の食器からなる一方の食器群と、前記一方の食器群とは異なる複数の食器からなる他方の食器群とで構成される食器セットであって、
前記一方の食器群における各食器の共通の部分にはそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれており、
前記他方の食器群における各食器には、前記一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した前記特定色が全て彩色された絵柄が描かれ、
前記一方の食器群における任意の食器と前記他方の食器群における任意の食器とを重ねて組合せるものであることを特徴とする食器セットを提供するものである。
【0008】
この構成により、一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した特定色が他方の食器群における各食器全て彩色された絵柄が描かれたことで、任意の一方の食器に対して任意の他方の食器を選択して組合せても色合いが調和するため、一方の食器又は他方の食器のいずれかが割れたり欠けたりしても別の食器を選択して組合せを継続できるとともに、一方の食器群のいずれかの食器を選択して他方の食器群の任意の食器と組合せても満足でき、組合せを変えることで飽きのこない食器の組合せを実現することができる。
【0009】
食器セットであって、前記他方の食器群には、異なる絵柄が描かれた食器が含まれている構成としてもよい。
【0010】
この構成により、飽きのこない食器の組合せを実現することができる。
【0011】
食器セットであって、前記一方の食器群は複数のコーヒーカップからなり、前記他方の食器群は複数のソーサからなる構成としてもよい。
【0012】
この構成により、コーヒーカップとソーサの組合せにおいて、いずれかが割れたり欠けたりしても別の食器を選択して組合せを継続できるとともに、任意のコーヒーカップを選択して任意のソーサと組合せても色合いが調和して満足でき、飽きのこない食器の組合せを実現することができる。
【0013】
食器セットであって、前記一方の食器群は複数のコーヒーカップからなり、各コーヒーカップの共通の部分は把手である構成としてもよい。
【0014】
この構成により、複数のコーヒーカップの把手部分にそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれ、複数のソーサには特定色が全て彩色された絵柄が描かれたことで、任意のコーヒーカップに対して任意のソーサを選択して組合せても色合いが調和するため、コーヒーカップかソーサが割れたり欠けたりしても別のコーヒーカップ又はソーサを選択して組合せを継続できるとともに、別のコーヒーカップを選択して任意のソーサと組合せても色合いが調和して満足でき、飽きのこない食器の組合せを実現することができる。
【0015】
食器セットであって、前記一方の食器群は複数の蓋からなり、前記他方の食器群は複数の碗からなり、前記共通の部分は前記蓋の裏面である構成としてもよい。
【0016】
この構成により、複数の蓋の裏面部分にそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれ、複数の碗には特定色が全て彩色された絵柄が描かれたことで、蓋か碗が割れたり欠けたりしても別の蓋又は碗を選択して組合せを継続できるとともに、別の蓋を選択して任意の碗と組合せても色合いが調和して満足でき、飽きのこない食器の組合せを実現することができる。
【0017】
また、上記課題を解決するために本発明は、複数の食器からなる一方の食器群と、前記一方の食器群とは異なる複数の食器からなる他方の食器群とで構成される食器セットであって、前記一方の食器群における各食器の共通の部分にはそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれており、前記他方の食器群における各食器には、前記一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した特定色が全て彩色された絵柄が描かれ、
前記一方の食器群における任意の食器と前記他方の食器群における任意の食器とを重ねて組合せるものであることを特徴とする食器セットを準備し、
前記一方の食器群から任意の食器である一方の選択食器を選択し、
前記他方の食器群から任意の食器である他方の選択食器を選択し、
前記一方の選択食器と前記他方の選択食器とを組合せて使用することを特徴とする食器セットの使用方法を提供するものである。
【0018】
この構成により、一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した特定色が全て彩色された絵柄が他方の食器群における各食器に描かれたことで、一方の食器又は他方の食器のいずれかが割れたり欠けたりしても別の食器を選択して組合せを継続できるとともに、一方の食器群のいずれかの食器を選択して他方の食器群の任意の食器と組合せても色合いが調和して満足でき、組合せを変えることで飽きのこない食器の組合せを実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の食器セット、及び食器セットの使用方法により、一方の食器又は他方の食器のいずれかが割れたり欠けたりしても別の食器を選択して組合せを継続できるとともに、食器の組合せを変更して飽きのこない食器の組合せを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例1の食器セットにおける一方の食器群を説明する図である。
【
図2】本発明の実施例1の食器セットにおける他方の食器群を説明する図である。
【
図3】本発明の実施例1の食器セットにおける一方の食器と他方の食器を組合せた第1の例を示す図である。
【
図4】本発明の実施例1の食器セットにおける一方の食器と他方の食器を組合せた第2の例を示す図である。
【
図5】本発明の実施例1の食器セットにおける他方の食器の別の例を示す図である。
【
図6】本発明の実施例2の食器セットを説明する図である。
【
図7】本発明の実施例2の食器セットにおける第1の組合せ例を示す図である。
【
図8】本発明の実施例2の食器セットにおける第2の組合せ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1における食器セットについて、
図1〜
図5を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1の食器セットにおける一方の食器群を説明する図である。
図2は、本発明の実施例1の食器セットにおける他方の食器群を説明する図である。
図3は、本発明の実施例1の食器セットにおける一方の食器と他方の食器を組合せた第1の例を示す図である。
図4は、本発明の実施例1の食器セットにおける一方の食器と他方の食器を組合せた第2の例を示す図である。
図5は、本発明の実施例1の食器セットにおける他方の食器の別の例を示す図である。
【0022】
(食器セット)
実施例1における食器セットは、陶器製の一方の食器群100と他方の食器群200とからなる。一方の食器群100は、
図1に示すように、一方の食器であるコーヒーカップ10(10G、10R、10B)が3個含まれている。また、他方の食器群200は、
図2に示すように、ソーサ20が3個含まれている。
【0023】
そして、コーヒーカップ10(10G、10R、10B)のカップ本体1の表面は黒地に金色の絵柄が描かれている(図示せず)。また、コーヒーカップ10(10G、10R、10B)の共通の部分である把手2には、それぞれ異なる色の特定色が彩色されている。すなわち、コーヒーカップ10Gの把手2には特定色である緑色Gが彩色され、コーヒーカップ10Rの把手2には特定色である赤色Rが彩色され、コーヒーカップ10Bの把手2には特定色である青色Bが彩色されている。
【0024】
ソーサ20の表面には、
図2に示すように、コーヒーカップ10(10G、10R、10B)の共通の部分である把手2に彩色された全ての特定色、すなわち、緑色G、赤色R、及び青色Bを含む色で絵柄が描かれている。
【0025】
このようなコーヒーカップ10(10G、10R、10B)とソーサ20とにおいて、例えば、
図3に示すようなコーヒーカップ10Gとソーサ20とを組合せた場合、コーヒーカップ10Gの共通の部分である把手2に緑色Gの特定色が彩色され、ソーサ20にも緑色Gが彩色されているため、色合いが調和し満足のいく組合せができる。
【0026】
また、
図4に示すようなコーヒーカップ10Rとソーサ20とを組合せた場合、コーヒーカップ10Rの共通の部分である把手2に赤色Gの特定色が彩色され、ソーサ20にも赤色Gが彩色されているため、色合いが調和し満足のいく組合せができる。
【0027】
図5に示す他方の食器群200は、ソーサ20とは異なる絵柄が描かれたソーサ30が含まれた構成をしている。この場合もソーサ30には緑色G、赤色R、及び青色Bの3色が彩色されている。このため、一方の食器群100におけるいずれのコーヒーカップと組み合せても色合いの調和した満足のいく組合せを実現できる。このように、他方の食器群には、異なる絵柄が描かれた食器が含まれている構成としてもよい。
【0028】
なお、実施例1における食器セットは、陶器製の一方の食器群と他方の食器群とからなる構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、磁器製であってもよいし、ガラス製であってもよく、任意の素材で構成されていてよい。
【0029】
また、実施例1においては、一方の食器群は3個のコーヒーカップからなり、他方の食器群は3個のソーサからなる構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、いずれの食器群も4個以上の食器から構成してもよいし、2個の食器から構成してもよい。また、一方の食器群のコーヒーカップの数と他方の食器群のソーサの数とを異ならせてもよい。
【0030】
さらに、実施例1においては、共通の部分である把手2に彩色した特定色を、緑色G、赤色R、及び青色Bとしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、黄色、灰色、及び黒色としてもよいし、任意の色を特定色として彩色させることができる。
【0031】
(食器セットの使用方法)
一方の食器群100から任意のコーヒーカップ10を選択して一方の選択食器とし、また、他方の食器群200から任意のソーサ20を選択して他方の選択食器とする。そして、一方の選択食器と他方の選択食器とを組合せて使用する。この際、他方の食器群200における3個のソーサ20には全て一方の食器群100におけるコーヒーカップ10(10G、10R、10B)の共通の部分であるそれぞれの把手2に彩色された緑色G、赤色R、及び青色Bが全て彩色されていることで、色合いが調和して、どのコーヒーカップ10を選択してもソーサ20と組み合わせて使用することができる。
【0032】
また、その日の気分に合わせて、一方の選択食器を別のコーヒーカップに替えて他方の選択食器と組み合わせてもよい。逆に一方の選択食器に組せる他方の選択食器を別のソーサに替えて組合せを楽しむことができる。いずれの場合も色合いが調和して満足して組合せることができる。
【0033】
このように、実施例1においては、複数の食器からなる一方の食器群と、前記一方の食器群とは異なる複数の食器からなる他方の食器群とで構成される食器セットであって、
前記一方の食器群における各食器の共通の部分にはそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれており、
前記他方の食器群における各食器には、前記一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した前記特定色が全て彩色された絵柄が描かれたことを特徴とする食器セットにより、一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した特定色が全て彩色された絵柄が他方の食器群における各食器に描かれたことで、一方の食器又は他方の食器のいずれかが割れたり欠けたりしても色合いの調和する別の食器を選択して組合せを継続できるとともに、一方の食器群のいずれかの食器を選択して他方の食器群の任意の食器と組合せても色合いが調和して満足でき、組合せを変えることで飽きのこない食器の組合せを実現することができるという大きな効果を奏するものである。
【0034】
また、実施例1においては、複数の食器からなる一方の食器群と、前記一方の食器群とは異なる複数の食器からなる他方の食器群とで構成される食器セットであって、前記一方の食器群における各食器の共通の部分にはそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれており、前記他方の食器群における各食器には、前記一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した前記特定色が全て彩色された絵柄が描かれたことを特徴とする食器セットを準備し、
前記一方の食器群から任意の食器である一方の選択食器を選択し、
前記他方の食器群から任意の食器である他方の選択食器を選択し、
前記一方の選択食器と前記他方の選択食器とを組合せて使用することを特徴とする食器セットの使用方法により、一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した特定色が全て彩色された絵柄が描かれたことで、一方の食器又は他方の食器のいずれかが割れたり欠けたりしても色合いの調和する別の食器を選択して組合せを継続できるとともに、一方の食器群のいずれかの食器を選択して他方の食器群の任意の食器と組合せても色合いが調和して満足でき、組合せを変えることで飽きのこない食器の組合せを実現することができるという大きな効果を奏するものである。
【実施例2】
【0035】
本発明の実施例2は、一方の食器群が蓋物の碗で構成され、他方の食器群が蓋物の蓋で構成されている点で実施例1と異なっている。実施例2について
図6−
図8を参照して説明する。
図6は、本発明の実施例2の食器セットを説明する図であり、(a)は共通の部分である碗内面において梅の葉に緑色Gが彩色され、(b)は共通の部分である碗内面において梅の花に赤色Rが彩色されている。
図7は、本発明の実施例2の食器セットにおける第1の組合せ例を示す図である。
図8は、本発明の実施例2の食器セットにおける第2の組合せ例を示す図である。
【0036】
実施例2における一方の食器群300は、陶器からなる蓋物の2個の碗40(40G、40R)で構成されている(
図6−
図8参照)。また、他方の食器群400は、陶器製からなる蓋物の蓋50、60を2個有している(
図6―
図8参照)。
【0037】
そして、碗40(40G、40R)の碗内面42には梅の実の絵柄が描かれた40Gと梅の花の絵柄が描かれた40Rがある。また、碗40(40G、40R)の共通の部分である碗内面42には、それぞれ異なる特定色が彩色されている。すなわち、碗40Gの碗内面42には梅の葉に特定色である緑色Gが彩色され(
図6(a)参照)、碗40Rの蓋裏面42には梅の花に特定色である赤色Rが彩色されている(
図6(b)参照)。
【0038】
図7は、本発明の実施例2の食器セットにおける第1の組合せ例を示す。蓋物の蓋50の表面には、梅の花の絵柄が描かれ、また、碗40(40G、40R)の共通の部分である碗内面42に彩色された全ての特定色、すなわち、緑色G、及び赤色Rを含む色が彩色されて絵柄が描かれている。
【0039】
図8は、本発明の実施例2の食器セットにおける第2の組合せ例を示す。蓋物の蓋60の表面には、蓋50とは異なる梅の花の絵柄が描かれている。また、碗40(40G、40R)の共通の部分である碗内面42に彩色された全ての特定色、すなわち、緑色G、及び赤色Rを含む色が彩色されている。
【0040】
ここで、一方の食器群300における各食器の共通の部分に描かれた特定色が全て他方の食器群400に彩色されていてどの組合せにおいても調和がとれる。また、実施例2においては、一方の食器群にも他方の食器群にも梅が描かれていることで、色合いの調和に加えて、梅というテーマが共通している点でも組合せの調和が図られている。
【0041】
なお、実施例2における食器セットは、陶器製の一方の食器群と他方の食器群とからなる構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、いずれかの食器群又は両方の食器群が磁器製であってもよいし、ガラス製であってもよく、任意の素材で構成されていてよい。
【0042】
また、実施例2においては、一方の食器群は2個の碗からなり、他方の食器群は2個の蓋からなる構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、いずれの食器群も3個以上の食器から構成してもよい。また、一方の食器群の碗の数と他方の食器群の蓋の数とを異ならせてもよい。さらに、他方の食器群の2個の蓋は同じ絵柄が描かれていてもよい。
【0043】
さらに、実施例2においては、共通の部分である碗内面42に彩色した特定色を、緑色G、及び赤色Rとしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、黄色、及び青色としてもよいし、任意の色を特定色として彩色させることができる。
【0044】
(食器セットの使用方法)
一方の食器群300から任意の碗(40G又は40R)を選択して一方の選択食器とし、また、他方の食器群400から任意の蓋(50又は60)を選択して他方の選択食器とする。そして、一方の選択食器と他方の選択食器とを組合せて使用する。この際、他方の食器群400における蓋50及び蓋60には一方の食器群300における碗40(40G、40R)の共通の部分であるそれぞれの碗内面42に彩色された緑色G、及び赤色Rが全て彩色されていることで、どの碗40を選択しても色合いが蓋50及び蓋60と調和することで、満足のいく組み合わせを実現できる。
【0045】
さらに、実施例2においては、一方の食器群300及び他方の食器群400のいずれにも梅が描かれており、梅というテーマが共通している。このため、どの碗40を選択しても梅というテーマが共通していることで蓋50及び蓋60と調和ためで、満足のいく組み合わせを実現できる。
【0046】
また、その日の気分に合わせて、一方の選択食器を別の碗に替えて他方の選択食器と組み合わせてもよい。逆に一方の選択食器に組せる他方の選択食器を別の蓋に替えて組合せを楽しむことができる。いずれの場合も色合い及びテーマが調和して満足して組合せることができる。
【0047】
このように、実施例2においては、複数の食器からなる一方の食器群と、前記一方の食器群とは異なる複数の食器からなる他方の食器群とで構成される食器セットであって、
前記一方の食器群における各食器の共通の部分にはそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれており、
前記他方の食器群における各食器には、前記一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した特定色が全て彩色された絵柄が描かれたことを特徴とする食器セットにより、一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した前記特定色が全て彩色された絵柄が他方の食器群における各食器に描かれたことで、一方の食器又は他方の食器のいずれかが割れたり欠けたりしても別の食器を選択して組合せを継続できるとともに、一方の食器群のいずれかの食器を選択して他方の食器群の任意の食器と組合せても色合いが調和して満足でき、日常的に組合せを変えることで飽きのこない食器の組合せを実現することができるという大きな効果を奏するものである。
【0048】
また、実施例2においては、複数の食器からなる一方の食器群と、前記一方の食器群とは異なる複数の食器からなる他方の食器群とで構成される食器セットであって、前記一方の食器群における各食器の共通の部分にはそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれており、前記他方の食器群における各食器には、前記一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した前記特定色が全て彩色された絵柄が描かれたことを特徴とする食器セットを準備し、
前記一方の食器群から任意の食器である一方の選択食器を選択し、
前記他方の食器群から任意の食器である他方の選択食器を選択し、
前記一方の選択食器と前記他方の選択食器とを組合せて使用することを特徴とする食器セットの使用方法により、一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した特定色が全て彩色された絵柄が他方の食器群における各食器に描かれたことで、一方の食器又は他方の食器のいずれかが割れたり欠けたりしても別の食器を選択して組合せを継続できるとともに、一方の食器群のいずれかの食器を選択して他方の食器群の任意の食器と組合せても色合いが調和して満足でき、日常的に組合せを変えることで飽きのこない食器の組合せを実現することができるという大きな効果を奏するものである。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明における食器セット、及び食器セットの使用方法は、食器の組合せを行う分野に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0050】
1:カップ本体 2:把手(共通の部分)
10(10G、10R、10B):コーヒーカップ(一方の食器)
20:ソーサ(他方の食器) 30:ソーサ(他方の食器)
40(40G、40R):碗
42:碗内面(共通の部分)
50:蓋 60:蓋
100:一方の食器群 200:他方の食器群
300:一方の食器群 400:他方の食器群
G:緑色 R:赤色 B:青色
【要約】
【課題】一方の食器又は他方の食器のいずれかが割れても別の食器を選択して組合せを継続できるとともに、食器の組合せを変更して飽きのこない食器の組合せを実現することを課題とする。
【解決手段】複数の食器からなる一方の食器群100と、前記一方の食器群とは異なる複数の食器からなる他方の食器群200とで構成される食器セットであって、
前記一方の食器群における各食器の共通の部分2にはそれぞれ異なる特定色を含む絵柄が描かれており、
前記他方の食器群における各食器には、前記一方の食器群における各食器の共通の部分に彩色した前記特定色が全て彩色された絵柄が描かれたことを特徴とする食器セットとした。
【選択図】
図1